以下、本開示の一実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1及びその製造方法について、図面を用いて説明する。
[薄膜トランジスタの構成]
まず、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の断面図である。
図1に示すように、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体をチャネル層とする酸化物半導体TFTであって、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁層30と、酸化物半導体層40と、絶縁層50と、ソース電極60S及びドレイン電極60Dとを備える。本実施の形態における薄膜トランジスタ1は、チャネル保護型でボトムゲート型のTFTであり、また、トップコンタクト構造が採用されている。
以下、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の各構成要素について詳述する。
基板10は、絶縁材料からなる絶縁基板であり、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス又は高耐熱性ガラス等のガラス材料で構成されるガラス基板である。
なお、基板10は、ガラス基板に限らず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の樹脂材料からなる樹脂基板等であってもよい。また、基板10は、リジッド基板ではなく、フレキシブルガラス基板又はフレキシブル樹脂基板等のシート状又はフィルム状の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。フレキシブル樹脂基板としては、例えば、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム材料の単層又は積層で構成された基板を用いることができる。なお、基板10の表面にアンダーコート層を形成してもよい。
ゲート電極20は、金属等の導電性材料又はその合金等からなる導電膜の単層構造又は多層構造の電極であり、基板10の上方に所定形状で形成される。ゲート電極20の膜厚は、例えば、20nm〜500nmである。
ゲート電極20の材料としては、例えば、モリブデン、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、マンガン、クロム、タンタル、ニオブ、銀、金、プラチナ、パラジウム、インジウム、ニッケル、ネオジム等の金属、又は、これらの中から選ばれる金属の合金(モリブデンタングステン等)が用いられる。
なお、ゲート電極20の材料は、これらに限るものではなく、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物、又は、ポリチオフェンやポリアセチレン等の導電性高分子材料等を用いることもできる。
ゲート絶縁層(ゲート絶縁膜)30は、ゲート電極20と酸化物半導体層40との間に配置される。本実施の形態において、ゲート絶縁層30は、ゲート電極20の上方に位置するように配置される。例えば、ゲート絶縁層30は、ゲート電極20が形成された基板10上の全面にゲート電極20を覆うように成膜される。ゲート絶縁層30の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
ゲート絶縁層30は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、窒化シリコン膜、シリコン酸窒化膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜又は酸化ハフニウム膜等の単層膜、あるいは、これらの膜を複数積層した積層膜である。
酸化物半導体層40は、ゲート電極20の上方において、ゲート絶縁層30上に所定形状で形成される。例えば、酸化物半導体層40は、ゲート絶縁層30上に島状に形成される。本実施の形態において、酸化物半導体層40は、薄膜トランジスタ1のチャネル層である。つまり、酸化物半導体層40は、ゲート絶縁層30を挟んでゲート電極20と対向するチャネル領域を含む半導体層である。酸化物半導体層40の膜厚は、例えば、10nm〜100nmである。
酸化物半導体層40は、少なくともインジウム(In)及びタングステン(W)を含む酸化物半導体からなる。本実施の形態において、酸化物半導体層40の材料には、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)が用いられており、酸化物半導体層40を構成する金属元素には、インジウム(In)及びタングステン(W)の他に、亜鉛(Zn)が含まれている。つまり、本実施の形態における酸化物半導体層40は、In、W及びZnを含む酸化物半導体(In−W−Zn−O)からなるIWZO膜である。なお、酸化物半導体層40の膜物性の詳細については後述する。
絶縁層50は、酸化物半導体層40上に配置される。具体的には、絶縁層50は、酸化物半導体層40を覆うようにゲート絶縁層30上に成膜される。絶縁層50の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
本実施の形態において、絶縁層50は、酸化物半導体層40のチャネル領域を保護する保護膜(チャネル保護層)として機能する。具体的には、絶縁層50は、酸化物半導体層40の上方に形成するソース電極60S及びドレイン電極60Dをエッチングによってパターニングする際に、酸化物半導体層40がエッチングされることを防止するエッチストッパ層として機能する。これにより、ボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体層40のバックチャネル側のプロセスダメージを低減することができる。また、本実施の形態において、絶縁層50は、基板10上の全面に形成された層間絶縁層である。
絶縁層50は、電気絶縁性を有する材料から構成され、一例として、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜又は酸化アルミニウム膜等の単層膜、あるいは、これらの積層膜である。
シリコン酸化膜は、シリコン窒化膜と比べて成膜時における水素の発生が少ない。したがって、絶縁層50としてシリコン酸化膜を用いることによって、水素還元による酸化物半導体層40の性能劣化を抑制できる。さらに、絶縁層50として酸化アルミニウム膜を形成することによって、上層で発生する水素や酸素を酸化アルミニウム膜によってブロックすることができる。これらのことから、絶縁層50としては、例えば、シリコン酸化膜、酸化アルミニウム膜及びシリコン酸化膜の3層構造の積層膜を用いるとよい。
なお、絶縁層50の材料としては、上記のような無機物に限るものではなく、有機物を主成分とする材料を用いてもよい。
また、絶縁層50には、当該絶縁層50の一部を貫通するように開口部(コンタクトホール)が形成されている。この絶縁層50の開口部を介して、酸化物半導体層40とソース電極60S及びドレイン電極60Dとが接続されている。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層50の上方に少なくとも一部が位置し、かつ、酸化物半導体層40と接続されるように所定形状で形成される。具体的には、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層50上においては基板10に水平な方向(基板水平方向)に離間して互いに対向して配置されており、かつ、絶縁層50に形成された開口部を介して酸化物半導体層40に接続されている。絶縁層50上におけるソース電極60S及びドレイン電極60Dの膜厚は、例えば、100nm〜500nmである。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、導電性材料又はその合金等からなる導電膜の単層構造又は多層構造の電極である。ソース電極60S及びドレイン電極60Dの材料には、例えば、アルミニウム、タンタル、モリブデン、タングステン、銀、銅、チタン又はクロム等が用いられる。一例として、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、下から順に、モリブデン膜(Mo膜)、銅膜(Cu膜)及び銅マンガン合金膜(CuMn膜)が形成された3層構造の電極である。
[薄膜トランジスタの製造方法]
次に、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法における各工程の断面図である。
まず、図2の(a)に示すように、基板10を準備し、基板10の上方に所定形状のゲート電極20を形成する。例えば、基板10上に金属膜をスパッタ法によって成膜し、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法を用いて金属膜を加工することにより、所定形状のゲート電極20を形成する。なお、ゲート電極20を形成する前に、基板10の表面にシリコン酸化膜等のアンダーコート層を形成してもよい。
次に、図2の(b)に示すように、ゲート電極20の上にゲート絶縁層30を形成する。本実施の形態では、ゲート電極20を覆うように基板10上の全面にゲート絶縁層30を成膜した。なお、基板10の表面にアンダーコート層が形成されている場合には、アンダーコート層上にゲート電極20を成膜する。
ゲート絶縁層30は、例えば、シリコン酸化膜である。この場合、シランガス(SiH4)及び亜酸化窒素ガス(N2O)を導入ガスに用いて、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によってシリコン酸化膜を成膜することができる。
ゲート絶縁層30は、単層膜でもよいが、積層膜としてもよい。例えば、ゲート絶縁層30として、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とを順に成膜した積層膜を用いることができる。シリコン窒化膜は、例えば、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)及び窒素ガス(N2)を導入ガスに用いて、プラズマCVD法によって成膜することができる。
次に、図2の(c)に示すように、基板10の上方に酸化物半導体膜40aを成膜する。具体的には、ゲート絶縁層30の上に、In、W及びZnを含む酸化物半導体(In−W−Zn−O)からなるTAOSで構成された酸化物半導体膜40a(IWZO膜)をスパッタリングによって成膜する。
具体的には、スパッタリングターゲットとして、In、W及びZnを含む酸化物半導体(In−W−Zn−O)を用いて、真空チャンバー内に不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを流入するとともに反応性ガスとして酸素(O2)を含むガスを流入し、所定のパワー密度の電圧をターゲット材に印加する。これにより、ゲート絶縁層30の上にIWZO膜からなる酸化物半導体膜40aを成膜することができる。
この場合、成膜条件としては、酸素の添加量、つまり、アルゴンガスと酸素ガスとの流量比(O2/(Ar+O2))は、例えば、5〜30%にすればよい。この流量比を調整することによって、酸化物半導体膜40a(IWZO膜)のバンドギャップ等を変更することができる。また、基板温度は、例えば、室温に設定すればよい。
なお、ターゲット材(In−W−Zn−O)に含まれる酸化タングステン(WO3)の添加量は、0.1wt%〜10wt%の範囲内で調整している。また、ターゲット材(In−W−Zn−O)に含まれる酸化亜鉛(ZnO)の添加量は、0.5wt%(固定)である。
次に、図2の(d)に示すように、酸化物半導体膜40aを所定の形状に加工することによって、所定形状の酸化物半導体層40を形成する。
例えば、酸化物半導体膜40aは、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法を用いて所定形状の酸化物半導体層40に加工することができる。具体的には、まず、酸化物半導体膜40a上にレジストを形成して、少なくともゲート電極20に対向する位置にレジストを残すように当該レジストを加工する。そして、レジストが形成されていない領域の酸化物半導体膜40aをエッチングによって除去する。これにより、ゲート電極20に対向する位置を含むように島状の酸化物半導体層40を形成することができる。
なお、酸化物半導体膜40aがInWZnOである場合、エッチング液としては、例えば、リン酸(H3PO4)、硝酸(HNO3)、酢酸(CH3COOH)及び水を混合した薬液を用いればよい。
次に、図2の(e)に示すように、酸化物半導体層40の上に絶縁層50を形成する。本実施の形態では、酸化物半導体層40を覆うようにしてゲート絶縁層30上の全面に絶縁層50を成膜した。
絶縁層50は、例えば、シリコン酸化膜である。この場合、シランガス(SiH4)及び亜酸化窒素ガス(N2O)を導入ガスに用いて、プラズマCVD法によってシリコン酸化膜を成膜することができる。
次に、酸化物半導体層40の一部を露出させるように、絶縁層50にコンタクトホールを形成する。本実施の形態では、絶縁層50にコンタクトホールを形成することによって第2酸化物半導体層42の一部を露出させる。具体的には、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によって絶縁層50の一部をエッチング除去することによって、酸化物半導体層40のソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域となる領域上にコンタクトホール(開口部)を形成する。
例えば、絶縁層50がシリコン酸化膜である場合、反応性イオンエッチング(RIE)法によるドライエッチング法によってシリコン酸化膜にコンタクトホールを形成することができる。この場合、エッチングガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF4)及び酸素ガス(O2)を用いることができる。
次に、図2の(f)に示すように、酸化物半導体層40に接続されたソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。例えば、絶縁層50に形成したコンタクトホールを埋めるようにして、絶縁層50上に所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成する。
本実施の形態では、ソース電極60S及びドレイン電極60Dとして、Mo膜とCu膜とCuMn膜との三層構造の電極を形成した。この場合、まず、絶縁層50のコンタクトホールを埋めるようにして絶縁層50上に、Mo膜とCu膜とCuMn膜とをスパッタリング法によって順に成膜する。その後、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法によって、Mo膜、Cu膜及びCuMn膜の積層膜をパターニングする。これにより、所定形状のソース電極60S及びドレイン電極60Dを形成することができる。
なお、Mo膜、Cu膜及びCuMn膜の積層膜のエッチング液としては、例えば、過酸化水素水(H2O2)及び有機酸を混合した薬液を用いることができる。
以上のようにして、図1に示す構成の薄膜トランジスタ1を製造することができる。
[薄膜トランジスタの特徴(酸化物半導体層の膜物性)]
次に、本実施の形態における薄膜トランジスタ1の特徴について、本開示の一態様を得るに至った経緯も含めて説明する。
シリコン等の共有結合性の強い半導体では、空間的な指向性が強い構造であるsp3混成軌道がキャリア伝導パスとなる。このため、構造が歪んでいるアモルファス状態の場合には、伝導パスが途切れてキャリア輸送が阻害されるので、キャリア移動度の劣化が生じる。したがって、シリコン等の共有結合性の強い半導体材料では、一般的に、結晶状態(多結晶状態や微結晶状態)の方が高いキャリア移動度を得ることができる。
一方、イオン性の強い酸化インジウム等をベースとする酸化物半導体では、キャリア伝導パスとなる金属イオンのs軌道は、空間的に広がった球対称構造をとる。そのため、構造が歪んでいるアモルファス状態の場合でも伝導パスが途切れず、キャリア輸送が阻害されない。したがって、酸化物半導体では、アモルファス状態においても結晶状態においても比較的高いキャリア移動度を得ることができる。
むしろ多結晶状態では結晶粒界によるポテンシャル障壁によりキャリア輸送が阻害されてキャリア移動度の劣化が発生するため、酸化物半導体では、結晶粒界のないアモルファス状態の方が高いキャリア移動度を得ることができる。
したがって、酸化物半導体において高いキャリア移動度を維持するためには、酸化物半導体を結晶化させずにアモルファス状態を維持する方がよいとされる。
ところで、本実施の形態では、In系の酸化物半導体を用いているが、酸化インジウム自体が結晶化する温度は100℃〜200℃程度であり、一般的な酸化物半導体TFTの製造工程における処理温度(300℃〜400℃)に比べて100℃以上も低い。このため、In系の酸化物半導体は、酸化物半導体TFTの製造工程において容易に結晶化されてしまうことから、キャリア移動度の劣化が発生する。
一方、In系の酸化物半導体のうち、In−Ga−Zn−Oからなる酸化物半導体(IGZO膜)を用いた薄膜トランジスタは実用化されているが、IGZO膜ではキャリア移動度が10cm2/V・sまでしか見込めない。
このような中、本願発明者らは、IGZO膜よりも高いキャリア移動度が得られるTAOSとして、インジウム(In)にタングステン(W)が添加されたTAOS膜であるIWO膜、又は、インジウム(In)にタングステン(W)及び亜鉛(Zn)が添加されたTAOS膜であるIWZO膜に着目した。
IWO膜又はIWZO膜は、酸化物半導体であるため、上述のとおり、結晶化するとキャリア移動度が劣化(低下)するので、結晶化を抑制してキャリア移動度の劣化を抑えるとよい。
一方、IWO膜又はIWZO膜をTFTのチャネル層として用いる場合、TFTとして所望のスイッチング特性を得るために、IWO膜又はIWZO膜を所望のキャリア密度にしなければならない。
そこで、本願発明者は、まず、IWO膜又はIWZO膜における酸化タングステン(WO3)の添加が膜の結晶化を抑制できる点に着目して、IWO膜又はIWZO膜における酸化タングステンの所望の添加量について鋭意検討した。
その検討の結果、酸化タングステンの添加量が0.1wt%未満の場合は、十分に結晶化を抑制することができないことが分かった。一方、酸化タングステンの添加量が10wt%を越えると、タングステン(W)自体がドナーとして働いてキャリア密度が上昇し、TFTとして所望のスイッチング特性が得られなくなることが分かった。
このことから、IWO膜又はIWZO膜における酸化タングステンの添加量を0.1wt%以上10wt%以下の範囲内にすることによって、キャリア移動度の劣化を抑制できるとともに所望のスイッチング特性が得られることが分かった。
ところで、アモルファス状態のIWO膜又はIWZO膜は不秩序な構造であるので、バンドギャップ内に浅い準位が形成される。このため、結晶状態の半導体よりも光学的なバンドギャップが小さくなる。
したがって、上記のように、酸化タングステン(WO3)の添加量を規定しただけでは、つまりIWO膜又はIWZO膜の組成のみを規定しただけでは、酸素欠損の影響によって所望のキャリア移動度及びキャリア密度が得られない場合がある。
この点について検討した結果、IWO膜又はIWZO膜のバンドギャップが2.2eV未満の場合は、構造秩序性が非常に悪くなり、バンドギャップ内に浅い準位が非常に多く形成されてしまい、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、スイッチング特性が劣化することが分かった。一方、IWO膜又はIWZO膜のバンドギャップが3.2eVを越えると、アモルファス状態ではなく結晶化が起こっているため、キャリア移動度の劣化が起きることが分かった。
本開示の技術は、このような知見に基づいてなされたものであり、IWO膜又はIWZO膜からなる酸化物半導体層をチャネル層とするTFTにおいて、IWO膜又はIWZO膜における酸化タングステンの添加量を0.1wt%以上10wt%以下とし、かつ、IWO膜又はIWZO膜のバンドギャップを2.3eV以上3.3eV以下とすることによって、キャリア移動度の劣化を抑制してIGZO膜よりも高いキャリア移動度を得ることができるとともに、所望のスイッチング特性を得ることができる薄膜トランジスタを実現できる。
以下、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の酸化物半導体層40(IWZO膜)の種々の物性に関する所望の範囲について、さらに詳細に説明する。この場合、IGZO膜よりも有利になる物性範囲として、キャリア移動度が10cm2/V・s以上、かつ、キャリア密度が1×1018/cm3以下となるように規定することとした。
なお、以下の物性範囲は、IWZO膜について説明するが、IWO膜でも同様の結果を得ることができる。また、以下の物性範囲は、酸化物半導体層40のうち少なくともチャネル領域となる部分において満たすとよい。さらに、各図におけるIWZO膜の電子キャリア密度及び電子移動度は、ホール効果測定によって算出した。
[酸化タングステンの濃度]
図3は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)における酸化タングステン(WO3)の濃度(添加量)と電子キャリア密度との関係を示す図であり、図4は、当該酸化物半導体層(IWZO膜)における酸化タングステン(WO3)の濃度(添加量)とキャリア移動度(電子移動度)との関係を示す図である。
図3に示すように、IWZO膜における酸化タングステン(WO3)の添加量が7wt%よりも多くなると、タングステン自体がドナーとして働き、キャリア密度が上昇して1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
一方、図4に示すように、IWZO膜における酸化タングステンの添加量が0.5wt%未満の場合は、十分に結晶化を抑制することができず、電子移動度が10cm2/V・sを下回ってしまう。
したがって、IWZO膜における酸化タングステンの添加量は、さらに、0.5wt%以上、7wt%以下の範囲内にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜における酸化タングステンの添加量は、例えば、ラザフォード後方散乱分光法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)によって測定することができる。
[バンドギャップ]
図5は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)におけるバンドギャップと電子キャリア密度との関係を示す図であり、図6は、当該酸化物半導体層(IWZO膜)におけるバンドギャップとキャリア移動度(電子移動度)との関係を示す図である。
図5に示すように、IWZO膜のバンドギャップが2.67eV未満では、構造秩序性が非常に悪くなり、バンドギャップ内に浅い準位が非常に多く形成されて、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
一方、図6に示すように、IWZO膜のバンドギャップが3.1eVを越えると、アモルファス状態ではなく結晶化が起こっているため、電子移動度が10cm2/V・sを下回ってしまう。
したがって、IWZO膜におけるバンドギャップは、さらに、2.67eV以上、3.1eV以下の範囲内にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜におけるバンドギャップは、例えば、分光エリプソメトリ法(SE:Spectroscopic Ellipsometry)によって測定することができる。
[膜密度]
図7は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)における膜密度と電子キャリア密度との関係を示す図であり、図8は、当該酸化物半導体層(IWZO膜)における膜密度とキャリア移動度(電子移動度)との関係を示す図である。
アモルファス構造の酸化物半導体では構造不秩序によって膜密度が低下するため、結晶構造の酸化物半導体よりも膜密度が小さくなる傾向にある。
図7に示すように、IWZO膜の膜密度が6.5g/cm3未満では、構造秩序性が非常に悪くなって多くの格子欠陥によりバンドギャップ内に多数の欠陥準位が発生し、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
一方、図8に示すように、IWZO膜の膜密度が7.1g/cm3を越えると、アモルファス状態ではなく結晶化が起こっているため、電子移動度が10cm2/V・sを下回ってしまう。
したがって、IWZO膜における膜密度は、6.5g/cm3以上、7.1g/cm3以下の範囲内にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜における膜密度は、例えば、X線反射率法(XRR:X−ray Reflectometry)によって測定することができる。
[Ar不純物濃度]
図9は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)におけるアルゴン(Ar)の不純物濃度とキャリア移動度(電子移動度)との関係を示す図である。
図9に示すように、IWZO膜におけるAr不純物濃度が0.8at.%を越えると、アモルファス構造の構造秩序性の乱れにより格子中に欠陥が発生し、これによりキャリア輸送が阻害されるので、キャリア移動度の劣化が発生し、電子移動度が10cm2/V・sを下回ってしまう。
したがって、IWZO膜におけるAr不純物濃度は、0.8at.%以下にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜におけるArの不純物濃度は、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)又はRBSによって測定することができる。
[H不純物濃度]
図10は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)における水素(H)の不純物濃度と電子キャリア密度との関係を示す図である。
酸化物半導体への水素混入は、バンドギャップ内に浅い準位を形成し、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇する。
図10に示すように、IWZO膜におけるH不純物濃度が1×1022cm3を超えると、非常に多数の浅い準位が形成されることにより、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
したがって、IWZO膜に含まれるH不純物濃度は、1×1022/cm3以下にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜におけるHの不純物濃度は、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS)で測定することができる。
[屈折率]
図11は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)における屈折率@633nmと電子キャリア密度との関係を示す図であり、図12は、当該酸化物半導体層(IWZO膜)における屈折率@633nmとキャリア移動度(電子移動度)との関係を示す図である。
アモルファス構造の酸化物半導体では構造不秩序によって膜密度が低下するため、結晶構造の酸化物半導体よりも膜密度が小さくなり、これに伴って膜の屈折率も低下する。
図11に示すように、IWZO膜の屈折率が2.013未満では、構造秩序性が非常に悪くなって多くの格子欠陥によりバンドギャップ内に多数の欠陥準位が発生し、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
一方、図12に示すように、IWZO膜の屈折率が2.057を越えると、アモルファス状態ではなく結晶化が起こっているため、電子移動度が10cm2/V・sを下回ってしまう。
したがって、IWZO膜における屈折率は、2.013以上、2.057以下の範囲内にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜の屈折率は、例えば、SEで測定することができる。
[消衰係数]
図13は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)における消衰係数@633nmと電子キャリア密度との関係を示す図である。
アモルファス構造の酸化物半導体では構造不秩序によってバンドギャップ内に多くの欠陥準位が形成されるため光の級数係数が増加し、これに伴って消衰係数も増加する。
図13に示すように、IWZO膜の消衰係数が0.037を超えると、構造秩序性が非常に悪くなって多くの格子欠陥によりバンドギャップ内に多数の欠陥準位が発生し、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
したがって、IWZO膜における消衰係数は、0.037以下にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜の消衰係数は、例えば、SEで測定することができる。
[酸素欠損起因のX線光電子強度比]
図14は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの酸化物半導体層(IWZO膜)における酸素欠損起因のX線光電子強度比と電子キャリア密度との関係を示す図である。
酸素欠損起因のX線光電子強度比とは、酸化物半導体膜のX線光電子スペクトルにおける01sのピークに関して、酸化物半導体の膜中の酸素起因のピークの積分強度を0Iとし、酸化物半導体の膜中の酸素欠損起因のピークの積分強度を0IIとしたときに、0II/0Iの値である。
酸化物半導体の膜中に酸素欠損があると、バンドギャップ内に酸素欠損準位が形成される。酸化物半導体の膜中に酸素欠損がある場合に、X線光電子分光(XPS:X−ray photoelectron spectroscopy)測定を行うと、酸化物半導体中の酸素起因のピークだけではなく、酸素欠損起因のピークも現れる。
このとき、図14に示すように、IWZO膜における酸素欠損起因のX線光電子強度比が0.48を超えると、非常に多くの酸素欠損が発生しており、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、1×1018/cm3を越えてしまってTFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
したがって、IWZO膜における酸素欠損起因のX線光電子強度比は、0.48以下にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜の酸素欠損起因のX線光電子強度比は、例えば、XPSで測定することができる。
[透過率]
アモルファス構造の酸化物半導体では構造不秩序によってバンドギャップ内に多くの欠陥準位が形成されるため光の級数係数が増加し、これに伴って透過率が減少する。
IWZO膜の透過率が70%未満では、構造秩序性が非常に悪くなって多くの格子欠陥によりバンドギャップ内に多数の欠陥準位が発生し、これがドナーとして働くためにキャリア密度が上昇し、TFTとしてのスイッチング特性が劣化する。
したがって、IWZO膜における透過率は、70%以上にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜の透過率は、例えば、紫外可視近赤外(UV−Vis−NIR)分光光度計で測定することができる。
[表面粗さ]
下地となる膜(下地膜)が粗いと、その上に堆積される膜の成膜(成長)の際に粗さが結晶化起点の種となりやすく、堆積される膜は結晶化されやすい。
IWZO膜の平均表面粗さ(Ra)が2nmよりも大きいと、膜が結晶化されていると考えられる。
したがって、IWZO膜における平均表面粗さは、2nm以下にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜の表面粗さは、例えば、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で測定することができる。
[膜応力]
酸化物半導体膜の膜応力が一定の範囲を超えると、基板反りによる工程流動不良が発生する。この観点において、IWZO膜の膜応力は、−400〜+400MPaの範囲内にするとよい。
なお、IWO膜又はIWZO膜の膜応力は、膜応力測定装置によって測定することができる。
(表示装置)
次に、上記の実施の形態に係る薄膜トランジスタ1を表示装置に適用した例について、図15を用いて説明する。なお、本実施の形態では、有機EL表示装置への適用例について説明する。
図15は、実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。上述の薄膜トランジスタ1は、有機EL表示装置におけるアクティブマトリクス基板のスイッチング素子又は駆動素子として用いることができる。
図15に示すように、有機EL表示装置100は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)110と、下部電極(反射電極)である陽極131、EL層(発光層)132及び上部電極(透明電極)である陰極133からなる有機EL素子(発光部)130との積層構造により構成される。
本実施の形態におけるTFT基板110には、上記実施の形態における薄膜トランジスタ1を用いている。TFT基板110には複数の画素120がマトリクス状に配置されており、各画素120には画素回路が設けられている。
有機EL素子130は、複数の画素120のそれぞれに対応して形成されており、各画素120に設けられた画素回路によって各有機EL素子130の発光の制御が行われる。有機EL素子130は、複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層(平坦化膜)の上に形成される。
また、有機EL素子130は、陽極131と陰極133との間にEL層132が配置された構成となっている。陽極131とEL層132との間にはさらに正孔輸送層が積層形成され、EL層132と陰極133との間にはさらに電子輸送層が積層形成されている。なお、陽極131と陰極133との間には、その他の機能層が設けられていてもよい。EL層132をはじめ陽極131と陰極133との間に形成される機能層は、有機材料によって構成された有機層である。
各画素120は、それぞれの画素回路によって駆動制御される。また、TFT基板110には、画素120の行方向に沿って配置される複数のゲート配線(走査線)140と、ゲート配線140と交差するように画素120の列方向に沿って配置される複数のソース配線(信号配線)150と、ソース配線150と平行に配置される複数の電源配線(図12では省略)とが形成されている。各画素120は、例えば直交するゲート配線140とソース配線150とによって区画されている。
ゲート配線140は、各画素回路に含まれるスイッチング素子として動作する第1薄膜トランジスタのゲート電極と行毎に接続されている。ソース配線150は、第1薄膜トランジスタのソース電極と列毎に接続されている。電源配線は、各画素回路に含まれる駆動素子として動作する第2薄膜トランジスタのドレイン電極と列毎に接続されている。
ここで、画素120における画素回路の一例について、図16を用いて説明する。図16は、実施の形態に係る有機EL表示装置における画素回路の一例の構成を示す電気回路図である。なお、画素回路は、図16に示す構成に限定されるものではない。
図16に示すように、画素回路は、スイッチング素子として動作する第1薄膜トランジスタSwTrと、駆動素子として動作する第2薄膜トランジスタDrTrと、対応する画素120に表示するためのデータを記憶するキャパシタCとで構成される。本実施の形態において、第1薄膜トランジスタSwTrは、画素120を選択するためのスイッチングトランジスタであり、第2薄膜トランジスタDrTrは、有機EL素子130を駆動するための駆動トランジスタである。
第1薄膜トランジスタSwTrは、ゲート配線140に接続されるゲート電極G1と、ソース配線150に接続されるソース電極S1と、キャパシタC及び第2薄膜トランジスタDrTrのゲート電極G2に接続されるドレイン電極D1と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。第1薄膜トランジスタSwTrは、接続されたゲート配線140及びソース配線150に所定の電圧が印加されると、当該ソース配線150に印加された電圧がデータ電圧としてキャパシタCに保存される。
第2薄膜トランジスタDrTrは、第1薄膜トランジスタSwTrのドレイン電極D1及びキャパシタCに接続されるゲート電極G2と、電源配線160及びキャパシタCに接続されるドレイン電極D2と、有機EL素子130の陽極131に接続されるソース電極S2と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。第2薄膜トランジスタDrTrは、キャパシタCが保持しているデータ電圧に対応する電流を電源配線160からソース電極S2を通じて有機EL素子130の陽極131に供給する。これにより、有機EL素子130では、陽極131から陰極133へと駆動電流が流れてEL層132が発光する。
なお、上記構成の有機EL表示装置100では、ゲート配線140とソース配線150との交点に位置する画素120毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式が採用されている。これにより、各画素120における第1薄膜トランジスタSwTr及び第2薄膜トランジスタDrTrによって、対応する有機EL素子130が選択的に発光し、所望の画像が表示される。
以上、本実施の形態におけるTFT基板110には、上記実施の形態における薄膜トランジスタ1が用いられているので、表示性能に優れた有機EL表示装置を実現できる。
(変形例)
以下、変形例1及び変形例2に係る薄膜トランジスタについて説明する。
(変形例1)
図17は、変形例1に係る薄膜トランジスタ2の断面図である。
図17に示すように、本変形例に係る薄膜トランジスタ2は、ボトムゲート型、かつ、チャネルエッチ型のTFTであって、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁層30と、酸化物半導体層40と、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと、絶縁層70とを備える。
本変形例において、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、酸化物半導体層40の両端部の各々を覆うように、酸化物半導体層40及びゲート絶縁層30上に形成される。具体的には、ソース電極60Sは、酸化物半導体層40の一方の端部の上面及び側面を覆うようにして酸化物半導体層40からゲート絶縁層30にわたって形成されている。一方、ドレイン電極60Dは、酸化物半導体層40の他方の端部の上面及び側面を覆うようにして酸化物半導体層40からゲート絶縁層30にわたって形成されている。
絶縁層70は、パッシベーション層であり、酸化物半導体層40とソース電極60S及びドレイン電極60Dとを覆うようにしてゲート絶縁層30上に形成される。
このように、上記実施の形態では、チャネル保護型のTFTとしたが、本変形例のようにチャネルエッチ型のTFTとしてもよい。
なお、本変形例では、酸化物半導体層40の両端部がソース電極60S及びドレイン電極60Dに直接覆われた構成のサイドコンタクト構造が採用されている。
以上、本変形例における薄膜トランジスタによれば、上記実施の形態における薄膜トランジスタ1と同様の効果が得られる。
(変形例2)
図18は、変形例2に係る薄膜トランジスタ3の断面図である。
図18に示すように、本変形例に係る薄膜トランジスタ3は、トップゲート型のTFTであって、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁層30と、酸化物半導体層40と、ソース電極60S及びドレイン電極60Dと、絶縁層80とを備える。
本変形例における酸化物半導体層40は、上記実施の形態と同様に、ゲート電極20に対向する位置に形成されているが、上記実施の形態と異なり、ゲート絶縁層30の上ではなく基板10の上に形成されている。
ゲート絶縁層30は、実施の形態と同様に、ゲート電極20と酸化物半導体層40との間に形成されているが、本変形例では、酸化物半導体層40を覆うようにして基板10上に成膜されている。また、ゲート電極20は、ゲート絶縁層30の上に形成されている。
絶縁層80は、層間絶縁層であり、ゲート電極20を覆うようにしてゲート絶縁層30上に成膜される。
絶縁層80及びゲート絶縁層30の一部には、酸化物半導体層40とソース電極60S及びドレイン電極60Dとを接続するためのコンタクトホールが形成されている。
ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層80上に所定形状で形成される。また、ソース電極60S及びドレイン電極60Dは、絶縁層80及びゲート絶縁層30に形成されたコンタクトホールを介して酸化物半導体層40に接続される。
このように、上記実施の形態では、ボトムゲート型構造のTFTとしたが、本変形例のようにトップゲート型構造のTFTとしてもよい。
以上、本変形例における薄膜トランジスタによれば、上記実施の形態における薄膜トランジスタ1と同様の効果が得られる。
(その他変形例等)
以上、薄膜トランジスタ及びその製造方法について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態及び変形例における薄膜トランジスタは、有機EL表示装置に適用する例について説明したが、上記実施の形態及び変形例における薄膜トランジスタは、液晶表示装置等の他の表示装置にも適用することもできる。
この場合、有機EL表示装置(有機ELパネル)や液晶表示装置等の表示装置は、フラットパネルディスプレイとして利用することができる。例えば、有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ又は携帯電話等、あらゆる電子機器の表示パネルとして利用することができる。
その他、各実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。