JP2016078373A - 耐熱多層成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】落下や衝撃による剥離が起こりにくく、かつ、耐熱性、透明性、ガスバリア性に優れた多層成形体を提供する。
【解決手段】2層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、該多層成形体の少なくとも一方の表面を形成する樹脂層がガラス転移点90℃以上で、且つジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中20〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)であり、該表面を形成する樹脂層に接する樹脂層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得たポリアミド樹脂(C)とジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜40モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂(D)を99/1〜10/99の重量比で含有する混合樹脂(B)により構成されることを特徴とする多層成形体。
【選択図】 なし
【解決手段】2層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、該多層成形体の少なくとも一方の表面を形成する樹脂層がガラス転移点90℃以上で、且つジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中20〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)であり、該表面を形成する樹脂層に接する樹脂層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得たポリアミド樹脂(C)とジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜40モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂(D)を99/1〜10/99の重量比で含有する混合樹脂(B)により構成されることを特徴とする多層成形体。
【選択図】 なし
Description
本発明は耐熱多層成形体に関し、詳しくは多層成形体の輸送時、または落下時に衝撃を受けた際の表面層とコア層との間の層間密着性を改良して多層成形体の層間剥離を防止するとともに、加熱充填が可能な耐熱多層成形体に関するものである。
食品や飲料等の包装に用いられるプラスチック容器は、冷蔵等の保存や加熱殺菌などの処理等から内容物を保護するため、耐衝撃性や耐熱性といった機能ばかりでなく、内容物を確認できるよう優れた透明性が要求されている。また、近年、食品の酸化を抑制するため酸素バリア性や二酸化炭素バリア性といった機能も要求されている。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6等の脂肪族ポリアミドは透明性や機械物性、加工性からプラスチック容器に広く用いられている。しかし、酸素等のガスバリア性に劣るため、内容物の劣化が進行しやすく、内容物の賞味期限が短くなる欠点があった。
容器にガスバリア性を付与する方法として熱可塑性ポリエステル樹脂とガスバリア性樹脂を用いた多層ボトル、ブレンドボトル、熱可塑性ポリエステル樹脂単層ボトルにカーボンコート、蒸着、バリア樹脂の塗布を施したバリアコーティングボトル、多層シート、ブレンドシート、多層容器等が開発されている。
多層ボトルの一例としては、表面層を形成するポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂とポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)等の熱可塑性ガスバリア性樹脂とを射出して金型キャビティーを満たすことにより得られる3層または5層構造を有するパリソンを2軸延伸ブロー成形したボトルが実用化されている。
上記多層ボトルは、その良好なガスバリア性からビール、お茶、炭酸飲料等の容器に利用されている。多層ボトルがこれら用途に使用されることにより、内容物の品質維持、シェルフライフの改善がなされる一方、異なる樹脂間、例えば、外表面層および内表面層とコア層の間で層間剥離が起こり、商品価値を損ねてしまう問題がある。
このような問題点を改良する方法として、ポリエステル樹脂とガスバリア性樹脂からなる混合層をコア層に用いることで層間剥離を抑える方法が開示されている(特許文献1、2)。
一方、多層シートおよび該多層シートを成形することで得られた多層容器の一例として、ポリエステル系樹脂層とガスバリア性樹脂層との間に接着層が設けられている積層体が知られている(特許文献3)。
また、ポリエチレンテレフタレートをスキン層に用いた多層容器の場合、透明性や強度、安全衛生性に優れるものの、結晶化処理されずに使用されるため、耐熱温度は60℃程度であり、加熱してしまうと容易に変形してしまうという問題がある。例えば、約80〜90℃でのゼリーや豆腐の充填など、内容物や雰囲気温度が高温であるときには、容器の収縮や平坦部の反りや膨らみなどの変形や容積が変化する問題点がある。
このため、耐熱性を向上させる方法として延伸成形や、いわゆる熱固定(特許文献4、5)が知られている。
このため、耐熱性を向上させる方法として延伸成形や、いわゆる熱固定(特許文献4、5)が知られている。
多層ボトルの耐層間剥離性を改善することを開示した特許文献1および2に記載のポリエステル樹脂とガスバリア性樹脂からなる混合層をコア層に用いる方法では、透明性が低下する問題があるだけでなく、ポリエスエル樹脂を多く添加することでガスバリア性が低下する問題がある。一方、特許文献3に記載の方法は、表面層とガスバリア層との間に接着層を設けるため、接着層形成のための押出機が必要となり、生産コストの増大等を招いてしまう。
また、耐熱性を向上させる延伸成形による方法は、二軸延伸などにより耐熱性が改善されるものの、圧空成形が困難であり、絞り成形性が低下する問題点がある。一方、熱固定による結晶化では、耐熱性は改善するものの、透明性やヒートシール性が低下し、さらに真空圧空成形で長時間かけて成形するため工程時間が長くなり高価となる問題がある。さらに、食品包装用途では、内容物を美しく見せることが要求されるため、透明性が必要とされるが、前記方法では、これら要求を満たしたものを得ることはできない。
本発明の目的は、上記課題を解決し、耐熱性、透明性、ガスバリア性、層間密着性に優れる多層成形体を提供することにある。
本発明者らは、多層成形体の耐層間剥離性及び耐熱性について鋭意研究を重ねた結果、ポリアミドと特定のポリエステルを混合してなる層に接する少なくとも一つの樹脂層が特定のポリエステル樹脂を所定量含む多層成形体において、層間の密着性が改善され、落下や衝撃時の層間剥離を防止でき、かつ優れた耐熱性、透明性及びガスバリアを有する多層成形体が得られることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
2層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、
該多層成形体の少なくとも一つの樹脂層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得たポリアミド樹脂(C)とジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜40モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂(D)とを(C)/(D)=99/1〜10/90の重量比で含有する混合樹脂(B)により構成され、
該混合樹脂(B)で構成される層に接する少なくとも一つの樹脂層がガラス転移点90℃以上で、且つジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中20〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂で構成されることを特徴とする多層成形体である。
[1]
2層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、
該多層成形体の少なくとも一つの樹脂層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得たポリアミド樹脂(C)とジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜40モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂(D)とを(C)/(D)=99/1〜10/90の重量比で含有する混合樹脂(B)により構成され、
該混合樹脂(B)で構成される層に接する少なくとも一つの樹脂層がガラス転移点90℃以上で、且つジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中20〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂で構成されることを特徴とする多層成形体である。
[2]
3層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、
該多層成形体の両側の表面を形成する樹脂層が、前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂層で構成されることを特徴とする[1]に記載の多層成形体。
3層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、
該多層成形体の両側の表面を形成する樹脂層が、前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂層で構成されることを特徴とする[1]に記載の多層成形体。
[3]
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の該環状アセタール骨格を有するジオール単位が、一般式(1):
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。)
または一般式(2):
(式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。)
で表されるジオールに由来するジオール単位である[1]または[2]に記載の多層成形体。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の該環状アセタール骨格を有するジオール単位が、一般式(1):
または一般式(2):
で表されるジオールに由来するジオール単位である[1]または[2]に記載の多層成形体。
[4]
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の該環状アセタール骨格を有するジオール単位が、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンに由来するジオール単位、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンに由来するジオール単位である[1]または[2]に記載の多層成形体。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の該環状アセタール骨格を有するジオール単位が、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンに由来するジオール単位、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンに由来するジオール単位である[1]または[2]に記載の多層成形体。
[5]
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる1種以上のジオールに由来するジオール単位である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の多層成形体。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる1種以上のジオールに由来するジオール単位である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の多層成形体。
[6]
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の1〜100モル%がベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜99モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層成形体。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の1〜100モル%がベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜99モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層成形体。
[7]
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位が、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多層成形体。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位が、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多層成形体。
[8]
ポリアミド樹脂(C)が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して得られたポリアミド樹脂を、更に固相重合することにより得られた固相重合ポリアミド樹脂である[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層成形体。
ポリアミド樹脂(C)が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して得られたポリアミド樹脂を、更に固相重合することにより得られた固相重合ポリアミド樹脂である[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層成形体。
[9]
混合樹脂(B)が、さらに、元素周期律表第VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛からなる群より選択された一種以上の金属元素を0.01〜0.10重量%含有する[1]〜[8]のいずれか一項に記載の多層成形体。
混合樹脂(B)が、さらに、元素周期律表第VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛からなる群より選択された一種以上の金属元素を0.01〜0.10重量%含有する[1]〜[8]のいずれか一項に記載の多層成形体。
[10]
多層成形体総重量に対する混合樹脂(B)の重量比が1〜30重量%である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の多層成形体。
多層成形体総重量に対する混合樹脂(B)の重量比が1〜30重量%である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の多層成形体。
[11]
少なくとも1つの表面層側押出シリンダーおよび少なくとも1つのコア側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて製造される、両表面層および両表面層の間に位置する少なくとも1層のコア層を含む多層成形体であって、
該表面層側押出シリンダーから、または該表面層側押出シリンダーと該コア側押出シリンダーのうちの少なくとも1つの押出シリンダーから、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出して樹脂層を形成し、少なくとも1つの該コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出して、該熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を含む樹脂からなる樹脂層と接するコア層の少なくとも1層を形成して得られる、厚さ100〜2000μmの多層シートである[1]〜[10]のいずれかに耐熱記載の多層成形体。
少なくとも1つの表面層側押出シリンダーおよび少なくとも1つのコア側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて製造される、両表面層および両表面層の間に位置する少なくとも1層のコア層を含む多層成形体であって、
該表面層側押出シリンダーから、または該表面層側押出シリンダーと該コア側押出シリンダーのうちの少なくとも1つの押出シリンダーから、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出して樹脂層を形成し、少なくとも1つの該コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出して、該熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を含む樹脂からなる樹脂層と接するコア層の少なくとも1層を形成して得られる、厚さ100〜2000μmの多層シートである[1]〜[10]のいずれかに耐熱記載の多層成形体。
[12]
表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより得られる3層構造を有する[11]に記載の多層成形体。
表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより得られる3層構造を有する[11]に記載の多層成形体。
[13]
表面層側押出シリンダーと中間層押出シリンダー、中心層側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、中間層側押出シリンダーまたは中心層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出し、混合樹脂(B)を押し出さなかった中間層側シリンダーまたは中心層側シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出すことにより得られる5層構造を有する[11]に記載の多層成形体。
表面層側押出シリンダーと中間層押出シリンダー、中心層側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、中間層側押出シリンダーまたは中心層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出し、混合樹脂(B)を押し出さなかった中間層側シリンダーまたは中心層側シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出すことにより得られる5層構造を有する[11]に記載の多層成形体。
[14]
前記多層シートの表面を90〜250℃に加熱軟化した後に、所望の形状の金型にて、シートのガラス転移点温度以下の金型温度、5〜40秒の金型内保持時間で成形して得られる多層シート容器である[11]〜[13]に記載の多層成形体。
前記多層シートの表面を90〜250℃に加熱軟化した後に、所望の形状の金型にて、シートのガラス転移点温度以下の金型温度、5〜40秒の金型内保持時間で成形して得られる多層シート容器である[11]〜[13]に記載の多層成形体。
[15]
成形品の曇価が15%以下であることを特徴とする[14]に記載の多層成形体。
成形品の曇価が15%以下であることを特徴とする[14]に記載の多層成形体。
本発明によれば、層間剥離が起こりにくく、かつ、耐熱性、透明性、ガスバリア性に優れた多層成形体を得ることができ、本発明の工業的意義は大きい。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の樹脂製多層成形体は、少なくとも一つの樹脂層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得たポリアミド樹脂(C)と、ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜40モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂(D)とを、(C)/(D)=99/1〜10/90の重量比で含有する混合樹脂(B)により構成され、該混合樹脂(B)で構成される層に接する少なくとも一つの樹脂層が、ガラス転移点が90℃以上で、且つジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中20〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)(以下、“ポリエステル樹脂(A)”と略称する)で構成される。
本実施形態の樹脂製多層成形体のより好ましい構成は、3層以上の樹脂層を含む多層成形体であって、成形体の両側の表面を形成する樹脂層が前記ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂で構成されるものである。表面を形成する樹脂層にポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を用いることは、耐熱性、透明性、機械的強度、成形性の点で有利である。
本実施形態で用いるポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)は、ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位して環状アセタール骨格を有するジオール単位を含有するポリエステルである。環状アセタール骨格を有するジオール単位は下記の一般式(1)または(2)で表される化合物に由来する単位が好ましい。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。一般式(1)及び(2)の化合物としては3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンが特に好ましい。
本実施形態のポリエステル樹脂(A)におけるジオール単位中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の比率は、20〜80モル%が好ましく、21〜70モル%がより好ましく、更に好ましくは23〜60モル%である。
本実施形態のポリエステル樹脂(D)におけるジオール単位中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の比率は、1〜40モル%が好ましく、2〜30モル%がより好ましく、更に好ましくは5〜20モル%である。環状アセタール骨格を有するジオール単位の比率を1モル%以上にすることで層間剥離を改善できる。
また、環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位としては特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び上記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等に由来する単位が例示できる。本発明のポリエステル樹脂の機械的性能、経済性等の面からエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する単位であることが好ましく、特にエチレングリコールに由来する単位であることが好ましい。例示したジオール単位は単独で使用する事もできるし、複数を併用する事もできる。
また、本実施形態のポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸に由来する単位が例示できる。本発明のポリエステル樹脂の機械的性能、及び耐熱性の面からテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸といった芳香族ジカルボン酸に由来する単位であることが好ましく、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびイソフタル酸が好ましい。経済性の面からテレフタル酸に由来する単位であることが好ましく、また、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることで透明性やガスバリア性を改善することができる。例示したジカルボン酸は単独で使用することもできるし、複数を併用することもできる。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の1〜100モル%が、ベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜99モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であることが好ましい。より好ましくは、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の45〜100モル%が、ベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜55モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、更に好ましくは、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の70〜100モル%が、ベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜30モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位である。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の1〜100モル%が、ベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜99モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であることが好ましい。より好ましくは、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の45〜100モル%が、ベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜55モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、更に好ましくは、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の70〜100モル%が、ベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜30モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位である。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)には本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール単位やトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールに由来する単位、安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸に由来する単位やトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸に由来する単位を導入することもできる。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用できる。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法又は溶液重合法、固相重合法を挙げることができる。
本実施形態におけるポリエステル樹脂(A)の耐熱性は用途に応じて適宜選択することができるが、ガラス転移点は90℃以上であることが好ましく、より好ましくは95℃以上、更に好ましくは100℃以上である。
本実施形態におけるポリエステル樹脂(A)のガラス転移点は、構成単位の種類及び割合により変化するが、ジオール単位として環状アセタール骨格を有するジオール単位を使用し、その環状アセタール骨格を有するジオール単位が3,9−ビス(1,1−ジメチル−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンに由来するジオール単位であり、環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール構成単位がエチレングリコールに由来するジオール単位であり、ジカルボン酸構成単位がテレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位である場合、上記範囲のガラス転移点が達成される。
本実施形態におけるポリエステル樹脂(A)のガラス転移点は、構成単位の種類及び割合により変化するが、ジオール単位として環状アセタール骨格を有するジオール単位を使用し、その環状アセタール骨格を有するジオール単位が3,9−ビス(1,1−ジメチル−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンに由来するジオール単位であり、環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール構成単位がエチレングリコールに由来するジオール単位であり、ジカルボン酸構成単位がテレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位である場合、上記範囲のガラス転移点が達成される。
ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の極限粘度は、成形方法や用途に応じて適宜選択することができる。一般的に熱流動性が求められる射出成形で成形する場合には極限粘度が小さいポリエステル樹脂が適する場合が多く、押出成形で成形する場合や機械物性、耐薬品性等が重視される用途では極限粘度が大きい樹脂が適する場合が多い。本発明に使用するポリエステル樹脂ではフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値で好ましくは0.55〜1.50(dL/g)、より好ましくは0.60〜1.45(dL/g)、更に好ましくは0.65〜1.40(dL/g)である。極限粘度が上記0.55(dL/g)以上であると多層成形体を透明な非晶状態で得ることが可能であり、また得られる多層成形体の機械的強度も満足するものとなる。また極限粘度が前記1.50(dL/g)以下の場合、粘度上昇による成形のトラブルを回避することができる。
また、本発明の特徴を損なわない範囲でポリエステル樹脂(A)に他の熱可塑性樹脂を配合して使用することができる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が例示できる。また、本発明の多層成形体を製造する工程で発生する端材を他の熱可塑性樹脂として使用することも出来る。他の熱可塑性樹脂の配合量は、ポリエステル樹脂(A)を含む樹脂層を構成する樹脂の30重量%未満であり、20重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのがより好ましい。
本実施形態の多層成形体において、少なくとも1層は、下記ポリアミド樹脂(C)と前記ポリエステル樹脂(D)との混合樹脂(B)により形成される。
ポリアミド樹脂(C)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得られる。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、優れたガスバリア性が維持できる。ジカルボン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上であると、ガスバリア性の低下や結晶性の低下を防止することができる。
ポリアミド樹脂(C)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得られる。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、優れたガスバリア性が維持できる。ジカルボン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上であると、ガスバリア性の低下や結晶性の低下を防止することができる。
ポリエステル樹脂(A)との共押出において優れた特性を発揮するので、ポリアミド樹脂(C)としては、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、ポリアミドMXD6と記す)が好適に使用される。
メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミン成分として、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸成分として、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、ポリアミド樹脂(C)は、製造時に分子量調節剤として使用される少量のモノアミン、モノカルボン酸を含んでいても良い。
また、ポリアミド樹脂(C)は、製造時に分子量調節剤として使用される少量のモノアミン、モノカルボン酸を含んでいても良い。
上記のポリアミド樹脂(C)は、溶融重縮合(溶融重合)法、又は溶融重縮合後更に固相重合することにより製造される。溶融重縮合法としては、例えばジアミン成分とジカルボン酸成分からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ポリアミド樹脂(C)の重縮合系内にはアミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物を添加しても良い、リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられ、これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩がアミド化反応を促進する効果が高く、かつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましいが、本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
ポリアミド樹脂(C)の重縮合系内に添加するリン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(C)中のリン原子濃度換算で1〜500ppmmであることが好ましく、より好ましくは5〜450ppmであり、さらに好ましくは10〜400ppmである。上述の範囲内にリン原子化合物の添加量を設定することで重縮合中のポリアミドの着色を防止するとともにポリアミドのゲル化を抑制することができるため、成形品の外観を良好に保つことができる。
また、ポリアミド樹脂(C)の重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物を添加することが好ましい。重縮合中のポリアミドの着色を防止するためにはリン原子含有化合物を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリアミドのゲル化を促進する恐れがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を共存させることが好ましい。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物や、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属酢酸塩等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。
ポリアミド樹脂(C)の重縮合系内にアルカリ金属化合物を添加する場合、該化合物のモル数をリン原子含有化合物のモル数で除した値が0.5〜2.0となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.8であり、さらに好ましくは0.7〜1.5である。上述の範囲とすることでリン原子含有化合物によるアミド化反応促進効果を得つつゲルの生成を抑制することが可能となる。
溶融重縮合で得られたポリアミド樹脂(C)は一旦取り出され、ペレット化された後、乾燥して使用される。また更に重合度を高めるために固相重合しても良い。乾燥乃至固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミドの固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回分式加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
上述の工程を経て得られるポリアミド樹脂(C)は着色が少なく、ゲルの少ないものであるが、本発明では上述の工程を経て得られたポリアミドのうち、JIS−K−7105の色差試験におけるb*値が5以下のものが好ましく用いられ、特に好ましくは3以下のものであり、さらに好ましくは1以下のものである。ポリアミド樹脂(C)のb*値を5以下と設定することで、後加工によって得られる成形品の白色度は優れたものとなり、その商品価値を保つことができる。
ポリアミド樹脂(C)の重合度の指標としてはいくつかあるが、相対粘度は一般的に使われるものである。ポリアミド樹脂(C)において好ましい相対粘度は1.5〜4.2であり、より好ましくは1.6〜4.0、さらに好ましくは1.7〜3.8である。ポリアミド樹脂(C)の相対粘度を上述の範囲に設定することで成形加工が安定し、外観の良好な成形品を得ることができる。尚、ここで言う相対粘度は、ポリアミド1gを96%硫酸100mlに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0 … (イ)
相対粘度=t/t0 … (イ)
本実施形態で用いるポリアミド樹脂(C)の末端アミノ基濃度は10〜40μ当量/gであることが好ましく、より好ましくは12〜35μ当量/gであり、さらに好ましくは15〜30μ当量/gである。
上述の範囲内に末端アミノ基濃度を設定することにより、ポリアミド樹脂(C)の熱履歴増大によるゲル化が抑制され、かつポリエステル樹脂(A)から発生するアセトアルデヒドと末端アミノ基の反応により生じる外観の黄変が抑制される。末端アミノ基濃度を上述の範囲にするための手段としては、ジアミン成分とジカルボン酸成分のモル比をジカルボン酸が若干過剰になるように重合を進める方法や、反応終了後にモノカルボン酸化合物やジカルボン酸無水物等を添加することで末端アミノ基を封止する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されることなく様々な方法を用いることができる。
上述の範囲内に末端アミノ基濃度を設定することにより、ポリアミド樹脂(C)の熱履歴増大によるゲル化が抑制され、かつポリエステル樹脂(A)から発生するアセトアルデヒドと末端アミノ基の反応により生じる外観の黄変が抑制される。末端アミノ基濃度を上述の範囲にするための手段としては、ジアミン成分とジカルボン酸成分のモル比をジカルボン酸が若干過剰になるように重合を進める方法や、反応終了後にモノカルボン酸化合物やジカルボン酸無水物等を添加することで末端アミノ基を封止する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されることなく様々な方法を用いることができる。
また、ポリアミド樹脂(C)中に残存するメタキシリレンジアミンの含有率は10ppm以下になるようにすることが好ましく、より好ましくは5ppm以下であり、さらに好ましくは1ppmである。メタキシリレンジアミンの残存量を10ppm以下にすることで、ポリエステル樹脂(A)から発生するアセトアルデヒドと末端アミノ基の反応により生じる外観の黄変が抑制される。メタキシリレンジアミンの含有率を10ppm以下にする手段としては、重合後のポリアミドを減圧下で加熱する方法や、押出機等で溶融させ、系内を減圧にする方法等が挙げられるが、これらに限定されることなく様々などの方法を用いることができる。
またポリアミド樹脂(C)中にはジカルボン酸成分とジアミン成分からなるオリゴマーが混在していることがある。特にメタキシリレンジアミンとアジピン酸が環化した単量体(サイクリックモノマー) は溶融加工時に成形体の表面に浮き出て成形体の外観を損なうことがある。本発明においては、ポリアミド樹脂(C)に含まれる上記環状モノマー量を1重量%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.8重量%以下であり、さらに好ましくは0.5重量%以下である。環状モノマーの含有量を1重量%以下に調整することで良好な外観をもつ成形品を長時間に連続して成形することができる。環状モノマーの含有量を低減させるためには、ポリアミド樹脂(C)を水で洗浄する方法や、高温かつ高真空下で処理する、もしくは溶融押出時に押出装置内を減圧にして除去する等の方法を採ることができるが、これらの方法に限定されることなく、低分子量もしくは揮発成分を除去するための公知の方法を適宜採用することができる。なお、本発明における環状モノマーの含有量の測定方法としては、ポリアミドを凍結粉砕により粉砕後、メタノールを溶媒として1時間80℃で抽出を行い、液体クロマトグラフィーにて分析することにより求めることができる。
ポリアミド樹脂(C)には、本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、滑剤、ゲル化防止剤等の添加剤、層状珪酸塩等のクレイやナノフィラー等を加えることもできる。また必要に応じてナイロン6やナイロン66、芳香族ジカルボン酸をモノマーとして利用している非晶性ナイロン等の各種ポリアミドやその変性樹脂、ポリオレフィンやその変性樹脂、スチレンを骨格内に有するエラストマー等を、ポリアミド樹脂(C)の改質を目的に必要に応じて添加することができるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合しても良い。さらに本発明の多層成形体にコバルト金属を存在させることでポリアミド樹脂(C)の酸化反応を誘起させることにより、酸素吸収機能を有する多層成形体とすることもできる。コバルト金属を多層成形体内に存在させる方法としては、重合触媒の一つとしてコバルト化合物を使用したポリエステル樹脂(A)および/又はポリエステル樹脂(D)を利用しても良いし、ポリエステル樹脂(A)および/又はポリエステル樹脂(D)および/又はポリアミド樹脂(C)に予めコバルト化合物を溶融混合してそれを利用しても良いし、多層成形体を製造する際にコバルト化合物を添加したポリエステル樹脂(A)および/又はポリエステル樹脂(D)および/又はポリアミド樹脂(C)と混合しても良い。コバルト化合物としては、オクタン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト等のコバルトカルボキシレート類が好ましく用いられる。コバルト化合物の添加量は、多層成形体重量に対するコバルト金属の濃度として10〜1000ppmとすることが好ましく、より好ましくは30〜600ppmであり、さらに好ましくは50〜400ppmである。この範囲内とすることで、効果的な酸素吸収機能を多層成形体に付与することができる。なお、上述したコバルト化合物はポリアミド樹脂(C)だけではなく、不飽和炭素結合を有する有機化合物の酸化反応の触媒としても機能するため、多層成形体の酸素吸収機能をより高めるために、ポリブタジエンやポリイソプレン等の不飽和炭化水素類の重合物乃至それらのオリゴマー、相溶性を高めるための官能基を付加した化合物等に例示される化合物を加えることもできる。
本実施形態で用いる混合樹脂(B)は、ポリアミド樹脂(C)とポリエステル樹脂(D)のペレットを乾式で混合するドライブレンド法、もしくは、ポリアミド樹脂(C)とポリエステル樹脂(D)を溶融押出しして再ペレット化するメルトブレンド法のいずれによっても製造することができる。なお、用途、使用条件、機械的性能等に応じて適切な配合処方が選択される。
混合樹脂(B)中のポリアミド樹脂(C)とポリエステル樹脂(D)の重量比((C)/(D))は、99/1〜10/90であり、好ましくは97/3〜20/80、より好ましくは95/5〜30/70、更に好ましくは92/8〜50/50、特に好ましくは88/12〜70/30である。ポリエステル樹脂(D)の重量比が1%より小さいと、耐剥離性改善効果が得られない。また、ポリエステル樹脂(D)の重量比が90%を超えると耐剥離性改善に効果は見られるが、ポリアミド樹脂(C)の良好なバリア性が多層成形体に寄与されず実用的ではない。
また、混合樹脂(B)は、ポリアミド樹脂(C)とポリエステル樹脂(D)の他に本発明の特徴を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を配合して使用することができる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が例示できる。他の熱可塑性樹脂の配合量は、混合樹脂(B)全体の30重量%以下であるのが好ましく、20重量%以下であるのがより好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましい。
混合樹脂(B)は、元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛から選択された一種以上の金属元素を含んでいてもよい。該金属元素を含むことにより、混合樹脂(B)の酸化が促進され、酸素吸収機能が発現する。
金属元素は、該金属元素の低酸価数の無機酸塩、有機酸塩又は錯塩(以下、金属触媒化合物と総称する)としてポリアミド樹脂(C)に添加することが好ましい。無機酸塩としては、塩化物や臭化物等のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等が挙げられる。錯塩としては、β−ジケトン、β−ケト酸エステル等との遷移金属錯体が挙げられる。酸素吸収機能が良好であるので、前記金属元素のカルボン酸塩、ハロゲン化物、アセチルアセトネート錯体を使用することが好ましく、ステアリン酸塩、酢酸塩又はアセチルアセトネート錯体を使用することがさらに好ましい。また、金属元素としてはコバルトが特に酸素吸収機能に優れているので好ましい。上記金属触媒化合物は、1種または2種以上を添加することができる。
金属元素の添加量は、ポリアミド樹脂(C)とポリエステル樹脂(D)の合計量に対して0.01〜0.10重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.08重量%である。添加量が0.01重量%より少ない場合、酸素吸収機能が十分に発現せず、多層成形体の酸素バリア性の向上効果も低くなる。また0.10重量%より多く添加しても、多層成形体の酸素バリア性効果はそれ以上向上せず、不経済である。
本発明の多層成形体では、形状によっては低延伸倍率(1〜2.5倍)の部分が生じることがある。低延伸倍率部の混合樹脂(B)からなる層が吸水すると白化することがある。必要に応じて混合樹脂(B)に白化防止剤を添加することにより白化が抑制され透明性の良好な多層成形体が得られる。
本実施形態で用いる白化防止剤は、炭素数18〜50、好ましくは18〜34の脂肪酸金属塩である。炭素数が18以上で白化防止が期待できる。また、炭素数が50以下であると混合樹脂(B)中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)などの直鎖飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸と塩を形成する金属に特に制限はないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛等が例示され、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、アルミニウム、および亜鉛が特に好ましい。
脂肪酸金属塩は、1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、脂肪酸金属塩の粒径に特に制限はないが、粒径が小さい方が混合樹脂B中に均一に分散することが容易になるため、粒径は0.2mm以下が好ましい。
脂肪酸金属塩の添加量は、ポリアミド樹脂(C)とポリエステル樹脂(D)の合計量100重量部に対して好ましくは0.005〜1.0重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.12〜0.5重量部である。合計量100重量部に対して0.005重量部以上添加することにより白化防止効果が期待できる。また、添加量が合計量100重量部に対して1.0重量部以下であると得られる多層成形体の曇価を低く保つことが可能となる。
上記脂肪酸金属塩の代わりに、下記のジアミド化合物およびジエステル化合物から選ばれた化合物を白化防止剤として添加してもよい。1種または2種以上のジアミド化合物を添加してもよいし、1種または2種以上のジエステル化合物を添加してもよいし、1種または2種以上のジアミド化合物と1種または2種以上のジエステル化合物を併用してもよい。
ジアミド化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下であると混合樹脂(B)中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジアミド化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)が例示できる。ジアミド化合物のジアミン成分として、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジアミド化合物が本発明に用いられる。炭素数8〜30の脂肪酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物、または主としてモンタン酸からなる脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましい。
ジエステル化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジオールから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジオールの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下であると混合樹脂B中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジエステル化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジオールから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジオールの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下であると混合樹脂B中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジエステル化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。ジエステル化合物のジオール成分として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が本発明に用いられる。主としてモンタン酸からなる脂肪酸と主としてエチレングリコールおよび/または1,3−ブタンジオールからなるジオールから得られるジエステル化合物が特に好ましい。
ジアミド化合物および/またはジエステル化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(C)とポリアミド樹脂(D)の合計量100重量部に対して好ましくは0.005〜1.0重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.12〜0.5重量部である。合計量100重量部に対して0.005重量部以上添加することにより白化防止効果が期待できる。また、添加量が合計量100重量部に対して1.0重量部以下であると、得られる多層成形体の曇価を低く保つことが可能となる。
混合樹脂(B)への白化防止剤の添加は従来から公知の混合法を適用できる。たとえば、回転中空容器内にポリアミド樹脂(C)およびポリエステル樹脂(D)のペレット、金属触媒化合物、白化防止剤を投入し混合して使用してもよい。また、高濃度の白化防止剤を含有するポリアミド樹脂組成物を製造した後、白化防止剤を含有しないポリアミド樹脂ペレットで所定の濃度で希釈し、これを溶融混練する方法、溶融混連後、引き続き、射出成形などにより成形する方法などが採用される。
白化防止剤を使用した場合、本発明の成型方法で多層成形体を製造した直後に混合樹脂(B)からなる層が白化するのを防止することができる。また、白化しない、あるいは白化が増大しない条件で多層成形体を長期保存した後に、混合樹脂Bからなる層が白化するのを防止することができる。すなわち、白化防止剤を添加しなくとも白化しない、あるいは白化が増大しない条件、たとえば温度23℃、湿度50%RH雰囲気下に長期保存した後に、多層成形体を高湿度にさらしたり、水や沸騰水と接触させたり、あるいはガラス転移温度以上に加熱しても成形直後と同様に白化が抑制される。
本実施形態における多層成形体の形状は特に制限はないが、例えば容器形状、シート形状、延伸フィルム形状である事が例示できる。容器形状の成形体として中空容器、トレイ、コンテナが例示できる。中空容器は成形方法により射出ブロー成型による中空容器、ダイレクトブロー成型による中空容器が例示できる。
本実施形態における多層成形体が多層シートである場合について以下に説明する。多層シートを作製する方法は、特に制限されるものではないが、押出成形や、共押出、ラミネート、蒸着など従来公知の多層化技術を用いることができる。押出成形の場合、押出機は単軸あるいは二軸を用いることができ、その際、押出機の温度は200〜290℃が好ましい。より好ましくは210〜280℃である。
本実施形態における多層シートは少なくとも上述したポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂からなる表面層と、それと接する混合樹脂(B)からなるコア層を有する。ポリエステル樹脂(A)を除くポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート‐スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂から選ばれた1種類以上の透明樹脂(E)からなる層を有していても良い。ポリエステル樹脂(A)を除くポリエステル樹脂してはポリエチレンナフタレート、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、1,4‐シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートが好ましい。
本実施形態における多層シートを押出成形で製造する場合、少なくとも1つの表面層側押出シリンダーおよび少なくとも1つのコア側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いることができ、該表面層側押出シリンダーから、または該表面層側押出シリンダーと該コア側押出シリンダーのうちの少なくとも1つの押出シリンダーとから、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出して該樹脂層を形成し、少なくとも1つの該コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出して、該ポリエステル樹脂(A)を含む樹脂からなる樹脂層と接するコア層の少なくとも1層を形成して得ることができる。
前記多層シートに使用する熱可塑性ポリエステル樹脂(A)には、多層シート端部や後述する多層シートを成形して得られる多層シート容器を製造する際に発生する端材をブレンドして使用することが出来る。(以下、ポリエステル樹脂(A)と多層シートの端材をブレンドした樹脂をポリエステル樹脂(A’)と記載する。)
また、前記の多層シート端部や多層シート容器を製造する際に発生する端材は、前記透明樹脂(E)とブレンドして使用することも出来る。(以下、透明樹脂(E)と多層シートの端材をブレンドした樹脂を透明樹脂(E’)と記載する。)
また、前記の多層シート端部や多層シート容器を製造する際に発生する端材は、前記透明樹脂(E)とブレンドして使用することも出来る。(以下、透明樹脂(E)と多層シートの端材をブレンドした樹脂を透明樹脂(E’)と記載する。)
本実施形態における多層シートの構成は用途により選択すれば良く、例えば、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)の2種3層、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)、又はポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)、又はポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)の3種3層、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)の2種5層、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の3種5層、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/透明樹脂(E)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/透明樹脂(E’)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/透明樹脂(E’)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/透明樹脂(E)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/透明樹脂(E)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/透明樹脂(E)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/透明樹脂(E’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/透明樹脂(E’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/透明樹脂(E’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/透明樹脂(E’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)/透明樹脂(E’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)の4種5層等の構成が挙げられる。
本実施形態における多層シートの構成で特に好ましい構成は、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の2種3層、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)の3種3層、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の2種5層、ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)、又はポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の3種5層が挙げられる。
多層シートが、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の2種3層構造のシートの場合、例えば、表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、コア層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより製造できる。
多層シートが、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)の3種3層構造のシートの場合、例えば、2機の表面層側押出シリンダーとコア層側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、一方の表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、もう一方の表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル(A’)を押し出し、コア層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより製造できる。
多層シートが、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の2種5層構造のシートの場合、例えば、表面層側押出シリンダーと中間層側押出シリンダーと中心層押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、表面層側押出シリンダーと中心層押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、中間層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより製造できる。
多層シートが、ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/ポリエステル樹脂(A)の3種5層構造のシートの場合、例えば、表面層側押出シリンダーと中間層側押出シリンダーと中心層押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、中間層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A’)を押し出し、中心層押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより製造できる。
多層シートが、ポリエステル樹脂(A)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A’)/混合樹脂(B)/ポリエステル樹脂(A)の3種5層の多層シートの場合、例えば、表面層側押出シリンダーと中間層側押出シリンダーと中心層押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、中間層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出し、中心層押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A’)を押し出すことにより製造できる。
本実施形態における多層シートの各層の厚みは、用途により適宜選択すればよいが、混合樹脂(B)による層の厚さは好ましくは1〜150μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜80μmである。ポリエステル樹脂(A)を含む表面層の厚さは好ましくは50〜1000μmであり、より好ましくは100〜800μmであり、さらに好ましくは200〜600μmである。また、多層シート全体の厚さは、好ましくは、100〜2000μm、より好ましくは200〜1600μmであり、さらに好ましくは400〜1200μmである。
本実施形態における耐熱多層成形体がトレイ、コンテナ形状である場合について以下に説明する。トレイ、コンテナ形状の多層成形体の製造方法には特に限定はないが、好ましい製法として、前記多層シートを圧空成形機、真空成形機、圧空真空成形機などを用いて、加熱軟化した後に、所望の形状の金型にて成形して容器(多層シート容器)を得ることができる。
シートの加熱軟化の表面温度としては90〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜230℃、更に好ましくは110〜200℃である。
シート表面温度が90℃を下回る場合、シート軟化が不十分なため、成形が困難となる。また、250℃を超えると、ドローダウンが激しくなり、成形ができない。
シートの加熱軟化の表面温度としては90〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜230℃、更に好ましくは110〜200℃である。
シート表面温度が90℃を下回る場合、シート軟化が不十分なため、成形が困難となる。また、250℃を超えると、ドローダウンが激しくなり、成形ができない。
前記容器成形の製法で使用される金型は、製造する容器によって異なるが、通常金型として用いられるものであれば良く、特に限定されない。
金型内での保持時間は5〜40秒が好ましく、より好ましくは8〜30秒、更に好ましくは10〜20秒である。保持時間が上記より短いと、冷却が不十分なために形状の変化が生じ、長すぎると生産性が悪くなる。
金型温度の上限としては、シートのガラス転移点温度以下が良く、好ましくはシートのガラス転移点温度−10℃以下、より好ましくはシートのガラス転移点温度−20℃以下、更に好ましくはシートのガラス転移点温度−25℃以下である。金型温度が上記温度を超えると、離型時にシートが金型に張り付きやすくなり、容器の変形や生産性の低下といった問題が生じる。
金型内での保持時間は5〜40秒が好ましく、より好ましくは8〜30秒、更に好ましくは10〜20秒である。保持時間が上記より短いと、冷却が不十分なために形状の変化が生じ、長すぎると生産性が悪くなる。
金型温度の上限としては、シートのガラス転移点温度以下が良く、好ましくはシートのガラス転移点温度−10℃以下、より好ましくはシートのガラス転移点温度−20℃以下、更に好ましくはシートのガラス転移点温度−25℃以下である。金型温度が上記温度を超えると、離型時にシートが金型に張り付きやすくなり、容器の変形や生産性の低下といった問題が生じる。
本実施形態における多層シート容器の厚みは5〜2000μmであるのが好ましく、より好ましくは20〜1800μm、さらに好ましくは30〜1500μmである。
本実施形態における多層シート容器の曇価は15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下である。
本実施形態の多層シート容器において混合樹脂(B)からなる層の重量は、多層シート容器総重量に対して1〜30重量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜20重量%である。混合樹脂(B)からなる層の重量が1重量%より少ないと多層シート容器のガスバリア性が十分でなくなることがあるため好ましくない。また混合樹脂(B)からなる層の重量が30重量%より多いと前駆体である多層シートを多層シート容器に成形しにくくなることがあるため好ましくない。
本実施形態の多層シート容器には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレンテレフタレート製品回収物、少量のイソフタル酸成分単位を含む変性ポリエチレンテレフタレート製品回収物、ポリアミド製品回収物、および/または成形品製造時の端材、および規格外物等のポリエステルおよび/またはポリアミド樹脂回収物をポリエステル樹脂(A)を含む層に添加してもよい。
本実施形態における多層シート容器に充填される内容物は、特に制限されるものではなく、食品、化粧品、医薬品、トイレタリー、機械・電気・電子部品、オイル、樹脂類が挙げられるが、本実施形態の多層シート容器の持つ、安全衛生性、耐熱性、透明性、印刷性、耐衝撃性、保香性などを勘案すると本実施形態の多層成形体は、特に食品を保存するための容器として好適に使用できる。
本実施形態における多層シート容器は、落下や衝撃による層間剥離が起こりにくい。また、凹凸部、屈曲部を含む形状であっても層間剥離が起こりにくいので、多層成形体の形状は凹凸部、屈曲部の少ない形状に限定されず、デザイン自由度が大きくなる。本発明の多層成形体がトレイ、コンテナ形状である場合は、例えば、豆腐類、卵豆腐類、ゼリー類、プリン、水羊羹、ムース、ヨーグルト類、杏仁豆腐などのゲル状食品;ジャム、味噌、漬物の素、すり下ろし香辛料等の香辛料;サラミ、ハム、ソーセージ、焼鳥、ミートボール、ハンバーグ、焼豚、ビーフジャーキー等の食肉加工品;蒲鉾、貝水煮、煮魚、竹輪等の水産加工品、粥、炊飯米、五目飯、赤飯等の米加工品;チーズ、バター、クリーム、コンデンスミルク等の乳加工品;ゆで卵、温泉卵等の卵加工品;煮野菜、煮豆、揚げ物、蒸し物、炒め物、煮物、焼き物等の惣菜類;漬物;うどん、そば、スパゲッティ等の麺類・パスタ類;果物シラップ漬け等、種々の物品の収納、保存に好適である。
本実施形態における多層シート容器が中空容器である場合は、例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし等の調味料、液体スープ等の液体系食品、液状の医薬品、化粧水、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー等の物品、更には、果汁飲料、茶やミネラルウォーター等の飲料等の耐熱容器として、種々の物品の収納、保存に好適である。
本実施形態の耐熱多層成形体は、その耐熱性を生かして、予め加熱されている食品を容器に充填する容器として、および、容器に充填後に調理、再加熱、殺菌、保温等の目的で加熱を行う場合の容器としてより好適に用いられる。
本実施形態の耐熱多層成形体に充填した食品の加熱方法は、特に制限されるものではないが、具体例として、電子レンジ、湯煎、加熱空気、水蒸気、紫外線、ボイル、レトルト、ホットベンダーなどが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
〔評価方法〕
以下の実施例及び比較例で測定した特性の測定法を以下に示す。
(1)ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
Viscotek社製 相対粘度計Y501により測定。測定温度25℃。フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒を使用。サンプル/混合液を0.2、0.4、0.6g/dlの濃度で調整し、90℃/40分で溶解させ、比粘度ηspと濃度Cの比ηsp/Cを濃度Cでプロットした際の線形近似をとり、外挿した直線の切片の値をIV値とした。
固有粘度[η]=limC→0(ηsp/C)
(2)ポリアミドMXD6の相対粘度[ηrel]
ポリアミド樹脂1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5ccを取り、25℃の恒温槽中で10分間放冷後、落下速度(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下速度(t0)も同様に測定した。tおよびt0から次式(イ)により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0(イ)
(3)ガラス転移温度
島津製作所製の熱流束示差走査熱量計(型式:DSC−50)により測定。昇温速度20℃/min
(4)溶融粘度
東洋精機製 Capirograph 1C(キャピログラフ)を用い、温度:260℃、予熱時間:1min、ノズル径:1mm、ノズル長:10mm、剪断速度:100(1/sec)で測定を行った。
(5)多層シートの厚み
多層シートを層間剥離させた後、マイクロメーターを使用して表面層とコア層の厚みを測定した。表面層の厚みは表面層両側の平均で算出した。尚、測定数は各層3個とし、その算術平均で厚みを算出した。
(6)多層シート容器の厚み
多層シート容器を切り出し、マイクロメーターを使用して容器底面と容器底面の全厚を測定し、層間剥離させた後、コア層の厚みを測定した。
(7)全光線透過率、曇価、YI
日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)を使用し、JIS−K−7105、ASTM D1003に準じ、測定を行った。
(8)多層シートの層間強度
多層成形体を幅15mmに切り出し、東洋精機製ストログラフを用いて、速度50mm/minでTピール試験を行った。剥離するときの最大点荷重を測定し、これをTピール荷重とし、層間強度を評価した。尚、測定数は各10個とし、その測定値の算術平均で層間強度を算出した。
(9)多層シート容器の層間剥離性(落下試験による剥離評価)
容器内に、水50mlを充填後、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムでヒートシールした。その後、24時間、23℃50%RHの環境で静置後、地上200cmの高さからコンクリート面に水平落下させ、層間剥離の有無を目視で判定し、層間剥離が発生するまでの落下回数を測定した。
(10)多層成形体の酸素透過率、酸素透過係数
温度23℃、多層成形体内部の相対湿度100%、外部の相対湿度50%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX-TRAN 10/50Aを使用した。
(11)熱水充填容積保持率
容器の容積(V1)を測定し、次に該容器に70〜75℃の熱水を満水まで充填後、室温に下がるまで放置した。その後、再度容積(V2)を測定し、下記式より容積保持率を求めた。
容積保持率(%)=(V2/V1)×100
容積保持率(%)の高いものほど、耐熱性が高いと評価できる。
(12)充填後の外観
容器に熱水を充填し、室温まで放置後、外観を目視で評価した。
○:外観変化なし
△:容器側面に膨れあり
×:容器が大きく変形
以下の実施例及び比較例で測定した特性の測定法を以下に示す。
(1)ポリエチレンテレフタレートの極限粘度
Viscotek社製 相対粘度計Y501により測定。測定温度25℃。フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒を使用。サンプル/混合液を0.2、0.4、0.6g/dlの濃度で調整し、90℃/40分で溶解させ、比粘度ηspと濃度Cの比ηsp/Cを濃度Cでプロットした際の線形近似をとり、外挿した直線の切片の値をIV値とした。
固有粘度[η]=limC→0(ηsp/C)
(2)ポリアミドMXD6の相対粘度[ηrel]
ポリアミド樹脂1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5ccを取り、25℃の恒温槽中で10分間放冷後、落下速度(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下速度(t0)も同様に測定した。tおよびt0から次式(イ)により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0(イ)
(3)ガラス転移温度
島津製作所製の熱流束示差走査熱量計(型式:DSC−50)により測定。昇温速度20℃/min
(4)溶融粘度
東洋精機製 Capirograph 1C(キャピログラフ)を用い、温度:260℃、予熱時間:1min、ノズル径:1mm、ノズル長:10mm、剪断速度:100(1/sec)で測定を行った。
(5)多層シートの厚み
多層シートを層間剥離させた後、マイクロメーターを使用して表面層とコア層の厚みを測定した。表面層の厚みは表面層両側の平均で算出した。尚、測定数は各層3個とし、その算術平均で厚みを算出した。
(6)多層シート容器の厚み
多層シート容器を切り出し、マイクロメーターを使用して容器底面と容器底面の全厚を測定し、層間剥離させた後、コア層の厚みを測定した。
(7)全光線透過率、曇価、YI
日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)を使用し、JIS−K−7105、ASTM D1003に準じ、測定を行った。
(8)多層シートの層間強度
多層成形体を幅15mmに切り出し、東洋精機製ストログラフを用いて、速度50mm/minでTピール試験を行った。剥離するときの最大点荷重を測定し、これをTピール荷重とし、層間強度を評価した。尚、測定数は各10個とし、その測定値の算術平均で層間強度を算出した。
(9)多層シート容器の層間剥離性(落下試験による剥離評価)
容器内に、水50mlを充填後、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムでヒートシールした。その後、24時間、23℃50%RHの環境で静置後、地上200cmの高さからコンクリート面に水平落下させ、層間剥離の有無を目視で判定し、層間剥離が発生するまでの落下回数を測定した。
(10)多層成形体の酸素透過率、酸素透過係数
温度23℃、多層成形体内部の相対湿度100%、外部の相対湿度50%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX-TRAN 10/50Aを使用した。
(11)熱水充填容積保持率
容器の容積(V1)を測定し、次に該容器に70〜75℃の熱水を満水まで充填後、室温に下がるまで放置した。その後、再度容積(V2)を測定し、下記式より容積保持率を求めた。
容積保持率(%)=(V2/V1)×100
容積保持率(%)の高いものほど、耐熱性が高いと評価できる。
(12)充填後の外観
容器に熱水を充填し、室温まで放置後、外観を目視で評価した。
○:外観変化なし
△:容器側面に膨れあり
×:容器が大きく変形
〔ポリエステル樹脂(A−1)、ポリエステル樹脂(D−1)の製造〕
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、攪拌機、過熱装置、及び窒素導入管を備えた150リットルのポリエステル樹脂製造装置に、表1に記載量のテレフタル酸とエチレングリコールを仕込み、常法にてエステル化反応を行った。得られたエステルに表1に記載量の解重合用エチレングリコールと、二酸化ゲルマニウムを加え、225℃、窒素気流下で解重合を行なった。生成する水を留去しつつ3時間反応を行った後、215℃、13.3kPaでエチレングリコールを留去した。得られたエステルに表1に記載量のテトラ−n−ブチルチタネート、酢酸カリウム、リン酸トリエチル、及び3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエテチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(SPG)を添加し、225℃、13.3kPaで3時間反応を行った。得られたエステルを昇温、減圧し、最終的に270℃、高真空化(300Pa以下)で重縮合反応を行い、所定の溶融粘度となったところで反応を終了しポリエステル樹脂(A−1)及びポリエステル樹脂(D−1)を得た。得られたポリエステル樹脂(A−1)及びポリエステル樹脂(D−1)の評価結果を表1に示す
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、攪拌機、過熱装置、及び窒素導入管を備えた150リットルのポリエステル樹脂製造装置に、表1に記載量のテレフタル酸とエチレングリコールを仕込み、常法にてエステル化反応を行った。得られたエステルに表1に記載量の解重合用エチレングリコールと、二酸化ゲルマニウムを加え、225℃、窒素気流下で解重合を行なった。生成する水を留去しつつ3時間反応を行った後、215℃、13.3kPaでエチレングリコールを留去した。得られたエステルに表1に記載量のテトラ−n−ブチルチタネート、酢酸カリウム、リン酸トリエチル、及び3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエテチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(SPG)を添加し、225℃、13.3kPaで3時間反応を行った。得られたエステルを昇温、減圧し、最終的に270℃、高真空化(300Pa以下)で重縮合反応を行い、所定の溶融粘度となったところで反応を終了しポリエステル樹脂(A−1)及びポリエステル樹脂(D−1)を得た。得られたポリエステル樹脂(A−1)及びポリエステル樹脂(D−1)の評価結果を表1に示す
〔その他の樹脂〕
実施例1〜2および比較例1〜2では、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(D)以外の樹脂として以下の樹脂を使用した。
・ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット製 BK2180)
・ポリアミド樹脂(C−1):相対粘度が2.70のポリアミドMXD6(三菱ガス化学製 MXナイロン S6007)。
実施例1〜2および比較例1〜2では、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(D)以外の樹脂として以下の樹脂を使用した。
・ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット製 BK2180)
・ポリアミド樹脂(C−1):相対粘度が2.70のポリアミドMXD6(三菱ガス化学製 MXナイロン S6007)。
〔多層シート及び多層シート容器の作成及び評価〕
<実施例1>
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、巻き取り機等を備えた多層シート製造装置を用い、1台目の押出機からコア層としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエステル樹脂(D−1)を80/20(重量比)で混合した混合樹脂(B−1)を260℃で、2台目と3台目の押出機からスキン層としてポリエステル樹脂(A−1)を270℃でそれぞれ押し出し、フィードブロックを介して表面層(ポリエステル樹脂(A−1)、270μm)/ガスバリア層(混合樹脂層、60μm)/表面層(ポリエステル樹脂(A−1)、270μm)の層構成を有する2種3層の多層シートを製造した。
次いで、浅野研究所製のプラグアシストを備えた真空圧空成形機を使用して、シート表面温度が120℃に達した時点で金型温度30℃、金型内保持時間20秒で熱成形を行い、開口部70x70mm、深さ26mm、容積100mlのカップ状容器を得た。得られた多層シートの評価結果を表3、カップ状の多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<実施例1>
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、巻き取り機等を備えた多層シート製造装置を用い、1台目の押出機からコア層としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエステル樹脂(D−1)を80/20(重量比)で混合した混合樹脂(B−1)を260℃で、2台目と3台目の押出機からスキン層としてポリエステル樹脂(A−1)を270℃でそれぞれ押し出し、フィードブロックを介して表面層(ポリエステル樹脂(A−1)、270μm)/ガスバリア層(混合樹脂層、60μm)/表面層(ポリエステル樹脂(A−1)、270μm)の層構成を有する2種3層の多層シートを製造した。
次いで、浅野研究所製のプラグアシストを備えた真空圧空成形機を使用して、シート表面温度が120℃に達した時点で金型温度30℃、金型内保持時間20秒で熱成形を行い、開口部70x70mm、深さ26mm、容積100mlのカップ状容器を得た。得られた多層シートの評価結果を表3、カップ状の多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<実施例2>
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエステル樹脂(D−1)を90/10(重量比)で混合した混合樹脂(B−2)を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエステル樹脂(D−1)を90/10(重量比)で混合した混合樹脂(B−2)を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<実施例3>
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエステル樹脂(D−1)を60/40(重量比)で混合した混合樹脂(B−3)を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエステル樹脂(D−1)を60/40(重量比)で混合した混合樹脂(B−3)を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<比較例1>
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)を使用した以外は、実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)を使用した以外は、実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<比較例2>
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエチレンテレフタレートを80/20(重量比)で混合した樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエチレンテレフタレートを80/20(重量比)で混合した樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<比較例3>
スキン層を構成する樹脂としてポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエチレンテレフタレートを使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
スキン層を構成する樹脂としてポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエチレンテレフタレートを使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
<比較例4>
スキン層を構成する樹脂としてポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエチレンテレフタレートを使用し、コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエチレンテレフタレートを80/20(重量比)で混合した樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
スキン層を構成する樹脂としてポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエチレンテレフタレートを使用し、コア層を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(C−1)とポリエチレンテレフタレートを80/20(重量比)で混合した樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして3層構成の多層シートを成形し、更にカップ状の多層シート容器を成形した。得られた多層シートの評価結果を表3、多層シート容器の評価結果を表4に示す。
・PTA:テレフタル酸
・SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエテチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
・EG:エチレングリコール
・GeO2:二酸化ゲルマニウム
・TBT:テトラ−n−ブチルチタネート
・AcOK:酢酸カリウム
・TEP:リン酸トリエチル
本発明の耐熱多層成形体は、落下や衝撃による剥離が起こりにくく、かつ、耐熱性、透明性及びガスバリア性に優れるので、食品包装分野等において、予め加熱されている食品を充填する容器として、および、容器に充填後に調理、再加熱、殺菌、保温等の目的で加熱を行う場合の容器として好適に用いられる。
Claims (15)
- 2層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、
該多層成形体の少なくとも一つの樹脂層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重合して得たポリアミド樹脂(C)とジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜40モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂(D)とを(C)/(D)=99/1〜10/90の重量比で含有する混合樹脂(B)により構成され、
該混合樹脂(B)で構成される層に接する少なくとも一つの樹脂層がガラス転移点90℃以上で、且つジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中20〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂で構成されることを特徴とする多層成形体。 - 3層以上の樹脂層からなる樹脂製多層成形体であって、
該多層成形体の両側の表面を形成する樹脂層を構成する樹脂の70重量%以上が、前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)であり、
該表面を形成する樹脂層に接するコア層の少なくとも1層が、前記混合樹脂(B)により構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の多層成形体。 - ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の該環状アセタール骨格を有するジオール単位が、一般式(1):
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。)
または一般式(2):
(式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。)
で表されるジオールに由来するジオール単位である請求項1または2に記載の多層成形体。 - ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の該環状アセタール骨格を有するジオール単位が、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンに由来するジオール単位、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンに由来するジオール単位である請求項1または2に記載の多層成形体。
- ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)の環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる1種以上のジオールに由来するジオール単位である請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層成形体。
- ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位中の1〜100モル%がベンゼン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位であり、0〜99モル%がナフタレン骨格を有するジカルボン酸に由来する単位である請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層成形体。
- ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(D)のジカルボン酸単位が、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位である請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層成形体。
- ポリアミド樹脂(C)が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して得られたポリアミド樹脂を、更に固相重合することにより得られた固相重合ポリアミド樹脂である請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層成形体。
- 混合樹脂(B)が、さらに、元素周期律表第VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛からなる群より選択された一種以上の金属元素を0.01〜0.10重量%含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の多層成形体。
- 多層成形体総重量に対する混合樹脂(B)の重量比が1〜30重量%である請求項1〜9のいずれか一項に記載の多層成形体。
- 少なくとも1つの表面層側押出シリンダーおよび少なくとも1つのコア側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて製造される、両表面層および両表面層の間に位置する少なくとも1層のコア層を含む多層成形体であって、
該表面層側押出シリンダーから、または該表面層側押出シリンダーと該コア側押出シリンダーのうちの少なくとも1つの押出シリンダーから、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出して樹脂層を形成し、少なくとも1つの該コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出して、該熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を含む樹脂からなる樹脂層と接するコア層の少なくとも1層を形成して得られる、厚さ100〜2000μmの多層シートである請求項1〜10のいずれか一項に記載の多層成形体。 - 表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、コア側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出すことにより得られる3層構造を有する請求項11に記載の多層成形体。
- 表面層側押出シリンダーと中間層押出シリンダー、中心層側押出シリンダーを有する多層シート成形機を用いて、表面層側押出シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出し、中間層側押出シリンダーまたは中心層側押出シリンダーから混合樹脂(B)を押し出し、混合樹脂(B)を押し出さなかった中間層側シリンダーまたは中心層側シリンダーから熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を70重量%以上含む樹脂を押し出すことにより得られる5層構造を有する請求項11に記載の多層成形体。
- 前記多層シートの表面を90〜250℃に加熱軟化した後に、所望の形状の金型にて、シートのガラス転移点温度以下の金型温度、5〜40秒の金型内保持時間で成形して得られる多層シート容器である請求項11〜13のいずれか一項に記載の多層成形体。
- 成形品の曇価が15%以下であることを特徴とする請求項14に記載の多層成形体。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014213523A JP2016078373A (ja) | 2014-10-20 | 2014-10-20 | 耐熱多層成形体 |
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| JP2014213523A JP2016078373A (ja) | 2014-10-20 | 2014-10-20 | 耐熱多層成形体 |
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|---|---|
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2014
- 2014-10-20 JP JP2014213523A patent/JP2016078373A/ja active Pending
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