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JP2016015197A - 正極および非水系二次電池 - Google Patents

正極および非水系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性,コスト面において優れたオリビン構造を有する正極活物質を用いつつ、電極内部の応力を緩和して、長寿命を実現できる正極を提供する。
【解決手段】この正極12aによれば、オリビン構造を有すると共に充放電時の体積変化率が互いに異なる2種以上の正極活物質を備えることにより、一定電位で充放電することが可能ありながら、高い充放電容量を得ると共に、体積変化率が小さい方の正極活物質で充放電時の正極活物質の体積変化を小さく抑えて、電極の膜剥がれを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、正極および非水系二次電池に関する。更に詳しくは、この発明は、安全性およびサイクル特性に優れた非水系二次電池を与えうる正極、およびこの正極を用いた非水系二次電池に関する。
近年、リチウム二次電池は、ポータブル電子機器用の小型のものだけでなく、車載用や電力貯蔵用等の大容量の電池としても注目されている。そのため、安全性、コスト、寿命への要求が高くなってきている。
中でもオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO)は、安全性,コストという観点から注目されている。オリビン構造は、リンと酸素とが共有結合しているので、本質的に高温まで酸素を脱離しにくい構造であり、高い安全性が得られる。また、オリビン構造は、CoやNiを用いないので、コスト的にも優位性を有している。
また、リン酸鉄リチウムは、Liの挿入,脱離に伴い、2相反応が進行するので、平坦な電位挙動をするという特異的な挙動をする。このように、リン酸鉄リチウムは、特徴的な特性を有する正極活物質であるので、他の正極活物質を混合して用いる方法も提案されて来ている。
また、特許文献1(特開2007−250299号公報)では、リン酸鉄リチウムの平坦な電位を活用して、電池残容量を検出することが提案されている。また、特許文献2(特開2010−27409号公報)では、電池の状態を検知するために、互いに拡散係数の異なる複数の正極活物質を混合して用いている。また、特許文献3(特表2010−517238号公報)では、電池の安全性を向上させるために、リン酸鉄リチウムを混合することを提案している。
特開2007−250299号公報 特開2010−27409号公報 特表2010−517238号公報
ところで、リン酸鉄リチウムでは、Liの挿入,脱離に伴う体積変化率が7%程度であり、一般的な正極活物質の体積変化率と比較して、体積変化率が高い値となっている。このため、充放電に伴う電極の体積変化が大きく、電極内部にかかる応力が大きくなり、充放電に伴う劣化が生じ易い。
そこで、この発明の課題は、安全性,コスト面において優れたオリビン構造を有する正極活物質を用いつつ、電極内部の応力を緩和して、長寿命を実現できる正極を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の正極は、充放電時の体積変化率が互いに異なる2種以上の正極活物質を備え、上記2種以上の正極活物質は、オリビン構造を有することを特徴としている。
また、一実施形態では、上記2種以上の正極活物質のうちの少なくとも1種の正極活物質の充放電時の体積変化率が、リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい。
また、一実施形態では、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質の質量は、全正極活物質の質量に対して30%以上である。
また、一実施形態では、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質は、オリビン構造を有すると共に、一般式(Li1−xFe1−y1−zSi)で表される。
但し、上記一般式において、Aは、Na,Fe,Mのうちの少なくとも1種であり、上記Mは、Ti,V,Nb,Al,Y,Zr,Snのうちのいずれかであり、xは0<x<0.25、yは0<y<0.25、zは0<z<0.25である。
また、本発明の非水系二次電池は、上記正極を備えたことを特徴としている。
この発明の正極によれば、オリビン構造を有すると共に充放電時の体積変化率が互いに異なる2種以上の正極活物質を備えることにより、安全性,コスト面において優れたオリビン構造を有する正極活物質を用いつつ、体積変化率が小さい方の正極活物質で電極内部の応力を緩和して、導電パスの破壊を防いで電気容量の低下を抑制でき、長寿命を実現できる。
本発明の非水系二次電池の一実施形態としての巻回型の二次電池を模式的に示す斜視図である。 上記巻回型の二次電池が備える電極体を模式的に示す斜視図である。 本発明の非水系二次電池の一実施形態としての積層型の二次電池を模式的に示す斜視図である。 上記積層型の二次電池が備える電極群を模式的に示す斜視図である。 本発明の非水系二次電池の一実施形態を示す断面図である。 正極活物質A1〜A5の組成と体積変化率の一覧表を示す図である。 各実施例と比較例の初回容量と充放電後の保持容量の一覧表を示す図である。 体積変化率と1000cy後の容量との関係を示すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
なお、本明細書では、範囲を表す「A〜B」との記載は、「A以上B以下」の範囲であることを示す。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
(I) 正極活物質
この実施形態に係る正極が備える2種以上の正極活物質は、下記一般式(1)で表される。
… (1)
ただし、上記一般式(1)において、Aは、Li,Na,および3〜13族から選択される少なくとも1種であり、Mは、3〜13族から選択される少なくとも1種であり、Xは、Al,Si,Pから選択される少なくとも1種である。また、上記一般式(1)において、a,b,cは、それぞれ、0<a<2、0<b<2、0<c<2の範囲である。
上記正極活物質は、上記一般式(1)で表される組成を有すると伴に、オリビン構造を有する物質である。
上記正極活物質をなすオリビン構造を有する物質として、上記一般式(1)において、AがLiもしくはNaであり、MがMn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種であり、XがPである物質が知られている。
具体的一例として、上記オリビン構造を有する物質として、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO、NaFePO、NaMnPO、NaCoPO、NaNiPOの組成で表される物質が挙げられる。特に、LiFePO、LiMnPO、LiFe1−xMnPO(0<x<1)のうちの少なくとも1種が本発明の正極の正極活物質に含まれていることが好ましい。
リン酸鉄リチウム(LiFePO)において、Liの挿入,脱離に伴う体積変化は約6.6%であることが知られている。また、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)では、Liの挿入,脱離に伴う体積変化は約9.0%であることが知られている。
上記リン酸鉄リチウム(LiFePO)を、オリビン構造を有する第1の正極活物質とした場合に、この第1の正極活物質よりも充放電時の体積変化率が小さい第2の正極活物質としては、上記リン酸鉄リチウム(LiFePO)のLi,Fe,Pのうちの少なくとも1種を他の元素で置換した正極活物質を用いることができる。
具体的には、上記第2の正極活物質としては、次の一般式(2)や一般式(3)で表されるものが挙げられる。
(Li1−x)(Fe1−y)(P1−zSi)O … (2)
(Li1−x)(Fe1−y)(P1−zAl)O … (3)
上記一般式(2),(3)において、Aは、NaもしくはFe,Mのうちの少なくとも1種であり、上記Mは、Ti,V,Nb,Al,Y,Zr,Snのうちのいずれかであって、0<x<0.25、0<y<0.25、0<z<0.25である。
上記一般式(2)や一般式(3)で表される活物質(第2の正極活物質)において、電圧測定を行った結果、上記第1の正極活物質としてのリン酸鉄リチウム(LiFePO)と同一の電位で充放電が行われる。このため、上記第1の正極活物質と第2の正極活物質とを混合して用いた場合も、電位変化を気にすることなく電池に用いることが可能である。
また、上記第2の正極活物質では、元素置換により、反応可能なLi量が減少するので、理論容量が低下するという現象が生じる。一方で、反応するLi量が減少し、理論容量が低下するほど、体積変化も抑制でき、電極剥がれを抑制できるという効果を顕著に得られる。このため、上記第1の正極活物質と第2の正極活物質とを混合することにより、理論容量の低下を抑えると共に充放電時の体積変化を抑制して、長寿命化と高い電池容量の維持を実現することができる。
(II) 非水系二次電池
本発明の実施形態に係る非水系二次電池は、正極と負極と電解質とセパレータとを有する。以下、各構成材料について説明する。なお、この実施形態に係る非水系二次電池は、ラミネート電池、積層角型電池、巻回角型電池、または巻回円筒電池のいずれかであることが好ましい。
(a) 正極
上記正極は、前項(I)で述べた少なくとも上記第1,第2の正極活物質を含んだ2種以上の正極活物質を混合した正極活物質と導電材とバインダーとからなり、例えば、上記第1,第2の正極活物質を含む正極活物質と導電材とバインダーとを有機溶剤もしくは水と混合したスラリーを集電体に塗布する等の公知の方法によって作製することができる。
上記バインダー(結着材)としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用いることができる。
上記導電材としては、アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス、気相成長炭素等を用いることができる。
上記集電体としては、連続孔を持つ発泡(多孔質)金属、ハニカム状に形成された金属、焼結金属、エキスパンドメタル、不織布、板、箔、孔開きの板、箔等を用いることができる。
上記有機溶剤としては、N−メチルピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
上記正極の配合比としては、正極活物質の合計を100とした時、重量比で導電材は0を超え30以下、結着材は0を超え30以下の範囲であることが好ましい。
上記正極の厚さは、0.01〜2mm程度が好ましい。上記正極の厚さが厚すぎると導電性が低下し、薄すぎると単位面積当たりの容量が低下するので、好ましくない。なお、塗布並びに乾燥によって得られた電極は、活物質の充填密度を高めるためローラープレス等により圧密してもよい。
(b) 負極
上記負極は公知の方法により作製することができる。具体的には、前項(a)で述べた正極の作製法で説明した方法と同様にして作製することができる。つまり、前述の正極の作製法で説明した公知の結着材と公知の導電材とを負極活物質と混合した後、この混合粉末をシート状に成形し、当該成形体をステンレス、銅等の導電体網(集電体)に圧着すればよい。また、上記混合粉末を正極作製法で説明した公知の有機溶剤と混合して得られたスラリーを銅等の金属基板上に塗布することにより作製することもできる。
上記負極活物質としては公知の材料を用いることができる。高エネルギー密度電池を構成するためには、リチウムの挿入,脱離する電位が金属リチウムの析出,溶解電位に近いものが好ましい。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状等)の天然若しくは人造黒鉛のような炭素材料である。
上記人造黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等を黒鉛化して得られる黒鉛が挙げられる。また、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子も使用することができる。これらの中で、天然黒鉛は、安価で且つリチウムの酸化還元電位に近く、高エネルギー密度電池を構成できるので、より好ましい。
また、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物、リチウムと合金化する金属、酸化シリコン等も、負極活物質として使用可能である。これらの中では、LiTi12は電位の平坦性が高く、且つ充放電による体積変化が小さいので、より好ましい。
(c) 電解質
上記電解質としては、例えば、有機電解液、ゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができる。電解質を注入した後に電池の開口部を封止する。封止の前に通電し発生したガスを取り除いてもよい。
上記有機電解液を構成する有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられ、これらの1種以上を混合して用いることができる。
また、上記PC(プロピレンカーボネート)、上記EC(エチレンカーボネート)およびブチレンカーボネート等の環状カーボネート類は高沸点溶媒であるため、上記GBLとの混合する溶媒として好適である。
上記有機電解液を構成する電解質塩としては、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、トリフルオロ酢酸リチウム(LiCFCOO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(LiN(CFSO))等のリチウム塩が挙げられ、これらの1種以上を混合して用いることができる。電解液の塩濃度は、0.5〜3mol/L(リットル)が好適である。
(d) セパレータ
上記セパレータとしては、多孔質材料または不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、上述した電解質中に含まれる有機溶媒に対して、溶解しなく膨潤しないものが好ましい。具体的には、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エーテル系ポリマー、ガラスのような無機材料等が挙げられる。
なお、この実施形態に係る電池では、セパレータ、電池ケース他、構造材料等の要素についても従来公知の非水電解質二次電池に使用される各種材料を使用することができ、特に制限はない。
(e) 非水系二次電池の製造方法
この発明の実施形態に係る非水系二次電池は、例えば、前項(a)で述べた正極と前項(b)で述べた負極との間に前項(d)で述べたセパレータを挟んで、上記正極,負極,セパレータを積層することにより作製できる。積層した正極,負極,セパレータは、例えば短冊状の平面形状を有していてもよい。また、円筒型や扁平型の電池を作製する場合は、積層した正極,負極,セパレータを巻き取ってもよい。
ここで、円筒型電池の一例として、図1に、巻回型の二次電池10を示し、図2に、この巻回型の二次電池10が備える電極体12を示す。この電極体12は、正極12a,セパレータ12c,負極12bが積層されて巻回された巻回体として構成されている。上記電極体12は、図1に示すように、円筒形の電池缶11内に挿入される。また、上記電池缶11の密封の方法としては、円筒型の電池の場合、電池容器をなす電池缶11の開口部に樹脂製のパッキン(図示せず)を有する蓋11cを嵌め込み、容器をなす電池缶11をかしめる方法が一般的である。上記蓋11cには、正極端子11aが形成され、この正極端子11aは上記正極12aに電気的に接続される。一方、上記電池缶11の正極端子11aと反対側の端面は負極端子11bをなし、この負極端子11bは上記負極12bに電気的に接続される。
次に、図3に、扁平型電池の一例としての積層型の二次電池110を示す。この積層型の二次電池110は、収納容器である外装容器111内に、図4に示す積層体としての電極群113を収容している。この電極群113は、正極113aと負極113bとの間にセパレータ113cを挟むようにして複数の正極113aと複数の負極113bとが交互に積層されている。上記複数の正極113aは正極集電タブ114に電気的に接続されており、上記複数の負極113bは負極集電タブ115に電気的に接続されている。そして、この正極集電タブ114と負極集電タブ115のうちの一方が、上記外装容器111の側面に形成された端子部をなす2つの電極端子112のうちの一方に電気的に接続される。また、上記正極集電タブ114と負極集電タブ115のうちの他方が、上記2つの電極端子112のうちの他方に電気的に接続される。上記外装容器111は、電極113a,113bおよびセパレータ113cを外気から遮断するために密閉される。
例えば、金属性の封口板と呼ばれる蓋111aを箱体111bの開口部に取り付け、蓋111aを溶接で蓋体111bに取り付けることによって密封する方法を使用できる。外装容器111の密封方法としては、この方法以外に、結着材で密封する方法、ガスケットを介してボルトで固定する方法も使用できる。
また、図5に示すように、正極1a,負極1bおよび正極1aと負極1b間に挟まれたセパレータ1cを、金属箔に熱可塑性樹脂を貼り付けたラミネート膜3で密封する構造の電池としてもよい。図5において、符号2bは、負極1bに電気的に接続された電極端子であり、符号2aは正極1aに電気的に接続された電極端子である。
以上のような構成の非水系二次電池によれば、この発明の実施形態の正極を備え、上記正極は、充放電時の体積変化率が互いに異なると共にオリビン構造を有する2種以上の正極活物質を有する。この2種以上の正極活物質を有する正極は、体積変化率が小さい方の正極活物質で充放電時の体積変化を低減でき、電極内部での応力を低減できる。したがって、正極活物質と導電材との導電パスの破壊を起りにくくすることができて、正極での電気抵抗の上昇を抑制でき、電気容量が低下するのを抑制できる。
一方、従来の正極活物質をアルミニウム箔等の金属箔上に塗布して作製した電極では、正極活物質の充放電時の体積変化が大きいので、充放電時に電極自体の厚さが変化するという問題点を有している。電極自体の厚さが変化すると、電極の集合体を納めた電池の外装に繰返し応力がかかる。電池の外装に金属を使用している場合、繰り返しかかる応力によって、電池の外装自身や封止部分に亀裂が生じ得る。電池の外装にラミネート材等を使用している場合は繰返しによる疲労は少ないが、電池そのものの厚さが変化し、電池を積層したモジュールの電池厚さが変化するためにモジュール自身に応力がかかる。その結果、上記モジュールの信頼性が低下する可能性がある。
これに対して、本発明の実施形態に係る正極の如く、体積変化率が異なる2種以上の正極活物質をアルミニウム箔等の金属箔上に塗布して作製した電極は、比較的体積変化率が大きな単一の正極活物質(例えば、リン酸鉄リチウム)で作製した正極に比べて、理論容量の低下を抑えながら、充放電時の正極活物質の体積変化を小さくすることができる。したがって、充放電時の電極の厚さの変化を少なくすることができるので、充放電に伴う電池の厚さの変化が少なくなり、金属を外装に使用した電池においては外装への応力が低減され、その結果、信頼性の高い電池を提供できる。
このように、本発明の実施形態に係る正極を使用した電池は長期信頼性に優れているので、長期間使用する太陽電池の電力貯蔵や深夜電力の貯蔵、風力、地熱、波力等の自然エネルギーの電力貯蔵に適している。これらの電池は、複数個繋げた状態でモジュールとして使用することができる。
本発明の正極および非水系二次電池は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態の正極では、上記第1の正極活物質としてリン酸鉄リチウム(LiFePO)を備え、上記第2の正極活物質を上記一般式(2)または一般式(3)で表される活物質としたが、上記第1の正極活物質および第2の正極活物質の両方を、上記一般式(2)または一般式(3)で表される活物質とし、上記第2の正極活物質の充放電時の体積変化率が上記第1の正極活物質の充放電時の体積変化率よりも小さくなるように、上記第1,第2の正極活物質の上記一般式(2)または(3)におけるx,y,zの値とAとMとを設定してもよい。
また、上記正極が、上記一般式(2)または一般式(3)で表される2種以上の活物質と、リン酸鉄リチウムとから選択される3種以上の体積変化率が互いに異なる正極活物質を備えるものとしてもよい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で使用した試薬等は、特に断りのない限りキシダ化学社製の特級試薬を用いた。
(I) 正極材料の合成および体積変化率の測定
<LiFePOの合成>
出発原料にリチウム源としてLiOH、鉄源としてFe(CHCOO)、リン源としてHPOを用い、モル比でLi:Fe:P=1:1:1となるように量りとった。次に、少量の水にFe源とP源を入れ、Fe源が完全に溶解したあとに、Li源を入れた。この水溶液に最終的に得られる予定のLiFePOの20質量%のスクロースを加えた。この水溶液を窒素フロー下、60℃の乾燥炉で一晩乾燥させた後、600℃で12時間焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLiFePO単相粉末を合成した。この合成したLiFePO単相粉末のサンプルをA1とする。
<LiFeZrPSiOの合成>
出発原料にリチウム源としてLi(OC)、鉄源としてFe(CHCOO)、ジルコニウム源としてZr(OC)、リン源として(NH)HPO、シリコン源としてSi(OC)を所定のモル比となるように、それぞれ量り取った。
次に、Li源、Zr源、Si源を20gのブタノールに溶解した。また、Fe源、P源を、金属アルコキシド(Fe源、Si源およびLi源)の合計モル数に対して4倍のモル数の水に溶解した。金属アルコキシドを溶解したブタノールとFe源とP源を溶解した水とを混合し、1時間の撹拌後、60℃の乾燥機にて乾燥させた粉末を前駆体とした。
得られたアモルファスの前駆体を窒素雰囲気中で600℃、12時間焼成を行い、オリビン型の正極活物質を得た。こうして合成したFe,Zr,P,Siの組成比が互いに異なる4つのサンプルを、A2,A3,A4,A5とする。
<体積変化率の測定>
合成した上記LiFePO正極活物質を乳鉢ですり潰して微粉化し、室温にて、Cu管球を用いて10°〜90°までX線測定を行い、格子定数を求めた。
また、Liの脱離後の活物質における格子定数を求めるため、Li脱離後の正極活物質として、充電容量を確認したLiの脱離状態と同じ組成の正極活物質を用い、室温にてX線測定を行った。具体的には、後述の電池の作製法で電池を作製し、完全に充電を行った状態で正極を取り出し、有機溶媒で電極を洗浄後、上記Li脱離後の正極活物質のXRD(X線回折)測定を実施した。
上記LiFePO正極活物質の充放電による体積変化率V(%)は、充電時の構造の格子定数と放電時の構造の格子定数とから、充電時の構造の体積V1と放電時の構造の体積V2とを求め、下記式(4)により求めた。
体積変化率V(%)=(1−V1/V2)×100 … (4)
ここで、上記充電時の構造とは、Li脱離時の構造とし、上記放電時の構造とは、合成時の初期の構造とした。
図6の表1に、上記A1〜A5の正極活物質の組成と体積変化率を示す。表1に示すように、正極活物質A1は、LiFePOであり、体積変化率は、6.6%であった。また、正極活物質A2は、LiFe0.95Zr0.050.9Si0.1であり、体積変化率は、6.0%であった。
また、正極活物質A3は、LiFe0.925Zr0.0750.85Si0.15であり、体積変化率は、5.4%であった。また、正極活物質A4は、LiFe0.9Zr0.10.8Si0.2であり、体積変化率は、4.6%であった。また、正極活物質A5は、LiFe0.875Zr0.1250.75Si0.25であり、体積変化率は、3.6%であった。
(II) 電池の作製および容量維持率の評価
(実施例1)
<正極の作製法>
正極活物質として、90質量%の上記A1の正極活物質と、10質量%の上記A2の正極活物質とを混合したものを用いた。
上記正極活物質とアセチレンブラック(電気化学工業社製)とCMC(第一工業製薬社製)と水系バインダ(JSR社製)とを、100:4:1.2:6の質量比で、溶媒に水を用いて混合して、スラリー状にし、厚さ20μmのアルミ箔に厚さが100μm〜200μmとなるように塗布して正極を得た。なお、この正極の電極サイズは、2.8cm×2.8cmとした。
<負極の作製>
負極活物質として、天然黒鉛粉末を使用した。この負極活物質に結着剤として約10質量%のポリビニリデンフルオライド樹脂粉末を混合した。この混合物をN-メチル-2-ピロリドンに溶解してスラリー状にし、これを厚さ20マイクロメートルの銅箔の両面に塗布し、乾燥した後に、プレスを行って負極を作製した。
(実施例2)
正極活物質として、70質量%の上記A1の正極活物質と、30質量%の上記A2の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例2の電池を作製した。
(実施例3)
正極活物質として、50質量%の上記A1の正極活物質と、50質量%の上記A2の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例3の電池を作製した。
(実施例4)
正極活物質として、90質量%の上記A1の正極活物質と、10質量%の上記A3の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例4の電池を作製した。
(実施例5)
正極活物質として、70質量%の上記A1の正極活物質と、30質量%の上記A3の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例5の電池を作製した。
(実施例6)
正極活物質として、50質量%の上記A1の正極活物質と、50質量%の上記A3の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例6の電池を作製した。
(実施例7)
正極活物質として、90質量%の上記A1の正極活物質と、10質量%の上記A4の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例7の電池を作製した。
(実施例8)
正極活物質として、70質量%の上記A1の正極活物質と、30質量%の上記A4の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例8の電池を作製した。
(実施例9)
正極活物質として、50質量%の上記A1の正極活物質と、50質量%の上記A4の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例9の電池を作製した。
(実施例10)
正極活物質として、90質量%の上記A1の正極活物質と、10質量%の上記A5の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例10の電池を作製した。
(実施例11)
正極活物質として、70質量%の上記A1の正極活物質と、30質量%の上記A5の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例11の電池を作製した。
(実施例12)
正極活物質として、50質量%の上記A1の正極活物質と、50質量%の上記A5の正極活物質とを混合したものを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例12の電池を作製した。
(比較例1)
正極活物質として、100質量%の上記A1の正極活物質を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、比較例1の電池を作製した。
(比較例2)
正極活物質として、100質量%の上記A2の正極活物質を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、比較例2の電池を作製した。
(比較例3)
正極活物質として、100質量%の上記A3の正極活物質を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、比較例3の電池を作製した。
(比較例4)
正極活物質として、100質量%の上記A4の正極活物質を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、比較例4の電池を作製した。
(比較例5)
正極活物質として、100質量%の上記A5の正極活物質を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、比較例5の電池を作製した。
(III) 容量保持率の評価
各実施例および比較例にて作製した正極と、上述の負極とをそれぞれ30mm×30mmに大きさに切り抜き、電池の電流導入端子として正極には幅3mm×長さ50mmのアルミニウム製タブを、負極には幅3mm×長さ50mm銅製タブを溶接し正極電極と負極電極とを作製した。
図5に断面を示す本発明の非水系二次電池の一例では、上述の正極1aと負極1bとの間に多孔質ポリエチレン製のセパレータ1cを挟んで作製した積層体を、2枚の金属箔に熱可塑性樹脂を貼り付けたラミネート膜3の間に挟んで、周囲を熱溶着することにより密封し、電池の外装を施した。図5において、符号2bは、負極1bに電気的に接続された電極端子であり、符号2aは正極1aに電気的に接続された電極端子である。
なお、上記ラミネート膜3には、電解質注入用の開口部(図示せず)が設けられている。上記開口部に、1モル/リットルのLiPFを溶解させた、30体積%のエチレンカーボネートと70体積%のジエチルカーボネートとを電解質として含浸させた。
上記電解質を電池内部に注入した後に、電池容器の上記電解質注入用の開口部を封止して二次電池の作製を完了する。
<容量保持率の評価>
このように作製した電池を、25℃の環境下で初回充電を行った。充電電流は、0.2mAとし、電池の電位が3.6Vに到達した時点で充電を終了させた。
上記充電が終了した後、0.2mAで放電を行い、電池の電位が2.0Vに到達した時点で放電を終了し、この電池の初回容量とした。さらに、2mAの電流にて充放電を繰返し、100回毎に放電電流0.2mAでの放電にて放電容量を計測し、下記式(5)にて容量保持率を求めた。
(容量保持率)=(100回毎の放電容量)/(初回の放電容量) … (5)
図7の表2に、上記実施例1〜12および比較例1〜5の初回容量(mAh)と500回目の放電容量(mAh)と1000回目の放電容量(mAh)を示す。
表2に示すように、正極活物質A1が90質量%で正極活物質A2が10質量%の実施例1では、500回目の容量保持率は、(15.61/20.22)=77.2%、1000回目の容量保持率は、(12.54/20.22)=62.0%であった。
また、正極活物質A1が70質量%で正極活物質A2が30質量%の実施例2では、500回目の容量保持率は、(15.80/19.87)=79.5%、1000回目の容量保持率は、(12.52/19.87)=63.0%であった。
また、正極活物質A1が50質量%で正極活物質A2が50質量%の実施例3では、500回目の容量保持率は、(15.64/19.23)=81.3%、1000回目の容量保持率は、(12.50/19.23)=65.0%であった。
また、正極活物質A1が90質量%で正極活物質A3が10質量%の実施例4では、500回目の容量保持率は、(15.68/20.02)=78.3%、1000回目の容量保持率は、(12.41/20.02)=62.0%であった。
また、正極活物質A1が70質量%で正極活物質A3が30質量%の実施例5では、500回目の容量保持率は、(16.08/19.13)=84.1%、1000回目の容量保持率は、(12.44/19.13)=65.0%であった。
また、正極活物質A1が50質量%で正極活物質A3が50質量%の実施例6では、500回目の容量保持率は、(16.00/18.46)=86.7%、1000回目の容量保持率は、(12.55/18.46)=68.0%であった。
また、正極活物質A1が90質量%で正極活物質A4が10質量%の実施例7では、500回目の容量保持率は、(16.26/19.48)=83.5%、1000回目の容量保持率は、(12.37/19.42)=63.5%であった。
また、正極活物質A1が70質量%で正極活物質A4が30質量%の実施例8では、500回目の容量保持率は、(15.24/18.55)=82.2%、1000回目の容量保持率は、(12.74/18.55)=68.7%であった。
また、正極活物質A1が50質量%で正極活物質A4が50質量%の実施例9では、500回目の容量保持率は、(14.70/17.33)=84.8%、1000回目の容量保持率は、(12.37/17.33)=71.4%であった。
また、正極活物質A1が90質量%で正極活物質A5が10質量%の実施例10では、500回目の容量保持率は、(15.67/19.09)=82.1%、1000回目の容量保持率は、(12.21/19.09)=64.0%であった。
また、正極活物質A1が70質量%で正極活物質A5が30質量%の実施例11では、500回目の容量保持率は、(15.24/17.47)=87.2%、1000回目の容量保持率は、(12.36/17.47)=70.7%であった。
また、正極活物質A1が50質量%で正極活物質A5が50質量%の実施例12では、500回目の容量保持率は、(14.20/16.86)=84.2%、1000回目の容量保持率は、(12.61/16.86)=74.7%であった。
このように、実施例1〜12のうち、正極活物質A1〜A5の中で体積変化率が最も小さい正極活物質A5の質量%が最も大きな実施例12が、1000回目の容量保持率が最大となった。
一方で、この実施例12は、初回容量については、実施例1〜12のうちで最も小さな値であった。
また、図7の表2に示すように、正極活物質A1を100質量%とした比較例1では、500回目の容量保持率は、(15.29/20.39)=75.0%、1000回目の容量保持率は、(11.22/20.39)=55.0%であった。
また、正極活物質A2を100質量%とした比較例2では、500回目の容量保持率は、(15.34/18.66)=82.2%、1000回目の容量保持率は、(11.76/18.66)=63.0%であった。
また、正極活物質A3を100質量%とした比較例3では、500回目の容量保持率は、(15.68/16.53)=94.9%、1000回目の容量保持率は、(11.90/16.53)=72.0%であった。
また、正極活物質A4を100質量%とした比較例4では、500回目の容量保持率は、(13.55/14.26)=95.0%、1000回目の容量保持率は、(11.84/14.26)=83.0%であった。
また、正極活物質A5を100質量%とした比較例5では、500回目の容量保持率は、(12.74/13.53)=94.2%、1000回目の容量保持率は、(11.90/13.53)=88.0%であった。
このように、正極活物質A1〜A5の中で体積変化率が最も小さい正極活物質A5の質量%を100%とした比較例5では、1000回目の容量保持率が、実施例1〜12,比較例1〜5のうちで最も大きかったが、比較例5の初回容量は、実施例1〜12,比較例1〜5のうちで最も小さかった。このため、この比較例5の1000回目の容量は、実施例1〜12のいずれの実施例よりも小さくなった。また、比較例1〜5のいずれの比較例も、1000回目の容量は、
実施例1〜12の1000回目の容量よりも小さい値であった。
したがって、上記実施例1〜12によれば、上記比較例1〜5に比べて、1000回の充放電後に保持している電気容量を大きくすることができ、長寿命化を図ることができる。
尚、上記各実施例では、正極が備える第1の正極活物質をリン酸鉄リチウム(LiFePO)とし、上記正極が備える第2の正極活物質を上記一般式(2)において、x=0、MをZrとして表される活物質としたが、上記第2の正極活物質を上記一般式(2)で表される他の活物質としてもよい。また、上記第2の正極活物質を上記一般式(3)で表される活物質としてもよい。
また、上記実施例では、第1の正極活物質をリン酸鉄リチウム(LiFePO)としたが、第1の正極活物質を第1の正極活物質および第2の正極活物質の両方を、上記一般式(2)または一般式(3)で表される活物質とし、上記第2の正極活物質の充放電時の体積変化率が上記第1の正極活物質の充放電時の体積変化率よりも小さくなるように、上記第1,第2の正極活物質の上記一般式(2)または(3)におけるx,y,zの値とAとMとを設定してもよい。
また、上記正極が、上記一般式(2)または一般式(3)で表される2種以上の活物質と、リン酸鉄リチウムとから選択される3種以上の体積変化率が互いに異なる正極活物質を備えるものとしてもよい。
この発明の正極(1a,12a,113a)によれば、充放電時の体積変化率が互いに異なる2種以上の正極活物質を備え、上記2種以上の正極活物質は、オリビン構造を有する。これにより、比較的体積変化率が大きな単一の正極活物質で作製した正極に比べて、充放電時の正極活物質の体積変化を小さくすることができる。したがって、安全性,コスト面において優れたオリビン構造を有する正極活物質を用いつつ、電極内部の応力を緩和して、正極活物質と導電材との導電パスの破壊を起りにくくして電気容量の低下を抑制でき、長寿命を実現できる。
また、一実施形態の正極(1a,12a,113a)によれば、上記2種以上の正極活物質のうちの少なくとも1種の正極活物質の充放電時の体積変化率が、リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい。
この実施形態によれば、正極活物質をリン酸鉄リチウムだけで構成する場合に比べて、充放電に伴う電極の体積変化を小さくして、電極内部にかかる応力を小さくし、充放電に伴う劣化を抑制できる。
また、一実施形態では、上記2種以上の正極活物質のうちの1種の正極活物質を、リン酸鉄リチウムとした。
この実施形態によれば、リン酸鉄リチウムによる正極活物質を有することで、安全性,コスト面において特に優れる。
また、一実施形態では、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質の質量は、全正極活物質の質量に対して30%以上である。
この実施形態によれば、充放電後の容量保持率を特に向上できる。
また、一実施形態では、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質は、オリビン構造を有すると共に、一般式(Li1−xAxFe1−yMyP1−zSi)で表される。
但し、上記一般式において、Aは、Na,Fe,Mのうちの少なくとも1種であり、上記Mは、Ti,V,Nb,Al,Y,Zr,Snのうちのいずれかであり、xは0<x<0.25、yは0<y<0.25、zは0<z<0.25である。
この実施形態によれば、上記正極活物質は、リン酸鉄リチウムと同一の電位で充放電が行われるので、上記リン酸鉄リチウムと上記正極活物質とを混合して用いた場合も、電位変化を気にすることなく電池に用いることが可能である。
また、一実施形態では、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質は、体積変化率が6.0%以下である。
この実施形態によれば、充放電後の容量保持率を特に向上できる。
ここで、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質の質量は、全正極活物質の質量に対して30%以上であり、上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質は、体積変化率が6.0%以下である。この30%の値と6.0%の値の意義を説明する。図8に示すように、横軸を、活物質の比率より算出した平均の体積変化率とし、縦軸を、1000cy後の容量とした場合、平均の体積変化が6%前後のところがよい値となっている。平均の体積変化を6%程度にするためには、少なくとも一方は6%以下の体積変化であることが必要であり、混合量としても30%程度が必要である。
また、本発明の非水系二次電池は、上記正極を備えた。この発明の非水系二次電池によれば、オリビン構造を有すると共に充放電時の体積変化率が互いに異なる2種以上の正極活物質を備える正極によって、正極活物質の充放電時の体積変化を小さくすることができるので、充放電時の電極の厚さの変化を少なくすることができて、信頼性の高い電池を提供することができる。
この発明の正極は、安全性、コスト面において優れているだけでなく、寿命の長い電池を提供することができる。したがって、この発明の正極は、リチウムイオン電池等の非水系二次電池における正極として好適に使用することができる。
1a 正極
1b 負極
1c セパレータ
2a,2b,112 電極端子
3 ラミネート膜
10 巻回型の二次電池
11 電池缶
11a 正極端子
11b 負極端子
12 電極体
12a,113a 正極
12b,113b 負極
12c,113c セパレータ
110 積層型の二次電池
111 外装容器
111a 蓋
111b 箱体
113 電極群
114 正極集電タブ
115 負極集電タブ

Claims (5)

  1. 充放電時の体積変化率が互いに異なる2種以上の正極活物質を備え、
    上記2種以上の正極活物質は、オリビン構造を有することを特徴とする正極。
  2. 請求項1に記載の正極において、
    上記2種以上の正極活物質のうちの少なくとも1種の正極活物質の充放電時の体積変化率が、リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さいことを特徴とする正極。
  3. 請求項2に記載の正極において、
    上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質の質量は、全正極活物質の質量に対して30%以上であることを特徴とする正極。
  4. 請求項2または3に記載の正極において、
    上記リン酸鉄リチウムの充放電時の体積変化率よりも小さい体積変化率を有する正極活物質は、
    オリビン構造を有すると共に、一般式(Li1−xFe1−y1−zSi)で表されることを特徴とする正極。
    但し、上記一般式において、Aは、Na,Fe,Mのうちの少なくとも1種であり、上記Mは、Ti,V,Nb,Al,Y,Zr,Snのうちのいずれかであり、xは0<x<0.25、yは0<y<0.25、zは0<z<0.25である。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の正極を備えたことを特徴とする非水系二次電池。
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