JP2016115661A - 固体酸化物形電気化学セル、固体酸化物形燃料電池、及び高温水蒸気電気分解装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)La及びGaを含有するペロブスカイト型酸化物aを有する固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の側に形成されてなる燃料極と、前記固体電解質層の他方の側に形成されてなる空気極とを有する固体酸化物形電気化学セルであって、
前記燃料極は、Tiを含有する酸化物とNiとを有することを特徴とする固体酸化物形電気化学セル、
(2)前記固体電解質層は、La及びGaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物aを有し、
前記燃料極は、La及びTiを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物bを有することを特徴とする前記(1)に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(3)前記燃料極は、NiTiO3及びTiO2の少なくとも一つを有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(4)前記ペロブスカイト型酸化物bは、(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)であることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(5)前記ペロブスカイト型酸化物bは、(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1.1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)であることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(6)前記固体電解質層において、前記Ca及び前記Srは非偏析状態であることを特徴とする前記(2)から(5)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(7)前記ペロブスカイト型酸化物bに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Cbは、前記ペロブスカイト型酸化物aに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Caを超えないことを特徴とする前記(2)から(6)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(8)前記ペロブスカイト型酸化物aにおけるLaの一部を置換する元素A1と、前記ペロブスカイト型酸化物bにおけるLaの一部を置換する元素A2とは、同じ種類の元素であることを特徴とする前記(2)から(7)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(9)前記ペロブスカイト型酸化物aは、(La1−xA1x)(Ga1−yMgy)O3−δ(元素A1はSr及びCaの少なくとも一方、0.05≦x≦0.2、0.1≦y≦0.3)であることを特徴とする前記(2)から(8)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(10)前記燃料極と前記固体電解質層との間に、前記ペロブスカイト型酸化物bと同じ構成元素からなるペロブスカイト型酸化物cを含有する拡散抑制層が設けられてなることを特徴とする前記(2)から(9)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル、
(11)前記ペロブスカイト型酸化物cに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Ccは、前記ペロブスカイト型酸化物aに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Caを超えず、前記ペロブスカイト型酸化物bに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Cbは、前記割合Ccを超えないことを特徴とする前記(10)に記載の固体酸化物形電気化学セル。
(12)前記拡散抑制層は、前記ペロブスカイト型酸化物aと、前記ペロブスカイト型酸化物bとを、含有することを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の固体酸化物形電気化学セルである。
(13)前記(1)から(12)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池である。
(14)前記(1)から(12)までのいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする高温水蒸気分解装置である。
(2)固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物a、及び燃料極におけるペロブスカイト型酸化物bは、ともにLaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有しており、固体電解質層における元素組成と燃料極における元素組成とが比較的類似している。隣接する層における元素組成が類似すると、層間での元素の拡散が抑制されるとともに、層中に存在する元素の一部が偏析することが抑制される。固体電解質層に存在する元素が偏析することにより、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物の組成ずれが生じる。ペロブスカイト型酸化物bが燃料極に存在することにより、固体電解質層と燃料極との間における濃度勾配によるLa等の元素拡散が抑制され、ペロブスカイト型酸化物中の電荷補償の影響により、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散も抑制される。以上より、前記(2)に記載の手段によると、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散を抑制することができるとともに、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれを抑制することができる。
(3)固体電解質層及び燃料極を形成する材料の成形体を積層して焼成する際に、Tiを含有する酸化物がNiをトラップするとNiTiO3が生成される。したがって、焼成後の燃料極にはNiTiO3が含まれる。NiTiO3は、還元雰囲気においては微粒子のNi及びTiO2へと還元される。したがって、還元雰囲気において燃料極には少なくともTiO2が含まれる。燃料極がNiTiO3及びTiO2の少なくとも一方を含んでいる固体酸化物形電気化学セルは、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散を抑制することができる。微粒子のNiは電極として働くため、NiTiO3及び/又はTiO2が生成しても、電極性能への影響は比較的軽微である。
(4)(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)は、La及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物の中でも、特に電気伝導性が高い。よって、前記(4)に記載の手段によると、燃料極における電気伝導性に優れた固体酸化物形電気化学セルが提供される。
(5)(LazA21−αz)TiO3−δにおいて、αが1のときAサイトに欠損がないことを示す。Aサイトに欠損がない場合、NiTiO3の生成が少なくなり、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散抑制に大幅な効果が得られないが、1.1≦α≦1.5であり、Aサイトに欠損がある場合には、Bサイトに配置されるTiが余剰状態であるので、燃料極に含まれるNiと反応し、NiTiO3等が生成することで、Niがトラップされる。よって、前記(5)に記載の手段によると、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散がより一層抑制される。
(6)ペロブスカイト型酸化物aを構成する元素の一部、特にペロブスカイト構造のAサイトに位置するAサイト元素は、ペロブスカイト型の結晶構造から離脱し、固体電解質層中に偏析することがある。ペロブスカイト型の結晶構造からAサイト元素が離脱することにより、固体電解質層における組成ずれが発生し、固体電解質層におけるイオン伝導性が低下してしまう。前記(6)に記載の手段によると、Aサイト元素であるCa及びSrが非偏析状態であるので、優れたイオン伝導性を備えた固体電解質層を有する固体酸化物形電気化学セルが提供される。
(7)La及びGaを含有するペロブスカイト型酸化物aに比べて、La及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物bは、Laの含有率すなわちペロブスカイト型酸化物に含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合が低い条件下において電気伝導性が高くなる。よって、前記(7)に記載の手段により、燃料極におけるLaの含有率が低くとも、燃料極における電気伝導性に優れた固体酸化物形電気化学セルが提供される。
(8)前記元素A1と前記元素A2とを同じ種類の元素にすることにより、ペロブスカイト型酸化物aとペロブスカイト型酸化物bとの元素組成はさらに類似することとなる。よって、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散、及び固体電解質層における組成ずれの発生をより一層抑制することができる。
(9)(La1−xA1x)(Ga1−yMgy)O3−δ(元素A1はSr及びCaの少なくとも一方、0.05≦x≦0.2、0.1≦y≦0.3)は、La及びGaを含有するペロブスカイト型酸化物の中でも、特に酸化物イオンの伝導性が高い。よって、前記(9)に記載の手段によると、固体電解質層における酸化物イオンの伝導性に優れた固体酸化物形電気化学セルが提供される。
(10)燃料極と固体電解質層との間に拡散抑制層を設けることによって、燃料極から固体電解質層への元素拡散、及び固体電解質層から燃料極への元素拡散を抑制することができるとともに、燃料極におけるNiの固体電解質層への拡散をより一層抑制することができる。
(11)前記(11)に記載の手段によると、燃料極、拡散抑制層、固体電解質層の順にLaの含有率すなわちペロブスカイト型酸化物に含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合が大きくなるように、Laの含有率が段階的に調節されているので、Laの濃度勾配が緩やかであり、Laの固体電解質層から燃料極への拡散速度が低下し、Laの拡散がより抑制される。
(12)前記(12)に記載の手段によると、拡散抑制層と固体電解質層との間、及び拡散抑制層と燃料極との間における元素組成が類似することになる。よって、界面での濃度勾配の減少により、より一層固体電解質層から燃料極、及び燃料極から固体電解質層への元素拡散が抑制される。
(13)前記(13)に記載の手段によると、短絡を起こしにくく、発電能力に優れた固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
(14)前記(14)に記載の手段によると、短絡を起こしにくく、水の分解能力に優れた高温水蒸気電気分解装置を提供することができる。
ペロブスカイト型酸化物bの好適例として、(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)・・・(b)が挙げられる。前記一般式(b)で示されるペロブスカイト型酸化物bは、La及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物の中でも特に電気伝導性が高い。
さらに、ペロブスカイト型酸化物bの好適例として、(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1.1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)・・・(c)が挙げられる。前記一般式(b)ではαが1のときを含み、αが1のときはAサイトに欠損がないことを示す。Aサイトに欠損がない場合、焼成時にNiTiO3の生成が少なくなり、燃料極から固体電解質層へのNiの拡散抑制に大幅な効果が得られない。一方、前記一般式(c)では、1.1≦α≦1.5であり、Aサイトに欠損がある。このとき、Bサイトに配置されるTiが余剰状態であるので、焼成時にペロブスカイト型酸化物bにおけるTiと燃料極に含まれるNiとが反応し、NiTiO3等が生成されることで、Niがトラップされる。よって、燃料極が前記一般式(c)に示されるペロブスカイト型酸化物bを含有すると、焼成時の燃料極から固体電解質層へのNiの拡散をより一層抑制することができる。
さらに、ペロブスカイト型酸化物bの最適例として、Sr0.55La0.3TiO3−δが挙げられる。例えば、燃料極の材料として、Niとペロブスカイト型酸化物bとの混合物であるサーメットを挙げることができる。サーメットには、必要に応じてNi以外の金属を含有させてもよい。
Cb≦Ca ・・・・・ (1)
Laの含有率Cbは、ペロブスカイト型酸化物bに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合である。Laの含有率Caは、ペロブスカイト型酸化物aに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合である。La及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物bは、Laの含有率が低い条件下において電気伝導性が高くなる。よって、式(1)を満たすと燃料極における電気伝導性に優れた固体酸化物形電気化学セルが提供される。
ペロブスカイト型酸化物a及びbにおけるLaの含有率Ca及びCbを求めるには、例えば、固体電解質層の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)等によって元素分析し、ペロブスカイト型酸化物a及びbにおける各元素の存在比率を調べればよい。
Cb≦Cc≦Ca ・・・・・ (2)
Laの含有率Caは、ペロブスカイト型酸化物aに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合である。Laの含有率Cbは、ペロブスカイト型酸化物bに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合である。Laの含有率Ccは、ペロブスカイト型酸化物cに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合である。
酸化ニッケルと、ペロブスカイト型酸化物bとの混合粉末に、バインダー及び造孔材の粉末を加え、十分に混合した後に、水を添加することにより粘土状の混合物を得る。この粘土状の混合物を押出成形機に投入し、所定の形状に形成することにより、燃料極成形体が得られる。
ペロブスカイト型酸化物aの粉末、ポリビニルブチラール等に代表されるバインダー、分散剤、可塑剤、及び溶媒を混合し、固体電解質層形成用スラリーが得られる。
また、拡散抑制層を形成する材料の粉末に、バインダー、分散剤、可塑剤、及び溶媒を混合し、拡散抑制層形成用スラリーが得られる。
次に、前記燃料極成形体の表面を必要に応じてマスキングした後に、前記拡散抑制層形成用スラリーに前記燃料極成形体を浸漬させ、ゆっくりと引き上げることにより、燃料極成形体の表面に拡散抑制層前駆体被膜が形成される。さらに、燃料極成形体の表面及び拡散抑制層前駆体被膜の表面を必要に応じてマスキングした後に、固体電解質層形成用スラリーに拡散抑制層前駆体被膜が形成された燃料極成形体を浸漬させ、ゆっくりと引き上げることにより、固体電解質層前駆体被膜が形成された燃料極成形体が得られる。その後、約1400℃の条件下で、固体電解質層前駆体被膜、拡散抑制層前駆体被膜、及び燃料極成形体を同時焼成する。焼成後に、固体電解質層、拡散抑制層、及び燃料極からなる電解質同時焼成体が得られる。
尚、前記燃料極成形体を、拡散抑制層形成用スラリーに浸漬させずに、固体電解質層形成用スラリーに浸漬させた後に、固体電解質層前駆体被膜と燃料極成形体を同時焼成することにより、固体電解質層前駆体被膜と燃料極成形体とからなり、拡散抑制層を有しない電解質同時焼成体が得られる。
空気極を形成する材料、例えばBLCの粉末に、必要に応じてGDC等の他の粉末を混合し、バインダー、分散剤、可塑剤、及び溶媒を混合し、空気極形成用スラリーを作製する。
前記電解質同時焼成体の表面を必要に応じてマスキングした後に、この電解質同時焼成体を前記空気極形成用スラリーに浸漬させ、その後ゆっくりと引き上げることにより、電解質同時焼成体の表面に空気極前駆体被膜が形成される。その後、約1000℃の条件下で空気極前駆体被膜が焼き付けられることにより、空気極が形成される。これにより、空気極、固体電解質層、拡散抑制層、及び燃料極を有する単セルが得られる。
例えば、酸化マグネシウム粉末と、セルロース系バインダーと、造孔材とを混ぜ、水を加えて混合して粘土状体を得る。この粘土状体を押出成形機に投入し、絶縁性多孔体において配列溝や位置決め凸部となる部分が形成されるようにシートを成形する。このシートを約1500℃の温度で焼成を行った後に、所定の寸法に切断し、連通孔を開けることによって、燃料電池スタックを作製するのに適した形状の絶縁性多孔体が形成される。
例えば、LSCF粉末、α−テルピネオール、及びアミン系分散剤を混合することにより導電性集積用材料層成形用ペーストが得られる。
例えば、酸化マグネシウム、α−テルピネオール、及びアミン系分散剤を混合することにより絶縁性材料層成形用ペーストが得られる。
絶縁性多孔体における所定の位置に、絶縁性材料層成形用ペーストを塗布する。次に、絶縁性材料成形用ペーストの表面における所定の位置に、絶縁性材料層成形用ペーストを塗布する。さらに、絶縁性多孔体の配列溝に、単セルを配置する。具体的には、単セルには所定の位置に金属シール層を設けておき、この金属シール層の位置と絶縁性多孔体における連通孔の位置とが対応するように、単セルを配置すればよい。単セルが埋め込まれた絶縁性多孔体同士を、多数積層することにより積層体が得られる。この積層体を、大気中において1000℃で2時間焼成することにより、スタック体が得られる。
例えば、軟化点が700℃であり、平均粒子径が4μmのBa、Mg、Zn、Si、及びAlを含むガラス粉末に、ポリビニルブチラール、アミン系分散剤、及び可塑剤を適量添加し、エタノールとトルエンを溶媒としてスラリーが得られる。得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ約300μmのガラスシートを成形する。このガラスシートに、打ち抜き加工を行い、単セルが貫挿される多数の貫通孔が形成される。
(1)燃料極ペレットの作製
酸化ニッケルと表1に示す各種酸化物B及びCとの混合した混合粉末を、製造後の燃料極が還元された状態においてNi:酸化物=50:50(体積%)の比率になるように、酸化ニッケルと酸化物とを秤量し、混合することにより作製した。この秤量した混合粉末を直径20mmの金型にて一軸成形した後、CIP成形(冷間静水等方圧プレス成形)を行い、成形体を得た。その後、成形体を1350℃で焼成することにより焼結体を得た。また、焼結体を純水素にて還元を行うことにより還元体を得た。
(2−1)燃料極成形体の作製
前記「(1)燃料極ペレットの作製」において作製した混合粉末に、セルロース系バインダーを加え、十分に混合した後、水を添加して粘土体を得た。粘土体を、押出成形機に投入して、外径2.5mmの円筒状の燃料極成形体を作製した。
固体電解質層を形成するために、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3−x(以下、「LSGM」と称することがある。)の粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、固体電解質層形成用スラリーを作製した。
前記燃料極成形体を所定の長さに切断し、固体電解質層を形成しない位置にマスキングを行った後、固体電解質層形成用スラリーに浸漬し、ゆっくりと引き上げることにより、燃料極成形体の表面に固体電解質層前駆体被膜を形成させた。その後、1350℃にて、燃料極成形体、及び拡散抑制層前駆体被膜を同時焼成することにより、燃料極、及び固体電解質層からなる同時焼成体を得た。
前記「(1)燃料極ペレットの作製」で得られた焼結体及び還元体を粉砕後、X線回折(XRD)により生成物の同定を行った。表1に示すように、燃料極の材料としてTiを含有する酸化物を用いた実施例1〜6の焼結体には、NiTiO3が生成していた。また、燃料極の材料としてTiを含有する酸化物を用いた実施例1〜6の還元体には、TiO2が生成していた。一方、燃料極の材料としてGDCやYSZのようなTiを含有しない酸化物を用いた比較例1及び2の焼成体及び還元体には、NiTiO3及びTiO2のいずれも生成していなかった。なお、燃料極の材料として用いた、表1に示す酸化物B及びCは、焼成後において、いずれの焼結体及び還元体にも含有されていた。
前記「(2−3)同時焼成体の作製」で得られた同時焼成体を所定の長さに切断し、エポキシ樹脂に埋め込み固化した後、同時焼成体の断面が観察できるように切断して、鏡面状に研磨した。その後、カーボン蒸着を観察面に行った後、電子線プローブマイクロアナリシス(「EPMA」と称されることがある。)により、固体電解質層と燃料極との界面近傍について、画像取得及び元素マッピング分析を行った。
(実施例11)
(1)燃料極成形体の作製
酸化ニッケルとSr0.55La0.3TiO3−δ(以下、「SLT」と称することがある。)との混合した混合粉末を、製造後の燃料極が還元された状態においてNi:SLT=50:50(体積%)の比率となるように、酸化ニッケルとSLTとを秤量し、混合することにより作製した。この秤量した混合粉末に、セルロース系バインダーと、造孔材としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)のビーズ粉末とを加え、十分に混合した後、水を添加して粘土体を得た。前記ビーズ粉末の添加量は、製造後の燃料極において、NiO及びSLTの体積に対し気孔の体積が40%となるように調節した。粘土体を、押出成形機に投入して、外径2.5mmの円筒状の燃料極成形体を作製した。
SLTの粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、拡散抑制層形成用スラリーを作製した。
固体電解質層を形成するために、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3−x(以下、「LSGM」と称することがある。)の粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、固体電解質層形成用スラリーを作製した。
前記燃料極成形体を所定の長さに切断し、拡散抑制層を形成しない位置にマスキングを行った後、拡散抑制層形成用スラリーに浸漬して、ゆっくりと引き上げることにより、燃料極成形体の表面に、拡散抑制層前駆体被膜を形成させた。さらに、固体電解質層を形成しない位置にマスキングを行った後、固体電解質層形成用スラリーに浸漬し、ゆっくりと引き上げることにより、拡散抑制層前駆体被膜の表面に固体電解質層前駆体被膜を形成させた。その後、1350℃にて、燃料極成形体、拡散抑制層前駆体被膜、及び固体電解質層前駆体被膜を同時焼成することにより、燃料極、拡散抑制層、及び固体電解質層からなる同時焼成体Aを得た。
前記(4)において拡散抑制層を設けることなく、燃料極及び固体電解質層からなる同時焼成体を作製したこと以外は、実施例11と同様の操作を行い、同時焼成体Bが得られた。同時焼成体Bは、燃料極、及び固体電解質層を筒状体の内側から順に備えていた。
前記(4)において拡散抑制層を設けることなく、燃料極及び固体電解質層からなる未焼成成形体を作製したこと、及び、燃料極成形体を作製する際の材料としてSLTの代わりにGd0,2Ce0.8O2−x(GDC)を用いたこと以外は、実施例11と同様の操作を行い、同時焼成体Cが得られた。同時焼成体Cは、燃料極、固体電解質層を筒状体の内側から順に備えていた。尚、燃料極の製造時に用いた混合粉末は、製造後の燃料極が還元された状態においてNi:GDC=50:50(体積%)の比率となるように、酸化ニッケルとGDCとを混合した。また、前記ビーズ粉末の添加量は、製造後の燃料極において、NiO及びGDCの体積に対し気孔の体積が40%となるように調節した。
拡散抑制層を有しない同時焼成体Bを所定の長さに切断し、エポキシ樹脂に埋め込み固化した後、同時焼成体Bの断面が観察できるように切断して、鏡面状に研磨した。その後、カーボン蒸着を観察面に行った後、電子線プローブマイクロアナリシス(「EPMA」と称されることがある。)により、固体電解質層と燃料極との界面近傍について、画像取得及び元素マッピング分析を行った。また、比較用試料として、同時焼成体Cについても、同様の方法により画像取得及び元素マッピング分析を行った。結果を図10及び図11に示す。図10及び図11において、観察画像は図の左上における画像であり、Ni、Sr、及びLaの元素マッピングの分析画像はそれぞれ図の右上、左下、及び右下における画像である。元素マッピングの分析画像において、それぞれの元素が存在する箇所は白色の点により示される。
2、12 固体電解質層
3、13 燃料極
4、14 空気極
15 拡散抑制層
25 配列溝
27 位置決め用凸部
31 固体酸化物形燃料電池スタック
32 連通溝
33 ガスシール層
34 絶縁性多孔体
35 導電性集積用材料層
35a 第1導電性集積用材料層
35b 第2導電性集積用材料層
39 燃料ガス導通孔
40 絶縁性材料層
41 金属シール層
42 電気接続パス
43 リアクターセル層状部
Claims (14)
- La及びGaを含有するペロブスカイト型酸化物aを有する固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の側に形成されてなる燃料極と、前記固体電解質層の他方の側に形成されてなる空気極とを有する固体酸化物形電気化学セルであって、
前記燃料極は、Tiを含有する酸化物とNiとを有することを特徴とする固体酸化物形電気化学セル。 - 前記固体電解質層は、La及びGaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物aを有し、
前記燃料極は、La及びTiを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物bを有することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。 - 前記燃料極は、NiTiO3及びTiO2の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記ペロブスカイト型酸化物bは、(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)であることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記ペロブスカイト型酸化物bは、(LazA21−αz)TiO3−δ(元素A2はSr及びCaの少なくとも一方、1.1≦α≦1.5、0.05≦z≦0.45)であることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記固体電解質層において、前記Ca及び前記Srは非偏析状態であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記ペロブスカイト型酸化物bに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Cbは、前記ペロブスカイト型酸化物aに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Caを超えないことを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記ペロブスカイト型酸化物aにおけるLaの一部を置換する元素A1と、前記ペロブスカイト型酸化物bにおけるLaの一部を置換する元素A2とは、同じ種類の元素であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記ペロブスカイト型酸化物aは、(La1−xA1x)(Ga1−yMgy)O3−δ(元素A1はSr及びCaの少なくとも一方、0.05≦x≦0.2、0.1≦y≦0.3)であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記燃料極と前記固体電解質層との間に、前記ペロブスカイト型酸化物bと同じ構成元素からなるペロブスカイト型酸化物cを含有する拡散抑制層が設けられてなることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記ペロブスカイト型酸化物cに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Ccは、前記ペロブスカイト型酸化物aに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Caを超えず、前記ペロブスカイト型酸化物bに含まれる元素の合計原子数に対するLaの原子数の割合Cbは、前記割合Ccを超えないことを特徴とする請求項10に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 前記拡散抑制層は、前記ペロブスカイト型酸化物aと、前記ペロブスカイト型酸化物bとを、含有することを特徴とする請求項10又は11に記載の固体酸化物形電気化学セル。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする高温水蒸気電気分解装置。
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