JP2016168133A - 薄葉紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロース繊維を含んでなる基材と、0.01g/m2以上のカチオン性抗菌剤とを有し、クレープ率が5%以上25%以下である薄葉紙28及びその製造方法。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、吸収性コアが活性炭を含む繊維シートで被覆され、さらにその上から抗菌剤を含む繊維シートで被覆された吸収体が記載されている。また前記抗菌剤として、抗菌性及び安全性の高さの観点から、第四級アンモニウム塩を用いることが記載されている。第四級アンモニウム塩のようなカチオン性の抗菌剤は、排泄物の臭いの発生原因である微生物の増殖を抑える効果が高い。
この貼り付きを高めるため、クレーピング用接着剤をドライヤ表面に塗布することがある。例えば特許文献2には、クレーピング用接着剤として、ポリアミンーエピハロヒドリン樹脂とポリ(ビニルアルコール)との組み合わせが記載されている。
これに対し、従来の製造方法では、単に接着剤の塗布量を増やしても、第四級アンモニウム塩などのカチオン性抗菌剤をシートに含有した場合、十分なクレープ率を得ることは難しく改善の余地があった。また、接着剤の増量は、むしろ引き剥がし後のシート表面の糊残りを招き、クレープによる柔らかい風合いを阻害しかねなかった。特に上記2つの特許文献に記載された接着剤は共通して架橋構造を形成するため、薄葉紙の風合いを硬くする方向に作用する。また、前記接着剤は、前述したカチオン性抗菌剤が繊維間の水素結合を緩めて発現する柔軟効果をも打消し、更には接着効果も低いと考えられる。
(i)セルロース繊維と熱融着性繊維を含む湿紙にカチオン性抗菌剤を含む水系塗布液を塗布する工程、
(ii)ドライヤ表面にクレーピング用接着剤を塗布する工程、
(iii)前記水系塗布液を塗布した湿紙と、前記クレーピング用接着剤を塗布したドライヤ表面とを接触させて、前記湿紙を乾燥させながらドライヤ表面へ接着させる工程、及び
(iv)前記湿紙を乾燥させた繊維シートに対しドクターブレードを用いてドライヤ表面から剥がしてクレープ加工を施し、薄葉紙を得る工程、該薄葉紙を巻き取る工程
を有する薄葉紙の製造方法を提供する。
本発明の薄葉紙は、この両立により、優れた消臭能を備え、かつ、ティシュペーパーのような柔らかな風合いと湿潤時の十分な伸長性とを備える。
測定対象の薄葉紙から長さ方向(薄葉紙の抄紙製造時の搬送方向、MD)に200mm、幅方向(MDに直交する方向、CD)に100mmの矩形形状を切り出してサンプルとする。この矩形形状のサンプルを10分間水中に浸漬し、3分後のMDの長さCを測定し、次式によりクレープ率を算出する。
クレープ率(%)={(C−200)/200}×100
例えば、10分間浸漬後のMDの長さCが220mmであった場合、前記式により算出される当該薄葉紙のクレープ率は10%である。
吸収性物品から薄葉紙を丁寧に剥がし取る。薄葉紙がその他の部分と接着剤によって接着されている場合には、以下の手順で薄葉紙を剥がす。即ち、コールドスプレーを噴射し、接着剤を固化させる。そして、接着剤が固化している間に、丁寧に薄葉紙をその他の部分から剥がす。大きさが200×100mmに満たない場合には、切り出せる大きさで測定し、上記の式と同様の式で数字を入れ替えて算出する。
市販の製品等から分析する場合には、ドライヤやコールドスプレーなどを用いて、各部材を剥がし、対象となる薄葉紙を得る。その後、薄葉紙中の上記のカチオン性抗菌剤の含有坪量は、液体クロマトグラフ/質量分析計(アジレント・テクノロジー株式会社製6140 LC/MS、イオン化法:ESI)にて測定することができる。あるいは、検量線を作成し、これに基づいてカチオン性抗菌剤の含有量を測定することもできる。
加えて、ポリビニルアルコール繊維の鹸化度は、70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。これにより、ドライヤ表面との接着性が高くなるとなる。また、ポリビニルアルコール繊維の重合度は、繊維強度の観点から500以上が好ましく、1500以上が更に好ましい。このようなポリビニルアルコール繊維は水を溶媒とした湿式紡糸法や乾式紡糸法、有機溶媒を用いたゲル紡糸法など公知の方法で製造できる。
一方、ポリビニルアルコール繊維の含有割合の上限は、セルロース繊維に対して、10質量%以下含有されていることが好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。これにより、薄葉紙製造時にドライヤ表面と原料シート(湿紙)の接着が過度となることを回避できる。その結果、ドクターブレードによる剥離不良を回避でき、製造中に紙切れとそれによる生産性の悪化、乾燥後にドライヤ面側への極度のカールの発生、カールによる吸収性物品としての加工時のハンドリング性の悪化を防ぐ。
フリーネスは、JIS P8121に規定するカナダ標準ろ水度(C.S.F.)で示される値であり、パルプ繊維の叩解(水の存在下でパルプ繊維を機械的に叩き、磨砕する処理)の度合いを示す値である。通常、フリーネスの値が小さいほど、叩解の度合いが強く、叩解による繊維の損傷が大きくてフィブリル化が進行している。パルプ繊維の叩解は、パルプ繊維を分散させた紙料(スラリー)に対して、ビーター、ディスクリファイナー等の公知の叩解機を用いて常法に従って実施することができる。
本実施形態の製造方法は次の工程を有する。
(i)セルロース繊維と熱融着性繊維を含む湿紙に、カチオン性抗菌剤を含む水系塗布液を塗布する工程。
(ii)ドライヤ表面にクレーピング用接着剤を塗布する工程。
(iii)前記水系塗布液を塗布した湿紙と、前記クレーピング用接着剤を塗布したドライヤ表面とを接触させ、前記湿紙を乾燥させながらドライヤ表面へ接着させる工程。
(iv)前記湿紙を乾燥させた繊維シートに対しドクターブレードを用いてドライヤ表面から剥がしてクレープ加工を施し、薄葉紙を得る工程。
また、上記の工程を経て得られた薄葉紙に対し、必要により(v)薄葉紙を巻き取る工程を有していてもよい。
具体的には、湿紙20は、湿潤状態のまま第1搬送ベルト21に搬送されて一対のプレスロール22,22で挟圧されて脱水される。次いで、脱水された湿紙20は、第2搬送ベルト23に搬送されて、ヤンキードライヤ24に導入される前に、湿紙20の一面に対して前記水系塗布液が噴霧ノズル16による噴霧によって付与される。具体的には、ヤンキードライヤ24の導入部には、該ヤンキードライヤ24の周面に対向するようにタッチロール25,25が配置されている。湿紙20は第2搬送ベルト23とともに、タッチロール25,25に案内されてヤンキードライヤ24に導入される。そしてタッチロール25,25に案内される直前に、湿紙20の一面に、噴霧ノズル16から噴霧された水系塗布液が付与される。図1に示す方法では、湿紙20における一方の面(この面を第1面といい、その反対側を第2面という。)に対してのみ、水系塗布液が噴霧によって付与される。ただし、一方の面にのみ塗布する場合に限らず、両方の面に塗布する方法であってもよい。しかし、一方の面に塗布することが、薄葉紙の液透過性の低下を防ぎ好ましい。すなわち、前述したように、塗布していない面からの繊維の毛管現象による液の引込力が働き、液透過に対する塗布の影響が低減されて、液透過性を良好なまま維持することが可能となる。
ポリビニルアルコール繊維の含有割合や物性は、前述したものとすることが前記接着性を高め、高クレープ率を実現して、薄葉紙の柔らかな風合いと湿潤時の十分な伸長性を実現する観点から好ましい。前記含有割合は、少なすぎると、ドライヤ表面との接着性が低下するのでその分クレーピング用接着剤を多く噴きつけることとなり、ドライヤ24表面への残留が多くなり製造の障害となりかねない。また、多すぎると、湿紙20がドライヤ24の表面に強く貼り付きすぎて、クレープ時に紙が切れやすく、シートのカールが強くなり、好適な薄葉紙の製造が難しくなる。なお、ここでのポリビニルアルコール繊維の含有割合は、セルロース繊維の質量を基準としたものである。
また、上記の塗布液濃度とするクレーピング用接着剤の塗布液の塗布量は、ドライヤ24の周速度、幅、噴霧ノズル17の流量の調整により、適宜設定することができる。
まず、前記クレーピング用接着剤は、地点P1で、前述のとおり乾固した状態で湿紙20と接触し、湿紙20の水分により再溶解する。その後、ヤンキードライヤ24の加熱によって前記クレーピング用接着剤が乾燥することで、水分の蒸発が進行する湿紙20とヤンキードライヤ24とが強固に接着される。
このような乾固、再溶解及び乾燥により接着力が発現する剤としては、少ない量で高い接着力を発現できるカチオン化澱粉が特に好ましい。
図3(A)のように従来であれば、湿紙20の第1面に含まれるカチオン性抗菌剤の液膜(疎水膜)20Aが形成される。この膜20Aが、その疎水性ゆえに、ヤンキードライヤ24と湿紙20との水素結合の接着を阻害する。
しかし、本発明の製造方法においては、図3(B)に示すように、ヤンキードライヤ24の表面に、カチオン性のクレーピング用接着剤の膜24A(乾燥膜)が形成される。この膜24A(乾燥膜)は、ドライヤと湿紙が接触したときに(図3(C)参照)、湿紙20の水分で溶解し、続けて瞬時にドライヤ熱で再乾燥され、被膜を形成する。このとき湿紙20側では、同じカチオン性である抗菌剤が、接着剤の膜24Aと同時に、疎水膜20Aを形成するため、疎水膜20Aの連続性が阻害されるものと考えられる。その結果、カチオン性のクレーピング用接着剤は、疎水膜20Aを介さずに湿紙20に接触し、湿紙20のセルロース繊維などのアニオン成分と吸着する。このとき、クレーピング用接着剤がカチオン性であることで、湿紙のアニオン性成分であるセルロース繊維や紙力剤等の薬剤(ポリビニルアルコールも含む)と再溶解の間に素早く吸着すし、ドライヤ24と湿紙との間の接着が可能となり、特に澱粉系が接着性に優れている。このようにしてヤンキードライヤ24と湿紙20とが強固に接着される。
具体的には、地点P2において、ドクターブレード26が、ヤンキードライヤ24の周面に強く接触し、繊維シート27を該周面から剥離させる。その剥離の際に、繊維シート27にクレープが付与されて薄葉紙28が得られる。なお、必要により、クレープ加工が施されて得られた薄葉紙28を巻き取りロール29によって巻き取る工程があってもよい。
ヤンキードライヤ24と繊維シート27との接着強度が十分になければ、剥離地点P2から巻取りロール29までの間で適度なテンションがかからない。接着強度が弱くなるとP2においてドクターブレード26によるクレープがうまく施されずにクレープ率が低くなると、その低下分だけP2から巻取りロール29までの行路長が長くなるためテンションが低下する。さらに極度に接着強度が低下すると、P2の剥離地点がヤンキードライヤ上のP1方向へ移動し、ドクターブレード26によるクレープが全く形成されないことがある。この場合はテンションは著しく低下してウェブは蛇行し、巻取りロール29の巻姿がいびつになる等の生産上の課題が起きる。
これに対し、本発明では、上述したように湿紙20とヤンキードライヤ24の表面と接合が高められている。これにより、薄葉紙28へのテンションが十分かかり、高いクレープ率を連続的に付与することができ生産上の障害も回避し得る。すなわち、上記の製造方法で得られる薄葉紙は、前述した範囲の高クレーム率のものとなる。
図4は、吸収性物品の基本構造を示している。すなわち、着用者の肌に当接する液透過性の表面シート1、着衣側に向けられる防漏性の裏面シート2、及び両シート間に配置される液保持性の吸収体3からなる。また、必要により表面シート1と吸収体3との間に液拡散性のサブレイヤシート4が配されてもよい。吸収体3は、液保持性の本体をなす吸収性コア31と該吸収性コア31の表面全域を覆う被覆シート32とからなる。本発明の薄葉紙は、被覆シート32に適用されている。吸収性コア31は、フラッフパルプなどの吸液性繊維、又は吸液性繊維及び高吸収性ポリマーを含んで構成されている。
この吸収性コア31における面のうち、少なくとも着用者の肌に対向する面を本発明の薄葉紙で被覆している(肌に対向する面のみに適用する場合は、被覆シート32は肌対向面側と着衣対向面側との2シートからなる構成となる。)。本発明の薄葉紙を被覆シート32に適用すると、排泄液の透過経路において、初期段階から確実に、カチオン性抗菌剤を溶出させることができる。これにより持続的な消臭作用の発現が可能となる。また、肌に触れる表面シート1よりも内部側にあるので、カチオン性抗菌剤の肌への接触が抑えられて好ましい。この場合、薄葉紙における第1面、すなわち前記カチオン性抗菌剤が反対面よりも多く偏在している側の面を着用者の肌に対向するように配置することが、消臭効果の効果的な発現の点から好ましい。また、前述のように、本発明の薄葉紙は、カチオン性抗菌剤が第1面及び第2面のいずれにおいても均等に存在するようにしてもよい。この場合は、排泄液が吸収性コアへと透過されたあとからでも、カチオン性抗菌剤の液相への溶出を可能とし、高いレベルでの消臭作用の持続の観点から好ましい。また、同様の観点から、吸収性コア31の表面全体を本発明の薄葉紙で覆うことが好ましい。
本発明の薄葉紙は、図3に示す形態に限定されず、他の構成部材に適用してもよい。例えば、被覆シート32に代えて、またはこれとともに、サブレイヤシート4に適用してもよい。
該アニオン活性基としては、炭素数6以上、特に炭素数10以上であり、また、炭素数20以下、特に炭素数18以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を含むアニオン性活性基を用いることが好ましい。そのようなアニオン活性基として、例えばアルキルリン酸エステル塩やアルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩を用いることが、抗菌能の点で好ましい。特に下記式(2)で表されるアルキルリン酸を用いることが、抗菌能が一層高くなる点で好ましい。
R3とR4の好ましい組み合わせとしては、R3が水素原子であり、R4が炭素数8以上20以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である組み合わせが挙げられる。アルキル基の炭素数は、10以上18以下であることが更に好ましい。長鎖アルキルのカチオン性活性基(四級アミン)をもつことで、紙の風合い(嵩高性、柔軟性)が向上し、薄葉紙として好ましい。
時間軸の消臭メカニズムは次の3段階がある。第1段階として、カチオン性抗菌剤が臭い成分の産生源を絶つ(生物学的消臭作用)。すなわち、排泄液の液相において、臭い成分の産生原因である微生物や微生物由来の酵素の増殖を抑える。第2段階として、pH緩衝性消臭剤が、前記液相において第1段階で抑えきれずに産生される臭い成分を中和し、中和塩として液相に留まらせる(化学的消臭作用)。第3段階として、多孔質粒子が、前段階で産生抑制できずに、中和もできない臭い成分が経時により増加し、前記液相中に溶解しきれず、気相に揮散する臭い成分を吸着または包摂する(物理的消臭作用)。
pH軸の消臭メカニズムは、各発生段階における、酸性やアルカリ性の幅広い種類の臭い(複合臭)の発生の防止である。例えば、低級脂肪酸類、フェノール類、メルカプタン類及びアミン類など、酸性からアルカリ性まで様々な臭いの発生を防止する。前述した第1段階では、微生物や微生物由来の酵素の増殖抑制によって、種々の幅広い臭い成分が発生するのを抑える。第2段階では、排泄液のpHの変化を捉えて緩衝し、酸性やアルカリ性の種々の広い範囲の臭い成分を中和させ臭いガスの発生を抑える。第3段階では、多孔質粒子が幅広い種類の臭いガスを吸着して閉じ込める。
B剤のポリヒドロキシアミン化合物は下記式(3)で表される化合物である。
炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基が挙げられる。また、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R5は、消臭性能及び入手性の観点から、上記の中では水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましく、特に水素原子、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基としては、上記のものが挙げられる。
R6は、消臭性能及び入手性の観点から、上記の中では水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシエチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
炭素数1〜5のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等が好ましく、特にメチレン基が好ましい。
これらの中では、消臭性能等の観点から、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1種以上が特に好ましい。
特に、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、すなわち、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、酸性臭に対する優れた中和作用を有し、また揮発性が低いためにそれ自体の臭いが少ないので、好ましい。
また、この組み合わせにおいては、後述する薄葉紙の製造過程で、特定の混合割合の塗料とするとカチオン性抗菌剤の粒子が小粒径化し均一な塗布が可能となる。これにより、本発明の薄葉紙の抗菌性が向上する。
なお、上記のBET比表面積は、株式会社島津製作所製の比表面積・細孔分布測定装置「ASAP2020」を用いて、液体窒素を用いた多点法で測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出できる。また、細孔分布の測定は水銀圧入法を用いることができる。
γ線滅菌済み容器中にて2mM・p−ニトロフェニル−β−D−グルクロニド(PNPG)水溶液100μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)40μL、イオン交換水38μL、各種化合物又は植物抽出物の10又は1重量%DPG(ジプロピレングリコール)溶液2μLを混合し、続いて16units/mLに調整したβ−グルクロニダーゼ水溶液20μLを加えて37℃恒温槽中で2時間酵素反応を行った。また一部の化合物については、さらに0.1重量%DPG溶液についても同様の実験を行った(供した化合物及び植物抽出物の反応液中での濃度はそれぞれ、0.1重量%、0.01重量%、0.001重量%となる)。また、前記化合物及び植物抽出物の代わりにDPGを加えたものをコントロールとし、各サンプル及びコントロールごとに酵素液の代わりにイオン交換水を加えたものをブランクとして、それぞれ同様に2時間反応を行った。前記反応液を0.2Mグリシンバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmにおける吸光度を測定した。得られた測定値より、次式に従ってβ−グルクロニダーゼ活性阻害率を求める。次式中、コントロール吸光度変化=(コントロールの吸光度−コントロールごとのブランクの吸光度)であり、サンプル吸光度変化=(サンプルの吸光度−サンプルごとのブランクの吸光度)である。
β−グルクロニダーゼ活性阻害率(%)=[(コントロール吸光度変化−サンプル吸光度変化)/(コントロール吸光度変化]×100
(i)セルロース繊維と熱融着性繊維を含む湿紙に、カチオン性抗菌剤を含む水系塗布液を塗布する工程、
(ii)ドライヤ表面にクレーピング用接着剤を塗布する工程、
(iii)前記水系塗布液を塗布した湿紙と、前記クレーピング用接着剤を塗布したドライヤ表面とを接触させ、前記湿紙を乾燥させながらドライヤ表面へ接着させる工程、及び
(iv)前記湿紙を乾燥させた繊維シートに対しドクターブレードを用いてドライヤ表面から剥がしてクレープ加工を施し、薄葉紙を得る工程
を有する薄葉紙の製造方法。
前記(iv)の工程のあと、さらに、
(v)前記薄葉紙を巻き取る工程を有する前記<1>に記載の薄葉紙の製造方法。
<3>
前記(i)の工程において、
前記湿紙は、湿潤状態のまま第1搬送ベルトに搬送されて一対のプレスロールで挟圧されて脱水され、該脱水された湿紙は、第2搬送ベルトに搬送されて、ヤンキードライヤ24に導入される前に、湿紙20の一面に対して前記水系塗布液が噴霧ノズルによる噴霧によって付与される、前記<1>又は<2>に記載の薄葉紙の製造方法。
<4>
前記(i)の工程において、
前記湿紙における一方の面に対してのみ前記水系塗布液が噴霧によって付与される、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<5>
前記熱融着性繊維としてポリビニルアルコール繊維を含み、ポリビニルアルコール繊維がセルロース繊維に対し0.2質量%以上8質量%以下含有されている前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<6>
前記(ii)の工程は、前記湿紙の導入位置の手前で、前記(i)の工程とは別に同時並行でなされる、前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<7>
前記水系塗布液のpHは5.0以上が好ましく、6.5以上がより好ましく、7.0以上が更に好ましく、該pHは9.0以下が好ましく、8.5以下がより好ましい、前記<1>〜<6>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<8>
前記クレーピング用接着剤の塗布液濃度は、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上が更に好ましく、該塗布液濃度は、2.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましく、0.7%%以下が更に好ましい、前記<1>〜<7>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<9>
前記クレーピング用接着剤としてカチオン化澱粉を含む前記<1>〜<8>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<10−1>
前記カチオン性抗菌剤を0.01g/m2以上塗布する前記<1>〜<9>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<10−2>
前記クレープ加工により得られる薄葉紙のクレープ率が5%以上30%以下である前記<1>〜<10−1>のいずれか1に記載の薄葉紙の製造方法。
<11>
前記<1>〜<10−1>及び<10−2>のいずれか1に記載の製造方法で製造された薄葉紙。
セルロース繊維を含んでなる基材と、0.01g/m2以上のカチオン性抗菌剤とを含有し、クレープ率が5%以上30%以下である薄葉紙。
<13>
本発明の薄葉紙のクレープ率は5%以上であり、8%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、該クレープ率は30%以下であり、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい、前記<12>に記載の薄葉紙。
<14>
前記薄葉紙の坪量は、45g/m2以下であり、30g/m2以下が好ましく、20g/m2以下がより好ましく、該坪量は、8g/m2以上が好ましく、13g/m2以下がより好ましい、前記<12>又は<13>に記載の薄葉紙。
<15>
前記基材が単層である前記<12>〜<14>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<16>
前記基材の坪量は、8g/m2以上が好ましく、13g/m2以上がより好ましく、40g/m2以下が好ましく、20g/m2以下がより好ましい、前記<12>〜<15>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<17>
前記カチオン性抗菌剤が第四級アンモニウム塩を含有する前記<12>〜<16>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<18>
前記カチオン性抗菌剤がベンザルコニウム塩を含有する前記<12>〜<17>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<19>
前記カチオン性抗菌剤は、0.05g/m2以上の坪量で含有されており、0.1g/m2以上が好ましく、0.20g/m2以上がより好ましく、1.0g/m2以下が好ましく、0.5g/m2以下がより好ましく、0.3g/m2以下が更に好ましい、前記<12>〜<18>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<20>
前記カチオン性抗菌剤が、下記式(1)で表されるベンザルコニウム塩を含む前記<12>〜<19>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<21>
前記ベンザルコニウム塩がセチルリン酸ベンザルコニウムを含む前記<20>に記載の薄葉紙。
<22>
前記薄葉紙には、前記カチオン性抗菌剤のほか、多孔質粒子及びpH緩衝性消臭剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が含有されている前記<12>〜<21>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<23>
さらに熱融着性繊維を含む前記<12>〜<22>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<24>
前記熱融着性繊維としてポリビニルアルコール繊維を含有する前記<12>〜<23>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<25>
前記ポリビニルアルコール繊維は、前記セルロース繊維に対して、0.2質量%以上含有されることが好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、前記セルロース繊維に対して、10質量%以下含有されていることが好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい、前記<12>〜<24>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<26>
前記薄葉紙の一方の面の側に前記カチオン性抗菌剤が多く存在した状態となる前記<12>〜<25>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<27>
前記セルロース繊維のフリーネスが300ml以上580ml以下である前記<12>〜<26>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<28>
さらにβ−グルクロニダーゼ阻害剤を含有する前記<12>〜<27>のいずれか1に記載の薄葉紙。
<29>
前記β−グルクロニダーゼ阻害剤が、植物抽出物としてのゴバイシタンニン、香料としてのグルカロラクトン及びグロバノン、並びにカチオン性界面活性剤としてのセチルリン酸ベンザルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する前記<12>〜<27>のいずれか1に記載の薄葉紙。
前記<1>〜<11>の製造方法により得られた薄葉紙又は前記<12>〜<29>の薄葉紙を用いた吸収性物品。
<31>
前記<1>〜<11>の製造方法により得られた薄葉紙又は前記<12>〜<29>の薄葉紙を、液保持性の吸収性コアを被覆するコアラップシートとして適用してなる吸収性物品。
(1)水系塗布液の調製
カチオン性抗菌剤としてセチルリン酸ベンザルコニウム(花王株式会社製、「サニゾールP」(登録商標))を用いた。原液タンク10へ地下水とサニゾールPを入れてから30分間、撹拌翼11にて撹拌して水系塗布液を得た。この地下水の硬度は、75mgCaCO3/Lであった。水系塗布液中におけるセチルリン酸ベンザルコニウムの濃度は、5.0%とした。
(2)基材の製造
本実施例の基材は、セルロース繊維として針葉樹クラフトパルプを90%、広葉樹クラフトパルプを10%のシートを用い、これらの混合シートを次の方法により基材を得た。なお、ここで述べる基材の製造からこの後の水系塗布液のスプレー塗布、クレープ加工まで連続した一つの抄紙機における工程である。
まず、針葉樹クラフトパルプを90%、広葉樹クラフトパルプを10%のシートを水に入れてパルパーを用いて離解した。次にリファイナーにて叩解し、フリーネス580ml(C.S.F、JISP−8121、ISO5267/2)のセルロース繊維原料の水スラリー(抄紙原料)を得た。熱融着性繊維としてポリビニルアルコール繊維(商品名VBP107−1、繊度1.1dtex、繊維径11μm(真円換算)、カット長3mm、水中溶解温度70℃、株式会社クラレ社製)を、前記セルロール繊維原料に対して2.0質量%含有させた。湿潤紙力剤としてポリアミンエピクロロヒドリン(商品名WS−4024、星光PMC株式会社製)をセルロース繊維に対して0.35%、乾燥紙力剤としてカルボキシメチルセルロース(商品名セロゲンWS-C、第一工業製薬株式会社製)をセルロース繊維に対して0.1%配合した。
上記の抄紙原料を用いて丸網抄紙ワイヤー上で紙層を形成させ、幅方向850mmの基材(湿紙20)を得た。この湿紙を加工前の基材として用いた。
(3)薄葉紙の製造
((1)の操作から続けて)、図1及び図2に示す装置を用いて薄葉紙を製造した。湿紙20をプレスロール22で脱水し、16の噴霧ノズルを用いて水系塗布液を噴霧した。原料タンク10から前述の5.0%水系塗布液を希釈タンク12へ移し、水で希釈して撹拌翼13で撹拌し、サニゾールPが1.2%となるようにした。続けて目開き150μmのストレーナ14へ通し、ポンプ15の吐出圧の調製により1個の噴霧ノズル16からの吐出流量を0.3L/minとなるようにした。噴霧ノズル5個を抄紙幅方向に200mmの等間隔で並列設置し、幅方向全面にムラなく均一に塗布した。噴霧ノズルは、Unijet標準スプレーノズル(流量サイズ0067、スプレーイングシステムズジャパン株式会社製)を使用した。この水系塗布液の噴霧と並行して、ヤンキードライヤの表面には、クレーピング用接着剤として、カチオン化澱粉「DD4280」(星光PMC株式会社製、商品名)を塗布液濃度0.1%で噴霧ノズル17から噴霧塗布した。その後、ドクターブレードにてクレープを施された吸収性物品用シートは巻き取られた。ヤンキードライヤの周速度を128m/min、巻取りロール29の周速度を100m/minとした。
得られた薄葉紙のクレープ率は、前述した測定方法(水中伸度法)で測定して23%であった。また、薄葉紙の坪量は16g/m2であった。薄葉紙において、製造工程における歩留まり(カチオン性抗菌剤:約50%)の結果、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であった。
基材の作製において、多孔質粒子としてBET比表面積1750m2/gの活性炭(塩化亜鉛賦活)(フタムラ化学株式会社製「SA1000」(商品名))を0.5g/m2抄紙原料に配合して湿式抄造を行った以外は、実施例1と同様にして薄葉紙を得た。
実施例2の薄葉紙のクレープ率は10%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
水系塗布液の作製において、噴霧する液中におけるセチルリン酸ベンザルコニウムの濃度を0.6%とした以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
実施例3の薄葉紙のクレープ率は11%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.05g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
基材の作製において、活性炭の配合量を1.0g/m2とした以外は実施例3と同様にして薄葉紙を得た。
実施例4の薄葉紙のクレープ率は5%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.05g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は1.0g/m2であった。
水系塗布液の作製において、噴霧する液中におけるセチルリン酸ベンザルコニウムの濃度を0.12%とし、基材の作製において、活性炭の配合量を3.0g/m2とした以外は実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
実施例5の薄葉紙のクレープ率は15%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.01g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は3.0g/m2であった。
基材の作製において、前記ポリビニルアルコール繊維を、前記セルロール繊維原料に対して0.5質量%含有させた以外は実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
実施例6の薄葉紙のクレープ率は7%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
基材の作製において、前記ポリビニルアルコール繊維を、前記セルロール繊維原料に対して5.0質量%含有させ、薄葉紙の作製において、カチオン化澱粉を塗布液濃度0.05%で塗布した以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
実施例7の薄葉紙のクレープ率は10%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
基材の作製において、前記ポリビニルアルコール繊維を、前記セルロール繊維原料に対して8.0質量%含有させ、薄葉紙の作製において、カチオン化澱粉を塗布液濃度0.05%で塗布した以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
実施例8の薄葉紙のクレープ率は10%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
基材の作製において、前記ポリビニルアルコール繊維を、前記セルロール繊維原料に対して0.2質量%含有させ、薄葉紙の作製において、カチオン化澱粉を塗布液濃度0.5%で塗布した以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
実施例9の薄葉紙のクレープ率は10%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
基材の作製において、前記ポリビニルアルコール繊維を含有させず、薄葉紙の作製において、カチオン化澱粉を塗布しなかった以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
比較例1の薄葉紙のクレープ率は0%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
基材の作製において、前記ポリビニルアルコール繊維を含有させず、薄葉紙の作製において、カチオン化澱粉を塗布液濃度0.5%で塗布した以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
比較例2の薄葉紙のクレープ率は3%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
水系塗布液を作製せず、基材に熱融着性繊維を含有させず、薄葉紙の製造においてクレーピング用接着剤を塗布しなかった以外は、実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
比較例3の薄葉紙のクレープ率は10%であった。また、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。
薄葉紙の製造においてクレーピング用接着剤を塗布しなかった以外は、実施例7と同様にして薄葉紙を得た。
比較例4の薄葉紙のクレープ率は0%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.1g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量は0.5g/m2であった。また、前記ポリビニルアルコール繊維は、前記セルロール繊維原料に対して5.0質量%の含有であった。
水系塗布液の作製において、液中におけるセチルリン酸ベンザルコニウムの濃度を0.06%とし、基材の作製において、活性炭の配合量を5.0g/m2とした以外は実施例2と同様にして薄葉紙を得た。
比較例5の薄葉紙のクレープ率は11%であった。また、セチルリン酸ベンザルコニウムの含有坪量は0.005g/m2であり、多孔質粒子の含有坪量5.0g/m2であった。
1.風合い
専門パネル5人(その内、介護職関係の有資格者が3人)により実施例と比較例のシートを手に持ち、最も柔らかく風合いがよい実施例1のシートの官能値を5.0、逆に最も風合いが悪い比較例5のシートの官能値を1.0として基準を設け、他の実施例と比較例について基準と相対比較しながら風合いの官能評価を行った。各シート3枚を評価し、全パネラーの平均値を風合いの官能値とした。
その結果は表1及び2に示されるとおりとなった。
5:非常に柔らかい
4:柔らかい
3:やや柔らかい
2:やや硬い
1:硬い
まず、実施例1〜9及び比較例1〜5で得た各薄葉紙を、吸収体の被覆シートとして170mm×200mmの大きさに調製した。この各薄葉紙で、パルプ/吸収性ポリマーの構成比率が150(g/m2)/150(g/m2)の吸収性コアの表面全体を被覆し、評価用の吸収体サンプルを作製した。作成した各吸収体サンプルはいずれも70×190mmの大きさであった。
次いで、次の手順で試験に用いる尿を準備した。
(a)坪量20g/m2で大きさ10cm×15cmの不織布(抗菌、消臭等の特殊処理をしていない汎用的なもの)を準備した。
(b)水で適度に湿らせた(a)の不織布を用いて3名のモニター(研究員、入浴してから12時間経過後の状態)それぞれが自身の下半身をよく拭き、肌常在菌と便由来の腸内細菌を採取した。
(c)モニター3名が採尿を行い、尿2.0gを(b)の不織布に付着させ、ビニール袋に入れて密封し、36℃雰囲気にて24時間静置した。これにより(b)の不織布における菌を増殖させた。
(d)その後、各モニターが採取した尿300gを混ぜ合わせ、そのうちの500gをメスフラスコに入れた。その中に(c)の結果得られた不織布を入れて、時折撹拌しながら20分間浸漬した。
次いで、(d)の結果得られた尿を30g、各吸収体サンプルの中央部に溢れないように徐々に注入した。尿が注入された各吸収体サンプルをそれぞれ蓋付のステンレス製の容器に入れて密封した。この各容器を恒温乾燥機に保管して36℃になるように保温し6時間静置した。
その間、1、3、6時間後の各容器を恒温乾燥機から取り出し、5人のモニター(少なくとも3名が介護職員初任者等の介護資格所有者)が下記の基準で官能評価を行った。官能評価の具体的な方法は、まず恒温乾燥機から容器を取出し、蓋を開けてから30秒静置した。その後、鼻を容器に近づけて臭いを嗅いだ。その評価数値の平均値を各吸収体サンプルの評価試験の結果とした。
その結果は表1及び2に示されるとおりとなった。
5:強い腐敗臭
4:弱い腐敗臭
3:尿と楽に分かる強い臭い
2:尿と分かる弱い臭い
1:尿と判別し難い僅かな臭い
0:臭いがしない
ヤンキードライヤ24とシート27との接着強度を直接的に測定することは難しいため、各実施例、比較例ともに手抄きにて薄葉紙を作製し、簡易型のロール乾燥機を使用して接着強度を測定した。
<手抄きによる薄葉紙の作製>
以下、各実施例、各比較例において、上記と同じ抄紙原料のスラリー、水系塗布液及びクレーピング用接着剤を用いて以下の操作を行う。角型シートマシン(熊谷理機工業株式会社製、上網150mesh、下網20mesh)を使って手抄きを行い、抄紙原料のスラリーから250mm角の基材の湿紙を得た。この湿紙へ水系塗布液をスプレー噴霧し、乾燥前の薄葉紙を得た。
<接着強度の評価方法>
300mm角のアルミホイルの片面に、クレーピング用接着剤を均一に噴霧し、送風式の電気乾燥機で130℃、1分間乾燥し、絶乾量0.5g/m2(固形分)となるようにした。薄葉紙全面を覆うようにこのアルミホイルを重ね、速やかに回転型乾燥機(標準型、熊谷理機工業株式会社製)にて130℃、40秒間乾燥した。2枚貼り合わさったシートを乾燥機の流れ方向に200mm、直角方向に50mmとなるように角型に断裁した。引張試験機(株式会社島津製作所製、AUTOGRAPH、AG-IS)を使用し、剥離速度300mm/min、剥離角度180℃、スパン長10mm、引張長さ200mm、乾燥機の流れ方向に引っ張り、接着強度を求めた。
図2において薄葉紙28が巻取り時に、巻取り時の蛇行がないとは、安定走行の位置から幅方向に5cm以内の振れに抑えられ(機械的な位置調整をせずに)、ロール形状が良好とは、最大3000mのシート巻取り時のロール周面において、最も凹んだ位置と、最も凸の位置との高さの差が3cm以内であり、3時間の連続製造でこの状態が安定して継続している状態をA、それから外れることBとする。
A:巻き取り時の蛇行がなくロール形状が良好
B:巻き取り時に蛇行しロール形状が不良
比較例2は、クレーピング用接着剤を用いたものの、熱融着性繊維を含有させずに薄葉紙を作製したため、クレープ率は「3%」と本発明のクレープ率5%以上の薄葉紙は得られなかった。また、作成時の接着強度は「8cN/50mm」と一桁で実施例の2桁の値に比べ大きく低いものであった。そのため、生産性は「B」と不良であった。その結果、風合いは「1.5」と硬さを感じるものとなっていた。
比較例4は、熱融着性繊維を含有させたが、クレーピング用接着剤を塗布しなかったため、クレープの付与ができず(クレープ率0%)、生産性が「B」と不良であった。その結果、風合い評価は「1.5」と硬さを感じるものとなっていた。
2 裏面シート
3 吸収体
31 吸収性コア
32 被覆シート
4 サブレイヤシート
10 原液タンク
11,13 撹拌翼
12 希釈タンク
14 ストレーナ
15 ポンプ
16 噴霧ノズル
20 湿紙
20A カチオン性抗菌剤の液膜(疎水膜)
24A カチオン性のクレーピング用接着剤の膜
21 第1搬送ベルト
22 プレスロール
23 第2搬送ベルト
24 ヤンキードライヤ
25 タッチロール
26 ドクターブレード
27 繊維シート
28 薄葉紙
Claims (9)
- セルロース繊維を含んでなる基材と、0.01g/m2以上のカチオン性抗菌剤とを有し、クレープ率が5%以上30%以下である薄葉紙。
- 前記カチオン性抗菌剤が第四級アンモニウム塩を含有する請求項1記載の薄葉紙。
- 前記カチオン性抗菌剤がベンザルコニウム塩を含有する請求項1又は2記載の薄葉紙。
- さらに熱融着性繊維を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄葉紙。
- (i)セルロース繊維と熱融着性繊維を含む湿紙に、カチオン性抗菌剤を含む水系塗布液を塗布する工程、
(ii)ドライヤ表面にクレーピング用接着剤を塗布する工程、
(iii)前記水系塗布液を塗布した湿紙と、前記クレーピング用接着剤を塗布したドライヤ表面とを接触させ、前記湿紙を乾燥させながらドライヤ表面へ接着させる工程、及び
(iv)前記湿紙を乾燥させた繊維シートに対しドクターブレードを用いてドライヤ表面から剥がしてクレープ加工を施し、薄葉紙を得る工程
を有する薄葉紙の製造方法。 - 前記熱融着性繊維としてポリビニルアルコール繊維を含み、ポリビニルアルコール繊維がセルロース繊維に対し0.2質量%以上8質量%以下含有されている請求項5記載の薄葉紙の製造方法。
- 前記クレーピング用接着剤としてカチオン化澱粉を含む請求項5又は6に記載の薄葉紙の製造方法。
- 前記カチオン性抗菌剤を0.01g/m2以上塗布する請求項5〜7のいずれか1項に記載の薄葉紙の製造方法。
- 前記クレープ加工により得られる薄葉紙のクレープ率が5%以上30%以下である請求項5〜8のいずれか1項に記載の薄葉紙の製造方法。
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| JP6496576B2 (ja) | 2019-04-03 |
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