放物面又は非球面の軸対称反射器は、その単純さ及び良好なビーム制御のために、白熱光源、放電光源及びLED光源並びに照明器具に使用される。光源光束の大部分を捕捉するために、及び、高いcd/lm(カンデラ毎ルーメン)ビームを提供するために、開口型反射器は非常に奥行きを必要とする。しかしながら、光源又は照明器具の小さな外寸を可能とするために、並びに、LED光源、例えばMR16、GU10及びAR111などの照明器具において要求されるように、駆動電子機器及び冷却ファンにより多くのスペースを与えるために、奥行きの無いコンパクトな反射器が望まれている。さらに、開口型反射器では、光源は視認可能で露出されており、これは望ましくなく且つ危険でさえあり、また、多量の光が、平行化されずに及び反射器に到達しないで、照明器具の外に出て行き、これは眩しい光及び幅広い背景光の原因となる。
EP2211094A1は、光源から狭ビームへの光のコリメーションのための照明構造を示す。しかしながら、このような装置は、依然としてやや奥行きが有り、製造及び組み立てのコストを増加させ、さらに組み立てを複雑にし、且つ、許容差に敏感な多数の部品を有する。
いくらかよりコンパクトな構造を提供するように適合された別の発光ユニットが、US2011/0140145A1に示される。このようなユニットでは、光源からの光は、レンズユニットの中へと屈折する。レンズユニットでは、ある量の光が、レンズユニットの外面で全反射(TIR:total internal reflection)を受ける。光の第2の屈折は、光がレンズユニットを出るときに生じる。本目的は、集束ビームを提供するために光を平行化することである。しかしながら、このようなレンズユニットは、依然として非常に厚く、長さがある。したがって、より大きな直径の発光ユニットを製造するには費用がかかる。
結論として、良好なビーム制御を有し、且つ、信頼性のある、組み立てが容易であるコンパクトな装置を提供する照明器具が望まれる。
この問題を克服すること及び光を望ましいやり方で平行化する薄型光学装置を提供することが本発明の目的である。
本発明の第1態様によれば、この目的及び他の目的は、光軸を持ち、ベース部材と、光軸の方を向く内面を持つカップ形状反射器と、ベース部材上で光軸に又は該光軸の近くに配置される少なくとも一つの固体光源と、中央レンズ部及び環状レンズ部を有し、光の出射方向における少なくとも一つの固体光源の前に配置されるレンズとを有する光学装置によって達成される。中央レンズ部はドーム形状の外面を有し、環状レンズ部は反射器の内面に面する凸形状を備える外面を有する。反射器及びレンズは、一つの材料の固体片として一緒に形成されてもよい。
レンズは、光を光学装置の外へ向けるために、カップ形状反射器と協働するように適合される。中央レンズ部に到達する本光学装置における光源からの光は、中央レンズ部によって、実質的に光軸に対して平行化される。光源からの光が中央レンズ部に入って出るときに、2つの屈折が起こり、これによって、光軸に対して平行になるように向けられる。環状レンズ部は、中央レンズ部の周りの円形部分として配置される。中央レンズ部は、ドーム形状を有し、環状レンズ部は、中央レンズ部のドーム形状の不規則な延長として見なされ得る凸形状を有する。凸形状は、非球面又は球面形状である。これは、一般化されたデカルト楕円形状(Cartesian oval shape)であってもよい。環状レンズ部の凸形状の外面は、反射器の内面の方を向いている。環状レンズ部に到達する光源からの光は、反射器の内面に向けられる。光源からの光が環状レンズ部に入るときと出るとき、2つの屈折が起こり、これによって、反射器の方へ向けられる。次いで光は、例えば放物面反射器の内面で反射される。
レンズ及び反射器は、一つの材料の固体片として形成される。反射器及びレンズの固体片における材料は、ガラス又はプラスチック材料などの誘電材料である。2つの部品を一つの部品として形成することによって、装置の簡単な組み立てが提供される。さらに、これは、装置の光学特性及び熱的特性の両方を向上し得る。発光デバイスに光学装置を用いることで、一体化されたレンズ及び反射器は、発光デバイスの外面を形成する発光デバイスのハウジングの一部であり得る。
カップ形状反射器は、平坦な又は球面若しくは非球面のいずれかのカーブした外形を提供し、これがカップ形状を提供する。反射器は、放物面反射器であってもよい。反射器は、光学装置からの光出力の均一化を向上させるために、ファセット又はこれに類するものが設けられてもよい。同様に、レンズ部は、光学装置の機能を向上させるために、その内側及び/又は外側に、ファセット、マイクロレンズ又はこれらに類するものが設けられてもよい。環状レンズ部の外面の凸形状は、環状レンズ部に到達する光が、コンパクトに構成された反射器であっても、反射器の内面に到達するように向けられ得ることを提供する。よって、反射器は、凸部の全く無いレンズを備える反射器よりも浅くなり得る。本レンズ部及び反射器を用いて光源からの光を方向付けすることによって、光学装置から集束度の高いビームを提供するある量の光は、光軸に対して平行化される。さらに、反射器及びレンズを一つの材料の固体片として提供することによって、より低いコストの装置及び装置のより容易な組み立てが提供され得る。
一実施形態では、中央レンズ部及び環状レンズ部は各々、少なくとも一つの固体光源が中に配置され得る内部キャビティを一緒に形成する内面を有する。内部キャビティを形成する種々異なる内面は、光源から中央レンズ部又は環状レンズ部への光の方向を提供する。各内面の位置は、いずれかのレンズ部に向けられ得る光の量及び方向に対応する。
中央レンズ部の内面は、光軸に実質的に垂直に延在する。光軸に実質的に垂直に延在する中央レンズ部の内面は、中央レンズ部のドーム形状の外面と共に、出射光の所望のコリメーションを提供するよう、光源からの光の屈折を提供し得る。代替的に、中央レンズ部の内面は、凸形状、凹形状又は非球面形状を有してもよい。これによって、内面は、さらに、少なくとも一つの光源からの光を平行化するために中央レンズ部の外面と協働するように適合される。内面は、その形状に関係なく、少なくとも一つの光源からの光の光混合を制御するためにマイクロレンズが設けられてもよい。
さらに、環状レンズ部の内面の第1の部分は、光軸と実質的に平行に延在する。光軸と実質的に平行に延在する環状レンズ部の内面は、環状レンズ部の非球面形状の外面と共に、放物面反射器へ向かう出射光の所望の方向を提供するよう、光源からの光の屈折を提供し得る。
環状レンズ部の内面は、さらに、前記内面の第1の部分から、前記内面の、光軸に実質的に垂直に延在し、ベース部材に面する第3の部分へとカーブした形状を提供する第2の部分を有する。内面の第2の部分のカーブした形状は、デカルト楕円形状であってもよい。光軸と平行な第1の部分とベース部材に面する第3の部分との間のカーブした形状は、ベース部材の近くを延在する光源からの光が反射器に到達し得ることを保証する。カーブした形状は、環状レンズ部の外面での第2の屈折と共に、光を反射器の方に向けるのに十分な光の屈折を提供する。内面がこのようなカーブした形状を有さなかった場合、より多くの光が反射器に到達できず、したがって、光軸に対して平行化されない。
別の実施形態では、反射器の内面は、反射性被膜によってコーティングされる。光軸と平行化されるべき反射器に到達する光の光学反射を向上させるために、反射器の内面に反射性被膜が設けられる。このような被膜は、金属被膜である。代替的に、反射器の外面に全反射のための溝が設けられてもよい。外面は、内面に対して反射器の反対の側に位置付けられる。全反射のための溝は、反射器における反射及び光のコリーメーションを提供するために、光の2つの全反射を提供する。
一実施形態では、反射器は、レンズが突出する空間を形成し、環状レンズ部によって方向付けられる光は、前記空間を通過して反射器に向かうように適合される。光源からの光は、環状レンズ部を通過するときに2つの屈折を受ける。これらの屈折によって方向付けされた後、光は反射器に向かって前記空間を通過し、したがって反射器の内面で反射される。
他の実施形態では、環状レンズ部は、第1凸形状と、第1凸形状とは異なる第2凸形状とを備える反射器の方を向く外面を有してもよい。反射器の異なった部分に到達する光は、様々に方向付けされ、平行化される。環状レンズ部の異なる部分を出る光が反射器へ正しく方向付けされることが重要である。環状レンズ部を出る光が反射器に到達せずに光学装置から逃げることを防止するために、環状レンズ部の外面の異なる部分に種々異なる凸形状を提供することによって、より多くの光が反射器の方に向けられる。環状レンズ部の外面の第1凸形状は、第2凸形状よりも小さな半径を有し、外面の第1凸形状は、中央レンズ部に隣接して配置され、外面の第2凸形状は、中央レンズ部から離れて配置される。第1及び第2凸形状は、球面又は非球面形状である。第1及び第2凸形状は、一般化されたデカルト楕円形状であってもよい。
本発明の第2態様によれば、上記に示された光学装置を有する発光デバイスが提供される。発光デバイスは、さらに、ハウジングとヒートシンクとを有する。
本発明は、請求項に列記される特徴の全ての可能な組み合わせに関することに留意されたい。
本発明の特定の特徴及び有利な点を含む本発明の様々な態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面から容易に理解されるであろう。
本発明は、ここで、本発明の現在好ましい実施形態が示される添付の図面を参照して、以下により十分に説明されるだろう。しかしながら、この発明は、多くの種々異なる形態で具体化され、ここに明記される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるものである。明細書全体を通して、同じ参照番号は同じ要素を指す。
図1は、光学装置1を有する発光デバイスを示す。示される実施形態では、光学装置1は、内面12を有する放物面反射器10と、中央レンズ部20及び環状レンズ部30を有するレンズとを有する。しかしながら、光学装置の説明される機能は、他のカップ形状反射器に適用可能である。
図2は、断面図において、光軸Xを備え、放物面反射器10及びレンズを有する光学装置1を示す。レンズは、中央レンズ部20と、環状レンズ部30とを有する。レンズは、光源40、42の前に配置される。放物面反射器10は、光軸Xの方を向く内面12を有する。放物面反射器は、カップ形状空間14を形成する。レンズ20、30は、前記空間14に突出する。
中央レンズ部20は、ドーム形状の外面22と、光源40に面する内面24とを有する。内面24は、光軸Xに垂直な平面に延在する。環状レンズ部30は、非球面形状の外面32と、光源40、42の方を向く内面36、37、38とを有する。レンズ部20、30の内面24、36、37、38はともに、光源40が配置される内部キャビティ50を形成する。
放物面反射器10と、レンズ20、30とは一つの固体片として形成される。
中央レンズ部20に到達する光源40からの光A1は、内部キャビティ50と中央レンズ部20との間の境界で屈折される。中央レンズ部20を通って進展する光A2は、さらに中央レンズ部20と周囲空気(又は空間14)との間で屈折される。中央レンズ部20の内面24の平坦な延在部及び外面22のドーム形状は、中央レンズ部20を出る光A3が平行化されることをもたらす。光A3は、光軸Xと実質的に平行であってもよい。
環状レンズ部30の内面は、光軸Xと実質的に平行に延在する又は光軸Xに対して10°未満の角度を持つ第1の部分36を有する。第1の部分36は、中央レンズ部20の内面24に隣接して配置される。環状レンズ部30の内面は、さらに第2の部分37と第3の部分38とを有する。第2の部分37は、デカルト楕円形状の形をしたカーブした形状で延在する。第3の部分38は、ベース部材70に面し、光軸Xに垂直な平面に延在する。カーブした形状の第2の部分37は、第1の部分と第3の部分との間に延在する。
環状レンズ部30の内面の第1の部分36に到達する光源40からの光B1は屈折される。これは、光B2として環状レンズ部30をさらに進展し、環状レンズ部30の外面32から該レンズ部を出て、光B3になる。光B3は、環状レンズ部30の内面の第2の部分37と第3の部分38との間の境界点から放物面反射器の内面12に向かって直線に進展する仮想光線Vと一致する方向に、空間14を通って進む。光B3は、放物面反射器10の内面12に反射され、平行化された光B4となる。
環状レンズ部30の内面のカーブした形状の第2の部分37は、第3の部分38の平面に対して小さな角度で進展する光源40からの光C1を屈折させる目的を有する。第2の部分37の形状は、光C2が、環状レンズ部30の外面32で屈折されるのに十分な方向に環状レンズ部30を通って進展するように、屈折をもたらす。環状レンズ部を出る光C3は、空間14を通って進展し、放物面反射器10の内面12で反射され、平行化された光C4になる。このような装置は、光源40から光軸に垂直な方向又は垂直に近い方向に進展する光が依然装置1で平行化されることを提供する。
一実施形態では、環状レンズ部30の非球面形状の外面32は、第1の非球面形状33と、第2の非球面形状34とを有する。第1の非球面形状33は、第2の非球面形状34よりも小さな半径を有する。第1の非球面形状33は、中央レンズ部20の外面22に隣接して配置される。境界31が、中央レンズ部20の外面22と環状レンズ部30の外面32の第1の非球面形状33との間に形成される。第1の非球面形状33及び第2の非球面形状34は、デカルト楕円形状を有する。
内部キャビティ50の光軸Xに配置されない光源42が提供されてもよい。第1の非球面形状33は、中央レンズ部20の内面24に近い環状レンズ部30の内側の第1の部分36に到達するこのような光源42からの光D1、E1が、平行化されずに装置1から逃げないことを確実にするために設けられる。光D1、E1は、環状レンズ部30の中へと屈折する。光D2、E2は、光D3、E3として放物面反射器10の方に向けられるように、さらに外面32の第1の非球面形状33で屈折される。光D3、E3は、次いで放物面反射器10の内面12で反射され、平行化された光D4、E4になる。第1の非球面形状33及び第2の非球面形状34を有する環状レンズ部30の外面32のために、光源40、42からの多量の光は平行化される。環状レンズ部30の外面32を出る全ての光B3、C3、D3、E3は、放物面反射器10によって平行化される。
図3は、本発明による光学装置1を有する発光デバイスの実施形態を示す。発光デバイスは、光学装置1及び光源40、42が配置されるベース70と、ハウジング60とを有する。ハウジング60及び光学装置1は、発光デバイスの外形を形成する。放物面反射器10aは、ハウジング60と接触して配置される。
図4は、発光デバイスに配置される光学装置1の実施形態を示す。放物面反射器10bには、厚い反射壁が設けられる。反射器10bは、ハウジング60の一部を形成してもよい。このような反射器10bは、発光デバイスのための伝熱機能のために設けられてもよい。光学装置1が配置されるベース70は、光源40、42からの熱を伝達する。放物面反射器10aは、ベース70からの伝熱パフォーマンスを改善する。ベースは、プリント回路基板である。厚い壁を備える放物面反射器10bは、光学的パフォーマンス、ハウジング、放熱及び電気防食の機能を併せ持つ。放物面反射器10bの外面16は、ハウジング60とともに、光学装置1の外面を形成する。
当業者は、本発明は、上記に説明された好ましい実施形態に全く限定されないことを理解する。反対に、多くの変更形態及びバリエーションが、添付の請求項の範囲内で可能である。例えば、環状レンズ部の外面は、球面又は非球面形状など任意の凸形状を有してもよく、中央レンズ部の内面は、平坦な形状、或いは、球面、非球面又は凸形状若しくは凹形状の任意のカーブした形状を有してもよく、反射器は、任意の平坦な、或いは、球面又は非球面形状など任意のカーブしたカップ形状を有してもよい。さらに、非球面形状及び内部キャビティの形状のサイズは異なってもよい。
さらに、開示された実施形態に対するバリエーションは、当業者により、請求項に係る発明を実施する際に、図面、開示内容、及び添付の請求項の精査から理解され、達成され得る。請求項において、「有する(comprising)」なる単語は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又はその他のユニットが、請求項に列記された幾つかのアイテムの機能を実行してもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。