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JP2025140078A - メタクリル樹脂の製造方法、メタクリル樹脂、メタクリル樹脂組成物および人工大理石の製造方法 - Google Patents

メタクリル樹脂の製造方法、メタクリル樹脂、メタクリル樹脂組成物および人工大理石の製造方法

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JP2025140078A
JP2025140078A JP2024039246A JP2024039246A JP2025140078A JP 2025140078 A JP2025140078 A JP 2025140078A JP 2024039246 A JP2024039246 A JP 2024039246A JP 2024039246 A JP2024039246 A JP 2024039246A JP 2025140078 A JP2025140078 A JP 2025140078A
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JP
Japan
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methacrylic resin
artificial marble
producing
methyl methacrylate
aluminum hydroxide
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Application number
JP2024039246A
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English (en)
Inventor
昂 岩田
Takashi Iwata
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】本発明は、人工大理石からメタクリル樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(1)と、前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相(D)および液相としての硫酸アルミニウム水溶液(E)を分離する工程(2)と、前記硫酸アルミニウム水溶液(E)と、メタクリル酸メチルを含む重合性モノマー組成物(F)とを用いて懸濁重合を行い、メタクリル樹脂(A)を製造する工程(3)とを含む、メタクリル樹脂(A)の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、メタクリル樹脂の製造方法、メタクリル樹脂、メタクリル樹脂組成物および人工大理石の製造方法に関する。
環境負荷を低減する観点から、ポリメタクリル酸メチルを熱分解および解重合してメタクリル酸メチルを単離して再利用する、「ケミカルリサイクル」の検討が進められている。
例えば、特許文献1には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を熱分解する方法が記載されている。
また、例えば、特許文献2には、人工大理石からメタクリル酸メチルを回収する方法が記載されている。
特表2022-520072号公報 韓国登録特許10-0982728
しかし、PMMAのケミカルリサイクルにおいては、リサイクルするための多量の原料の確保が難しい。一方、人工大理石は端材等として多量に入手しやすくメタクリル酸メチルを回収するための原料として好ましいが、人工大理石の成分の半分以上が無機成分であり、リサイクル時の無機成分の活用に課題があった。
そこで、本発明は、人工大理石からメタクリル樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、水酸化アルミニウムを含む人工大理石を硫酸で洗浄し、固相と液相を分離することで硫酸アルミニウム水溶液を得ることができ、この硫酸アルミニウム水溶液を懸濁剤として用いてメタクリル樹脂を重合できることを見出した。
また、本発明では、人工大理石を熱分解して回収したメタクリル酸メチルおよび無機成分のいずれも用いて人工大理石を製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] メタクリル樹脂(A)の製造方法であって、
メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(1)と、
前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相(D)および液相としての硫酸アルミニウム水溶液 (E)を分離する工程(2)と、
前記硫酸アルミニウム水溶液(E)と、メタクリル酸メチルを含む重合性モノマー組成物(F)とを用いて懸濁重合を行い、メタクリル樹脂(A)を製造する工程(3)と、
を含む、メタクリル樹脂(A)の製造方法。
[2] 前記工程(2)で得られた固相(D)を熱分解してメタクリル酸メチル(G)を得る工程(4)と、
前記メタクリル酸メチル(G)を、工程(3)の前記重合性モノマー組成物(F)に混合する工程(5)と、をさらに含む、[1]に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
[3] 前記硫酸アルミニウム水溶液(E)のpHを3.0~8.0に調整して水酸化アルミニウムを含む懸濁剤を調製する工程(6)と、
前記懸濁剤を前記工程(3)で用いることをさらに含む、[1]または[2]に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
[4] [1]~[3]のいずれかに記載の製造方法によって得られた、メタクリル樹脂。
[5] 射出成形用である、[4]に記載のメタクリル樹脂。
[6] 人工大理石用である、[4]または[5]に記載のメタクリル樹脂。
[7] [5]に記載のメタクリル樹脂と、光拡散性フィラーとを含み、光拡散性能を有する、メタクリル樹脂組成物。
[8] メタクリル樹脂と水酸化アルミニウムとを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(A1)と、
前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相と水相を分離して硫酸アルミニウム水溶液を得る工程(A2)と、
前記硫酸アルミニウム水溶液から水酸化アルミニウムを精製する工程(A3)と、
前記水酸化アルミニウムを用いて、人工大理石を製造する工程(A4)と、
を含む、人工大理石の製造方法。
[9] メタクリル樹脂と水酸化アルミニウムとを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(a1)と、
前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相と水相を分離する工程(a2)と、
前記固相を熱分解して、メタクリル酸メチルを生成する工程(a3)と、
前記メタクリル酸メチルを用いて、人工大理石を製造する工程(a4)と、
を含む、人工大理石の製造方法。
[10] [1]~[3]のいずれかに記載の製造方法で得られたメタクリル樹脂(A)と、メタクリル酸メチルと、水酸化アルミニウムとを用いることを特徴とする、人工大理石の製造方法。
本発明によれば、人工大理石から硫酸アルミニウム水溶液を得て、メタクリル樹脂を製造することができる。また、本発明によれば、人工大理石を熱分解して回収したメタクリル酸メチルおよび無機成分のいずれも用いて人工大理石を製造することができる。
図1は、本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造フローの一例を示したフロー図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に例示説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態において、「メタクリル樹脂」は、メタクリル酸メチルの重合体を指し、ポリメタクリル酸メチルを包含する概念である。
本明細書に記載の材料、成分、化合物、樹脂および溶剤は、別段の記載がない限り、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、各工程に説明の便宜上、工程に番号を付して工程(1)などのように表しているが、これは工程の順序を意味するものではない。
(メタクリル樹脂(A)の製造方法)
本発明のメタクリル樹脂(A)の製造方法は、
メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(1)と、
前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相(D)および液相としての硫酸アルミニウム水溶液(E)を分離する工程(2)と、
前記硫酸アルミニウム水溶液(E)と、メタクリル酸メチルを含む重合性モノマー組成物(F)とを用いて懸濁重合を行い、メタクリル樹脂(A)を製造する工程(3)と、
を含む、メタクリル樹脂(A)の製造方法である。これにより、人工大理石から硫酸アルミニウム水溶液を得て、メタクリル樹脂を製造することができる。
工程(1)
工程(1)では、メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る。
・メタクリル樹脂(B)
メタクリル樹脂(B)は、公知のメタクリル樹脂であってもよい。メタクリル樹脂(B)は、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチル単量体と他のビニル単量体との共重合体であってもよい。
他のビニル単量体としては、例えば、アルキル基の炭素数が2~18のメタクリル酸アルキル、アルキル基の炭素数が1~18のアクリル酸アルキル;アクリル酸やメタクリル酸等のα,β-不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル;スチレン、α-メチルスチレン、ベンゼン環に置換基を有するスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸、マレイミド、N-置換マレイミド等;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート等の2個のアルコールの水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール誘導体をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ジビニルベンゼン等の多官能モノマーなどが挙げられる。これら中でも、耐光性、熱安定性、耐熱性、流動性の観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル等が好ましく用いられる。
一実施形態では、メタクリル樹脂(B)100質量%に対する、メタクリル酸メチルに由来する構成単位の質量割合は、80~100質量%である。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体は、溶解特性と耐熱性に影響を与える。上記メタクリル樹脂(B)100質量%に対する、メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体に由来する構成単位の質量割合は、0~20質量%であることが好ましい。耐熱分解性の観点から、1質量%以上が好ましい。また、機械強度の観点から、20質量%以下が好ましい。より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは3~10質量%である。メタクリル樹脂(B)は、例えば、架橋部を含むメタクリル酸メチル共重合体と、非架橋メタクリル酸メチル共重合体との混合物であってもよい。
・水酸化アルミニウム(C)
人工大理石は、メタクリル樹脂(B)に加えて、水酸化アルミニウム(C)をさらに含む。
一実施形態では、メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)との合計100質量部に対して、メタクリル樹脂(B)の量が20~95質量部である。
人工大理石は、水酸化アルミニウム(C)以外の無機フィラーを含んでいてもよい。水酸化アルミニウム(C)以外の無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレイ、ガラスフレーク、ガラス繊維、マイカ、チタン酸カリウム、アルミナ、酸化アンチモン、亜鉛化合物、カーボンナノチューブ、黒鉛類などが挙げられる。
人工大理石の粉砕方法は特に限定されず、公知の粉砕方法を用いることができる。粉砕された人工大理石の大きさは、例えば、平均粒径が50μm~1000μmである。後述する洗浄の効率から平均粒径500μm以下が好ましい。洗浄後の固液分離の効率から平均粒径100μm以上が好ましい。
なお、既に粉砕された所望の大きさの人工大理石を入手可能な場合は、工程(1)を省略することができる。
工程(2)
工程(2)では、粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相(D)および液相としての硫酸アルミニウム水溶液(E)を分離する。
硫酸の濃度は、例えば、10%~100%である。効率及び安全上の観点から20%程度の硫酸を使用することが好ましい。
硫酸の量は、人工大理石中の水酸化アルミニウムの濃度に応じて適宜調整できる。硫酸の量は、例えば、人工大理石中の水酸化アルミニウムに対し、約1.5倍モル当量~約6倍モル当量である。
人工大理石を洗浄する際の温度は、適宜設定することができる。洗浄する際の硫酸の温度は、50℃~80℃であることが好ましい。この温度範囲にあることで水酸化アルミニウムを効率的に溶解することができる。
人工大理石を洗浄する際には、攪拌方式または振とう方式により洗浄することが好ましい。
洗浄後の固相(D)(例えば、メタクリル樹脂(B)を含む人工大理石)と液相としての硫酸アルミニウム水溶液(E)を分離する手段としては、特に限定されず、ろ過、遠心沈降法など公知の手段を用いることができる。
工程(3)
工程(3)では、硫酸アルミニウム水溶液(E)と、メタクリル酸メチルを含む重合性モノマー組成物(F)とを用いて懸濁重合を行い、メタクリル樹脂(A)を製造する。
重合性モノマー組成物(F)は、メタクリル酸メチルを含む。重合性モノマー組成物(F)が含むメタクリル酸メチルは、特に限定されず、市販のメタクリル酸メチルでもよいし、工程(2)で得られた固相(D)を熱分解して得られたメタクリル酸メチル(G)でもよいし、これらの混合物でもよい。
メタクリル樹脂(A)は、例えば、メタクリル酸メチルを含むモノマーと、重合開始剤、連鎖移動剤、懸濁剤等を用いて製造することができる。
フリーラジカル重合を用いる場合、重合開始剤としては、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキサイド系;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカボニトリル)等のアゾ系の一般的なラジカル重合開始剤を用いることができる。これらのラジカル開始剤と適当な還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として実施しても良い。
重合開始剤は、例えば、モノマーの合計質量100質量%に対して、0.001~1質量%の範囲で用いればよい。
メタクリル樹脂(A)の製造方法では、ラジカル重合法で製造する場合には、分子量を調整するために、一般的に用いられている連鎖移動剤を使用できる。
連鎖移動剤としては、例えば、n-ブチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコート、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)などのメルカプタン類が好ましく用いられる。
連鎖移動剤は、モノマーの合計質量100質量%に対して、0.001~1質量%の範囲で用いてよい。連鎖移動剤の量は所望の分子量に応じて決定される。
一実施形態では、メタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチルを含む。別の実施形態では、メタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチルである。メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチル単量体と他のビニル単量体との共重合体であってもよい。
工程(4)
本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造方法は、工程(4)を含んでいてもよい。工程(4)では、工程(2)で得られた固相(D)を熱分解してメタクリル酸メチル(G)を得る。
熱分解手段は、特に限定されず、例えば、押出機、釜式の熱分解装置、外熱式ロータリーキルンなどが挙げられる。
押出機を用いる場合、工程(2)の後の水酸化アルミニウム(C)を溶解した後の人工大理石にも、若干の水酸化アルミニウム(C)が残る場合があり、また、メタクリル樹脂などの架橋成分が多い場合もある。そこで、固相(D)の流動性を確保するため、メタクリル樹脂を固相(D)に添加してもよい。この添加するメタクリル樹脂の重量平均分子量は、50000~200000であることが好ましい。
本発明においては、押出機と残渣回収タンクが直結しており、残渣タンク上部のガス導出ラインからメタクリル酸メチル含有組成物ガスを回収することが好ましい。水酸化アルミニウムなどの無機フィラーを含む人工大理石を熱分解すると無機フィラーについては可塑性がなく、残渣タンクまでの配管の距離が長いと配管が閉塞するおそれがあるためである。
工程(5)
本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造方法は、工程(5)を含んでいてもよい。工程(5)では、工程(4)で得られたメタクリル酸メチル(G)を、工程(3)の重合性モノマー組成物(F)に混合する。
工程(6)
本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造方法は、工程(6)を含んでいてもよい。工程(6)では、硫酸アルミニウム水溶液(E)のpHを3.0~8.0に調整して水酸化アルミニウムを含む懸濁剤を調製する。硫酸アルミニウム水溶液(E)のpHを調整する方法は特に限定されず、例えば、硫酸アルミニウム水溶液(E)にアルカリ性物質を添加する方法が挙げられる。
アルカリ性物質としては、特に限定されず、例えば、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造方法は、工程(6)で調製した懸濁剤を工程(3)で用いてもよい。
図1は、本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造フローの一例を示したフロー図である。この例では、工程(1)として、メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む人工大理石を粉砕している。次いで、工程(2)として、粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄し、硫酸アルミニウム水溶液(E)を含む液相と固相(D)に分離している。次いで、工程(4)として、固相(D)を熱分解してメタクリル酸メチル(G)を得ている。次いで、工程(3)として、硫酸アルミニウム水溶液(E)と、メタクリル酸メチルを含む重合性モノマー組成物(F)と、メタクリル酸メチル(G)とを懸濁重合して、メタクリル樹脂(A)を製造している。
用途
本実施形態の製造方法によって得られたメタクリル樹脂は射出成形用であることが好ましい。特に、車載用途においては環境負荷への対策が求められており、本本実施形態の製造方法により得られるメタクリル樹脂の用途として最適である。
メタクリル樹脂(A)は、人工大理石由来の水酸化アルミニウムを含有する場合があり、成形時に若干のヘイズが発生する可能性がある。したがって、メタクリル樹脂(A)は、無色透明が求められる用途よりも、着色用途、光拡散用途が最適である。特に光拡散用途が好ましい。
また、本本実施形態の製造方法により得られたメタクリル樹脂のその他の用途として、メタクリル樹脂を人工大理石の製造に用いることも好ましい。
更に、工程(2)で得た硫酸アルミニウムから水酸化アルミニウムを生成し、人工大理石の製造に用いることも可能である。
工程(2)で得た固相を熱分解して得られるメタクリル酸メチルを含む組成物を精製して、人工大理石の製造に用いることも可能である。
これらを組み合わせることで、人工大理石からメタクリル酸メチル含有組成物、水酸化アルミニウム、メタクリル樹脂を得て、再度、人工大理石を製造することができ、環境負荷の低減の観点で最も好ましい。
(メタクリル樹脂組成物)
一実施形態では、メタクリル樹脂組成物は、メタクリル樹脂(A)と、
光拡散性フィラーと、を含み、光拡散性能を有する、メタクリル樹脂組成物である。
光拡散性能を発揮するための光拡散性フィラーとしては、例えば、二酸化チタン、三酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機粒子;架橋シリコーン樹脂、架橋メタクリル系樹脂、架橋スチレン-メタクリル酸メチル系樹脂、架橋スチレン樹脂等の有機粒子などが挙げられる。
光拡散性フィラーの平均粒径としては、例えば、0.2~10μmである。
メタクリル樹脂組成物における光拡散性フィラーの含有量としては、例えば、メタクリル樹脂(A)100質量部に対して、0.5~6質量部である。
(人工大理石の製造方法の第1の実施形態)
人工大理石の製造方法の第1の実施形態では、メタクリル樹脂と水酸化アルミニウムとを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(A1)と、
前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相と水相を分離して硫酸アルミニウム水溶液を得る工程(A2)と、
前記硫酸アルミニウム水溶液から水酸化アルミニウムを精製する工程(A3)と、
前記水酸化アルミニウムを用いて、人工大理石を製造する工程(A4)と、
を含む。
工程(A1)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(1)と同様である。
工程(A2)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(2)と同様である。
工程(A3)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(6)と同様である。
工程(A4)では、工程(A3)からの水酸化アルミニウムを用いて、公知の人工大理石の製造方法によって人工大理石を製造すればよい。例えば、工程(A3)からの水酸化アルミニウムと、メタクリル酸メチルと、メタクリル樹脂とを混合し、開始剤を加えて加熱することで人工大理石を得ることができる。
(人工大理石の製造方法の第2の実施形態)
人工大理石の製造方法の第2の実施形態では、メタクリル樹脂と水酸化アルミニウムとを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(a1)と、
前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相と水相を分離する工程(a2)と、
前記固相を熱分解して、メタクリル酸メチルを生成する工程(a3)と、
前記メタクリル酸メチルを用いて、人工大理石を製造する工程(a4)と、
を含む。
工程(a1)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(1)と同様である。
工程(a2)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(2)と同様である。
工程(a3)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(4)と同様である。
工程(a4)は、メタクリル樹脂(A)の製造方法の工程(3)と同様である。また、工程(a4)は、工程(A4)において、メタクリル酸メチルとして工程(a3)で得たメタクリル酸メチルを用いること以外は工程(A4)と同様に行ってもよい。
(人工大理石の製造方法の第3の実施形態)
人工大理石の製造方法の第3の実施形態では、本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造方法で得られたメタクリル樹脂(A)と、メタクリル酸メチルと、水酸化アルミニウムとを用いて、人工大理石を製造する。メタクリル樹脂と、メタクリル酸メチルと、水酸化アルミニウムとを用いる公知の人工大理石の製造方法において、本実施形態のメタクリル樹脂(A)の製造方法で得られたメタクリル樹脂(A)を用いればよい。
以下の実施例、比較例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
用いた原料は以下のとおりである。
メタクリル酸メチル(MMA):旭化成ケミカルズ社製(重合禁止剤として中外貿易製2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノールを2.5質量ppm添加されているもの)
アクリル酸メチル(MA):三菱ケミカル社製(重合禁止剤として川口化学工業製4-メトキシフェノールが14質量ppm添加されているもの)
n-オクチルメルカプタン:アルケマ社製
ジラウロイルパーオキサイド:日本油脂社製
20%炭酸ナトリウム水溶液:タイキ薬品工業社製
ラウリル硫酸ナトリウム:和光純薬社製、懸濁助剤として使用
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム・2水和物(EDTA):キシダ化学社製
紫外線吸収剤:2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール、BASFジャパン社製、製品名「チヌビン(登録商標)P」
硫酸バリウム:竹原化学工業社製、平均粒径5μm、屈折率1.64
(実施例1)
以下の工程を行い、メタクリル樹脂(A)を製造した。
・工程(1)
メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む市販の人工大理石を準備した。この人工大理石は、TGAで400℃まで加熱した残渣から、水酸化アルミニウムの含有量が50%であった。この人工大理石を粉砕し、水酸化アルミニウムを含む、最大長10mmの粉砕された人工大理石を得た。
・工程(2)
粉砕された人工大理石と、濃度20%の硫酸を1:5の質量割合で混合し、80℃で3時間攪拌し、粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄した。洗浄した人工大理石を濾過し、人工大理石(固相(D))と硫酸アルミニウム水溶液(E)(液相)を分離した。固相(D)の人工大理石中の水酸化アルミニウムの含有量は10%であった。得られた硫酸アルミニウム水溶液(E)の硫酸アルミニウム濃度は33%であった。
洗浄後の固相(D)80質量%と、メタクリル樹脂20質量%を乾式混合して混合物(M)を得た。
・工程(4)
押出機と残渣回収タンクが直結しており、残渣タンク上部にガス導出ラインを設けた押出機を準備した。その押出機を用いて、混合物(M)が通る流路を不活性ガスとして窒素ガスを充填した市販の二軸押出機の原料投入口に混合物(M)を投入した。投入口下の温度を250℃とし、300℃の熱可塑ゾーンを経て450℃に温度調節した熱分解ゾーンに通し、解重合を行った。押出の後、押出機での熱分解部出口から排出された無機成分等の未分解成分を含む残渣成分を貯蔵タンクに分離し、熱分解により発生したガス形態の粗メタクリル酸メチル(G)を冷却して液体成分として回収タンクに分離した。得られた粗メタクリル酸メチル(G)を含む成分は、投入された無機成分を除く原材料の重量に対して、99%の収率であった。
・工程(6)
攪拌機を有する容器に、70℃の水5kg、硫酸アルミニウム水溶液(E)、20%炭酸ナトリウム水溶液を加え、硫酸アルミニウム水溶液(E)のpHを4~7の範囲に調整した。その混合液にラウリル硫酸ナトリウム0.39g、EDTA2.3gを投入し、懸濁剤を調整した。
・工程(3)
60Lの反応器に水25kg、懸濁剤3kgおよび重合性モノマー組成物(F)を投入し、反応混合物を得た。重合性モノマー組成物(F)の組成は、MMA20.5kg、アクリル酸メチル0.42kg、ジラウロイルパーオキサイド42g、n-オクチルメルカプタン50gである。その反応混合物を攪拌し、80℃で150分間、懸濁重合した。次いで、反応を実質終了して重合体を得た。次に、その重合体を含む混合物を50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。次いで、その混合物について、洗浄、脱水、および乾燥を行い、メタクリル樹脂(A)を得た。
(実施例2)
以下の工程を行い、メタクリル樹脂組成物を製造した。
メタクリル系樹脂(A)100質量部、光拡散性フィラーとして硫酸バリウム2質量部、紫外線吸収剤0.02質量部およびその他の添加剤をそれぞれ計量した後、タンブラーへ投入し、混合して混合原料を得た。φ26mmの二軸押出機にその混合原料を投入した。次いで、230℃で溶融混練(コンパウンド)してストランドを生成した。次いで、ウォーターバスでそのストランドを冷却した。次いで、そのストランドをペレタイザーで切断してメタクリル樹脂組成物のペレットを得た。なお、コンパウンドの際、押出機のベント部に真空ラインを接続し、-0.08MPaの条件で水分およびモノマー成分等の揮発成分を除去した。
(実施例3)
以下の手順で平板状試料を作製した。金型表面(金型キャビティ内面)が8000番の磨き番手で研磨されている金型を用いた。
成形条件の設定は、以下のとおりである。
成形温度(シリンダー温度):250℃
射出速度:20mm/秒
保圧:70MPa
金型温度:65℃
得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを射出成形機(芝浦機械社製、EC-100SX)に投入して、評価用の平板状試料を成形した。平板状試料の寸法は、以下のとおりである。
平板状試料:100mm×100mm×2mm、厚みt=2mm、長さL=110mm、L/t=55
(拡散率の評価)
平板状試料の厚さ2mm部分での透過拡散率は、分光変角色差計(日本電色工業社製、GC5000)を用いて、5°、20°、70°の輝度(透過光強度)を測定し、DIN5036に準じて下記の式より、拡散率を算出した。
拡散率=(20°での透過光強度+70°での透過光強度)÷(2×(5°での透過光強度))×100
試料拡散率は、30%以上で拡散性能に優れていた。
実施例4
実施例1において、工程(3)の前に、工程(5)として、重合性モノマー組成物(F)と工程(4)で得られたメタクリル酸メチル(G)6.5kgとを混合した。この実施例4の重合性モノマー組成物(F)の配合は、MMA14kg、アクリル酸メチル0.42kg、ジラウロイルパーオキサイド42g、n-オクチルメルカプタン50gである。次いで、実施例1と同様に工程(3)の重合、洗浄、脱水、および乾燥を行い、メタクリル樹脂(A)を得た。
実施例4で得たメタクリル樹脂(A)についても同様に押出、成形を行い、拡散率を評価したところ、30%以上で拡散性能に優れていた。
(実施例5)
以下の工程を行い、人工大理石を製造した。
実施例1の各工程の操作を行い、硫酸アルミニウム水溶液(E)、メタクリル酸メチル(G)およびメタクリル樹脂(A)を準備した。次いで、硫酸アルミニウム水溶液(E)に10%水酸化ナトリウムを加え、水酸化アルミニウムを析出させた。その混合物をろ過して水酸化アルミニウムを得た。次いで、得られた水酸化アルミニウム50質量部、メタクリル酸メチル(G)30質量部およびメタクリル樹脂(A)20質量部を混合した。次いで、その混合物に開始剤としてジラウロイルパーオキサイド0.1部を加えて混合した。次いで、その混合物を80℃で3時間加熱して人工大理石を得た。
本発明によれば、人工大理石から硫酸アルミニウム水溶液を得て、メタクリル樹脂を製造することができる。また、本発明によれば、人工大理石を熱分解して回収したメタクリル酸メチルおよび無機成分のいずれも用いて人工大理石を製造することができる。

Claims (10)

  1. メタクリル樹脂(A)の製造方法であって、
    メタクリル樹脂(B)と水酸化アルミニウム(C)とを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(1)と、
    前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相(D)および液相としての硫酸アルミニウム水溶液(E)を分離する工程(2)と、
    前記硫酸アルミニウム水溶液(E)と、メタクリル酸メチルを含む重合性モノマー組成物(F)とを用いて懸濁重合を行い、メタクリル樹脂(A)を製造する工程(3)と、
    を含む、メタクリル樹脂(A)の製造方法。
  2. 前記工程(2)で得られた固相(D)を熱分解してメタクリル酸メチル(G)を得る工程(4)と、
    前記メタクリル酸メチル(G)を、工程(3)の前記重合性モノマー組成物(F)に混合する工程(5)と、をさらに含む、請求項1に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
  3. 前記硫酸アルミニウム水溶液(E)のpHを3.0~8.0に調整して水酸化アルミニウムを含む懸濁剤を調製する工程(6)と、
    前記懸濁剤を前記工程(3)で用いることをさらに含む、請求項1に記載のメタクリル樹脂(A)の製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法によって得られた、メタクリル樹脂。
  5. 射出成形用である、請求項4に記載のメタクリル樹脂。
  6. 人工大理石用である、請求項4に記載のメタクリル樹脂。
  7. 請求項5に記載のメタクリル樹脂と、
    光拡散性フィラーと、を含み、光拡散性能を有する、メタクリル樹脂組成物。
  8. メタクリル樹脂と水酸化アルミニウムとを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(A1)と、
    前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相と水相を分離して硫酸アルミニウム水溶液を得る工程(A2)と、
    前記硫酸アルミニウム水溶液から水酸化アルミニウムを精製する工程(A3)と、
    前記水酸化アルミニウムを用いて、人工大理石を製造する工程(A4)と、
    を含む、人工大理石の製造方法。
  9. メタクリル樹脂と水酸化アルミニウムとを含む人工大理石を粉砕して、粉砕された人工大理石を得る工程(a1)と、
    前記粉砕された人工大理石を硫酸で洗浄して、洗浄により生じた固相と水相を分離する工程(a2)と、
    前記固相を熱分解して、メタクリル酸メチルを生成する工程(a3)と、
    前記メタクリル酸メチルを用いて、人工大理石を製造する工程(a4)と、
    を含む、人工大理石の製造方法。
  10. 請求項1に記載の製造方法で得られたメタクリル樹脂(A)と、メタクリル酸メチルと、水酸化アルミニウムとを用いることを特徴とする、人工大理石の製造方法。
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