JP2016169344A - ポリアセタール樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下とを含み、かつ成形体の表層10nm以内における(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の存在量が、成形体の表層から1,000μmより深層を切り出した面の表層10nm以内における(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の存在量よりも多いことを特徴とする、ポリアセタール樹脂成形体。
【選択図】なし
Description
このように従来のポリアセタール樹脂組成物では、耐久性に優れ、良好な摩擦係数・高い耐摩耗性と機械的強度を両立し、かつ外観に優れる成形体を製造することは出来なかった。
1.(A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下とを含み、かつ成形体の表層10nm以内における(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の存在量が、成形体の表層から1,000μmより深層を切り出した面の表層10nm以内における(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の存在量よりも多いことを特徴とする、ポリアセタール樹脂成形体、
3.前記(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の少なくとも1種の融点が115℃以下であることを特徴とする、1又は2に記載のポリアセタール樹脂成形体、
4.前記(B)ガラス系充填材の被膜形成剤として、少なくとも1種の酸を含むことを特徴とする、1〜3のいずれかに記載のポリアセタール樹脂成形体、
5.前記被膜形成剤に含まれる酸がカルボン酸であることを特徴とする、4に記載のポリアセタール樹脂成形体、
7.前記(A)ポリアセタール樹脂に含まれるブロック成分が水素添加ポリブタジエン成分であることを特徴とする、6に記載のポリアセタール樹脂成形体、
8.(A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下、を含むことを特徴とする、ポリアセタール樹脂組成物、
9.少なくとも1種の酸を含む被膜形成剤で(B)ガラス系充填材の表面を変性する工程、前記変性された(B)ガラス系充填材と(A)ポリアセタール樹脂及び(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂とを混合する工程、とを含む、8に記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形体は、(A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下、を含み、かつ(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂が、成形体の表層10nm以内に、成形体の1,000μmより深層部よりも多く存在することを特徴とする。
成形体の表層から10nm以内の炭素濃度をC1と、成形体の中心部(成形体の1,000μmより深層部)を切り出した層の炭素濃度C2を用いたとき、以下の式が成り立つ。
上記の式が成り立つとき、表層から10nm以内に(C)ポリエチレン樹脂が多く存在するといえる。
好ましくは、1.01≦[C1]/[C2]≦1.20、より好ましくは1.02≦[C1]/[C2]≦1.18、更に好ましくは、1.05≦[C1]/[C2]≦1.15である。
このような範囲にあることで、特に摺動初期における摺動性が向上する。また、少量のポリエチレン配合で摺動性の効果を飛躍的に向上させることができるため、曲げ弾性率等の機械的強度の低下を抑制することができる。更には、樹脂との溶融混練時時に切粉を飛躍的に抑制するという驚くべき効果も得ることができる。
なお、厚みが2,000μm未満である成形体の場合、1,000μmより深層部における炭素濃度に代えて、成形体の深さ方向の中心部における炭素濃度を用いることができる。
また、任意の形状を有する成形体に対して(B)ガラス系充填材の表面を覆うポリアセタール樹脂組成物を含む成分の平均厚みを求める場合には、該成形体を熱プレスにて前記小型引張試験片形状に再加工して引張破断を行うことができる。
熱プレスは、220℃以下の温度にて5分以内で行うことで、(B)ガラス系充填材の表面を覆うポリアセタール樹脂組成物を含む成分の厚みには大きく影響を与えずに、再加工した成形体を得ることができる。
ここで、ポリアセタール樹脂組成物を含む成分とは、(A)ポリアセタール樹脂が主成分であり、(C)ポリエチレン樹脂や、その他安定化剤などを含んだ樹脂成分であっても良い。
平均厚みを0.2μm以上とすることで、耐クリープ性や機械的強度が向上する。また切粉を抑制し、かつ得られる成形体の外観不良を抑制できるため、品質が向上する。さらに、成形サイクルが短縮されるため生産性が向上する。また平均厚みを3.0μm以下とすることにより、樹脂組成物の流動性の低下を抑制し、成形体の外観不良を抑制することができる。
ガラス繊維単独の直径は、成形体から樹脂成分を除去した残渣を計測することで得られる。成形体から樹脂成分を除去する方法としては、例えば、破断試験片を用い充分に高い温度(400℃以上)で樹脂成分を焼却する方法、破断試験片の(A)ポリアセタール樹脂を溶解する溶剤に浸漬して除去する方法等が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形体は、(A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下を含む組成物を成形することによって得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物において使用することができる(A)ポリアセタール樹脂(本明細書において、(A)成分、(A)と記載する場合がある。)について、詳細に説明する。
本実施形態において使用可能な(A)ポリアセタール樹脂としては、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーが挙げられる。
さらには、ポリアセタールの繰り返し構造単位とは異なる異種のブロックを有するブロックコポリマーであってもよい。
ブロックコポリマー中における前記式(1)、(2)又は(3)で表されるブロック成分の挿入量は特に限定されないが、ブロックコポリマーを100質量%としたとき、0.001質量%〜30質量%であることが好ましい。
また、ブロックコポリマー中のブロック成分の分子量は、10000以下であることが、樹脂成形体の曲げ弾性率を低下させない観点から好ましく、より好ましくは8000以下、さらに好ましくは5000以下である。該ブロック成分の分子量の下限は特にないが、100以上であることが、安定した摺動性を維持し続ける観点から好ましい。
前記ブロックコポリマーは、その結合形式として、ABA型ブロックコポリマーであることが好ましい。
前記ブロック成分を有するポリアセタールコポリマーは、例えば、国際公開第01/09213号に開示されたポリアセタールブロックコポリマーが挙げられ、その公報に記載の方法により調製できる。
また、(A)ポリアセタール樹脂として、例えば分子量の異なる組み合わせや、コモノマー量の異なるポリアセタールコポリマーの組み合わせ等も適宜使用可能である。
これらの中でも、本実施形態においては、(A)ポリアセタール樹脂として、ブロックコポリマーを含むことが好ましい。
なお、本実施形態の樹脂組成物又は樹脂成形体における、当該ブロックコポリマーの比率は、1H−NMRや13C−NMR等により測定することができる。
本実施形態の(B)ガラス系充填材(本明細書において、(B)成分、(B)と記載する場合がある。)としては、特に限定されないが、ガラス繊維、ガラスビーズ、及びガラスフレーク等が挙げられる。ガラス繊維としては、チョップドストランドガラス繊維、ミルドガラス繊維、ガラス繊維ロービング等が挙げられる。これらの中でもチョップドストランドガラス繊維が、取扱い性及び成形体の機械的強度の観点から好ましい。
これら(B)ガラス系充填材は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、チョップドストランドガラス繊維の場合、平均繊維径は7μm以上15μm以下の範囲内が好ましい。平均繊維径の下限値は8μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。また上限値は14μmがより好ましく、12μmがさらに好ましい。このような範囲にあることで、成形体の表面が平滑となり、摺動性の低下を抑制することができる。また、成形体の耐クリープ性を高めることができるとともに、成形時の金型表面の削れ等を防止することができる。
ガラス繊維は、繊維径の異なるガラス繊維を2種以上ブレンドしてもよい。
被膜形成剤(収束剤と称される場合もある)として、具体的には、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、少なくとも1種の酸成分を有する共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、少なくとも1種の酸成分を有する共重合体樹脂を含む被膜形成剤であることが好ましい。
これら被膜形成剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、前記ブロック成分を含むポリアセタール樹脂と、前記被膜形成剤により変性されたガラス系充填材を組み合わせることで、耐クリープ性及び引張破壊応力が飛躍的に向上する。
カップリング剤として、具体的には、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミネート化合物等が挙げられるが、これらに限定されることはなく、公知のものはすべて使用できる。
有機アルミネート化合物として、具体的には、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
これらのカップリング剤は、1種又は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カップリング剤で表面処理されているガラス系充填材を用いることで、樹脂成形体の耐クリープ性がより高まる傾向にあるとともに、樹脂成形体の熱安定性がより向上する傾向にある。
本実施形態で用いることのできる(C)ポリエチレン樹脂として具体的には、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、5質量%以下のプロピレン、ブテン、オクテン等のコモノマーを含有するエチレン系共重合体等も挙げられる。これらの中でも、金属との摺動における摩擦係数の観点から、低密度ポリエチレンが好ましい。
これらの(C)ポリエチレン樹脂は、単独であっても2種類以上を併用してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形体は、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポリアセタール樹脂組成物に使用されている各種安定剤を含んでいてもよい。安定剤としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、下記の酸化防止剤、ホルムアルデヒド、ギ酸の捕捉剤等が挙げられる。これらは1種のみを単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形体は、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリアセタール樹脂組成物に使用されている公知の、ガラス系充填剤以外の充填材(タルク、ウォラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム等)、導電性付与剤(カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等)、着色剤(酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、有機染料等)、摺動付与剤(各種エステル系化合物、有機酸の金属塩等)、紫外線吸収剤、光安定剤、滑材等の各種安定剤も含有することができる。これらの量は、ガラス繊維以外の充填材、導電性付与剤、着色剤については、樹脂組成物100質量%に対して、30質量%以下であることが好ましく、摺動付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑材については、樹脂成形体100質量%に対して、5質量%以下であることが好ましい。これらは、単独使用であっても、複数を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の樹脂成形体は、公知の方法による製造することができる。具体的には、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等により、以下のように原料成分を混合及び溶融混練し、成形することにより製造することができる。これらの中でも、減圧装置・サイドフィーダー設備を装備した2軸押出機が好ましく使用できる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、耐久性、機械的強度及び耐摩耗性が要求される樹脂成形体の原料として使用することができる。
本実施形態の樹脂成形体は自動車用部品として好適に使用でき、特に他の部材と接触するギアやプーリーとしての役割を担う部品に好適に使用できる。
実施例及び比較例で用いたポリアセタール樹脂組成物及び成形体の製造条件と評価項目
スクリュー径Dに対するスクリュー長さLの比(L/D)=48(バレル数12)であり、第6バレルと第8バレルにサイドフィーダーを有し、第11バレルに真空ベントを備えた同方向回転二軸押出機(東芝機械(株)製TEM−48SS押出機)を用いた。第1バレルを水冷し、第2〜5バレルを220℃、第6〜12バレルを180℃に設定した。
押出に用いたスクリューは以下のデザインとした。第1〜4バレルの位置にフライトスクリュー(以下、FSと略す)を配し、第5バレルの位置に送り能力を有するニーディングディスク(以下、RKDと略す)2枚、送り能力のないニーディングディスク(以下、NKDと略す)2枚、及び逆方向への送り能力を有するニーディングディスク(以下、LKDと略す)1枚をこの順に配した。第6〜第8バレルの位置にFSを配し、第9バレルの位置にRKDとNKDを1枚ずつこの順に配し、第10〜第11バレルの位置にFSを配した
ガラス系充填材を第6バレルのサイドフィーダーより供給し、スクリュー回転数150rpmとし、総押出量を70kg/hとして押出を行った。
上記押出時のトルクを押出生産性とした。数値が小さいほど押出が容易であり、吐出速度を上げる余裕があり、押出生産性が高いと判断した。
(3)目ヤニ量
上記押出時にダイス付近で発生する目ヤニを回収し、単位時間当たりの目ヤニ量を計測した。目ヤニ量が少ない方が、生産性や品質が良好である。
(4)切粉量
上記押出後に、7/1000のクリアランスのストランドカッターに、80℃のストランドを投入しペレタイズを行った(ペレット選別機は通さなかった)。得られたペレット1kg±0.1kgを14メッシュの篩に3回に分けてかけ、メッシュを通過した重量を、篩がけに使用したペレット重量で割ることで切粉の量とした。値が小さいほど切粉は少なく、品質が良好である。
射出成形機(EC−75NII、東芝機械(株)製)を用いて、シリンダー温度設定を205℃に設定し、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件で成形することにより、ISO294−2に準拠した小型引張試験片形状の樹脂成形体を得た。この際の金型温度は90℃とした。また、耐クリープ試験用試験片としては、JIS K7139−5Aに準拠した小型引張試験形状の樹脂成形体を得た。この際の金型温度も90℃とした。
(6)引張破壊応力
前記ISO294−2に準拠して成形された小型引張試験片形状の樹脂成形体を用い、ISO527−1に準拠した引張試験を行い、引張破壊応力を測定した。なお、引張速度は5mm/minで行った。
前記ISO294−2に準拠して成形された小型引張試験片形状の樹脂成形体を用い、引張速度50mm/minで引張試験にて成形体を破断させた。成形体の破断面に白金を蒸着することで観察用試験片を作製した。これを用い、走査電子顕微鏡(SEM)で観察することにより計測した。観察倍率は5,000倍で行った。
観察部位としては、観察用試験片の破断面中央部を観察できるように調整を行った。破断面より突出しているガラス繊維のうち任意の50本を対象とし、樹脂で覆われているガラス繊維の直径を計測した。別途、予め試験片を450℃で3時間焼却して樹脂成分を除去して求めておいたガラス繊維の直径(少なくとも100本以上の平均値)との差から、表面に付着した樹脂の厚みを求めた。
前記JIS3号改に準拠して成形された小型引張試験片形状成形体を用いて、クリープ試験機(東洋精機製作所(株)製)を用いて、80℃環境下で、25MPaの荷重をかけクリープ試験を行い、破断するまでの時間を測定した。測定を3回行い、その平均をクリープ破断時間とした。数値が大きい方が耐クリープ性に優れる。
ボールオンディスク型往復動摩擦摩耗試験機(AFT−15MS型、東洋精密(株)製)を用いた。23℃、湿度50%の環境下で、荷重19.6N、線速度30mm/sec、往復距離20mm、往復回数5,000回の条件で、前記ISO294−2に準拠して成形された小型引張試験片形状の樹脂成形体を用いて摺動試験を行った。ボール材料は、SUS304ボール(直径5mmの球)を用いた。上記摺動試験後のサンプルの摩耗量(摩耗深さ)を、共焦点顕微鏡(OPTELICS(登録商標) H1200、レーザーテック(株)社製)を用いて測定した。摩耗深さはn=5で測定した数値の平均値とした。数値が低い方が耐摩耗性に優れる。
射出成形機(Ti30G2、東洋機械金属(株)製)を用い、金型温度90℃、シリンダー設定温度を200℃に設定し、射出速度40%、射出時間3秒の射出条件で成形することにより、先端が5mmの球状となったピンを得た。
ボールオンディスク型往復動摩擦摩耗試験機(AFT−15MS型、東洋精密(株)製)を用いた。23℃、湿度50%の環境下で、荷重19.6N、線速度30mm/sec、往復距離20mm、往復回数5,000回の条件で、ディスク材として前記ISO294−2に準拠して成形された小型引張試験片形状の樹脂成形体を用いて、ボール材としては、前記樹脂ピン(先端が直径5mmの球状となったピン)を用いて評価を行った。5,000回摺動した時点の動摩擦係数を成形体の対自材摺動性とした。数値が低い方が摺動性に優れる。
ファナック(株)製の射出成形機(商品名「α50i−A射出成形機」)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃、射出圧力120MPaに設定し、モジュール0.8、歯数50、歯幅5mmの平歯車(1個取り)の成形を行った。この際、射出時間は5秒、冷却時間は15秒を下限とし、樹脂の計量に要する時間が15秒を超える場合は、計量時のスクリュー回転数を上げて、計量時間を短縮するように調整した。スクリュー回転数を上げても計量に要する時間が15秒を超える場合は、冷却時間を計量時間+3秒とした。この条件で20分間の連続成形を行った。
サーモフィシャーサイエンティフィック(株)製のX線光電子分光法(XPS)ESCALAB250を用い、励起源としてmonoALKα(15kV×10mA)を用いた。分析サイズを1mm四方とした。樹脂成形体の表層の付着物を除去する為、市販の精密機器用洗浄剤(VALTRON DP97031)の1.5%水溶液を用いて、50℃の条件で3分間超音波洗浄を行い表面の有機物を除去したのち、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水で室温条件下にて15分超音波処理を行い、洗浄を実施した。次いで洗浄後の試料を、乾燥オーブンで80℃、1時間乾燥処理を行い、測定に供した。
(A1)製品名:テナック(登録商標)−C 4520(旭化成ケミカルズ(株)製)、メルトフローレート(MFR)=9.0g/10分、数平均分子量Mn=約7万
(A2)製品名:テナック(登録商標)−C 7520(旭化成ケミカルズ(株)製)、
メルトフローレート(MFR)=45.0g/10分、数平均分子量Mn=2.5万
(A3)ポリアセタールブロックコポリマーは、次のようにして調製した。熱媒を通すことのできるジャケット付きの2軸パドル型連続重合機を80℃に調整した。トリオキサンを40モル/時間、環状ホルマールとして1,3−ジオキソランを2モル/時間、重合触媒としてシクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対し5×10−5モルとなる量、連鎖移動剤として下記式(5)で表される両末端ヒドロキシル基水素添加ポリブタジエン(数平均分子量Mn=2,330)をトリオキサン1モルに対し1×10−3モルになる量で、上記重合機に連続的に供給し重合を行った。
得られた粗ポリアセタールブロックコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物(日本国特許第3087912号公報に記載)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した。第4級アンモニウム化合物の添加量は、窒素量に換算して20質量ppmとした。これをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールブロックコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加した。押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で、ポリアセタールブロックコポリマーの不安定末端部分の分解除去を行った。
(B1)日本国特許第4060831号公報の製造例1記載の被膜形成剤(アクリル酸とアクリル酸メチルの共重合体を含有する)等で処理したガラス系充填材。
(B2)日本国特開2012−136385号公報の実施例1記載の被膜形成剤(アクリル酸を含む共重合体を含有する)等で処理したガラス系充填材。
(B3)日本国特開2009−7179号公報の試料No.1記載の被膜形成剤(酸を含有しない)で処理したガラス系充填材。
なお、(C4)は分子量が高く、溶媒に溶けない成分が含まれており、GPCによる分子量測定ができないため、JIS K7367−3に準拠した粘度法にて測定した。
(C1)旭化成ケミカルズ(株)製 サンテック(登録商標)LD L1850A
重量平均分子量13.2万、Tm=107℃、密度918kg/m3
(C2)旭化成ケミカルズ(株)製、サンテック(登録商標)HD J240
重量平均分子量7.3万、Tm=127℃、密度966kg/m3
(C3)旭化成ケミカルズ(株)製 サンファイン(登録商標) BM840
分子量32.4万、Tm=126℃、密度931kg/m3
(C4)旭化成ケミカルズ(株)製 サンファイン(登録商標) UH901
分子量(粘度法) 330万、Tm=136℃、密度940kg/m3
各成分がそれぞれ表1及び表2に記載の割合となるよう、上記条件にて押出を行って樹脂組成物を製造した。また得られた樹脂組成物を用い、上記条件にて成形を行って成形体を製造した。各物性を評価した結果を表1及び表2に示す。
Claims (9)
- (A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下とを含み、
かつ成形体の表層10nm以内における(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の存在量が、成形体の表層から1,000μmより深層を切り出した面の表層10nm以内における(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の存在量よりも多いことを特徴とする、ポリアセタール樹脂成形体。 - 前記ポリアセタール樹脂成形体を引張破断し、破断した成形体の破断面から突出した(B)ガラス系充填材の表面が平均0.2μm〜3.0μmの(A)ポリアセタール樹脂を含む成分で覆われていることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂成形体。
- 前記(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂の少なくとも1種の融点が115℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂成形体。
- 前記(B)ガラス系充填材の被膜形成剤として、少なくとも1種の酸を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂成形体。
- 前記被膜形成剤に含まれる酸がカルボン酸であることを特徴とする請求項4に記載のポリアセタール樹脂成形体。
- 前記(A)ポリアセタール樹脂がブロック成分を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂成形体。
- 前記(A)ポリアセタール樹脂に含まれるブロック成分が水素添加ポリブタジエン成分であることを特徴とする請求項6に記載のポリアセタール樹脂成形体。
- (A)ポリアセタール樹脂と、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)ガラス系充填材10質量部以上100質量部以下と、(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂0.5質量部以上8質量部以下、を含むことを特徴とする、ポリアセタール樹脂組成物。
- 少なくとも1種の酸を含む被膜形成剤で(B)ガラス系充填材の表面を変性する工程、前記変性された(B)ガラス系充填材と(A)ポリアセタール樹脂及び(C)重量平均分子量50万以下のポリエチレン樹脂とを混合する工程、とを含む、請求項8に記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
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