JP2016072036A - 透明積層基材および素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 極薄ガラス透明基材やプラスチック樹脂やプラスチックフィルム等のプラスチック材料からなる透明基材を熱による変形を発生させること無く、透明導電性酸化物層が低い抵抗率と高い透過率を有する透明積層基材を提供することにある。
【解決手段】 透明基材と酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層から構成される透明積層基材において、透明導電性酸化物層が、インジウム、ジルコニウムおよびタンタルの含有量をそれぞれIn、Zr、Taとしたときに原子比で0.001≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.02であることを特徴とする透明積層基材。
【選択図】 なし
【解決手段】 透明基材と酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層から構成される透明積層基材において、透明導電性酸化物層が、インジウム、ジルコニウムおよびタンタルの含有量をそれぞれIn、Zr、Taとしたときに原子比で0.001≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.02であることを特徴とする透明積層基材。
【選択図】 なし
Description
本発明は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を備える透明積層基板およびそれを用いた素子に関するものである。
液晶等の表示素子をはじめ、タッチパネル検出素子や太陽電池の受光素子として用いられている素子は、透明基板に透明導電性酸化物層を形成した透明積層基板が使用されており、一般に透明基板にはガラス基板、透明導電膜性酸化物層にはITO(Indium Tin Oxide)薄膜等が用いられている。
近年、タッチパネルデバイスにおいては、高い検出速度とタッチ検出素子の大型化を可能にするため透明導電膜層の配線の微細化が必要であり、微細化された透明導電膜層の配線の導電性を維持するため低抵抗透明導電性酸化物層の開発が求められている。また、太陽電池デバイスにおいては、太陽電池特性を向上させるため低抵抗透明導電性酸化物層の開発が求められている。
一方、タッチパネルデバイスや太陽電池デバイスの軽量化やフレキシブル性付与の目的から、透明基材に極薄ガラス基材または樹脂基材を利用した透明積層基材の開発が求められている。
しかし、上記ITO薄膜は導電性に優れるものの成膜時もしくはその後の熱処理時に200℃以上のプロセス温度が必要である。このため、ITO薄膜を極薄ガラス基材や樹脂基材に適応させた場合、200℃以上のプロセス温度により前記基材に反りや変形が発生するという問題があった。なお、ITO薄膜を200℃未満の低い基板温度で製膜することも可能であるが、抵抗率が悪化してしまう問題が発生していた(例えば、特許文献1参照)。従って、タッチパネルデバイスの高い検出速度とタッチ検出素子の大型化や太陽電池特性の向上を達成するためには、200℃未満のプロセス温度で低い抵抗率を達成できる材料が必要である。
特許文献2では、低温プロセスにより低抵抗化が可能な膜についての記載はあるが、それらを用いて極薄ガラス基材、フレキシブル基板に成膜した膜付基板や素子に関しての記載はない。透明導電膜において、特に膜厚が100nm未満である極薄膜である場合は基板の材質によって特性が変化する。
本発明の目的は、極薄ガラス透明基材やプラスチック樹脂やプラスチックフィルム等のプラスチック材料からなる透明基材を熱による変形を発生させること無く、透明導電性酸化物層が低い抵抗率と高い透過率を有する透明積層基材を提供することにある。
このような背景に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、透明基材と透明導電性酸化物層から構成されることを前提とし、上記透明導電性酸化物層に酸化インジウムに特定の元素を特定の組成で添加した透明導電膜を形成することにより、透明基材の反りや変形を発生させることの無い低温成膜条件においても、低い抵抗率と高い透過率を有する透明積層基材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の様態は以下の通りである。
(1)透明基材と酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含んでなる透明積層基材において、透明導電性酸化物層が、インジウム、ジルコニウムおよびタンタルの含有量をそれぞれIn、Zr、Taとしたときに原子比で0.001≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.02であることを特徴とする透明積層基材。
(2)透明導電性酸化物層の抵抗率が350μΩcm以下であり、かつ400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上であることを特徴とする(1)に記載の透明積層基材。
(3)透明基材が、ガラス材料または樹脂材料からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の透明積層基材。
(4)透明基材と透明導電性酸化物層の間に高抵抗層が積層されている事を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透明積層基材。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の透明積層基材において、透明導電性酸化物層を形成するための温度が180℃未満であることを特徴とする透明積層基材の製造方法。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の透明積層基材を含んでなることを特徴とする素子。
(1)透明基材と酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含んでなる透明積層基材において、透明導電性酸化物層が、インジウム、ジルコニウムおよびタンタルの含有量をそれぞれIn、Zr、Taとしたときに原子比で0.001≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.02であることを特徴とする透明積層基材。
(2)透明導電性酸化物層の抵抗率が350μΩcm以下であり、かつ400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上であることを特徴とする(1)に記載の透明積層基材。
(3)透明基材が、ガラス材料または樹脂材料からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の透明積層基材。
(4)透明基材と透明導電性酸化物層の間に高抵抗層が積層されている事を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透明積層基材。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の透明積層基材において、透明導電性酸化物層を形成するための温度が180℃未満であることを特徴とする透明積層基材の製造方法。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の透明積層基材を含んでなることを特徴とする素子。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、透明基材と酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含んでなり、透明導電性酸化物層は、インジウム、ジルコニウムおよびタンタルの含有量をそれぞれIn、Zr、Taとしたときに原子比で0.001≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.02であることを特徴とする。
インジウム、ジルコニウム、タンタルの含有量は、それぞれ0.01≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.01であることが好ましく、0.012≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.018、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.005であるとさらに好ましい。最も好ましくは0.013≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.016、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.003である。
透明導電膜層を上記組成範囲とすることにより、低温の熱処理温度にもかかわらず、透明導電性酸化物層が低い抵抗率と高い透過率を有する透明電極付き基板の作製が可能となる。
本発明の透明積層基材における透明導電性酸化物層の抵抗率は350μΩcm以下が好ましく、325μΩcm以下がより好ましく、300μΩcm以下であることが更に好ましい。250μΩcm以下であることが最も好ましい。このような抵抗率の範囲とすることにより、タッチパネルデバイスにおいては高い検出速度と大型化が可能となり、また太陽電池デバイスにおいてはフィルファクタの向上により、高い太陽電池特性を有する太陽電池デバイスの製造が可能となる。
本発明の透明電極付き基板における透明導電膜層の透過率は、400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上である事が好ましく、87%以上である事がより好ましい。上記平均透過率が、85%未満になった場合、タッチパネル素子の透明電極配線が見えてしまい視認性の低下を引き起こす可能性がある。また、前記視認性の低下を改善させようとした場合、光学調整膜を積層させる必要があり、デバイス構造の煩雑化、および製造コストの増加が発生するため好ましくない。また、太陽電池デバイスにおいては、太陽光の取り込み効率が低下することで光の有効利用がより困難となるため好ましくない。
また、本発明の透明積層基材における透明基材は、ガラス材料、または樹脂材料からなる透明基材を用いることが好ましい。ガラス材料としては、ソーダライムガラス、パイレックスガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等、また樹脂材料としては、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、環状ポリオレフィン等が挙げられ、用途および目的に応じて選択可能である。
なお、本発明では透明基材と透明導電性酸化物層の間に高抵抗層が積層されていてもよい。高抵抗層は、ZrO2、Al2O3、SiO2、TiO2、ZnO−MgO、CdS等が挙げられ、作製するデバイスの用途および目的に応じて選択可能である。
透明導電性酸化物層を形成する方法は、特に限定されるものではないが、大面積に均一な成膜が可能なDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法等を好ましく適宜選択する事ができ、特に大面積に均一かつ高速成膜が可能なDCマグネトロンスパッタリング法が好ましい。また、透明導電性酸化物層を形成するための温度は、180℃未満で形成することが好ましい。透明導電性酸化物層を形成するための温度が、180℃より大きい場合、透明基材の反りや変形が発生するため好ましくない。透明導電性酸化物層を形成する際の加熱方法は特に限定されるものではなく、透明基板を加熱した状態で透明導電性酸化物層を形成してもよいし、無加熱状態で透明導電性酸化物層を形成し、その後所定の温度範囲で熱処理を行ってもよい。
本発明の透明積層基材は、透明基材と酸化インジウム、酸化ジルコニウムおよび酸化タンタルを含んでなる透明導電性酸化物層から構成することにより、180℃未満の低い熱処理温度で低い抵抗率と高い透過率を有し、透明基材の反りや変形を発生することなく透明積層基材を製造することができる。よって、上述した透明積層基材をタッチパネルデバイスや太陽電池デバイスに用いることで、タッチパネルデバイスの軽量化や大型化を目的とした静電容量式タッチパネルや変換効率の向上を目的とした太陽電池デバイスに好適に使用でき、工業的に極めて有用である。
本発明は以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、評価方法は以下の通りである。
(透明導電性酸化物層の組成分析)
ICP発光分析法により定量した。結果を表1に示した。
(光透過率)
透明積層基材の光透過率を分光光度計U−4100(日立製作所社製)で波長240nmから2600nmの範囲を測定した。得られた光透過率をT(%)について、波長400〜800nmでの平均値を表1に示した。
(抵抗率)
透明導電性酸化物層の抵抗率は、HL5500(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)を用いて測定した。結果を表1に示した。
(透明導電性酸化物層の組成分析)
ICP発光分析法により定量した。結果を表1に示した。
(光透過率)
透明積層基材の光透過率を分光光度計U−4100(日立製作所社製)で波長240nmから2600nmの範囲を測定した。得られた光透過率をT(%)について、波長400〜800nmでの平均値を表1に示した。
(抵抗率)
透明導電性酸化物層の抵抗率は、HL5500(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)を用いて測定した。結果を表1に示した。
[実施例1〜5、比較例1〜5]
(透明導電性酸化物層用スパッタリングターゲットの作製)
所定量の酸化インジウム粉末、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルを表1に記載の割合で混合し、その混合体を成形した後、加熱焼結して複合酸化物焼結体を作製した。これらの焼結体を4インチφサイズに加工し、無酸素銅製のバッキングプレートに張り合わせてスパッタリングターゲットとした。
(透明電極付き基板の作製)
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により下記条件で製膜した後、熱処理を行って透明積層基材を作製した。
(透明積層基材の作製)
DCマグネトロンスパッタリング装置にスパッタリングターゲットを取り付けた。次にスパッタリングターゲットの対向面に配置された基板ホルダーに、PET透明基材を配置させた。その後、下記に示すスパッタリング条件および製膜後の後処理条件で熱処理を行った。
(スパッタリング製膜条件)
装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
基板温度 :室温(25℃)
到達真空度 :5×10−4Pa
スパッタリングガス :アルゴン+酸素
(酸素/(アルゴン+酸素)で表1に記載 (体積比))
スパッタリングガス圧:0.5Pa
DCパワー :200W
膜厚 :20nm
(製膜後の後処理条件)
透明基材上に透明導電性酸化物層を形成した透明積層基材を各温度で大気中にて熱処理を行った。
熱処理温度 :170℃
熱処理時間 :60分
熱処理雰囲気:大気。
(透明導電性酸化物層用スパッタリングターゲットの作製)
所定量の酸化インジウム粉末、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルを表1に記載の割合で混合し、その混合体を成形した後、加熱焼結して複合酸化物焼結体を作製した。これらの焼結体を4インチφサイズに加工し、無酸素銅製のバッキングプレートに張り合わせてスパッタリングターゲットとした。
(透明電極付き基板の作製)
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により下記条件で製膜した後、熱処理を行って透明積層基材を作製した。
(透明積層基材の作製)
DCマグネトロンスパッタリング装置にスパッタリングターゲットを取り付けた。次にスパッタリングターゲットの対向面に配置された基板ホルダーに、PET透明基材を配置させた。その後、下記に示すスパッタリング条件および製膜後の後処理条件で熱処理を行った。
(スパッタリング製膜条件)
装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
基板温度 :室温(25℃)
到達真空度 :5×10−4Pa
スパッタリングガス :アルゴン+酸素
(酸素/(アルゴン+酸素)で表1に記載 (体積比))
スパッタリングガス圧:0.5Pa
DCパワー :200W
膜厚 :20nm
(製膜後の後処理条件)
透明基材上に透明導電性酸化物層を形成した透明積層基材を各温度で大気中にて熱処理を行った。
熱処理温度 :170℃
熱処理時間 :60分
熱処理雰囲気:大気。
実施例1〜5と比較例1〜5を比較することにより、本発明では170℃という低い熱処理温度で、低い抵抗率と高い透過率を有する透明電極付き基板が得られることが判る。
Claims (6)
- 透明基材と酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含んでなる透明積層基材において、透明導電性酸化物層が、インジウム、ジルコニウムおよびタンタルの含有量をそれぞれIn、Zr、Taとしたときに原子比で0.001≦Zr/(In+Zr+Ta)≦0.02、0.001≦Ta/(In+Zr+Ta)≦0.02であることを特徴とする透明積層基材。
- 透明導電性酸化物層の抵抗率が350μΩcm以下であり、かつ400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1に記載の透明積層基材。
- 透明基材が、ガラス材料または樹脂材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の透明積層基材。
- 透明基材と透明導電性酸化物層の間に高抵抗層が積層されている事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明積層基材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明積層基材において、透明導電性酸化物層を形成するための温度が180℃未満であることを特徴とする透明積層基材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明積層基材を含んでなることを特徴とする素子。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014199209A JP2016072036A (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | 透明積層基材および素子 |
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|---|---|
| JP2016072036A true JP2016072036A (ja) | 2016-05-09 |
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| JP2014199209A Pending JP2016072036A (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | 透明積層基材および素子 |
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| JP (1) | JP2016072036A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018188677A (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-29 | 東ソー株式会社 | 金属酸化物透明導電膜及びその製造方法 |
-
2014
- 2014-09-29 JP JP2014199209A patent/JP2016072036A/ja active Pending
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