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JP2017041389A - Li電池用添加剤およびそれを用いたLi電池 - Google Patents

Li電池用添加剤およびそれを用いたLi電池 Download PDF

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JP2017041389A
JP2017041389A JP2015163314A JP2015163314A JP2017041389A JP 2017041389 A JP2017041389 A JP 2017041389A JP 2015163314 A JP2015163314 A JP 2015163314A JP 2015163314 A JP2015163314 A JP 2015163314A JP 2017041389 A JP2017041389 A JP 2017041389A
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紀雄 岩安
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Abstract

【課題】本発明では電池抵抗を低減することを目的に、新規なLi電池用添加剤およびその添加剤を用いたLi電池を提供することを目的にする。【解決手段】式(1)で表わされるリチウムイオン二次電池用の電解液添加剤。および電解液を用いたリチウムイオン二次電池。【選択図】 図1

Description

本発明は、Li電池に関する。
近年、Li電池の開発が盛んに進められている。Li電池の課題として電池抵抗の低減が挙げられる。電池抵抗の低減によりLi電池の出力を向上することができるからである。
一方、Li電池の性能を向上させるために、下記の先行技術が開示されている。
特許文献1には、アクリル性化合物を電解液に添加し、電池の保存特性を向上させる技術が公開されている。
特許文献2には、高分子鎖を電解質に導入し、黒鉛表面でのプロピレンカーボネートの還元分解を抑制する技術が公開されている。
特許文献3には、アクリル系モノマーを用い、耐電解液性に優れたバインダ材料を開発する技術が開示されている。
特許文献4には、フッ素化アクリル系化合物をバインダ材料として用い、充放電サイクル特性に優れた二次電池を提供する技術が開示されている。
特開2014−26885 特開2014−13659 特開2006−40800 特開2002−231251
しかし、例えば、特許文献1に記載の材料は、活物質に形成される被膜や、電位による被膜の形成しやすさ等の観点からさらなる改善の余地がある。
また、特許文献2の材料は、ゲル状の電解質を用いるものであり、Liイオンの移動が抑制されるため、Li電池の抵抗が高くなる可能性がある。特許文献3および4のバインダ材料は、バインダ材料により電極活物質が覆われ、また、そのバインダ材料のLiイオン伝導性が低いため、電池の抵抗が高くなる可能性がある。
そこで、本発明では電池抵抗を低減することを目的に、新規なLi電池用添加剤およびその添加剤を用いたLi電池を提供することを目的にする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
式(1)で表わされるリチウムイオン二次電池用の電解液添加剤。
Figure 2017041389
(式(1)中のRは水素または、炭素数5以下のアルキル基である。式(1)中のRおよびRは、水素、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基のいずれかである。式(1)中のXは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかである。式(1)中のAは、水素、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基のいずれかである。nは芳香族におけるAの置換数であり、nは0以上4以下の整数である。)
正極と負極と電解液を有し、前記電解液は、式(1)で示された添加剤を有する電解液であるリチウムイオン二次電池。
本発明により、電池抵抗が低いLi電池を提供できる。記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池の内部構造を模式的に表す図である。図1に示す本発明の一実施形態に係る電池1は、正極10、セパレータ11、負極12、電池容器(即ち電池缶)13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19、及び電池蓋20、軸心21から構成される。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、及びPTC抵抗素子19からなる一体化部品である。また、軸心21には、正極10、セパレータ11及び負極12が捲回されている。
セパレータ11を正極10及び負極12の間に挿入し、軸心21に捲回した電極群を作製する。軸心21は、正極10、セパレータ11及び負極12を担持できるものであれば、公知の任意のものを用いることができる。電極群は、図1に示した円筒形状の他に、短冊状電極を積層したもの、又は正極10と負極12を扁平状等の任意の形状に捲回したもの等、種々の形状にすることができる。電池容器13の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒形、偏平長円形状、扁平楕円形状、角形等の形状を選択してもよい。
電池容器13の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製等、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。また、電池容器13を正極10又は負極12に電気的に接続する場合は、非水電解質と接触している部分において、電池容器13の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、電池容器13の材料の選定を行う。
電池容器13に電極群を収納し、電池容器13の内壁に負極集電タブ15を接続し、電池蓋20の底面に正極集電タブ14を接続する。電解液は、電池の密閉の前に電池容器内部13に注入する。電解液の注入方法は、電池蓋20を解放した状態にて電極群に直接添加する方法、又は電池蓋20に設置した注入口から添加する方法がある。
その後、電池蓋20を電池容器13に密着させ、電池全体を密閉する。電解液の注入口がある場合は、それも密封する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめ等公知の技術がある。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池は、例えば、下記のような負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解質を注入することによって製造することができる。本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の構造は特に限定されないが、通常、正極及び負極とそれらを隔てるセパレータとを捲回して捲回式電極群にするか、又は正極、負極及びセパレータを積層させて積層型の電極群とすることができる。
<正極>
正極10は、正極活物質、導電剤、バインダ、及び集電体から構成される。正極活物質を例示すると、LiCoO、LiNiO、及びLiMnが代表例である。他に、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn12、LiMn2−xMxO(ただし、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiMnMO(ただし、M=Fe、Co、Ni、Cu、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種)、Li1−xMn(ただし、A=Mg、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Caからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.1)、LiNi1−x(ただし、M=Co、Fe、Gaからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiFeO、Fe(SO、LiCo1−x(ただし、M=Ni、Fe、Mnからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、LiNi1−x(ただし、M=Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgからなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO、FeF、LiFePO、及びLiMnPO等を列挙することができる。正極活物質は1種以上を混合して用いてもよい。また、正極活物質は無機物や有機物で事前に被覆されていてもよい。無機物としては、Al、Mg、Ti、Zr、Mo、Wなどの酸化物が挙げられる。有機物としては、分子内にイオン交換性の官能基を持つイオン交換樹脂が好適に用いられる。正極活物質の粒径は、正極活物質、導電剤、及びバインダから形成される合剤層の厚さ以下になるように通常は規定される。正極活物質の粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製することが好ましい。
また、正極活物質は、一般に酸化物系であるために電気抵抗が高いので、電気伝導性を補うための炭素粉末からなる導電剤を利用することが好ましい。正極活物質及び導電剤はともに通常は粉末であるので、粉末にバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時に集電体へ接着させることができる。
正極10の集電体には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μmで孔径が0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、又は発泡金属板等が用いられる。アルミニウムの他に、ステンレスやチタン等の材質も適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
正極活物質、導電剤、バインダ、及び有機溶媒を混合した正極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、又はスプレー法等によって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、正極10を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。
<負極>
本発明における負極は、負極活物質とバインダおよび集電体からなる。負極活物質としては、天然黒鉛,石油コークスや石炭ピッチコークス等から得られる易黒鉛化材料を2500℃以上の高温で熱処理したもの,メソフェーズカーボン或いは非晶質炭素,炭素繊維,リチウムと合金化する金属,あるいは炭素粒子表面に金属を担持した材料が用いられる。例えばリチウム,銀,アルミニウム,スズ,ケイ素,インジウム,ガリウム,マグネシウムより選ばれた金属あるいは合金である。また,該金属または該金属の酸化物を負極活物質として利用できる。さらに、チタン酸リチウムを用いることもできる。本発明において、負極活物質の選択は本願の効果を得る上で重要である。負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素、チタン酸リチウムが好適に用いられる。負極活物質の種類により、電池に適用した際に生成する被膜の性状が変化することが知られている。本発明で用いる添加剤を加えることで、被膜の性状に影響を及ぼし、その結果本願の効果が高まることが考えられる。
<電解液>
電解液は、溶媒と電解質塩および添加剤から構成される。電解液に使用可能な非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1、2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1、3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1、2−ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、又はクロルプロピレンカーボネート等が挙げられる。本願の効果を得る上で、電解液成分の選択は重要である。溶媒としては、環状カーボネートと鎖状カーボネートを混合して用いることが好ましい。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネートが好適に用いられる。鎖状カーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましく用いられる。また鎖状カーボネートは組み合わせて用いてもよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートの体積比を調整すると、後述する添加剤と相乗効果が発揮し結果として本願の効果が高まる。環状カーボネート(a)と鎖状カーボネート(b)の体積比(a/(a+b))は、0≦a/(a+b)≦0.9であり、好ましくは0.01≦a/(a+b)≦0.50であり、特に好ましくは0.1≦a/(a+b)≦0.30である。溶媒成分は、初充電の際電極で分解反応が起こり、分解生成物が電極表面に生成する。その分解生成物が電池の抵抗を決める要素になる。本発明において、後述する式(1)を添加した電池は電極で反応を起こすが、その反応は電解液の分解と協奏的におこる。本願において、溶媒の体積比で効果が高まる理由は、溶媒と式(1)で形成される被膜が、低抵抗であるためと考えられる。
本願において電解質塩の例としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、又はリチウムトリフルオロメタンスルホンイミドで代表されるリチウムのイミド塩等、多種類のリチウム塩がある。これらの塩を、上記の溶媒に溶解してできた電解液を電池用電解液として使用することができる。本願において、電解質塩の選択は本願の効果を高める上で重要である。電解質塩としては、LiPF、LiBF、LiClOが好ましく、さらに好ましくはLiPF、LiBFであり、特に好ましくはLiPFである。LiPFを用いると、式(1)で形成される被膜の成分に影響を及ぼし、その結果低抵抗な被膜が形成するため本願の効果が高まると考えられる。
<添加剤>
電解液には、Li電池の電位により分解することで正極活物質また負極活物質の表面に被膜を形成する添加剤を添加することができる。
本発明の添加剤として式(1)を用いることができる。式(1)は負極活物質上に後述する式(2)の被膜を形成させることができる。
Figure 2017041389
式(1)中のRは水素または、炭素数5以下のアルキル基である。式(1)中のRおよびRは、水素、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基のいずれかである。式(1)中のXは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかである。式(1)中のAは、水素、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基のいずれかである。nは芳香族におけるAの置換数であり、nは0以上4以下の整数である。
式(1)は重合性官能基を含む芳香族化合物である。Rを調整することで、電気化学的に優れた被膜を形成することができる。Rがアルキル基の場合、メチル基およびエチル基が好適である。メチル基、エチル基にすることにより、電解液に対する溶解性を向上させることができる。RおよびRは、炭素数5以下のアルキル基、または水素基が好ましい。
式(1)は、スルホ基(−SO )を有する。式(1)にスルホ基を導入することにより、式(1)の添加剤が活物質上で被膜となった際の被膜のLiイオンの解離性が高まり、その結果電池の抵抗を低下させることができる。Xの部分にLiイオンが結合し、解離することでLiイオンが輸送される。Xとしては、電池抵抗を低減させる観点からは、水素およびアルカリ金属が好適に用いられる。アルカリ金属においては、LiおよびNaが好適に用いられる。Xを選定することにより、添加剤の電解液に対する溶解性向上と、添加剤が反応し被膜を形成した際の被膜の性状に影響を及ぼし、電池の低抵抗化が可能になると考えられる。
式(1)においては、スルホ基等の個々の官能基選択も重要であるが、これら官能基、結合(二重結合等)の位置を含めた全体の構造が発明の効果を奏する為に重要となっている。例えば式(1)では芳香族にスルホ基を有し、さらにO=C(-)-の構造を介して二重結合となっている。この構造により電解液への溶解度、リチウムイオンの解離度、二次電池の電位による被覆形成のしやすさが全体的に高い添加剤となっている。
式(1)Aは水素もしくは置換基である。置換基としては、電気化学的に影響を及ぼさなければ特に問わないが、電池抵抗を低減させる観点からは、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基が好適に用いられる。なかでも、スルホ基、ハロゲン基は、電気化学的安定性にも優れ、なおかつ電池抵抗の低減も図れるため好ましい。ハロゲン基においては、フッ素、塩素が好ましい。これは、フッ素および塩素の電子吸引性の効果が影響したと考えられる。Aが吸引性を有することで、スルホ基上の電子密度に影響を与え、結果的にスルホ基に結合するリチウムイオンの解離度が上がると考えられる。
電解液に対する式(1)の添加量(Y/wt%)は、電解液に対して0<Y≦5であり、好ましくは0.01≦Y≦3であり、特に好ましくは0.03≦Y≦1である。添加量が多いと不可逆容量が増加し電池容量が低下する。また、添加量が少ないと、電極界面に存在する添加剤由来の成分の濃度が低下するため、本発明の効果が低下する。
電解液に添加された式(1)は、電池を充放電することにより生じる電位により反応して、活物質上に被膜を形成する。式(2)は被膜の構造を示す式である。電位により二重結合が開裂し、ポリマーを形成する。
Figure 2017041389
なお、式(2)のR、R、R、A、n、Xは、以下の通り式(1)に対応する。
式(2)中のRは水素または、炭素数5以下のアルキル基である。式(2)中のRおよびRは、水素、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基のいずれかである。式(2)中のXは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかである。式(2)中のAは、水素、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基のいずれかである。nは芳香族におけるAの置換数であり、nは0以上4以下の整数である。式(2)のxは繰り返し単位数である。
式(2)を事前に作製し、式(2)で活物質を被覆し、その活物質を用いて電池を作製することも可能である。被覆する活物質としては、正極活物質、負極活物質でもよいが、本願の効果である電池抵抗の低減のためには負極活物質を被覆することが好ましい。負極活物質を被覆することにより、そこに形成される被膜の性状に影響を及ぼし、その結果、電池抵抗の低い電池が作製できる。
また、式(1)と活物質を溶媒に分散させ、重合開始剤により式(2)の重合体を活物質上に設けてもよい。また、式(1)に加えて、他のモノマーを加えて共重合体としてもよい。共重合体の例としては式(3)が挙げられる。
Figure 2017041389
なお、式(3)のR、R、R、A、n、Xは、以下の通り式(1)、式(2)に対応する。
式(3)中のRは水素または、炭素数5以下のアルキル基である。式(3)中のRおよびRは、水素、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基のいずれかである。式(3)中のXは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかである。式(3)中のAは、水素、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基のいずれかである。nは芳香族におけるAの置換数であり、nは0以上4以下の整数である。式(3)のx,yは繰り返し単位数である。
電解液への添加剤として式(1)以外に他に第二の添加剤を組みわせて用いることができる。第二の添加剤としては、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、エチレンサルフェイト、またはその誘導体が挙げられる。
本願においては、第二の添加剤としては、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,3−プロペンスルトン、またはそれらの混合体が好ましい。第二の添加剤の添加量(Z/wt%)は、第二の添加剤を加えた場合、電解液に対して0<Z≦10であり、好ましくは0.01≦Z≦2である。第二の添加剤を加えることによって、式(1)の添加効果がさらに高まる。それは、式(1)と第二の添加剤との組み合わせで生じる被膜のイオン伝導性が高いため、抵抗がさらに低下するものと考えられる。第二の添加剤に二重結合性の官能基を含む場合は、式(1)の二重結合部と第二の添加剤の二重結合部が連なった構造を含むものが、被膜成分の一つの形態として存在してもよい。式(1)で表わされる添加剤と第二の添加剤を用いることで式(1)で表わされる添加剤と第二の添加剤が反応、部分的に結合した被覆を形成することができる。また、第一の添加剤の濃度を減らし、第二の添加剤を用いることで、電解液の粘度を調節することもできる。これらの観点から第二の添加剤は、式(1)で表わされる添加剤と第二の添加剤の総量に対して、10〜50%、好ましくは20〜40%の範囲であることが好ましい。
あらかじめ式(2)(3)を被覆した活物質を用いて、電解質として固体高分子電解質(ポリマー電解質)を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド等のイオン伝導性ポリマーを電解質に用いることができる。これらの固体高分子電解質を用いた場合、セパレータ11を省略することができる利点がある。
さらに、イオン性液体を用いることができる。例えば、1−ethyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate(EMI−BF4)、リチウム塩LiN(SOCF(LiTFSI)とトリグライムとテトラグライムとの混合錯体、環状四級アンモニウム系陽イオン(N−methyl−N−propylpyrrolidiniumが例示される。)、及びイミド系陰イオン(bis(fluorosulfonyl)imideが例示される。)より、正極10及び負極12にて分解しない組み合わせを選択して、本実施形態に係る電池に用いることができる。
<セパレータ>
上記の方法で作製した正極10及び負極12の間にセパレータ11を挿入し、正極10及び負極12の短絡を防止する。セパレータ11には、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるポリオレフィン系高分子シート、又はポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた2層構造等を使用することが可能である。電池温度が高くなったときにセパレータ11が収縮しないように、セパレータ11の表面にセラミックス及びバインダの混合物を薄層状に形成してもよい。これらのセパレータ11は、電池の充放電時にリチウムイオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10μm、気孔率が20〜90%であれば、リチウムイオン電池に使用可能である。
<電池システム>
本願で見出された式(1)を用いたLi電池は、抵抗が低いという優れた性質を持つ。そのため、電池の使用時に電池の内部抵抗に起因する発熱を抑制することができる。そのため、電池の冷却機構の簡略化も図れるため、携帯機器用の小型電池は勿論のこと、車載用などの大型電池にも有用である。
以下,実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例の結果を表1にまとめた。
<正極の作製方法>
正極活物質(LiMn1/3Co1/3Ni1/3)、導電剤(SP270:日本黒鉛社製黒鉛)、ポリフッ化ビニリデンバインダーを85:7.5:7.5重量%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンに投入混合して、スラリー状の溶液を作製した。該スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレード法で塗布し、乾燥した。合剤かさ密度が2.8 g/cmになるようにプレスして正極を作製した。
<負極の作製方法>
負極活物質には人造黒鉛を用いた。人造黒鉛にポリフッ化ビニリデンを95:5の重量%の比率で混合し、更にN−メチル−2−ピロリドンに投入混合して、スラリー状の溶液を作製した。該スラリーを厚さ10 μmの銅箔にドクターブレード法で塗布し、乾燥した。合剤かさ密度が1.5 g/cmになるようにプレスして負極を作製した。
<電池の作製方法および評価方法>
正極と負極の間にセパレータを挿入し、捲回した。その捲回体を18650用の電池缶に挿入した。その後、電解液を注入し封しした。3.0 V〜4.2 Vの範囲で、200 mAの電流値で、3サイクル充放電を繰り返した。3サイクル目の放電容量を電池容量とした。また、電池容量を100%で規格化し、100% SOCと表記した。電池の直流抵抗(DCR)の測定は、電池を50% SOCにした後、1200 mA、2400 mA、3600 mAの電流値でそれぞれ10 秒間放電し、その電圧降下量と電流値の関係からDCRを算出した。
(実施例1)
アクリル酸クロリド(1mol、106g)と4−フェノールスルホン酸(1mol、174g)をテトラヒドロフランに溶解させた。そこに、トリエチルアミンを加え、その後、60℃で3時間加熱し粗生成物を得た。その後、塩酸を加え溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィー(充填剤;シリカゲル)により精製し、式(4)で表わされる添加剤Aを125g(収率55%)得た。
電解液は、電解質塩としてLiPFを、溶媒としてEC/EMC/DMC =1/2/2 (体積比)を用いた。電解質塩濃度は1.0 mol/Lであった。電解液にAを0.1wt%になるように加えた。その後、電池を作製して電池評価をした。電池容量は1410 mAhであり、DCRは52.1 mΩであった。
Figure 2017041389
(実施例2)
実施例1において、アクリル酸クロリドの代わりにメタクリル酸クロリドを用いること以外は同様に合成し、式(5)で表わられる添加剤Bを145g(収率60%)得た。
電解液は、電解質塩としてLiPFを、溶媒としてEC/DMC/EMC=1/2/2(体積比)を用いた。電解質塩濃度は1.0 mol/Lであった。電解液にBを0.1wt%になるように加えた。その後、電池を作製して電池評価をした。電池容量は1405 mAhであり、DCRは53.4 mΩであった。
Figure 2017041389
(実施例3)
実施例1において、電解液にさらにビニレンカーボネート(VC)を濃度が0.5 wt%になるように加えたこと以外は、実施例1と同様に検討した。その結果、電池容量は1430 mAhであり、DCRは51.8 mΩであった。
(実施例4)
実施例1において、電解液にさらに1,3−プロぺンスルトンを濃度が0.5 wt%になるように加えたこと以外は、実施例1と同様に検討した。その結果、電池容量は1425mAhであり、DCRは51.7 mΩであった。
(実施例5)
実施例1において負極活物質の人造黒鉛にシリコン(Si)を混合して作製した負極を用いて、電池を作製した。負極の組成は、人造黒鉛/Si/ポリフッ化ビニリデンを94/1/5(wt%)にした以外は、実施例1と同様にした。その結果、電池容量は1560 mAhであり、DCRは58.1 mΩであった。
(実施例6)
実施例1において、4−フェノールスルホン酸の代わりに4−ヒドロキシベンゼン−1,3−ビス(スルホン酸)を用いること以外は同様に合成を実施し、式(6)で表わされる添加剤Cを180g(収率30%)で得た。また、実施例1と同様に、電解液を調整して電池評価をした。その結果、電池容量は1395 mAhであり、DCRは51.2 mΩであった。
Figure 2017041389
(実施例7)
実施例1において、溶媒をEC/EMC/DMC=1/1/1(体積比) の代わりにEC/EMC=1/2 (体積比)を用いること以外は同様にした。電池容量は1399mAhであり、DCRは54.1mΩであった。
(比較例1)
実施例1において、添加剤Aを加えないこと以外は実施例1と同様に評価した。その結果、電池容量は1393 mAhであり、DCRは55.1 mΩであった。
(比較例2)
実施例3において、添加剤Aを加えないこと以外は実施例3と同様に評価した。その結果、電池容量は1420 mAhであり、DCRは54.1 mΩであった。
(比較例3)
実施例5において、添加剤Aを加えないこと以外は実施例5と同様に評価した。その結果、電池容量は1530 mAhであり、DCRは60.1 mΩであった。
(比較例4)
実施例7において、添加剤Aを加えないこと以外は実施例7と同様に評価した。その結果、電池容量は1390 mAhであり、DCRは55.9 mΩであった
実施例1と比較例1の比較により、本発明の添加剤を用いることで電池の抵抗を低減することができることが分かる。また、さらに第二の添加剤を加えることで、抵抗をさらに低減させることが分かった。実施例5と比較例3の比較により、負極活物質として黒鉛のみならずSiを用いた場合でも本発明の添加剤は効果を奏することが分かった。また、実施例7と比較例4の比較により、電解液組成を変更した場合であって効果を奏することが分かった。
添加剤A,B,Cを比較すると、添加剤Cを用いたセルのDCRが一番低い結果となった。これは、電子吸引性のスルホ基の数が添加剤A,Bに比べて多く、スルホ基の電子密度が低下し、その結果解離度が大きくなったためと考えられる。
また、スルホ基の数が1の添加剤A,Bでも、DCRの違いが見られ、添加剤Aの方がDCRが低い結果となった。これは、重合性官能基の残基の影響のためと考えられる。添加剤Bの重合性官能基の残基はメチル基である。メチル基は、電子供与性の官能基であり、スルホ基の電子密度を増加させた結果、解離度が低下したと考えられる。
Figure 2017041389
電池1
正極10
セパレータ11
負極12
電池容器(電池缶)13
正極集電タブ14
負極集電タブ15
内蓋16
内圧開放弁17
ガスケット18
正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19
電池蓋20
軸心21

Claims (9)

  1. 式(1)で表わされるリチウムイオン二次電池用の電解液添加剤。
    Figure 2017041389
    (式(1)中のRは水素または、炭素数5以下のアルキル基である。式(1)中のRおよびRは、水素、アルキル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基のいずれかである。式(1)中のXは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかである。式(1)中のAは、水素、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基のいずれかである。nは芳香族におけるAの置換数であり、nは0以上4以下の整数である。)
  2. 請求項1に示された電解液添加剤を有するリチウムイオン二次電池用の電解液。
  3. 請求項2において、
    前記電解液は、前記式(1)で表わされる電解液添加剤を前記電解液に対して5 wt%以下有するリチウムイオン二次電池用の電解液。
  4. 請求項3において、
    前記電解液は、環状カーボネート(a)と鎖状カーボネート(b)を有し、
    前記電解液における前記環状カーボネートの体積(a)と前記鎖状カーボネートの体積(b)の体積比(a/(a+b))は、0≦(a/(a+b))≦0.9の範囲であるリチウムイオン二次電池用の電解液。
  5. 請求項3において、
    前記式(1)で表わされる添加剤は、式(4)、式(5)、式(6)のいずれかであるリチウムイオン二次電池用の電解液。
    Figure 2017041389
  6. 請求項5において、
    前記電解液は、第二の添加剤として、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、エチレンサルフェイトのいずれかを有するリチウムイオン二次電池用の電解液。
  7. 請求項5において、
    前記電解液において、前記第二の添加剤は、前記式(1)で表わされる添加剤と前記第二の添加剤の総量に対して、20〜30%の範囲であるリチウムイオン二次電池。
  8. 正極と負極と電解液を有し、
    前記電解液は、請求項1ないし請求項5に示された電解液であるリチウムイオン二次電池。
  9. 正極と負極と電解液を有し、
    前記負極は、負極活物質を有し、
    前記負極活物質の表面には、式(2)で表わされる被覆を有するリチウムイオン二次電池。
    Figure 2017041389
    (式(2)のRは水素または、炭素数5以下のアルキル基である。式(2)のRおよびRは、水素、アルキルキ、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基のいずれかである。式(2)のXは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかである。式(2)中のAは、水素、アルキル基、スルホ基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基のいずれかである。nは芳香族におけるAの置換数であり、nは0以上4以下の整数である。式(2)のxは繰り返し単位数である。)
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CN110600804A (zh) * 2019-10-18 2019-12-20 深圳市比克动力电池有限公司 适用于NCM811和SiO-C材料体系的锂离子电池电解液及制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110600804A (zh) * 2019-10-18 2019-12-20 深圳市比克动力电池有限公司 适用于NCM811和SiO-C材料体系的锂离子电池电解液及制备方法
CN110600804B (zh) * 2019-10-18 2021-03-02 深圳市比克动力电池有限公司 适用于NCM811和SiO-C材料体系的锂离子电池电解液及制备方法

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