JP2016033628A - 感放射線性樹脂組成物、硬化膜及びその形成方法、並びに表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[A]同一又は異なる重合体中に、式(1)で表される基を有する構造単位と架橋性基を有する構造単位とを含む重合体成分、並びに[B]オキシムスルホネート基を有する化合物及びN−スルホニルオキシイミド化合物の少なくとも一つを含む感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物。R1、R2及びR3は、水素原子、アルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、これらの基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基、又は−SiRA 3である。RAは、炭素数1から10のアルキル基である。
【選択図】なし
Description
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]同一又は異なる重合体中に、下記式(1)で表される基を有する第1構造単位と、架橋性基を有する第2構造単位とを含む重合体成分(以下、「[A]重合体成分」ともいう。)並びに[B]下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を有する化合物及びN−スルホニルオキシイミド化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む感放射線性酸発生体(以下、「[B]感放射線性酸発生体」ともいう。)を含有することで、放射線感度及び保存安定性に優れ、耐薬品性、現像後のパターン密着性及び露光引き置き後のパターン密着性に優れる硬化膜を形成できる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、上記[A]重合体成分が第1構造単位と第2構造単位とを含むことで、硬化膜においてケイ素原子が分散した構造が形成される。この結果、硬化膜の耐薬品性が向上すると共に、このケイ素原子の存在により、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性が向上すると考えられる。また、上記構造により、硬化膜と基板との間に現像液等が染み込み難くなり、その結果パターン密着性が向上すると考えられる。
[A]重合体成分は、同一又は異なる重合体中に、下記式(1)で表される基を有する第1構造単位と、架橋性基を有する第2構造単位とを含む。
第1構造単位は、下記式(1)で表される基を有する。
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基などが挙げられる。
ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基等のアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ナフタレンジイルシクロヘキサンジイル基等のアレーンジイル(シクロ)アルカンジイル基などが挙げられる。
−SO−、−SO2−、−SO2O−、−SO3−等のヘテロ原子のみからなる基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。
第2構造単位は、架橋性基を含んでいる。当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜は、[A]重合体成分が架橋性基を含む第2構造単位を有することで、[A]重合体成分を構成する重合体同士又は[A]重合体成分を構成する重合体と後述する[D]環状エーテル基を有する化合物等との架橋により強度を高めることができる。
第3構造単位は、酸解離性基を有する。この酸解離性基は、重合体においてカルボキシ基やフェノール性水酸基等を保護する保護基として作用する。このような保護基を有する重合体は、通常、アルカリ水溶液に不溶又は難溶である。この重合体は、保護基が酸解離性基であることから、酸の作用により保護基が解裂することで、アルカリ水溶液に可溶となる。
[A]重合体成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、第1構造単位〜第3構造単位以外のその他の構造単位を有していてもよい。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、又はその無水物;
コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、へキサヒドロフタル酸モノ2−(メタクリロイルオキシ)エチル等の多価カルボン酸のモノ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]エステル;
ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;
5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等のカルボキシル基を有する不飽和多環式化合物、又はその無水物などが挙げられる。
[A]重合体成分は、例えば、所定の構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
[B]感放射線性酸発生体は、放射線の照射によって酸を発生する化合物であり、下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物、及びN−スルホニルオキシイミド化合物から選ばれる少なくとも一つを使用することができ、上記放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。当該感放射線性樹脂組成物が[B]感放射線性酸発生体を含有することで、当該感放射線性樹脂組成物は感放射線特性を発揮することができ、かつ良好な放射線感度を有することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]感放射線性酸発生体の含有形態としては、後述するように化合物の形態(以下、適宜「[B]感放射線性酸発生剤」と称する)でも、[A]重合体成分等を構成する重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。これらの[B]感放射線性酸発生体は、単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
オキシムスルホネート化合物は、下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物である。
上記式(2−1)及び式(2−2)中、R20は、炭素数1から12のアルキル基、炭素数1から12のフルオロアルキル基である。
式(2−3)中、Xは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。iは、0〜3の整数である。但し、iが2又は3の場合、複数のXは同一であっても異なっていてもよい。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(エチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(プロピルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ペンチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(オクチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(ノニルスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]成分及び[B]成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて[C]酸化防止剤、[D]環状エーテル基を有する化合物、[E]酸拡散制御剤、[F]界面活性剤、[G]密着助剤、[H]溶媒等のその他の任意成分を含有してもよい。その他の任意成分は、それぞれ単独で使用しても2種以上を併用してもよい。以下、各成分を詳述する。
[C]酸化防止剤は、露光若しくは加熱により発生したラジカルの捕捉により、又は酸化によって生成した過酸化物の分解により、重合体分子の結合の解裂を抑制する成分である。
「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」(以上、ADEKA社);
「sumilizerGM」、「sumilizerGS」、「sumilizerMDP−S」、「sumilizerBBM−S」、「sumilizerWX−R」、「sumilizerGA−80」(以上、住友化学社);
「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX565」、「IRGAMOD295」(以上、チバジャパン社);
「ヨシノックスBHT」、「ヨシノックスBB」、「ヨシノックス2246G」、「ヨシノックス425」、「ヨシノックス250」、「ヨシノックス930」、「ヨシノックスSS」、「ヨシノックスTT」、「ヨシノックス917」、「ヨシノックス314」(以上、エーピーアイコーポレーション社)等が挙げられる。
[D]環状エーテル基を有する化合物(以下、「[D]化合物」ともいう)は、環状エーテル基を有し、かつ[A]重合体成分が有する重合体とは異なる化合物である。当該感放射線性樹脂組成物は、[D]化合物を含有することで、[D]化合物の熱反応性により[A]重合体成分等の架橋を促進し、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜の硬度を高めることができると共に、当該感放射線性樹脂組成物の放射線感度をより高めることができる。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル等のビスフェノール型ジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類;
脂肪族ポリグリシジルエーテル類;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などが挙げられる。これらの[D]化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1003」、「エピコート1004」、「エピコート1007」、「エピコート1009」、「エピコート1010」、「エピコート828」(以上、ジャパンエポキシレジン社)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、「エピコート807」(ジャパンエポキシレジン社)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、「エピコート152」、「エピコート154」、「エピコート157S65」(以上、ジャパンエポキシレジン社)、「EPPN201」、「EPPN202」(以上、日本化薬社)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、「EOCN102」、「EOCN103S」、「EOCN104S」、「EOCN1020」、「EOCN1025」、「EOCN1027」(以上、日本化薬社)、エピコート180S75(ジャパンエポキシレジン社)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、「エピコート1032H60」、「エピコートXY−4000」(以上、ジャパンエポキシレジン社)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、「CY−175」、「CY−177」、「CY−179」、「アラルダイトCY−182」、「アラルダイト192」、「アラルダイト184」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)、「ERL−4234」、「ERL−4299」、「ERL−4221」、「ERL−4206」(以上、U.C.C社)、「ショーダイン509」(昭和電工社)、「エピクロン200」、「エピクロン400」(以上、大日本インキ社)、「エピコート871」、「エピコート872」(以上、ジャパンエポキシレジン社)、「ED−5661」、「ED−5662」(以上、セラニーズコーティング社)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとして、「エポライト100MF」(共栄社化学社)、「エピオールTMP」(日本油脂社)等が挙げられる。
[E]酸拡散制御剤としては、化学増幅レジストで用いられるものから任意に選択して使用できる。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]酸拡散制御剤を含有することで、露光により[B]感放射線性酸発生体から発生した酸の拡散長を適度に制御することができ、パターン現像性を良好にできる。
[F]界面活性剤は、当該感放射線性樹脂組成物の塗膜形成性を高める成分である。当該感放射線性樹脂組成物は、[F]界面活性剤を含有することで、塗膜の表面平滑性を向上でき、その結果、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜の膜厚均一性をより向上できる。
[G]密着助剤は、基板等の膜形成対象物と硬化膜との接着性を向上させる成分である。[G]密着助剤は、特に無機物の基板と硬化膜との接着性を向上させるために有用である。無機物としては、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属などが挙げられる。
[H]溶媒としては、当該感放射線性樹脂組成物中の他の成分を均一に溶解又は分散し、上記他の成分と反応しないものが好適に用いられる。このような[H]溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。[H]溶媒としては、特開2011−232632号報に記載の溶媒を用いることができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[H]溶媒に[A]重合体成分及び[B]感放射線性酸発生体、必要に応じて好適成分及び他の任意成分を混合することによって溶解又は分散させた状態に調製される。
本発明の硬化膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される。当該硬化膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成されているため、放射線感度、耐薬品性、透明性、現像後のパターン密着性及び露光引き置き後のパターン密着性に優れる。このような特性を有する当該硬化膜は、例えば、表示素子等の電子デバイスの層間絶縁膜、平坦化膜、発光層を形成するための領域を規定するバンク(隔壁)、スペーサー、保護膜、カラーフィルタ用着色パターン等に使用できる。なお、当該硬化膜の形成方法としては特に限定されないが、次に説明する硬化膜の形成方法を適用することが好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、硬化膜の形成に好適に用いることができる。
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗布して塗膜を形成する。当該感放射線性樹脂組成物が溶媒を含む場合には、塗布面をプレベークすることによって溶媒を除去することが好ましい。
本工程では、塗膜の少なくとも一部に放射線を照射し露光する。露光する際には、通常所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光に使用される放射線としては、波長が190nm以上450nm以下の範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。露光量の上限としては、6,000J/m2が好ましく、1,800J/m2がより好ましい。一方、露光量の下限としては、500J/m2が好ましく、1,500J/m2がより好ましい。この露光量は、放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI Optical Associates社の「OAI model356」)により測定した値である。
本工程では、放射線が照射された塗膜を現像する。露光後の塗膜を現像することにより、不要な部分(放射線の照射部分)を除去して所定のパターンを形成する。
本工程では、現像された塗膜を加熱する。加熱には、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用い、パターニングされた薄膜を加熱することで、[A]重合体成分の硬化反応を促進して、硬化膜を形成することができる。加熱温度としては、例えば120℃以上250℃以下である。加熱時間としては、加熱機器の種類により異なるが、例えば、ホットプレートでは5分以上30分以下、オーブンでは30分以上90分以下である。また、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。このようにして、目的とする硬化膜に対応するパターン状薄膜を基板の表面上に形成できる。この硬化膜の膜厚の上限としては、8μmが好ましく、6μmがより好ましい。一方、上記膜厚の下限としては、0.1μmが好ましい。
本発明の電子デバイスは、当該硬化膜を備えている。当該表示素子としては、例えば液晶表示素子、有機EL表示素子等が挙げられる。
下記条件下、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:昭和電工社の「GPC−101」
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]重合体成分の合成に用いた化合物を以下に示す。
M−2:メタクリル酸トリエチルシリル
M−3:メタクリル酸グリシジル
M−4:メタクリル酸トリイソプロピルシリル
M−5:メタクリル酸t−ブチルジメチルシリル
M−6:アクリル酸グリシジル
M−7:スチレン
M−8:メタクリル酸1−エトキシエチル
M−9:メタクリル酸1−ブトキシエチル
M−10:テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート
M−11:3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
M−12:メタクリル酸2−テトラヒドロフラニル
M−13:3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン
M−14:シクロヘキシルマレイミド
M−15:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
M−16:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル[3,4−エポキシトリシクロ(5.2.1.02,6)デカン−9−イル]
M−17:メタクリル酸
M−18:メタクリル酸ベンジル
M−19:(3−クロロプロパノイル)オキシエチルメタクリレート
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部、メチル−3−メトキシプロピオネート200質量部を仕込んだ。このフラスコに化合物(M−1)30質量部、化合物(M−3)40質量部及び化合物(M−7)30質量部を投入し窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を6時間保持することで重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は32.5質量%であった。重合体(A−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000であった。
下記表1に示す種類及び使用量の成分を用いた以外は合成例1と同様に操作し、重合体(A−2)〜(A−14)並びに(CA−1)及び(CA−2)を調製した。なお、表1中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。また、これらの重合体のMw及び固形分濃度を表2に示す。
下記表1に示す合成例15の構造単位を与える化合物のうちメタクリル酸グリシジル(M−3)以外を用いて合成例1と同様に操作した。得られた重合体100質量部にp−メトキシフェノール1質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド3質量部及びメタクリル酸グリシジル30質量部を添加して溶液の温度を90℃に上昇させた。この温度を9時間保持することで重合体(A−15)を得た。この重合体溶液の固形分濃度は33.5質量%であった。重合体(A−15)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は14,000であった。重合体(A−15)に含まれる「架橋性基を有する第2構造単位」としての化学構造は下記構造に相当する。なお、表1の合成例15において、M−3の使用量の括弧内の数字は、重合後に追添した質量部を示す。
下記表1に示す種類及び使用量の成分を用いて合成例1と同様に操作した。得られた重合体100質量部にp−メトキシフェノール1質量部及びトリエチルアミン120質量部を添加して70℃のまま3時間撹拌した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液200質量部を加え、30分撹拌してから酢酸エチルを加えて分液した。有機相を蒸留水で洗浄した後、回収した有機相を濃縮し、[H]溶媒としての3−メトキシプロピオン酸メチルで希釈することで重合体溶液(A−16)を得た。この重合体溶液の固形分濃度は30.8質量%であった。重合体(A−16)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000であった。重合体(A−16)に含まれる「架橋性基を有する第2構造単位」としての化学構造は下記構造に相当する。
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]感放射線性酸発生体、[C]酸化防止剤、[D]環状エーテル基を有する化合物、[E]酸拡散制御剤及び[J]その他の成分を以下に示す。
B−1:5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(BASF社の「IRGACURE PAG 103」)
B−2:(5−p−トルエンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(BASF社の「IRGACURE PAG 121」)
B−3:(2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(BASF社の「CGI−725」)
B−4:(5−カンファースルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(BASF社の「CGI−1380」)
B−5:4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(みどり化学社の「PAI−101」)
B−6:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド
C−1:トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(ADEKA社の「アデカスタブAO−20」)
C−2:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](ADEKA社の「アデカスタブAO−60」)
D−1:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
E−1:4−ジメチルアミノピリジン
E−2:2−フェニルベンゾイミダゾール
J−1:ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(東亞合成社の「アロニックスM−402」)
[A]重合体成分としての(A−1)を含む重合体溶液((A−1)100質量部(固形分)に相当する量)に、[B]感放射線性酸発生体としての(B−1)3質量部、[C]酸化防止剤としての(C−1)2質量部及び[E]酸拡散制御剤としての(E−1)0.1質量部を混合し、感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。
下記表3に示す種類及び配合量の成分を用いた以外は実施例1と同様に操作し、感放射線性樹脂組成物(S−2)〜(S−24)及び(CS−1)〜(CS−4)を調製した。なお、表3中の「−」は、該当する成分を配合しなかったことを示す。
実施例1〜24及び比較例1〜4の感放射線性樹脂組成物を用いて、放射線感度、硬化膜の耐薬品性、硬化膜の透明性、保存安定性、現像後のパターン密着性、露光後引き置き後のパターン密着性の評価を実施した。評価結果を表4に示す。
シリコン基板上に、実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物をスピンナを用いて塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして平均膜厚3.0μmの塗膜を形成した。続いて、露光機(キヤノン社の「MPA−600FA」(ghi線混合))を用い、60μmのライン・アンド・スペース(10対1)のパターンを有するマスクを介して、塗膜に対し露光量を変量として放射線を照射した。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて23℃において80秒間液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、その後乾燥することによりパターンを形成した。このとき4μmのスペース・パターンが完全に溶解するために必要な露光量を調べた。この露光量の値が80mJ/cm2以下の場合、放射線感度は良好と評価した。
上記放射線感度の評価と同様にして塗膜を形成した後、230℃に加温したオーブンを用いて30分間上記塗膜を焼成し、硬化膜を形成した。この硬化膜を40℃に加温したN−メチルピロリドン溶媒中に6分間浸漬させ、浸漬前後の膜厚変化率(%)を求め、耐薬品性の指標とした。この膜厚変化率が5%未満の場合を「A」、膜厚変化率が5%以上10%未満の場合を「B」、膜厚変化率が10%以上15%未満の場合を「C」、膜厚変化率が15%以上の場合を「D」とし、A又はBの場合、耐薬品性は良好と、C又はDの場合、不良と評価した。膜厚は、光干渉式膜厚測定装置(大日本スクリーン社の「ラムダエース VM−1010」)を用いて25℃で測定した。
硬化膜の透明性は、硬化膜の400nmにおける透過率として評価した。ガラス基板上に、実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物をスピンナを用いて塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。続いて、230℃に加温したオーブンを用いて30分間焼成し、硬化膜を形成した。この膜の透過率を紫外可視分光光度計(日本分光社の「V−670」)を用いて25℃で測定し、透明性の指標とした。400nmにおける透過率を、A:透過率98%以上、B:透過率95%以上98%未満、C:透過率90%以上95%未満、D:透過率90%未満とし、A、B又はCの場合、透明性は良好と、Dの場合、不良と評価した。
実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物を40℃のオーブン中で1週間放置し、加温前後の粘度を測定し、粘度変化率(%)を求め、保存安定性の指標とした。粘度変化率が5%未満の場合を「A」、粘度変化率が5%以上10%未満の場合を「B」、粘度変化率が10%以上15%未満の場合を「C」、粘度変化率が15%以上の場合を「D」とし、A、B又はCの場合、保存安定性は良好と、Dの場合、不良と評価した。粘度は、E型粘度計(東機産業社の「VISCONIC ELD.R」)を用いて25℃で測定した。
上記放射線感度の評価と同様にして塗膜を形成した後、幅1−10μmのライン・アンド・スペースパターンを有するパターンマスクを介して、水銀ランプによって100mJ/m2の紫外線を上記塗膜に照射した。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液を用い、25℃で70秒現像処理を行った後、超純水で1分間流水洗浄を行った。洗浄後の幅1−10μmのライン・アンド・スペースパターンの剥離の有無を顕微鏡で観察して現像後のパターン密着性とした。パターンの剥離がない場合を「A」、パターンがわずかに剥離した場合を「B」、パターンの一部が剥離した場合を「C」、パターンの全面が剥離した場合を「D」とし、A又はBの場合、現像後のパターン密着性は良好と、C又はDの場合、不良と評価した。
上記放射線感度の評価と同様にして塗膜を形成した後、露光機(キヤノン社の「MPA−600FA」(ghi線混合))を用い、1−10μmのライン・アンド・スペース(1対1)のパターンを有するマスクを介して、100(mJ/m2)の露光量で塗膜を露光した。次いで、1時間クリーンルーム内で放置し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、25℃で70秒間液盛り法により現像した。その後、超純水で1分間流水洗浄を行い、その後乾燥し、ガラス基板上にパターンを形成した。現像後基板を光学顕微鏡で観察し、パターンの剥がれの有無を確認して露光引き置き後のパターン密着性とした。パターン剥がれがほとんど見られない場合を「A」、1−10μmのライン・アンド・スペース(1対1)の5μmまでのパターンの剥がれがわずかに見られた場合を「B」、1−10μmのライン・アンド・スペース(1対1)の8μmまでのパターンの剥がれが見られた場合を「C」、1−10μmのライン・アンド・スペース(1対1)の10μmまでのパターンの剥がれが見られた場合を「D」、パターンが剥がれ、基板上にパターンがほとんど残っていない場合を「E」とした。
Claims (9)
- [A]同一又は異なる重合体中に、下記式(1)で表される基を有する第1構造単位と架橋性基を有する第2構造単位とを含む重合体成分、並びに
[B]感放射線性酸発生体として、下記式(2)で表されるオキシムスルホネート基を有する化合物及びN−スルホニルオキシイミド化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物
を含有する感放射線性樹脂組成物。
(式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1から20のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、これらの基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基、又は−SiRA 3である。RAは、炭素数1から10のアルキル基である。R4は、単結合又は炭素数1から12の2価の有機基である。)
(式(2)中、R5は、炭素数1から20のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、又はこれらの基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基である。) - 上記式(1)で表される基が、酸解離性基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [C]酸化防止剤をさらに含有する請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [C]酸化防止剤がヒンダードフェノール構造を有する化合物である請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記架橋性基が、(メタ)アクリロイル基、オキシラニル基、オキセタニル基又はこれらの2以上の組み合わせである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [D]環状エーテル基を有する化合物をさらに含有し、
この[D]化合物が、[A]重合体成分が有する重合体とは異なる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
現像された塗膜を加熱する工程
を備える硬化膜の形成方法。 - 請求項7に記載の硬化膜を備える表示素子。
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