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JP2016089073A - 表面修飾無機酸化物粒子及び樹脂組成物 - Google Patents

表面修飾無機酸化物粒子及び樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】無機酸化物粒子表面に成長させるグラフト鎖の分子量を向上させ、高屈折率を有する透明な熱可塑性樹脂との複合体材料を製造するために有用な表面修飾無機酸化物粒子、及びこれを含む重合性組成物、これから得られる樹脂複合体を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を有する表面修飾剤によって表面修飾された無機酸化物粒子であって、当該表面修飾剤の少なくとも1種が、光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有する表面修飾無機酸化物粒子である。特に、表面修飾剤としては、下記式(1)で表される化合物が好適である。

(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を示す。R2は各々独立して水素原子又はアルキル基を示す。R3は各々独立してアルキレン基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、光学部品等への利用において有用な表面修飾無機酸化物微粒子、これを含む重合性組成物、樹脂複合体及びその用途に関するものである。
近年、光学材料の研究が盛んに行われており、特にレンズ材料の分野においては高屈折性、低分散性(すなわち、高いアッベ数)、耐熱性、透明性、易成形性、軽量性、耐湿性、耐薬品性・耐溶剤性等に優れた材料の開発が強く望まれている。プラスチックレンズは、ガラスなどの無機材料に比べ軽量で割れにくく、様々な形状に容易に加工できるため、眼鏡レンズやカメラ用レンズだけでなく、近年ではディスプレイパネル用途等の特殊形状の光学材料にも急速に普及している。その一方、プラスチックはガラスに比べて一般に屈折率が低いため、光学部材を薄肉化するために素材自体を高屈折率化することが求められる。
このため、従来、ディスプレイパネル等の分野においては、酸化チタン、酸化ジルコニウム(ジルコニア)等の無機酸化物粒子を樹脂中に分散含有させて、高屈折率で透明性に優れた無機粒子複合化プラスチックを実現することが試みられている。例えば、ジルコニアは無機酸化物特有の高い屈折率を有しているため、高分子と複合化することで高屈折率光学材料への応用が期待されている。
高屈折率で透明性に優れた無機粒子複合化プラスチック(樹脂複合体)を実現するためには、複合化した無機粒子による光の散乱を防止するため、複合化する無機粒子の大きさを可視光の波長に比べて十分に小さくする必要のあることが知られており、好適には20nm以下のサイズを有するZrO等のナノ微粒子を高分子材料とナノレベルで複合化することで、透明性を維持しつつ高分子材料の屈折率を向上させることが可能であると期待されている。
一方、20nm以下のサイズを有するジルコニア等のナノ微粒子を、サイズの均一性を確保しつつ大量に製造する方法として従来知られる方法として、例えば特許文献1〜3に記載されるように、水相中にジルコニウムを含有する液体状の分子を溶解等させて、これをアルカリで中和させることで微細なジルコニア粒子とする方法が一般的に知られている。このようにして得られるジルコニア粒子は、水相中に分散する分散相として存在し、高い親水性を有することが一般的である。このため、このような親水性のジルコニア粒子を凝集させることなく、均一に樹脂中に分散含有させるためには、その表面を疎水化することで有機溶媒や樹脂との親和性を高めるための処理が必要となる。
高い親水性を有する無機粒子を、例えばトルエン等の有機溶媒や、樹脂中への均一分散を図るための方策として、シランカップリング剤や界面活性剤により無機粒子の表面を修飾すること(特許文献1)や、無機粒子を調製する際の分散剤としてリン酸又は亜リン酸のエステルを用いて分散液を調製すること(特許文献2)が提案されている。更には、フタル酸等の芳香族カルボン酸やプロピオン酸等の低級カルボン酸等の有機酸により無機粒子の表面を修飾することで透明な樹脂との複合体を製造することが(特許文献3)が提案されている。
また、特許文献4においては、脂肪族カルボン酸による効率的な表面修飾方法及び無機酸化物と樹脂が複合した樹脂複合体の製造方法について提案がなされている。
これらの方法で得られる樹脂複合体は、レンズやプリズム等の光学部品への応用が期待されるものの、これらの樹脂複合体における重合物は3次元的に架橋したものであり、基本的にその後の加工性、成形性を有していない。すなわち、実際の光学部品製造時においては、重合過程において形成された形状が最終的な光学部品形状となるため、通常発生する硬化収縮現象を見越した上で重合時の金型設計を行うことが必須であり、実際にはその金型形状設計には試行錯誤が必要とされている。
このような点を改善すべく、近年において非特許文献1に見られるような無機酸化物と熱可塑型の樹脂を複合させた樹脂複合体の取組がなされてきている。この文献1では、連鎖移動機能を有する表面修飾剤系の利用を提案しており、熱可塑性発現には一定の効果を示すものの、無機酸化物粒子表面に成長することが出来るグラフト鎖の分子量に限界があり、その後の成形加工工程において十分な機械的強度を有していないという課題があった。
特開2007−119617号公報 特開2008−201634号公報 特開2009−191167号公報 特開2011−105553号公報
第61回高分子討論会予稿集2M13(2012年)
本発明は、既存の無機酸化物と樹脂が複合した樹脂複合体の加工成形性を大幅に改善することを目的として、無機酸化物粒子表面に成長させるグラフト鎖の分子量を向上させることが可能となる表面修飾無機酸化物粒子及び重合性組成物を提供する。特に、高屈折率を有する透明な熱可塑性樹脂と無機酸化物が複合した複合体材料を製造するために有用な表面修飾無機酸化物粒子、及びこれを含む重合性組成物、これから得られる樹脂複合体を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、無機酸化物粒子の表面修飾剤として、光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有する特定の化合物を使用して、これをラジカル重合性モノマーと混合して重合性組成物とすることにより、重合性組成物中の無機酸化物粒子が均一に分散された状態となり、しかも光又は熱による重合反応において、無機酸化物粒子を修飾する表面修飾剤がラジカル重合開始剤としての機能を果たし、その結果無機酸化物粒子の表面からポリマー鎖がグラフト化した熱可塑性の透明材料を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、カルボキシル基を有する表面修飾剤によって表面修飾された無機酸化物粒子であって、当該表面修飾剤の少なくとも1種が、光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有することを特徴とする表面修飾無機酸化物粒子である。
上記光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有する表面修飾剤としては、下記式(1)で表される化合物がある。
(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を示し、アルコキシ基又はアルキルアミノ基である場合、そのアルキル基中には不飽和結合を有していてもよく、ヘテロ原子を有していてもよく、アリールオキシ基又はアリールアミノ基である場合、そのアリール基は複素環であってもよい。R2は各々独立して水素原子又はアルキル基を示す。R3は各々独立してアルキレン基を示す。)
式(1)において、R1が炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、R2が炭素数1〜6のアルキル基であり、R3が炭素数1〜6のアルキレン基であることがよい。また、無機酸化物粒子としては、平均粒径20nm以下のジルコニアナノ粒子が適する。
また、本発明は上記の表面修飾無機酸化物粒子とラジカル重合性モノマーを含有してなることを特徴とする反応性無機粒子を含有する重合性組成物である。
ラジカル重合性モノマーとしては、スチレンが挙げられる。
更に、本発明は上記の重合性組成物、光又は熱により重合させて得られ、無機粒子の表面にラジカル重合性モノマーがグラフト化してなる重合物を含むことを特徴とする無機粒子酸化物粒子を含有する樹脂複合体である。また、本発明はこの樹脂複合体を使用したことを特徴とする光学部品である。
本発明によれば、分子量の大幅に向上したグラフト鎖で表面修飾された無機酸化物粒子合成の製造が可能となる。また、無機酸化物粒子の種類や粒径やラジカル重合性モノマーの種類や配合量等を制御すれば、グラフト化と同時に高い透明性と高い屈折率を有する熱可塑性樹脂が複合した樹脂複合体の形成が可能となる。熱可塑性樹脂が複合した樹脂複合体は加熱加圧による成形加工が可能であり、光学レンズやプリズムなど様々の光学材料用途に有用である。特に、屈折率1.6以上の透明性に優れた材料を提供できる。
実施例1で得た表面修飾された無機酸化物粒子のFTIRチャート 実施例1で得た表面修飾された無機酸化物粒子のTGAチャート 実施例6で得た樹脂複合体(ナノ粒子含有量10%)の写真 実施例6で得た樹脂複合体(ナノ粒子含有量10%)のTEM画像 実施例19で得た樹脂複合体を成形して得た平板の写真
本発明で使用する無機酸化物粒子は、平均粒径が1000nm以下の微粒子であることが好ましいが、レンズやプリズム等の光学部品用途を考える場合、ナノ粒子であることが好ましい。ナノ粒子の平均粒径は、30nm以下、更には20nm以下、更に好ましくは10nm以下である。ここで、平均粒径は、メディアン径を意味し、30nmを超える粒子を5%以上含まないことがよい。
無機酸化物としては、透明な樹脂複合体を与えるものがよく、ZrO(ジルコニア)、TiO、SnO、SiO等の各種のものを例示することができる。好ましいものとしては、高屈折率という観点から、ZrO、TiO、SnOが挙げられ、特に好ましくは、高屈折率かつ無色高透明という観点から、ZrOである。
その無機酸化物粒子は、固体や分散液などの形態に依存することなく、またその製造法や成分、結晶構造等については特に限定されることはない。
無機酸化物粒子を修飾するために使用する表面修飾剤は、官能基として親水性を与えるカルボキシ基を有し、且つ分子中にその部分構造として、ラジカル発生部位として窒素−窒素2重結合を有するもの、およびペルオキシ結合を有するものが使用される。カルボキシ基は無機酸化物粒子表面との結合を生じるものと考えられ、ラジカル発生部位はラジカル重合性モノマーの重合を促進する。
ラジカル発生部位としては、特に制限はないが、アゾ基(N=N)、過酸化物基(OCOO)等を含む部位がある。
好ましい表面修飾剤としては、上記式(1)に示す化合物がある。
式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を示す。そして、上記アルコキシ基又はアルキルアミノ基である場合、そのアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、アルキル基中には不飽和結合を有していてもよく、ヘテロ原子を有していてもよく、環状構造を有してもよく、またこれらは置換基を有してもよい。また、アリールオキシ基又はアリールアミノ基である場合、そのアリール基は炭素数6〜20であることが好ましく、そのアリール基はヘテロアリール基であってもよく、置換基を有してもよい。R2は各々独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、R3は各々独立して炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。好ましい置換基の例は、下記具体例から理解される。
上記式(1)中のR1の具体例を、以下に例示する。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられ、これらは更にアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基等で置換されていても良い。更に、部分構造として環状構造を有していても良く、構造中のメチレン基がケト基又はイミノ基で置換されていても良い。好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アルキル置換ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、アルキル置換フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、アルキル置換ナフチルメチルオキシ基、ビフェニルメチルオキシ基、アルキル置換ビフェニルメチルオキシ基等が挙げられる。更に好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニオキシ基、デシルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、ビフェニルメチルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基の例としては、アリール部分として、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ベンゼン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ナフタレン環、キノリン環、アントラセン環等を有するものが挙げられ、これらは更にアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基等で置換されていても良い。更に、部分構造として環状構造を有していても良く、構造中のメチレン基がケト基又はイミノ基で置換されていても良い。好ましいアリールオキシ基の例としては、ピロールイルオキシ基、フラニルオキシ基、チオフェニルオキシ基、フェノキシ基、ピリジニルオキシ基、インドールイルオキシ基、ベンゾフラニルオキシ基、ベンゾチオフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、キノリルオキシ基等が挙げられ、これらは更にアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基等で置換されていても良い。更に、部分構造として環状構造を有していても良く、構造中のメチレン基がケト基又はイミノ基で置換されていても良い。更に好ましいアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アルキルアミノ基の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、2−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、2−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキチルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ウンデシルアミノ基、ドデシルアミノ基、トリデシルアミノ基、テトラデシルアミノ基、ペンタデシルアミノ基、ヘキサデシルアミノ基、ヘプタデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基等が挙げられ、これらは更にアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基等で置換されていても良い。更に、部分構造として環状構造を有していても良く、構造中のメチレン基がケト基又はイミノ基で置換されていても良い。好ましいアルキルアミノ基の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、2−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、2−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキチルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ウンデシルアミノ基、ドデシルアミノ基、トリデシルアミノ基、テトラデシルアミノ基、ペンタデシルアミノ基、ヘキサデシルアミノ基、ヘプタデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、ベンジルアミノ基、アルキル置換ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、アルキル置換フェネチルアミノ基、ナフチルメチルアミノ基、アルキル置換ナフチルメチルアミノ基、ビフェニルメチルアミノ基、アルキル置換ビフェニルメチルアミノ基等が挙げられる。更に好ましいアルキルアミノ基の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、2−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、2−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキチルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、ナフチルメチルアミノ基、ビフェニルメチルアミノ基等が挙げられる。
アリールアミノ基の例としては、アリール部分として、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ベンゼン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ナフタレン環、キノリン環、アントラセン環等を有するものが挙げられ、これらは更にアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基等で置換されていても良い。更に、部分構造として環状構造を有していても良く、構造中のメチレン基がケト基又はイミノ基で置換されていても良い。好ましいアリールアミノ基の例としては、ピロールイルアミノ基、フラニルアミノ基、チオフェニルアミノ基、フェニルアミノ基、ピリジニルアミノ基、インドールイルアミノ基、ベンゾフラニルアミノ基、ベンゾチオフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、キノリルアミノ基、キノリルアミノ基等が挙げられ、これらは更にアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基等で置換されていても良い。更に、部分構造として環状構造を有していても良く、構造中のメチレン基がケト基又はイミノ基で置換されていても良い。更に好ましいアリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、ビフェニルアミノ基等が挙げられる。
上記式(1)において、R2は水素原子又はアルキル基を示すが、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。R3はアルキレン基を示すが、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、特に好ましくはメチレン基、エチレン基又はプロピレン基である。
上記式(1)に示す構造を有する表面修飾剤の一例として、ラジカル重合開始剤として一般的に入手可能な4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(ACVA)の両末端のカルボキシル基の一方を定法に従って官能基変換した後に目的物を分離精製することにより得ることができる。官能基変換は、末端のカルボキシル基のエステル化又はアミド化がある。
具体的な合成手法としては、変換するR1に対応したアルコール類、フェノール類又はアミン類を原料として用いて、フィッシャーエステル合成法、酸塩化物経由エステル化、酸塩化物経由アミド化、各種縮合剤の利用、リパーゼ等の酵素反応等が適用可能である。また、分離精製には再結晶又はカラムクロマトグラフィの利用が可能である。より好ましい合成手法としては、縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又は水溶性DCCを用いて官能基変換を行った後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィを用いた精製方法が挙げられる。
上記式(1)で示されるようなで説明した、光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有する表面修飾剤とともに、必要に応じて、50重量%未満の割合で、他の表面修飾剤と併用して無機酸化物粒子の表面修飾を行ってもよい。このことにより、様々な樹脂に対する相溶性や様々な溶媒への分散性を向上させることが可能である。併用可能な表面修飾剤については特に制限は無く一般的に用いられる表面修飾剤との併用が可能であり、2種以上を併用してもよい。
これら併用可能な表面修飾剤としては、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸等の飽和脂肪族カルボン酸類や不飽和脂肪族カルボン酸類、安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、ペンチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、ヘプチル安息香酸、オクチル安息香酸等のアルキル安息香酸類、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、ビフェニルカルボン酸、ピリジンカルボン酸等のその他芳香族カルボン酸類が挙げられる。
本発明において、こうした表面修飾剤を用いて、無機酸化物粒子を表面修飾処理するのであるが、その表面修飾処理方法は、通例の手法によって行うことができる。例えば、表面処理剤を含有する溶媒に、無機酸化物粒子の水分散液を添加し、撹拌、溶媒留去、乾燥などにより、行うことができる。
無機酸化物粒子と表面修飾剤の割合は、これらの種類によっても変化するが、無機酸化物粒子100重量部に対し、表面修飾剤1〜30重量部の範囲が適する。
本発明の重合性組成物は、上記表面修飾無機酸化物粒子と、ラジカル重合性モノマーを含む。ラジカル重合性モノマーとして、2重結合をその分子中に含み、ラジカル重合性を有するものが適する。例えば、各種脂肪族ビニル化合物類、各種芳香族ビニル化合物類、各種アクリレート類、各種メタクリレート類が好ましく挙げられる。より好ましくは、スチレン類、アクリレート類、メタクリレート類等のモノビニル化合物類およびモノ(メタ)アクリレート類である。
ラジカル重合性モノマーの具体例としては、スチレン、スチレンダイマー、アルファメチルスチレン、アルファメチルスチレンダイマー、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジブロモスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アセナフチレン、ジビニルベンジルエーテル、アリルフェニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620等)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフロフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
好ましいラジカル重合性モノマーの具体例としては、スチレン、スチレンダイマー、アルファメチルスチレン、アルファメチルスチレンダイマー、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジブロモスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アリルフェニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等を挙げることができる。
より好ましいラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジブロモスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アリルフェニルエーテル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルである。
表面修飾無機酸化物粒子とラジカル重合性モノマーを構成要素として含む重合性組成物の組成については、屈折率や透過率等の最終的な目標性能に従って配合すればよく、特段制約はない。しかしながら、高屈折率発現のためには、本発明の表面修飾無機酸化物粒子の含有量は、重合性組成物全体を100重量部としたとき、5重量部以上とすることが好ましい。一方で、透明性を十分に確保するためには、70重量部以下とすることが好ましい。更に好ましい表面修飾無機酸化物粒子の含有量は10〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部である。
本発明の重合性組成物の重合方法については、ラジカル重合性樹脂の反応に用いられる一般的な熱重合条件又はUV照射条件が適用可能である。
この重合反応により、表面修飾剤を介して、無機酸化物粒子表面にモノマー重合物が結合する表面グラフト化が生じる。表面グラフト化以外の重合反応が進行してもよく、この場合、表面グラフト化した無機酸化物粒子は、表面グラフト化以外の重合反応で生成した重合物との相溶性が優れるので、全体として透明性が優れるものとなる。
本発明の樹脂複合体は、無機酸化物粒子表面の表面グラフト化重合物からなるものだけでなく、これと表面グラフト化以外の重合反応で生成した重合物を含むものをいう。
熱重合条件としては、酸素による重合阻害を避ける為に嫌気性条件下で、40〜230℃において0.5〜48時間処理することが一般的である。温度条件は、樹脂組成物に配合するラジカル重合性モノマーの沸点及び反応性の観点で適切な条件範囲に設定すればよい。例えば、スチレンをモノマーとして用いる場合には、アンプル重合条件下等の非酸素存在下で、50〜80℃において12〜24時間反応させることが好ましい。
UV光源としては、例えば、キセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、複写用高圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプが挙げられる。また、その際のUV照射量は0.3〜40J/cm程度でよい。この場合、UVは無機酸化物粒子表面にある表面修飾剤にも照射されて、ラジカルを発生する。
本発明の樹脂複合体は、樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、加熱プレスにより成形加工が可能である。樹脂分が多い場合は、射出成形等も可能である。また、必要により、上記樹脂複合体に、他の樹脂や酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤を配合することも可能である。
加熱プレスにより成形する場合の条件は、重合物の種類により異なるため、重合物の軟化温度及び流動性の観点で適切な条件範囲に設定すればよい。例えば、スチレンから生じるスチレン樹脂を重合物として含む場合には、150〜230℃、5〜10MPa程度が好ましい。
以下に実施例として無機酸化物微粒子としてジルコニアナノ微粒子を用いる場合を例としてより詳しく説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
本実施例中では特に記載の無い限り薬品類は市販品をそのまま用いた。また、各種測定、評価には以下の装置を使用した。赤外分光光度計(FTIR):HORIBA製FT-720、熱重量測定装置(TGA):パーキンエルマー製TGA4000、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC):SHODEX製GPCシステム21、高圧水銀ランプ:ウシオ電機製SX-U1251HQ、真空溶融プレス機:井元製作所製。
合成例1
100mLの三口フラスコに50mLの無水テトラヒドロフラン(THF)、再結晶した4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(ACVA)10g、4−ジメチルアミノピリジン0.256g、n−プロパノール(Pr)2.13gを入れ、窒素バブリングを行いながら氷浴下で撹拌した。そこに、ジシクロヘキシルカルボジイミド7.36gをジクロロメタン20mLに溶かした溶液を18時間かけて滴下した。滴下後、1時間撹拌し、反応液をメンブレンフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮後、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。抽出した有機相は硫酸マグネシウムで脱水し、メンブレンフィルターで濾過した後、減圧濃縮し、真空乾燥機で24時間乾燥した。ヘキサン/酢酸エチル1/1の展開溶媒を用いてシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的物(ACVA−Pr)4.59gを得た。得られたACVA−Prは、前記式(1)においてR1がn-プロピルオキシ基、R2がメチル基、R3がエチレン基の化合物である。
合成例2
合成例1と同様にしてn−プロパノール(Pr)の代わりにベンジルアルコール(Bn)3.84gを用いることによりACVAとベンジルアルコールのモノエステル(ACVA−Bn)4.48gを得た。得られたACVA−Bnは、前記式(1)においてR1がn-ベンジルオキシ基、R2がメチル基、R3がエチレン基の化合物である。
実施例1
スターラーチップを備えたナス型フラスコに、平均1次粒子径が約6nmである10%ジルコニア水分散液5g、合成例1で得られたACVA−Prを0.15g、トルエン0.5mL、メタノール15mLを加え、室温で1時間攪拌した。液量が1mLとなるまで溶媒を減圧留去した。再度、メタノールとトルエンを加えて同様に減圧留去した後に、トルエンのみの追加と同様な減圧留去を繰り返すことにより、ACVA−Prで表面修飾されたジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA−Pr)のトルエン分散液を得た。溶媒を減圧留去後に真空乾燥することにより目的物(ZrO2/ACVA−Pr)0.74gを得た。得られた目的物のFTIR、TGAデータを図1〜図2に示す。図1の下段が、目的物(ZrO2/ACVA-Pr)のFTIRスペクトルであり、ジルコニアナノ粒子の表面に、エステルのCOO-非対称伸縮振動及びCOO-対称伸縮振動に帰属する吸収帯が存在する。図2の下二つのグラフが、本実施例1の目的物(ZrO2/ACVA-Pr)及び実施例2の目的物(ZrO2/ACVA-Bn)のTGAデータである。
実施例2
実施例1と同様にして、ACVA-Prの代わりに合成例2で得られたACVA-Bn0.06gを用いることによりACVA-Bnで表面修飾されたジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Bn)0.73gを得た。この目的物(ZrO2/ACVA-Bn)においても、実施例1と同様に、FTIRスペクトルであり、ジルコニアナノ粒子の表面に、エステルのCOO-非対称伸縮振動及びCOO-対称伸縮振動に帰属する吸収帯が存在していた。
実施例3
実施例1と同様にして、表面修飾剤として実施例1で得られたACVA-Pr(0.24g)とヘキサン酸(0.06g)を用いることによりACVA-Pr/ヘキサン酸=8/2で表面修飾されたジルコニアナノ粒子(ZrO2/8ACVA-Pr/2HA)を得た。
実施例4
実施例1と同様にして、表面修飾剤として実施例1で得られたACVA-Pr(0.21g)とヘキサン酸(0.09g)を用いることによりACVA-Pr/ヘキサン酸=7/3で表面修飾されたジルコニアナノ粒子(ZrO2/7ACVA-Pr/3HA)を得た。
実施例5
実施例1と同様にして、表面修飾剤として実施例2で得られたACVA-Bn(0.21g)とヘキサン酸(0.09g)を用いることによりACVA-Bn/ヘキサン酸=8/2で表面修飾されたジルコニアナノ粒子(ZrO2/8ACVA-Bn/2HA)を得た。
実施例6
実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.1gとスチレンモノマー0.9gを試験管に入れた後に、氷浴下で15分間窒素バブリングを行った。その後、60℃に設定したオイルバスに24時間加熱処理を行い無色透明な樹脂複合体を得た。得られた樹脂複合体中の重合物の分子量は、GPC分析結果から、Mw=441,000、Mw/Mn=3.01であった。得られた樹脂複合体の写真とTEM画像を図3、図4に示す。TEM観察結果からジルコニアナノ粒子が重合物中に良好に分散していることが確認された。また、本共重合物の屈折率は1.598であり、スチレンモノマーの単独重合物と比較して0.006の向上が見られた。
実施例7
実施例6と同様にして、実施例3で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/8ACVA-Pr/2HA)0.1gとスチレンモノマー0.9gを用いて無色透明な樹脂複合体(ナノ粒子含有量10%)を得た。Mw=583,000、Mw/Mn=3.49であり、ジルコニアナノ粒子が重合物に良好に分散していた。
実施例8
実施例6と同様にして、実施例4で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/7ACVA-Pr/3HA)0.1gとスチレンモノマー0.9gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。Mw=655,000、Mw/Mn=3.70であり、ジルコニアナノ粒子が重合物に良好に分散していた。
実施例9
実施例6と同様にして、実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.2gとスチレンモノマー0.8gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。Mw=279,000、Mw/Mn=2.82であり、ジルコニアナノ粒子が重合物に良好に分散していた。また本共重合物の屈折率は1.604であり、スチレンモノマーの単独重合物と比較して0.012の向上が見られた。
実施例10
実施例6と同様にして、実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.3gとスチレンモノマー0.7gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。Mw=237,000、Mw/Mn=2.87であり、ジルコニアナノ粒子が重合物に良好に分散していた。また本共重合物の屈折率は1.609であり、スチレンモノマーの単独重合物と比較して0.017の向上が見られた。
実施例11
実施例6と同様にして、実施例5で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/8ACVA-Bn/2HA)0.1gとスチレンモノマー0.9gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。ジルコニアナノ粒子が重合物に良好に分散していた。
実施例12
実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.1gとビスフェノールA型ジアクリレート(日立化成製FA-324A)0.9gを混合し、その混合物を1mmのシリコンゴムスペーサーを有するガラス板の間に入れた後に、嫌気性条件下にしたセパラブルフラスコに入れて60℃で24時間処理することで無色透明な樹脂複合体を得た。
実施例13
実施例12と同様にして、熱処理の代わりに高圧水銀ランプで30分間UV照射することにより無色透明な樹脂複合体を得た。得られた重合物の写真から、実施例12と同様な透明性を有することが分かった。
実施例14
実施例12と同様にして、実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.1gとトリメチロールプロパントリアクリレート(MIWON製Miramer”M300”)0.9gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。得られた重合物の写真から、実施例12と同様な透明性を有することが分かった。
実施例15
実施例13と同様にして、熱処理の代わりに高圧水銀ランプで30分間UV照射することにより無色透明な樹脂複合体を得た。
実施例16
実施例12と同様にして、実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.1gとメチルメタクリレート(MMA)0.9gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。また、本樹脂複合体の屈折率は1.505であり、MMAの単独重合物と比較して0.014の向上が見られた。
実施例17
実施例12と同様にして、実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.2gとメチルメタクリレート(MMA)0.8gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。
実施例18
実施例12と同様にして、実施例1で得られた表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/ACVA-Pr)0.3gとメチルメタクリレート(MMA)0.7gを用いて無色透明な樹脂複合体を得た。実施例13〜18で得られた樹脂複合体は、写真から、実施例12と同様な透明性を有することが分かった。
実施例19
実施例10で得られた樹脂複合体を、真空溶融プレス機を用いて200℃、8MPaでプレス成形を行った結果、図5に示すように、良好な平板試料の作製が可能であった。得られた樹脂複合体の成形平板について、屈折率を測定したところ、1.609であり、高屈折率を示していた。
比較例1
非特許文献1の手法に従い、実施例1と同様にして、表面修飾剤としてチオグリコール酸(TGA、0.03g)とヘキサン酸(0.27g)を用いることにより表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/1TGA/9HA)を得た。
実施例6と同様にして、この表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/1TGA/9HA)0.1gとスチレンモノマー0.9gを用いて樹脂複合体を得た。得られた重合物は透明性を有さない脆いものであった。
比較例2
実施例1と同様にして、表面修飾剤としてチオグリコール酸(TGA、0.03g)とヘキサン酸(0.27g)を用いることにより表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/1TGA/9HA)を得た。
実施例6と同様にして、この表面修飾ジルコニアナノ粒子(ZrO2/1TGA/9HA)0.1gとスチレンモノマー0.9gを用いて樹脂複合体を得た。Mw=78,500、Mw/Mn=1.92であり、同じナノ粒子含有量(10%)である上記実施例6〜8と比較した場合、分子量は1/8〜1/3程度であった。そのため、成形加工後における機械的強度が不十分となる。
比較例3
比較例2と同様にして、ナノ粒子含有量を20%の条件で樹脂複合体を得た。得られた重合物の分子量は、GPC分析結果から、Mw=47,700、Mw/Mn=2.30であり、同じナノ粒子含有量(20%)である上記実施例9と比較した場合、分子量は1/6程度であった。そのため、成形加工後における機械的強度が不十分となる。

Claims (10)

  1. カルボキシル基を有する表面修飾剤によって表面修飾された無機酸化物粒子であって、当該表面修飾剤の少なくとも1種が、光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有することを特徴とする表面修飾無機酸化物粒子。
  2. 光又は熱により分解してラジカル種を発生する部分構造を有する表面修飾剤が、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の表面修飾無機酸化物粒子。
    (式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を示し、アルコキシ基又はアルキルアミノ基である場合、そのアルキル基中には不飽和結合を有していても良く、ヘテロ原子を有していても良く、アリールオキシ基又はアリールアミノ基である場合、そのアリール基はヘテロアリール基であってもよい。R2は各々独立して水素原子又はアルキル基を示す。R3は各々独立してアルキレン基を示す。)
  3. 1が炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリールオキシ基であり、R2が炭素数1〜12のアルキル基であり、R3が炭素数1〜6のアルキレン基であることを特徴とする請求項2記載の表面修飾無機酸化物粒子。
  4. 無機酸化物粒子が、平均粒径20nm以下のジルコニアナノ粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面修飾無機酸化物粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾無機酸化物粒子とラジカル重合性モノマーを含有することを特徴とする反応性無機酸化物粒子を含有する重合性組成物。
  6. ラジカル重合性モノマーがスチレンである請求項5に記載の重合性組成物。
  7. 請求項5又は6に記載の重合性組成物を、光又は熱により重合させて得られ、無機酸化物粒子の表面にラジカル重合性モノマーがグラフト化して重合してなる重合物を含むことを特徴とする樹脂複合体。
  8. 樹脂複合体が透明であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂複合体。
  9. 請求項7又は8に記載の樹脂複合体を使用したことを特徴とする樹脂成形品。
  10. 樹脂成形品が光学部品である請求項9に記載の樹脂成形品。
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