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JP2016160334A - インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 Download PDF

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JP2016160334A JP2015039585A JP2015039585A JP2016160334A JP 2016160334 A JP2016160334 A JP 2016160334A JP 2015039585 A JP2015039585 A JP 2015039585A JP 2015039585 A JP2015039585 A JP 2015039585A JP 2016160334 A JP2016160334 A JP 2016160334A
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美里 佐々田
Misato Sasada
美里 佐々田
貴文 中山
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貴文 中山
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Abstract

【課題】硬化性に優れ、かつ、得られる印刷物の臭気が抑制されるインクジェット記録用インク組成物、及び、上記インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】 成分Aとして、A−1:2官能以上の(メタ)アクリレート化合物、並びに、A−2:2官能以上のビニルエーテル化合物及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物を、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含み、成分Bとして、分子量が1,000以上であり、分子中に2以上のマレイミド構造を有する化合物を、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含み、成分Cとして、分子量1,000以上の光増感剤をインク組成物全質量に対して0.5〜10質量%含み、分子量1,000未満の光重合開始剤を実質的に含まないことを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率よく使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の被記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
これまで軟包装の印刷は、主にグラビア印刷やフレキソ印刷といった従来の印刷方式で行われてきた。しかしながら、近年、軟包装分野においても、小ロット印刷の増加に対応できるデジタル印刷が注目を集めている。デジタル印刷の場合版を作成する必要がなく、また色合わせも不要となるために、特に小ロットを印刷する場合は低コスト化が可能であり、また、準備時間が削減できるので印刷時間の短縮にもつながる。
従来のインクジェット記録方法としては、特許文献1〜2に記載された方法が挙げられる。
特許文献1には、不飽和結合aを有し、上記不飽和結合aを構成する炭素原子の電荷の最大値が−0.30以上である電子受容性モノマー(A)と、不飽和結合dを有し、上記不飽和結合dを構成する炭素原子の電荷の最小値が−0.50以下である電子供与性モノマー(D)と、(メタ)アクリル酸エステル基を有する重合性モノマー(X)とを含み、上記電子供与性モノマー(D)がビニルエーテルを含み、上記電子受容性モノマー(A)と上記電子供与性モノマー(D)と上記重合性モノマー(X)の総量に対する、上記電子受容性モノマー(A)と上記電子供与性モノマー(D)との合計量の割合が25〜90重量%であり、上記電子供与性モノマー(D)の官能基数に対する、上記電子受容性モノマー(A)の官能基数の比率(A)/(D)が、70/30〜35/65である、活性光線硬化型インクジェットインクが記載されている。
特許文献2には、顔料と、高分子分散剤と、界面活性剤と、電子不足な不飽和二重結合を有する重合性化合物Aと、電子過多な不飽和二重結合を有する重合性化合物Bとを含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであって、上記重合性化合物Bとして一般式(b1)で示される重合性化合物b1を含有し、静的表面張力が25mN/m以上、40mN/m以下であり、動的表面張力が50m秒で40mN/m以上、55mN/m以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが記載されている。
Figure 2016160334
特開2014−24980号公報 特開2014−118454号公報
本発明が解決しようとする課題は、硬化性に優れ、かつ、得られる印刷物の臭気が抑制されるインクジェット記録用インク組成物、及び、上記インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の上記課題は下記の<1>又は<6>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<5>、<7>及び<8>と共に以下に記載する。
<1> 成分Aとして、A−1:2官能以上の(メタ)アクリレート化合物、並びに、A−2:2官能以上のビニルエーテル化合物及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物を、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含み、成分Bとして、分子量が1,000以上であり、分子中に2以上のマレイミド構造を有する化合物を、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含み、成分Cとして、分子量1,000以上の光増感剤を、インク組成物全質量に対して0.5〜10質量%含み、分子量1,000未満の光重合開始剤を実質的に含まないことを特徴とするインクジェット記録用インク組成物、
<2> 成分Cが、式C−1で表される骨格を分子内に有する化合物を含む、<1>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
Figure 2016160334
式C−1中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、iは2〜4の整数を表し、jは0〜4の整数を表し、kは0〜3の整数を表し、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のi価の炭化水素基を表す、
<3> 上記A−1を、インク組成物全質量に対して35質量%以上含有し、かつ、上記A−2を、インク組成物全質量に対して5〜40質量%含有する、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
<4> インクジェット記録用インク組成物中の、水及び揮発性溶剤の含有量が、インク組成物全質量に対して1質量%未満である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
<5> インクジェット記録用インク組成物中の、単官能重合性化合物の含有量が、インク組成物中に含まれる重合性化合物の総質量に対して、0.5質量%未満である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
<6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物を被記録媒体へ吐出する吐出工程、及び、被記録媒体上のインク組成物に活性エネルギー線を照射して硬化する硬化工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、
<7> 上記硬化工程が、酸素濃度1体積%以下の雰囲気中で行われる、<6>に記載のインクジェット記録方法、
<8> 上記硬化工程における活性エネルギー線の照射に用いられる光源が、発光ダイオード及び/又はレーザーダイオードである、<6>又は<7>に記載のインクジェット記録方法ト記録方法。
本発明によれば、硬化性に優れ、かつ、得られる印刷物の臭気が抑制されるインクジェット記録用インク組成物、及び、上記インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明に好適に用いられるインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明では、分子量に分布がある化合物の場合、分子量とは重量平均分子量を意味する。
本発明において、重量平均分子量は、は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法)にて測定し、標準ポリスチレンで換算して求める。例えば、GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
(インクジェット記録用インク組成物)
本発明のインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、成分Aとして、A−1:2官能以上の(メタ)アクリレート化合物、並びに、A−2:2官能以上のビニルエーテル化合物及び/又は分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物を、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含み、成分Bとして、分子量が1,000以上であり、分子中に2以上のマレイミド構造を有する化合物を、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含有し、成分Cとして、分子量1,000以上の光増感剤を0.5〜10質量%含み、分子量1,000未満の光重合開始剤を実質的に含まないことを特徴とする。
本発明者等は、特許文献1又は特許文献2に記載のインク組成物を用いたインクでは、硬化性を高めるために低分子量の重合開始剤が含まれているため、印刷物中にも重合開始剤が残り、臭気の原因となっているという問題点があることを見出した。
一方で、低分子量の重合開始剤を含まないインク組成物として、特開2000−144033号公報に記載のマレイミド化合物を含有するインク組成物等も検討されているが、本発明者等は、上記インクでは硬化性が低く、膜質が良好ではないという問題点を見出した。
そこで本発明者等は、上記本発明のインクジェット記録用インク組成物を用いることにより、硬化性と印刷物の臭気の抑制を両立できることを見出した。
また、本発明のインクジェット記録用インク組成物は、パッケージ印刷用に好適であり、食品包装用のパッケージ印刷に特に好適である。
<成分A>
本発明のインク組成物は、成分Aとして、A−1:2官能以上の(メタ)アクリレート化合物(以下、「化合物A−1」ともいう。)、並びに、A−2:2官能以上のビニルエーテル化合物(以下、「化合物A−2−1」ともいう。)及び/又は分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物(以下、「化合物A−2−2」ともいい、化合物A−2−1と化合物A−2−2を合わせて「化合物A−2」ともいう。)を、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含む。
本発明のインク組成物は、成分Aとして、化合物A−1と、化合物A−2−1とを含むことが好ましい。
〔A−1:2官能以上の(メタ)アクリレート化合物〕
本発明に用いられる化合物A−1としては、炭素数6〜12の脂肪族炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル(2官能(メタ)アクリレート化合物)が好ましく例示される。炭化水素ジオールは、直鎖炭化水素ジオール、分岐炭化水素ジオール及び環状炭化水素ジオールのいずれでもよく、直鎖炭化水素ジオール及び分岐炭化水素ジオールが好ましく例示される。
また、化合物A−1は、ビニルエーテル基を有しないことが好ましい。
炭素数6〜12の脂肪族炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリル酸エステルは、粘度が低く、また、それ自体の臭気が比較的低いため好ましい。
炭素数6〜12の脂肪族炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましく例示される。
これらの中でも、デカンジオールジアクリレート、ドデカンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタアクリレートがより好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレートが更に好ましい。
また、本発明において、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物とは、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上含有し、かつ、室温(25℃)における粘度が0.1Pa・s未満の化合物を意味する。粘度が上記範囲内であると、印刷物のマイグレーション及び臭気の抑制と、反応性とを両立できる。
その他の2官能(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
また、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレートが例示できる。
〔A−2:2官能以上のビニルエーテル化合物及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物〕
−A−2−1:2官能以上のビニルエーテル化合物−
本発明に用いられる化合物A−2−1としては、2官能又は3官能のビニルエーテル化合物が好ましい。
また、化合物A−2−1は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有しないことが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのジビニルエーテルや、トリメチロールプロパンのトリビニルエーテルが好ましく用いられる。
本発明に好適に用いられる化合物A−2−1としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等の2官能又は3官能のビニルエーテル化合物が例示できる。
特にエチレングリコール鎖を有する2官能ビニルエーテル化合物が好ましく、この場合、硬化膜の硬化性、画像の光沢性に優れる。ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテルが好ましく例示でき、トリエチレングリコールジビニルエーテルがより好ましく例示できる。
−A−2−2:(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物−
本発明に用いられる化合物A−2−2としては、(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有していれば、その数に制限はないが、(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を1つずつ有する化合物が好ましい。
化合物A−2−2としては、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールの一方のヒドロキシ基が(メタ)アクリル酸エステルを形成し、別の一方のヒドロキシ基がビニルエーテルを形成した化合物が好ましい。
本発明に好適に用いられる化合物A−2−2としては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが好ましく、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましく例示できる。
〔成分Aの含有量〕
本発明のインク組成物は、成分Aを、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含み、76〜95質量%含むことが好ましい。
なお、上記化合物A−1、化合物A−2−2、化合物A−2−1は、それぞれ1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよく、上記成分Aの含有量は、化合物A−1、化合物A−2−2、化合物A−2−1の総含有量である。
また、本発明のインク組成物は、化合物A−1を、インク組成物全質量に対して35質量%以上含むことが好ましく、35〜95質量%含むことがより好ましく、40〜80質量%含むことが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、化合物A−2を、インク組成物全質量に対して5〜40質量%含むことが好ましく、15〜40質量%含むことがより好ましい。
<成分B>
本発明のインク組成物は、成分Bとして、分子量が1,000以上であり、分子中に2以上のマレイミド構造を有する化合物を、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含有する。
成分Bは、硬化後のインク組成物の密着性の観点から、分子内にポリ(アルキレンオキシ)基を有することが好ましい。上記ポリ(アルキレンオキシ)基中のアルキレン基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。
また成分Bは、下記式B−1で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016160334
式B−1中、LB1は二価の連結基であり、XB1はエーテル結合(−O−)、エステル結合(−(C=O)−O−)、チオエーテル結合、チオエステル結合、ウレタン結合、又はカーボネート基を表し、QB1は単結合又は2価の炭化水素基を表し、mは1以上の整数を表し、nは2以上の整数を表し、ZB1はn価の連結基を表す。
インク組成物の硬化感度、及び、硬化後のインク組成物の密着性の観点から、LB1は単結合、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−(C=O)−O−)、カルボニル基又はそれらの組み合わせにより表される基が好ましく、カルボニル基とアルキレン基が結合した基がより好ましい。
上記カルボニル基とアルキレン基が結合した基としては、下記式B−1−2で表される基が好ましい。
Figure 2016160334
式B−1−2中、RB2は炭素数1〜4のアルキレン基であり、メチレン基が好ましい。
波線部は上記式B−1中のXB1と結合することが好ましく、*部はマレイミド構造中の窒素原子と結合することが好ましい。上記態様の場合、波線部と結合するXB1はエーテル結合(−O−)であることが好ましい。
B1は単結合、あるいは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の、アルキレン基であることが好ましい。
B1はエーテル結合(−O−)、エステル結合(−(C=O)−O−)又はカーボネート基であり、エーテル結合(−O−)が特に好ましい。
インク成分への溶解性及び硬化後のインク組成物の密着性の観点から、ZB1は脂肪族基、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−(C=O)−O−)、アミノ基及びそれらの組み合わせからなるn価の連結基であることが好ましい。
インク成分への溶解性及び吐出性の観点から、nは2〜6の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましい。
安全性の観点から、成分Bの分子量は1,000以上であり、1,000〜5,000が好ましい。
成分Bとしては、下記の化合物が例示できる。
Figure 2016160334
〔成分Bの製造方法〕
成分Bは、例えば、公知の方法により製造したマレイミドカルボン酸と、多価アルコール化合物をエステル化反応させることにより得る方法が挙げられる。
上記マレイミドカルボン酸の製造方法の一例としては、無水マレイン酸とグリシンを酢酸中で反応させた後に乾燥させる方法が挙げられる。
また、成分Bとしては市販の化合物を使用することも可能であり、BMI1500及びBMI3000(いずれもDesigner Molecules社製)が好ましく挙げられる。
〔成分Bの含有量〕
本発明のインク組成物は、成分Bを、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含み、2〜9質量%含むことが好ましく、5〜8質量%含むことがより好ましい。
また、成分Bは、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
<成分C>
本発明のインク組成物は、成分Cとして、分子量1,000以上の光増感剤を0.5〜10質量%含有する。
成分Cとしては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン類から選ばれる少なくとも1種の骨格を有する高分子量化された光増感剤が好ましい。中でも、チオキサントン類の骨格を分子内に有する化合物が好ましく、式C−1で表される骨格を分子内に有することが好ましい。
Figure 2016160334
式C−1中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、iは2〜4の整数を表し、jは0〜4の整数を表し、kは0〜3の整数を表し、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のi価の炭化水素基を表す。
式C−1中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、上記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。R1及びR2は、それぞれ独立に、エチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式C−1中、jは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。jが2以上の整数の場合、複数存在するR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式C−1中、kは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。kが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式C−1中、iは2〜4の整数を表し、3又は4であることがより好ましく、4であることが更に好ましい。
式C−1中、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のi価の炭化水素基を表す。
なお、式C−1において、連結基であるX1を除いたチオキサントン構造(式C−1中の、[ ]にて表された構造)を複数個(i個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
上記式C−1で表される化合物において、チオキサントン構造への置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 2016160334
1の置換位置は、1〜4位であり、2位、3位又は4位であることが好ましく、2位又は4位であることがより好ましく、4位であることが更に好ましい。
1の置換位置は、5〜8位であり、6位、7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、1〜4位であり、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
以下に具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2016160334
式C−1で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。
具体的には、Speedcure 7010(Lambson社製、1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxymethyl)propane、CAS No.1003567−83−6)が例示される。
〔成分Cの製造方法〕
また、式C−1で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、特開2014−13010号公報の段落0046〜0050に記載の方法により製造することができる。
〔成分Cの含有量〕
本発明のインク組成物は、成分Cを、インク組成物全質量に対して0.5〜10質量%含み、1〜5質量%含むことが好ましい。
また、成分Cは、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
<その他の成分>
本発明のインク組成物は、その他の成分として、着色剤、重合禁止剤、分散剤、界面活性剤、及び、その他の成分を含有してもよい。
以下、各任意成分の詳細について記載する。
〔着色剤〕
本発明において、インク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に上記インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加してもよい。また、分散性向上のため、予め溶剤又は成分Aのような分散媒体に添加し、均一分散あるいは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、成分Aのような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する成分Aは、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
〔重合禁止剤〕
本発明のインク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制の観点から、重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物全質量に対し、0.02〜2質量%であることが好ましい。
〔分散剤〕
本発明において、インク組成物は、分散剤を含有してもよい。
特に、インク組成物が上記着色剤を含有する場合、着色剤の分散のため、分散剤を含むことが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中の分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
〔界面活性剤〕
インク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。また、上記界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(例えば、有機フルオロ化合物等)やシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン化合物等)を用いてもよい。上記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。上記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物としては、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物であることが好ましい。変性の例として、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの変性の方法は組み合わせて用いられてもかまわない。また、中でもポリエーテル変性ポリシロキサン化合物がインクジェットにおける吐出安定性改良の観点で好ましい。
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の例としては、例えば、SILWET L−7604、SILWET L−7607N、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2161(日本ユニカー(株)製)、BYK306、BYK307、BYK331、BYK333、BYK347、BYK348等(BYK Chemie社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
これらの中でも、界面活性剤としてはシリコーン系界面活性剤が好ましく挙げられる。
インク組成物中の界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全質量に対し、0.0001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜2質量%であることがより好ましい。
〔その他の成分〕
本発明において、インク組成物は、必要に応じて、上記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含んでもよい。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
〔インク組成物の物性〕
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは5〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。インク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体(支持体)を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化の成分Aの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインクにじみを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
インク組成物の25℃における表面張力は、18mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、18mN/m以上35.0mN/m以下であることがより好ましく、20mN/m以上30.0mN/m以下であることが更に好ましく、20mN/m以上28.0mN/m以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、ブロッキング抑止に優れる印刷物が得られる。
なお、本発明における25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
〔インク組成物の組成〕
本発明のインク組成物は、成分Aを、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含み、76〜95質量%含むことが好ましく、80〜92質量%含むことがより好ましく、成分Bを、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含み、2〜9質量%含むことが好ましく、4〜8質量%含むことがより好ましく、成分Cを、インク組成物全質量に対して0.5〜10質量%含み、1〜2質量%含むことが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、上記成分A、成分B及び成分Cを、合計して、インク組成物全質量に対し、80〜100質量%含むことが好ましく、80〜98質量%含むことがより好ましく、84〜98質量%含むことが更に好ましい。
インク組成物中の着色剤の含有量は、インク組成物全質量に対し、0〜20質量%であることが好ましく、重合禁止剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、0〜2質量%であることが好ましく、分散剤の含有量は、インク組成物全質量に対し、0〜10質量%であることが好ましく、界面活性剤の含有量は、組成物全体の質量に対し、0〜5質量%であることが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、成分A、成分B、成分C、着色剤、重合禁止剤、分散剤、及び、界面活性剤を、合計して、インク組成物全質量に対し、95〜100質量%含むことが好ましく、98〜100質量%含むことがより好ましく、99〜100質量%含むことが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、分子量1,000未満の光重合開始剤を実質的に含まない。本発明で、「分子量1,000未満の光重合開始剤を実質的に含まない」とは、分子量1,000未満の光重合開始剤の含有量が、インク組成物全質量に対して1質量%以下であることをいう。分子量1,000未満の光重合開始剤の含有量はインク組成物全質量に対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
上記光重合開始剤とは、活性光線等の外部エネルギーを吸収してラジカル重合開始種を生成する化合物、及び、活性光線を吸収してラジカル重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる増感剤)の両方を含むものとする。
上記態様によれば、インク組成物を硬化した後の臭気の発生が抑制される。
また、本発明のインク組成物は、活性光線硬化型のインク組成物であり、水性インク組成物や溶剤インク組成物とは異なる。
本発明のインク組成物中の、水及び揮発性溶剤の含有量は、インク組成物全質量に対して1質量%未満であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における揮発性溶媒とは、沸点が150℃以下の溶媒であるものとする。
また、臭気防止の観点から、本発明のインク組成物中の、単官能重合性化合物の含有量は、インク組成物全質量に対して1質量%未満であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
本発明において、重合性化合物とは、分子内に重合性基を有する化合物をいい、単官能重合性化合物とは、分子中に重合性基を1つのみ有する化合物をいう。
上記重合性基としては、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基が挙げられる。
ラジカル重合性基を有する単官能重合性化合物としては、単官能(メタ)アクリレート化合物、単官能(メタ)アクリルアミド化合物、単官能芳香族ビニル化合物、単官能ビニルエーテル化合物(トリエチレングリコールジビニルエーテルなど)、単官能N−ビニル化合物(N−ビニルカプロラクタムなど)などが挙げられる。
なお、上記に記載した、光重合開始剤、揮発性溶媒、及び、単官能重合性化合物の含有量として記載した「質量%以下」及び「質量%未満」という記載には、全く含有しない態様、すなわち、0質量%を含むものとする。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録用インク組成物を被記録媒体へ吐出する吐出工程、及び、被記録媒体上のインク組成物に紫外線を照射して硬化する硬化工程を含むことを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、パッケージ印刷用に好適であり、食品包装用のパッケージ印刷に特に好適である。
以下、それぞれの工程について説明する。
<吐出工程>
本発明における吐出工程は、インク組成物を被記録媒体へ吐出する吐出工程であれば特に限定されず、被記録媒体上に本発明のインク組成物をインクジェット法によって吐出する工程である。
〔被記録媒体〕
本発明のインクジェット記録方法に用いられる被記録媒体(基材、支持体、記録材料等)としては、特に制限なく、公知の被記録媒体を使用することができる。
これらの中でも、軟包装用の食品包装パッケージ印刷用として、透明な被記録媒体であることが好ましい。
なお、本発明において「透明」とは、可視光線透過率が80%以上を意味するものとし、可視光線透過率が90%以上であることが好ましい。また、透明な被記録媒体は、透明であれば、着色していてもよいが、無色の被記録媒体であることが好ましい。
被記録媒体として具体的には、例えば、ガラス、石英、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。
また、透明な被記録媒体としては、これら樹脂が2種以上混合したものであってもよいし、また、これら樹脂が2層以上積層したものであってもよい。
中でも、被記録媒体としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなる画像形成面を有する被記録媒体であることが好ましく、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなる画像形成面を有する被記録媒体であることがより好ましく、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなる被記録媒体であることが更に好ましい。
ポリエチレンとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレンとしては、CPP(無延伸ポリプロピレン)、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、KOP(ポリ塩化ビニリデンコートOPP)、AOP(PVAコートOPP)、ポリエチレンテレフタラートとしては、二軸延伸ポリエステル、ナイロンとしては、ON(延伸ナイロン)、KON(延伸ナイロン)、CN(無延伸ナイロン)が好ましく用いられる。
その他、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合フィルム)、PVA(ビニロン),EVOH(ポリビニルアルコール)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン、サラン)、セロハン(PT、MST、Kセロ)、ZX(ゼクロン(ポリアクリロニトリル、PAN))、PS(ポリスチレン、スチロール)との組み合わせを用いることも好ましい。
パッケージの用途により、最適な素材が選択され、また、多層構造のフィルムとすることで、各素材の特徴が組み合わされたフィルムを作製することができる。
また、パッケージの強度向上、酸素遮断等の目的で、AL(アルミニウム箔)、VMフィルム(アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム)等を多層構造に組み込むことも可能である。
また、近年、樹脂を、平行した2つ以上のスリットから共に押出し、成膜すると同時にラミネートまで行う、共押出しフィルムも好ましく使用される。フィルム状にできないような数μmという薄いものでも最大5〜7層まで積層可能なので、いろいろな性能・用途のフィルムがつくられている。
上記被記録媒体の厚さとしては、特に制限はないが、1〜500μmであることが好ましく、2〜200μmであることがより好ましく、5〜100μmであることが更に好ましく、10〜90μmであることが特に好ましい。
〔吐出手段〕
吐出工程において、本発明のインク組成物は、インクジェット法により吐出される。
インク組成物をインクジェット法により吐出する手段としては、インクジェットヘッドを用いることが好ましい。インクジェットヘッドとしては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のヘッドが好適である。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の吐出工程における被記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性エネルギー線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは1,200×1,200dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
インク組成物として、1種のみを使用する場合には、インク組成物の単位面積当たりの総打滴量は、0.001〜10g/m2であることが好ましく、0.01〜9g/m2であることがより好ましく、0.5〜8g/m2であることが特に好ましい。
インク組成物として、2種以上を使用する場合には、インク組成物の単位面積当たりの総打滴量は、0.001〜10g/m2であることが好ましく、0.01〜9g/m2であることがより好ましく、0.5〜8g/m2であることが特に好ましい。
インク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
吐出時におけるインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが好ましい。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
また、吐出工程の前に、後述する下塗り工程を行った場合、下塗り組成物の付与後、インク組成物の液滴が最初に打滴されるまでの打滴間隔としては、5μ秒以上10秒以下であることが好ましく、10μ秒以上5秒以下であることがより好ましく、20μ秒以上5秒以下であることが特に好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、本発明のインク組成物を1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
例えば、カラー画像を形成する場合は、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色インク組成物を少なくとも使用することが好ましく、ホワイト、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色インク組成物を使用することがより好ましい。
また、ライトマゼンタやライトシアン等の淡色インク組成物、オレンジ、グリーン及びバイオレット等の特色インク組成物、クリアインク組成物、メタリックインク組成物等を使用してもよい。
本発明のインクジェット記録方法において、2種以上のインク組成物を吐出する場合、1種のインク組成物を吐出した後、次の他の1種のインク組成物を吐出する前に、吐出した上記インク組成物を半硬化する工程を含むことが好ましい。すなわち、本発明のインクジェット記録方法は、使用する各インク組成物毎に、上記インク組成物を吐出する工程、及び、吐出された上記インク組成物を活性エネルギー線の照射により半硬化する工程を含むことが好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮することができる。
なお、上記活性エネルギー線の照射により半硬化する工程は、後述する硬化工程に含まれる。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低いインク組成物から被記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、ブラック→マゼンタ→シアン→イエローの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはブラック→マゼンタ→シアン→イエロー→ホワイトの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトのインク組成物との計7色が少なくとも含まれるインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ブラック→マゼンタ→シアン→イエロー→ライトマゼンタ→ライトシアン→ホワイトの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
<硬化工程>
本発明のインクジェット記録方法は、上記吐出工程において吐出されたインク組成物に活性エネルギー線を照射してインク組成物を硬化する硬化工程を含む。
被記録媒体上に吐出された本発明のインク組成物は、活性エネルギー線を照射することによって硬化する。これは、活性エネルギー線の照射により、インク組成物に含まれる成分Bが重合開始種であるラジカルを発生することによる、成分A等の重合性化合物の重合反応や、成分Bと成分A中のビニルエーテル基との交互共重合反応、成分Bの重合反応が生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に成分Cが存在すると、系中の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、成分Bと接触することによって成分Bによるラジカルの発生や、成分A等の重合性化合物の重合反応を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性エネルギー線は、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性エネルギー線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、300〜420nmであることが更に好ましく、活性エネルギー線が、ピーク波長が400nm以下の紫外線であることが特に好ましい。
また、本発明のインク組成物の、重合開始系は、低出力の活性エネルギー線であっても十分な感度を有するものである。照射に用いられる光源が、発光ダイオード及び/又はレーザーダイオードであっても十分な硬化特性を得られる。露光面照度は、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
紫外線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
本発明において、活性光線の照射に用いられる光源は、発光ダイオード及び/又はレーザーダイオードであることが好ましく、紫外線発光ダイオード及び/又は紫外線レーザーダイオードであることがより好ましい。
例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた紫外線を放出し得るLEDを開示している。
また、他の紫外線発光LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で好ましい紫外線源はUV−LED又はUV−LDであり、特に好ましい紫外線源はUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、軟包装パッケージ印刷用に好適であり、軟包装パッケージでは、上述したように、比較的膜厚の薄い被記録媒体を使用することが好ましい。この場合、LEDを使用すると、熱による被記録媒体の変形、収縮が抑制されるので好ましい。
硬化工程においては、インク組成物に対し活性エネルギー線を、好ましくは0.01〜120秒照射することが好ましく、0.1〜90秒照射することがより好ましい。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるため好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したような態様を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の高い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の高いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
活性エネルギー線を照射する雰囲気は、特に制限はないが、酸素濃度を2体積%以下とすることが好ましく、酸素濃度を1体積%以下とすることがより好ましく、酸素濃度300ppm以下にすることが更に好ましい。上記範囲であると、硬化性、特に表面硬化性に優れる。
また、上記酸素濃度の調整は、窒素パージにより行われることが好ましい。
上記硬化工程は、吐出されたインク組成物により形成された画像に活性エネルギー線を照射し半硬化させる半硬化工程を含むことがより好ましい。
また、吐出工程において、2種以上のインク組成物を吐出する場合、1種のインク組成物を吐出した後、次の他の1種のインク組成物を吐出する前に、吐出されたインク組成物により形成された画像に活性エネルギー線を照射し半硬化する工程をそれぞれ含むことが好ましい。
更に、最後のインク組成物を吐出した後は、吐出されたインク組成物により形成された画像に活性エネルギー線を照射し半硬化する工程を行っても、行わなくてもよいが、行わないことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、インク組成物を半硬化させる方法としては、特に制限はないが、以下に示す方法を好ましく例示できる。
本発明において、「半硬化」とは、部分的な硬化(partially cured; partial curing)を意味し、インク組成物が部分的に硬化しているが完全に硬化していない状態をいう。被記録媒体(基材)上に適用されたインク組成物上に吐出された別のインク組成物が半硬化している場合、硬化の程度は不均一であってもよい。例えば、インク組成物は深さ方向に硬化が進んでいることが好ましい。
インク組成物を半硬化させる方法としては、インク組成物に紫外線を与えて硬化反応を起こさせる方法など、既知の増粘方法が挙げられる。
紫外線与えて半硬化反応を起こさせる方法とは、被記録媒体に付与されたインク組成物の表面における重合性化合物の重合反応を不充分に行う方法である。
本発明のインク組成物を、空気中又は部分的に不活性ガスで置換した空気中等の酸素を多く含む雰囲気中で重合させる場合には、酸素のラジカル重合抑制作用のために、被記録媒体上に適用されたインク組成物の液滴(以下、インク組成物液滴ともいう。)の表面においてラジカル重合が阻害される傾向がある。この結果、半硬化は不均一となり、インク組成物液滴の内部でより硬化が進行し、表面の硬化が遅れる傾向となる。
本発明のインク組成物を、ラジカル重合抑制的な酸素の共存下で使用して、部分的に光硬化すると、インク組成物の硬化は外部よりも内部にて、より進行する。
特に、上記インク組成物の表面においてはその内部と比べて空気中の酸素の影響で重合反応が阻害され易い。したがって、活性エネルギー線又は熱の付与条件を制御することにより、インク組成物を半硬化させることができる。
照射する活性エネルギー線のピーク波長は、例えば、200〜600nmであることが好ましく、250〜400nmであることがより好ましい。
インク組成物の半硬化に必要なエネルギー量は、成分Bの種類や含有量などによって異なるが、1〜500mJ/cm2が好ましい。
活性エネルギー線の付与により、成分Bの分解による活性種の発生が促進されると共に、活性種の増加や温度上昇により、活性種に起因する重合性又は架橋性材料の重合もしくは架橋による硬化反応が促進される。
また、増粘(粘度上昇)も、活性光の照射によって好適に行うことができる。
本発明のインク組成物の未重合率は、エチレン性不飽和基の反応率により定量的に測定することができる(後述)。
インク組成物の半硬化状態を活性エネルギー線の照射や加熱によって重合を開始する重合性化合物の重合反応によって実現する場合は、印刷物の擦過性を向上させる観点から、未重合率(A(重合後)/A(重合前))は、0.2以上0.9以下であることが好ましく、0.3以上0.9以下であることがより好ましく、0.5以上0.9以下であることが特に好ましい。
ここで、A(重合後)は、重合反応後の重合性基による赤外吸収ピークの吸光度であり、A(重合前)は、重合反応前の重合性基による赤外吸収ピークの吸光度である。例えば、インク組成物の含有する重合性化合物がアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーである場合は、810cm-1付近に重合性基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基)に基づく吸収ピークが観測でき、該ピークの吸光度で、上記未重合率を定義することが好ましい。また、重合性化合物がオキセタン化合物である場合は、986cm-1付近に重合性基(オキセタニル基)に基づく吸収ピークが観測でき、該ピークの吸光度で、上記未重合率を定義することが好ましい。重合性化合物がエポキシ化合物である場合は、750cm-1付近に重合性基(エポキシ基)に基づく吸収ピークが観測でき、該ピークの吸光度で、上記未重合率を定義することが好ましい。
また、赤外吸収スペクトルを測定する手段としては、市販の赤外分光光度計を用いることができ、透過型及び反射型のいずれでもよく、サンプルの形態で適宜選択することが好ましい。例えば、BIO−RAD社製赤外分光光度計FTS−6000を用いて測定することができる。
〔完全硬化工程〕
また、上記半硬化工程を行った場合、硬化工程は、上記画像に活性エネルギー線を照射して完全硬化する完全硬化工程を含むことが好ましい。
本発明における「完全硬化」とは、被記録媒体上の下塗り液及びインク組成物の内部及び表面が完全に硬化した状態をいう。具体的には、普通紙(例えば、富士ゼロックス(株)製コピー用紙C2、商品コードV436)を均一な力(500〜1,000mN/cm2の範囲内で一定の値)押し当てて、普通紙に液表面が転写したかどうかによって判断することができる。すなわち、全く転写しない場合を完全に硬化した状態という。
また、本発明のインクジェット記録方法における、被記録媒体の搬送速度、すなわち、印刷速度は、15m/min〜300m/minであることが好ましく、20m/min〜200m/minであることがより好ましく、25m/min〜100m/minであることが更に好ましい。
<下塗り工程>
本発明のインクジェット記録方法は、上記吐出工程の前に、被記録媒体に下塗り層を形成する下塗り工程を含んでもよい。
上記下塗り層を形成する下塗り組成物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、後述する下塗り組成物を用いることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、被記録媒体上に下塗り組成物を付与する手段としては、塗布装置又はインクジェットノズル等を用いることができ、塗布装置を用いることが好ましい。
上記塗布装置としては、特に制限はなく、公知の塗布装置の中から目的等に応じて適宜選択することができ、例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロットコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター及び押出コーター等が挙げられる。詳しくは、原崎勇次著「コーティング工学」を参照できる。
中でも、装置コストの点で、下塗り組成物の被記録媒体上への付与は、比較的安価なバーコーター又はスピンコーターを用いた塗布が好ましい。
下塗り組成物は、吐出工程において被記録媒体上にインク組成物の吐出によって形成される画像と同一領域又は上記画像より広い領域に付与することが好ましく、画像が形成可能な領域の全面を覆うように付与されることが好ましい。
下塗り組成物の付与量(単位面積当たりの質量)は、0.05〜5g/m2であることが好ましく、0.06〜3g/m2であることがより好ましい。下塗り組成物の付与量が上記範囲内であると、十分な密着性改良効果が得られると共に、柔軟性に優れた印刷物が得られるので好ましい。
また、下塗り組成物の付与量(単位面積あたりの質量比)としては、単位面積あたりのインク組成物の最大付与量(1色当たり)を1とした場合に0.05〜5の範囲内であることが好ましく、0.07〜4の範囲内であることがより好ましく、0.1〜3の範囲内であることが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、吐出工程の前に、下塗り層を半硬化させる工程を含むことが好ましい。
下塗り層を半硬化させる方法としては、特に制限はなく、熱又は活性光線により半硬化させる方法が挙げられるが、下塗り層に紫外線を照射する、すなわち、紫外線露光により硬化反応を起こさせる方法が好ましく例示できる。
下塗り層の半硬化に必要なエネルギー量は、組成、特に重合開始剤の種類や含有量などによって異なるが、1〜500mJ/cm2であることが好ましい。
なお、下塗り層の半硬化は、上記インク組成物の半硬化と同様に行うことができ、使用される露光装置及び露光条件、並びに、好ましい態様も同様である。
また、下塗り層を半硬化させる工程を含む場合、硬化工程における紫外線の照射によって、下塗り層を完全硬化させることが好ましい。
〔下塗り組成物〕
本発明のインクジェット記録方法において、下塗り層の形成に使用される下塗り組成物は、イソシアネート基を有する化合物、重合性化合物、及び、重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に使用される下塗り組成物は、紫外線により硬化可能な油性の液体組成物であることが好ましい。
下塗り組成物に用いられる重合性化合物及び重合開始剤としては、インク組成物における成分A及び成分Bも用いられるが、後述する重合性化合物及び重合性開始剤を用いることが好ましい。
下塗り組成物は、多官能重合性化合物を、重合性化合物の総含有量に対して、70質量%以上含有することが好ましい。上記範囲であると、得られる印刷物における残留モノマー量をより少なくすることができる。
下塗り組成物における重合性化合物の含有量は、密着性及びブロッキング抑止両立の観点から、下塗り組成物の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。
重合開始剤の含有量は、下塗り組成物の全質量に対し、1.0〜15質量%であることが好ましく、1.5〜10質量%であることがより好ましく、2.0〜8.0質量%であることが更に好ましく、2.0〜5.0質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性に優れる。
−重合性化合物−
本発明に用いられる下塗り組成物は、重合性化合物(「モノマー」ともいう。)を含む。
下塗り組成物に用いられる重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物であっても、カチオン重合性化合物であってもよいが、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
カチオン重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のカチオン重合性化合物を用いることができ、硬化性及び耐擦過性の観点から、エポキシ環を有する化合物、オキセタン環を有する化合物及びビニルエーテル化合物が好ましく挙げられ、エポキシ環を有する化合物及びオキセタン環を有する化合物がより好ましく挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のエチレン性不飽和化合物を用いることができ、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
下塗り組成物に用いられる重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
下塗り組成物における重合性化合物は、多官能重合性化合物を含むことが好ましく、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能重合性化合物を含むことがより好ましく、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有する2官能重合性化合物を含むことが更に好ましい。
また、下塗り組成物は、重合性化合物として、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能重合性化合物を、下塗り組成物の全質量に対して、75質量%以上含むことが好ましく、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有する2官能重合性化合物を、下塗り組成物の全質量に対して、75質量%以上含むことがより好ましい。
分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能重合性化合物としては、炭素数6〜12の脂肪族炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル(2官能(メタ)アクリレート化合物)が好ましく例示される。炭化水素ジオールは、直鎖炭化水素ジオール、分岐炭化水素ジオール及び環状炭化水素ジオールのいずれでもよく、直鎖炭化水素ジオール及び分岐炭化水素ジオールが好ましく例示される。
炭素数6〜12の脂肪族炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリル酸エステルは、粘度が低いため好ましい。
炭素数6〜12の脂肪族炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましく例示される。
これらの中でも、デカンジオールジアクリレート、ドデカンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタアクリレートがより好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレートが更に好ましい。
また、分子中に1以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能重合性化合物としては、具体的には、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
下塗り組成物に用いられる重合性化合物として、更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、(株)日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
下塗り組成物に用いられる重合性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
下塗り組成物における重合性化合物の含有量は、密着性及びブロッキング抑止両立の観点から、下塗り組成物の全質量に対して、10〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることが好ましく、70〜85質量%であることが更に好ましい。
−重合開始剤−
下塗り組成物は、重合開始剤を含むことが好ましく、ラジカル重合性化合物を含有する場合は、ラジカル重合性開始剤を含有し、カチオン重合性化合物を含有する場合は、カチオン重合開始剤を含有することがより好ましい。中でも、重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。
下塗り組成物に用いられる重合開始剤は、光重合開始剤であることが好ましく、光ラジカル重合開始剤であることがより好ましい。
下塗り組成物に用いられるカチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤は、光の作用、又は、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸又は塩基を生成する化合物であり、中でも、露光という簡便な手段で重合開始させることができるという観点から上記光ラジカル発生剤、又は、光酸発生剤であることが好ましい。
下塗り組成物においては、以下に詳述する重合開始剤の中から、併用されるカチオン重合性化合物又はラジカル重合性化合物との関係等を考慮して、カチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を適宜選択して使用することができる。
具体的な光重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Reviews,93,435(1993).や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993).や、J.P.Faussier“Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications”:Rapra Review vol.9,Report,Rapra Technology(1998).や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く記載されている。
また、(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く記載されている。更には、F.D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G.G.Maslak,Topics in Current Chemistry,168,1(1993)、H.B.Shuster et al.,J.Am.Chem.Soc.,112,6329(1990)、I.D.F.Eaton et al.,J.Am.Chem.Soc.,102,3298(1980)等に記載されているような、増感剤の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的又は還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
カチオン重合開始剤(好ましくは光酸発生剤)としては、紫外線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを好ましく挙げることができる。
また、カチオン重合開始剤としては、硬化性の点から、上記した中でも、芳香族オニウム塩が好ましく、ヨードニウム塩、スルホニウム塩がより好ましく、ヨードニウムのPF6塩、スルホニウム塩のPF6塩が特に好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤であることがより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。上記ラジカル重合開始剤の詳細については、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されているもの、及び、特開2014−43010号公報の段落0024〜0080に記載されているものが例示できる。
−イソシアネート基を有する化合物−
下塗り組成物は、イソシアネート基を有する化合物を含むことが好ましい。
下塗り組成物に用いられるイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されず、公知のイソシアネート化合物を使用することができる。
イソシアネート基を有する化合物は、脂肪族又は芳香族イソシアネートのどちらであってもよいが、安全性や安定性の観点から脂肪族イソシアネートが好ましい。
また、イソシアネート基を有する化合物としては、上市されている製品を使用することもできる。例えば、タケネートD103H、D204、D160N、D170N、D165N、D178NL、D110N等のタケネートシリーズ(三井化学(株)製)、コロネートHX、HXR、HXL、HXLV、HK、HK−T、HL、2096(日本ポリウレタン工業(株)製)が好ましく挙げられる。
また、TM−550とCAT−RT−37−2K(東洋モートン(株)製)や、XC233−2とXA126−1等のXシリーズの無溶剤接着剤(大日精化工業(株)製)といった、イソシアネート化合物と後述するポリオール化合物との2液混合型接着剤の市販品を使用することもできる。
イソシアネート基を有する化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート基を有する化合物の含有量は、下塗り組成物の全質量に対し、2〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜75質量%が更に好ましい。
−ポリオール化合物−
下塗り組成物は、ポリオール化合物を含有してもよい。
ポリオール化合物としては、ジオール化合物が好ましい。
ポリオール化合物としては、特に限定されないが、イソシアネート化合物がTM−550である場合には、CAT−RT−37−2K(東洋モートン(株)製)、イソシアネート化合物がXC233−2である場合には、XA126−1等のXシリーズの無用剤接着剤(大日精化工業(株)製)といった、イソシアネート化合物とポリオール化合物との2液混合型接着剤として市販されている製品を用いることが可能である。
ポリオール化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる下塗り組成物がポリオール化合物を含有する場合、ポリオール化合物の含有量は、下塗り組成物の全質量に対し、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
−バインダーポリマー−
下塗り組成物は、バインダーポリマーを含んでもよい。バインダーポリマーとしては、重合性基を有しない不活性な樹脂が好ましい。
バインダーポリマーとしては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂等の公知のバインダーポリマーを使用できるが、アクリル樹脂が好ましく、不活性な、メチルメタクリレート単独重合体及び/又は共重合体がより好ましい。例えば、Aldrich社製のポリメチルメタクリレート(分子量10,000、カタログ番号81497;分子量20,000、カタログ番号81498;分子量50,000、カタログ番号81501)、メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体(質量比85/15、分子量75,000;カタログ番号474029)等;Lucite Intenational社製のELVACITE2013(メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体、質量比36/64、分子量37,000)、2021、2614、4025、4026、4028等;Rohm and Haas社製のParaloid DM55、B66等;Dianal America社製のBR113、115等が挙げられる。
バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1,000以上であることが好ましく、1,000〜1,000,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが更に好ましく、8,000〜100,000であることが特に好ましい。
バインダーポリマーは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
バインダーポリマーの含有量は、下塗り組成物の全質量に対し、0.2〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
バインダーポリマーの含有量が上記範囲内であれば、ブロッキング抑止に優れる印刷物を得ることができる。
−着色剤−
本発明に用いることができる下塗り組成物は、着色剤を含有してもよいが、白色着色剤を含有するか、又は、含有しないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。
白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
また、下塗り組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、下塗り組成物の全質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
−その他の成分−
本発明に用いられる下塗り組成物は、分散剤、界面活性剤、重合禁止剤、及び、その他の成分を含有してもよい。
下塗り組成物に用いられる分散剤、界面活性剤、重合禁止剤、及び、その他の成分としては、上述した本発明のインク組成物における分散剤、界面活性剤、重合禁止剤、及び、その他の成分を好適に用いることができ、また、好ましい態様は同様である。
−下塗り組成物の物性−
本発明においては、下塗り層をインクジェット法により設ける場合、吐出性を考慮し、下塗り組成物の25℃における粘度は、40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。下塗り組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体(支持体)を用いた場合でも、被記録媒体中への下塗り組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。
下塗り組成物の25℃における表面張力は、15mN/m〜40mN/mであることが好ましく、20mN/m〜35mN/mであることがより好ましく、20mN/m〜30mN/mであることが更に好ましい。
−下塗り組成物の調製−
下塗り組成物の調製方法としては、各成分を撹拌混合することにより調製することができる。
ここで、下塗り組成物の調製時には、下塗り組成物に含まれる全ての成分を同時に撹拌混合してもよいし、イソシアネート化合物及び/又はラジカル重合開始剤以外の各成分を撹拌混合した組成物を保存しておき、イソシアネート化合物及び/又はラジカル重合開始剤は使用前に追加することにより下塗り組成物を調製してもよい。
下塗り組成物は、調製後一日以内に被記録媒体に塗布されることが、塗布性の観点から好ましい。
<ラミネート加工工程>
本発明のインクジェット記録方法は、硬化工程の後に、上記画像上に接着層及びラミネートフィルムを少なくとも形成するラミネート加工工程を更に含むことが好ましい。
また、上記ラミネート加工工程は、上記画像側の被記録媒体の全面に接着層及びラミネートフィルムを形成するラミネート加工工程であることがより好ましい。
ラミネート加工により、印刷物からのインク組成物成分の溶出、ブロッキング、並びに、残留モノマーの揮発及び溶出を抑制でき、特に食品パッケージ用として、好ましく使用できる。
接着層としては、特に制限はなく、公知の接着剤を、公知の方法により塗布して形成することが可能である。
ラミネートフィルムとしては、樹脂フィルムが好適に用いられ、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルムが例示できる。また、それらのフィルムは2軸延伸されていてもよい。
ラミネート加工工程においては、接着層を画像上に形成した後にラミネートフィルムを貼り合わせても、先にラミネートフィルムに接着層を付与した後に画像上に貼り合わせてもよい。
ラミネート加工の方法としては、特に制限なく公知の方法が使用できるが、ドライラミネ−ションが例示できる。
基材に樹脂フィルムを用いた場合、選択するラミネート加工の方法にもよるが、基材のラミネート加工が行われる面に使用されている樹脂フィルムと接着性が高い樹脂フィルムを使用することが好ましい。
(インクジェット記録装置)
本発明で好適に使用されるインクジェット記録装置について、更に詳述する。
本発明に好適に使用されるインクジェット記録装置は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、上記被記録媒体上に下塗り組成物を付与する付与手段と、上記下塗り組成物上にインク組成物をインクジェット吐出する吐出手段と、紫外線を照射する紫外線照射手段と、を有することが好ましい。
また、本発明に用いられるインクジェット記録装置は、いわゆるシングルパス方式のインクジェット記録装置であることが好ましい。
図1は、本発明で好ましく使用されるインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。なお、下記装置は、下塗り組成物半硬化用露光光源17を有するが、このような半硬化光源を有しない装置であっても、本発明には好適に使用することができる。
被記録媒体12の搬送手段である、送り出しローラー24及び巻き取りローラー26により張架された被記録媒体12は、矢印A方向に搬送され、下塗り組成物塗布ローラー14により下塗り組成物が付与される。続いて、下塗り組成物半硬化用露光光源17により下塗り組成物が半硬化される。続いて、各色のインク組成物を吐出するインクジェットヘッド18K、18C、18M、18Y、18Wにて、各色のインク組成物(K:ブラック、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、W:ホワイト)が吐出され、インクジェットヘッド18K、18C、18M、18Yのすぐ後に設置された半硬化用露光光源20K、20C、20M、20Yにより、吐出されたブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンインク組成物が半硬化される。なお、半硬化用露光光源17、20K、20C、20M、20Yは、いずれも紫外線露光光源である。最後に、窒素パージ紫外線露光光源ユニット22により、貧酸素雰囲気下において被記録媒体が露光され、半硬化された上記下塗り組成物及びインク組成物の全体が硬化される。
窒素パージ紫外線露光光源ユニット22は、例えば、紫外線源が不活性ガスブランケットに囲まれており、不活性ガス配管を介して不活性ガス発生装置に接続しており、不活性ガス発生装置を稼働させると、ブランケット内の空気は不活性ガスに置換される態様が好ましく挙げられる。不活性ガスは、既述の通り、窒素などを利用することができる。
図1では、搬送精度を向上させるため、ニップロール28が設けられている。ニップロールを用いると、より正確な搬送性が実現され、見当のずれ(着弾位置のずれ)が抑制される。なお、ニップロール28は必須ではなく、ニップロールを有してないインクジェット記録装置を使用してもよい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
<着色剤>
・IRGALITE RED D3773(C.I.Pigment Red 48:4、マゼンタ顔料、BASF社製)
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASF・ジャパン(株)製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASF・ジャパン(株)製)
・タイペーク CR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
<分散剤>
・EFKA7701(BASF社製)
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製)
<成分A>
・SR341:3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート(Sartomer社製)
・VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル((株)日本触媒製)
・DVE−3:トリエチレングリコールジビニルエーテル(BASF社製)
・SR9003:プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(Sartomer社製)
<成分B>
・IRGACURE 819 (ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、分子量419)
・MI−3:(合成品、下記構造の化合物、重量平均分子量1,270)
・BMI1500、長鎖アルキルビスマレイミドオリゴマー(Designer Molecules社製、下記構造の化合物、分子量約1,500)
<成分C>
・Speedcure7010(Lambson社製、分子量1,899)
<重合禁止剤>
・UV−22(Irgastab(登録商標) UV−22、Poly[oxy(methyl-1,2-ethanediyl)]-α,α',α”-1,2,3-propanetriyltris[-[(1-oxo-2-propen-1-yl)oxy]-2,6-bis(1,1-dimethylethyl)-4-(phenylenemethylene)cyclohexa-2,5-dien-1-one]、BASF社製)
<界面活性剤>
・BYK−307(シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、BYK Chemie社製)
〔MI−3の合成〕
−マレイミド酢酸の合成−
冷却管及び撹拌機を備えた3つ口フラスコに、グリシン30.0g、無水マレイン酸39.2g及び酢酸500mlを仕込み、室温にて2時間反応したのち、130℃の油浴中で4時間反応を行った。酢酸を減圧留去し、得られた粗体をアセトン500mL及びトルエン1Lの混合溶媒中で撹拌した。不溶物をろ過で除去したのち、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルと水を加えて分液操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去したのち、酢酸エチルから再結晶を行うことで、マレイミド酢酸16.3gを得た。
−マレイミド化合物(MI−3)の合成−
3つ口フラスコに、Aldrich製のポリ(プロピレングリコール) (GPCによるポリスチレン換算値:数平均分子量950、重量平均分子量1,000) 5.0g、マレイミド酢酸2.33g、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.03g及び脱水THF50mLを加えて室温で溶解させたのち、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド3.1gを添加し、室温で4時間反応させた。溶媒を減圧留去後、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的のマレイミド化合物(MI−3) 2.50gを得た。(GPCによるポリスチレン換算値:数平均分子量1,150、重量平均分子量1,270)
Figure 2016160334
<顔料分散液(マゼンタ)の調製>
IRGALITE RED D3773を300質量部と、SR341を1,050質量部と、EFKA7701を150質量部と、を撹拌混合し、マゼンタ顔料分散液を得た。なお、マゼンタ顔料分散液の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<インク組成物の調製>
表1に示す割合で、各素材をミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて、室温(25℃)で4,000回転/分にて20分撹拌混合し、実施例1〜7、比較例1〜3で使用したインク組成物をそれぞれ調製した。表1に示す各成分の数値は含有量を表し、その単位は質量部である。また、表中の「−」の記載は、その成分を含有していないことを意味する。
<硬化性評価>
得られたインク組成物を、(株)東芝製インクジェットヘッド(CA3)でPET(厚み12um)上に6μmの厚みになるようベタ印字してから、窒素パージ露光機((株)ジーエス・ユアサコーポレーション製、CSNT−40、光源:メタルハライドランプ)を用い、酸素濃度0.5体積%の雰囲気中で、露光1回について積算露光量が1,000mJ/cm2となる条件で、露光し、基材上に硬化膜を有する印画物を得た。硬化皮膜を指で触れてべたつきが無くなるまで露光を繰り返した。評価がA又はBであれば実用上問題ない。
印画物の作成後、下記評価基準に従い硬化性を評価した。評価結果は表1に記載した。
A:1回
B:2回以上3回以下
C:4回以上6回以下
D:7回以上
<臭気評価>
硬化性評価と同様の方法により作製した印画物を、5cm四方にカットし、10cm×10cmのジップ付ビニール袋に内包し24時間室温(25℃)で放置した。その後、ジップを解放し、下記評価基準に従って臭気評価を行った。評価がA又はBであれば実用上問題ない。なお、この評価は、露光を6回行った硬化膜で行った。評価結果は表1に記載した。
A:ほぼ無臭である。
B:ある程度の臭気があるが不快なレベルではない。
C:非常に強い臭気がある。
<密着性評価>
上記インクジェット記録方法に従い、評価基材に対し、実施例及び比較例のインク組成物を用いて平均膜厚が12μmのベタ画像のインク描画を行い、そのインク画像を5cm×2cmにカットし、JIS K5600−5−6:塗膜の付着性(クロスカット法)に準じて評価した。評価基材としては、未処理ポリエチレンテレフタレート(PET)(東レ(株)製、ルミラーT60)を使用した。
評価基準を以下に示す。
A:JIS 5600−5−6に記載の評価で1又は0
B:JIS 5600−5−6に記載の評価で2、3のいずれか
C:JIS 5600−5−6に記載の評価で4又は5
なお、評価A又はBであれば、実用上問題のない許容範囲である。
Figure 2016160334
実施例1〜実施例7と比較例1〜比較例3の結果から明らかなように、分子量が1,000以上であり、分子中に2以上のマレイミド構造を有する化合物と分子量1,000以上の光増感剤、を用いることにより、臭気が低く密着性のよい印画物が得られた。実施例1及び実施例3〜5と、比較例3との比較から、化合物A−1と化合物A−2を両方含むことにより、硬化性に優れ、硬化後の臭気、密着性に優れたインク組成物が得られたことがわかる。
実施例1と実施例2の比較からわかるように、2官能以上のビニルエーテル化合物(化合物A−2−1)を含む方が、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物(化合物A−2−2)を同量含むより硬化性が優れていた。
実施例1、実施例3〜5の比較から示されるように、2官能以上のビニルエーテル化合物(化合物A−2−1)の含有量は5〜40質量%であると硬化性が優れていた。
(実施例8)
露光光源として、385nmにピークを有するLED光源を用い、積算露光量が2,000mJ/cm2となるように露光した以外は実施例6と同様に印画物を作製した。硬化サンプルは指で触れてもべたつきなく、ほぼ無臭であった。
(実施例9)
露光を酸素濃度1.5体積%の雰囲気中で行った以外は、実施例6と同様に印画物を作製し、硬化性、臭気及び密着性の評価を行った。
硬化性評価の結果はB、臭気評価の結果はB、密着性評価の結果はCであった。
<実施例10〜13>
顔料分散液(マゼンタ)と同様にして、表2に示す組成、分散条件で顔料分散液(イエロー)、顔料分散液(シアン)、顔料分散液(ブラック)及び顔料分散液(ホワイト)を調製した。
顔料分散液(マゼンタ)を、上記顔料分散液(イエロー)、顔料分散液(シアン)、顔料分散液(ブラック)又は顔料分散液(ホワイト)に変更した以外は、表3に記載するように、実施例6と同様にインク組成物及び印画物を作製し、硬化性、臭気及び密着性の評価を行った(実施例10〜13)。実施例10〜13における硬化性評価、臭気評価、密着性評価の結果は、表3に記載した。
Figure 2016160334
Figure 2016160334
表3に記載の結果から、シアン顔料、イエロー顔料、ブラック顔料又はホワイト顔料を含む本発明のインク組成物も、硬化性に優れ、また硬化後のインク組成物は、臭気、及び密着性に優れていた。
表1及び表3の結果により、本発明のインク組成物である、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、ブラックインク又はホワイトインクは、硬化性に優れ、また硬化後の臭気、及び密着性に優れていることがわかる。
<実施例14>
実施例6、及び実施例10〜13において作製した、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック、ホワイトの顔料をそれぞれ含むインク組成物を用いて(株)東芝製インクジェットヘッド(CA3)でPET(厚み12μm)上に6μm〜12μmの厚みになるようフルカラーで画像形成した。窒素パージ露光機((株)ジーエス・ユアサコーポレーション製、CSNT−40、光源:メタルハライドランプ)を用い、酸素濃度0.5体積%の雰囲気中で、露光1回について積算露光量が1,000mJ/cm2となる条件で、露光し、基材上に硬化膜を有する印画物を得た。硬化皮膜を指で触れてべたつきが無くなるまで露光を繰り返した。
12:被記録媒体、14:下塗り組成物塗布ローラー、17:下塗り組成物半硬化用露光光源、18K,18C,18M,18Y,18W:インクジェットヘッド、20K,20C,20M,20Y:半硬化用露光光源、22:窒素パージ露光光源ユニット、24:送り出しローラー、26:巻き取りローラー、28:ニップロール

Claims (8)

  1. 成分Aとして、A−1:2官能以上の(メタ)アクリレート化合物、並びに、A−2:2官能以上のビニルエーテル化合物及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエーテル基を有する化合物を、インク組成物全質量に対して75質量%より多く含み、
    成分Bとして、分子量が1,000以上であり、分子中に2以上のマレイミド構造を有する化合物を、インク組成物全質量に対して1〜10質量%含み、
    成分Cとして、分子量1,000以上の光増感剤をインク組成物全質量に対して0.5〜10質量%含み、
    分子量1,000未満の光重合開始剤を実質的に含まないことを特徴とする
    インクジェット記録用インク組成物。
  2. 成分Cが、式C−1で表される骨格を分子内に有する化合物を含む、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
    Figure 2016160334
    式C−1中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、iは2〜4の整数を表し、jは0〜4の整数を表し、kは0〜3の整数を表し、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のi価の炭化水素基を表す。
  3. 前記A−1を、インク組成物全質量に対して35質量%以上含有し、かつ、前記A−2を、インク組成物全質量に対して5〜40質量%含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  4. インクジェット記録用インク組成物中の、水及び揮発性溶剤の含有量が、インク組成物全質量に対して1質量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  5. インクジェット記録用インク組成物中の、単官能重合性化合物の含有量が、インク組成物中に含まれる重合性化合物の総質量に対して、0.5質量%未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物を被記録媒体へ吐出する吐出工程、及び、
    被記録媒体上のインク組成物に活性エネルギー線を照射して硬化する硬化工程を含むことを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  7. 前記硬化工程が、酸素濃度1体積%以下の雰囲気中で行われる、請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記硬化工程における活性エネルギー線の照射に用いられる光源が、発光ダイオード及び/又はレーザーダイオードである、請求項6又は7に記載のインクジェット記録方法。
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