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JP2016010964A - 樹脂シート及びプリント配線板 - Google Patents

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JP2016010964A
JP2016010964A JP2015016964A JP2015016964A JP2016010964A JP 2016010964 A JP2016010964 A JP 2016010964A JP 2015016964 A JP2015016964 A JP 2015016964A JP 2015016964 A JP2015016964 A JP 2015016964A JP 2016010964 A JP2016010964 A JP 2016010964A
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秀和 出井
Hidekazu Idei
秀和 出井
誠司 四家
Seiji Yotsuya
誠司 四家
恵一 長谷部
Keiichi Hasebe
恵一 長谷部
義則 馬渕
Yoshinori Mabuchi
義則 馬渕
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

【課題】プリント配線板材料における絶縁層に使用した場合に、樹脂シートのハンドリング性に優れ、絶縁層とその表面にめっき形成される導体層との密着性に優れた樹脂組成物を得る。
【解決手段】高分子フィルム、金属箔及び金属フィルムからなる群から選択される、いずれか一種である外層と、当該外層上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シートであって、該熱硬化性樹脂組成物が、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)を含有するものである、樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の絶縁層の材料として有用な樹脂シート及びプリント配線板に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化が進んでいる。多層プリント配線板は、電子部品の実装密度を向上させるため、導体配線の微細化が進んでおり、その配線形成技術が望まれている。絶縁層上に高密度の微細配線を形成する方法としては、無電解めっきのみで導体層を形成するアディティブ法や、無電解めっきで全面に薄い銅層を形成した後に電解めっきで導体層を形成し、そのあとに薄い銅層をフラッシュエッチングするセミアディティブ法などが知られている。
絶縁層表面の粗度は、後工程のフラッシュエッチング処理において、物理アンカー深部のめっきを除去できなくなってしまうため、極力小さくすることが望ましい。一方、絶縁層表面の粗度が小さいことで導体層と絶縁層間の密着強度は小さくなる傾向にある。よって、絶縁層表面の粗度が小さくても導体層との界面密着強度が高い絶縁層樹脂組成物が求められている。
また、多層プリント配線板の小型化、高密度化により、多層プリント配線板に用いられる積層板を薄型化する検討が盛んに行なわれている。薄型化に伴い、絶縁層についても薄型化が求められ、ガラスクロスを含まず、ハンドリング性の良い樹脂シートの検討が求められている。薄型化に伴い、実装信頼性の低下及び多層プリント配線板の反りの拡大という問題が生じるため、絶縁層の材料となる樹脂組成物には、高密着性、高ガラス転移温度が求められている。
これに対して各種取り組みがなされていた。例えば特許文献1には(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ樹脂で表面処理された無機充填材を含有する樹脂組成物により、湿式粗化工程後の絶縁層表面が低い算術平均粗さのみならず、低い二乗平均平方根粗さであっても、メッキ導体層が十分に高いピール強度を呈する技術が記載されている。また、ハンドリング性を高める観点から、可撓性向上に液状エポキシを添加する技術が記載されている。
特許文献2には、エポキシ樹脂と、硬化剤と、平均粒子径が1μm以下のシリカ粒子が特定の量のシランカップリング剤により表面処理されているシリカ成分とを含む組成により、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さを小さくする事が出来る技術が記載されている。また、ハンドリング性を高める観点から、可撓性向上に可撓性エポキシを添加する技術が記載されている。
特許文献3には、シアン酸エステル樹脂、特定のビスマレイミド化合物を配合させて樹脂組成物の硬化体は、耐クラック性に優れ、高耐熱性が得られる技術が記載されている。
特許第5413522号公報 特開2011−174082号公報 特許第4810875号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、表面粗さ及びめっきにより形成される導体層との密着性は満足いくものでは無かった。また、高ガラス転移温度という概念は一切記載されていない。
また、特許文献2に記載の方法では、硬化体上のめっき金属層と硬化体との密着力には優れるものの、プリント配線板の絶縁層として求められるガラス転移温度の観点から満足いくものでない。
さらに、特許文献3に記載の方法では、樹脂組成物から得られる硬化物について、耐クラック性が優れる旨は記載があるものの、半硬化状態の樹脂シートの可撓性については一切記載されていない。また、めっきにより形成される導体層との密着性という概念は一切記載されていない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、プリント配線板材料における絶縁層に使用した場合に、ハンドリング性に優れ、絶縁層とその表面にめっき形成される導体層との密着性に優れ、完全硬化した際のガラス転移温度が樹脂シートを得ることであり、これを用いたプリント配線板を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、高分子フィルム、金属箔及び金属フィルムからなる群から選択される、いずれか一種である外層と、当該外層上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シートであって、該熱硬化性樹脂組成物が、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)を含有するものである、樹脂シートにより、上記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
高分子フィルム、金属箔及び金属フィルムからなる群から選択される、いずれか一種である外層と、当該外層上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シートであって、該熱硬化性樹脂組成物が、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)を含有するものである、樹脂シート。
[2]
前記マレイミド化合物(A)の熱硬化性樹脂組成物における含有量が、熱硬化性樹脂組成物における樹脂固形分100質量部に対し、1〜10質量部である、[1]に記載の樹脂シート。
[3]
前記無機充填材(D)の熱硬化性樹脂組成物における含有量が、熱硬化性樹脂組成物における樹脂固形分100質量部に対し、50〜300質量部である、[1]又は[2]に記載の樹脂シート。
[4]
前記高分子フィルムが、ポリエステル、ポリイミド及びポリアミドからなる群から選択される、いずれか一種である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の樹脂シート。
[5]
前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)で表されるものである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の樹脂シート。
Figure 2016010964
(式中nは、1以上30以下の整数を示す。)
[6]
前記熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層が、熱硬化性樹脂組成物を外層上に塗布した後、加熱及び/又は減圧下で乾燥し、溶媒を除去して本発明の樹脂組成物を固化して得られるものである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の樹脂シート。
[7]
コア基材とコア基材上に形成された導体回路とを有する回路基板上に、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の樹脂シートを、ビルドアップ材として積層させて得られる、プリント配線板。
[8]
[7]に記載のプリント配線板における樹脂シートを表面処理してめっきによりパターン形成した、プリント配線板。
[9]
前記表面処理が、膨潤剤、アルカリ性酸化剤による粗化処理、酸性還元剤による中和処理からなるデスミア処理である、[8]に記載のプリント配線板。
[10]
めっきによるパターン形成が、無電解めっきを行い、その後、セミアディティブ法によりパターン形成を行う、[8]又は[9]に記載のプリント配線板。
[11]
めっきによるパターン形成が、無電解めっきを行い、その後、サブトラクティブ法によりパターン形成を行う、[8]又は[9]に記載のプリント配線板。
本発明の樹脂組成物は、以下の(1)〜(4)の効果の少なくとも何れか、好ましくは全てを発揮する。
(1)樹脂シートの可撓性(ハンドリング性)に優れる。
(2)絶縁層とその表面にめっき形成される導体層との密着性に優れる。
(3)基材表面粗度が小さい。
(4)高いガラス転移温度を有する。
本発明の一態様は、高分子フィルム、金属箔及び金属フィルムからなる群から選択される、いずれか一種である外層と、当該外層上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シートであって、該熱硬化性樹脂組成物が、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)を含有するものである、樹脂シートである。
〔I−1.融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)〕
本発明に使用されるマレイミド化合物は、分子中にマレイミド基を1以上含み、融点が40℃以下であるものであれば特に限定されない。そのようなマレイミド化合物としては長鎖アルキルビスマレイミドオリゴマー等が挙げられ、その中でも式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016010964
(式中nは、1以上30以下の整数を示す。)
式(1)で表されるマレイミド化合物は、市販のものを使用してもよく、例えば、ケイ・アイ化成(株)製のBMI−1000P、BMI−650P、ARBROWN(株)製のBMI 1500等を好適に使用することができる。
本発明におけるマレイミド化合物(A)の樹脂組成物における含有量は、樹脂シートの可撓性(ハンドリング性)の観点から、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、1〜10質量部であることが好ましく、さらに3〜8質量部であることが好ましい。ここで、「樹脂組成物中の樹脂固形分」とは、特に断りのない限り、樹脂組成物における、溶剤及び無機充填材(D)を除いた成分をいい、樹脂固形分100質量部とは、樹脂組成物における溶剤及び無機充填材を除いた成分の合計が100質量部であることをいうものとする。
〔I−2.エポキシ化合物(B)〕
本発明に使用されるエポキシ化合物(B)は、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物である。エポキシ化合物(B)の1分子当たりのエポキシ基の数は、1以上である。該エポキシ基の数は2以上であることがより好ましい。
エポキシ化合物(B)は、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ化合物(B)は、1種類のみが用いられても良く、2種類以上が併用されても良い。
エポキシ化合物(B)としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(エポキシ基含有ビフェニルアラルキル樹脂)、ナフタレン型エポキシ化合物(ナフタレン骨格を有するエポキシ基含有化合物:ナフタレン2官能型エポキシ化合物)、ビスナフタレン型エポキシ化合物(ビスナフタレン骨格を有するエポキシ基含有化合物:ナフタレン4官能型エポキシ化合物)、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(エポキシ基含有芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂)、アントラキノン型エポキシ化合物(アントラキノン骨格を有するエポキシ基含有化合物)、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物(エポキシ基含有ナフトールアラルキル樹脂)、ザイロック型エポキシ化合物(エポキシ基含有ザイロック樹脂)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ化合物(3官能フェノール骨格を有するエポキシ基含有化合物)、4官能フェノール型エポキシ化合物(4官能フェノール骨格を有するエポキシ基含有化合物)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ビフェニル骨格を有するエポキシ基含有化合物)、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、トリアジン骨格エポキシ化合物(トリアジン骨格含有エポキシ樹脂)脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエン等の二重結合含有化合物の二重結合をエポキシ化した化合物、及び、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物、等が挙げられる。
なお、上記例示に記すように、本明細書では、ある樹脂又は化合物をエポキシ化して得られる構造を有するエポキシ化合物を、その樹脂又は化合物の名称に「〜型エポキシ化合物」との記載を付して表す場合がある。
これらの中でも、エポキシ化合物(B)としては、絶縁層とめっき導体層との密着性及び難燃性等の観点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビスナフタレン型エポキシ化合物、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ化合物(好ましい例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素をホルムアルデヒドと重合して得られた芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を、フェノール、キシレノール等の水酸基含有芳香族炭化水素で変性し、更に当該水酸基をエポキシ化した化合物や、フェノール、キシレノール等の水酸基含有芳香族炭化水素をホルムアルデヒドと重合して得られた芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の当該水酸基をエポキシ化した化合物等)、アントラキノン型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、及びザイロック型エポキシ化合物、からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物としては、式(2)で表される化合物が好ましい。この好ましいビフェニルアラルキル型エポキシ化合物樹脂の使用により、樹脂組成物の耐燃焼性を向上することができる。
Figure 2016010964
(式中、Rは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数を示す。)
本発明におけるエポキシ化合物(B)の樹脂組成物における含有量は特に限定されないが、耐熱性及び硬化性の観点から、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対し、20〜80質量部範囲が好ましく、30〜70質量部の範囲が特に好適である。
エポキシ化合物(B)としては、様々な構造の既製品が市販されており、それらを適宜入手して用いることができる。また、公知の種々の製法を用いて、エポキシ化合物(B)を製造してもよい。斯かる製法の例としては、所望の骨格を有する水酸基含有化合物を入手又は合成し、当該水酸基を公知の手法により修飾してエポキシ化(エポキシ基導入)する方法等が挙げられる。
〔I−3.シアン酸エステル化合物(C)〕
本発明に使用されるシアン酸エステル化合物(C)は、シアナト基(シアン酸エステル基)を有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有ナフトールアラルキル樹脂)、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂)、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有ビフェニルアラルキル樹脂)、及びノボラック型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有ノボラック樹脂)、等が挙げられる。
これらのシアン酸エステル化合物(C)は、本発明の樹脂組成物において耐薬品性、高ガラス転移温度、低熱膨張性等に優れた特性を付与し、本発明の樹脂組成物の成分として好適に使用することができる。
なお、上記例示に記すように、本明細書では、ある樹脂又は化合物をシアナト化(シアン酸エステル化)して得られる構造を有するシアン酸エステル化合物(C)を、その樹脂又は化合物の名称に「〜型シアン酸エステル化合物」との記載を付して表す場合がある。
これらの中でも、シアン酸エステル化合物(C)としては、難燃性に優れ、硬化性が高く、かつ硬化物のガラス転移温度が高い本発明の樹脂組成物を提供するという観点から、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型シアン酸エステル化合物(好ましい例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素をホルムアルデヒドと重合して得られた芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を、フェノール、キシレノール等の水酸基含有芳香族炭化水素で変性し、更に当該水酸基をシアナト化した化合物や、フェノール、キシレノール等の水酸基含有芳香族炭化水素をホルムアルデヒドと重合して得られた水酸基含有芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の当該水酸基をシアナト化した化合物等)、及びビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物からなる群から選択される1種又は2種以上が特に好ましい。
ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物としては、式(3)表される化合物が好ましい。
Figure 2016010964
(式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基を表し、中でも水素原子が好ましい。
は1以上の整数を示す。)
ノボラック型シアン酸エステル化合物としては、式(4)又は式(5)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016010964
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、中でも水素原子が好ましい。nは1以上の整数を示す。)
Figure 2016010964
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、中でも水素原子が好ましい。nは1以上の整数を示す。)
本発明におけるシアン酸エステル化合物(C)の樹脂組成物における含有量は特に限定されないが、耐熱性及び硬化性の観点から、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対し、20〜40質量部の範囲が好ましく、25〜35質量部の範囲が特に好適である。
シアン酸エステル化合物(C)としては、様々な構造の既製品が市販されており、それら適宜入手して用いることができる。また、公知の種々の製法を用いて、シアン酸エステル化合物(C)を製造してもよい。斯かる製法の例としては、所望の骨格を有する水酸基含有化合物を入手又は合成し、当該水酸基を公知の手法により修飾してシアナト化する方法等が挙げられる。水酸基をシアナト化する手法としては、例えば、Ian Hamerton, “Chemistry and Technology of Cyanate Ester Resins,” Blackie Academic & Professionalに記載の手法が挙げられる。
〔I−4.無機充填材(D)〕
本発明の樹脂組成物に使用される無機充填材(D)は、特に制限されないが、例としては、シリカ(例えば天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等)、アルミニウム化合物(例えばベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ等)、マグネシウム化合物(例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等)、カルシウム化合物(例えば炭酸カルシウム等)、モリブデン化合物(例えば酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等)、タルク(例えば天然タルク、焼成タルク等)、マイカ(雲母)、ガラス(例えば短繊維状ガラス、球状ガラス、微粉末ガラス(例えばEガラス、Tガラス、Dガラス等)等)などが挙げられる。これらの無機充填材(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
これらの中でも、無機充填材(D)としては、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ベーマイト、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される1種又は2種以上が好適である。
特に、低熱膨張性の観点から、無機充填材(D)としては、シリカが好ましく、その中でも溶融シリカが特に好ましい。溶融シリカの具体例としては、電気化学工業(株)製のSFP−130MC等、(株)アドマテックス製のSC2050―MB、SC2500―SQ、SC4500−SQ等が挙げられる。
また、無機充填材(D)としては、水酸化マグネシウム及び/又は酸化マグネシウムを単独で、或いはシリカ等の他の無機充填材との組み合わせで使用するのも好ましい。水酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムは、耐燃性を向上させる効果がある。水酸化マグネシウムの具体例としては、タテホ化学工業(株)製の「エコーマグZ−10」、「エコーマグPZ−1」、神島化学工業(株)製の「マグシーズN」、「マグシーズS」、「マグシーズEP」、「マグシーズEP2−A」、堺化学工業(株)製のMGZ−1、MGZ−3、MGZ−6R、協和化学工業(株)製の「キスマ5」、「キスマ5A」、「キスマ5P」等が挙げられる。酸化マグネシウムの具体例としては、タテホ化学工業(株)製のFNM−G、堺化学工業(株)製のSMO、SMO−0.1、SMO−S−0.5等が挙げられる。
無機充填材(D)の平均粒子径は、限定されるものではないが、樹脂シートの製造性向上の観点からは、0.01〜5.0μmが好ましく、0.2〜2.0μmがより好ましい。なお、本明細書において無機充填材(D)の「平均粒子径」とは、無機充填材(D)のメジアン径を意味するものとする。ここでメジアン径とは、ある粒子径を基準として粉体の粒度分布を2つに分けた場合に、より粒径が大きい側の粒子の個数又は質量と、より粒径が小さい側の個数又は質量とが、全粉体の夫々50%を占めるような粒子径を意味する。無機充填材(D)の平均粒子径(メジアン径)は、湿式レーザー回折・散乱法により測定される。
本発明における無機充填材(D)の樹脂組成物における含有量は、限定されるものではないが、絶縁層の熱膨張化を低減しながら高いめっきピール強度を得る観点からは、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対し、50〜300質量部とすることが好ましく、70〜250質量部とすることがより好ましい。なお、2種類以上の無機充填材(D)を併用する場合には、これらの合計量が上記比率を満たすことが好ましい。
〔I−5.その他の成分〕
本発明の樹脂組成物は、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)の他に、その他の1又は2種以上の成分を含有していてもよい。
例えば、本発明の絶縁層に用いられる樹脂組成物は、吸湿耐熱性向上の目的で、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、限定されない。具体例としては、アミノシラン系シランカップリング剤(例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシシラン系シランカップリング剤(例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、ビニルシラン系シランカップリング剤(例えばγ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、カチオン性シラン系シランカップリング剤(例えばN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等)、フェニルシラン系シランカップリング剤等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
シランカップリング剤を使用する場合、その含有量は限定されるものではないが、吸湿耐熱性向上の観点からは、無機充填材(D)に対して、シランカップリング剤の比率を0.05〜5質量%とするのが好ましく、0.1〜3質量%とするのがより好ましい。なお、2種以上のシランカップリング剤を併用する場合には、これらの合計量が上記比率を満たすことが好ましい。
また、本発明の絶縁層に用いられる樹脂組成物は、樹脂シート製造性向上等の目的で、湿潤分散剤を含有してもよい。湿潤分散剤としては、一般に塗料等に使用されている湿潤分散剤であれば、限定されない。具体例としては、ビッグケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk−110、同−111、同−180、同−161、BYK−W996、同−W9010、同−W903等が挙げられる。これらの湿潤分散剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
湿潤分散剤を使用する場合、樹脂組成物におけるその含有量は限定されるものではないが、樹脂シート製造性向上の観点からは、無機充填材(D)に対して、湿潤分散剤の比率を0.1〜5質量%とするのが好ましく、0.5〜3質量%とするのがより好ましい。なお、2種以上の湿潤分散剤を併用する場合には、これらの合計量が上記比率を満たすことが好ましい。
また、本発明の絶縁層に用いられる樹脂組成物は、硬化速度の調整等の目的で、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としては、エポキシ化合物やシアン酸エステル化合物等の硬化促進剤として公知であり、一般に使用されるものであれば、特に限定されない。具体例としては、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属を含む有機金属塩類(例えばオクチル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ニッケル、オクチル酸マンガン等)、イミダゾール類及びその誘導体(例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等)、第3級アミン(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン等)等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
硬化促進剤を使用する場合、樹脂組成物におけるその含有量は限定されるものではないが、高いガラス転移温度を得る観点からは、樹脂組成物の樹脂固形分100質量部に対し、硬化促進剤の比率を0.01〜5質量部とするのが好ましく、0.05〜4質量部とするのがより好ましい。なお、2種以上の硬化促進剤を併用する場合には、これらの合計量が上記比率を満たすことが好ましい。
また、本発明の絶縁層に用いられる樹脂組成物は、所期の特性が損なわれない範囲において、その他の種々の高分子化合物及び/又は難燃性化合物等を含有してもよい。高分子化合物及び難燃性化合物としては、一般に使用されているものであれば限定されない。高分子化合物の例としては、各種の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂並びにそのオリゴマー、エラストマー類等が挙げられる。難燃性化合物の例としては、リン含有化合物(例えばリン酸エステル、リン酸メラミン、リン含有エポキシ樹脂等)、窒素含有化合物(例えばメラミン、ベンゾグアナミン等)、オキサジン環含有化合物、シリコーン系化合物等が挙げられる。これらの高分子化合物及び/又は難燃性化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、本発明の絶縁層に用いられる樹脂組成物には、所期の特性が損なわれない範囲において、種々の目的により、各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤の例としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
〔I−6.樹脂組成物〕
本発明の絶縁層に用いられる樹脂組成物は、上述の成分、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)及びその他の成分を混合することにより調製される。必要に応じて、これらの成分を有機溶剤に溶解させた溶液の形態としてもよい。斯かる本発明の樹脂組成物の溶液は、後述する本発明の樹脂シートを作製する際のワニスとして、好適に使用することができる。有機溶剤としては、上述の成分を各々好適に溶解又は分散させることができ、且つ、本発明の樹脂組成物の所期の効果を損なわないものであれば限定されない。具体例としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アミド類(例えばジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等)、芳香族炭化水素類(例えばトルエン、キシレン等)等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
〔II−1.樹脂シート〕
本発明の樹脂シートは、外層上に、上述した本発明の樹脂組成物からなる層(絶縁層)が積層されたものである。なお、必要に応じて、外層を樹脂シートから剥離又はエッチングしてもよい。
上記外層としては、特に限定されないが、高分子フィルム、金属箔又は金属フィルムを使用することができる。高分子フィルムの具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリウレタン、エチレン‐酸化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含有するフィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルムが挙げられ、これらの中でも、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、高分子フィルムの厚さは特に限定されず、例えば、0.002〜0.1mmであってもよい。金属箔又は金属フィルムの具体例としては、銅やアルミニウム等の金属からなる箔又はフィルムが挙げられ、中でも銅箔又は銅フィルムが好ましく、特に電解銅箔、圧延銅箔、銅合金フィルム等が好適に使用できる。金属箔又は金属フィルムには、例えばニッケル処理やコバルト処理等、公知の表面処理が施されていてもよい。金属箔又は金属フィルムの厚さは、使用用途によって適宜調整することができるが、例えば5〜70μmの範囲が好適である。
上述の外層上に、本発明の樹脂組成物からなる層(樹脂組成物層)を形成して本発明の樹脂シートを製造する方法は、限定されるものではないが、例としては、本発明の樹脂組成物を有機溶剤に溶解又は分散させた溶液(ワニス)を、上述の外層の表面に塗布し、加熱及び/又は減圧下で乾燥し、溶媒を除去して本発明の樹脂組成物を固化させ、樹脂組成物層を形成する手法等が挙げられる。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層に対する有機溶剤の含有比率が樹脂組成物層の総量に対して、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下となるように乾燥させる。斯かる乾燥を達成する条件は、ワニス中の有機溶媒量によっても異なるが、例えば30〜60質量部の有機溶剤を含むワニスの場合、50〜160℃の加熱条件下で3〜10分程度乾燥させればよい。本発明の樹脂シートにおける樹脂組成物層の厚さは限定されないが、樹脂組成物層の乾燥時に軽揮発分をより良好に除去する観点、及び樹脂シートとしての機能をより有効かつ確実に奏する観点から、0.1〜500μmの範囲が好適である。
本発明の樹脂シートは、プリント配線板のビルドアップ材料として使用可能である。本発明の樹脂シートを用いて形成されたプリント配線板においては、本発明の樹脂組成物からなる層が、絶縁層を構成することになる。プリント配線板については後述する。
〔II−2.プリント配線板〕
本発明のプリント配線板は、コア基材と呼ばれる樹脂絶縁層が完全硬化した金属箔張積層板に対し、本発明の樹脂シートをビルドアップ材として用いることにより得ることができる。コア基材の表面には通常当業界で用いられる金属箔張積層板の金属箔、又は金属箔を剥離した後にめっきするなどして得られる導体層により導体回路を形成する。
コア基材とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。また、多層プリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層および/または導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう回路基板に含まれる。なお、導体層(回路)表面は黒化処理等により予め粗化処理が施されていた方が絶縁層の回路基板への密着性の観点から好ましい。 本発明の樹脂シートの樹脂組成物層(本発明の樹脂組成物からなる層)が、本発明の絶縁層を構成することになる。
具体的に、本発明の樹脂シートをビルドアップ材料として用いる場合は、常法により、当該樹脂シートの樹脂組成物層(絶縁層)を表面処理し、絶縁層表面にめっきにより配線パターン(導体層)を形成することにより、本発明のプリント配線板が得られる。
必要に応じてその他の各種の工程(例えば、ビアホール、スルーホール等を形成する穴加工処理等)を加えてもよい。
以下、本発明のプリント配線板を製造するための各工程について説明する。
穴加工処理は、ビアホール、スルーホール等の形成のために実施される。穴加工処理は、NCドリル、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、YAGレーザー、プラズマ等の公知の方法のうち何れか1種を用い、或いは必要により2種以上を組み合わせて行う。
絶縁層に対する表面処理は、絶縁層とめっき導体層との密着性の向上や、スミア除去等の観点から実施される。表面処理としては、粗化処理、シランカップリング処理等がある。粗化処理は、孔あけ工程により生じたスミアの除去も兼ねる。この場合、樹脂組成物の硬化度の違いにより、粗化状態が異なるため、後述の積層成形の条件は、その後の粗化処理条件やめっき条件との組み合わせで最適な条件を選ぶことが好ましい。
粗化処理は、膨潤工程、表面粗化及びスミア溶解工程、及び中和工程からなる。
膨潤工程は、膨潤剤を用いて表面絶縁層を膨潤させることにより行う。膨潤剤としては、表面絶縁層の濡れ性が向上し、次の表面粗化及びスミア溶解工程において酸化分解が促進される程度にまで表面絶縁層を膨潤させることができるものであれば、制限されない。例としては、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられる。
表面粗化及びスミア溶解工程は、酸化剤を用いて行う。酸化剤としては、例えばアルカリ性の過マンガン酸塩溶液等が挙げられ、好適な具体例としては、過マンガン酸カリウム水溶液、過マンガン酸ナトリウム水溶液等が挙げられる。斯かる酸化剤処理はウェットデスミアと呼ばれるが、当該ウェットデスミアに加えて、プラズマ処理やUV処理によるドライデスミア、バフ等による機械研磨、サンドブラスト等の他の公知の粗化処理を、適宜組み合わせて実施してもよい。
中和工程は、前工程で使用した酸化剤を還元剤で中和するものである。還元剤としては、アミン系還元剤が挙げられ、好適な具体例としては、ヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液、エチレンジアミン四酢酸水溶液、ニトリロ三酢酸水溶液等の酸性水溶液が挙げられる。
微細配線パターンを形成する上で、粗化処理後の絶縁層の表面凹凸は小さい方が好ましい。具体的には、Rz値で4.0μm以下が好ましく、より好ましくは2.0μm以下である。粗化処理後の表面凹凸は、樹脂組成物の硬化度や粗化処理の条件等に応じて決まるため、所望の表面凹凸を得るための最適条件を選ぶことが好ましい。特に、本発明の樹脂組成物を含む絶縁層は、表面粗度が低くても、めっき導体層との密着性を確保することができ、極めて好適である。
めっきにより配線パターン(導体層)を形成する方法としては、セミアディティブ法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法等が挙げられる。中でも、微細配線パターンを形成する観点からは、セミアディティブ法が好ましい。
セミアディティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面に無電解めっき等により薄い導体層を形成した後、めっきレジストを用いて選択的に電解めっきを施し(パターンめっき)、その後めっきレジストを剥離し、全体を適量エッチングして配線パターン形成する手法が挙げられる。
フルアディティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面にめっきレジストを用いて予めパターン形成を行い、選択的に無電解めっき等を付着させることにより配線パターンを形成する手法が挙げられる。
サブトラクティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面にめっきにより導体層を形成した後、エッチングレジストを用いて選択的に導体層を除去することにより、配線パターンを形成する手法が挙げられる。
めっきにより配線パターンを形成する際に、絶縁層と導体層との密着強度を向上させる観点から、めっきの後に乾燥を行うことが好ましい。セミアディティブ法によるパターン形成では、無電解めっきと電解めっきとを組み合わせて行うが、その際、無電解めっきの後と、電解めっきの後に、それぞれ乾燥を行うことが好ましい。無電解後の乾燥は、例えば80〜180℃で10〜120分に亘って行うことが好ましく、電解めっき後の乾燥は、例えば130〜220℃で10〜120分に亘って行うことが好ましい。
本発明のプリント配線板は、多層プリント配線板とすることも可能である。例えば、めっき処理を実施した本発明の積層板を形成した後、これに内層回路を形成し、得られた回路に黒化処理を実施して、内層回路板とする。こうして得られた内層回路板の片面又は両面に、本発明の樹脂シートを配置し、更に金属箔(例えば銅やアルミニウム等)又は離型フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム等の表面に離型剤を塗布したフィルム)をその外側に配置する、という操作を繰り返し、積層成形することにより、多層プリント配線板が製造される。
積層成形は、通常のプリント配線板用積層板の積層成形に一般に使用される手法、例えば、多段プレス、多段真空プレス、ラミネーター、真空ラミネーター、オートクレーブ成形機等を使用し、温度は例えば100〜300℃、圧力は例えば0.1〜100kgf/cm2(約9.8kPa〜約38MPa)、加熱時間は例えば30秒〜5時間の範囲で適宜選択して行う。また、必要に応じて、例えば150〜300℃の温度で後硬化を行い、硬化度を調整してもいい。
以下に合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
シアン酸エステル化合物の製造
・合成例1 α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(6)の合成:
Figure 2016010964
(式中、nは平均値として3から4までの範囲である。)
温度計、攪拌器、滴下漏斗及び還流冷却器を取りつけた反応器を予め食塩水により0〜5℃に冷却しておき、そこへ塩化シアン7.47g(0.122mol)、35%塩酸9.75g(0.0935mol)、水76ml、及び塩化メチレン44mlを仕込んだ。
この反応器内の温度を−5〜+5℃、pHを1以下に保ちながら、撹拌下、下記式(7)で表されるα−ナフトールアラルキル樹脂(SN485、OH基当量:214g/eq.軟化点:86℃、新日鐵化学(株)製)20g(0.0935mol)、及びトリエチルアミン14.16g(0.14mol)を塩化メチレン92mlに溶解した溶液を滴下漏斗により1時間かけて滴下し、滴下終了後、更にトリエチルアミン4.72g(0.047mol)を15分間かけて滴下した。
Figure 2016010964
(式中、nは平均値として3から4までの範囲である。)
滴下終了後、同温度で15分間撹拌後、反応液を分液し、有機層を分取した。得られた有機層を水100mlで2回洗浄した後、エバポレーターにより減圧下で塩化メチレンを留去し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて、上記化合物6で表されるα−ナフトールアラルキル樹脂のシアン酸エステル化物(α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物)23.5gを得た。
樹脂組成物及び樹脂シートの作製
・実施例1:
融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)として、下記式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物(BMI−1000P、ケイ・アイ化成(株)製)3質量部、シアン酸エステル化合物(B)として、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアネート当量:261g/eq.)のメチルエチルケトン(以下「MEK」と略す場合がある。)溶液(不揮発分50質量%)74質量部(不揮発分換算で37質量部)、エポキシ化合物(C)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(NC−3000−FH、エポキシ当量:320g/eq.、日本化薬(株)製)のMEK溶液(不揮発分70質量%)86質量部(不揮発分換算で60質量部)、硬化促進剤として2,4,5−トリフェニルイミダゾール(和光純薬製)のDMAc溶液(不揮発分20質量%)15質量部(不揮発分換算で3質量部)及びオクチル酸マンガンのMEK溶液(不揮発分10質量%)0.7質量部(不揮発分換算で0.07質量部)をMEKに溶解又は分散させた。さらに、無機充填材(D)として、酸化マグネシウム(SMO−0.4 、堺化学工業(株)製、平均粒子径0.4μm)125質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、マレイミド化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、エポキシ化合物(C)及び無機充填材(D)を含む樹脂組成物の溶液を得た。このワニスを、表面に離型剤をコートした厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(TR1−38、ユニチカ(株)製)に塗布し、90℃で3分間加熱乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルムを外層とした樹脂シートを得た。
Figure 2016010964
(式中nは、1以上30以下の整数を示す。)
内層回路基板の作製
内層回路を形成したガラス布基材BT樹脂両面銅張積層板(銅箔厚さ18μm、基板厚み0.2mm、三菱ガス化学(株)製CCL−HL832NX type A)の両面をメック(株)製CZ8100にて1μmエッチングして銅表面の粗化処理をおこない内層回路基板を得た。
プリント配線板の作製
得られた樹脂シートの樹脂面を内層回路基板上に配置し、真空ラミネーター(ニチゴー・モートン製)を用いて、30秒間真空引き(5.0MPa以下)を行った後、圧力10kgf/cm、温度130℃で30秒間の積層成形を行った。さらに圧力10kgf/cm、温度180℃で60秒間の積層成形を行うことでプリント配線板を得た。得られたプリント配線板を180℃で60分間乾燥することで、硬化を十分に進行させプリント配線板を得た。
・実施例2:
式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物(BMI−1000P)の使用量を5質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)を70質量部とした以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・実施例3:
式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物(BMI−1000P)の使用量を8質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)を64質量部とした以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・実施例4:
式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物(BMI−1000P)の使用量を5質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)70質量部に変更し、無機充填材(D)として、シリカ(SFP−130MC、電気化学工業(株)製、平均粒径0.7μm)50質量部を追加した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・実施例5:
式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物(BMI−1000P)の使用量を5質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)を70質量部に変更し、無機充填材(D)として、酸化マグネシウム(SMO−0.4)の代わりにシリカ(SFP−130MC)を150質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・実施例6:
式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物(BMI−1000P)の使用量を5質量部、α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)を60質量部に変更し、更に第2のマレイミド化合物(A)として、ノボラックマレイミド化合物(BMI−2300、大和化成(株)製)を5質量部使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・実施例7:
シアン酸エステル化合物として、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)70質量部を、ノボラック型シアン酸エステル化合物(プリマセット PT−60,ロンザジャパン株式会社製)のMEK溶液(不揮発分50質量%)70質量部(不揮発分換算で35質量部)に変更した以外は、実施例2と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・比較例1:
マレイミド化合物として、式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物の代わりにノボラックマレイミド化合物(BMI−2300、大和化成(株)製)5質量部を用い、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を70質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・比較例2:
マレイミド化合物として、式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物の代わりにノボラックマレイミド化合物(BMI−70、ケイ・アイ化成(株)製)5質量部を用い、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を70質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、プリント配線板を得た。
・比較例3:
α−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を70質量部に変更し、無機充填材(D)を使用しない以外は実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・比較例4:
式(1)で表される長鎖ビスマレイミド化合物の代わりに、グリコール型エポキシ樹脂(D.E.R.732、ダウ・ケミカル(株)製)を5質量部使用した以外は、実施例5と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
・比較例5:
シアン酸エステル化合物として、合成例1により得られたα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)70質量部を、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂(SN495,東都化成株式会社製、)のMEK溶液(不揮発分50質量%)70質量部(不揮発分換算で35質量部)に変更した以外は、実施例2と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、樹脂シート及びそれを用いたプリント配線板を得た。
樹脂シートの評価
(1)可撓性:
実施例1〜8及び比較例1〜5の手順により作製された樹脂シートを用い、樹脂シートのハンドリング性を確認するため、カッター刃で切断した際の割れ発生有無について、割れ発生評価を実施した。得られたレジンシート100mm×100mmのサンプルを厚み0.5mmのカッター刃で50mm切断しひび割れやクラックを目視で観察。ひび割れやクラックが発生してないものを「○」、ひび割れやクラックが発生したものを「×」とした。結果を表1に示した。
プリント配線板の評価
・プリント配線板の湿式粗化処理と導体層めっき:
実施例1〜8及び比較例1〜5で得られたプリント配線板を、上村工業製の無電解銅めっきプロセス(使用薬液名:MCD−PL、MDP−2、MAT−SP、MAB−4−C、MEL−3−APEA ver.2)にて、約0.8μmの無電解銅めっきを施し、130℃で1時間の乾燥を行った。続いて、電解銅めっきをめっき銅の厚みが18μmになるように施し、180℃で1時間の乾燥を行った。こうして、絶縁層上に厚さ18μmの導体層(めっき銅)が形成されたサンプルを作製し、以下の評価に供した。
(2)めっき銅接着力:
上記手順により作製されたサンプルを用い、めっき銅の接着力をJIS C6481に準じて3回測定し、平均値を求めた。電解銅めっき後の乾燥で膨れたサンプルに関しては、膨れていない部分を用いて評価を行った。結果を表1に示した。
(3)表面粗さ:
上記手順により作製されたサンプルの表層めっき銅をエッチング後、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−9500)を用いて、3000倍の画像により、絶縁層表面のRz(10点平均粗さ)およびRa(算術平均粗さ)を求めた。結果を表1に示した。
Figure 2016010964
本発明の樹脂組成物は、上述のように、プリント配線板の絶縁層の材料として用いた場合、樹脂シートのハンドリング性に優れ、絶縁層とめっき導体層との密着性に優れる等、各種の効果を発揮することから、プリント配線板の絶縁層の材料として極めて有用である。

Claims (11)

  1. 高分子フィルム、金属箔及び金属フィルムからなる群から選択される、いずれか一種である外層と、当該外層上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シートであって、該熱硬化性樹脂組成物が、融点が40℃以下であるマレイミド化合物(A)、エポキシ化合物(B)、シアン酸エステル化合物(C)及び無機充填材(D)を含有するものである、樹脂シート。
  2. 前記マレイミド化合物(A)の熱硬化性樹脂組成物における含有量が、熱硬化性樹脂組成物における樹脂固形分100質量部に対し、1〜10質量部である、請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 前記無機充填材(D)の熱硬化性樹脂組成物における含有量が、熱硬化性樹脂組成物における樹脂固形分100質量部に対し、50〜300質量部である、請求項1又は2に記載の樹脂シート。
  4. 前記高分子フィルムが、ポリエステル、ポリイミド及びポリアミドからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の樹脂を含有するフィルムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  5. 前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)で表されるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂シート。
    Figure 2016010964
    (式中nは、1以上30以下の整数を示す。)
  6. 前記熱硬化性樹脂組成物からなる絶縁層が、熱硬化性樹脂組成物を外層上に塗布した後、加熱及び/又は減圧下で乾燥し、溶媒を除去して本発明の樹脂組成物を固化して得られるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  7. コア基材とコア基材上に形成された導体回路とを有する回路基板上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂シートを、ビルドアップ材として積層させて得られる、プリント配線板。
  8. 請求項7に記載のプリント配線板における樹脂シートを表面処理してめっきによりパターン形成した、プリント配線板。
  9. 前記表面処理が、膨潤剤、アルカリ性酸化剤による粗化処理、酸性還元剤による中和処理からなるデスミア処理である、請求項8に記載のプリント配線板。
  10. めっきによるパターン形成が、無電解めっきを行い、その後、セミアディティブ法によりパターン形成を行う、請求項8又は9に記載のプリント配線板。
  11. めっきによるパターン形成が、無電解めっきを行い、その後、サブトラクティブ法によりパターン形成を行う、請求項8又は9に記載のプリント配線板。
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