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JP2016019470A - W/o/w型乳化物 - Google Patents

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JP2016019470A JP2014143442A JP2014143442A JP2016019470A JP 2016019470 A JP2016019470 A JP 2016019470A JP 2014143442 A JP2014143442 A JP 2014143442A JP 2014143442 A JP2014143442 A JP 2014143442A JP 2016019470 A JP2016019470 A JP 2016019470A
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Abstract

【課題】呈味の改善されたW/O/W型乳化物を提供する。【解決手段】γ−Glu−Val−Gly等のカルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを配合することにより、W/O/W型乳化物のコク感および後味の油脂感を増強する。【選択図】なし

Description

本発明は、W/O/W型乳化調味料等のW/O/W型乳化物に関する。
近年、健康志向の高まりにより、マヨネーズ等の油脂を主原料とする調味料の低カロリー化が望まれている。そのため、従来品に比べて油脂の配合量を低減した低油脂乳化調味料が開発されている。しかしながら、このような低油脂乳化調味料では、油脂の配合量を低減した結果、油脂に由来するコクが弱くなるという課題があった。
上記課題を解決するため、例えば、低油脂乳化調味料の油脂様のコクを強める技術が開発されている。そのような技術としては、例えば、乳化を二重に行ってW/O/W型の低油脂乳化調味料を製造する方法(特許文献1)や油滴のサイズを微小化して低油脂乳化調味料を製造する方法が知られている。
また、カルシウム受容体活性化作用を有する化合物を低脂肪食品に配合することにより、低脂肪食品の呈味に脂肪様重厚感および滑らかさを付与する技術が知られている(特許文献2)。しかしながら、同文献(特許文献2)には、カルシウム受容体活性化作用を有する化合物をW/O/W型乳化物に配合することは記載されていない。
特許第4208939号 WO2008/139945
本発明は、呈味の改善されたW/O/W型乳化物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、γ−Glu−Val−Gly等のカルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをW/O/W型の低油脂乳化調味料に配合することにより、コク感および後味の油脂感を顕著に高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおり例示できる。
[1]
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを含有するW/O/W型乳化物。
[2]
乳化調味料である、前記W/O/W型乳化物。
[3]
油脂含量が40重量%以下である、前記W/O/W型乳化物。
[4]
前記ペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Z(Zはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−W−OCH(R)CO2H(Wはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を
表し、RはH又はCH3を表す)から選択される、前記W/O/W型乳化物。
[5]
前記Xが、Gly、Val、Ser、Nva、Abu、tLeu、Cle、Alb、Pen、Cys(SNO)、Cys(S−Me)、またはCys(S−allyl)であり、
前記Yが、Gly、Val、Glu、Lys、Phe、Ser、Pro、Arg、Asp、Met、Thr、His、Orn、Asn、Cys、またはGlnであり、
前記Zが、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Ser、Thr、Cys、Orn、Nva、Tau、t−Leu、Cys(S−Me)、Val−NH2、Va
l−ol、Met(O)、またはCys(S−Me)(O)であり、
前記Wが、Val、tLeu、またはAbuである、前記W/O/W型乳化物。
[6]
前記ペプチドが、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Nvaから選択される、前記W/O/W型乳化物。
[7]
前記ペプチドを1重量ppm以上含有する、前記W/O/W型乳化物。
[8]
下記(A)〜(D)のいずれかの特徴を有する、前記W/O/W型乳化物:
(A)前記ペプチドがγ−Glu−Val−Glyであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が1重量ppm以上である;
(B)前記ペプチドがγ−Glu−Nva−Glyであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が0.05重量ppm以上である;
(C)前記ペプチドがγ−Glu−Abu−Glyであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が3重量ppm以上である;
(D)前記ペプチドがγ−Glu−Nvaであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が0.1重量ppm以上である。
[9]
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをW/O/W型乳化物またはその原料に配合することを含む、W/O/W型乳化物を製造する方法。
[10]
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをW/O/W型乳化物またはその原料に配合することを含む、W/O/W型乳化物の呈味を改善する方法。
[11]
前記W/O/W型乳化物が乳化調味料である、前記方法。
[12]
前記W/O/W型乳化物の油脂含量が40重量%以下である、前記方法。
[13]
前記ペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Z(Zはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−W−OCH(R)CO2H(Wはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を
表し、RはH又はCH3を表す)から選択される、前記方法。
[14]
前記Xが、Gly、Val、Ser、Nva、Abu、tLeu、Cle、Alb、Pen、Cys(SNO)、Cys(S−Me)、またはCys(S−allyl)であり、
前記Yが、Gly、Val、Glu、Lys、Phe、Ser、Pro、Arg、Asp、Met、Thr、His、Orn、Asn、Cys、またはGlnであり、
前記Zが、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Ser、Thr、Cys、Orn、Nva、Tau、t−Leu、Cys(S−Me)、Val−NH2、Va
l−ol、Met(O)、またはCys(S−Me)(O)であり、
前記Wが、Val、tLeu、またはAbuである、前記方法。
[15]
前記ペプチドが、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Nvaから選択される、前記方法。
[16]
前記ペプチドを1重量ppm以上配合する、前記方法。
[17]
下記(A)〜(D)のいずれかの特徴を有する、前記方法:
(A)前記ペプチドがγ−Glu−Val−Glyであり、その配合量が1重量ppm以上である;
(B)前記ペプチドがγ−Glu−Nva−Glyであり、その配合量が0.05重量ppm以上である;
(C)前記ペプチドがγ−Glu−Abu−Glyであり、その配合量が3重量ppm以上である;
(D)前記ペプチドがγ−Glu−Nvaであり、その配合量が0.1重量ppm以上である。
本発明により、呈味の改善されたW/O/W型乳化物を提供することができる。
<1>本発明の乳化物
本発明の乳化物は、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを含有するW/O/W型乳化物である。本発明において、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを「有効成分」ともいう。
本発明においては、有効成分を配合することにより、W/O/W型乳化物の呈味を改善する効果が得られる。同効果を「呈味改善効果」ともいう。「呈味の改善」としては、コク感の増強や後味の油脂感の増強が挙げられる。
本発明の乳化物の種類は、喫食可能なもの(すなわち飲食品)であれば特に制限されない。乳化物としては、乳化調味料が挙げられる。「乳化調味料」とは、乳化状態で使用される調味料をいう。乳化調味料としては、半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシング、分離液状ドレッシング等のドレッシング類が挙げられる。分離液状ドレッシングは、使用時に乳化して使用すればよい。半固体状ドレッシングとしては、マヨネーズ様調味料が挙げられる。
本発明の乳化物の乳化の態様は、W/O/W型(水中油中水型)である。「W」は水相を表し、「O」は油相を表す。本発明において、「W/O/W」は、内水相をW1、外水相をW2として、「W1/O/W2」と記載する場合がある。
本発明の乳化物における油脂含量は、呈味改善効果が得られる限り、特に制限されない。本発明の乳化物における油脂含量は、本発明の乳化物の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。油脂含量は、例えば、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、または25重量%以下であってよい。油脂含量は、例えば、5重量%以上、10重量%以上、または15重量%以上であってよい。油脂含量は、例えば、10重量%〜40重量%であってもよい。油脂含量が40重量%以下である乳化調味料を「低油脂乳化調味料」とも
いう。
本発明の乳化物は、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチド(有効成分)を含有する。カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドは、カルシウム受容体活性化作用を有する限り特に制限されない。「カルシウム受容体」とは、カルシウムセンシング受容体(Calcium Sensing Receptor;CaSR)と呼ばれる、7回膜貫通型受容体(Gタンパク質共役受容体)のクラスCに属する受容体をいう。「カルシウム受容体活性化作用」とは、カルシウム受容体に結合することにより、グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)を活性化してシグナル伝達を引き起こす作用をいう。有効成分としては、カルシウム受容体活性化作用を有する1種のペプチドを用いてもよく、カルシウム受容体活性化作用を有する2種またはそれ以上のペプチドを組み合わせて用いてもよい。有効成分としては、カルシウム受容体活性化作用を有する公知のペプチドを用いてもよいし、カルシウム受容体活性化作用を有する新規なペプチドをスクリーニングして用いてもよい。
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドのスクリーニングは、例えば、WO2008/139945に記載の方法に従い、被検物質(ペプチド)をカルシウム受容体に作用させ、カル
シウム受容体活性化作用の有無を判定することにより、実施できる。好ましい被検物質(ペプチド)としては、例えば、2〜10アミノ酸残基、好ましくは2〜3アミノ酸残基、のペプチドおよびその誘導体が挙げられる。また、被検物質(ペプチド)のN末端残基は、好ましくはGlu残基であってよい。
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドとしては、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Z(Zはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、γ−Glu−γ−Glu−Valが挙げられる。「γ−」とは、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基を介してアミノ酸又はアミノ酸誘導体がグルタミン酸に結合していることを意味する。
アミノ酸として、具体的には、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Cys、Met、Asn、Gln、Pro、Hyp等の中性アミノ酸、Asp、Glu等の酸性アミノ酸、Lys、Arg、His等の塩基性アミノ酸、Phe、Tyr、Trp等の芳香族アミノ酸、Sar、Nva、Nle、Abu、Tau、Hyp、t−Leu、Cle、Aib、Pen、Hseが挙げられる。
なお、本発明において、アミノ基残基の略号は以下のアミノ酸を意味する。
(1)Gly:グリシン
(2)Ala:アラニン
(3)Val:バリン
(4)Leu:ロイシン
(5)Ile:イソロイシン
(6)Met:メチオニン
(7)Phe:フェニルアラニン
(8)Tyr:チロシン
(9)Trp:トリプトファン
(10)His:ヒスチジン
(11)Lys:リジン
(12)Arg:アルギニン
(13)Ser:セリン
(14)Thr:トレオニン
(15)Asp:アスパラギン酸
(16)Glu:グルタミン酸
(17)Asn:アスパラギン
(18)Gln:グルタミン
(19)Cys:システイン
(20)Pro:プロリン
(21)Orn:オルニチン
(22)Sar:サルコシン
(23)Cit:シトルリン
(24)Nva:ノルバリン
(25)Nle:ノルロイシン
(26)Abu:α−アミノ酪酸
(27)Tau:タウリン
(28)Hyp:ヒドロキシプロリン
(29)t−Leu:tert−ロイシン
(30)Cle:シクロロイシン
(31)Aib:α−アミノイソ酪酸(2−メチルアラニン)
(32)Pen:ペニシラミン
(33)Hse:ホモセリン
アミノ酸誘導体とは、上記のようなアミノ酸の各種誘導体をいう。アミノ酸誘導体としては、例えば、特殊アミノ酸、非天然アミノ酸、アミノアルコール、ならびに末端カルボニル基、末端アミノ基、およびシステインのチオール基等の官能基の1またはそれ以上が各種置換基により置換されたアミノ酸が挙げられる。置換基として、具体的には、例えば、アルキル基、アシル基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、スルフォニル基、および各種保護基が挙げられる。アミノ酸誘導体として、具体的には、例えば、Arg(NO2):N−γ−ニトロアルギニン、Cys(SNO):S−ニトロシステイン
、Cys(S−Me):S−メチルシステイン、Cys(S−allyl):S−アリルシステイン、Val−NH2:バリンアミド、Val−ol:バリノール(2−アミノ−
3−メチル−1−ブタノール)、Met(O):メチオニンスルホキシド、およびCys(S−Me)(O):S−メチルシステインスルホキシドが挙げられる。
γ−Glu−X−Glyの「X」として、具体的には、Gly、Val、Ser、Nva、Abu、tLeu、Cle、Alb、Pen、Cys(SNO)、Cys(S−Me)、Cys(S−allyl)が挙げられる。γ−Glu−Val−Yの「Y」として、具体的には、Gly、Val、Glu、Lys、Phe、Ser、Pro、Arg、Asp、Met、Thr、His、Orn、Asn、Cys、Glnが挙げられる。γ−Glu−Zの「Z」として、具体的には、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Ser、Thr、Cys、Orn、Nva、Tau、t−Leu、Cys(S−Me)、Val−NH2、Val−ol、Met(O)、Cys(S−Me)(O)が挙げられ
る。
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドとして、具体的には、例えば、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、γ−Glu−Nvaが挙げられる。
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドとしては、γ−Glu−W−OCH(R)CO2Hの構造を有するペプチド誘導体も挙げられる。ここで、Wはアミノ酸又はアミ
ノ酸誘導体を表し、RはH(水素原子)又はCH3(メチル基)を表す。RがHである場
合、γ−Glu−W−OCH(R)CO2Hはγ−Glu−W−GlyAである。RがC
3である場合、γ−Glu−W−OCH(R)CO2Hはγ−Glu−W−ButAである。GlyAはグリコール酸を表し、ButAは酪酸を表す。ButAは、S体とR体のいずれであってもよいが、好ましくはS体である。γ−Glu−W−OCH(R)CO2
Hの「W」として、具体的には、Val、tLeu、Abuが挙げられる。すなわち、γ−Glu−W−OCH(R)CO2Hとして、具体的には、γ−Glu−Val−Gly
A、γ−Glu−tLeu−GlyA、γ−Glu−Abu−GlyA、γ−Glu−Val−ButA、γ−Glu−tLeu−ButA、およびγ−Glu−Abu−ButAが挙げられる。
本発明において、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを構成するアミノ酸およびアミノ酸誘導体は、特記しない限り、いずれもL−体である。
本発明において、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドは、特記しない限り、いずれもフリー体、もしくはその塩、またはそれらの混合物である。
塩は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。例えば、カルボキシル基等の酸性基に対する塩としては、具体的には、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸、メチルマロン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。なお、塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて用いてもよい。
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
ペプチドの製造方法は特に制限されず、例えば公知の方法を利用できる。公知の方法としては、例えば、(1)化学的にペプチドを合成する方法や(2)酵素的な反応によりペプチドを合成する方法が挙げられる。アミノ酸残基数が2〜3残基の比較的短いペプチドの合成には、特に、化学的に合成する方法を用いるのが簡便である。
化学的にペプチドを合成する場合、ペプチド合成機を用いてペプチドを合成あるいは半合成することができる。化学的にペプチドを合成する方法としては、例えば、ペプチド固相合成法が挙げられる。合成されたペプチドは通常の手段、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。このようなペプチド固相合成法、およびそれに続くペプチド精製はこの技術分野においてよく知られたものである。
酵素的な反応によりペプチドを合成する場合、例えば、WO2004/011653に記載の方法を
用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基がエステル化またはアミド化されたアミノ酸またはジペプチドと、アミノ基がフリーの状態であるアミノ酸(例えばカルボキシル基が保護されたアミノ酸)とを、ペプチド生成酵素の存在下で反応させることにより、ジペプチドまたはトリペプチドを合成することができる。合成されたジペプチドまたはトリペプチドは、適宜精製することができる。ペプチド生成酵素としては、例えば
、ペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、該微生物の菌体処理物、それらから分離したペプチド生成酵素が挙げられる。ペプチド生成酵素としては、必要に応じて適宜精製されたものを用いることができる。
また、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドは、例えば、当該ペプチドの生産能を有する微生物を培養し、培養液または菌体から当該ペプチドを回収することで製造することができる。具体的には、例えば、特開2012-213376に記載の方法により、γ−Gl
u−Abu等のγ−グルタミルペプチドを高濃度に含有する酵母が得られる。
カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドは、精製品であってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドとしては、当該ペプチドを含有する素材を用いてもよい。カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを含有する素材は、そのまま、あるいは、適宜、濃縮、希釈、乾燥、分画、抽出、精製等の処理に供してから、利用することができる。カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを含有する素材として、具体的には、例えば、当該ペプチドの生産能を有する微生物を培養して得られた培養液、菌体、培養上清等の発酵生産物、当該ペプチドを含有する農水畜産物、およびそれらの加工品が挙げられる。そのような加工品としては、例えば、γ−Glu−Abu等のγ−グルタミルペプチドを含有する酵母エキス(特開2012-213376)が
挙げられる。カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドは、所望の程度に精製されていてよい。例えば、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドとしては、純度が50重量%以上、70重量%以上、90重量%以上、または95重量%以上のものを用いてもよい。
本発明の乳化物における有効成分の含有量は、呈味改善効果が得られる限り、特に制限されない。本発明の乳化物における有効成分の含有量は、有効成分の種類、本発明の乳化物の種類、本発明の乳化物における油脂含量等の諸条件に応じて適宜設定できる。本発明の乳化物における有効成分の含有量は、例えば、0.05重量ppm以上、0.1重量ppm以上、0.2重量ppm以上、0.5重量ppm以上、1重量ppm以上、2重量ppm以上、3重量ppm以上、5重量ppm以上、10重量ppm以上、15重量ppm以上、または50重量ppm以上であってよい。本発明の乳化物における有効成分の含有量は、例えば、5000重量ppm以下、2000重量ppm以下、1000重量ppm以下、500重量ppm以下、200重量ppm以下、または100重量ppm以下であってもよい。
具体的には、有効成分がγ−Glu−Val−Glyである場合、本発明の乳化物における有効成分の含有量は、例えば、1重量ppm以上、2重量ppm以上、5重量ppm以上、または10重量ppm以上であってもよい。また、有効成分がγ−Glu−Nva−Glyである場合、本発明の乳化物における有効成分の含有量は、例えば、0.05重量ppm以上、0.1重量ppm以上、0.2重量ppm以上、または0.5重量ppm以上であってもよい。また、有効成分がγ−Glu−Abu−Glyである場合、本発明の乳化物における有効成分の含有量は、例えば、3重量ppm以上、5重量ppm以上、15重量ppm以上、または50重量ppm以上であってもよい。また、有効成分がγ−Glu−Nvaである場合、本発明の乳化物における有効成分の含有量は、例えば、0.1重量ppm以上、0.2重量ppm以上、0.5重量ppm以上、または1重量ppm以上であってもよい。
なお、有効成分の含有量は、有効成分を含有する素材を用いる場合にあっては、当該素材中の有効成分そのものの量に基づいて算出されるものとする。
本発明の乳化物における有効成分以外の成分の種類や配合量は、呈味改善効果が得られる限り、特に制限されない。本発明の乳化物における有効成分以外の成分の種類や配合量は、本発明の乳化物の種類等に応じて適宜設定できる。有効成分以外の成分としては、例えば、通常のW/O/W型乳化物、例えば通常のW/O/W型乳化調味料、と同様の原料を同様の配合量で配合することができる。W/O/W型乳化調味料の原料としては、例えば、水、油脂、全卵、卵黄、酢、柑橘果汁、調味料、香辛料、香料、着色料、増粘多糖類、乳化剤が挙げられる。
油脂としては、動物由来の油脂(動物油脂)や植物由来の油脂(植物油脂)が挙げられる。動物油脂としては、例えば、鶏脂、豚脂、牛脂、羊油、鯨油、魚油、卵油、バターが挙げられる。魚油としては、例えば、マグロ油、カツオ油、イワシ油、サバ油、サケ油、タラ油が挙げられる。植物油脂としては、例えば、菜種油、米油、紅花油、ヒマワリ油、オリーブ油、落花生油、パーム油、やし油、大豆油、コーン油、綿実油、ごま油、ぶどう種子油、えごま油が挙げられる。これらの中では、植物油脂が好ましい。油脂としては、1種の油脂を用いてもよく、2種またはそれ以上の油脂を組み合わせて用いてもよい。
調味料としては、例えば、砂糖、蜂蜜、メープルシロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、オリゴ糖等の糖類;食塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類;グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類およびその塩;イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸類およびその塩が挙げられる。塩は、経口摂取可能なものであれば特に制限されない。塩については、有効成分の塩の記載を準用できる。例えば、グルタミン酸の塩としては、グルタミン酸ナトリウム(MSG)が挙げられる。調味料としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
増粘多糖類としては、例えば、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、カードラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸エステル、カラギーナン、架橋デンプンが挙げられる。これらの中では、ペクチンが好ましい。ペクチンとしては、ハイメトキシルペクチンが好ましい。「ハイメトキシルペクチン」とは、エステル化度が50%以上であるペクチンをいう。ペクチンの「エステル化度」とは、ペクチンの主鎖を構成する全ガラクツロン酸残基の内、メチルエステル化されているものの比率をいう。ハイメトキシルペクチンとしては、特に、エステル化度が65%〜80%のものが好ましい。増粘多糖類としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。本発明の乳化物における増粘多糖類の配合量は、例えば、0.1重量%〜3重量%であってよい。
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステルエーテル型乳化剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型乳化剤;レシチン、酵素分解レシチン、サポニン、カゼインナトリウムが挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)が挙げられる。乳化剤としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。本発明の乳化物における乳化剤、例えばPGPR、の配合量は、例えば、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.3重量%〜4重量%であってよい。
「ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)」とは、ポリグリセリンの水酸基に縮合リシノレイン酸がエステル結合した化合物である。PGPRにおける、グリセリン重合度、リシノレイン酸縮合度、およびエステル化度は、所望のW/O/W型乳化物を製造できる限り、特に制限されない。PGPRとしては、例えば、特許第4208939号
に記載のPGPRを好適に用いることができる。
PGPRにおける「グリセリン重合度」とは、PGPRのポリグリセリン部分を構成するグリセリン残基数をいう。PGPRのグリセリン重合度は、例えば、4〜10、好ましくは6〜10であってよい。グリセリン重合度(n)は、ポリグリセリンの水酸基価に基づいて下記式(I)により算出されるものとする。下記式(I)におけるポリグリセリンの水酸基価は、日本工業規格JIS K 0070:1992に準拠して測定されるものとする。
水酸基価 = 56110(n+2)/(74n+18) ・・・(I)
PGPRにおける「リシノレイン酸縮合度」とは、PGPRの縮合リシノレイン酸部分を構成するリシノレイン酸残基数をいう。PGPRのリシノレイン酸縮合度は、例えば、5以上、好ましくは5.5以上であってよい。また、PGPRのリシノレイン酸縮合度は、例えば、8以下、好ましくは7以下、より好ましくは6.5以下であってよい。
PGPRにおける「エステル化度」とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの水酸基の内、縮合リシノレイン酸がエステル結合したものの比率をいう。PGPRのエステル化度は、例えば、10%以上、好ましくは15%以上であってよい。また、PGPRのエステル化度は、例えば、30%以下、好ましくは25%以下であってよい。エステル化度は、下記式(II)により算出されるものとする。下記式(II)におけるPGPRの水酸基価、ケン化価、および酸価は、いずれも日本工業規格JIS K 0070:1992に準拠して測定されるものとする。
エステル化度(%)=[(ケン化価−酸価)/(水酸基価+ケン化価−酸価)]×100 ・・・(II)
なお、PGPRは、グリセリン重合度、リシノレイン酸縮合度、および/またはエステル化度等のの異なる複数種のエステルの混合物として提供され得るため、PGPRにおける、「グリセリン重合度」、「リシノレイン酸縮合度」、および「エステル化度」は、いずれも平均値として表される。
<2>本発明の乳化物の製造法
本発明の乳化物は、有効成分をW/O/W型乳化物またはその原料に配合することにより、製造できる。すなわち、本発明の乳化物の製造法は、有効成分をW/O/W型乳化物またはその原料に配合することを含む、W/O/W型乳化物を製造する方法である。「有効成分を配合すること」には、有効成分そのものを配合することに限られず、有効成分を含有する素材を配合することも包含される。なお、「配合」を「添加」ともいう。
本発明においては、有効成分を配合することにより、W/O/W型乳化物の呈味を改善する効果が得られる。すなわち、本発明の乳化物の製造法は、言い換えると、有効成分をW/O/W型乳化物またはその原料に配合することを含む、W/O/W型乳化物の呈味を改善する方法であってよい。
本発明の乳化物は、有効成分を添加すること以外は、通常のW/O/W型乳化物、例えば通常のW/O/W型乳化調味料、と同様の原料を用い、同様の方法によって製造することができる。W/O/W型乳化物は、例えば、特許第4208939号に記載の方法を参照して
、製造することができる。
W/O/W型乳化物は、例えば、第1の水相(W1;内水相)と油相(O)を混合し乳化してW1/O型乳化物を調製し、さらに、W1/O型乳化物と第2の水相(W2;外水相)を混合し乳化してW1/O/W2型乳化物を調製することにより、製造できる。水相(W1)、油相(O)、水相(W2)の配合比は、所望のW/O/W型乳化物を製造できる限り、特に制限されない。例えば、水相(W1)90〜10質量部、好ましくは70〜
30質量部と、油相(O)10〜90質量部、好ましくは30〜70質量部とを乳化し、W1/O型乳化物を調製することができる。また、例えば、W1/O型乳化物100重量部と、水相(W2)25〜150質量部、好ましくは35〜100質量部とを乳化し、W1/O/W2型乳化物を調製することができる。乳化は、ホモミキサーやコロイドミル等の乳化装置を、単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることにより、実施できる。例えば、ホモミキサーによる予備乳化の後、コロイドミルによりさらに乳化してもよい。乳化は、所望の物性(例えば、粒子径や粘度)が得られるように実施することができる。W1/O型乳化物の平均粒子径は、例えば、2.5μm以下、好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.8μm以下であってよい。W1/O/W2型乳化物の平均粒子径は、例えば、25μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは18μm以下であってよい。W1/O/W2型乳化物の粘度は、例えば、1000〜30万mPa・s、好ましくは1万〜20万mPa・s、より好ましくは3万〜15万mPa・sであってよい。W1/O/W2型乳化物の粘度は、ハンドリングの点から、例えば、1000〜20万mPa・sであるのも好ましい。
水相(Wl、W2)は、例えば、水に、必要に応じて他の1またはそれ以上の原料を配合することにより、調製できる。油相(O)は、例えば、油脂に、必要に応じて他の1またはそれ以上の原料を配合することにより、調製できる。各原料は、例えば、適宜、第1の水相(W1)、油相(O)、第2の水相(W2)、またはそれらの組み合わせに配合することができる。例えば、増粘多糖類は、第1の水相(W1)、油相(O)、第2の水相(W2)のいずれに配合されてもよいが、第2の水相(W2)に配合されるのが好ましい。また、例えば、乳化剤は、第1の水相(W1)、油相(O)、第2の水相(W2)のいずれに配合されてもよいが、油相(O)に配合されるのが好ましい。第1の水相(W1)と第2の水相(W2)の組成は、同一であってもよく、なくてもよい。第1の水相(W1)は、水のみであってもよいが、例えば、酢や各種調味料(食塩、ショ糖、グルタミン酸ナトリウム等)を含有するのが好ましい。第1の水相(W1)における酢の含有量は、例えば、水相(W1)全体の1〜10重量%であってよい。また、第1の水相(W1)における食塩の含有量は、例えば、水相(W1)全体の1〜15重量%であってよい。第2の水相(W2)は、水のみであってもよいが、例えば、酢や各種調味料(食塩、ショ糖、グルタミン酸ナトリウム等)を含有するのが好ましい。第2の水相(W2)における酢の含有量は、例えば、水相(W2)全体の1〜10重量%であってよい。また、第2の水相(W2)における食塩の含有量は、例えば、水相(W2)全体の1〜15重量%であってよい。また、第2の水相(W2)は、例えば、卵黄を含有するのが好ましい。第2の水相(W2)における卵黄の含有量は、例えば、水相(W2)全体の5〜50重量%であってよい。
有効成分の添加は、W/O/W型乳化物の製造工程のいずれの段階で行われてもよい。すなわち、有効成分は、W/O/W型乳化物の原料に添加されてもよく、製造途中のW/O/W型乳化物に添加されてもよく、完成したW/O/W型乳化物に添加されてもよい。有効成分は、例えば、第1の水相(W1)、油相(O)、第2の水相(W2)、W1とOの混合物、W1/O型乳化物、W2とW1/O型乳化物の混合物、W1/O/W2型乳化物、またはそれらの組み合わせのいずれに添加されてもよい。有効成分は、1回のみ添加されてもよく、2またはそれ以上の回数に分けて添加されてもよい。有効成分として2種またはそれ以上の成分を用いる場合、有効成分は、全てまとめてW/O/W型乳化物またはその原料に添加されてもよいし、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、W/O/W型乳化物またはその原料に添加されてもよい。有効成分をW/O/W型乳化物の原料に添加した場合には、その後、所定の製造工程(例えば乳化工程)を経て、W/O/W型乳化物を製造することができる。また、有効成分をW/O/W型乳化物に添加した場合には、撹拌等により、有効成分を乳化物中に分散させることができる。有効成分の配合量(添加量)は、上記例示したような本発明の乳化物における有効成分の含有量に
従って設定することができる。すなわち、本発明の乳化物における有効成分の含有量は、本発明の乳化物の製造法における有効成分の配合量(添加量)として読み替えてよい。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例で用いたカルシウム受容体活性化作用を有するペプチドは、下記の通りに入手した。すなわち、γ−Glu−Abu−Glyは、Bachem Feinchemikalien社より入手した。γ−Glu−Val−Glyは、WO2007/055393に記載の方法に準じて合成した。γ−Glu−Nvaは、WO2011/081185に記載の方法に準じて合成した。γ−Glu−Nva−Glyは、WO2011/081186に記載の方法に準じて合成した。
実施例1:γ−Glu−Val−Glyの添加効果の評価(1)
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyを、マヨネーズおよび各種低油脂マヨネーズ様調味料に添加し、呈味の改善効果を検証した。
<サンプル>
・サンプル1:マヨネーズ(油脂含量:75重量%)
・サンプル2:低油脂マヨネーズ様調味料(油脂含量:23重量%、乳化型:W/O/W)・サンプル3:低油脂マヨネーズ様調味料(油脂含量:19重量%、乳化型:O/W)
<評価成分>
・γ−Glu−Val−Gly
<評価サンプルの調製>
γ−Glu−Val−Glyを表1に示す終濃度(喫食時濃度)で各サンプルに添加し、薬さじを用いて50回撹拌し、評価サンプルを得た。
<官能評価>
以下の内容で、評価サンプルの官能評価を行った。
評価項目:コク感(味全体が強くなる感覚)および後味の油脂感(後味に感じる油っぽさの感覚)
評価パネル:2名
評価基準:以下の0〜6点で評価
0点:全く感じない
1点:著しく弱く感じる
2点:やや弱く感じる
3点:感じる
4点:強く感じる
5点:より強く感じる
6点:著しく強く感じる
<結果>
結果を表1に示す。γ−Glu−Val−Glyを低油脂マヨネーズ様調味料(サンプル2およびサンプル3)に添加することにより、コク感および後味の油脂感が増強された。一方、γ−Glu−Val−Glyをもともとコク感および後味の油脂感が高いマヨネーズ(サンプル1)に添加した場合には、コク感および後味の油脂感はほとんど増強されなかった。また、γ−Glu−Val−GlyをO/W型であるサンプル3に添加した場
合にはコク感および後味の油脂感が0.3〜0.5点しか上昇しなかったのに対し、γ−Glu−Val−GlyをW/O/W型であるサンプル2に添加した場合にはコク感および後味の油脂感が0.8〜1.0点も上昇しており、γ−Glu−Val−Glyによる呈味の改善効果はW/O/W型乳化物で特に顕著であることが示された。
また、実施例1について、サンプルとして市販のO/W型低油脂マヨネーズ様調味料(キユーピー株式会社製)を用いた場合にもサンプル3を用いた場合と同様の結果が得られることを、別途確認した。
実施例2:γ−Glu−Val−Glyの添加効果の評価(2)
本実施例では、γ−Glu−Val−Glyを、種々の濃度でW/O/W型低油脂マヨネーズ様調味料に添加し、呈味の改善効果を検証した。
<サンプル>
・サンプル1:マヨネーズ(油脂含量:75重量%)
・サンプル2:低油脂マヨネーズ様調味料(油脂含量:23重量%、乳化型:W/O/W)
<評価成分>
・γ−Glu−Val−Gly
<評価サンプルの調製>
γ−Glu−Val−Glyを表2に示す終濃度(喫食時濃度)で各サンプルに添加し、薬さじを用いて50回撹拌し、評価サンプルを得た。
<官能評価>
実施例1と同様に官能評価を行った。
<結果>
結果を表2に示す。γ−Glu−Val−Glyを1重量ppm以上の喫食濃度でW/O/W型低油脂マヨネーズ様調味料(サンプル2)に添加することにより、コク感および後味の油脂感が増強された。
実施例3:カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドの添加効果の評価
本実施例では、カルシウム受容体活性化作用を有する各種ペプチドを、各種低油脂マヨネーズ様調味料に添加し、呈味の改善効果を検証した。
<サンプル>
・サンプル2:低油脂マヨネーズ様調味料(油脂含量:23重量%、乳化型:W/O/W)・サンプル3:低油脂マヨネーズ様調味料(油脂含量:19重量%、乳化型:O/W)
<評価成分>
・γ−Glu−Val−Gly
・γ−Glu−Nva−Gly
・γ−Glu−Nva
・γ−Glu−Abu−Gly
<評価サンプルの調製>
評価成分を表3に示す終濃度(喫食時濃度)で各サンプルに添加し、薬さじを用いて50回撹拌し、評価サンプルを得た。なお、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Nva、γ−Glu−Abu−Glyの喫食時濃度は、喫食時濃度20重量ppmのγ−Glu−Val−Glyと同等の力価となるように設定した。
<官能評価>
実施例1と同様に官能評価を行った。
<結果>
結果を表3に示す。カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを低油脂マヨネーズ様調味料(サンプル2およびサンプル3)に添加することにより、コク感および後味の油脂感が増強された。また、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをO/W型であるサンプル3に添加した場合にはコク感および後味の油脂感が0.4〜0.5点しか上昇しなかったのに対し、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをW/O/W型であるサンプル2に添加した場合にはコク感および後味の油脂感が0.8〜1.1点も上昇しており、カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドによる呈味の改善効果はW/O/W型乳化物で特に顕著であることが示された。

Claims (17)

  1. カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドを含有するW/O/W型乳化物。
  2. 乳化調味料である、請求項1に記載のW/O/W型乳化物。
  3. 油脂含量が40重量%以下である、請求項1または2に記載のW/O/W型乳化物。
  4. 前記ペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Z(Zはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−W−OCH(R)CO2H(Wはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を
    表し、RはH又はCH3を表す)から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    W/O/W型乳化物。
  5. 前記Xが、Gly、Val、Ser、Nva、Abu、tLeu、Cle、Alb、Pen、Cys(SNO)、Cys(S−Me)、またはCys(S−allyl)であり、
    前記Yが、Gly、Val、Glu、Lys、Phe、Ser、Pro、Arg、Asp、Met、Thr、His、Orn、Asn、Cys、またはGlnであり、
    前記Zが、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Ser、Thr、Cys、Orn、Nva、Tau、t−Leu、Cys(S−Me)、Val−NH2、Va
    l−ol、Met(O)、またはCys(S−Me)(O)であり、
    前記Wが、Val、tLeu、またはAbuである、請求項4に記載のW/O/W型乳化物。
  6. 前記ペプチドが、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Nvaから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のW/O/W型乳化物。
  7. 前記ペプチドを1重量ppm以上含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のW/O/W型乳化物。
  8. 下記(A)〜(D)のいずれかの特徴を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のW/O/W型乳化物:
    (A)前記ペプチドがγ−Glu−Val−Glyであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が1重量ppm以上である;
    (B)前記ペプチドがγ−Glu−Nva−Glyであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が0.05重量ppm以上である;
    (C)前記ペプチドがγ−Glu−Abu−Glyであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が3重量ppm以上である;
    (D)前記ペプチドがγ−Glu−Nvaであり、前記W/O/W型乳化物におけるその含有量が0.1重量ppm以上である。
  9. カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをW/O/W型乳化物またはその原料に配合することを含む、W/O/W型乳化物を製造する方法。
  10. カルシウム受容体活性化作用を有するペプチドをW/O/W型乳化物またはその原料に配合することを含む、W/O/W型乳化物の呈味を改善する方法。
  11. 前記W/O/W型乳化物が乳化調味料である、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記W/O/W型乳化物の油脂含量が40重量%以下である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ペプチドが、γ−Glu−X−Gly(Xはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Val−Y(Yはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、γ−Glu−Z(Zはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を表す)、Asp−Gly、Cys−Gly、Cys−Met、Glu−Cys、Gly−Cys、Leu−Asp、γ−Glu−γ−Glu−Val、γ−Glu−W−OCH(R)CO2H(Wはアミノ酸又はアミノ酸誘導体を
    表し、RはH又はCH3を表す)から選択される、請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の方法。
  14. 前記Xが、Gly、Val、Ser、Nva、Abu、tLeu、Cle、Alb、Pen、Cys(SNO)、Cys(S−Me)、またはCys(S−allyl)であり、
    前記Yが、Gly、Val、Glu、Lys、Phe、Ser、Pro、Arg、Asp、Met、Thr、His、Orn、Asn、Cys、またはGlnであり、
    前記Zが、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Ser、Thr、Cys、Orn、Nva、Tau、t−Leu、Cys(S−Me)、Val−NH2、Va
    l−ol、Met(O)、またはCys(S−Me)(O)であり、
    前記Wが、Val、tLeu、またはAbuである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ペプチドが、γ−Glu−Val−Gly、γ−Glu−Nva−Gly、γ−Glu−Abu−Gly、およびγ−Glu−Nvaから選択される、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ペプチドを1重量ppm以上配合する、請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 下記(A)〜(D)のいずれかの特徴を有する、請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法:
    (A)前記ペプチドがγ−Glu−Val−Glyであり、その配合量が1重量ppm以上である;
    (B)前記ペプチドがγ−Glu−Nva−Glyであり、その配合量が0.05重量ppm以上である;
    (C)前記ペプチドがγ−Glu−Abu−Glyであり、その配合量が3重量ppm以上である;
    (D)前記ペプチドがγ−Glu−Nvaであり、その配合量が0.1重量ppm以上である。
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