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JP2016000011A - シナプス増強を可視化するプローブ - Google Patents

シナプス増強を可視化するプローブ Download PDF

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JP2016000011A JP2014120841A JP2014120841A JP2016000011A JP 2016000011 A JP2016000011 A JP 2016000011A JP 2014120841 A JP2014120841 A JP 2014120841A JP 2014120841 A JP2014120841 A JP 2014120841A JP 2016000011 A JP2016000011 A JP 2016000011A
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JP2014120841A
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朗子 林
Akiko Hayashi
朗子 林
春郎 河西
Haruo Kasai
春郎 河西
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University of Tokyo NUC
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University of Tokyo NUC
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Abstract

【課題】生体脳において生じるシナプスの増大及び新生を可視化するための核酸プローブ、該核酸プローブを組み込んだ発現ベクター等、及びシナプス増強を可視化するための方法の提供。【解決手段】(a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする特定の塩基配列からなる核酸から、193〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする特定の塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び(c)上記(a)と(b)との間に挿入されるリポータータンパク質をコードする核酸を含む、シナプス増強を可視化するための核酸プローブ。【選択図】なし

Description

本発明は、生体脳において生じるシナプスの増大及び新生を可視化するための遺伝子カセット、核酸プローブ、タンパク質プローブ、該核酸プローブを組み込んだ発現ベクター、核酸プローブを組み込んだトランスジェニック非ヒト動物、及びシナプス増強を可視化する方法に関する。
脊椎動物の神経系は、神経細胞及びグリア細胞から構成されている。このうち、神経細胞は、細胞体と、樹状突起及び軸策の2種の突起とからなる細胞であり、その機能として、他の神経細胞や刺激受容細胞からの刺激を受け、この刺激を統合した後に軸策に伝達し、軸策末端の神経終末にあるシナプスを介して他の神経細胞や筋あるいは腺細胞などのシナプス後細胞に伝達することが挙げられる。神経細胞が伝達する刺激は、シナプス後細胞を興奮させるものと、興奮を抑制するものに大別される。シナプス後細胞が有する細胞膜(シナプス後膜)は、ある一定以上の刺激を受けると脱分極性のシナプス反応(興奮性シナプス電位を起こし、シナプス後細胞に興奮が伝達される。このような刺激をシナプス後細胞に伝達する神経細胞を興奮性神経細胞という。また、逆にシナプス後細胞の興奮を抑制する働きを有するものを抑制性神経細胞といい、抑制性神経細胞がシナプス後膜に作用して誘導する電位を抑制性シナプス電位という。代表的な興奮性神経細胞としては、大脳皮質運動野の錐体細胞や脊髄の運動ニューロンなどが知られており、抑制性神経細胞としては海馬のバスケット細胞、小脳皮質のプルキンエ細胞や脊髄のレンショウ細胞などが知られている。
上記した機能の異なる中枢神経系の神経細胞は、様々な情報を伝達するために複雑に連関して相互作用しており、その相互作用や動態などを解析することは様々な脳機能(例えば、記憶や学習)のメカニズムを明らかにするために必須である。このような目的を達成するため、これまで中枢神経系における興奮性及び抑制性神経細胞の分別、同定方法が試みられてきた。具体的な分別方法としては、例えば、神経細胞に特異的なマーカーで染色する方法などが挙げられる。しかし、この方法は抗体などのマーカーによる染色を行うために組織を固定する必要があり、生体の神経細胞の活動をリアルタイムで解析することはできなかった。一方、生体内タンパク質をリアルタイムで観察する方法としては、目的のタンパク質を蛍光タンパク質との融合タンパク質として生体内で発現させる方法などが開発されている。例えば、シナプス増強を可視化するプローブとしてSEP−GluA1が知られているが、半減期が長く、一度増強したシナプスで1カ月以上も蛍光を発現するため、新規学習で生じるシナプス増大だけを特異的に標識することは不可能であると言われている。また、このプローブは、シナプス増強を可視化することはできるものの、そのシナプスを人為操作することはできなかった。
ヒト大脳皮質では、膨大な数の神経細胞が約60兆個のシナプスを介して連絡した神経回路網を構築するが、そのうち興奮性シナプスの約80%は、スパインという小突起構造を形成し、学習又は経験(記憶)に応じて、スパインは、その形態及びサイズを劇的に変化させ、それに伴い電気的伝達効率を変化させている。そのため、スパインは脳機能の記憶素子と考えられている。これまでに、脳機能と関連したシナプスの動的挙動を追跡することを目的して、活動した特定のスパインを視覚化するための技術は開発されていない。
本発明者らは、ある一定以上の刺激を受けて興奮したシナプス後細胞に配置及び集積する性質を有するイオンチャネル型受容体のアンカリングタンパク質(例えば、PSD−95)とシナプスの可塑性に関与し、シナプスの末端で翻訳される樹状突起標的エレメント(DTE)の2つのタンパク質に着目し、これらとリポータータンパク質との融合タンパク質が、シナプス増大を可視化できることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1](a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、192nt〜935ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸
を含む、シナプス増強を可視化するための遺伝子カセット。
[2](a)において特定される核酸が、配列番号1の193nt〜936ntの全部が欠失されている塩基配列(配列番号4)を有する核酸である、上記[1]に記載の遺伝子カセット。
[3](a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、193nt〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;
(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
(c)上記(a)と(b)との間に挿入されるリポータータンパク質をコードする核酸
を含む、シナプス増強を可視化するための核酸プローブ。
[4]前記リポータータンパク質をコードする核酸が、ヴィーナス、緑色蛍光タンパク質、チャネルロドプシン、ハロロドプシン、グルタミン酸脱炭酸酵素、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、及びβ-グルクロニダーゼからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸である、上記[3]に記載の核酸プローブ。
[5]RhoファミリーGタンパク質、FAK(focal adhesion kinase)、PAK(p21 activated kinase)、及びパルブアルブミンからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸をさらに含む、上記[4]に記載の核酸プローブ。
[6](a)において特定される核酸が、配列番号1の193nt〜936ntの全部が欠失されている塩基配列(配列番号4)を有する核酸である、上記[3]〜[5]のいずれか1つに記載の核酸プローブ。
[7](a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、193nt〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;
(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
(c)上記(a)と(b)との間に挿入されたマルチクローニングサイト
を含む、シナプス増強を可視化するための発現ベクター。
[8]前記マルチクローニングサイトに、リポータータンパク質をコードする核酸が挿入されている、上記[7]に記載の発現ベクター。
[9]前記リポータータンパク質をコードする核酸が、ヴィーナス、緑色蛍光タンパク質、チャネルロドプシン、ハロロドプシン、グルタミン酸脱炭酸酵素、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、及びβ-グルクロニダーゼからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸である、上記[8]に記載の発現ベクター。
[10]RhoファミリーGタンパク質、FAK、PAK、及びパルブアルブミンからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸をさらに含む、上記[9]に記載の発現ベクター。
[11](a)において特定される核酸が、配列番号1の193nt〜936ntの全部が欠失されている塩基配列(配列番号4)を有する核酸である、上記[8]〜[10]のいずれか1つに記載の発現ベクター。
[12]上記[8]〜[11]のいずれか1つに記載の発現ベクターを神経細胞に組み込み、リポータータンパク質の発現によりシナプス増強を可視化する方法。
[13]神経細胞に上記[3]〜[6]のいずれか1つに記載の核酸プローブが導入されているトランスジェニック非ヒト動物。
本発明のプローブは、増大したシナプスに特異的に集積することができるため、シナプス形態を観察する必要がなく、全ての神経細胞に遺伝子導入し、広範囲及び短時間にシナプス増大を可視化することができる。
海馬スライス培養物における本発明のプローブのシナプス増強に依存した蓄積を示す。 インビボにおける運動学習時の本発明のプローブの蓄積特性を示す。 インビボにおける運動学習時の本発明のプローブの時空的動力学を示す。 光活性化による本発明のプローブを含むスパインの縮小を示す。 光活性化による、獲得した学習の抹消を示す。
以下、本発明の説明のために、好ましい実施形態に関して詳述する。
発明は、イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質であるPSD−95の一部又は全部を欠失させたPSD95変異体をコードする塩基配列を有する核酸、及び樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする塩基配列を有する核酸を含む遺伝子カセット、該遺伝子カセットにリポータータンパク質をコードする核酸を挿入した核酸プローブ、該核酸からタンパク質発現をさせたタンパク質プローブ、神経細胞内で上記プローブを発現させることができる発現ベクター、シナプス増強を可視化する方法、並びに該核酸プローブが導入されている、シナプス増強をモニターすることができるトランスジェニック非ヒト動物に関する。
1.本発明のプローブを用いて可視化する対象
本発明は、核酸プローブ又はタンパク質プローブを用いて、記憶及び学習と関連付けられるシナプス(特に、スパイン)を可視化するツールを提供する。シナプス形成及び可塑性の分子メカニズムの解明は、記憶及び学習などの高次脳機能を明らかにするだけでなく、痴呆疾患、精神神経疾患、癲癇などの病態解明、さらには有効な治療法の開発を促すと考えられる。シナプスは、前シナプスと後シナプスという2つの特殊化した構造からなり、一方向にシグナルを伝達する。この特殊構造の形成及び維持には前シナプスと後シナプスにそれぞれ固有のタンパク質の集積が不可欠であることが知られている。例えば、後シナプスには、神経伝達物質の放出に関わるSNAP−25が選択的に配置され、一方、前シナプスには、イオンチャネル型受容体のアンカリングタンパク質であるPSD−95(Postsynaptic Density 95kD)が選択的に配置されることが知られている。これらのSNAP−25及びPSD−95はパルミトイル化という翻訳後脂質修飾を受け、この脂質修飾がSNAP−25及びPSD−95の特異的な局在及び機能を制御していることが知られている。また、脳内興奮性シナプスの主要な神経伝達物質であるグルタミン酸の受容体であるAMPA(α−アミノ−3−ヒドロ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸)受容体のシナプスへの輸送やリサイクリングは神経活動依存的に制御され、シナプス可塑性の本体であることが示唆されている。上記のPSD−95はAMPA受容体の主要結合タンパク質であるスタルガジン(stargazin)を介してAMPA受容体を後シナプスにアンカリングするため、PSD−95の動的制御はシナプス可塑性において重要な役割を果たしていると言われている。なお、PSD−95は、その分子中にN末端部分、3つのPDZドメイン、SH(Src homology)ドメイン、及びGK(グアニル酸キナーゼ)ドメインを含む。
ある特定のシナプス後部が増大すると、その増大群が構成する神経回路が効率的に使用されるようになるが、本発明者らは、上記の通り、シナプス増大時にシナプス後部タンパク質であるPSD−95が、増大したシナプスに集積し、さらに、記憶や学習に伴いArc遺伝子のmRNAが神経入力を受けた樹状突起に集積することに着眼し、PSD−95変異体(例えば、PDZドメイン1と2を欠損させた「PSD−95Δ1−2」)、蛍光タンパク質、及び樹状突起標的エレメント(DTE)(Arc mRNAからの翻訳産物の一部)を融合させたタンパク質をプローブとして使用することにより、学習及び記憶と関連付けられたシナプスの増大及び新生の可視化に成功した。したがって、本発明は、一定以上の刺激を受けて増大したシナプス(特に、スパイン)を可視化することができる。以下に、シナプスの増大及び新生を可視化のためのプローブ及び可視化方法を詳述する。
2.遺伝子カセット
本発明は、シナプス増強を可視化する核酸プローブ(後述)に使用するための遺伝子カセットを提供する。本発明によれば、シナプス増大及び新生と脳機能とを関連付ける複数のタンパク質をコードする、各核酸を組み合わせた遺伝子カセットであればよい。典型的には、本発明の遺伝子カセットは、限定されないが、
(a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、192nt〜935ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸
を含む、シナプス増強を可視化するための遺伝子カセットである。
本発明の遺伝子カセットで使用されるPSD95(及びその改変体)及びDTEをコードする核酸には、一本鎖又は二本鎖型DNA、及びそのRNA相補体も含む。DNAには、例えば、天然由来のDNA、組換えDNA、化学合成したDNA、PCRによって増幅されたDNA、及びそれらの組み合わせが含まれる。本発明で使用される核酸としてはDNAが好ましい。なお、周知の通り、コドンには縮重があり、1つのアミノ酸をコードする塩基配列が複数存在するアミノ酸もあるが、上記タンパク質をコードするそれぞれの核酸の塩基配列であれば、いずれの塩基配列を有する核酸も本発明の範囲に含まれる。
本明細書で使用するとき、「PSD−95」とは、イオンチャネル型受容体に可逆的に結合するタンパク質であって、スパインが密に存在するシナプス後に存在するMAGUK(membrane associated guanylate kinase)タンパク質の1つであり、シナプスを構造的に維持させる働きを有する。このPSD−95をコードする核酸は、配列番号1で表される2172塩基の塩基配列を含み、特徴的なドメインとして、(i)N末端部分(1〜192nt)、(ii)3つのPDKドメイン(PDZ1:193〜453nt、PDZ2:478〜738nt、PDZ3:936〜1179nt)、(iv)SH(Src homology)ドメイン(1303〜1485nt)、及び(v)GK(グアニル酸キナーゼ)ドメイン(1600〜2136nt)を有する。なお、PSD−95の塩基配列(1〜2172nt)は、GenBank Accession No.NM 019621中の58〜2229ntに対応する。
本発明によれば、遺伝子カセットの一部としてPSD−95をコードする核酸を用いる場合、PSD−95をコードする核酸の全長を用いてもよいが、該遺伝子カセットの一部としてDTEをコードする核酸を使用する場合、PSD−95の塩基配列のうち、配列番号1において193nt〜936ntの一部又は全部が欠失していることが好ましい。本明細書において使用するとき、欠失させる部分が一部である場合、この「一部」とは、上記193〜936ntのうち、1個の塩基、連結して又は不連続してなる2〜743個の塩基、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700個の塩基を意味する。本発明によれば、193nt〜936nt(744個の塩基)全部を欠失させた塩基配列(配列番号4)を有する核酸(この場合、該核酸よってコードされるタンパク質を「PSD−95Δ1−2」と称することがある)を用いることができる。本発明の一態様において、遺伝子カセットして使用することができるPSD−95をコードする核酸には、配列番号1において192nt〜935ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸も含まれる。
本明細書で使用するとき、「樹状突起標的エレメント(DTE)」とは、記憶や学習に伴い神経入力を受けた樹状突起に集積するArc遺伝子産物の一部を構成するタンパク質である。DTEは、神経細胞内でmRNAからタンパク質に翻訳されるタンパク質であるが、学習や記憶を形成するための基本的神経機能であるシナプス可塑性と関連付けられ、可塑的シナプスの真下にDTEをコードするmRNAが運ばれ、タンパク質発現することが知られている。したがって、シナプス増強を視覚化するという本発明の目的を達成するために、遺伝子カセットの一部として使用する核酸として好ましい。なお、DTEの塩基配列(配列番号3:1〜644nt)は、GenBank Accession No.NM 019361中の2036〜2699ntに対応する。本発明の一態様において、遺伝子カセットして使用することができるDTEをコードする核酸には、配列番号3で表される塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸も含まれる。
PSD95(又はその改変体)及びDTEをコードする核酸は、例えば、後述する実施例1に記載するように、それぞれ配列番号1(又は4)及び3の塩基配列に基づいてプライマーとして合成ヌクレオチドを設計し、染色体DNAを含むプラスミドなどを鋳型として増幅することによって調製できる。核酸を増幅するための手法としては、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Saiki R.K.ら,Science,230,1350−1354(1985))、ライゲース連鎖反応(LCR)(Wu D.Y.ら,Genomics,4,560−569(1989))、及び転写に基づく増幅(Kwoh D.Y.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,1173−1177(1989))等の温度循環を必要とする反応、並びに鎖置換反応(SDA)(Walker G.T.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,392−396(1992);Walker G.T.ら,Nuc.Acids Res.,20,1691−1696(1992))、自己保持配列複製(3SR)(Guatelli J.C.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,1874−1878(1990))、及びQβレプリカーゼシステム(Lizardi,P.M.ら、BioTechnology,6,1197−1202(1988))等の恒温反応を利用することができるが、これらに限定されない。本発明においては、PCR法を使用することが好ましい。なお、遺伝子に変異を導入する方法は、一般的に知られ、例えば、部位特異的変異誘発法(Current Protocols in Molecular Biology,edited by Ausubel,F.M.,et al.,Unit 8.1−8.5,John Wiley & Sons,Inc.,NY)が挙げられる。本発明においては、QuikChange II XL Site−Directed Mutagenesis Kits(Agilent Technologies)を使用することができる。
本明細書において使用するとき、「ストリンジェントな条件下」とは、中程度又は高程度なストリンジェントな条件においてハイブリダイズすることを意味する。具体的には、中程度のストリンジェントな条件は、例えば、DNAの長さに基づき、一般の技術を有する当業者によって、容易に決定することが可能である。基本的な条件は、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Laboratory,7.42−7.45(2001)に示されるが、ニトロセルロースフィルターに関し、5×SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)の前洗浄溶液、約40〜50℃での、約50%ホルムアミド、2×SSC〜6×SSC(又は約42℃での約50%ホルムアミド中の、スターク溶液(Stark’s solution)などの他の同様のハイブリダイゼーション溶液)のハイブリダイゼーション条件、及び約60℃、0.5×SSC、0.1% SDSの洗浄条件の使用が含まれる。高ストリンジェントな条件もまた、例えばDNAの長さに基づき、当業者によって、容易に決定することが可能である。一般的に、こうした条件は、中程度にストリンジェントな条件よりも高い温度及び/又は低い塩濃度でのハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を含み、例えば上記のようなハイブリダイゼーション条件、及び約68℃、0.2×SSC、0.1% SDSの洗浄を伴うと定義される。当業者は、温度及び洗浄溶液塩濃度は、プローブの長さ等の要因に従って、必要に応じて調整可能であることを認識することができる。
上記のような核酸増幅反応又はハイブリダイゼーション等を使用してクローニングされる相同な核酸は、配列番号1(又は4)及び3に記載の塩基配列に対して、それぞれ、少なくとも30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは90%以上、さらになお好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の同一性を有する。なお、同一性パーセントは、視覚的検査及び数学的計算によって決定することが可能である。あるいは、2つの核酸配列の同一性パーセントは、Devereuxら,Nucl.Acids Res.,12,387(1984)に記載され、そしてウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)より入手可能なGAPコンピュータープログラム(GCG Wisconsin Package、バージョン10.3)を用いて、配列情報を比較することによって決定することができる。
本発明の別の実施形態として、本発明において使用されるPSD95Δ1−2をコードする核酸は、配列番号4で表される塩基配列において示されるように全長1428塩基からなる。本発明の一態様として、PSD95Δ1−2と同等の活性を有し、かつ、上記該塩基配列において1〜150個の塩基が置換されてなる塩基配列からなる核酸を用いてもよい。置換される塩基の数は、好ましくは最大100個、より好ましくは最大75個、さらに好ましくは最大50個、さらにより好ましくは最大30個、なお好ましくは最大20個、なおより好ましくは最大10個、最も好ましくは最大5個である。
本発明の他の実施形態として、本発明において使用されるDTEをコードする核酸は、配列番号3で表される塩基配列において示されるように全長663塩基からなる。本発明の一態様として、DTEと同等の活性を有し、かつ、上記核酸配列において1〜70個の塩基が置換されてなる塩基配列からなる核酸を用いてもよい。置換される塩基の数は、好ましくは最大60個、より好ましくは最大50個、さらに好ましくは最大30個、さらにより好ましくは最大20個、なお好ましくは最大10個、なおより好ましくは最大5個、最も好ましくは1最大3個である。
本発明において、PSD95(及びその改変体)及びDTEをコードする核酸を遺伝子カセットとして使用する場合、それらを配置する順番に制限はないが、PSD95(及びその改変体)をコードする核酸は、DTEをコードする核酸の上流に配置されることが好ましい。
3.核酸プローブ
本発明によれば、シナプス増強を可視化するために、上記遺伝子カセットにリポータータンパク質をコードする核酸を組み込んだ核酸プローブが提供される。本発明の一態様において、リポータータンパク質をコードする核酸の挿入位置は、核酸プローブに組み込まれ、リポータータンパク質として機能し得る位置であれば限定されない。例えば、遺伝子カセットを構成するPSD95Δ1−2をコードする核酸とDTEをコードする核酸の間に、リポータータンパク質をコードする核酸を挿入したものであってよい。したがって、本発明のシナプス増強を可視化するための核酸プローブは、典型的には、
(a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、193nt〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;
(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
(c)上記(a)と(b)との間に挿入されるリポータータンパク質をコードする核酸
を含むものであることが好ましい。なお、上記(a)及び(b)における核酸の定義は、遺伝子カセットに使用されるそれぞれ対応する核酸の定義に等しい。
本明細書で使用するとき、「リポータータンパク質」とは、本発明の核酸プローブが神経細胞に導入され、脳機能(学習や記憶)の発現に依存して、核酸プローブに含まれる遺伝子カセットを構成する核酸ともに翻訳され、脳機能の発現を視覚化するために使用されるタンパク質を意味する。したがって、リポータータンパク質は、上記目的で使用可能なタンパク質であれば限定されず、例えば、ヴィーナス、緑色蛍光タンパク質、チャネルロドプシン、ハロロドプシン、グルタミン酸脱炭酸酵素、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、及びβ-グルクロニダーゼが含まれる。なお、遺伝子カセットに挿入されるリポータータンパク質をコードする核酸の数及び種類は、限定されず、使用目的に応じて2種以上を挿入してもよい。
他の実施形態において、本発明は、核酸プローブに導入される核酸として、上記のリポータータンパク質をコードする核酸の他に、研究目的に応じて、リポータータンパク質をコードする核酸とともに様々な核酸を遺伝子カセットに導入した核酸プローブを提供することができる。例えば、光刺激に応答して活性化するタンパク質をコードする遺伝子を導入してもよい。このような刺激に応答して活性化するタンパク質として、PaRac1(Wu,Y.I.,et al.,Nature,461,104−108(2009))、PaRhoA、RaCdc42等を用いてもよい。Rac1、RhoA、及びCdc42は、いずれもRhoファミリーGタンパク質であって、細胞形態や運動を司る細胞骨格(例えば、アクチンやミオシンなど)の形成を制御するタンパク質である。ここで、例えば、PaRac1は、Avena sativaのフォトトロピンタンパク質内の光吸収によって構造が変化するLOVドメイン(light,oxygen,voltage domain)をRac1タンパク質に融合させた融合タンパク質である(Wuら、上述)。PaRac1を神経細胞で発現させ、外部から青い光をあてると、局所的なRac1の活性化により、リン酸化酵素PAKの活性化を介したアクチン重合が促進され、細胞の形態や動きの時空間的な操作を行うことができる。このように、Rac1が青い光によって活性化され得るため、シナプス可塑性を光刺激といった人為的に操作によって誘起することができる。また、他の態様において、リポータータンパク質をコードする核酸とともにFAK(focal adhesion kinase)、PAK(p21 activated kinase)、及びパルブアルブミンからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸をさらに核酸プローブに導入することができる。ここで、FAKは、インテグリン結合タンパク質の一種であり、細胞接着班に局在し、細胞の形態や運動に関与するキナーゼである。PAKは、細胞骨格構築に関連するリン酸化酵素である。また、パルブアルブミンは、カルシウム結合性の低分子量アルブミンであって、神経系のGABA駆動性介在ニューロンに存在し、統合失調症患者においてはパルブアルブミンの発現量が減少することも見出されている。
4.発現ベクター
本発明によれば、本発明の遺伝子カセットは、これらを構成する核酸を組み込んだベクターの形態で使用されることが好ましい。より典型的には、本発明のシナプス増強を可視化するためのベクターは、
(a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、193nt〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;
(b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
(c)上記(a)と(b)との間に挿入されたマルチクローニングサイト
を含む発現ベクターであってもよい。ここで、「マルチクローニングサイト」とは、種々の制限酵素に認識される配列が存在する部位を意味し、これを適切な制限酵素で切断し、外来の核酸を挿入することができる。当業者であれば、マルチクローニングサイトとして使用可能な制限部位の配列を設計することができる。本発明によれば、シナプス増大を可視化するという目的のために、このマルチクローニングサイトに挿入される外来の核酸には、限定されないが、リポータータンパク質(上述)をコードする核酸が好ましい。他の実施形態において、本発明は、発現ベクターに導入される核酸として、上記のリポータータンパク質をコードする核酸の他に、研究目的に応じて、リポータータンパク質をコードする核酸とともに様々な核酸を導入した発現ベクターを提供することができる。例えば、光刺激に応答して活性化するタンパク質をコードする核酸を導入した発現ベクターであってもよく、このようなタンパク質の例はPaRac1等を挙げることができる(「3.核酸プローブ」の項を参照されたい)。さらに、発現ベクターには、組み込まれたリポータータンパク質をコードする核酸を適切に発現させるために、限定されないが、プロモーター(例えば、CAG)、エンハンサー、開始コドン、終始コドン、及びターミネーターを含んでいてもよい。
本発明において、PSD95(及びその改変体)及びDTEをコードする核酸を遺伝子カセットとして発現ベクターに導入して使用する場合、それらを配置する順番に制限はないが、PSD95(及びその改変体)をコードする核酸は、DTEをコードする核酸の上流に配置されることが好ましい。さらに、本発明の発現ベクターは、PSD95(及びその改変体)をコードする核酸とDTEをコードする核酸との間にマルチクローニングサイトを有することが好ましい。本発明によれば、このマルチクローニングサイトに、リポータータンパク質(例えば、ヴィーナス)をコードする核酸、PaRac1をコードする核酸を制限酵素で処理することによって組み込むことができる。なお、PaRac1などの光刺激に応答して活性化するタンパク質をコードする核酸を本発明の発現ベクターに組み込む場合、該タンパク質の性質上、DTEをコードする核酸の上流に終始コドンを設け、その直前に該タンパク質の核酸を組み込むことが好ましい。
ベクターに目的とする核酸を組み込む方法としては、例えば、Sambrook,J.ら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Laboratory,1.1(2001)に記載の方法などが挙げられる。簡便には、市販のライゲーションキット(例えば、トーヨーボー社製等)を用いることもできる。ベクターは、簡単には当該技術分野において入手可能な組換え用ベクター(例えば、プラスミドDNA等)に所望の遺伝子を常法により連結することによって調製することができる。本発明のシナプス増大を可視化するための核酸プローブを導入するために使用されるベクターとしては、限定されないが、ウイルスベクターが好ましい。使用可能なウイルスベクターとしては、アデノ関連ウイルス(AAV)(例えば、AAV2/1、AAV2/2、AAV2/5、AAV2/7、AAV2/8血清型ベクター);アデノウイルス(AV)に由来するベクター;レトロウイルス(例えば、レンチウイルス(LV)、ラブドウイルス、マウス白血病ウイルス);ヘルペスウイルス;水疱性口内炎ウイルス(VSV)などが挙げられる。
当業者であれば、組換えベクターに適合するように制限末端を適宜選択することができ、さらに、所望のタンパク質を発現させるために、宿主細胞に適した組換えベクターを適宜選択することができる。このようなベクターは、本発明で使用する遺伝子が目的の宿主細胞の遺伝子と相同性組換えが起るように機能する領域(必要に応じて、自立複製起点、接合伝達領域、選択マーカー(例えば、カナマイシン耐性遺伝子)等)が適切に配列されており又は導入することにより、該核酸が適切に組換えられるように構築されている又は構築することが好ましい。
一般的に、形質転換体は、組換えベクターを宿主細胞に組み込むことによって作製することができる。この場合、宿主細胞として原核細胞(例えば、大腸菌(S17−1株等)、枯草菌)であっても真核細胞(哺乳類細胞、酵母、昆虫細胞等)であっても使用することができる。組換えベクターの宿主細胞への導入(形質転換)は公知の方法を用いて行うことができる。例えば、細菌(大腸菌、Bacillus subtilis等)の場合は、例えばCohenらの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1972))、プロトプラスト法(Mol.Gen.Genet.,168,111(1979))やコンピテント法(J.Mol.Biol.,56,209(1971))、塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
本発明によれば、上記で作製した発現ベクターを脳に所定部位(例えば、皮質)に直接導入してもよい。このような手段によりベクターを導入し、後述する測定方法によって、生体の脳機能と関連付けられたシナプス増大をリアルタイムで可視化するのに役立つ。発現ベクターを脳に導入する方法としては、限定されないが、発現ベクターを含む生理食塩水等をピペットを用いて直接注入してもよい。
5.シナプス増強を可視化する方法及び検出
本発明によれば、本発明の核酸プローブを組み込んだ発現ベクターを用いて、シナプス増強を可視化することができる。神経細胞を生きたままリアルタイムで観察するために、リポータータンパク質が蛍光性タンパク質である場合、限定されないが、2光子レーザー顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡を用いることができる。ここで、「2光子レーザー顕微鏡」とは、物質励起に2光子吸収過程を利用した顕微鏡であり、通常の1光子励起で必要な波長の2倍以上の長波長レーザー光で励起する。光の散乱は波長の4乗に反比例するので、例えば、1光子励起レーザー500nmに対して、2光子励起に用いる1000nmのレーザー光では組織の散乱は原理的に1/16倍へ減少するため、通常の蛍光顕微鏡では組織表面からせいぜい数十μmであった深部到達度が、1mm程度までの深部の画像を取得でき、また長波長であるがゆえに光毒性も大きく軽減するという利点を備えた顕微鏡である。このような生体観察には圧倒的に有利な特性のため、生きたままの脳を内部まで比較的低い侵襲度でライブ撮影が可能となる。さらには同一の個体の行動を同時に解析することにより、脳の内部で見られた現象と行動レベルでの現象を同時に観察し、両者の関係を模索できる。
6.トランスジェニック非ヒト動物
本発明によれば、シナプス増強を可視化してリアルタイムで観察するために使用されるヒト以外のトランスジェニック動物を提供することができる。本発明のトランスジェニック非ヒト動物は、上記目的を達成するものであればよく、その製造方法やその他の特性は限定されない。より典型的には、本発明の発現ベクターを用いて形質転換又は染色体に相同組換えされたヒト以外のトランスジェニック動物である。ヒト以外の動物(非ヒト動物)は、例えば、脊椎動物であり、哺乳動物であることが好ましい。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコが挙げられる。好ましくはマウス、ラットである。また、本発明のヒト以外のトランスジェニック動物は、非ヒト動物個体だけでなく、非ヒト動物の一部、例えば、非ヒト動物の細胞、組織、器官などを含む広い概念で捉えられるべきものである。
本発明の発現ベクターを用いて、本発明の核酸プローブをヒト以外の動物生殖細胞にトランスジーン法により導入し、トランスジェニック動物細胞を作製する。次に、これを発生させることによりヒト以外のトランスジェニック動物を作製することができる。上記「トランスジーン法」とは、導入遺伝子を宿主が有するゲノムDNAの不特定の位置に複数コピー挿入する方法である。本発明によれば、導入遺伝子として、例えば、CAGプロモーター+PSD−95Δ1−2をコードする核酸+ヴィーナスをコードする核酸(+PaRac1をコードする核酸)+DTEをコードする核酸を用いるトランスジーン法を用いることが好ましい。
本発明において、宿主として用いる細胞は非ヒト細胞であればよく、特に限定されるものではない。例えば、ヒト以外の受精卵を用いることができる。以下に、ヒト以外の受精卵に導入遺伝子を導入する方法をより詳細に説明する。本発明で用いるヒト以外の受精卵は、これらに導入遺伝子を導入して発生・成育させ、プロモーター領域の活性により、PSD−95Δ1−2をコードする核酸+ヴィーナスをコードする核酸(+PaRac1をコードする核酸)+DTEをコードする核酸を発現するヒト以外のトランスジェニック動物を作製できるものであればよく、特に限定されるものではない。このような受精卵は、ヒト以外の動物の雄と雌を交配させることによって得られる。得られた受精卵は、導入遺伝子をマイクロインジェクション法等により注入して、動物の雌の輸卵管に人工的に移植、着床させて出産させることにより、トランスジェニック動物を得ることができる。上記マウスの受精卵としては、例えば、B6C3F1、C57BL/6、129/sv、BALB/c、C3H、SJL/Wt等に由来するマウスの交配により得られるものを用いることができる。
導入遺伝子の量は100〜3,000コピーが適当である。導入遺伝子の導入方法としては、マイクロインジェクション法やエレクトロポレーション法等の通常用いられる方法を挙げることができる。ここで、上記導入遺伝子が導入された仔マウスの選択は、マウスの尾の先を切り取って、高分子DNA抽出法(発生工学実験マニュアル、野村達次監修・勝木元也編、講談社(1987))又はDNAeasy Tissue Kit(QIAGEN社製)等の市販のキットを用いることによりゲノムDNAを抽出し、サザンブロット法やPCR法等の通常用いられる方法に導入遺伝子の存在を確認することによって行うことができる。さらに、実際にその個体内で導入された導入遺伝子が発現され、該遺伝子から翻訳されたタンパク質が産生されていることは、ノーザンブロット法やウェスタンブロット法等の通常用いられる方法により確認することができる。また、本発明において、蛍光を発するリポータータンパク質をコードされた遺伝子が導入されている場合、上記の例では、PSD−95Δ1−2+ヴィーナス(+PaRac1)+DTEの融合タンパク質を発現するように遺伝子導入することによって、PSD−95Δ1−2及びDTEの発現を生体において可視化することができる。なお、可視化を観察する方法は、上記したものであってもよく、好ましくは2光子レーザー顕微鏡を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、本実施例におけるマウスを用いた実験プロトコールは、東京大学の動物実験に関する倫理委員会によって承認されたものであり、米国国立衛生研究所(NIH)によって刊行された「実験動物の管理と使用に関する指針」(1996年改定版)に沿って実施された。
実施例1:発現ベクターの作製
PSD−95及びPaRac1の欠失は、以前の報告(Hayashi−Takagi,A.,et al.,Nature Neurosci.,13,327−332(2010))に記載される方法に従って行った。要約すると、PSD−95Δ1−2は、NM 019621を参照して、配列番号1から192nt〜935ntを欠失させて作製した。DTEは、以下のプライマー(配列1と2):
配列1:5’−atgataagctttcggctccatgactcagccatgcc−3’(配列番号5)(下線部はHindIII制限部位である);及び
配列:5’−atgataagcttagacacgagcagttaccaacacg−3’(配列番号6)(下線部はHindIII制限部位である)
を用いて、SDラットの前頭皮質から生じさせたcDNAからクローニングした。次に、NM 019361に示される配列の2036nt〜2699ntに対応する塩基配列(配列番号3)を有するアンプリコンをPaRac1の終始コドンの直後の下流にサブクローニングした。上記PSD−95Δ1−2及びDTEは、CAGプロモーターを有するpCAGベクターの制限部位(NheIとHindIII)に挿入した。
実施例2:シナプス増強の可視化
1.方法
(1)AAV2/5ベクターの作製
AAVウイルスの作製は、AAVヘルパーフリーシステム(Agilent technologies,CA)に基づいて行なった。各pAAVベクター、pRep−Cap(AAV5;Applied Viromics,CA)、及びpHelperプラスミドをポリエチレンイミン「マックス」(Polysciences,PA)によってAAV−293細胞にコトランスフェクトした。72時間のインキュベーション後、細胞を回収し、5回の凍結融解サイクルを用いて溶解した。得られた上清を、100mM Tris−HCl(pH8.0)、150mM NaCl、及び0.01%BSA(v/v)を含む40%ショ糖溶液上に重層し、4℃にて16時間、100,000gで遠心分離した。ペレット(粗製ウイルス粒子)を37℃にて1時間、1000UのBenzonaseヌクレアーゼ(Novagen,WI)で処理した。5μmのフィルターを通過させる濾過により破片を除去後、濾過された材料を48時間、15℃にて257,300gでCsCl勾配(1.25g/mlと1.50g/ml)に供した。ウイルスに富んだ画分を回復し、次に、溶媒をASCF(1mM MgCl2、10mM HEPES、CaCl2不含)に交換した。ウイルス力価を定量的リアルタイムPCR分析(SYBR Green;Takara Bio Inc,Japan)によって決定した。
(2)ウイルス注入及び頭蓋開放頭蓋窓外科手術
上記で作製したAAV2/5ベクターをマウスの皮質に以下の通り注入した。成体C57BL/6マウスを、脳腫脹を予防するためにマンニトール(4μg/g体重)及びデキサメタゾンの腹腔内注射とともにイソフルランによって麻酔した。ケトプロフェン(40μg/g体重)及びペニシリン/ストレプトマイシン(4U/g体重)を手術前の4日間連続して皮下注射し、炎症を予防した。頭蓋骨を定位座標に従ってM1皮質に対応する領域全体で露出させた。1μlのAAV調製物(0.5〜4.0×1012のゲノムコピー/ml)を、シリンジポンプ(Legato130;Muromachi Kikai,Japan)を用いて150nl/分)の流速で、ガラスピペット(先端径30μm、45°の角度で傾斜している)によって注入した。頭蓋開放窓を作製するために、ステンレス製トレフィン(φ1.8mm,Fine Science Tools,CA)を、円形の開放頭蓋窓を作製するために用いた。脳損傷を避けるために、10,000回転/分で断続的な掘削を行い、その間、酸素化されたACSFで連続して穏やかに灌流を行った。頭蓋骨に対する掘削誘起弾圧を最大限に回避した。出血が認められないことを確認後、ドリルホールは円形カバースリップ(φ1.8mm、0.1mm未満厚)(Matsunami Glass,Japan)で覆い、歯科用セメント(Fuji Lute BC;GC,Japan)で密封した。次に、インビボ画像化のためにヘッドギアを装着した。
(3)2光子画像化、グルタミン酸アンケージング、及び光活性化
2光子画像化は、水浸対物レンズ(LUMPlanFL N,×60,1.0N.A.)を有するFV1000レーザースキャニング顕微鏡システム(FV1000,Olympus)を備えた正立顕微鏡(BX61WI;Olympus,Japan)を用いて行った。2モードロックされたフェムト秒パルスのTi:サファイアレーザー(MaiTai DeepSee and HP;Spectra Physics,CA)は、デュアルカラーイメージング(ヴィーナスとmRFP)について1000nm、及びグルタミン酸アンケージングについて720nmで使用された。mTurquoise/SEP−GluA1/mRFP用の3色画像化について、780nm(mTurquise及びmMRFPと)と970nmの(SEP−GluA1及びmRFP)での2つの独立して撮影した画像を、mRFPによって示される共通の蛍光シグナルに基づいて重ね合わせた。インビトロでの画像化のために、10−40xy画像(デジタルズーム×5、512×512ピクセル)をz軸上の0.5μmステップサイズで捕捉した。インビボでの画像化のために、マウスをイソフルランで麻酔し、画像(デジタルズーム×2、1024×1024ピクセル)を硬膜から300μmについて1.0μmのステップサイズで補足した。グルタミン酸アンケージングについて、1μMテトロドトキシン(TTX;Wako Pure Chemical Industries,Japan)を含むMg2+不含ACSF中の8mm MNI−グルタミン酸(Tocris,UK)を、10μMフォルスコリン(Wako)及び5μMアニソマイシン(Sigma)の存在下又は不存在下で樹状突起上にガラスピペットから局所的に適用した。スパインヘッドへのMNI−グルタミン酸の反復(5Hz、×80)光分解を720nmで行い、パルス時間は0.6msであった。アンケージングレーザ強度は対物レンズ下で6mWであった。10mWのレーザーパワーで720nmでのPcGFP(光変換可能である)の2光子光活性化は、全スパインヘッドを含む10ms間、循環光活性化のために誘導された。
(4)自由に動き回る動物におけるインビボでの光活性化
AAV注入又は子宮内遺伝子導入によって形質導入されたマウスは、両側性のガラス窓を確立するために、通常の頭蓋開放頭蓋窓外科手術に供された。傾斜のない18G針(長さ15mm、内径=0.9mm)を付した外側シリンダは、後の光活性化のために、ガラス窓に移植された。光活性化前に外側シリンダに光学ファイバーを挿入し、それにより、ファイバー先端がカバーガラスに直接配置され、ファイバーと外側シリンダ間の連結をBlu−Tackでしっかりロックした。それにもかかわらず、光活性化後には容易に脱着した。COME−2シリーズ(Lucir,Japan)を用いて光刺激を行った。これは、457nmのレーザーダイオード、Opticalswivels、及び両側性の光学(COME2−α DF1;コア径=500μm、0.5N.A.)からなっている。レーザーダイオードを各ファイバーの先端に20mWの出力を有するように調整した。光パルスは、1時間、1Hzで150ミリ秒送達され、これは、カスタマイズされたLabViewプログラム(National Instruments,TX)によって調節された。
(5)行動分析
マウスは、標準的な実験室条件(12時間の明/暗サイクルで食餌と水を自由に摂取可能)下で収容した。すべての行動分析は明期に実施した。運動学習として、RotaRodトレーニング(Rota−Rod Treadmills ENV−576;Med associates,VT)を利用した。トレーニングセッション前に、マウスを2分間静止したロッドに馴らして留まらせた。トレーニング期間は、固定速度のプロトコールを低速(8rpm)で適用し、それにより、マウスはほとんどロッドから落ちなかった。マウスが確実にロッド上に維持できるようになった後、速度を段階的に増加させ、最終的には40rpmとした。マウスがより容易にかつ早く学習するように、嫌悪刺激として後肢に空気を吹きかけた。その結果、マウスの姿勢は、ロッド上で、後傾ではなく、前傾となるように改善され、マススはより高速でこのタスクを容易に行った。落下した場合、マウスをすぐにロッドに戻した。落下するまでの時間を自動的に記録した。3つのトレーニングセッションを1〜2日間行った(1セッションあたり2時間であり、全体で6時間のトレーニングとなる)。学習到達度の評価について、加速プロトコール(4〜40rpm)のロタロッド「テスト」は、5分間のインターバルをおいて3回試行された。3回試行の平均をタスク性能として用いた。改善の程度が前回のトレーニング性能と比較して20%未満である対象を失敗とみなし、以降の分析から除いた。マウスの走行速度をビデオ追跡システム(Limelight3;Actimetrics,IL)によって測定した。
2.結果
(1)インビトロでのシナプス増強の可視化
実施例1で作製した発現ベクター(核酸プローブ)を用いて、海馬スライス培養物においてシナプス増強の可視化を試みた。海馬スライス(350μm厚)をビブラトーム(VT1200S;Leica,Germany)を用いてSDラットから摘出した。これを0.4μmのMillicell(商標)培養インサート(EMD Millipore,MA)上にマウントした。1.6μmの金マイクロキャリアをPDS1000/He Biolistic遺伝子銃(Bio−Rad,CA)を用いて、上記海馬スライスにトランスフェクトした。トランスフェクションの2〜4日後、海馬スライス培養物をレコーディングチャンバーに移し、これに29〜30℃にて、酸素化した人工脳脊髄液(ACSF,95%O2及び5%CO2)を用いて一定の灌流を行った。人工脳脊髄液は、125mM NaCl、2.5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、1.25mM NaH2PO4、26mM NaHCO3、20mMグルコース、及び200μM Trolox(Sigma−Aldrich,MO)を含む。
結果を図1に示す。図1aは、PSD−95Δ1−2(図中、「PSDΔ1.2」と表記)とDTE配列を含む核酸プローブ(CとE)がプローブの不均衡な分布に必要十分であることを示す(中央の矢頭)。図1bは、本発明の核酸プローブ(3段目に「AS−PaRac1−mRFP」と表記)が、従来技術の「SEP−GluA1」(2段目)と同程度にスパインの一部に蓄積することが分かる。mTaq(mTurquoise)、SEP−GluA1、及びAS−PaRac1−mRFPをコトランスフェクトされたニューロンを36時間、遺伝子発現させた。36時間中、増強されたスパインがSEP−GluA1によって視覚化された(矢頭)。図1cは、フォルスコリン(FSK)及びアニソマイシンの有無によるグルタミン酸アンケージングによる単一のスパイン増強を画像化したものである。フォルスコリンの存在下でグルタミン酸アンケージングによってスパインは増加したが(図1cの中央)、これはアニソマイシンの存在下で消失したことから、核酸プローブは、該プローブからのタンパク質発現(蓄積)がシナプス増大と相関し、増大したシナプスを特異的に視覚化できることが示唆された。
(2)インビボでのシナプス増強の可視化
マウスの運動学習に基づく、核酸プローブのスパインへの蓄積について検討した。核酸プローブからの遺伝子発現は、シナプス活動応答エレメント(SARE)とArcプロモーターの調節下で転写されるようにした。Arcプロモーターは、一次運動野(M1)の皮質層II/IIIにおける錯体ニューロンにおいて活性に依存した転写を促すプロモーターである。ニューロンの長期増強は、運動学習により誘導される。マウスの皮質に、上記核酸プローブを含む発現ベクターを注入し、ロタロッドを用いた学習によって誘発されたニューロンの活性化を学習の前後において定量的に比較した。リポータータンパク質からの蛍光の検出には、2光子レーザー顕微鏡を用いて行った。結果を図2にします。図中、「Enlarged」はスパインの増大を示し、スパインヘッド体積増加分が50%以上のものを意味する。「New」は学習によって新たに出現したスパインを意味する。「Shrunk」はスパインの縮小を示し、スパインヘッド体積減少分が50%以上のものを意味する。「Eliminated」はスパインの消滅を意味する。また、「No changed」はスパインの増大及び縮小等が観察されずに維持され、スパインヘッド体積の増加分及び減少分が50%未満のものを意味する。この図からも分かるように、核酸プローブは、新たに出現したスパインと増大したスパインに特異的に標識し、それぞれの感度は、83±7.9%及び69±3.0%であった。このことから、本発明の核酸プローブは、学習によって増強されたシナプスに特異的に蓄積され、非常に高い感度で視覚化することができることを示唆した。
次に、インビボにおいて、マウスにおいて学習に応じた核酸プローブ蓄積の時空間的動力学を検討した。核酸プローブを子宮内エレクトロポレーションによって、II/III相の錯体ニューロンに疎らに形質導入した。頭蓋窓をM1皮質を覆うように作製した。頭蓋窓を作製してから1カ月後、ロタロッドトレーニング前後で画像化を試みた。図3のパネルにおいて、「Before」学習の列は、学習の1日前に存在していた核酸プローブによって特定された、増強されたスパインを示し、順に、学習直後(「学習」期間)、学習の1日後(「After−1」)、及び学習の2日後(「After−2」)の増強されたスパインを示す。特に注目すべきは、ロタロッドトレーニングによる学習直後において、シナプス増強が盛んであり(0日目)、学習後にはスパインが大きくなっていることが分かる(2日後)。
続いて、学習に対してシナプスの必要性を実証するために、Rac1の長期活性化がスパイン収縮を顕著に誘導するという減少を利用した。図4は、頭部を固定した新皮質の光活性化による実験手段の概略図(図4a)と典型的な画像(図4b)を示す。また、自由に動き回る動物の光活性化の実験手段の概略図(図4c)とzスタック画像(図4d)を示す。PaRac1を組み込んだ核酸プローブ子宮内エレクトロポレーションによってマウスのII/III相ニューロンに導入し、ロタロッドトレーニングを行った。各脳半球において少なくとも0.2mm2領域を光(465nm)で照射した。その結果、核酸プローブが導入されたスパインでは、光照射によって縮小していることが分かる。一方、該プローブが導入されていないスパインでは、光照射による影響はなかった。
さらに、ロタロッドトレーニングを行った後のマウスに光照射した場合の、学習によって増大したスパインの縮小とマウスの運動学習能力の相関について検討した。図5aに実験設計を示す。マウスのM1にAAVベクターを注入後、ロタロッドトレーニングを行った。異なる光照射時期により3つのグループ(プロトコール1〜3)に分けた。ロタロッドトレーニング後のタスク性能の改善について、トレーニング前、トレーニング直後、及び光照射後において、マウスが落下するまでの時間を測定した。図5bは、プロトコール1において施行されるマウスに導入されるベクターの相違によって、3つのグループに分けた(左:mRFP単独(対照)、中央:DTEを含まない核酸ベクター、右:DTEを含む核酸ベクター)。図5c及びdは、それぞれプロコール2及び3に対応するが、導入されるベクターは、いずれもDTEを含む核酸ベクターを使用した。図5cでは、マウスの落下時間が、トレーニング前と比較してトレーニング後には顕著に改善されたが、トレーニングの1日後の光照射により落下時間がトレーニング前と同程度までに短くなることから、1日では学習が定着していないことが分かる。これに対して、図5dでは、トレーニングの2日後に光照射した場合であっても落下時間が短くなることなく、学習が定着した様子が分かる。
本明細書に引用する全ての刊行物及び特許文献は、参照により全体として本明細書中に援用される。なお、例示を目的として、本発明の特定の実施形態を本明細書において説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の改変が行われる場合があることは、当業者に容易に理解されるであろう。

Claims (13)

  1. (a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、192nt〜935ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
    (b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸
    を含む、シナプス増強を可視化するための遺伝子カセット。
  2. (a)において特定される核酸が、配列番号1の193nt〜936ntの全部が欠失されている塩基配列(配列番号4)を有する核酸である、請求項1に記載の遺伝子カセット。
  3. (a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、193nt〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;
    (b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
    (c)上記(a)と(b)との間に挿入されるリポータータンパク質をコードする核酸
    を含む、シナプス増強を可視化するための核酸プローブ。
  4. 前記リポータータンパク質をコードする核酸が、ヴィーナス、緑色蛍光タンパク質、チャネルロドプシン、ハロロドプシン、グルタミン酸脱炭酸酵素、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、及びβ-グルクロニダーゼからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸である、請求項3に記載の核酸プローブ。
  5. さらにRhoファミリーGタンパク質、FAK(focal adhesion kinase)、PAK(p21 activated kinase)、及びパルブアルブミンからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸をさらに含む、請求項4に記載の核酸プローブ。
  6. (a)において特定される核酸が、配列番号1の193nt〜936ntの全部が欠失されている塩基配列(配列番号4)を有する核酸である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の核酸プローブ。
  7. (a)イオンチャネル型受容体アンカリングタンパク質PSD−95をコードする配列番号1で示される塩基配列からなる核酸から、193nt〜936ntの一部又は全部を欠失させた塩基配列を有する核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;
    (b)樹状突起標的エレメント(DTE)をコードする配列番号3で示される塩基配列からなる核酸、又は該核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;及び
    (c)上記(a)と(b)との間に挿入されたマルチクローニングサイト
    を含む、シナプス増強を可視化するための発現ベクター。
  8. 前記マルチクローニングサイトに、リポータータンパク質をコードする核酸が挿入されている、請求項7に記載の発現ベクター。
  9. 前記リポータータンパク質をコードする核酸が、ヴィーナス、緑色蛍光タンパク質、チャネルロドプシン、ハロロドプシン、グルタミン酸脱炭酸酵素、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、及びβ-グルクロニダーゼからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸である、請求項7に記載の発現ベクター。
  10. RhoファミリーGタンパク質、FAK、PAK、及びパルブアルブミンからなる群から1つ以上選択されるタンパク質をコードする核酸をさらに含む、請求項9に記載の発現ベクター。
  11. (a)において特定される核酸が、配列番号1の193nt〜936ntの全部が欠失されている塩基配列(配列番号4)を有する核酸である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の発現ベクター。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の発現ベクターを神経細胞に組み込み、リポータータンパク質の発現によりシナプス増強を可視化する方法。
  13. 神経細胞に請求項3〜6のいずれか1項に記載の核酸プローブが導入されているトランスジェニック非ヒト動物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109021078A (zh) * 2018-07-24 2018-12-18 郑州大学 一个靶向树突状细胞的亲和肽ty肽及其应用

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