[go: up one dir, main page]

JP2016210730A - 医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品 - Google Patents

医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品 Download PDF

Info

Publication number
JP2016210730A
JP2016210730A JP2015096024A JP2015096024A JP2016210730A JP 2016210730 A JP2016210730 A JP 2016210730A JP 2015096024 A JP2015096024 A JP 2015096024A JP 2015096024 A JP2015096024 A JP 2015096024A JP 2016210730 A JP2016210730 A JP 2016210730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stem cell
pharmaceutical composition
immortalized
culture supernatant
stem cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015096024A
Other languages
English (en)
Inventor
上田 実
Minoru Ueda
実 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2015096024A priority Critical patent/JP2016210730A/ja
Publication of JP2016210730A publication Critical patent/JP2016210730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】高い治療効果を有し、安定に供給することが可能な、アレルギー性鼻炎、花粉症及び中枢神経系疾患を治療するための医薬組成物及びその製造方法の提供。【解決手段】不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、前記幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、アレルギー性鼻炎及び花粉症の少なくとも一方の治療のための医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品に関する。
従来の医療では治療困難な疾病に対する汎用的な代替技術として、幹細胞を利用した治療方法が注目されている。
幹細胞を用いた治療方法は、多くの疾患を対象とすることができ、今までに、胚性幹細胞(ES細胞)、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)、及び体性幹細胞を初めとする種々の幹細胞が報告されている。
ヒト人工多能性幹(iPS)細胞による治療法は、ES細胞のように受精卵を利用するものではなく、成人の組織を用いて胚性幹細胞とほぼ同質の細胞を作製でき、自己由来のiPS細胞を利用すれば、免疫反応による拒絶反応の問題もない。
さらに、上田らは、歯髄由来の幹細胞の培養上清、すなわち幹細胞自体を使用するのではなく、幹細胞が産生する種々の生体因子、例えば、各種の成長因子を使用する方法を報告している(例えば特許文献1)。
国際公開第2011/118795号
昨今、アレルギー性鼻炎や花粉症を発症するヒトの数は年々増加の一途を辿っており、大きな社会問題として認識されている。アレルギー性鼻炎や花粉症においては、患者に苦痛や経済的な負担をかけずに治療することが要求される上に、患者数が膨大であるため、治療用薬剤の供給面の課題も克服しなければならない。
これに対し、通常行われている各種薬剤やワクチン等による治療法は、経済的負担は少ないものの、それらは治療効果の程度が低いものであったり、長期間の投与が必要であるなど、未だに決定的な治療法とは言い難いのが実情である。
また、多くの患者数が存在する疾患としては、脳梗塞やアルツハイマーなどの中枢神経系疾患が挙げられるが、これらの疾患においても、患者に低負担な治療であることが要求される。同時に、長期の治療期間を要するために、上記同様に必要となる薬剤における供給面の課題も克服しなければならない。
上記のような疾患に対し、ES細胞及び体性幹細胞を用いた治療方法は、倫理性や安全性に問題を抱えており、さらに自己の細胞を用いるという点で、有効成分の供給性に課題を有する。
加えて、ヒト人工多能性幹(iPS)細胞は、悪性腫瘍(胚細胞癌)化のリスクを排除できないことやiPS細胞としての樹立に手間がかかるなど、治療に使用するために必要となる細胞の調製と、その管理に負担が大きいのが実情である。
特許文献1は、皮膚の光加齢による損傷の回復、骨再生等に効果がある上記の損傷部治療用組成物を提供したという点では優れた技術であるといえる。しかし、これら幹細胞の培養上清が、アレルギー性鼻炎や花粉症の治療に有効であるか否かという点については、何ら検討されていない。
また、使用されている幹細胞が株化細胞ではないため、この幹細胞を用事調製するか、凍結保存した試料を融解させて細胞を増殖させなければ、目的とする培養上清を入手することができず、さらに、細胞としての分裂回数を重ねると細胞から分泌される一定の組成の培養上清を分泌しなくなる上に、細胞が死を迎えるなど、使用制限が大きいため、結果として上記の損傷部治療用組成物中の有効成分における供給面に課題を有する。
一方、代表的な無限増殖細胞である癌細胞の利用も考えられるが、生体にとって有害な生体因子を産生するリスクも否定できない。
このように、従来の方法では、花粉症、アレルギー性鼻炎及び中枢神経系疾患の治療を考えた場合、その症状や疾患の改善効果について知見が無いのみならず、有効成分を安定して供給することが困難であるという課題も残されていた。
以上の状況に鑑み、本発明の課題は、高い治療効果を有し、安定に供給することが可能な、アレルギー性鼻炎、花粉症及び中枢神経系疾患を治療するための医薬組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明は以下の態様を含む。
[1]不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、前記不死化幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、アレルギー性鼻炎及び花粉症の少なくとも一方の治療のための医薬組成物。
[2]不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、前記不死化幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、中枢神経系疾患の治療のための医薬組成物。
[3]超純水を含み、前記分泌成分が、超純水に溶解されている[1]又は[2]に記載の医薬組成物。
[4]前記分泌成分が、超純水に対して1×10−7質量%〜1質量%含まれる[3]に記載の医薬組成物。
[5]さらに可逆的加熱増粘性化合物を含む[1]〜[4]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[6][1]〜[5]のいずれか1つに記載の医薬組成物を、注射剤、経口剤、点鼻剤、点眼剤又は塗布剤の形態で有する医薬品。
[7][1]〜[5]のいずれか1つに記載の医薬組成物の製造方法であって、歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞から選ばれるいずれか一方の幹細胞を不死化する工程と、前記不死化により得られた不死化幹細胞を培養する工程と、前記不死化幹細胞の培養により得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む培養上清を回収する工程と、を含む医薬組成物の製造方法。
[8]更に、回収された培養上清中の分泌成分を抽出する工程、を含む[7]に記載の製造方法。
[9]更に、前記分泌成分を超純水に溶解させる工程、を含む[7]又は[8]に記載の製造方法。
本発明によれば、高い治療効果を有し、安定に供給することが可能な、アレルギー性鼻炎、花粉症及び中枢神経系疾患を治療するための医薬組成物及びその製造方法を提供することができる。
花粉症の患者に本発明に係る医薬組成物を用いて治療する前後での鼻症状の評価点数を示す図である。 花粉症の患者に本発明に係る医薬組成物を用いて治療する前後での眼症状の評価点数を示す図である。 脳梗塞ラットにおける、本発明に係る医薬組成物投与後の運動障害の改善に対する効果を示すグラフである。 脳梗塞ラットにおける、本発明に係る医薬組成物投与後の脳梗塞領域の大きさを示す蛍光顕微鏡画像である。 脳梗塞ラットにおける、蛍光分子及び(A)精製水もしくは(B)超純水を含有した医薬組成物投与後の脳における蛍光イメージである。
≪医薬組成物≫
本開示の第1の態様に係る医薬組成物は、不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、前記不死化幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、アレルギー性鼻炎及び花粉症の少なくとも一方の治療のために用いられる医薬組成物である。
また、本開示の第2の態様に係る医薬組成物は、不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、前記不死化幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、中枢神経系疾患の治療のため用いられる医薬組成物である。
以下、上記の第1の態様及び第2の態様に係る医薬組成物の両方を総称して「本開示の医薬組成物」と称する。
本開示において、「治療」とは、疾患によって失われた組織の機能の一部又は全部が、当該疾患の生じる前における当該組織の機能と比較して維持又は回復していることを意味し、組織の機能が回復することのみならず、機能的な組織として再生することも広く包含する。機能が維持又は回復していることの評価については、疾患が生じている組織において異なるが、外観、対象となる機能の程度を評価するために通常用いられるアッセイ等に基づいて行えばよい。
本開示において「治療」の範囲には、疾患や組織異常を根治する処置だけでなく、根治に至らないまでも疾患や組織異常の進行を停止させる、あるいは処置をしない場合に比べて遅らせる、処置も含まれる。また、本開示において治療の開始時期は、発症が見られてからでもよく、また、発症前に未然に行うものであってもよい。
本明細書中、歯髄幹細胞及び骨髄幹細胞は、哺乳類の間葉系細胞のことをさし、間葉系細胞は骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞等、間葉系に属する細胞への分化能を持つとされる細胞をいう。
「アレルギー性鼻炎」とは、発作性反復性のくしゃみ、水性鼻汁、鼻閉を主な症状とする、I型アレルギー性疾患をいう。アレルギー性鼻炎は通年性のものも季節性のものも含む。季節性のものは、花粉症も含む。
「花粉症」とは、植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされる、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状を主な症状とする、I型アレルギー性疾患をいう。花粉症は、鼻の症状(鼻症状)と目の症状(眼症状)の両方の発症を伴うものが一般的だが、その他に鼻症状又は眼症状のいずれか一方のみを伴うものも含む。また、花粉症の原因植物は、特に限定されない。
「中枢神経系疾患」とは、神経系の中で多数の神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域の疾患であり、ヒトを含む脊髄胴部においては、脳もしくは脊髄における疾患のことをいう。
(不死化幹細胞培養上清)
本開示の医薬組成物は、不死化された不死化幹細胞を培養して得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を、アレルギー性鼻炎、花粉症及び中枢神経系疾患の治療のための医薬組成物の有効成分として含む。ここで用いられる不死化幹細胞とは、歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方を不死化して得られる細胞のことを意味する。また、「不死化幹細胞」と表す場合には、特に断らないかぎり、上記の2種の幹細胞のいずれかを不死化した幹細胞を総じて称することを意味し、「不死化幹細胞培養上清」とは、不死化された不死化幹細胞を培養して得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む培養上清をさす。さらに、例えば「不死化歯髄幹細胞培養上清」と表す場合には、不死化された歯髄幹細胞を培養して得られる培養上清を表し、その他の組織由来の不死化された幹細胞を培養して得られる培養上清を意味しない。
また、単に「不死化幹細胞培養上清」と表す場合は、不死化幹細胞を培養して得られた培養上清そのもの、あるいはそのものを変質したり体積変化させたりしないで保存したものをいい、特に「未処理の不死化幹細胞培養上清」と称することがある。ここで、処理とは、未処理の不死化幹細胞培養上清を、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩等の処理を行うことをいう。
「分泌成分」とは、上記の不死化幹細胞が培養液中に分泌した成分のすべてをいい、後述するように、蛋白質を含む様々な成分をさす。すなわち、上記の不死化幹細胞培養上清中の、水あるいは溶剤及び培地由来の成分を除いた後の残りのものをいう。また、不死化幹細胞培養上清から培地成分のみを除くことは困難であるので、一般的には不死化幹細胞培養上清を取り扱うが、この場合、不死化幹細胞培養上清について溶剤置換や凍結乾燥等の処理を行った後のものも分泌成分を含むことになる。
また、分泌成分の質量については、不死化幹細胞培養上清から水及び溶剤を除去して得られたものの全質量から、培地成分の質量を差し引くことで求めることができる。
「不死化幹細胞培養上清」は不死化歯髄幹細胞又は不死化骨髄幹細胞のいずれか一方を培養して得られ、かつ細胞成分を含まない培養液と定義される。前記医薬組成物は不死化幹細胞培養上清又はその分泌成分を有効成分として含むものであるが、その組成物全体としては細胞(細胞の種類は問わない)が含まれていてもよいし、含まれなくてもよい。しかしながら、本開示の医薬組成物は、上記の幹細胞及び又は不死化した幹細胞自体を有効成分として含む組成物、あるいは他の細胞を有効成分として用いる組成物とは明確に区別される。また、不死化幹細胞培養上清は、例えば培養後に細胞成分を分離除去することによって、本開示の医薬組成物に使用可能な培養上清を得ることができる。具体的には、各種処理(例えば、遠心処理、透析及び膜分離等)を適宜施すことで、細胞成分を含まない培養上清を調製することができる。
本開示の医薬組成物における、アレルギー性鼻炎、花粉症及び中枢神経系疾患に対する作用機構は不明であるが、本発明者らは、以下のように考えている。
第1の態様に係る医薬組成物中に含まれる不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分は、アレルギー性鼻炎又は花粉症などの炎症を起こしている細胞の活動を抑制させるように作用し、さらに内在する細胞に対し、それらが炎症に必要な物質(例えば炎症性サイトカイン類)を分泌するのを抑制するように作用するので、当該不死化幹細胞培養上清を継続して投与すると、結果的に当該炎症を起こしている組織を正常化させると考えられる。ここで、当該不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分には、炎症の治療に適する多くの種類かつ十分な量の成分が含まれているので、炎症に対し、前記不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を短期間投与することで十分な治療効果が得られる。
また、当該不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を一定期間投与すると、当該炎症を抑制するだけでなく、当該炎症を再度起こさない状態、すなわち免疫寛容の状態へと移行させることができる。
また、第2の態様に係る医薬組成物中に含まれる不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分は、損傷した神経組織や変性した神経組織を修復させるのに必要な多種類かつ十分な量の成分が作用してすみやかに損傷部分あるいは変性部分を修復する。さらに、内在性幹細胞等に対して、それらが正常な組織を形成するように一定の誘導シグナルとして当該成分が作用し続けることにより、前記内在性幹細胞等が、すみやかに分化し、増殖し得ると推論し得る。その結果、中枢神経系疾患を起こした組織が修復され、治療が完了するものと考えられる。
さらに、不死化幹細胞は、何回継代しても一定の品質で必要なファクターを分泌し続けることができるので、その上清を含む組成物は安定した治療効果を有する。
また、本開示における不死化幹細胞培養上清の調製においては、後述するように、患者自身の幹細胞を用いなければならないという制限はない。加えて、ヒト以外の哺乳類(ウシ、ウマ、ブタ、サル及び羊など)から得られた歯髄又は骨髄由来の幹細胞を不死化した不死化幹細胞の培養上清(非ヒト由来の不死化幹細胞培養上清)は、ヒト及びヒト以外の前記哺乳類に対して十分な治療効果を有する。さらに、ヒトの歯髄又は骨髄由来の幹細胞を不死化した不死化幹細胞の培養上清(ヒト由来の不死化幹細胞培養上清)は、ヒト以外の前記哺乳類に対して十分な治療効果を有する。
このように、本開示の不死化幹細胞培養上清は、その工業的な生産性の向上を図ることができるという利点を有する。さらに、当該不死化幹細胞培養上清の調製に用いる不死化幹細胞は、単に不死化操作された幹細胞であるので、腫瘍細胞とは異なり、それらから分泌されるファクターも不死化されていない幹細胞と同様に安全性が担保されている。
また、例えば家畜やペットの病気を治療する目的において、前記非ヒト由来の不死化幹細胞培養上清及びヒト由来の不死化幹細胞培養上清のいずれも用いることができるという利点を有する。
また、後述するように、超純水を前記医薬組成物に用いることで、飛躍的にその治療効果を高めることができる。このことは、超純水による低分子化合物の皮膚、皮下、上皮粘膜組織及びその下部組織等への浸透が、高分子のような大きな分子でも可能であることを意味する。これにより、不死化幹細胞が分泌する治療に必要な成分、すなわちVGFやTGFなどといった各種サイトカイン類や、コラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックス(ECM)のような高分子を、患者に負担をかけずに効率的に投与することが可能となる。加えて、例えば、脳を対象とする疾患において、医薬組成物を点鼻などにより投与することで、血液−脳関門を考慮することなく効率的に治療に必要な成分を患部に到達させることができるという利点も有する。
さらに、超純水を、ヒト以外の幹細胞由来の不死化幹細胞培養上清を含む医薬組成物に用いることでも、ヒトと同様にそれらの浸透効果を飛躍的に高めることができる。このため、本開示の超純水を含む医薬組成物は、ヒト以外の動物にも十分に治療効果を発揮する。
不死化幹細胞培養上清の調製に用いられる幹細胞は、哺乳類の歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である幹細胞である。ここで、前記哺乳類は、ヒト細胞との遺伝的類似性が高いこと、及び感染の危険性が低いことから、ヒト、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、及びサルからなる群から選ばれるものであることが好ましい。
不死化幹細胞とは、幹細胞を初期培養して得られた初期培養細胞に、4種類の遺伝子を導入して遺伝子導入細胞を作成し、前記遺伝子導入細胞からSTRO−1の発現を指標として選択した、不死化した幹細胞である。ここで、STRO−1とは、細胞の不死化の指標となるものであり、この発現率の高さは、幹細胞における初代培養細胞と同様の性質を示す指標ともなる。
また、前記4種類の遺伝子は、hTERT、bmi−1、E6、E7、Oct3/4、Sox2、Klf4、c−Myc、及びp16INK4aからなる群から選ばれる4種類であることが好ましい。ここで、導入する遺伝子としては、hTERT、bmi−1、E6及びE7であることが好ましい。
上記の不死化幹細胞は、テロメア修復能を有し、少なくとも、個体倍加回数において200回以上分裂することができる分裂能を有することが好ましい。また、個体倍加回数が20回の時点において、細胞個体数の少なくとも40%以上がSTRO−1発現細胞であり、かつ、初代培養細胞と同等の再生能を有することが好ましい。
本開示における不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分は、上記の不死化幹細胞から培養液中に分泌された、多くの種類の低分子化合物、蛋白質及び多糖類等を含む。
本開示における不死化幹細胞は、インスリン様成長因子(IGF−1)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)、及び肝細胞増殖因子であるHGFからなる群から選ばれる、少なくとも2以上の成長因子を培養上清中に分泌する。ここで、「成長因子」とは、細胞分裂を促進させたり、形態の変化や肥大をもたらすポリペプチドの総称である。成長因子を産生する細胞の種類によって因子は異なり、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、神経成長因子(NGF)、腫瘍増殖因子(TGF)などに大別される。
さらに、各細胞の細胞膜にある受容体はチロシンキナーゼ活性をもち、成長因子が結合すると、蛋白質のチロシン残基がリン酸化され、細胞の増殖や分化を引き起こす。成長因子が個体発生において中胚葉誘導物質となっている例がいくつか知られている。また、免疫系を調節するリンホカインは、個体発生において中胚葉誘導物質となっている例がいくつか知られている。こうした成長因子は、公知のELISA法、マイクロアレイ法等で定量することができる。
上記IGF−1は、インスリンと配列が高度に類似したポリペプチドであり、細胞培養においてインスリンと同様に有糸分裂誘発等の反応を引き起こしたり、さらに神経細胞の成長にも影響することが知られている。また、上記VEGFは、胚の形成期に、血管がないところに新たな血管を形成する脈管形成及び既存の血管から分枝伸長して血管を形成する血管新生に関与する一群の糖蛋白質である。上記TGF−βはまた、多くの細胞に対する強力な増殖抑制因子となり、細胞の分化・遊走・接着にも密接に関与し、個体発生や組織再構築、創傷治癒、炎症・免疫、癌の浸潤・転移などの幅広い領域に重要な役割を担っている。さらに、HGFは、肝細胞のみならず様々な細胞に対して、細胞増殖促進、細胞運動促進、抗アポトーシス(細胞死)、形態形成誘導、血管新生その他の組織・臓器の再生と保護を担う多才な生理活性を有している。
前記不死化した幹細胞は、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子−ベータ(TGF−β)−1及び−3、TGF−α、KGF、HBEGF、SPARC等の種々のサイトカインを産生し続けることが可能であるものと考えられる。
このように、不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分は、上記の蛋白質を含む非常に多くの種類の成分を含むが、これらの成分のそれぞれは、公知の技術を用いてその同定及び定量を行うことができる。
本開示の医薬組成物中、不死化した幹細胞培養上清もしくはその分泌成分は少なくとも2つのサイトカインを含むことが好ましく、中でも血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、血小板由来成長因子(PDGF)及び形質転換成長因子−ベータ(TGF−β)からなる群より選択された2つ以上の組み合わせを含むことが更に好ましい。
本開示の医薬組成物に含まれる不死化幹細胞培養上清中のサイトカイン類を含む混合物は、不死化幹細胞培養上清の一部として又は不死化幹細胞培養上清全体から単離されたサイトカイン類の混合物として使用され得る。不死化幹細胞培養上清から単離されたサイトカイン類の混合物中、サイトカイン類の一部を1又は複数の公知の対応するサイトカイン類で置き換えてもよい。
(歯髄幹細胞)
「歯髄幹細胞」とは、再生能を有する歯の神経に含まれる幹細胞の一種をいう。歯という硬質の材料に保護されているため紫外線や放射線を通さず、遺伝子も傷つきにくいという特性を有する。また、前記歯髄幹細胞は、脱落した乳歯、脱落した永久歯、抜歯された乳歯、及び抜歯された永久歯からなる群から選ばれる、いずれかの歯の歯髄から得られる幹細胞であることが好ましい
。この中でも、アレルギー性鼻炎、花粉症及び中枢神経系疾患に対する治療効果という点から、乳歯から得られる幹細胞であることが特に好ましい。
本開示の第1態様に係る医薬組成物において、歯髄幹細胞を不死化して得られた不死化歯髄幹細胞培養上清(SHED−CM)もしくはその分泌成分を含む医薬組成物は、アレルギー性鼻炎及び花粉症少なくとも一方の治療に用いるが、SHED−CMの治療効果の観点から、特に花粉症の治療に用いられることが好ましい。
本開示の第2態様に係る医薬組成物において、不死化歯髄幹細胞培養上清(SHED−CM)もしくはその分泌成分を含む医薬組成物は、中枢神経系の疾患の治療に用いる。
中枢神経系疾患の例としては、脊髄損傷、急性、慢性及び進行性の神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、ハンチントン病、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症等)、脳虚血や脳内出血等に伴う急性及び慢性の脳梗塞による神経細胞の変性・脱落、神経細胞の障害を伴う網膜疾患等が挙げられる。ここで、「脳梗塞」は、大脳への又はそれを介した血流の閉塞によって引き起こされる大脳の虚血状態を意味する。
上記の疾患の中でも、神経性疾患及び脳梗塞からなる群より選ばれる疾患ないし病態の治療に用いられることが好ましい。
さらに、慢性期の脳梗塞、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及びアルツハイマー型認知症からなる群より選ばれる疾患ないし病態の治療に対して用いられることが好ましい。
歯髄幹細胞の調製方法としては、例えば、ヒトの脱落乳歯から以下のように調製できる。
まず、脱落乳歯を、例えば、クロロヘキシジン、イソジン溶液その他の消毒薬で消毒した後、歯冠部を分割し、歯科用リーマーにて歯髄組織を回収する。
採取した歯髄組織を、基本培地、例えば、5%〜15%のウシ血清(calf serum、以下、「CS」ということがある。)及び50ユニット/ml〜150ユニット/mlの抗生物質を含有するダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium、以下、「DMEM」という。)に懸濁する。ついで、1mg/ml〜5mg/mlのコラゲナーゼ及び1mg/ml〜5mg/mlのディスパーゼを用いて、37℃で、0.5時間〜2時間処理する。
上記基本培地としては、DMEMの他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社製等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社製あるいはGIBCO社製等)、RPMI1640培地等を用いることができる。二種以上の基本培地を併用することにしてもよい。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(GIBCO社製)として市販される)を挙げることができる。
また、基本培地に添加するものとしては、ウシ胎仔血清(fetal bovine serum又はfetal calf serum、以下、「FBS」又は「FCS」という。)、ヒト血清、羊血清その他の血清、血清代替物(Knockout serum replacement (KSR)など)、ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin、以下、「BSA」ということがある。)、ペニシリン、ストレプトマイシンその他の抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
上記の基本培地は、後述する細胞選別用の培養、及び選別後の細胞の培養に使用することもできる。
酵素処理の後、3分間〜10分間の遠心操作(3,000回転/分〜7,000回転/分)を行い、歯髄細胞を回収する。必要に応じて、セルストレーナーを用いて細胞の選別を行う。選別された細胞を、例えば、3ml〜6mlの上記基本培地で再懸濁し、直径4cm〜8cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。
次いで、培養液、例えば、10%ウシ胎仔血清(FCS)を含有するDMEMを添加した後、5%CO雰囲気下、インキュベータにて、37℃で2週間程度培養する。上記培養液を除去した後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等で細胞を1回〜数回洗浄する。培養液の除去及び細胞の洗浄に代えて、コロニーを形成した接着性の歯髄幹細胞を回収することもできる。接着性の歯髄幹細胞は、例えば、0.025%〜0.1%(w/v)のトリプシンと0.3mM〜1mMのEDTAにて、数分間、37℃で処理してディッシュから剥離させ、次いで細胞を回収する。
次に、上記のように選別された接着性細胞を培養する。例えば、上記のようにして得た歯髄幹細胞を付着性細胞培養用ディッシュに播種し、5%CO雰囲気下、37℃の条件でインキュベータにて培養後に回収することで、ヒト脱落乳歯幹細胞の初代培養細胞(SHED−P)を得ることができ、不死化幹細胞(SHED−T)の調製に用いることができる。
継代培養は、例えば、肉眼で観察してサブコンフレント又はコンフレントに達したときに、上述のように、トリプシンとEDTAとを用いて細胞を培養容器から剥離させて回収し、再度、培養液を入れた培養容器に播種する。ここで、サブコンフレントとは、培養容器中の細胞付着面の約70%に細胞が付着した状態をいう。次に、例えば、継代培養を1回〜8回行い、選別された細胞を、必要な細胞数まで増殖させる。以上のように培養した後に、細胞を回収して液体窒素中にて保存する。様々なドナーから回収した細胞を歯髄幹細胞バンクの形態で保存することにしてもよい。
(骨髄幹細胞)
「骨髄幹細胞」とは、骨髄の穿刺液中に得られる細胞の総称であり、骨髄芽球等の白血球系の細胞、赤芽球系の細胞、骨髄巨核球、及び形質細胞等が含まれる。骨髄幹細胞としては、採取される細胞種は特に限定されないが、多量の細胞が採取可能でありかつ採取が容易であるという観点から、大腿骨、脛骨又は骨盤(腸骨)から採取することが好ましい。ヒト以外の哺乳動物の場合は、腸骨および脛骨から採取することもできる。骨髄由来の間葉系幹細胞の採取方法は当業者に公知であり、例えば医療において用いられている通常の方法を用いることができる。
骨髄幹細胞において、自家又は他家の幹細胞を取得するには、例えば、ヒトに対しては、患者に対するインフォームドコンセントのもとに、ヒト大腿骨、腸骨、顎骨の間葉系細胞が存在する組織および器官より、注射器や穿刺針などを用いて骨髄や末梢血を無菌的に必要量採取し、そのまま、培養容器に播種し浮遊系細胞と接着系細胞を分離することで使用するか、フローサイトメトリー、または密度勾配遠心法などの手法を用いることで、間葉系細胞を採取分離することができる。
また、骨髄由来の幹細胞は、いくつかの組織から採取されたものが市販されており、容易に入手可能である。
本開示の第1態様に係る医薬組成物において、骨髄幹細胞を不死化して得られた不死化骨髄幹細胞培養上清(BM−CM)もしくはその分泌成分を含む医薬組成物は、アレルギー性鼻炎及び花粉症の少なくとも一方の治療に用いられるが、BM−CMの治療効果の観点から、花粉症の治療に用いられることが好ましい。
また、本開示の第2態様に係る医薬組成物において、不死化骨髄幹細胞培養上清(BM−CM)もしくはその分泌成分を含む医薬組成物は、上記の中枢神経系疾患の治療に用いる。この場合における、中枢神経疾患の例及び好ましい治療対象となるものは上記と同様である。
ヒト以外の哺乳動物の骨髄から間葉系幹細胞を採取する際には、例えば骨(大腿骨、脛
骨)の両端を切断し、間葉系幹細胞の培養に適する培地で骨内を洗浄して、洗い出された
該培養液から間葉系幹細胞を取得することができる。
以上のようにして、骨髄由来の幹細胞(BM−P)を得ることができ、幹細胞の不死化に用いることができる。
[不死化幹細胞培養上清の調製]
不死化幹細胞上清を得るには、まず、上記のように、哺乳類の組織から歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれかを得る。なお、哺乳類としては、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、及サルからなる群から選ばれるものであることが好ましい。
<幹細胞の不死化>
不死化幹細胞を得るために、上述の歯髄及び骨髄から得られたいずれかの幹細胞中に導入する遺伝子としては、hTERT、bmi−1、E6、E7、Oct3/4、Sox2、Klf4、c−Myc、及びp16INK4a等を挙げることができる。hTERTはテロメア修復酵素の遺伝子であり、bmi−1はポリコーム複合体を構成する蛋白質の1つであるBmi−1の遺伝子である。ここで、Bmi−1は造血幹細胞の維持に必要であり、活性増強により造血幹細胞を増やすことができるという作用を有する。
E6及びE7はHPV−16又はHPV−18の初期遺伝子である。また、Oct3/4はSox2と協調して標的遺伝子の転写を活性化する遺伝子である。Klf4(Kruppel型転写因子4)は細胞分裂と胚発生にかかわる遺伝子を調節し、消化器系の癌の癌抑制因子としてかかわっている。
Sox2はSRY−related HMG box遺伝子ファミリーに属しており、機能の未分化性(多能性)維持に関与することが知られる遺伝子である。c−Mycは発癌遺伝子であり、c−Mycで誘導された腫瘍内で細胞の生存と死の両方を促進する遺伝子である。p16INK4aは癌細胞の細胞周期を制御するのに重要な役割を果たす遺伝子である。
以下に、具体的な幹細胞の不死化について説明するが、幹細胞の不死化については、この方法に限定されない。
前記幹細胞を初期培養して得られた初代培養細胞に、4種類の遺伝子を導入して遺伝子導入細胞を作成する。ここへ導入する遺伝子は、hTERT、bmi−1、E6、E7、Oct3/4、Sox2、Klf4、c−Myc、及びp16INK4aからなる群から選ばれる4種類であることが好ましい。hTERT、bmi−1、E6、E7を導入することにより、より個体数倍化回数の多い不死化幹細胞を得ることができる。ここで、hTERTは、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素の遺伝子であり、bmi−1は幹細胞の自己複製や分化制御に関わっているポリコーム群遺伝子である。E6及びE7は、ヒトパピローマウイルスが自己複製のために使用する初期遺伝子をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)中に存在する遺伝子である。
こうした遺伝子の導入は、以下のようにして行うことができる。
目的とする上記の遺伝子を組み込むためのプラスミドを調製し、これをシャトルベクター、例えば、pShuttle2(クロンテック社製)に組み込んで、上記の遺伝子をクローニングする。このシャトルベクターで大腸菌を形質転換し、カナマイシン耐性の形質転換体を選択する。選択したカナマイシン耐性の形質転換体のプラスミドDNAを精製し、制限酵素部位を解析して組換え体を同定する。
次に、制限酵素、例えば、PI−SceI及びI−CueIを使用して発現カセットを上記のシャトルベクターから切り出し、これをアデノウイルスベクター、例えば、Adeno−X viral DNA(クロンテック社製)にライゲーションする。得られたライゲーション産物をSwaIで切断し、これを用いて大腸菌をトランスフォーメーションする。
得られた形質転換体の中からアンピシリン耐性の形質転換体を選択する。上記の遺伝子が組み込まれた組換えアデノウイルスDNAを精製し、制限酵素部位を解析して組換え体を同定する。
次いで、PacIで組換えアデノウイルスを消化し、これをHEK293細胞にトランスフェクトする。組換えアデノウイルスを増殖させ、これを集めてウイルスの力価を測定して、ウィルスの存在を確認する。常法に従ってウイルスを精製し、前記幹細胞(例えばSHED−P)に感染させる。
ウイルス感染後の細胞群を、常法に従ってFITCで染色し、フローサイトメーターを用いて、STRO−1陽性細胞を検出する。ここで、STRO−1は、骨髄における多分化能を有する間葉系幹細胞のマーカーの1つとして考えられており、細胞の不死化の指標となる。
以上の手順によって、不死化幹細胞(SHED−T又はBM−T)を得ることができる。
<不死化幹細胞培養上清の調製>
次に、上記の方法で得られた不死化幹細胞を、上述した基本培地、例えば、血清として10%FBSを加えた培地(DMEM)を用いて、5%CO雰囲気下、37℃の条件下に、24〜48時間培養し、200g〜500gで3分間〜7分間遠心処理を行うか、あるいは不死化幹細胞を通過させない分離膜を利用して不死化幹細胞培養上清(SHED−CM又はBM−CM)を得ることができる。培養上清の回収には、例えば、コマゴメピペット等を使用することもできる。回収した培養上清は、そのまま本開示の医薬組成物の有効成分として使用してもよく、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結乾燥、希釈その他の処理の後に、本開示の医薬組成物の有効成分として使用してもよい。
上記の場合に、血清や培地等は、用いる不死化幹細胞の種類等を考慮し、適宜その有無、種類及び添加濃度を設定すればよい。なお、血清を含まないことで、本開示の医薬組成物の安全性が高められる場合がある。このため、血清を含まない医薬組成物を得るために、例えば、血清を含まない培地(無血清培地)で不死化幹細胞を培養することによって、血清を含まない培養上清を調製することができる。1回又は複数回の継代培養を行うことにし、最後又は最後から数回の継代培養を無血清培地で培養することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができる。一方、回収した培養上清から、透析やカラムによる溶媒置換などを利用して血清を除去することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができる。
血清を含まない「不死化幹細胞培養上清」を調製するためには、全過程を通して或いは最後又は最後から数回の継代培養についは無血清培地を使用するとよい。尚、基本培地としてはDMEMの他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社製等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社製、GIBCO社製等)、RPMI1640培地等を用いることができる。二種以上の基本培地を併用することにしてもよい。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(GIBCO社製)として市販される)を挙げることができる。また、培地に添加可能な成分の例として、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミン(BSA)、抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
培養上清を得るための培養時間としては、例えば5時間〜7日間であり、また、1日〜6日間であってもよい。培養温度は例えば36℃〜38℃、例えば37℃、であり、CO濃度は4〜6%、例えば5%、である。また、培養は、例えば非接着性条件下での三次元培養、例えば浮遊培養(例えば、分散培養、凝集浮遊培養など)により行ってもよい。
また、後述するように、上記のようにして得られた不死化幹細胞の培養上清は、種々の成長因子を含み、高度な精製をしなくとも、種々の作用を示す。すなわち、各種の疾患の治療に使用できる医薬組成物を、簡易な工程で製造できるため、高度精製に伴う各種成長因子の生理活性の低下を回避することができる。
なお、本開示の医薬組成物に用いる「不死化幹細胞培養上清」は、不死化幹細胞を培養して得られる分泌された種々の生体因子を含有する培養上清をいい、不死化幹細胞その他の細胞を含まない溶液をいう。本開示の医薬組成物はこの特徴によって、幹細胞自体は当然のこと、幹細胞を含む各種組成物と明確に区別される。この態様の典型例は、幹細胞を含まず、幹細胞の培養上清のみで構成された医薬組成物である。従って、例えば培養後に細胞成分を分離除去することによって、本開示の医薬組成物に使用可能な培養上清を得ることができる。また、上記の不死化幹細胞培養上清は、不死化幹細胞の培養後に得られた培養上清を、適宜、各種処理(例えば、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存等)した後に、上記組成物に用いることにしてもよい。
上記の方法で選抜・培養した不死化幹細胞は、生体から採取した組織や細胞であって、最初に播種された初代培養細胞と同様の性質を有する。一般に、初代培養細胞は、そのソースとなった組織と類似した性質を有し、正常細胞に近いという点で重要である。しかし、株化細胞に比べて増殖が遅く、また、培養を継続するうちに脱分化を起こす場合もあり、その性質を保ったまま維持することが難しい。これに対し、本開示における不死化幹細胞は、上述したように、多くの分裂回数後も初代培養細胞の性質を保持できるという特徴を有する。
ここで、本開示における不死化幹細胞は、細胞倍加回数が20回又は40回の時点で、細胞の未分化度のマーカーとなるSTRO−1の発現率が、不死化幹細胞ではない幹細胞よりも有意に高く、約1.5〜3倍という高い割合を示すものであることが好ましい。
上記の不死化幹細胞培養上清は、水溶液やその他の溶剤で希釈した後に医薬組成物として使用することもできる。この場合に、水溶液としては、水及び緩衝液を用いることができる。また、その他の溶剤としては、本開示の医薬組成物の効果が得られる範囲で有機溶剤などを用いることができる。
また、水及び緩衝液に用いる水としては、イオン交換水、精製水及び超純水等を用いることができる。これらの水は、汎用な製造装置で調製することもできるし、購入することもできる。
不死化幹細胞培養上清を水溶液等(超純水を除く)に希釈して医薬組成物として使用する場合には、不死化幹細胞を培養した時の培養条件、治療対象となる疾患の種類及び疾患の程度等を考慮して適宜上清を希釈することが好ましいが、前記未処理の不死化幹細胞培養上清の医薬組成物中における濃度(%)(100×未処理の不死化幹細胞培養上清の体積/医薬組成物の体積)としては、0.1%〜300%の濃度で用いることが好ましい。なお、300%とは、前記上清が濃縮されることを意味する。0.1%以上であると、前記不死化幹細胞培養上清の治療効果をより高め、300%以下であることで、前記不死化幹細胞培養上清中の因子の沈着をより防ぐことができ、さらに経済的である。さらに、0.2%〜100%であることがより好ましく、0.5%〜50%であることが特に好ましい。
また、分泌成分としては、医薬組成物全量に対して1×10−6質量%〜10質量%で含まれることが好ましい。1×10−6質量%以上であることで、より十分な治療効果に必要な成分を確保でき、10質量%以下であることで、過剰な成分を削減して、治療における経済性をより高めることができる。1×10−6質量%〜1質量%であることがより好ましく、さらに1×10−4質量%〜1質量%であることが特に好ましい。
(超純水)
本開示の医薬組成物については、超純水を含み、前記分泌成分が、超純水に溶解されていてもよい。上記の不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分が超純水に溶解された医薬組成物は、それらの有効成分を皮膚や皮下へ浸透させるだけでなく、上皮粘膜組織及びその下部組織等への浸透を飛躍的に高めることができる。従って、アレルギー性鼻炎及び花粉症の治療などのように、主に鼻や目などを対象として、目的とする医薬組成物を投与する場合に、飛躍的にその効果を高めることができる。また、このような超純水の効果は、ヒト以外の幹細胞を用いて調製された不死化幹細胞培養上清中の成分に対しても同様である。
本開示にける超純水を含む医薬組成物では、低分子の化合物のみならず、上記したようなVGFやTGFなどといった各種サイトカイン類や、コラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックス(ECM)のような高分子の成分もはじめて対象とする方法である。
ここで、超純水とは、電気抵抗率が17.5MΩ・cm以上の水をいい、有機物質が10ppb以下であることが好ましい。このような水は、市販されているものを購入することで得ることもできるし、市販の超純水製造装置によって調製して得ることもできる。電気抵抗率が17.5MΩ・cm以上の水に含有させることで、上記不死化幹細胞培養上清中の上記成分の浸透効果をより高めることができる。さらに好ましくは、電気抵抗率は18.0MΩ・cm以上である。水の電気抵抗率は、超純水製造装置に装備されている水の電気抵抗率の検出器で検出できるし、例えば電気抵抗率計(株式会社堀場製作所社製)で簡易に検出できる。
また、超純水中の有機物質が10ppb以下の水であることで、より上記成分の浸透効果をさらに高めることができる。
また、高分子とは、分子量が2000以上(更には3000以上)の分子であって、蛋白質、核酸及び多糖類を含む。
また、前記の不死化幹細胞培養上清を超純水に溶解させる方法としては、不死化幹細胞培養上清に対しそのまま超純水を加えて調製してもよいし、不死化幹細胞培養上清について、各種処理(例えば、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存等)を適宜施したものに超純水を加えてもよい。
未処理の不死化幹細胞培養上清を、超純水に溶解させる場合における、前記培養上清の医薬組成物中における濃度は、不死化幹細胞を培養した時の培養条件、添加する成分、治療対象となる疾患の種類及び疾患の程度等を考慮して適宜調整されることが好ましいが、前記未処理の不死化幹細胞培養上清の量に換算した場合の医薬組成物中における濃度(%)(100×未処理の不死化幹細胞培養上清の体積/医薬組成物の体積)としては、0.01%〜80%の濃度で用いることが好ましい。0.01%以上であると、不死化幹細胞培養上清の治療効果をより高め、80%以下であることで、超純水を一定量含ませることが可能となるため、超純水の効果をより高めることができる。さらに、0.01%〜50%であることが好ましく、0.01%〜10%であることがより好ましく、0.05%〜3%であることが特に好ましく、0.1%〜2%であることが最も好ましい。
また、この場合における分泌成分としては、超純水に対して1×10−7質量%〜1質量%含まれることが好ましい。1×10−7質量%以上であることで、より十分な治療効果に必要な成分を確保でき、1質量%以下であることで、過剰な成分を削減して、治療における経済性をより高めることができる。1×10−6質量%〜0.1質量%であることがより好ましく、さらに1×10−5質量%〜0.1質量%であることが特に好ましい。
また、超純水を、医薬組成物に含める場合における超純水の含有比率(100×超純水の体積/医薬組成物の体積)としては、不死化幹細胞を培養した時の培養条件、添加する成分、治療対象となる疾患の種類及び疾患の程度等を考慮して適宜調整されることが好ましいが、20%〜99.99%であることが好ましい。20%以上であることで、超純水の効果をより高め、99.99%以下であることで、不死化幹細胞培養上清の治療効果をより高めることができる。さらに50%〜99.99%であることが好ましく、90%〜99.9%であることがより好ましく、97%〜99.5%であることが特に好ましい。
(可逆的加熱増粘性化合物)
本開示の医薬組成物については、さらに可逆的加熱増粘性化合物を含んでいてもよい。可逆的加熱増粘性化合物とは、加熱により増粘する化合物であり、ヒトなどの生体に投与されるとその体温で容易に増粘しゲル化する。このような化合物を医薬組成物に含ませることで、投与前は調製や運搬などにおいての使用性が高く、投与後は増粘したゲルが患部に留まるので、医薬組成物の有効成分の効果をより持続できる。このような可逆的加熱増粘性化合物については、国際公開第2009−001899号に詳細に記載されている。
可逆的加熱増粘性化合物の医薬組成物中に含める濃度(100×可逆的加熱増粘性化合物の質量/医薬組成物の体積、(w/v)%)は、本発明の医薬組成物の治療効果が得られれば特に制限はないが、好ましくは0.01%〜10%である。0.01%以上の場合には、熱で増粘しやすく、10%以下の場合には、医薬組成物の粘度として取り扱いやすい。
(リポソーム)
本開示の医薬組成物については、さらにリポソームを含んでいてもよい。リポソームとは、基本骨格としてはリン脂質と水とを混合して得られる脂質の単層または複数層からなる閉鎖小胞であり、内部の水層あるいは脂質層に種々の物質、例えば組織特異的な分子なども保持できる。このため、これをドラックデリバリーシステム(DDS)として用いることで、上記のリポソームをターゲットとする組織へ移行させ、組織上の細胞との脂質二重膜とリポソームとの融合その他の方法によって、内部の分子を徐放させることにより、目的とする組織の治療効果を高めることができる。
リポソームにおけるリン脂質の種類や、内部に医薬組成物を封入したリポソームの調製方法は公知の方法を用いることができるが、例えば、特開2000−229815号による方法によって調製することができる。また、このようなDDS用のリポソーム調製用試薬は市販されており、例えば、油化産業株式会社から購入することができる。
(不死化幹細胞培養上清の濃縮方法)
本開示の医薬組成物は、濃縮した不死化幹細胞培養上清を含ませることが可能である。不死化幹細胞培養上清の濃縮方法としては、通常行われている方法を適用することができる。濃縮方法の例としては、例えば、以下の二つの方法を挙げることができる。
1. スピンカラム濃縮法
不死化幹細胞培養上清をAmicon Ultra Centrifugal Filter Units−10K(ミリポア社製)を用いて濃縮する(最大75倍濃縮)。具体的な操作手順は次の通りである。
(i) 培養上清(最大15ml)をAmicon Ultra Centrifugal Filter Units−10Kへ投入し、4000gで約60分間遠心し、200μlまで濃縮する。
(ii) 上記チューブへ培養上清と同量の滅菌PBSを投入し、再度4000gで約60分間遠心し、ベース溶液をPBSへ置換する。
(iii) 得られた溶液200μlをマイクロテストチューブへ回収し、濃縮した不死化幹細胞培養上清とする。
2. エタノール沈殿濃縮法
不死化幹細胞培養上清をエタノール沈殿法を用いて濃縮する(最大10倍濃縮)。具体的な操作手順は次の通りである。
(i) 培養上清5mlに対し100%エタノール45mlを加え、混和し、−20℃で60分間放置する。
(ii) 4℃、15000gで15分間遠心する。
(iii) 上澄みを除去し、90%エタノール10mlを加え、よく攪拌する。
(iv) 4℃、15000gで5分間遠心する。
(v) 上澄みを除去し、得られたペレットを滅菌水500μlに溶解し、マイクロテストチューブへ回収し、濃縮した不死化幹細胞培養上清とする。
(添加成分)
適用される被検体の状態に応じて、期待される治療効果が維持されることを条件として、医薬組成物に、上記以外の他の成分を追加的に使用することができる。医薬組成物において追加的に使用され得る成分の一例は以下の通りである。
(i)生体吸収性材料
有機系生体吸収性材料としてヒアルロン酸、コラーゲン、フィブリノーゲン(例えばボルヒール(登録商標))等を使用することができる。
(ii)ゲル化材料
ゲル化材料は、生体親和性が高いものを用いることが好ましく、ヒアルロン酸、コラーゲン又はフィブリン糊等を用いることができる。ヒアルロン酸、コラーゲンとしては種々のものを選択して用いることができるが、医薬組成物の適用目的(適用組織)に適したものを採用することが好ましい。用いるコラーゲンは可溶性(酸可溶性コラーゲン、アルカリ可溶性コラーゲン、酵素可溶性コラーゲン等)であることが好ましい。
(iii)その他
製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を含有させることもできる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等を用いることができる。抗生物質、pH調整剤、成長因子(例えば、上皮細胞成長因子(EGF)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF))等を含有させてもよい。
医薬組成物の最終的な形態は特に限定されない。形態の例は液体状(液状、ゲル状など)及び固体状(粉状、細粒、顆粒状など)である。
前記医薬組成物の投与量としては、治療上有効な量であればよい。前記医薬組成物は、不死化幹細胞培養上清を有効成分とするため、治療に用いる際には前記医薬組成物の投与量を適宜調整すればよく、後述するように、有効成分を濃縮して用いてもよい。
≪医薬品≫
本開示にかかる発明の他の態様として、上記の医薬組成物を注射剤、経口剤、点鼻剤、点眼剤又は塗布剤の形態で有する医薬品とすることができる。このように、上記の医薬組成物を投与する場所や方法を限定して用いることで、より治療効果を高めることができる。これらの中でも、患者への負担軽減と、治療効果という観点から、点鼻剤、点眼剤又は塗布剤の形態で有する医薬品とすることが好ましく、さらに点鼻剤又は点眼剤とすることがより好ましい。これらの医薬品は、上記の医薬組成物をそのまま含ませて調製してもよいし、適宜処理(濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩及び保存)を行って調製してもよい。さらに、医薬品として必要な添加剤を含ませて調製してもよい。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤、健康食品素材、栄養補助食品素材、ビタミン、香料、甘味剤、防腐剤、保存剤、抗酸化剤などが挙げられる。
≪治療方法≫
本開示にかかる発明の他の態様としては、アレルギー性鼻炎又は花粉症を治療する治療方法と、中枢神経性疾患等を治療する治療方法が挙げられる。これらの方法は、前述した不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分、又は不死化幹細胞培養上清を処理したものを、体内へ投与することを含む。これにより、効率よく治療することができる。
前記医薬組成物の投与方法及び投与経路としては、特に制限されない。前記医薬組成物を、アレルギー性鼻炎又は花粉症の治療に用いる場合には、非経口投与であることが好ましく、非経口投与としては、局所投与が好ましい。局所投与の例としては、目的組織への注入、塗布又は噴霧などを挙げることができる。前記医薬組成物の投与方法の例としては、点眼投与、及び鼻腔内投与等を挙げることができる。これらの投与方法の中でも、治療効果及び低侵襲性の観点から、鼻腔内投与等が好ましい。
また、前記医薬組成物を、中枢神経性疾患の治療に用いる場合には、非経口投与であることが好ましく、非経口投与としては、全身性投与であっても局所投与であってもよい。投与方法としては、静脈内投与、動脈内投与、門脈内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、点眼投与、及び鼻腔内投与等を挙げることができる。中でも、鼻腔内投与等は、低侵襲性であり、好ましい。
投与スケジュールとしては例えば一日一回〜数回、二日に一回、或いは三日に一回などを採用できる。投与スケジュールの作成においては、対象(レシピエント)の性別、年齢、体重、病態などを考慮することができる。
また、前記医薬組成物の投与量としては、アレルギー性鼻炎又は花粉症の治療に用いる場合には、未処理の不死化幹細胞培養上清の量に換算して、例えば0.1mg/kg/日〜1000mg/kg/日であり、また、1mg/kg/日〜100mg/kg/日であってもよい。
さらに、上記において、前記医薬組成物を超純水に溶解させた場合における投与量としては、例えば0.01mg/kg/日〜100mg/kg/日であり、また、0.1mg/kg/日〜10mg/kg/日であってもよい。
前記医薬組成物が投与される対象は、典型的には、罹患したヒト患者であるが、ヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)への適用も想定される。
≪医薬組成物の製造方法≫
本開示においては、(1)歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞から選ばれるいずれか一方の幹細胞を不死化する工程と、(2)前記不死化により得られた不死化幹細胞を培養する工程と、(3)前記不死化幹細胞の培養により得られた培養上清を回収する工程と、を含む医薬組成物の製造方法が提供される。
上記の工程に、回収された培養上清中の分泌成分を抽出する工程、をさらに含ませてもよい。この工程を含むことにより、医薬組成物の取り扱いや保存、運搬がより容易になる。また、前記製造方法は、前記分泌成分を超純水に溶解させる工程をさらに含んでいてもよい。この工程を含むことにより、患部への分泌成分の高い浸透力を狙った医薬組成物の製造方法を提供することができる。
また、前記製造方法は、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、乾燥、希釈及び脱塩からなる群より選択される少なくとも1つの処理を行う工程を、上記のどの工程の前後にさらに含んでいてもよい。
また、前記製造方法は、前記回収された培養上清に、追加の成分を添加する工程をさらに含んでいてもよい。そのような追加の成分の添加により、医薬組成物全体の物性を変化させ、その特性を向上することが可能である。各々の工程ならびに追加の成分等については、本開示に係る医薬組成物の説明において記載した事項がそのまま当てはまる。前記回収された培養上清に遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩及び保存の中から選択される一つ以上の処理を施す工程と、前記回収された培養上清に、追加の成分を添加する工程の両方を含む場合には、両工程はどちらを先に行ってもよく、また可能な場合には同時並行して行ってもよい。また、超純水に溶解させる工程は、上記の(3)前記不死化幹細胞の培養により得られた培養上清を回収する工程、の後であれば、他の工程の前後に含ませて行うことができる。
上記工程(3)においての培養上清は、例えば、スポイトやピペットなどで培養液を吸引して回収することができる。回収した培養上清はそのまま或いは一以上の処理を経た後に本開示に係る医薬組成物の有効成分として使用される。尚、不死化幹細胞の培養上清は、複雑高度な精製をしなくとも、所期の作用を示す。このため、本開示に係る医薬組成物は簡便な工程で製造できる。複雑な精製工程を要しないことは、精製に伴う活性の低下を回避できる点においても有利である。ここでの処理として、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存(例えば、4℃、−80℃)を例示することができる。
また、上記の工程(1)が歯髄幹細胞である場合に、工程(1)の前に、前工程として、歯髄細胞から接着性細胞を選抜する工程を加えてもよい。なお、当該選抜する工程は、本開示に係る医薬組成物の説明において記載した事項がそのまま当てはまる。
<不死化幹細胞培養上清の凍結乾燥物の製造方法>
また本開示においては、本開示の医薬組成物に用いる不死化幹細胞培養上清の凍結乾燥物を製造する方法を提供することもできる。これにより、良好な保存安定性が得られる。不死化幹細胞培養上清の凍結乾燥方法としては、この目的のための通常行われている方法を適用することができる。不死化幹細胞培養上清の凍結乾燥物の製造方法の例としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。
(i) 上記方法で得られた不死化幹細胞培養上清又はそれを濃縮したものを−200℃〜ー20℃で2時間から半日凍結する。
(ii) 凍結後、サンプルチューブの蓋を開放し、凍結乾燥機へセットする。
(iii) 1〜2日間凍結乾燥を行う。
(iv) 得られたものを不死化幹細胞培養上清の凍結乾燥物とする(−200℃〜ー20℃で保存可能)。
以下に本発明の実施例について説明するが、これに限定されるものではない。
<材料及び方法>
≪不死化歯髄幹細胞の調製≫
不死化歯髄幹細胞(SHED−T)は、国際公開第2013−47082号の段落0046〜段落0077に記載の方法に従って、乳歯幹細胞を採取した後に不死化処理を行うことで調製し、次の不死化歯髄幹細胞培養上清(SHED−CM)の作製に用いた。
≪骨髄幹細胞(BM)及び不死化骨髄幹細胞(BM−T)の調製≫
ヒト骨髄幹細胞(BM)(骨髄間葉系幹細胞、Bone Marrow Mesenchymal stem cells)はロンザ社から購入し、メーカーの取扱説明書に従って培養した。次に、培養して得られたBMについて、上記と同様の方法によって、不死化骨髄幹細胞(BM−T)を作製し、次の不死化骨髄幹細胞(BM−CM)の作製に用いた。
≪不死化幹細胞培養上清の調製≫
上記で得られた各不死化幹細胞(SHED−T又はBM−T)について、それぞれ15%ウシ胎仔血清(FCS)を含む培養液(DMEM)中、5%CO雰囲気下、37℃にて所定時間培養し、300gで5分間遠心して上清を回収し、0.22mmのシリンジフィルターを用いて濾過することで、不死化幹細胞培養上清原液(SHED−CM又はBM−CM)を得た。
{花粉症に対する効果}
〔実施例1〕
花粉症の自覚のある男性6名及び女性5名に対し、上記にて調製したSHED−CMもしくはBM−CMを、精製水(日本薬局方)に濃度1%〜10%(v/v)で希釈させて医薬組成物を調製し、これらのいずれかを1日に0.1ml〜0.3ml(平均0.3ml)を2週間、毎日点鼻投与させた。なお、実施例1に用いたSHED−CM及びBM−CMにおける分泌成分の精製水に対する含有比率(w/v)%は5×10−6%〜5×10−5%である。
臨床評価としては、下記のように、治療前後、すなわち治療前と2週間後における自覚症状(鼻症状と目症状)を、下記のように、点数で評価することで行った。
<鼻症状の点数評価>
下記のように、(1)1日にくしゃみをした回数、(2)鼻水を処理した回数及び(3)鼻づまり状態の程度を点数化し、これら3つの項目における点数の平均を4者五入して、鼻症状の評価における点数とする。
(1)くしゃみをした回数:1日に21回以上を5点、20〜11回を4点、10〜6回を3点、5〜1回を2点、0回を1点とする。
(2)鼻水を処理した回数:1日に21回以上を5点、20〜11回を4点、10〜6回を3点、5〜1回を2点、0回を1点とする。
(3)鼻づまり状態:完全に鼻づまりである場合を5点、鼻づまりが強く、多くが口呼吸である場合を4点、鼻づまりが強く、ときどき口呼吸である場合を3点、鼻づまりがあるが、口呼吸がない場合を2点、鼻づまり及び口呼吸ともにない場合を1点とする。
<目症状の点数評価>
治療前後における状態について、下記のように点数を設け、目症状の評価における点数とする。
・充血、涙目及びかゆみなどの症状がかなりひどい:4点
・上記症状がひどい:3点
・上記症状において、あまり差し支えない:2点
・上記症状において、差し支えない:1点
<効果発現日数>
上記の臨床評価において、投与開始した日から効果が現れたと判断できる日、すなわち点数が減少し始めた日までの期間を、効果発現日数とした。
〔実施例2〕
花粉症の自覚のある男性3名及び女性2名に対し、上記にて調製したSHED−CMもしくはBM−CMを、超純水(山栄株式会社製)に濃度0.1%〜1%(v/v)で希釈させて医薬組成物を調製し、1日に0.1ml〜0.3ml(平均0.3ml)を2週間、毎日点鼻投与させた。なお、実施例2に用いたSHED−CM及びBM−CMにおける分泌成分の超純水に対する含有比率(w/v)%は5×10−7%〜5×10−6%である。
臨床評価を、実施例1と同様に、点数で評価することで行った。
上記の実施例における各患者のデータの詳細、各患者に対し用いた培養上清の種類(S:SHED−CM、B;BM−CM)、前記培養上清の濃度、臨床評価及び効果発現日数を表1及び表2に示す。


表1及び表2の結果から、精製水を用いた実施例1では、鼻症状及び眼症状共に改善効果が見られ、特に鼻症状では高い効果を示した。また、実施例1での11名の患者すべてにおいて、副作用と思われる症状は見られなかった。
また、超純水を用いた実施例2では、表2に示すように、精製水を用いた実施例1の場合の10分の1の不死化幹細胞培養上清の濃度であるにもかかわらず、鼻症状及び眼症状において、共に顕著な改善効果が示された。また、実施例2での5名の患者すべてにおいて、副作用と思われる症状は見られなかった。加えて、これら5名の患者すべてにおいて、3か月経過した後も花粉症の自覚症状は見られなかった。
図1及び図2に、実施例1及び実施例2における鼻症状及び眼症状での治療前後における点数(評価点数の平均値)の変化を示す。また、図中の黒丸は実施例2の評価点数を示し、黒塗り三角は実施例1の評価点数を示す。図1及び図2から、眼症状において、明らかに実施例2、すなわち超純水を用いた医薬組成物が、精製水を用いた場合(実施例1)に比べて高い治療効果を有することが示された。
また、効果発現日数においても、超純水を用いた実施例2は、精製水を用いた実施例1に比べて明らかに早期に効果があることが示された。
このように、本開示における不死化幹細胞培養上清を含む医薬組成物は、アレルギー性鼻炎や花粉症に対し、短期間の投与で、高い治療効果を有することが示された。
{脳梗塞に対する効果}
脳梗塞のモデルとなる動物に対するSHED−CM及びBM−CMの効果を、下記のように検証した。
〔実施例3〕
〔運動障害においての評価〕
<脳梗塞ラット>
脳梗塞のモデル(脳虚血モデル)となる動物として、Spraque−Dawley rats(SDラット)を購入し、井上らの文献[Tissue Eng Part A, Vol.19, 24(2013)]に記載の方法に従って、ラットに中大脳動脈の閉塞を起こさせ、局所脳虚血を有するラット(脳梗塞ラット)を作製した。
<脳梗塞ラットへの医薬組成物の投与>
上記井上らの文献に記載の方法に従って、上記ラットへの中大脳動脈の閉塞を起こさせてから72時間後(3日目)、該ラットを麻酔させ、麻酔させたラットを、以下の実施例及び比較例に供する医薬組成物の投与群(A)〜(C)に分けた。その後、同文献に記載の方法に従って、各投与群のラットに、対応する各医薬組成物100μl/dayを、マイクロシリンジ(ハミルトン社製)を使用して投入し、これを3日目から12日目まで毎日行った。
<投与群>
・医薬組成物投与群(A):SHED−CMを精製水(日本薬局方)に対して50%(v/v)で混和させた医薬組成物を投与する群である。全個体数は3匹である。
・医薬組成物投与群(B):SHED−CMを超純水(山栄株式会社製)に対して50%(v/v)で混和させた医薬組成物を投与する群である。全個体数は3匹である。
・医薬組成物投与群(C):PBSのみを投与する群である。全個体数は3匹である。
<運動障害における評価方法>
医薬組成物投与群(A)、(B)及び(C)のラットの3日目から12日目までの各日数経過時における運動障害における評価を、上記井上らの文献に記載の方法に従って点数化することで行った。また、運動障害についての評価は、上記それぞれの投与群内の3匹すべてについて行い、点数化した。なお、当該運動障害における評価で用いられる評価点数は、点数が低いほど運動障害が少ないことを示す。
また、各日数経過時で得られた評価点数において、医薬組成物投与群(A)と医薬組成物投与群(C)との間及び医薬組成物投与群(B)と医薬組成物投与群(C)との間におけるP値(有意確率)を、スチューデントのT検定により求めた。
図3に、各投与群の各日数経過時で得られた評価点数の結果を示す。また、それらの投与群間におけるP値が5%以下である場合も同時に示す。
図3に示すように、精製水を混和したSHED−CMを与えた医薬組成物投与群(A)では、日数経過と共に点数が徐々に減少し、12日目で医薬組成物投与群(C)の3分の1の評価点数まで有意に減少した。さらに、超純水を混和したSHED−CMを与えた医薬組成物投与群(B)では、医薬組成物投与群(A)よりもさらに有意に評価点数が減少し、12日目において、医薬組成物投与群(A)の2分の1程度にまで評価点数が減少した。
以上の結果から、SHED−CMを含む医薬組成物は、脳梗塞ラットの脳梗塞の症状を早期に回復させる効果があることが示された。さらに、超純水を用いたSHED−CM含有医薬組成物は、脳梗塞の症状からの回復により高い効果を有することが示された。
〔実施例4〕
〔脳梗塞領域における評価〕
上記医薬組成物投与群(A)〜(C)それぞれにおける医薬組成物投与後の脳梗塞領域の大きさを評価するために、上記井上らの文献及びGinsbergらの文献[Stroke, Vol. 34, 214(2013)]に記載の方法に従って、13日目における上記各投与群のラット脳を採取し、次に脳の全体を網羅するように1mm間隔で厚さ20μmの切開片(冠状断面)12枚を作製した後、ヘマトキシリン−エオシン染色を行い、蛍光顕微鏡を用いることで脳梗塞領域を可視化した。また、Leachらの文献[Stroke, Vol. 24, 1063(1993)]に記載の方法に従って、これらの切開片それぞれから得られたデータを基に、各投与群における2匹のラットそれぞれにおける脳梗塞領域の体積(mm)を算出した。
図4は、各投与群におけるラットそれぞれの脳の中央部分の冠状断面を蛍光顕微鏡下で撮影した画像である。また、それぞれの冠状断面の右端の数字は、算出した脳梗塞領域の体積(mm)を示す。
図4が示すように、精製水を混和したSHED−CMを与えた医薬組成物投与群(A)の脳梗塞領域の体積(35mm及び33mm)は、PBSのみを与えた医薬組成物投与群(C)の体積(42mm及び45mm)に比べて、明らかに脳梗塞領域が減少していることが示された。さらに、超純水を混和した医薬組成物投与群(B)の体積(26mm及び19mm)は、上記医薬組成物投与群(A)よりもさらに優位に脳梗塞領域が減少していることが示された。
このように、SHED−CMを含む医薬組成物は、脳梗塞ラットにおける脳梗塞領域を減少させる効果があることが示された。さらに、超純水を用いたSHED−CM含有医薬組成物は、より高い効果を有することが示された。
〔実施例5〕
〔SHED−CMの脳への移行における評価〕
医薬組成物中に含まれる水の種類(精製水もしくは超純水)の違いが、SHED−CMの経鼻投与後における脳への移行量の違いにどのように影響するかについて、蛍光ラベル化物質(Qdot(ライフテクノロジー社製))を用いて検証した。
SHED−CMをAmicon Ultra Centrifugal Filter Units−10K(ミリポア社製)に投入し、4℃、4000gで約60分間遠心して25倍濃縮体を得た後、投入した時と同量の滅菌PBSを投入し、再度同条件で遠心する。これを3回繰り返すことで、SHED−CMから分子量約5000以下の低分子が除去された溶液(SHED−CMH)を得た。次に、Qdot innovators Tool Kit ITKTM(製品番号Q21531MP、ライフテクノロジー社製)のプロトコールに従って、SHED−CMHをQdotナノクリスタル上に結合させた粒子を含むSHED−CMH−Qdot溶液を調製した。次に、得られたSHED−CMH−Qdot溶液を医薬組成物中で0.1%(v/v)になるように添加し、下記組成条件の(a)溶液及び(b)溶液を得た。
<組成条件>
(a)溶液
・SHED−CMH−Qdot溶液 0.1%
・SHED−CM 49.9%
・精製水 50.0%
(b)溶液
・SHED−CMH−Qdot溶液 0.1%
・SHED−CM 49.9%
・超純水 50.0%
上記医薬組成物投与群(A)及び(B)の13日目のラットにおいて、医薬組成物投与群(A)のラットに(a)溶液、医薬組成物投与群(B)のラットに(b)溶液をそれぞれ経鼻投与し、30分後にラットを蛍光イメージャーに固定し頭部を撮影することで、ラット脳の蛍光イメージングを行った。
図5は、(a)溶液又は(b)溶液をそれぞれ投与してから30分後のラット脳の蛍光イメージを示す。
図5の(A)及び(B)に示すように、いずれの溶液を用いた場合にも、SHED−CMの高分子量成分(SHED−CMH)がラットの脳へ移行していることが示された(図上方の細長く光っている部分)。さらに、超純水を混和した(b)溶液を投与した場合は、精製水を混和した(a)溶液に比べて、蛍光強度が強い領域が広範囲に及んでおり、超純水を用いた場合にSHED−CMHの脳への移行がより強く起こっていることが示された。
〔総合評価〕
実施例3〜5の結果と評価から、本開示の医薬組成物が、その投与後、脳梗塞を患う脳へすみやかにかつ広範囲に移行し、損傷した脳組織を修復して正常な状態へと移行させ、脳梗塞に伴う症状から早期に回復させる効果を有することが示された。

Claims (9)

  1. 不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、
    前記不死化幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、アレルギー性鼻炎及び花粉症の少なくとも一方の治療のための医薬組成物。
  2. 不死化された不死化幹細胞を培養することによって得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む不死化幹細胞培養上清もしくはその分泌成分を含み、
    前記不死化幹細胞が歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞のいずれか一方である、中枢神経系疾患の治療のための医薬組成物。
  3. 超純水を含み、前記分泌成分が、超純水に溶解されている請求項1又は請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記分泌成分が、超純水に対して1×10−7質量%〜1質量%含まれる請求項3に記載の医薬組成物。
  5. さらに可逆的加熱増粘性化合物を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の医薬組成物を、注射剤、経口剤、点鼻剤、点眼剤又は塗布剤の形態で有する医薬品。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法であって、
    歯髄幹細胞又は骨髄幹細胞から選ばれるいずれか一方の幹細胞を不死化する工程と、
    前記不死化により得られた不死化幹細胞を培養する工程と、
    前記不死化幹細胞の培養により得られた、不死化幹細胞からの分泌成分を含む培養上清を回収する工程と、を含む医薬組成物の製造方法。
  8. 更に、回収された培養上清中の分泌成分を抽出する工程、を含む請求項7に記載の製造方法。
  9. 更に、前記分泌成分を超純水に溶解させる工程、を含む請求項7又は請求項8に記載の製造方法。
JP2015096024A 2015-05-08 2015-05-08 医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品 Pending JP2016210730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015096024A JP2016210730A (ja) 2015-05-08 2015-05-08 医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015096024A JP2016210730A (ja) 2015-05-08 2015-05-08 医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016210730A true JP2016210730A (ja) 2016-12-15

Family

ID=57551109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015096024A Pending JP2016210730A (ja) 2015-05-08 2015-05-08 医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016210730A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017078176A1 (ja) * 2015-11-05 2017-05-11 株式会社Quarrymen&Co. 不死化幹細胞、及びその作製方法
JP7007770B1 (ja) 2021-06-21 2022-02-10 パナジー株式会社 眼症状改善剤および眼症状の改善方法
CN114591913A (zh) * 2020-12-02 2022-06-07 忠北大学校产学协力团 永生化猫干细胞或其用途
WO2022119060A1 (ko) * 2020-12-02 2022-06-09 충북대학교 산학협력단 불멸화 개 줄기세포 또는 이의 용도
JP2023022813A (ja) * 2021-08-03 2023-02-15 株式会社U-Factor 嗅覚障害の改善のための、歯髄幹細胞の培養上清を含む組成物
CN117357667A (zh) * 2023-12-08 2024-01-09 中国人民解放军总医院第二医学中心 过表达肝细胞生长因子的间充质干细胞在制备变应性鼻炎的药物中的应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012176948A (ja) * 2004-03-22 2012-09-13 Osiris Therapeutics Inc 間葉幹細胞及びその使用法
WO2013147082A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 株式会社クオリーメン 不死化幹細胞及びその産生物を有効成分とする医薬組成物並びに医薬製剤
WO2014126176A1 (ja) * 2013-02-13 2014-08-21 国立大学法人名古屋大学 炎症性疾患の予防又は治療用組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012176948A (ja) * 2004-03-22 2012-09-13 Osiris Therapeutics Inc 間葉幹細胞及びその使用法
WO2013147082A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 株式会社クオリーメン 不死化幹細胞及びその産生物を有効成分とする医薬組成物並びに医薬製剤
WO2014126176A1 (ja) * 2013-02-13 2014-08-21 国立大学法人名古屋大学 炎症性疾患の予防又は治療用組成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017078176A1 (ja) * 2015-11-05 2017-05-11 株式会社Quarrymen&Co. 不死化幹細胞、及びその作製方法
JPWO2017078176A1 (ja) * 2015-11-05 2018-09-27 株式会社Quarrymen&Co. 不死化幹細胞、及びその作製方法
US11015171B2 (en) 2015-11-05 2021-05-25 Quarrymen & Co. Inc. Immortalized stem cells and method for producing same
CN114591913A (zh) * 2020-12-02 2022-06-07 忠北大学校产学协力团 永生化猫干细胞或其用途
WO2022119060A1 (ko) * 2020-12-02 2022-06-09 충북대학교 산학협력단 불멸화 개 줄기세포 또는 이의 용도
WO2022119061A1 (ko) * 2020-12-02 2022-06-09 충북대학교 산학협력단 불멸화 고양이 줄기세포 또는 이의 용도
JP7007770B1 (ja) 2021-06-21 2022-02-10 パナジー株式会社 眼症状改善剤および眼症状の改善方法
WO2022269973A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 パナジー株式会社 眼症状改善剤および眼症状の改善方法
JP2023001664A (ja) * 2021-06-21 2023-01-06 パナジー株式会社 眼症状改善剤および眼症状の改善方法
JP2023022813A (ja) * 2021-08-03 2023-02-15 株式会社U-Factor 嗅覚障害の改善のための、歯髄幹細胞の培養上清を含む組成物
CN117357667A (zh) * 2023-12-08 2024-01-09 中国人民解放军总医院第二医学中心 过表达肝细胞生长因子的间充质干细胞在制备变应性鼻炎的药物中的应用
CN117357667B (zh) * 2023-12-08 2024-03-08 中国人民解放军总医院第二医学中心 过表达肝细胞生长因子的间充质干细胞在制备变应性鼻炎的药物中的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6010112B2 (ja) 不死化幹細胞及びその産生物を有効成分とする医薬組成物並びに医薬製剤
JP5968442B2 (ja) 心筋梗塞の修復再生を誘導する多能性幹細胞
JP6351799B2 (ja) 癌治療用医薬組成物の製造方法及びその方法によって製造された癌治療用医薬組成物
US20060247195A1 (en) Method of altering cell properties by administering rna
JP2016210730A (ja) 医薬組成物及びその製造方法並びに医薬品
AU2001243464A1 (en) Human cord blood as a source of neural tissue for repair of the brain and spinal cord
EP1263930A1 (en) Human cord blood as a source of neural tissue for repair of the brain and spinal cord
JP6993026B2 (ja) 再生治療用組成物
Yang et al. Neuroprotective effects of bone marrow stem cells overexpressing glial cell line-derived neurotrophic factor on rats with intracerebral hemorrhage and neurons exposed to hypoxia/reoxygenation
JP2015159895A (ja) 脳梗塞治療のための多能性幹細胞
JP2017119646A (ja) 性ホルモン分泌促進剤及び生殖細胞増殖促進剤
US20060210544A1 (en) Internally administered therapeutic agents for cranial nerve diseases comprising mesenchymal cells as an active ingredient
WO2024160181A1 (zh) 外泌体、其制备方法、其用途以及医药组合物
WO2019098264A1 (ja) Cd31陽性cd45陰性cd200陽性の哺乳動物細胞からなる細胞集団、およびその利用
CN106659560A (zh) 生殖腺来源的侧群干细胞
WO2018025973A1 (ja) 多能性幹細胞による慢性肺疾患の改善及び治療
WO2025170054A1 (ja) 脊髄梗塞治療のための多能性幹細胞
HK40011546A (en) Immortalized stem cells, preparation method thereof, and medicinal composition and medicinal preparation comprising product thereof as active ingredient
WO2021206055A1 (ja) 血管新生促進及び/又は神経再生用ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190730