JP2004285194A - ポリエステル系樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスバリア性、透明性、色調に優れるポリエステル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】テレフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを70モル%以上含むジオール成分とを重縮合して得たポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物0.005〜2重量部を溶融混合して得られる変性ポリエステル樹脂(A)60〜98重量%、ならびに、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して得られ、かつ(1)末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、(2)末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gであるポリアミド樹脂(B)2〜40重量%を溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】テレフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを70モル%以上含むジオール成分とを重縮合して得たポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物0.005〜2重量部を溶融混合して得られる変性ポリエステル樹脂(A)60〜98重量%、ならびに、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して得られ、かつ(1)末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、(2)末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gであるポリアミド樹脂(B)2〜40重量%を溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる樹脂組成物、それからなる成形体に関する。詳しくは、ポリエステル樹脂のみでは不十分であったガスバリア性を改善でき、かつ前記樹脂組成物において従来問題であった色調や透明性を改善することが可能なポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジオール化合物をモノマーとして使用して得られるポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂等に代表されるポリエステル樹脂(以下「ポリエステル樹脂」ということがある。)は、透明性、機械的性能、溶融安定性、耐溶剤性、保香性、リサイクル性等に優れるという特長を有することから、現在、フィルム、シート、中空容器等の各種包装材料に広く利用されている。しかしながら、ポリエステル樹脂は酸素、炭酸ガス等に対するガスバリア性が必ずしも十分ではないため、ポリエステル樹脂からなる包装容器の利用範囲には制限があった。ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善する手段としては、酸化アルミニウムや酸化珪素をポリエステル樹脂からなる成形体や包装容器に蒸着したり、あるいはポリエステル樹脂よりも高いガスバリア性能を有する樹脂をポリエステル樹脂からなる成形体や包装容器に塗布あるいは積層する等の手段が挙げられるが、複雑な製造工程を必要としたり、リサイクル性や機械的性能が損なわれる等の問題点があるため、その利用範囲は限定されたものであった。
【0003】
上記のような問題を解決しつつ、ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善する手段として、高いガスバリア性を有する熱可塑性樹脂をポリエステル樹脂に溶融混合する方法が挙げられる。高いガスバリア性を有する樹脂の一つとしエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂が挙げられるが、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は、その分子構造の特徴からポリエステル樹脂との相溶性に乏しく、両樹脂を混合してなる樹脂組成物は白濁し、ポリエステル樹脂の特徴である透明性を損なう欠点があった。またエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂はポリエステル樹脂と比較して結晶性が高いため、ポリエステル樹脂の延伸性を損なう傾向にあり、二軸延伸フィルムやブローボトル等の延伸工程を必須とする包装容器への利用は困難であった。さらにポリエステル樹脂における最適な加工温度では、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は急激に熱劣化する傾向にあるため、ポリエステル樹脂の加工安定性を損なう等の問題点があった。
【0004】
エチレン−ビニルアルコール共重合体以外のガスバリア性樹脂としては、ナイロン6,ナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂が挙げられるが、とりわけメタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分とアジピン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重合して得られるポリメタキシリレンアジパミドはガスバリア性に優れるポリアミド樹脂であり好適である。ポリメタキシリレンアジパミドは他のポリアミド樹脂と比較して高いガスバリア性を有する上に、ポリエステル樹脂の中でも特に広く利用されているポリエチレンテレフタレート樹脂とガラス転移温度、融点、結晶性が近似していることから、ポリエステル樹脂の加工安定性を損なうことがない。このことから、ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善するための材料として、ポリメタキシリレンアジパミドは非常に適した樹脂であるといえる。
【0005】
これまでに、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂にポリアミド樹脂を含有させたガスバリア性の優れた中空成形体が提案されているが、当該発明は単にポリアミド樹脂によりガスバリア性の改善を提案したものであり、色調や透明性の改善に関する記載は一切されていない(特許文献1参照。)。また、予めテトラカルボン酸二無水物と混合したポリエステル樹脂に、溶融状態でポリアミド樹脂を添加、混合することで、ポリアミドを微分散させ、高いガスバリア性を有する容器を得る方法が提案されているが、当該発明はポリエステル樹脂の溶融粘度を高めることによりポリアミド樹脂を微分散させ、ガスバリア性を高める方法を提案したものであり、当該発明には透明性や色調に関する記載は無く、また当該発明で用いられるポリアミド樹脂は実質的に本発明と異なるものである(特許文献2参照。)。さらに、ポリエステル樹脂と低分子量のポリアミド樹脂をブレンドすることによりポリエステル樹脂中のアセトアルデヒド濃度を低減させ、風味保持性を高めると共に、透明性及びガスバリア性をも有する組成物が提案されているが、当該発明はポリエステル中のアセトアルデヒドをポリアミド樹脂の添加により低減することが主な目的であるため、その混合量が2%以下と少なく、ガスバリア性の改善は十分とは言えなかった(特許文献3参照。)。さらに当該発明で用いられるポリエステル樹脂は多官能性カルボン酸で変性したものではなく、実質的に本発明と異なるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−160344号公報
【特許文献2】
特開2000−34357号公報
【特許文献3】
特表平7−509011号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解消し、ガスバリア性に優れ、かつ透明性、色調を改善したポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題の解決方法について鋭意検討した結果、多官能性カルボン酸で変性したポリエステル樹脂に、特定の末端アミノ基濃度、数平均分子量等を有するポリアミド樹脂を溶融混合することで、ガスバリア性、透明性、色調が改善されたポリエステル系樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、テレフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを70モル%以上含むジオール成分を重縮合して得たポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物0.005〜2重量部を溶融混合して得られる変性ポリエステル樹脂(A)60〜98重量%、ならびにメタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分、およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られ、かつ(1)末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、(2)末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gであるポリアミド樹脂(B)2〜40重量%を溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0010】
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明で用いられる変性ポリエステル樹脂(A)の原料となるポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分および脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分を重縮合して得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、これらの中でもテレフタル酸やイソフタル酸が好ましく用いられる。芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を使用する場合、芳香族ジカルボン酸成分中に占めるテレフタル酸の割合は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。又、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸にイソフタル酸を併用する場合、その割合は芳香族ジカルボン酸成分の1〜10モル%、好ましくは1〜8モル%、更に好ましくは1〜6モル%である。イソフタル酸を芳香族ジカルボン酸として上記に示した量を添加して得た共重合樹脂は結晶化速度が遅くなり、成形性を向上させることが可能となる。更に他のジカルボン酸として、本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸や、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等のカルボン酸無水物を用いることができる。
【0011】
ポリエステル樹脂の原料であるジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、これらの中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。ジオール成分中に占めるエチレングリコールの割合は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。更に他のジオールとして、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、環状アセタール骨格を有するジオール等を用いることもできる。
【0012】
ポリエステル樹脂の製造は、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂製造時の重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等が例示できるが、これらに限らない。
【0013】
本発明において好ましいポリエステル樹脂を例示すると、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、エチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、エチレン−テレフタレート−4,4’−ビフェニルジカルボキシレート共重合樹脂が挙げられる。特に好ましいポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂である。
【0014】
本発明で用いるポリエステル樹脂の極限粘度(フェノール/1,1,2,2,−テトラクロロエタン=60/40質量比混合溶媒中、25℃で測定した値)には、特に制限はないが、通常0.5〜2.0dl/g、好ましくは0.6〜1.8dl/gであることが望ましい。極限粘度が0.5dl/g以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られるポリエステル系樹脂組成物からなる成形体や包装容器が構造物として必要な機械的性質を発現することができる。
【0015】
本発明の変性ポリエステル樹脂(A)の原料となる多官能性カルボン酸化合物は、その分子構造にカルボキシル基を2以上及び/又は2のカルボキシル基から形成される酸無水物基を1以上有する化合物であり、ポリエステル樹脂と溶融混合することによって、ポリエステル樹脂末端の水酸基と反応して、ポリマー中の末端カルボキシル基量を増加させる。用いることのできる多官能性カルボン酸化合物としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、カルボキシル基の芳香環への結合位置が異なる各種ナフタレントリカルボン酸無水物、各種ビフェニルトリカルボン酸無水物、エチレンビストリメリット酸無水物等の芳香族トリカルボン酸及びその無水物、ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸及びその無水物或いは二無水物が挙げられ、上記の中でもポリエステルの末端カルボキシル基が増加する効果に加えて、ポリエステルの溶融粘度を高める効果も発現されることから、芳香族トリカルボン酸、芳香族トリカルボン酸無水物、芳香族テトラカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに好ましくはトリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物である。本発明では上記に挙げた多官能性カルボン酸化合物のうち、1種のみ混合しても良いし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0016】
変性ポリエステル樹脂(A)の原料であるポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物の重量比は、ポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物を0.005〜2重量部とすることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部である。多官能性カルボン酸化合物の重量比が0.005重量部よりも低い場合、ポリエステル樹脂の変性効果が小さく、ポリアミド樹脂(B)を混合しても良好な透明性を有する組成物を得ることができない。また多官能性カルボン酸化合物の重量比が2重量部を超える場合、変性ポリエステル樹脂(A)の溶融粘度が高くなりすぎてその後の成形加工が困難となることがあるため好ましくない。
【0017】
本発明において変性ポリエステル樹脂(A)を製造する方法としては、特に限定されないが、溶融混合装置を使用して行うことが好ましい。好ましい溶融混合装置としてはポリエステル樹脂又は多官能性カルボン酸化合物のうち高いほうの融点よりも高い温度に加熱することができるヒーターを備えた溶融混合装置であり、例えば、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。本発明におけるポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物の溶融混合工程は、ポリエステル樹脂の末端水酸基と多官能性カルボン酸化合物を反応させるための工程であり、溶融混合時の滞留時間は長いほうが良く、かつ系内を減圧として発生する水分を除去しながら反応を進めることが好ましい。このことから、本発明では特に真空ポンプ−ベント付きの二軸押出機やエクストルーダー等の装置が好ましく使用される。
【0018】
またポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物を溶融混合する前に、本発明ではポリエステル樹脂中の水分率を400ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下に乾燥させておくことが望ましい。水分率が400ppmを超えるポリエステル樹脂を使用すると、溶融混合工程においてポリエステルが加水分解して分子量が著しく低下するため好ましくない。
【0019】
ポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物から得られた変性ポリエステル樹脂(A)は、後述のポリアミド樹脂(B)と溶融混合する前に結晶化や水分除去を目的として加熱処理しておくことが好ましい。処理方法としては公知の方法により行うことができる。例えば、変性ポリエステル樹脂(A)を真空ポンプ付きの加熱可能なタンブラー(回転式真空槽)中や減圧乾燥機中に仕込み、減圧下でポリマーの融点以下の温度で加熱する方法や、ホッパードライヤー中に仕込み、加熱された乾燥空気を循環させて加熱処理する方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0020】
本発明において用いるポリアミド樹脂(B)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重合することにより得られるポリアミド樹脂である。上記のようなモノマー組成及び構造単位を有するポリアミド樹脂はポリエチレンテレフタレート樹脂のようなポリエステル樹脂と成形加工性が近似するため、ポリエステル系樹脂組成物の加工性を損なわないので有利である。
【0021】
本発明のポリアミド樹脂(B)を構成するジアミン成分には、メタキシリレンジアミンが70モル%以上含まれることが必要であり、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、それから得られるポリアミド樹脂は優れたガスバリア性を発現することができる。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとしては、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明のポリアミド樹脂(B)を構成するジカルボン酸成分中には、アジピン酸が70モル%以上含まれることが必要であり、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。ジカルボン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上であると、ガスバリア性の低下や結晶性の過度の低下を避けることができる。アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸として、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。また、ポリアミド樹脂(B)の重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
【0023】
上記のポリアミド樹脂(B)は、溶融重縮合法により製造される。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧状態で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、メタキシリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その間、生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも反応温度が下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。なお、本発明のポリアミド樹脂(B)については必要に応じて溶融重縮合により得られたものをさらに固相重合することにより分子量を高めることもできる。
【0024】
上記のポリアミド樹脂(B)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいはポリアミド樹脂(B)の着色を防止するためにリン化合物が含まれていても良い。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。ポリアミド樹脂(B)中のリン化合物の濃度は、リン原子として200ppm以下、好ましくは160ppm以下、更に好ましくは100ppm以下であることが望ましい。ポリアミド樹脂(B)中のリン原子濃度が200ppmを超えると、アンチモン系の触媒を利用して製造されたポリエステル樹脂と溶融混合した場合、ポリエステル樹脂中にわずかに残存するアンチモン系の触媒が還元され、ポリエステル系組成物が黒ずむ場合があるため好ましくない。なお、本発明のポリアミド樹脂(B)には上記のリン化合物の他に本発明の効果を損なわない範囲で滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤等を加えることもできるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合しても良い。
【0025】
本発明で用いられるポリアミド樹脂(B)は、末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、かつ末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gの範囲内にあるものが使用される。このようなポリアミド樹脂(B)と前述した変性ポリエステル樹脂(A)を溶融混合するとガスバリア性に優れることはもちろん、透明性にも優れたポリエステル系樹脂組成物を得ることができる。透明性が発現する原因としては、ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度を過剰にしてかつ適当な濃度に設定することによって、変性ポリエステル樹脂(A)中に存在するカルボキシル基或いは二つのカルボキシル基からなる酸無水物基とポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基の縮合反応が部分的に進み、縮合反応を起こした分子が変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の相溶化剤的な役割を果たすためと思われる。なお、この現象は変性ポリエステル樹脂(A)の内部ヘーズ(流動パラフィン等の溶媒に測定試料を入れて試料の表面粗れによるヘーズの上昇を除去して測定されるヘーズ)よりもポリアミド樹脂組成物(B)を溶融混合して得られたポリエステル樹脂組成物の内部ヘーズが低くなることから推定される。
【0026】
本発明のポリアミド樹脂(B)は末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高い必要がある。末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が低いと、変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の反応が起こりにくくなるため、得られるポリエステル系樹脂組成物の透明性が悪化する傾向にあり好ましくない。
【0027】
また、本発明ではポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度は30〜300μeq/gとすることが必要であり、好ましくは40〜250μeq/g、さらに好ましくは50〜200μeq/gである。ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度が30μeq/gより低いと変性ポリエステル樹脂(A)中のカルボキシル基との反応度が低くなり、得られるポリエステル系樹脂組成物の透明性が悪化する。ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度が300μeq/gより高いと、ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量が低すぎて、変性ポリエステル樹脂(A)と混合する際に分散しにくくなり、ポリアミド樹脂(B)の分散粒子径が大きくなって透明性が悪化する傾向にあるため好ましくない。また、場合によってはポリエステル系樹脂組成物の色調が黄色味が強くなることがあるため好ましくない。
【0028】
本発明のポリアミド樹脂(B)の数平均分子量については、数式(1)に示したように末端カルボキシル基濃度および末端アミノ基濃度から算出される。
【0029】
Mn=2×106/([COOH]+[NH2]) (1)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。)
【0030】
本発明のポリアミド樹脂(B)の数平均分子量は8000〜30000とすることが好ましく、より好ましくは9000〜28000、さらに好ましくは10000〜26000である。ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量が8000より低いか、または30000より高いと、ポリエステル系樹脂組成物中におけるポリアミド樹脂(B)の分散粒子径が大きくなり透明性が悪化する傾向にある。
【0031】
本発明のポリアミド樹脂(B)は、末端アミノ基が変性ポリエステル樹脂(A)と部分的に反応することにより透明性が向上するが、場合によっては変性ポリエステル樹脂(A)との溶融混合中に、ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基とポリアミド樹脂(B)の末端カルボキシル基とで縮合反応が起こり末端アミノ基濃度が低下することがある。末端アミノ基濃度が減少すると変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の反応性が低下して透明性が悪化したり、ポリアミド樹脂(B)の溶融粘度が変化することがある。また、ポリアミド樹脂(B)内の縮合反応に伴い発生する水分により、変性ポリエステル樹脂(A)の加水分解が起こってポリエステル系樹脂組成物の加工安定性を損なうことがある。
【0032】
このような現象を防止する方法として特に好ましいものは、ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])が1.0を超えて、かつポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])と数式(1)により末端カルボキシル基濃度および末端アミノ基濃度から算出される数平均分子量の関係が数式(2)を満足するポリアミド樹脂(B)を利用する方法である。末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])が149.55×(EXP(−0.0004×Mn))より小さいと、ポリアミド樹脂(B)の溶融加工時にポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基とポリアミド樹脂(B)の末端カルボキシル基とで縮合反応が起こって上述のような問題が起こる可能性があるため好ましくない。また末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])が149.55×(EXP(−0.0002×Mn))より大きい場合はポリアミド樹脂(B)の製造工程における重縮合時間を延長し、かつ高い温度で反応を行う等の方法が必要であり、ポリアミド樹脂(B)の製造時にかかる熱履歴が大きくなって、ポリアミド樹脂の熱劣化が起こる傾向にあるため好ましくない。
【0033】
149.55×(EXP(−0.0004×Mn))≦[NH2]/[COOH]≦149.55×(EXP(−0.0002×Mn)) (2)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。)
【0034】
上記数式(2)を満足するポリアミド樹脂を製造する方法としては、例えばポリアミド樹脂(B)の製造時に原料のジアミン成分のモル数をジカルボン酸成分のモル数よりも過剰になるように仕込んでポリアミド樹脂(B)の末端基のバランスを崩してポリアミド樹脂の到達できる重合度を制御し、さらに製造時にポリアミド樹脂(B)の重合速度が低下し始める時点まで、または低下してからさらに重合を進める方法が挙げられ、このようにすることでポリアミド樹脂(B)を再溶融させたときに起こる可能性のある末端基同士の縮合反応を防止することができる。
【0035】
上記の関係式に適合するポリアミド樹脂(B)を製造する方法の一例としては、攪拌可能な反応缶内にジカルボン酸成分を仕込み、常圧の状態にてジカルボン酸成分を加熱して溶融させた後、ジカルボン酸成分のモル数よりも過剰になるように秤量したジアミン成分を滴下して、生成する水を系外へ除去しながら連続的に昇温して重縮合を進め、攪拌機の攪拌トルクがほぼ安定した時点でポリマーを取り出す方法や、攪拌可能な加圧反応缶にジアミン成分とジカルボン酸成分のモル比をジアミン成分が過剰になるような組成で原料を、さらに蒸留水を仕込み、加圧しながら昇温し、留出水を除きつつ反応を進めた後、常圧に戻し、さらに反応を継続して攪拌機の攪拌トルクがほぼ安定した時点でポリマーを取り出す方法が挙げられる。
【0036】
本発明に用いるポリアミド樹脂(B)は、使用する前に水分率が0.10%以下、好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.05%以下になるよう乾燥することが望ましい。水分率が0.10%より高いと、変性ポリエステル樹脂(A)との溶融混合時にポリアミド樹脂(B)から発生する水分によって変性ポリエステル樹脂(A)の加水分解が起こるため好ましくない。ポリアミド樹脂(B)の乾燥は、公知の方法により行うことができる。例えば、ポリアミド樹脂(B)を真空ポンプ付きの加熱可能なタンブラー(回転式真空槽)中や減圧乾燥機中に仕込み、減圧下でポリマーの融点以下、好ましくは160℃以下の温度で加熱して乾燥する方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0037】
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)を溶融混合することにより得られるが、その重量比は変性ポリエステル樹脂(A)が60〜98重量%、ポリアミド樹脂(B)が2〜40重量%の範囲であり、好ましくは変性ポリエステル樹脂(A)が65〜97重量%、ポリアミド樹脂(B)が3〜35重量%、より好ましくは変性ポリエステル樹脂(A)が70〜96重量%、ポリアミド樹脂(B)が4〜30重量%である。ポリアミド樹脂(B)が2重量%より低いとガスバリア性の改善効果が小さくなるため好ましくない。またポリアミド樹脂(B)が40重量%より高いとポリエステル系樹脂組成物の色調や透明性が悪化するため好ましくない。
【0038】
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、具体的にはポリエチレンナフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン等が配合されていてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂、および/またはポリアミド樹脂、またはそれらの溶融混合物等のリサイクル樹脂が配合されていてもよい。また、顔料、染料、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、ポリアミド樹脂のゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を加えることもできる。
【0039】
本発明のポリエステル系樹脂組成物の製造は、従来公知の方法により混合、製造することができる。例えば、ポリアミド樹脂(B)と変性ポリエステル樹脂(A)とをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドした混合物を単軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合する方法が挙げられる。また必要に応じて上述の方法にて製造した溶融混合物をさらに固相重合することもできる。本発明のポリエステル系樹脂組成物を利用した成形体及び包装容器の製造方法は、射出成形機やシート製造装置、フィルム製造装置等を利用して上述の方法で得た溶融混合物から成形体及び包装容器を製造することができるが、溶融混合物を製造する工程を経ずに変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)とをドライブレンドしたものから上述の成形機を用いて直接成形体又は包装容器を製造しても良い。本発明のポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体及び包装容器は上述の方法に限定されること無く従来公知の様々な成形方法を用いて製造することができる。
【0040】
本発明のポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体を製造する際の加工温度は特に制限はないが、変性ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)が融解する温度よりも高く、かつ成形体及び包装容器が必要な機械的性質を保持できる温度であればよく、例えば240〜310℃、好ましくは260〜300℃、さらに好ましくは270〜290℃であることが望ましい。
【0041】
本発明のポリエステル系樹脂組成物を利用してなる成形体及び包装容器は、該ポリエステル系樹脂組成物からなる層を一層以上備えたものである。成形体及び包装容器の形態は、フィルム及びこれからなる包装袋や蓋、シート及びこれからなるカップやトレイ、ボトル、チューブ等が挙げられる。またその層構成は該ポリエステル系樹脂組成物からなる単層構造でも良く、他の樹脂層を積層した多層構造でも良い。
多層構造を有する成形品及び包装容器の例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる層とポリエステル系樹脂組成物からなる層が交互に積層した多層ボトルや、内側からポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン層/接着性ポリオレフィン層/ポリエステル系樹脂組成物からなる層/接着性ポリオレフィン層/ポリオレフィン層の多層構造を有するシート及びこれからなるトレイやカップ等の包装容器、ポリオレフィン層/接着性樹脂層/ポリエステル系樹脂組成物からなる層の多層構造を有するフィルム及びこれからなる包装袋等が挙げられるが、これらの例に限定されること無く、本発明のポリエステル系樹脂組成物は様々な多層構成を有する成形体に利用することができる。
【0042】
このようにして得られた成形体は、ガスバリア性に優れ、かつ色調、透明性に優れたものであり、例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すり下ろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペースト等のペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチュー等の液体加工食品に代表される液体系食品やそば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、米粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料等に代表される高水分食品、乾燥野菜、コーヒー豆、コーヒー粉、お茶、穀物を原料としたお菓子等に代表される低水分食品、その他農薬や殺虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例、比較例によって本発明を具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で採用した評価法は以下の通りである。
【0044】
評価方法
(1)ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度([NH2])
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30mlにポリアミド樹脂を攪拌下に溶解した。ポリアミド樹脂が完全に溶解した後、N/100塩酸で中和滴定して求めた。
(2)ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度([COOH])
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30mlに窒素気流下160〜180℃でポリアミド樹脂を攪拌下に溶解した。ポリアミド樹脂が完全に溶解した後、窒素気流下80℃まで冷却し、攪拌しながらメタノール10mlを加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(3)ポリアミド樹脂の数平均分子量
末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度から次式により数平均分子量を求めた。
数平均分子量=2×106/([COOH]+[NH2])
(4)b値、ヘーズの測定
JIS K−7105に準じた。測定装置は、日本電色工業製の測定装置(COH−300)を使用した。
(5)内部ヘーズの測定
流動パラフィンが入ったガラス製セルに、ガラス製プレパラートに試料を載せたものを入れてヘーズの測定を行った。測定装置は、日本電色工業製の測定装置(COH−300)を使用した。
(6)酸素透過率
23℃、相対湿度60%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて測定した。測定装置は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN 10/50Aを使用した。
【0045】
製造例1
分縮器、全縮器、滴下ロート、窒素導入管、攪拌翼、トルク計付の攪拌装置、ストランドダイを備えたジャケット付きの3リットルの反応缶(耐圧1MPa)を使用した。該反応缶にアジピン酸773g(5.29mol)を仕込み、さらに最終的に得られるポリアミド樹脂中のリン原子濃度が150ppmとなるように次亜リン酸ナトリウムを仕込んだ後、純度が99容量%以上の窒素ガスで反応缶内の気相の酸素濃度が0.1容量%未満となるように置換した。
次いで、常圧かつ窒素ガス気流下の状態にて攪拌しながら約30分かけて連続的に170℃まで昇温して反応缶内の内容物をスラリー状にした後、前記スラリー状物中にメタキシリレンジアミン728g(5.34mol)を90分かけて連続的に滴下し、重縮合により発生する水を留去しつつ反応缶内の反応液が固化しないように連続的に240℃まで昇温した。
メタキシリレンジアミンの滴下が終了した後、反応液をさらに10分かけて260℃まで昇温し、260℃に保持した状態で攪拌機のトルクを見ながら重縮合反応を進め、トルクの上昇が見られなくなった時点で攪拌を止めた。次いで、ストランドダイからストランドを押し出し、冷却水槽を通して冷却後、ペレタイザーを使用してペレット化した後、150℃、8時間の条件で減圧乾燥してポリアミド樹脂1を得た。得られたポリアミド樹脂1の末端アミノ基濃度は98μeq/g、末端カルボキシル基濃度は31μeq/g、数平均分子量は15500であった。
【0046】
製造例2
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン735g(5.40mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂2を得た。得られたポリアミド樹脂2の末端アミノ基濃度は154μeq/g、末端カルボキシル基濃度は19μeq/g、数平均分子量は11530であった。
【0047】
製造例3
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン724g(5.32mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂3を得た。得られたポリアミド樹脂3の末端アミノ基濃度は78μeq/g、末端カルボキシル基濃度は36μeq/g、数平均分子量は17540であった。
【0048】
製造例4
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン720g(5.29mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂4を得た。得られたポリアミド樹脂4の末端アミノ基濃度は59μeq/g、末端カルボキシル基濃度は52μeq/g、数平均分子量は18020であった。
【0049】
製造例5
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン793g(5.82mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂5を得た。得られたポリアミド樹脂5の末端アミノ基濃度は792μeq/g、末端カルボキシル基濃度は7μeq/g、数平均分子量は2500であった。
【0050】
製造例6
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン706g(5.19mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂6を得た。得られたポリアミド樹脂6の末端アミノ基濃度は7μeq/g、末端カルボキシル基濃度は185μeq/g、数平均分子量は10460であった。
【0051】
【表1】
※末端基濃度比と数平均分子量が数式(2)の関係に当てはまる場合;○
末端基濃度比と数平均分子量が数式(2)の関係に当てはまらない場合;×
【0052】
実施例1
ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製、グレード:EFS7)の乾燥したペレット100重量部に対し、0.1重量部のピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略することがある。)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥してPMDA変性ポリエチレンテレフタレート(以下PET1と略すことがある。)を得た。
次に、95重量%のPET1と5重量%のポリアミド樹脂1をドライブレンドし、この混合物を、Tダイを備えた二軸押出機を用い、シリンダー温度280℃にて溶融混合して厚みが250μmのシートを得た。次いで東洋精機(株)製の二軸延伸装置を用いて、前記シートを100℃で25秒間予備加熱した後、線延伸速度89%/秒、縦、横方向の延伸倍率がそれぞれ3倍の条件で、縦、及び横方向に同時に延伸した。次いで延伸したフィルムを緊張状態を保ったまま230℃の雰囲気中で10秒間熱処理を行い、厚み約25μmの延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0053】
実施例2〜4
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂2〜4を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0054】
比較例1〜2
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂5〜6を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0055】
参考例1
PET1およびポリアミド樹脂1の混合物の代わりにポリエチレンテレフタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製、グレード:EFS7)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0056】
参考例2
PET1およびポリアミド樹脂1の混合物の代わりにPET1を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
以上の実施例1〜4及び比較例1、2の結果から、発明の詳細な説明に示したようにポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度を一定の範囲内とした実施例1〜4は、ヘーズがPET単独のシート、フィルムに近く、その商品価値は高いものであった。なお、実施例1〜4で得られたシート、フィルムの内部ヘーズは、PETにPMDAを混合した変性PETを使用した参考例2と比較して、内部ヘーズが低くなっていた。これは本発明のポリアミド樹脂を用いることで、PET中のカルボキシル基とポリアミド樹脂中の末端アミノ基で反応が起こり、相溶化が進んでいるためと推定される。
一方、ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度が本発明の範囲から外れる比較例1,2については、ヘーズが高く外観が悪化していた。
【0059】
実施例5
95重量%のPET1と5重量%のポリアミド樹脂1をドライブレンドし、この混合物を、射出成形装置((株)名機製作所製 M200PDM−MJ)を用い、射出シリンダー温度265〜285℃、金型内樹脂流路温度275℃、金型冷却水10℃の条件下でパリソンの成形を行い、長さ96mm、肉厚4.5mm、外形直径24mmのパリソンを得た。このパリソンを赤外ヒーターで95〜101℃に加熱後、二軸延伸ブロー成形を行い、全長223mm、胴径65mm、容積500ml、口栓部の厚みが1.5〜3mm程度、底面部の厚みが0.5〜4mmのボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0060】
実施例6
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂2を使用したこと以外は実施例5と同様にしてボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0061】
比較例3
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂6を使用したこと以外は実施例5と同様にしてボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0062】
参考例3
PET1とポリアミド樹脂1の混合物の代わりにポリエチレンテレフタレート(カネボウ合繊(株)製、グレード:EFS7)を使用したこと以外は実施例5と同様にしてボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
以上の実施例5、6及び比較例3の結果から、発明の詳細な説明に示したようにポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度を一定の範囲内とした実施例5、6は、ポリアミド樹脂を混合したことにより参考例3に示したPET単独のボトルと比較してガスバリア性が改善された上に、ヘーズはPET単独のボトルに近く、その商品価値の高いものであった。
一方、ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度が本発明の範囲から外れる比較例3については、ガスバリア性の改善は見られたものの、ヘーズが高く外観が悪化していた。
【0065】
【発明の効果】
本発明の変性エステル樹脂とポリアミド樹脂とを溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体は、優れたガスバリア性を有し、かつ透明性に優れるものであり、商品価値は高く工業的に優れたものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる樹脂組成物、それからなる成形体に関する。詳しくは、ポリエステル樹脂のみでは不十分であったガスバリア性を改善でき、かつ前記樹脂組成物において従来問題であった色調や透明性を改善することが可能なポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジオール化合物をモノマーとして使用して得られるポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂等に代表されるポリエステル樹脂(以下「ポリエステル樹脂」ということがある。)は、透明性、機械的性能、溶融安定性、耐溶剤性、保香性、リサイクル性等に優れるという特長を有することから、現在、フィルム、シート、中空容器等の各種包装材料に広く利用されている。しかしながら、ポリエステル樹脂は酸素、炭酸ガス等に対するガスバリア性が必ずしも十分ではないため、ポリエステル樹脂からなる包装容器の利用範囲には制限があった。ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善する手段としては、酸化アルミニウムや酸化珪素をポリエステル樹脂からなる成形体や包装容器に蒸着したり、あるいはポリエステル樹脂よりも高いガスバリア性能を有する樹脂をポリエステル樹脂からなる成形体や包装容器に塗布あるいは積層する等の手段が挙げられるが、複雑な製造工程を必要としたり、リサイクル性や機械的性能が損なわれる等の問題点があるため、その利用範囲は限定されたものであった。
【0003】
上記のような問題を解決しつつ、ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善する手段として、高いガスバリア性を有する熱可塑性樹脂をポリエステル樹脂に溶融混合する方法が挙げられる。高いガスバリア性を有する樹脂の一つとしエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂が挙げられるが、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は、その分子構造の特徴からポリエステル樹脂との相溶性に乏しく、両樹脂を混合してなる樹脂組成物は白濁し、ポリエステル樹脂の特徴である透明性を損なう欠点があった。またエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂はポリエステル樹脂と比較して結晶性が高いため、ポリエステル樹脂の延伸性を損なう傾向にあり、二軸延伸フィルムやブローボトル等の延伸工程を必須とする包装容器への利用は困難であった。さらにポリエステル樹脂における最適な加工温度では、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は急激に熱劣化する傾向にあるため、ポリエステル樹脂の加工安定性を損なう等の問題点があった。
【0004】
エチレン−ビニルアルコール共重合体以外のガスバリア性樹脂としては、ナイロン6,ナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂が挙げられるが、とりわけメタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分とアジピン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重合して得られるポリメタキシリレンアジパミドはガスバリア性に優れるポリアミド樹脂であり好適である。ポリメタキシリレンアジパミドは他のポリアミド樹脂と比較して高いガスバリア性を有する上に、ポリエステル樹脂の中でも特に広く利用されているポリエチレンテレフタレート樹脂とガラス転移温度、融点、結晶性が近似していることから、ポリエステル樹脂の加工安定性を損なうことがない。このことから、ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善するための材料として、ポリメタキシリレンアジパミドは非常に適した樹脂であるといえる。
【0005】
これまでに、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂にポリアミド樹脂を含有させたガスバリア性の優れた中空成形体が提案されているが、当該発明は単にポリアミド樹脂によりガスバリア性の改善を提案したものであり、色調や透明性の改善に関する記載は一切されていない(特許文献1参照。)。また、予めテトラカルボン酸二無水物と混合したポリエステル樹脂に、溶融状態でポリアミド樹脂を添加、混合することで、ポリアミドを微分散させ、高いガスバリア性を有する容器を得る方法が提案されているが、当該発明はポリエステル樹脂の溶融粘度を高めることによりポリアミド樹脂を微分散させ、ガスバリア性を高める方法を提案したものであり、当該発明には透明性や色調に関する記載は無く、また当該発明で用いられるポリアミド樹脂は実質的に本発明と異なるものである(特許文献2参照。)。さらに、ポリエステル樹脂と低分子量のポリアミド樹脂をブレンドすることによりポリエステル樹脂中のアセトアルデヒド濃度を低減させ、風味保持性を高めると共に、透明性及びガスバリア性をも有する組成物が提案されているが、当該発明はポリエステル中のアセトアルデヒドをポリアミド樹脂の添加により低減することが主な目的であるため、その混合量が2%以下と少なく、ガスバリア性の改善は十分とは言えなかった(特許文献3参照。)。さらに当該発明で用いられるポリエステル樹脂は多官能性カルボン酸で変性したものではなく、実質的に本発明と異なるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−160344号公報
【特許文献2】
特開2000−34357号公報
【特許文献3】
特表平7−509011号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解消し、ガスバリア性に優れ、かつ透明性、色調を改善したポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題の解決方法について鋭意検討した結果、多官能性カルボン酸で変性したポリエステル樹脂に、特定の末端アミノ基濃度、数平均分子量等を有するポリアミド樹脂を溶融混合することで、ガスバリア性、透明性、色調が改善されたポリエステル系樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、テレフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを70モル%以上含むジオール成分を重縮合して得たポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物0.005〜2重量部を溶融混合して得られる変性ポリエステル樹脂(A)60〜98重量%、ならびにメタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分、およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られ、かつ(1)末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、(2)末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gであるポリアミド樹脂(B)2〜40重量%を溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0010】
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明で用いられる変性ポリエステル樹脂(A)の原料となるポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分および脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分を重縮合して得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、これらの中でもテレフタル酸やイソフタル酸が好ましく用いられる。芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を使用する場合、芳香族ジカルボン酸成分中に占めるテレフタル酸の割合は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。又、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸にイソフタル酸を併用する場合、その割合は芳香族ジカルボン酸成分の1〜10モル%、好ましくは1〜8モル%、更に好ましくは1〜6モル%である。イソフタル酸を芳香族ジカルボン酸として上記に示した量を添加して得た共重合樹脂は結晶化速度が遅くなり、成形性を向上させることが可能となる。更に他のジカルボン酸として、本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸や、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等のカルボン酸無水物を用いることができる。
【0011】
ポリエステル樹脂の原料であるジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、これらの中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。ジオール成分中に占めるエチレングリコールの割合は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。更に他のジオールとして、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、環状アセタール骨格を有するジオール等を用いることもできる。
【0012】
ポリエステル樹脂の製造は、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂製造時の重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等が例示できるが、これらに限らない。
【0013】
本発明において好ましいポリエステル樹脂を例示すると、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、エチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、エチレン−テレフタレート−4,4’−ビフェニルジカルボキシレート共重合樹脂が挙げられる。特に好ましいポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂である。
【0014】
本発明で用いるポリエステル樹脂の極限粘度(フェノール/1,1,2,2,−テトラクロロエタン=60/40質量比混合溶媒中、25℃で測定した値)には、特に制限はないが、通常0.5〜2.0dl/g、好ましくは0.6〜1.8dl/gであることが望ましい。極限粘度が0.5dl/g以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られるポリエステル系樹脂組成物からなる成形体や包装容器が構造物として必要な機械的性質を発現することができる。
【0015】
本発明の変性ポリエステル樹脂(A)の原料となる多官能性カルボン酸化合物は、その分子構造にカルボキシル基を2以上及び/又は2のカルボキシル基から形成される酸無水物基を1以上有する化合物であり、ポリエステル樹脂と溶融混合することによって、ポリエステル樹脂末端の水酸基と反応して、ポリマー中の末端カルボキシル基量を増加させる。用いることのできる多官能性カルボン酸化合物としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、カルボキシル基の芳香環への結合位置が異なる各種ナフタレントリカルボン酸無水物、各種ビフェニルトリカルボン酸無水物、エチレンビストリメリット酸無水物等の芳香族トリカルボン酸及びその無水物、ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸及びその無水物或いは二無水物が挙げられ、上記の中でもポリエステルの末端カルボキシル基が増加する効果に加えて、ポリエステルの溶融粘度を高める効果も発現されることから、芳香族トリカルボン酸、芳香族トリカルボン酸無水物、芳香族テトラカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに好ましくはトリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物である。本発明では上記に挙げた多官能性カルボン酸化合物のうち、1種のみ混合しても良いし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0016】
変性ポリエステル樹脂(A)の原料であるポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物の重量比は、ポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物を0.005〜2重量部とすることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部である。多官能性カルボン酸化合物の重量比が0.005重量部よりも低い場合、ポリエステル樹脂の変性効果が小さく、ポリアミド樹脂(B)を混合しても良好な透明性を有する組成物を得ることができない。また多官能性カルボン酸化合物の重量比が2重量部を超える場合、変性ポリエステル樹脂(A)の溶融粘度が高くなりすぎてその後の成形加工が困難となることがあるため好ましくない。
【0017】
本発明において変性ポリエステル樹脂(A)を製造する方法としては、特に限定されないが、溶融混合装置を使用して行うことが好ましい。好ましい溶融混合装置としてはポリエステル樹脂又は多官能性カルボン酸化合物のうち高いほうの融点よりも高い温度に加熱することができるヒーターを備えた溶融混合装置であり、例えば、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。本発明におけるポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物の溶融混合工程は、ポリエステル樹脂の末端水酸基と多官能性カルボン酸化合物を反応させるための工程であり、溶融混合時の滞留時間は長いほうが良く、かつ系内を減圧として発生する水分を除去しながら反応を進めることが好ましい。このことから、本発明では特に真空ポンプ−ベント付きの二軸押出機やエクストルーダー等の装置が好ましく使用される。
【0018】
またポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物を溶融混合する前に、本発明ではポリエステル樹脂中の水分率を400ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下に乾燥させておくことが望ましい。水分率が400ppmを超えるポリエステル樹脂を使用すると、溶融混合工程においてポリエステルが加水分解して分子量が著しく低下するため好ましくない。
【0019】
ポリエステル樹脂と多官能性カルボン酸化合物から得られた変性ポリエステル樹脂(A)は、後述のポリアミド樹脂(B)と溶融混合する前に結晶化や水分除去を目的として加熱処理しておくことが好ましい。処理方法としては公知の方法により行うことができる。例えば、変性ポリエステル樹脂(A)を真空ポンプ付きの加熱可能なタンブラー(回転式真空槽)中や減圧乾燥機中に仕込み、減圧下でポリマーの融点以下の温度で加熱する方法や、ホッパードライヤー中に仕込み、加熱された乾燥空気を循環させて加熱処理する方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0020】
本発明において用いるポリアミド樹脂(B)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重合することにより得られるポリアミド樹脂である。上記のようなモノマー組成及び構造単位を有するポリアミド樹脂はポリエチレンテレフタレート樹脂のようなポリエステル樹脂と成形加工性が近似するため、ポリエステル系樹脂組成物の加工性を損なわないので有利である。
【0021】
本発明のポリアミド樹脂(B)を構成するジアミン成分には、メタキシリレンジアミンが70モル%以上含まれることが必要であり、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、それから得られるポリアミド樹脂は優れたガスバリア性を発現することができる。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとしては、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明のポリアミド樹脂(B)を構成するジカルボン酸成分中には、アジピン酸が70モル%以上含まれることが必要であり、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。ジカルボン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上であると、ガスバリア性の低下や結晶性の過度の低下を避けることができる。アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸として、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。また、ポリアミド樹脂(B)の重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
【0023】
上記のポリアミド樹脂(B)は、溶融重縮合法により製造される。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧状態で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、メタキシリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その間、生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも反応温度が下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。なお、本発明のポリアミド樹脂(B)については必要に応じて溶融重縮合により得られたものをさらに固相重合することにより分子量を高めることもできる。
【0024】
上記のポリアミド樹脂(B)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいはポリアミド樹脂(B)の着色を防止するためにリン化合物が含まれていても良い。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。ポリアミド樹脂(B)中のリン化合物の濃度は、リン原子として200ppm以下、好ましくは160ppm以下、更に好ましくは100ppm以下であることが望ましい。ポリアミド樹脂(B)中のリン原子濃度が200ppmを超えると、アンチモン系の触媒を利用して製造されたポリエステル樹脂と溶融混合した場合、ポリエステル樹脂中にわずかに残存するアンチモン系の触媒が還元され、ポリエステル系組成物が黒ずむ場合があるため好ましくない。なお、本発明のポリアミド樹脂(B)には上記のリン化合物の他に本発明の効果を損なわない範囲で滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤等を加えることもできるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合しても良い。
【0025】
本発明で用いられるポリアミド樹脂(B)は、末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、かつ末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gの範囲内にあるものが使用される。このようなポリアミド樹脂(B)と前述した変性ポリエステル樹脂(A)を溶融混合するとガスバリア性に優れることはもちろん、透明性にも優れたポリエステル系樹脂組成物を得ることができる。透明性が発現する原因としては、ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度を過剰にしてかつ適当な濃度に設定することによって、変性ポリエステル樹脂(A)中に存在するカルボキシル基或いは二つのカルボキシル基からなる酸無水物基とポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基の縮合反応が部分的に進み、縮合反応を起こした分子が変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の相溶化剤的な役割を果たすためと思われる。なお、この現象は変性ポリエステル樹脂(A)の内部ヘーズ(流動パラフィン等の溶媒に測定試料を入れて試料の表面粗れによるヘーズの上昇を除去して測定されるヘーズ)よりもポリアミド樹脂組成物(B)を溶融混合して得られたポリエステル樹脂組成物の内部ヘーズが低くなることから推定される。
【0026】
本発明のポリアミド樹脂(B)は末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高い必要がある。末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が低いと、変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の反応が起こりにくくなるため、得られるポリエステル系樹脂組成物の透明性が悪化する傾向にあり好ましくない。
【0027】
また、本発明ではポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度は30〜300μeq/gとすることが必要であり、好ましくは40〜250μeq/g、さらに好ましくは50〜200μeq/gである。ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度が30μeq/gより低いと変性ポリエステル樹脂(A)中のカルボキシル基との反応度が低くなり、得られるポリエステル系樹脂組成物の透明性が悪化する。ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度が300μeq/gより高いと、ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量が低すぎて、変性ポリエステル樹脂(A)と混合する際に分散しにくくなり、ポリアミド樹脂(B)の分散粒子径が大きくなって透明性が悪化する傾向にあるため好ましくない。また、場合によってはポリエステル系樹脂組成物の色調が黄色味が強くなることがあるため好ましくない。
【0028】
本発明のポリアミド樹脂(B)の数平均分子量については、数式(1)に示したように末端カルボキシル基濃度および末端アミノ基濃度から算出される。
【0029】
Mn=2×106/([COOH]+[NH2]) (1)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。)
【0030】
本発明のポリアミド樹脂(B)の数平均分子量は8000〜30000とすることが好ましく、より好ましくは9000〜28000、さらに好ましくは10000〜26000である。ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量が8000より低いか、または30000より高いと、ポリエステル系樹脂組成物中におけるポリアミド樹脂(B)の分散粒子径が大きくなり透明性が悪化する傾向にある。
【0031】
本発明のポリアミド樹脂(B)は、末端アミノ基が変性ポリエステル樹脂(A)と部分的に反応することにより透明性が向上するが、場合によっては変性ポリエステル樹脂(A)との溶融混合中に、ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基とポリアミド樹脂(B)の末端カルボキシル基とで縮合反応が起こり末端アミノ基濃度が低下することがある。末端アミノ基濃度が減少すると変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の反応性が低下して透明性が悪化したり、ポリアミド樹脂(B)の溶融粘度が変化することがある。また、ポリアミド樹脂(B)内の縮合反応に伴い発生する水分により、変性ポリエステル樹脂(A)の加水分解が起こってポリエステル系樹脂組成物の加工安定性を損なうことがある。
【0032】
このような現象を防止する方法として特に好ましいものは、ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])が1.0を超えて、かつポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])と数式(1)により末端カルボキシル基濃度および末端アミノ基濃度から算出される数平均分子量の関係が数式(2)を満足するポリアミド樹脂(B)を利用する方法である。末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])が149.55×(EXP(−0.0004×Mn))より小さいと、ポリアミド樹脂(B)の溶融加工時にポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基とポリアミド樹脂(B)の末端カルボキシル基とで縮合反応が起こって上述のような問題が起こる可能性があるため好ましくない。また末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])が149.55×(EXP(−0.0002×Mn))より大きい場合はポリアミド樹脂(B)の製造工程における重縮合時間を延長し、かつ高い温度で反応を行う等の方法が必要であり、ポリアミド樹脂(B)の製造時にかかる熱履歴が大きくなって、ポリアミド樹脂の熱劣化が起こる傾向にあるため好ましくない。
【0033】
149.55×(EXP(−0.0004×Mn))≦[NH2]/[COOH]≦149.55×(EXP(−0.0002×Mn)) (2)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。)
【0034】
上記数式(2)を満足するポリアミド樹脂を製造する方法としては、例えばポリアミド樹脂(B)の製造時に原料のジアミン成分のモル数をジカルボン酸成分のモル数よりも過剰になるように仕込んでポリアミド樹脂(B)の末端基のバランスを崩してポリアミド樹脂の到達できる重合度を制御し、さらに製造時にポリアミド樹脂(B)の重合速度が低下し始める時点まで、または低下してからさらに重合を進める方法が挙げられ、このようにすることでポリアミド樹脂(B)を再溶融させたときに起こる可能性のある末端基同士の縮合反応を防止することができる。
【0035】
上記の関係式に適合するポリアミド樹脂(B)を製造する方法の一例としては、攪拌可能な反応缶内にジカルボン酸成分を仕込み、常圧の状態にてジカルボン酸成分を加熱して溶融させた後、ジカルボン酸成分のモル数よりも過剰になるように秤量したジアミン成分を滴下して、生成する水を系外へ除去しながら連続的に昇温して重縮合を進め、攪拌機の攪拌トルクがほぼ安定した時点でポリマーを取り出す方法や、攪拌可能な加圧反応缶にジアミン成分とジカルボン酸成分のモル比をジアミン成分が過剰になるような組成で原料を、さらに蒸留水を仕込み、加圧しながら昇温し、留出水を除きつつ反応を進めた後、常圧に戻し、さらに反応を継続して攪拌機の攪拌トルクがほぼ安定した時点でポリマーを取り出す方法が挙げられる。
【0036】
本発明に用いるポリアミド樹脂(B)は、使用する前に水分率が0.10%以下、好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.05%以下になるよう乾燥することが望ましい。水分率が0.10%より高いと、変性ポリエステル樹脂(A)との溶融混合時にポリアミド樹脂(B)から発生する水分によって変性ポリエステル樹脂(A)の加水分解が起こるため好ましくない。ポリアミド樹脂(B)の乾燥は、公知の方法により行うことができる。例えば、ポリアミド樹脂(B)を真空ポンプ付きの加熱可能なタンブラー(回転式真空槽)中や減圧乾燥機中に仕込み、減圧下でポリマーの融点以下、好ましくは160℃以下の温度で加熱して乾燥する方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0037】
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)を溶融混合することにより得られるが、その重量比は変性ポリエステル樹脂(A)が60〜98重量%、ポリアミド樹脂(B)が2〜40重量%の範囲であり、好ましくは変性ポリエステル樹脂(A)が65〜97重量%、ポリアミド樹脂(B)が3〜35重量%、より好ましくは変性ポリエステル樹脂(A)が70〜96重量%、ポリアミド樹脂(B)が4〜30重量%である。ポリアミド樹脂(B)が2重量%より低いとガスバリア性の改善効果が小さくなるため好ましくない。またポリアミド樹脂(B)が40重量%より高いとポリエステル系樹脂組成物の色調や透明性が悪化するため好ましくない。
【0038】
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、具体的にはポリエチレンナフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン等が配合されていてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂、および/またはポリアミド樹脂、またはそれらの溶融混合物等のリサイクル樹脂が配合されていてもよい。また、顔料、染料、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、ポリアミド樹脂のゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を加えることもできる。
【0039】
本発明のポリエステル系樹脂組成物の製造は、従来公知の方法により混合、製造することができる。例えば、ポリアミド樹脂(B)と変性ポリエステル樹脂(A)とをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドした混合物を単軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合する方法が挙げられる。また必要に応じて上述の方法にて製造した溶融混合物をさらに固相重合することもできる。本発明のポリエステル系樹脂組成物を利用した成形体及び包装容器の製造方法は、射出成形機やシート製造装置、フィルム製造装置等を利用して上述の方法で得た溶融混合物から成形体及び包装容器を製造することができるが、溶融混合物を製造する工程を経ずに変性ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)とをドライブレンドしたものから上述の成形機を用いて直接成形体又は包装容器を製造しても良い。本発明のポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体及び包装容器は上述の方法に限定されること無く従来公知の様々な成形方法を用いて製造することができる。
【0040】
本発明のポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体を製造する際の加工温度は特に制限はないが、変性ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)が融解する温度よりも高く、かつ成形体及び包装容器が必要な機械的性質を保持できる温度であればよく、例えば240〜310℃、好ましくは260〜300℃、さらに好ましくは270〜290℃であることが望ましい。
【0041】
本発明のポリエステル系樹脂組成物を利用してなる成形体及び包装容器は、該ポリエステル系樹脂組成物からなる層を一層以上備えたものである。成形体及び包装容器の形態は、フィルム及びこれからなる包装袋や蓋、シート及びこれからなるカップやトレイ、ボトル、チューブ等が挙げられる。またその層構成は該ポリエステル系樹脂組成物からなる単層構造でも良く、他の樹脂層を積層した多層構造でも良い。
多層構造を有する成形品及び包装容器の例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる層とポリエステル系樹脂組成物からなる層が交互に積層した多層ボトルや、内側からポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン層/接着性ポリオレフィン層/ポリエステル系樹脂組成物からなる層/接着性ポリオレフィン層/ポリオレフィン層の多層構造を有するシート及びこれからなるトレイやカップ等の包装容器、ポリオレフィン層/接着性樹脂層/ポリエステル系樹脂組成物からなる層の多層構造を有するフィルム及びこれからなる包装袋等が挙げられるが、これらの例に限定されること無く、本発明のポリエステル系樹脂組成物は様々な多層構成を有する成形体に利用することができる。
【0042】
このようにして得られた成形体は、ガスバリア性に優れ、かつ色調、透明性に優れたものであり、例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すり下ろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペースト等のペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチュー等の液体加工食品に代表される液体系食品やそば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、米粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料等に代表される高水分食品、乾燥野菜、コーヒー豆、コーヒー粉、お茶、穀物を原料としたお菓子等に代表される低水分食品、その他農薬や殺虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例、比較例によって本発明を具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で採用した評価法は以下の通りである。
【0044】
評価方法
(1)ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度([NH2])
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30mlにポリアミド樹脂を攪拌下に溶解した。ポリアミド樹脂が完全に溶解した後、N/100塩酸で中和滴定して求めた。
(2)ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度([COOH])
ポリアミド樹脂0.3〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30mlに窒素気流下160〜180℃でポリアミド樹脂を攪拌下に溶解した。ポリアミド樹脂が完全に溶解した後、窒素気流下80℃まで冷却し、攪拌しながらメタノール10mlを加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(3)ポリアミド樹脂の数平均分子量
末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度から次式により数平均分子量を求めた。
数平均分子量=2×106/([COOH]+[NH2])
(4)b値、ヘーズの測定
JIS K−7105に準じた。測定装置は、日本電色工業製の測定装置(COH−300)を使用した。
(5)内部ヘーズの測定
流動パラフィンが入ったガラス製セルに、ガラス製プレパラートに試料を載せたものを入れてヘーズの測定を行った。測定装置は、日本電色工業製の測定装置(COH−300)を使用した。
(6)酸素透過率
23℃、相対湿度60%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて測定した。測定装置は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN 10/50Aを使用した。
【0045】
製造例1
分縮器、全縮器、滴下ロート、窒素導入管、攪拌翼、トルク計付の攪拌装置、ストランドダイを備えたジャケット付きの3リットルの反応缶(耐圧1MPa)を使用した。該反応缶にアジピン酸773g(5.29mol)を仕込み、さらに最終的に得られるポリアミド樹脂中のリン原子濃度が150ppmとなるように次亜リン酸ナトリウムを仕込んだ後、純度が99容量%以上の窒素ガスで反応缶内の気相の酸素濃度が0.1容量%未満となるように置換した。
次いで、常圧かつ窒素ガス気流下の状態にて攪拌しながら約30分かけて連続的に170℃まで昇温して反応缶内の内容物をスラリー状にした後、前記スラリー状物中にメタキシリレンジアミン728g(5.34mol)を90分かけて連続的に滴下し、重縮合により発生する水を留去しつつ反応缶内の反応液が固化しないように連続的に240℃まで昇温した。
メタキシリレンジアミンの滴下が終了した後、反応液をさらに10分かけて260℃まで昇温し、260℃に保持した状態で攪拌機のトルクを見ながら重縮合反応を進め、トルクの上昇が見られなくなった時点で攪拌を止めた。次いで、ストランドダイからストランドを押し出し、冷却水槽を通して冷却後、ペレタイザーを使用してペレット化した後、150℃、8時間の条件で減圧乾燥してポリアミド樹脂1を得た。得られたポリアミド樹脂1の末端アミノ基濃度は98μeq/g、末端カルボキシル基濃度は31μeq/g、数平均分子量は15500であった。
【0046】
製造例2
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン735g(5.40mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂2を得た。得られたポリアミド樹脂2の末端アミノ基濃度は154μeq/g、末端カルボキシル基濃度は19μeq/g、数平均分子量は11530であった。
【0047】
製造例3
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン724g(5.32mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂3を得た。得られたポリアミド樹脂3の末端アミノ基濃度は78μeq/g、末端カルボキシル基濃度は36μeq/g、数平均分子量は17540であった。
【0048】
製造例4
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン720g(5.29mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂4を得た。得られたポリアミド樹脂4の末端アミノ基濃度は59μeq/g、末端カルボキシル基濃度は52μeq/g、数平均分子量は18020であった。
【0049】
製造例5
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン793g(5.82mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂5を得た。得られたポリアミド樹脂5の末端アミノ基濃度は792μeq/g、末端カルボキシル基濃度は7μeq/g、数平均分子量は2500であった。
【0050】
製造例6
原料の仕込み量をアジピン酸773g(5.29mol)、メタキシリレンジアミン706g(5.19mol)とした以外は製造例1と同様の方法にてポリアミド樹脂6を得た。得られたポリアミド樹脂6の末端アミノ基濃度は7μeq/g、末端カルボキシル基濃度は185μeq/g、数平均分子量は10460であった。
【0051】
【表1】
※末端基濃度比と数平均分子量が数式(2)の関係に当てはまる場合;○
末端基濃度比と数平均分子量が数式(2)の関係に当てはまらない場合;×
【0052】
実施例1
ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製、グレード:EFS7)の乾燥したペレット100重量部に対し、0.1重量部のピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略することがある。)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥してPMDA変性ポリエチレンテレフタレート(以下PET1と略すことがある。)を得た。
次に、95重量%のPET1と5重量%のポリアミド樹脂1をドライブレンドし、この混合物を、Tダイを備えた二軸押出機を用い、シリンダー温度280℃にて溶融混合して厚みが250μmのシートを得た。次いで東洋精機(株)製の二軸延伸装置を用いて、前記シートを100℃で25秒間予備加熱した後、線延伸速度89%/秒、縦、横方向の延伸倍率がそれぞれ3倍の条件で、縦、及び横方向に同時に延伸した。次いで延伸したフィルムを緊張状態を保ったまま230℃の雰囲気中で10秒間熱処理を行い、厚み約25μmの延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0053】
実施例2〜4
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂2〜4を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0054】
比較例1〜2
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂5〜6を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0055】
参考例1
PET1およびポリアミド樹脂1の混合物の代わりにポリエチレンテレフタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製、グレード:EFS7)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0056】
参考例2
PET1およびポリアミド樹脂1の混合物の代わりにPET1を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシート及び延伸フィルムを得た。得られたシート及び延伸フィルムのヘーズ及び内部ヘーズ測定結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
以上の実施例1〜4及び比較例1、2の結果から、発明の詳細な説明に示したようにポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度を一定の範囲内とした実施例1〜4は、ヘーズがPET単独のシート、フィルムに近く、その商品価値は高いものであった。なお、実施例1〜4で得られたシート、フィルムの内部ヘーズは、PETにPMDAを混合した変性PETを使用した参考例2と比較して、内部ヘーズが低くなっていた。これは本発明のポリアミド樹脂を用いることで、PET中のカルボキシル基とポリアミド樹脂中の末端アミノ基で反応が起こり、相溶化が進んでいるためと推定される。
一方、ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度が本発明の範囲から外れる比較例1,2については、ヘーズが高く外観が悪化していた。
【0059】
実施例5
95重量%のPET1と5重量%のポリアミド樹脂1をドライブレンドし、この混合物を、射出成形装置((株)名機製作所製 M200PDM−MJ)を用い、射出シリンダー温度265〜285℃、金型内樹脂流路温度275℃、金型冷却水10℃の条件下でパリソンの成形を行い、長さ96mm、肉厚4.5mm、外形直径24mmのパリソンを得た。このパリソンを赤外ヒーターで95〜101℃に加熱後、二軸延伸ブロー成形を行い、全長223mm、胴径65mm、容積500ml、口栓部の厚みが1.5〜3mm程度、底面部の厚みが0.5〜4mmのボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0060】
実施例6
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂2を使用したこと以外は実施例5と同様にしてボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0061】
比較例3
ポリアミド樹脂1の代わりにポリアミド樹脂6を使用したこと以外は実施例5と同様にしてボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0062】
参考例3
PET1とポリアミド樹脂1の混合物の代わりにポリエチレンテレフタレート(カネボウ合繊(株)製、グレード:EFS7)を使用したこと以外は実施例5と同様にしてボトルを得た。得られたボトルの酸素透過率、及びボトル胴部の色調(b値)及びヘーズ測定結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
以上の実施例5、6及び比較例3の結果から、発明の詳細な説明に示したようにポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度を一定の範囲内とした実施例5、6は、ポリアミド樹脂を混合したことにより参考例3に示したPET単独のボトルと比較してガスバリア性が改善された上に、ヘーズはPET単独のボトルに近く、その商品価値の高いものであった。
一方、ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基と末端アミノ基の関係、及び末端アミノ基濃度が本発明の範囲から外れる比較例3については、ガスバリア性の改善は見られたものの、ヘーズが高く外観が悪化していた。
【0065】
【発明の効果】
本発明の変性エステル樹脂とポリアミド樹脂とを溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物、それからなる成形体は、優れたガスバリア性を有し、かつ透明性に優れるものであり、商品価値は高く工業的に優れたものである。
Claims (7)
- テレフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを70モル%以上含むジオール成分を重縮合して得たポリエステル樹脂100重量部に対して多官能性カルボン酸化合物0.005〜2重量部を溶融混合して得られる変性ポリエステル樹脂(A)60〜98重量%、ならびに、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を溶融重縮合して得られ、かつ(1)末端カルボキシル基濃度よりも末端アミノ基濃度が高く、(2)末端アミノ基濃度が30〜300μeq/gであるポリアミド樹脂(B)2〜40重量%を溶融混合して得られるポリエステル系樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(B)が、溶融重縮合後に固相重合を行って重合度を高めたものである請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(B)が、数式(1)により算出される数平均分子量が8000〜30000である請求項1〜2記載のポリエステル系樹脂組成物。
Mn=2×106/([COOH]+[NH2]) (1)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。) - ポリアミド樹脂(B)の末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の比([NH2]/[COOH])と数式(1)により算出される数平均分子量の関係が数式(2)を満足するものである請求項1〜3記載のポリエステル系樹脂組成物。
Mn=2×106/([COOH]+[NH2]) (1)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。)
149.55×(EXP(−0.0004×Mn))≦[NH2]/[COOH]≦149.55×(EXP(−0.0002×Mn)) (2)
(Mnは数平均分子量を、[COOH]は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)、[NH2]は末端アミノ基濃度(μeq/g)を示す。) - ジカルボン酸成分が、テレフタル酸90〜99モル%およびイソフタル酸1〜10モル%からなる芳香族ジカルボン酸を主成分とする請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物。
- 多官能性カルボン酸化合物が、芳香族トリカルボン酸、芳香族トリカルボン酸無水物、芳香族テトラカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸無水物、および芳香族テトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物。
- 請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物からなる層を有する成形体。
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