JP2016058169A - 非水電解液二次電池とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】過充電時の安全性が高められた捲回型電極体を備える非水電解液二次電池と、その製造方法を提供する。【解決手段】長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、非水電解液とが、電池ケースに収容されている非水電解液二次電池である。ここで、捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとする。このとき、非水電解液二次電池は、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たすことにより特徴づけられる。【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解液二次電池とその製造方法に関する。より詳細には、過充電時の安全性が向上された捲回型電極体を備える非水電解液二次電池と、その製造方法に関する。
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の非水電解液二次電池は、軽量で高いエネルギー密度が得られることから、ポータブル電源や車両搭載用の高出力電源等として好ましく用いられている。この非水電解液二次電池のうちでも、特に、高容量で、ハイレート充放電(急速充放電)を繰り返す用途の二次電池(例えば車載用途の電池)については、電池性能が優れていることはもちろんのこと、極めて高い安全性が求められる。この非水電解液二次電池の安全性に関しては、とりわけ、過充電に対する安全性の確保が最重要課題とされている。また、中国電池標準(QC/T743−2006)においては、電気自動車用リチウムイオン蓄電池の過充電時の安全性等について規定されている。
非水電解液二次電池は、電圧が所定の領域(例えば3.0V以上4.2V以下)に収まるよう制御された状態で使用されるが、誤操作等により電池に通常以上の電流が供給されると、所定の電圧を超えて過充電状態となる場合がある。そこで、過充電の進行を停止する安全機構として、シャットダウン機能が備えられたセパレータを用いることが知られている。このセパレータは、典型的には樹脂製の微多孔質シートにより構成されており、通常の電池使用時には、正負極間で電荷担体の保持および移動を可能としている。そして過充電等により電池が高温になると、セパレータが軟化して細孔を塞ぎ、電荷担体の移動を遮断して充電反応を停止する。
また、その他の過充電時の安全機構として、過充電により電池ケース内の圧力が所定値以上になると充電電流を遮断する感圧型の電流遮断機構(Current Interrupt Device:CID)が広く採用されてもいる。そしてこのCIDをより迅速に作動させる目的で、予め電解液の非水溶媒よりも酸化電位(即ち、酸化分解反応の始まる電圧)の低い化合物(過充電添加剤,ガス発生剤等という。以下、「過充電添加剤」という。)を電解液中に含有させる手法も知られている。なお、この過充電添加剤は、過充電時に分解されてガスを発生することで電池ケースの内圧を迅速に上昇させ得るが、通常の電池使用時には電池の抵抗成分となり得る。そのため、過充電添加剤の添加量を抑制しつつ、所定の温度領域で高温エージング処理を施すことで、過充電時の過充電添加剤の反応効率を高めることが提案されている(特許文献1等参照)。
しかしながら、発電要素として捲回型電極体を備える非水電解液二次電池においては、電極体の放熱性が悪いため、上記のセパレータによるシャットダウン機能で過充電を安全な状態で停止することが困難な場合があった。また、上記のCIDは、比較的繊細な構造のため製造コストを大きく上昇させる反面、車両の振動や衝撃等により破損したり誤作動を起こす可能性があるという問題があった。また、電池にCIDを設置することにより、部品点数が増加するとともに、電池体格(体積)も増大してしまうという欠点があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えばCIDに頼ることなく、過充電時の安全性が高められた捲回型電極体を備える非水電解液二次電池を提供することである。また、本発明の他の目的は、この非水電解液二次電池を好適に製造することができる方法を提供することである。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えばCIDに頼ることなく、過充電時の安全性が高められた捲回型電極体を備える非水電解液二次電池を提供することである。また、本発明の他の目的は、この非水電解液二次電池を好適に製造することができる方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、非水電解液とが、電池ケースに収容されている非水電解液二次電池を提供する。ここで、上記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量(以下、単に「最内周部分の容量」等と省略して呼ぶ場合がある。)をCIとし、上記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量(以下、単に「最外周部分の容量」等と省略して呼ぶ場合がある。)をCOとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たすことを特徴としている。なお、上記最外周容量低減率Rは、0.95≦R≦1.1を満たすことがより好ましい。また、上記の構成は、後述の製造工程における熱処理で好適に実現することができる。
上記構成によると、捲回型電極体は、最外周部分の容量が、最内周部分の容量よりも所定の割合だけ小さくなるよう構成される。また、かかる構成が後述の熱処理により実現された場合は、加充電添加剤がより外周側の電極表面で固定化されるという効果を期待することができる。したがって、電池が過充電状態に陥った場合に、最外周部分の過充電が相対的に進行し、捲回型電極体の内周側と外周側との温度差が均一化される。これにより、過充電時にセパレータが捲回型電極体の内周側と外周側とでほぼ同時にシャットダウンし、異常発熱の発生を未然に防いで過充電を停止することができる。延いては、例えば、CIDに頼ることなく過充電時の安全性が高められた非水電解液二次電池が提供される。
ここに開示される非水電解液二次電池の好適な一態様において、上記非水電解液は、過充電時に分解されて、発熱したりガスを発生したりする過充電添加剤を含むことを特徴としている。例えば、この非水電解液二次電池は、CIDに頼ることなく過充電時の安全性が高められているため、過充電添加剤を含むことは要件とされない。しかしながら、このように非水電解液が過充電添加剤を含む構成とすることで、この非水電解液二次電池がより簡便に構築し得る点において好ましい。
ここに開示される非水電解液二次電池の好適な一態様において、上記電池ケースは、外部接続用端子を備えており、過充電時に上記捲回型電極体と上記外部接続用端子との間の導電経路を遮断するCIDを備えていないことを特徴としている。この非水電解液二次電池は、上記のとおり捲回型電極体の容量を調製することにより過充電時の安全性が高められているため、CIDを備えることを妨げないが、CIDを備えない構成とすることができる。これにより、CIDを備える電池に比べて、低コストで、CIDに基づく故障や誤作動の可能性が排除され、電池体格が縮小された(あるいは捲回型電極体の体積が増大された)非水電解液二次電池が提供される。
ここに開示される非水電解液二次電池の好適な一態様において、上記正極および上記負極は、長尺の電極集電体の長手方向に沿う一の端部に集電体露出部が設けられ、上記集電体露出部以外の部分に電極活物質層が備えられている。また、上記正極の集電体露出部と、上記負極の集電体露出部とが、上記長手方向に直交する幅方向の反対側に突出するように配置され、上記幅方向を軸として捲回されている。そして、上記捲回型電極体は、上記正極および上記負極の集電体露出部をそれぞれ集積した集電部において、上記正極および上記負極から集電するよう構成されていることを特徴としている。このような集電構造によると、捲回型電極体から高効率で充放電を行える反面、捲回型電極体の放熱性が阻害されるという欠点がある。しかしながら、ここに開示される非水電解液二次電池は、過充電時の捲回型電極体の温度ムラが抑制されるよう構成されている。したがって、ここに開示される技術は、上記集電構造を備える電池に特に好適に適用することができる。
ここに開示される非水電解液二次電池の好適な一態様において、上記捲回型電極体は、上記軸に直交する方向に拉げた形状の扁平捲回型電極体であることを特徴としている。扁平捲回型電極体は、円筒捲回型電極体等に比べ、更に放熱性が劣ることが知られている。したがって、ここに開示される技術は、扁平捲回型電極体を備える電池に対しても特に好適に適用することができる。
ここに開示される非水電解液二次電池の好適な一態様において、上記セパレータの融点は、上記正極に含まれる正極活物質に応じて決定される異常発熱温度よりも低いことを特徴としている。セパレータは、捲回型電極体の温度に基づき軟化して、正負極間の電荷担体の移動を遮断するシャットダウン機能を備え得ることが知られている。このシャットダウン機能は、捲回型電極体の温度ムラが大きい場合、シャットダウンのタイミングにずれが生じて電池の異常発熱に繋がる虞があった。したがって、従来のセパレータは、上記異常発熱温度に対する耐性を備えていることが好ましかった。しかしながら、ここに開示される非水電解液二次電池は、過充電時の捲回型電極体の温度ムラを抑制するよう構成されている。したがって、ここに開示される技術は、正極活物質の種類に制限されることなく、汎用の比較的融点が低いセパレータを使用した電池に対しても好適に適用することができる。
他の側面において、本発明は、非水電解液二次電池の製造方法を提供する。かかる製造方法は、以下の(a1)〜(a3)の工程を含むことを特徴としている。
(a1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体を用意すること。ここで、上記捲回型電極体は、上記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、上記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たすよう構成する。
(a2)上記捲回型電極体と、非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(a3)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと。
これにより、最外周部分の容量が、最内周部分の容量よりも所定の割合だけ小さくなるよう構成された捲回型電極体を備える、上記の非水電解二次電池を製造することができる。
(a1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体を用意すること。ここで、上記捲回型電極体は、上記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、上記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たすよう構成する。
(a2)上記捲回型電極体と、非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(a3)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと。
これにより、最外周部分の容量が、最内周部分の容量よりも所定の割合だけ小さくなるよう構成された捲回型電極体を備える、上記の非水電解二次電池を製造することができる。
さらに他の側面において、本発明は、非水電解液二次電池の製造方法を提供する。かかる製造方法は、以下の(b1)〜(b3)の工程を含むことを特徴としている。
(b1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、過充電時にガスを発生する過充電添加剤を含む非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(b2)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと。
(b3)上記コンディショニング処理後の電池組立体に対し、少なくとも40℃以上95℃以下の温度範囲で5分間以上2時間以下保持する局所高温エージング処理を施すこと。
このような構成によっても、最外周部分の容量が、最内周部分の容量よりも所定の割合だけ小さくなるよう構成された捲回型電極体を備える、上記の非水電解二次電池を製造することができる。
(b1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、過充電時にガスを発生する過充電添加剤を含む非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(b2)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと。
(b3)上記コンディショニング処理後の電池組立体に対し、少なくとも40℃以上95℃以下の温度範囲で5分間以上2時間以下保持する局所高温エージング処理を施すこと。
このような構成によっても、最外周部分の容量が、最内周部分の容量よりも所定の割合だけ小さくなるよう構成された捲回型電極体を備える、上記の非水電解二次電池を製造することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池構造等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、下記に示す図面における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
本明細書において「非水電解液二次電池」とは、電解質として非水系の電解液を用いた繰り返し充放電可能な電池一般をいう。例えば、電解質イオン(電荷担体)としてリチウムイオン(Liイオン)あるいはナトリウムイオン(Naイオン)を利用し、正負極間におけるLiイオンやNaイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池が包含される。一般にリチウムイオン電池(若しくはリチウムイオン二次電池)、リチウムポリマー電池等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、本明細書において「活物質」とは、電荷単体となる化学種(リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料をいう。
本明細書において「非水電解液二次電池」とは、電解質として非水系の電解液を用いた繰り返し充放電可能な電池一般をいう。例えば、電解質イオン(電荷担体)としてリチウムイオン(Liイオン)あるいはナトリウムイオン(Naイオン)を利用し、正負極間におけるLiイオンやNaイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池が包含される。一般にリチウムイオン電池(若しくはリチウムイオン二次電池)、リチウムポリマー電池等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、本明細書において「活物質」とは、電荷単体となる化学種(リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料をいう。
[非水電解液二次電池]
図1は、一実施形態としての非水電解液二次電池100の構成を示す断面模式図である。この非水電解液二次電池100は、本質的に、長尺の正極30および負極40がセパレータ50を介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体20と、非水電解液(図示せず)とが、電池ケース10内に収容されることで構成されている。以下、好適な実施形態としてのリチウム二次電池100を例にして、本発明について説明する。図2は、この捲回型電極体20の構成を説明する図である。
図1は、一実施形態としての非水電解液二次電池100の構成を示す断面模式図である。この非水電解液二次電池100は、本質的に、長尺の正極30および負極40がセパレータ50を介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体20と、非水電解液(図示せず)とが、電池ケース10内に収容されることで構成されている。以下、好適な実施形態としてのリチウム二次電池100を例にして、本発明について説明する。図2は、この捲回型電極体20の構成を説明する図である。
[正極]
正極30は、典型的には、長尺の正極集電体32と、この正極集電体32上に保持された正極活物質層34とを備えている。正極集電体32には、正極活物質層34が形成された部位と、正極活物質層34が形成されずに集電体32が露出された正極集電体露出部33とが設けられ得る。この正極集電体露出部33は、典型的には、長尺の正極集電体32の長手方向に沿う一方の端部(幅方向の一方の端部)に帯状に設けられる。そして、正極活物質層34は、この正極集電体32のうち、正極集電体露出部33を除く表面に設けられる。正極活物質層34は、正極集電体32の両面に設けられてもよいし、いずれか一方の面にのみ設けられてもよい。正極集電体32としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケルおよびその合金等)からなる導電性部材が好適である。この正極活物質層34は、少なくとも正極活物質を含んでいる。
正極30は、典型的には、長尺の正極集電体32と、この正極集電体32上に保持された正極活物質層34とを備えている。正極集電体32には、正極活物質層34が形成された部位と、正極活物質層34が形成されずに集電体32が露出された正極集電体露出部33とが設けられ得る。この正極集電体露出部33は、典型的には、長尺の正極集電体32の長手方向に沿う一方の端部(幅方向の一方の端部)に帯状に設けられる。そして、正極活物質層34は、この正極集電体32のうち、正極集電体露出部33を除く表面に設けられる。正極活物質層34は、正極集電体32の両面に設けられてもよいし、いずれか一方の面にのみ設けられてもよい。正極集電体32としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケルおよびその合金等)からなる導電性部材が好適である。この正極活物質層34は、少なくとも正極活物質を含んでいる。
上記正極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出可能な材料を用いることができる。リチウムイオン二次電池の場合、正極活物質として、リチウム元素と一種または二種以上の遷移金属元素を含むリチウム含有化合物(例えばリチウム遷移金属複合酸化物)を好適に用いることが挙げられる。例えば、具体的には、層状岩塩型またはスピネル型の結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物が好適例として挙げられる。かかるリチウム遷移金属酸化物は、例えば、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn2O4)、あるいは、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)のような三元系リチウム含有複合酸化物であり得る。また、一般式がLiMPO4或いはLiMVO4或いはLi2MSiO4(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素)等で表記されるようなポリアニオン系化合物(例えばLiFePO4、LiMnPO4、LiFeVO4、LiMnVO4、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、Li2CoSiO4)を上記正極活物質として用いてもよい。
なお、正極活物質層34には、上記正極活物質に加えて、一般的な非水電解質二次電池において正極活物質層の構成成分として使用され得る1種または2種以上の材料を必要に応じて含有し得る。そのような材料の例として、導電材やバインダが挙げられる。導電材としては、例えば、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料を好適に用いることができる。また、バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドを好適に用いることができる。また、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、さらに各種添加剤(例えば、過充電時にガスを発生させる無機化合物、分散剤、増粘剤等)を含ませることもできる。
正極活物質層34全体に占める正極活物質の割合は、高エネルギー密度を実現する観点から、およそ60質量%以上(典型的には60質量%〜98質量%)とすることが適当であり、通常はおよそ70質量%〜98質量%であることが好ましい。また、バインダを使用する場合、正極活物質層全体に占めるバインダの割合は、機械的強度(形状保持性)を好適に確保する観点から、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。導電材を使用する場合、出力特性とエネルギー密度とを高いレベルで両立する観点から、正極活物質層全体に占める導電材の割合は、例えばおよそ1質量%〜15質量%とすることができ、通常はおよそ2質量%〜10質量%とすることが好ましい。
また、正極活物質層34の厚みは特に限定されないが、例えば20μm以上、典型的には30μm以上であって、200μm以下、典型的には100μm以下とすることができる。正極集電体32の単位面積当たりに設けられる正極活物質層34の質量(目付量)は、高エネルギー密度を実現する観点から、正極集電体32の片面当たり3mg/cm2以上(例えば5mg/cm2以上、典型的には7mg/cm2以上)とするとよい。優れた出力特性を実現する観点からは、正極集電体32の片面当たり100mg/cm2以下(例えば70mg/cm2以下、典型的には50mg/cm2以下)とするとよい。また、正極活物質層34の片面当たりの平均厚みは、例えば20μm以上(典型的には40μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とするとよい。また、正極活物質層34の密度は、例えば1.0g/cm3以上(典型的には2.0g/cm3以上)であって、4.5g/cm3以下(例えば4.0g/cm3以下)とするとよい。
[負極]
負極40は、典型的には、長尺の負極集電体42と、負極集電体42上に形成された負極活物質層44とを備えている。負極集電体42には、負極活物質層44が形成される部位と、負極活物質層44が設けられずに集電体42が露出される負極集電体露出部43とが設定される。この負極集電体露出部43は、典型的には、負極集電体42の長手方向に沿う一方の端部(幅方向の一方の端部)に帯状に設けられる。そして、負極活物質層44は、この負極集電体42のうち、負極集電体露出部43を除く表面に設けられる。負極集電体42としては、導電性の良好な金属(例えば銅、ニッケルおよびその合金等)からなる導電性部材が好適である。この負極活物質層44は、少なくとも負極活物質を備えている。
負極40は、典型的には、長尺の負極集電体42と、負極集電体42上に形成された負極活物質層44とを備えている。負極集電体42には、負極活物質層44が形成される部位と、負極活物質層44が設けられずに集電体42が露出される負極集電体露出部43とが設定される。この負極集電体露出部43は、典型的には、負極集電体42の長手方向に沿う一方の端部(幅方向の一方の端部)に帯状に設けられる。そして、負極活物質層44は、この負極集電体42のうち、負極集電体露出部43を除く表面に設けられる。負極集電体42としては、導電性の良好な金属(例えば銅、ニッケルおよびその合金等)からなる導電性部材が好適である。この負極活物質層44は、少なくとも負極活物質を備えている。
負極活物質としては、非水電解質二次電池の負極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料を1種または2種以上を採用することができる。好適例として、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、カーボンナノチューブ、或いは、これらを組み合わせた構造を有するもの等の炭素材料が挙げられる。なかでも、エネルギー密度の観点から、天然黒鉛(石墨)や人造黒鉛等の黒鉛系材料を好ましく用いることができる。かかる黒鉛系材料は、少なくとも一部の表面に非晶質炭素が配置されているものを好ましく用いることができる。より好ましくは、粒状炭素の表面のほぼ全てを非晶質炭素の膜で被覆された形態である。なお、非晶質炭素はその表面にエッジ面が多く露出しており、電荷担体の受入性が高い(すなわち、電荷担体の吸蔵・放出スピードが速い)。また、黒鉛は、理論容量が大きく、エネルギー密度に優れている。したがって、負極活物質として非晶質炭素被覆黒鉛を用いることで、大容量でエネルギー密度が高く、かつ、入出力特性に優れた非水電解液二次電池を実現することが可能となる。また、かかる炭素系材料のほかに、例えば、Li4Ti5O12等のリチウムチタン複合酸化物、リチウム遷移金属複合窒化物等の、リチウム遷移金属複合酸化物を用いることもできる。
なお、負極活物質層44には、上記負極活物質に加えて、一般的な非水電解質二次電池において負極活物質層44の構成成分として使用され得る1種または2種以上の材料を必要に応じて含有し得る。そのような材料の例として、バインダや各種添加剤が挙げられる。バインダとしては、一般的なリチウムイオン二次電池の負極に使用されるバインダと同様のものを適宜採用することができる。例えば、正極30におけるのと同様のバインダを用いることができ、その他、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類、ポリエチレンオキサイド(PEO)、酢酸ビニル共重合体等のポリマー材料を好ましく採用し得る。その他、負極活物質層44には、増粘剤、分散剤、導電材等の各種添加剤を適宜使用することもできる。例えば、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)等のセルロース系ポリマーが挙げられる。
負極活物質層全体に占める負極活物質の割合は、およそ50質量%以上とすることが適当であり、通常は90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)とすることが好ましい。これにより、高エネルギー密度を実現することができる。バインダを使用する場合、負極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。これにより、負極活物質層の機械的強度(形状保持性)を好適に確保することができ、良好な耐久性を実現することができる。増粘剤を使用する場合、負極活物質層全体に占める増粘剤の割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
負極集電体42の単位面積当たりに設けられる負極活物質層44の質量(目付量)は、高エネルギー密度と出力密度とを実現する観点から、負極集電体42の片面当たり5mg/cm2以上(典型的には7mg/cm2以上)であって、20mg/cm2以下(典型的には15mg/cm2以下)程度とするとよい。また、負極活物質層44の片面当たりの厚みは、例えば40μm以上(典型的には50μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とするとよい。また、負極活物質層44の密度は、例えば0.5g/cm3以上(典型的には1.0g/cm3以上)であって、2.0g/cm3以下(典型的には1.5g/cm3以下)とするとよい。
[セパレータ]
ここに開示される非水電解液二次電池100は、正極30と負極40とを絶縁する構成成分として、セパレータ50を備えることができる。このセパレータ50は、絶縁性材料からなり、典型的には、正極30と負極40との間に配置される。そしてこのセパレータ50は、電荷担体を保持し、電荷担体の通過性を可能とするよう構成されている。このようなセパレータ50は、絶縁性の樹脂からなる微多孔質シートにより好適に構成することができる。特に限定されるものではないが、このセパレータ50は、捲回型電極体20が所定の温度となったときに軟化または溶融し、電荷担体の通過を遮断するシャットダウン機能を備えるように構成されていてもよい。例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィン樹脂からなる微多孔質シートは、比較的安価でありながら、シャットダウン温度を80℃〜140℃(典型的には110℃〜140℃、例えば120℃〜135℃)の範囲で好適に設定できるためにセパレータ50として好ましい。
ここに開示される非水電解液二次電池100は、正極30と負極40とを絶縁する構成成分として、セパレータ50を備えることができる。このセパレータ50は、絶縁性材料からなり、典型的には、正極30と負極40との間に配置される。そしてこのセパレータ50は、電荷担体を保持し、電荷担体の通過性を可能とするよう構成されている。このようなセパレータ50は、絶縁性の樹脂からなる微多孔質シートにより好適に構成することができる。特に限定されるものではないが、このセパレータ50は、捲回型電極体20が所定の温度となったときに軟化または溶融し、電荷担体の通過を遮断するシャットダウン機能を備えるように構成されていてもよい。例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィン樹脂からなる微多孔質シートは、比較的安価でありながら、シャットダウン温度を80℃〜140℃(典型的には110℃〜140℃、例えば120℃〜135℃)の範囲で好適に設定できるためにセパレータ50として好ましい。
なお、セパレータ50は、片面または両面に、耐熱性および絶縁性を有する無機骨材(例えば、アルミナ(Al2O3)、ベーマイト(Al2O3・H2O)、マグネシア(MgO)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)等の粉末状の無機酸化物など)およびバインダ等からなる耐熱層(Heat Resistant Layer:HRL、図示せず)を備えることができる。これにより、たとえば、捲回型電極体20の温度がセパレータ50の融点よりも高い温度となりセパレータ50が破断するような事態が生じても、正極30および負極40が短絡するのを防止することができる。
セパレータ50の平均厚みは特に限定されないが、通常、10μm以上、典型的には15μm以上、例えば17μm以上とすることができる。また、上限については、40μm以下、典型的には30μm以下、例えば25μm以下とすることができる。基材の平均厚みが上記範囲内にあることで、電荷担体の透過性を良好に保つことができ、かつ、微小な短絡(漏れ電流)がより生じ難くなる。このため、入出力密度と安全性とを高いレベルで両立することができる。
[捲回型電極体]
上記長尺の正極30および負極40を、図2に示すように、典型的には計二枚の長尺なセパレータ50を介在して積層させた状態で、長手方向に捲回する。換言すると、長手方向に直交する幅方向を倦回軸として捲回する。これにより、捲回型電極体20が構築される。積層の際には、正極30の正極集電体露出部33と、負極40の負極集電体露出部43とが、セパレータ50の幅方向の両側からそれぞれ互いに異なる側にはみ出すように、正極30と負極40とを幅方向でややずらして重ね合わせるとよい。その結果、捲回型電極体20の捲回軸方向では、正極集電体露出部33と負極集電体露出部43とが、それぞれ捲回コア部分(すなわち正負の活物質層34,44が対向した部分)から外方にはみ出すこととなる。そこで、これらの集電体露出部33,43をそれぞれ集積して集電部とすることで、この集電部において正極および負極の充放電を高効率で実現することができる。なお、捲回型電極体20は、円筒形のものであっても良いし、例えば、円筒形の捲回型電極体20を側方から(捲回軸に直交する方向)で押しつぶして拉げさせたような扁平形のものであってもよい。
上記長尺の正極30および負極40を、図2に示すように、典型的には計二枚の長尺なセパレータ50を介在して積層させた状態で、長手方向に捲回する。換言すると、長手方向に直交する幅方向を倦回軸として捲回する。これにより、捲回型電極体20が構築される。積層の際には、正極30の正極集電体露出部33と、負極40の負極集電体露出部43とが、セパレータ50の幅方向の両側からそれぞれ互いに異なる側にはみ出すように、正極30と負極40とを幅方向でややずらして重ね合わせるとよい。その結果、捲回型電極体20の捲回軸方向では、正極集電体露出部33と負極集電体露出部43とが、それぞれ捲回コア部分(すなわち正負の活物質層34,44が対向した部分)から外方にはみ出すこととなる。そこで、これらの集電体露出部33,43をそれぞれ集積して集電部とすることで、この集電部において正極および負極の充放電を高効率で実現することができる。なお、捲回型電極体20は、円筒形のものであっても良いし、例えば、円筒形の捲回型電極体20を側方から(捲回軸に直交する方向)で押しつぶして拉げさせたような扁平形のものであってもよい。
[非水電解液]
非水電解液としては、典型的には、非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等であり、リチウムイオン二次電池ではリチウム塩)を溶解または分散させたものを採用し得る。
非水溶媒としては、一般的な非水電解液二次電池において電解液として用いられるカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の各種の有機溶媒を特に制限なく用いることができる。例えば、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合溶媒として用いることができる。
支持塩としては、一般的な非水電解液二次電池に用いられる各種のものを適宜選択して採用することができる。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li(CF3SO2)2N、LiCF3SO3等のリチウム塩を用いることが例示される。このような支持塩は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。かかる支持塩は、非水電解質における濃度が0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
非水電解液としては、典型的には、非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等であり、リチウムイオン二次電池ではリチウム塩)を溶解または分散させたものを採用し得る。
非水溶媒としては、一般的な非水電解液二次電池において電解液として用いられるカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の各種の有機溶媒を特に制限なく用いることができる。例えば、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合溶媒として用いることができる。
支持塩としては、一般的な非水電解液二次電池に用いられる各種のものを適宜選択して採用することができる。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li(CF3SO2)2N、LiCF3SO3等のリチウム塩を用いることが例示される。このような支持塩は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。かかる支持塩は、非水電解質における濃度が0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
また、非水電解質は、本発明の非水電解液二次電池の特性を損なわない限り、各種の添加剤等を含んでいても良い。かかる添加剤としては、被膜形成剤、過充電添加剤等として、電池の入出力特性の向上、サイクル特性の向上、初期充放電効率の向上、安全性の向上等のうち、1または2以上の目的で使用され得る。かかる皮膜形成剤としては、具体的には、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等の被膜形成剤;ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の芳香族化合物に代表される過充電時にガスを発生させ得る化合物からなる過充電添加剤;界面活性剤;分散剤;増粘剤;等が挙げられる。非水電解質全体に対するこれらの添加剤の濃度は、添加剤の種類にもよって異なるものの、被膜形成剤で通常0.1mol/L程度以下(典型的には0.005mol/L〜0.05mol/L)、過充電添加剤で通常6質量%程度以下(典型的には0.5質量%〜4質量%)とすることが例示される。
[捲回型電極体の容量]
また、上記の捲回型電極体は、最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量CIと、最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量COとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、次式:
0.3≦R≦3
を満たすように調整されている。
また、上記の捲回型電極体は、最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量CIと、最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量COとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、次式:
0.3≦R≦3
を満たすように調整されている。
すなわち、最外周部分の容量COは、最内周部分の容量CIに対し、最外周容量低減率Rが上記の関係を満たす範囲で低減されている。かかる最外周部分の容量COを低減することの効果について、以下に説明する。
一般に、非水電解質二次電池100で充放電を行うと、不可避的に存在する内部抵抗に比例して電力損失が発生し、この電力損失が発熱となる。この発熱は、放熱性の低い捲回型電極体の内周側ほど蓄熱されるため、最内周部分は最外周部分よりも高温となりやすい。したがって、例えば過充電等に伴い捲回型電極体の発熱が顕著となると、捲回型電極体の最内周部分と最外周部分との温度差も大きくなる。このとき、例えば、シャットダウン機能を有するセパレータ50を備えた非水電解質二次電池100については、セパレータ50を構成するポリマーの軟化点(シャットダウン温度)に基づく電極間のイオン伝導の遮断(シャットダウン)のタイミングにずれが生じ得る。したがって、過充電の早期に内周側に位置するセパレータがシャットダウンしても外周側ではシャットダウンせずに過充電が進行し、更なる温度上昇(例えば、異常発熱)が引き起こされ得る。そしてこのような過充電により内周側のセパレータ50がより一層過熱され、熱収縮または溶融して破断(破損)することで、短絡が発生する虞がある。
一般に、非水電解質二次電池100で充放電を行うと、不可避的に存在する内部抵抗に比例して電力損失が発生し、この電力損失が発熱となる。この発熱は、放熱性の低い捲回型電極体の内周側ほど蓄熱されるため、最内周部分は最外周部分よりも高温となりやすい。したがって、例えば過充電等に伴い捲回型電極体の発熱が顕著となると、捲回型電極体の最内周部分と最外周部分との温度差も大きくなる。このとき、例えば、シャットダウン機能を有するセパレータ50を備えた非水電解質二次電池100については、セパレータ50を構成するポリマーの軟化点(シャットダウン温度)に基づく電極間のイオン伝導の遮断(シャットダウン)のタイミングにずれが生じ得る。したがって、過充電の早期に内周側に位置するセパレータがシャットダウンしても外周側ではシャットダウンせずに過充電が進行し、更なる温度上昇(例えば、異常発熱)が引き起こされ得る。そしてこのような過充電により内周側のセパレータ50がより一層過熱され、熱収縮または溶融して破断(破損)することで、短絡が発生する虞がある。
これに対し、ここに開示される非水電解質二次電池100では、最内周部分よりも最外周部分の容量が上記最外周容量低減率Rを満たす分だけ小さくなるよう構成されている。したがって、過充電状態においては最外周部分において過充電が進行し易く、最外周部分の温度も上昇し易い。これにより、捲回型電極体20における過充電時の温度ムラが解消され、セパレータによるシャットダウンが捲回型電極体20の外周側と内周側とでほぼ同時に行われる。延いては、更なる異常発熱が未然に防止されるとともに、内部短絡の発生が抑制され、電池における電気化学反応を安全に停止することができる。これにより、過充電に対する安全性に優れた非水電解質二次電池100が実現される。
ここで、上記の最外周容量低減率Rは、0を超過することで、過充電時の捲回型電極体に生じる温度ムラを低減する効果が発現され、0.3以上であることで、温度ムラの低減効果を確実に得ることができるために好ましい。この最外周容量低減率Rは、0.7以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましく、0.95以上、例えば0.96以上であることがさらに好ましい。この最外周容量低減率Rは、大きすぎると電池のエネルギー密度が低下するため好ましくない。したがって、通常の電池使用時における充放電バランス,目付品質の観点から、最外周容量低減率Rは3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、特に1.5以下、例えば1.1以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、捲回型電極体における「最内周を構成する部分の電極」(最内周部分)とは、充放電に寄与する電極部分のうち、捲回型電極体の最も内周側で当該捲回型電極体1周分を構成する部分である。また、「最外周を構成する部分の電極」(最外周部分)とは、充放電に寄与する電極部分のうち、捲回型電極体の最も外周側で当該捲回型電極体1周分を構成する部分である。充放電に寄与する電極部分とは、典型的には正負の活物質層が対向している領域を考慮することができる。したがって、例えば、不可逆容量を補うために一般に長めに形成され得る正極活物質と対向しない負極活物質層部分や、捲回型電極体の軸等として最内周に存在し得るセパレータ捲回部分や、電池ケースとの絶縁を図る目的等で捲回型電極体の最外周に余分に捲回されるセパレータ終端部分などについては、ここでいう最内周または最外周を構成する部分の電極に相当しない。
また、最内周部分または最外周部分の単位面積あたりの容量CI,COは、当該最内周部分または最外周部分(すなわち、上記の最内周1周分または最外周1周分の電極)の電極容量を、その面積で除して求められる値である。例えば、最内周部分または最外周部分の電極容量は、当該部位から所定面積で打ち抜いた電極と適切な非水電解液を用いて構成した評価用電池(小型電池)について測定した容量を採用することができる。この場合、電極の打ち抜き部位は、例えば、最内周1周分および最外周の1周分とすることができるし、これらの部位の電極活物質層の平面部の中央の所定面積部分として決定することもできる。なお、後者の場合、打ち抜きの形状は円形が好ましい。
なお、ここに開示される非水電解液二次電池100は、上記のとおり、過充電状態において捲回型電極体20に温度ムラが生じ難く、異常発熱が誘起されにくい構成とされている。したがって、捲回型電極体20の温度がセパレータ50の融点を超えて上昇することが抑制されるため、ここに開示される非水電解液二次電池100は、HRLを備えていないセパレータ50を備えることが好ましい形態であり得る。さらに、セパレータ50が、正極活物質に応じて決定される異常発熱温度よりも低い温度に融点を有する材料により構成されていることも、好ましい形態であり得る。例えば、ここに開示される非水電解液二次電池100においては、正極活物質として、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(いわゆる三元系リチウム遷移金属酸化物、異常発熱温度:200℃)を用いる場合、HRLを備えていない、PE製またはPP製の微多孔質シートからなる単層セパレータや、PPやPEが積層された多孔質シートからなる積層セパレータを好適に組み合わせて使用することができる。
なお、正極活物質に応じて決定される異常発熱温度とは、正極に当該正極活物質を、負極に炭素材料(典型的には黒鉛)を用いて電池を構築したとき、電池電圧が4.1Vの状態における正極活物質の熱分解温度である。かかる異常発熱温度は、例えば、所定の充電状態に充電した正極を取り出し、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:DSC)したときに、熱分解によりみられる発熱ピーク温度を、異常発熱温度とすることができる。なお、公知の正極活物質材料については、おおよその異常発熱温度が知られている。例えば、一例として、正極活物質としてコバルト酸リチウム系の材料を用いた場合の異常発熱温度は約200℃、ニッケル酸リチウム系の材料を用いた場合の異常発熱温度は約180℃、マンガン酸リチウム系の材料を用いた場合の異常発熱温度は約220℃、リン酸鉄系の材料を用いた場合の異常発熱温度は400℃超であり得る。
また、上述のように、捲回型電極体20において正負の集電体露出部33,43をそれぞれ集積して集電部とする集電構造は、高効率な充放電を行い得るものの、電極体からの放熱経路を妨げるため、捲回型電極体の発熱を促進し得る構造ともなり得ていた。しかしながら、ここに開示される捲回型電極体20は、従来の捲回型電極体に比べて、過充電時の温度ムラが抑制され得る。また、電池が過充電状態に陥った場合であっても、捲回型電極体20が異常発熱することを抑制する。そのため、この非水電解液二次電池20は、上記のとおりの集電体露出部33,43をそれぞれ集積して集電部とする集電構造を採用することも、好ましい態様であり得る。
[電池ケース]
そして、上記作製した電極体を所定の電池ケース10内に収容する。電池ケース10としては、従来から非水電解液二次電池に用いられる材料や形状の電池ケース10を目的に応じて使用することができる。電池ケース10の材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は特に限定されず、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。
そして、上記作製した電極体を所定の電池ケース10内に収容する。電池ケース10としては、従来から非水電解液二次電池に用いられる材料や形状の電池ケース10を目的に応じて使用することができる。電池ケース10の材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は特に限定されず、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。
なお、ここに開示される非水電解質二次電池100は、上記のとおり捲回型電極体20における過充電時の温度ムラが抑制されている。そのため、過充電時には、例えば、セパレータのシャットダウン機能を利用することで、充電を安全かつ速やかに停止させ得る。したがって、電池ケースには、電池の過充電時に内圧の上昇を感知して電流を遮断し得るCID等の安全機構を設けなくてもよい。
電池ケース10は、典型的には、捲回型電極体20および非水電解液を収容するケース本体(外装ケース)12と、該ケース本体12の開口部を塞ぐ封口体14とを備えている。図1の例では、アルミニウム合金製の薄い角型(直方体形状)の電池ケース10であって、直方体の一の面に開口を有する有底箱型のケース本体12と、その開口を塞ぐ板状の封口体14との組み合わせから構成されている。封口体14には、捲回型電極体20の正極30と電気的に接続する正極端子60と、負極40と電気的に接続する負極端子70が設けられている。また、封口体14には、典型的には、捲回型電極体20が収容されたケース本体12内に非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が形成されている。さらに、封口体14には、従来のリチウムイオン二次電池のケースと同様に、電池異常の際に電池ケース10内部で発生したガスを電池ケース10の外部に排出するための安全弁82が設けられていてもよい。
二次電池の組み立てにおいては、典型的には、封口体14に捲回型電極体20を固定した状態で、ケース本体12内に収容することができる。例えば、捲回型電極体20の正極集電体露出部33を、正極集電部材62を介して正極端子60(例えばアルミニウム製)と電気的に接続することができる。同様に、負極集電体露出部43を、負極集電部材72を介して負極端子70(例えばニッケル製)に電気的に接続することができる。なお、正負の集電部材62,72と、正負極端子60,70および正負極集電体32,42とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合することができる。その後ケース本体12の開口部を封口体14によって封止することで、二次電池100を組み立てることができる。封口体14とケース本体12とは溶接等によって接合することができる。これにより、ここに開示される非水電解液二次電池100が提供される。
なお、ここに開示される非水電解液二次電池100の製造方法は特に制限されないものの、例えば、下記に示した2通りの方法に従い好適に製造することができる。
[製造方法1]
すなわち、1つ目の製造方法は、以下の(a1)〜(a3)の工程を含むものである。
(a1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体を用意すること。ここで、上記捲回型電極体は、上記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、上記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たすよう構成する。
(a2)上記捲回型電極体と、非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(a3)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理(初期充電処理ともいう)を施すこと。
[製造方法1]
すなわち、1つ目の製造方法は、以下の(a1)〜(a3)の工程を含むものである。
(a1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体を用意すること。ここで、上記捲回型電極体は、上記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、上記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たすよう構成する。
(a2)上記捲回型電極体と、非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(a3)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理(初期充電処理ともいう)を施すこと。
この製造方法1では、上記工程(a1)において、長尺の電極(正極および負極)の作成時に、最外周部分の容量COが、最内周部分の容量CIよりも所定の最外周容量低減率Rだけ小さくなるよう調整するようにしている。電極の容量は、最外周部分と最内周部分とで上記最外周容量低減率Rの関係が満たされていればよく、両者の間の中間部分の容量については特に制限されない。中間部分の容量は、例えば、最内周部分から最外周部分に向かうにつれて徐々に容量が少なくなるように調整されていてもよいし、最内周部分と同じ容量に調整されていてもよい。非水電解液二次電池100としては、より高容量であることが望ましいことから、好ましくは、中間部分のうち、最外周部分近傍(例えば外周側から3割程度の巻き数分)において徐々に最外周部分の容量COまで容量が低減されているものの、その他の部分については最内周部分の容量CIとすることである。なお、電極容量を調整すること以外の工程(a1)、工程(a2)および(a3)については、常法に従って実施することができる。
すなわち、工程(a1)については、例えば、上記の正負の電極構成材料を混合し、粉末の状態であるいは適切な分散媒に分散させてペースト状に調製して、正負の集電体に供給する。そして正負の電極構成材料が所望の目付量や密度等を達成するよう成形(典型的には圧延)することで、正負の電極を用意することができる。このように用意した正負の電極(およびセパレータ)を用いて、上記に説明したように重ね合わせて捲回することで、捲回型電極体20を構成することができる。
また、工程(a2)については、例えば上記で説明した二次電池の組み立て手法に従って、電池組立体を用意することができる。
工程(a3)については、上記組立体の正極と負極の端子間に外部電源を接続し、所定の充電レートで、当該電池の駆動電圧領域(例えば、2.7〜4.1V)を含む電圧範囲で充電することで実施することができる。この充電は、1回行うことでもよいし、複数回(典型的には、2〜3回)行うことでもよい。これにより、組立体は電池として実際に使用可能な状態(すなわち、非水電解液二次電池100)に調整される。
また、工程(a2)については、例えば上記で説明した二次電池の組み立て手法に従って、電池組立体を用意することができる。
工程(a3)については、上記組立体の正極と負極の端子間に外部電源を接続し、所定の充電レートで、当該電池の駆動電圧領域(例えば、2.7〜4.1V)を含む電圧範囲で充電することで実施することができる。この充電は、1回行うことでもよいし、複数回(典型的には、2〜3回)行うことでもよい。これにより、組立体は電池として実際に使用可能な状態(すなわち、非水電解液二次電池100)に調整される。
[製造方法2]
また、2つ目の製造方法は、以下の(b1)〜(b3)の工程を含むものである。
(b1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、過充電時にガスを発生する過充電添加剤を含む非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(b2)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと。
(b3)上記コンディショニング処理後の電池組立体に対し、少なくとも60℃以上85℃以下の温度範囲で5分間以上2時間以下保持する局所高温エージング処理を施すこと。
また、2つ目の製造方法は、以下の(b1)〜(b3)の工程を含むものである。
(b1)長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、過充電時にガスを発生する過充電添加剤を含む非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること。
(b2)上記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと。
(b3)上記コンディショニング処理後の電池組立体に対し、少なくとも60℃以上85℃以下の温度範囲で5分間以上2時間以下保持する局所高温エージング処理を施すこと。
このような構成によっても、最外周部分の容量が、最内周部分の容量よりも所定の割合だけ小さくなるよう構成された捲回型電極体を備える、上記の非水電解二次電池を製造することができる。
この製造方法2では、上記製造方法1のように予め最外周の容量が低減された捲回型電極体20を用意するのではなく、上方に従って作成した捲回型電極体20に対し工程(b3)の局所高温エージング処理を施すことで、最外周の容量を低減するようにしている。具体的には、上記工程(b1)において、予め、非水電解液に過充電添加剤を添加しておく。そして、上記電池組立体に対し、コンディショニング処理工程(b2)の後に、少なくとも上記の局所高温エージング処理を施すことで、捲回型電極体20の最外周部分の容量COが、最内周部分の容量CIよりも所定の最外周容量低減率Rだけ小さくなるよう調整するようにしている。
この製造方法2では、上記製造方法1のように予め最外周の容量が低減された捲回型電極体20を用意するのではなく、上方に従って作成した捲回型電極体20に対し工程(b3)の局所高温エージング処理を施すことで、最外周の容量を低減するようにしている。具体的には、上記工程(b1)において、予め、非水電解液に過充電添加剤を添加しておく。そして、上記電池組立体に対し、コンディショニング処理工程(b2)の後に、少なくとも上記の局所高温エージング処理を施すことで、捲回型電極体20の最外周部分の容量COが、最内周部分の容量CIよりも所定の最外周容量低減率Rだけ小さくなるよう調整するようにしている。
非水電解液に過充電添加剤を含む電池組立体は、初期充電処理により充電された状態で、例えば、45℃以上95℃以下の温度に晒すことで、電極容量が低減される。かかる高温環境において、正極表面(例えば、正極活物質および導電材の表面)に過充電添加剤が効率的に固定化され、電極容量の低減に寄与するものと考えられる。そしてこの高温環境に晒す時間を、5分間以上2時間以下とすること(局所高温エージング処理)で、捲回型電極体の最外周側から内周側に向かって局所的に電極容量を低減することができる。これらの局所高温エージング処理の温度と時間との関係は、例えば、対象とする非水電解質二次電池の構成(例えば、電池ケースの素材や厚み、電池ケースと捲回型電極体の最外周部分との間の熱伝導性等)に応じて適宜調整することができる。
局所高温エージング処理の温度は、短時間で局所的な電極容量の低減を実現し得るとの観点から、概60℃以上、例えば65℃以上であるのが好ましく、より好ましくは70℃以上(70℃超過)、さらに好ましくは75℃以上である。しかしながら、高すぎる温度での処理は電極の容量および他の電池特性を損なう原因となり得る。したがって、局所高温エージング処理の温度の上限は、95℃とするのが好適であり、例えば85℃以下とすることができる。
局所高温エージング処理の時間は、長大すぎると捲回型電極体の中心、すなわち最内周部分にまでエージングの作用が及び得る。したがって、2時間を超える処理は、局所的に電極容量を低減する効果が得られない虞があるために好ましくない。かかる観点から、局所高温エージング処理の時間は、1.5時間以下であることが好ましく、1時間以下であることがより好ましく、40分間以下であることがさらに好ましい。しかしながら、局所高温エージングの処理時間が短すぎると、最外周部分の容量を十分に低減できないおそれがある。したがって、局所高温エージング処理の時間は、5分間以上を目安とすることができる。
このような条件で局所高温エージング処理を施すことで、上記の最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たす非水電解液二次電池を簡便かつ好適に製造することができる。
局所高温エージング処理の時間は、長大すぎると捲回型電極体の中心、すなわち最内周部分にまでエージングの作用が及び得る。したがって、2時間を超える処理は、局所的に電極容量を低減する効果が得られない虞があるために好ましくない。かかる観点から、局所高温エージング処理の時間は、1.5時間以下であることが好ましく、1時間以下であることがより好ましく、40分間以下であることがさらに好ましい。しかしながら、局所高温エージングの処理時間が短すぎると、最外周部分の容量を十分に低減できないおそれがある。したがって、局所高温エージング処理の時間は、5分間以上を目安とすることができる。
このような条件で局所高温エージング処理を施すことで、上記の最外周容量低減率Rが、0.3≦R≦3を満たす非水電解液二次電池を簡便かつ好適に製造することができる。
なお、製造方法2において、工程(b1)において添加する過充電添加剤は、公知の過充電添加剤の1種または2種以上を特に制限なく用いることができる。かかる過充電添加剤としては、酸化電位がリチウム二次電池の稼動電圧以上(例えば、現在広く用いられているリチウム二次電池の場合では4.2V以上)であって、酸化されると大量のガスを発生するような化合物であれば特に限定なく用いることができる。例えば、過充電防止剤としては、以下の化学式(I)で示されるシクロヘキシルベンゼン(CHB)や4−アルキルシクロヘキシルベンゼン、もしくはビフェニル(BP)が好適例として挙げられる。
ここで、化学式(I)中、Rは水素原子もしくは炭素数1〜6の直鎖、分岐、または環状のアルキル基である。Rで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。中でも炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、例えばn−ブチル基を備えたtrans−4−ブチルシクロヘキシルベンゼンが好適例として挙げられる。
この過充電添加剤は、非水電解液中に0.1質量%〜4質量%(例えば0.2質量%〜3質量%)の割合で添加するのが好適な例として示される。なお、製造後の電池において、この過充電添加剤は、典型的には、非水電解液中に含まれているが、正極の表面に固定されて含まれている場合もあり得る。また、正極の表面で一部が分解されて分解生成物の形態(過充電添加剤がCHBの場合、分解生成物の一部はBPであり得る。)で存在している場合もあり得る。
この過充電添加剤は、非水電解液中に0.1質量%〜4質量%(例えば0.2質量%〜3質量%)の割合で添加するのが好適な例として示される。なお、製造後の電池において、この過充電添加剤は、典型的には、非水電解液中に含まれているが、正極の表面に固定されて含まれている場合もあり得る。また、正極の表面で一部が分解されて分解生成物の形態(過充電添加剤がCHBの場合、分解生成物の一部はBPであり得る。)で存在している場合もあり得る。
また、工程(b2)のコンディショニング処理の条件は特に制限されず、常法に従って実施することができる。例えば、0.1〜10C程度の充電レートで、正負極端子間の電圧(典型的には最高到達電圧)が電池組立体のSOCがおよそ60%以上(典型的には80%以上、例えば90〜105%)の範囲となるような電圧範囲にまで充電することが例示される。例えば、4.2Vで満充電となる電池では、およそ3.8〜4.2Vの範囲に調整することが例示される。なお、充電処理は1回でもよく、例えば放電処理を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。
なお、製造方法1において、工程(a1)のコンディショニング処理の他に、電池特性等を向上させる各種の処理を組み合わせて行うことができる。また、製造方法2においても、工程(b2)のコンディショニング処理、および、工程(b3)の局所高温エージング処理の他に、電池特性等を向上させる各種の処理を組み合わせて行うようにしてもよい。このような処理の一例として、上記局所高温エージング処理とは区別される、公知のエージング処理が挙げられる。かかるエージング処理は、充電状態にある電池組立体を、一定の高温下または常温下に一定時間静置する処理であり得る。このエージング処理は、捲回型電極体の全体に略均一に所定のエージング処理を施すことを目的としている点で、局所高温エージング処理とは区別される。このようなエージング処理としては、例えば、20℃〜60℃(より好適には、40℃〜60℃)の温度範囲で1時間〜240時間(より好適には1時間〜48時間)程度保持する処理が例示される。このようなエージング処理によって、例えば、電極体内に混入した金属異物を無害化処理したり、微小短絡の有無を検査して電池品質を管理したりすることができる。このエージング処理は、コンディショニング処理の後であれば、いずれのタイミングで行っても良い。例えば、製造方法2における工程(b3)の局所高温エージング処理の前に行っても良いし、後に行っても良い。
ここに開示される非水電解液二次電池100は各種用途に利用可能であるが、従来品と同等の電池性能(例えば、高エネルギー密度,高入出力特性およびサイクル特性等)と、安全性とを兼ね備えたものであり得る。また、これらの優れた電池性能と信頼性(過充電時の安全性を包含する。)とを高いレベルで両立可能なものであり得る。したがって、このような特徴を活かして、高容量(例えば、理論容量が10〜100Ah)で、かつ、高エネルギー密度,高入出力密度およびサイクル特性等が要求される用途ならびに高い信頼性を要求される用途で、特に好ましく用いることができる。かかる用途としては、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。かかる非水電解液二次電池は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
以下、具体的な実施例として、ここに開示される非水電解液二次電池を作製し、その特性について評価した。なお、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[評価用リチウムイオン電池の構築]
[正極]
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NCM、平均粒径6μm、比表面積0.7m2/g)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比がNCM:AB:PVdF=91:6:3となるよう秤量し、固形分濃度(NV)がおよそ50質量%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)を加えて混練することで、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体としての厚み15μmの長尺のアルミニウム箔の両面で、長手方向の一方の端部から幅94mmの領域に、片面当たりの目付量が13.5mg/cm2となるよう帯状に塗布し、乾燥(乾燥温度80℃、5分間)することにより、正極シートを作製した。そして、これを圧延プレスして、正極活物質層の密度が約2.6g/cm3となるよう調整した。なお、圧延プレス後の正極活物質層の厚みは片面当たり約50μm(正極全体で115μm)であった。
[評価用リチウムイオン電池の構築]
[正極]
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NCM、平均粒径6μm、比表面積0.7m2/g)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比がNCM:AB:PVdF=91:6:3となるよう秤量し、固形分濃度(NV)がおよそ50質量%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)を加えて混練することで、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体としての厚み15μmの長尺のアルミニウム箔の両面で、長手方向の一方の端部から幅94mmの領域に、片面当たりの目付量が13.5mg/cm2となるよう帯状に塗布し、乾燥(乾燥温度80℃、5分間)することにより、正極シートを作製した。そして、これを圧延プレスして、正極活物質層の密度が約2.6g/cm3となるよう調整した。なお、圧延プレス後の正極活物質層の厚みは片面当たり約50μm(正極全体で115μm)であった。
[負極]
負極活物質としての黒鉛(C、平均粒径25μm、比表面積2.5m2/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの質量比がC:SBR:CMC=98:1:1となるように秤量し、イオン交換水を加えて混練することで、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての厚み10μmの長尺の銅箔の両面で、長手方向の一方の端部から幅100mmの領域に、片面当たりの目付量が7.3mg/cm2となるよう帯状に塗布し、乾燥(乾燥温度100℃、5分間)することにより、負極シートを作製した。そして、これを圧延プレスして、負極活物質層の密度が約1.1g/cm3となるように調整した。なお、圧延プレス後の負極活物質層の厚みは片面当たり約60μm(負極全体で130μm)であった。
負極活物質としての黒鉛(C、平均粒径25μm、比表面積2.5m2/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの質量比がC:SBR:CMC=98:1:1となるように秤量し、イオン交換水を加えて混練することで、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての厚み10μmの長尺の銅箔の両面で、長手方向の一方の端部から幅100mmの領域に、片面当たりの目付量が7.3mg/cm2となるよう帯状に塗布し、乾燥(乾燥温度100℃、5分間)することにより、負極シートを作製した。そして、これを圧延プレスして、負極活物質層の密度が約1.1g/cm3となるように調整した。なお、圧延プレス後の負極活物質層の厚みは片面当たり約60μm(負極全体で130μm)であった。
[セパレータ]
セパレータとしては、幅が105mmで、総厚みが平均25μmの、ポリエチレン(PE)の両面をポリプロピレン(PP)で挟んだ形態の3層構造(PP/PE/PP)の長尺の微多孔質シートを用いた。
セパレータとしては、幅が105mmで、総厚みが平均25μmの、ポリエチレン(PE)の両面をポリプロピレン(PP)で挟んだ形態の3層構造(PP/PE/PP)の長尺の微多孔質シートを用いた。
上記で用意した正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、断面楕円形状に捲回した。この時、負極活物質層が幅方向で正極活物質層を覆うとともに、正極集電体の露出部と負極集電体の露出部とが幅方向で異なる側で突出するように、正極と負極とを配置させた。また、セパレータは、HRLを正極側に向けて、正負の活物質層を絶縁するように配置した。捲回体は、常温(25℃)にて4kN/cm2の圧力で2分間平板プレスし、扁平形状に成形することで、捲回型電極体とした。
次いで、電池ケースの封口体に正極端子および負極端子を取り付け、これらの端子を、集電端子を介して、捲回型電極体から突出している正極集電体露出部と負極集電体露出部とにそれぞれ溶接した。そして、このようにして封口体と連結された捲回型電極体を、アルミニウム製の角型(幅150mm×高さ90mm×厚み26mm)の電池ケース本体の開口部からその内部に収容し、開口部と封口体を溶接した。なお、電池ケースは、CIDが設けられていないものを使用した。
非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を1.0mol/Lの濃度で、また、過充電添加剤としてのCHBを0.2質量%の割合で、溶解させたものを用いた。そして、上記電池ケースの蓋体に設けられた注入孔から非水電解液を注入し、評価用のリチウムイオン電池(理論容量30Ah)を構築した。
[外周容量調整処理]
上記のように作製したリチウムイオン電池について、25℃の下、正負極の端子間電圧が4.1Vとなるまで0.1Cの充電レートで充電し、10分間休止した後、0.1Cの放電レートで3.0Vまで定放電させる操作を3回繰り返すコンディショニング処理を施した。なお、1Cとは、正極の理論容量より予測した電池容量(Ah)を1時間で充電できる電流値を意味する。
そしてコンディショニング処理後のリチウムイオン電池に対し、下記の例1〜8のいずれかの加熱処理(外周容量調整処理)を施した。
上記のように作製したリチウムイオン電池について、25℃の下、正負極の端子間電圧が4.1Vとなるまで0.1Cの充電レートで充電し、10分間休止した後、0.1Cの放電レートで3.0Vまで定放電させる操作を3回繰り返すコンディショニング処理を施した。なお、1Cとは、正極の理論容量より予測した電池容量(Ah)を1時間で充電できる電流値を意味する。
そしてコンディショニング処理後のリチウムイオン電池に対し、下記の例1〜8のいずれかの加熱処理(外周容量調整処理)を施した。
(例1)
60℃で20時間保持した。
(例2)
70℃で20時間保持した。
(例3)
80℃で20時間保持した。
(例4)
80℃で40時間保持した。
60℃で20時間保持した。
(例2)
70℃で20時間保持した。
(例3)
80℃で20時間保持した。
(例4)
80℃で40時間保持した。
(例5)
70℃で19時間保持した後、80℃で10分間保持した。
(例6)
70℃で19時間保持した後、80℃で20分間保持した。
(例7)
70℃で15時間保持した後、80℃で1時間保持した。
(例8)
60℃で15時間保持した後、80℃で1時間保持した。
70℃で19時間保持した後、80℃で10分間保持した。
(例6)
70℃で19時間保持した後、80℃で20分間保持した。
(例7)
70℃で15時間保持した後、80℃で1時間保持した。
(例8)
60℃で15時間保持した後、80℃で1時間保持した。
[内周・外周容量測定]
上記の外周容量調整処理後のリチウムイオン電池を、開回路電圧が3.0Vとなるまで放電させてから解体し、捲回型電極体を取り出した。次に、取り出した捲回型電極体を、長尺の正極/セパレータ/負極/セパレータの積層の状態に展開しつつ、捲回型電極体の最外周部分(1周分)と、最内周部分(1周分)とを切り出し、各々の中心部を直径15mmの円形に打ち抜いて電極試験片とし、容量測定に供した。
上記の外周容量調整処理後のリチウムイオン電池を、開回路電圧が3.0Vとなるまで放電させてから解体し、捲回型電極体を取り出した。次に、取り出した捲回型電極体を、長尺の正極/セパレータ/負極/セパレータの積層の状態に展開しつつ、捲回型電極体の最外周部分(1周分)と、最内周部分(1周分)とを切り出し、各々の中心部を直径15mmの円形に打ち抜いて電極試験片とし、容量測定に供した。
容量測定は、以下の手順で行った。すなわち、まず、電極試験片の活物質層が形成されている部分の面積を測定した。そして、電極試験片の正極の集電体露出部と負極の集電体露出部に外部電極端子を接続し、上記と同様の非水電解液と共にラミネートフィルム製のバッグに挿入し、シールすることで、容量測定用のラミネートセルを構築した。そしてこのラミネートセルについて、25℃の下、1mAの定電流(CC)で正負極の端子間電圧が4.1Vとなるまで充電したのち、充電時間の合計が10時間となるまで4.1Vの定電圧(CV)で充電し、次いで、1mAの定電流(CC)で3.0Vまで放電したのち、放電時間の合計が10時間となるまで3.0Vの定電圧(CV)で放電する充放電を実施した。そしてこの時の放電容量を、当該電極試験片の容量とした。
この容量測定は、各例10個ずつの電池について行った。そして、容量測定の結果から、電極の最外周部分の単位面積当たりの容量COnと、最内周部分の単位面積当たりの容量CInとをそれぞれ算出し、それらの平均値を表1のCO,CIの欄に示した。また、電極の、最内周部分の単位面積当たりの容量COに対する、最外周部分の単位面積当たりの容量CIの減少率を次式:(1−CO/CI)×100;に基づき算出し、併せて表1に示した。
この容量測定は、各例10個ずつの電池について行った。そして、容量測定の結果から、電極の最外周部分の単位面積当たりの容量COnと、最内周部分の単位面積当たりの容量CInとをそれぞれ算出し、それらの平均値を表1のCO,CIの欄に示した。また、電極の、最内周部分の単位面積当たりの容量COに対する、最外周部分の単位面積当たりの容量CIの減少率を次式:(1−CO/CI)×100;に基づき算出し、併せて表1に示した。
[過充電試験]
上記の外周容量調整処理後のリチウムイオン電池に対し、正負極の端子間電圧が上限充電電圧(4.2V)を超える10Vの過充電状態となるまで0.67C(20A)の定電流(CC)で充電し、10分間静置した後、正負極の端子間電圧を計測した。電圧は、各例10個の電池について測定した結果の平均値を、表1の「10分後電圧」の欄に示した。
上記の外周容量調整処理後のリチウムイオン電池に対し、正負極の端子間電圧が上限充電電圧(4.2V)を超える10Vの過充電状態となるまで0.67C(20A)の定電流(CC)で充電し、10分間静置した後、正負極の端子間電圧を計測した。電圧は、各例10個の電池について測定した結果の平均値を、表1の「10分後電圧」の欄に示した。
表1に示されるように、同一の構成の評価用のリチウムイオン電池(電池組立体)であっても、コンディショニング処理後の加熱処理の内容によって、最内周部分と最外周部分との電極容量が異なり得ることがわかった。
すなわち、例1〜4に示されるように、捲回型電極体に高温エージングに相当する温度(ここでは60℃〜80℃)での加熱処理を施すに際し、例えば15時間以上と、十分に長い時間をかけると、捲回型電極体の最外周部分と最内周部分とに均一に高温エージング処理が作用し、加熱処理後の捲回型電極体の最外周部分と最内周部分とで容量の差は見られないことがわかった。また、この高温エージングの温度が高い程、そしてエージング処理時間が長い程、捲回型電極体の容量が最外周部分および最内周部分共に低減されることがわかった。
すなわち、例1〜4に示されるように、捲回型電極体に高温エージングに相当する温度(ここでは60℃〜80℃)での加熱処理を施すに際し、例えば15時間以上と、十分に長い時間をかけると、捲回型電極体の最外周部分と最内周部分とに均一に高温エージング処理が作用し、加熱処理後の捲回型電極体の最外周部分と最内周部分とで容量の差は見られないことがわかった。また、この高温エージングの温度が高い程、そしてエージング処理時間が長い程、捲回型電極体の容量が最外周部分および最内周部分共に低減されることがわかった。
例5〜8では、全体の加熱処理量が例1〜4よりも少なくなる範囲で、1回目の高温エージングにより高温かつ短時間の2回目の高温エージングを付加する2段階の加熱処理を行った。2回目の高温エージングが、ここに開示される局所高温エージング処理に相当する。その結果、2回目のより高温かつ短時間の高温エージングでは、捲回型電極体の最内周部分にまで加熱処理の効果が及ばず、捲回型電極体の最内周部分の容量は維持されたまま、最外周部分の容量が低減されることが確認された。換言すると、2回目の高温エージングによると、捲回型電極体の最外周部分に局所的に高温エージング処理を施すことが可能なことがわかった。延いては、捲回型電極体の最外周部分の容量を局所的に低減できることがわかった。
また、例1〜4の過充電10分後の電圧はいずれも3.5V未満(例えば3.45V以下)であり、例5〜8の10分後電圧は3.5V以上(例えば3.55V以下)であり、加熱処理の内容により過充電後の電圧降下量に有意な差が見られた。具体的には、捲回型電極体の最外周部分の電極容量が低減されている電池ほど、過充電後に電圧が高く維持されていることが確認できた。
なお、過充電後の電圧降下は、不可避的な自然放電に基づく電圧降下と、内部短絡による放電とが考えられる。そして、一般的な捲回型電極体は、内周側になるほど発熱が蓄積されて、過充電時には内周部分に短絡が発生しやすいことが知られている。このことから、例1〜4の電池における過充電後の電圧降下は内部短絡の発生によるものであると考えられる。そして例5〜8の電池における過充電後の電圧降下の減少は、内部短絡の発生が抑制されたことによるものであると考えられる。すなわち、例5〜8の電池においては、捲回型電極体の最内周部分よりも最外周部分の容量が低減されていた。つまり、外周側ほど容量が低減されていると考えられる。したがって、過充電試験において過充電状態となったとき、外周側は実際の容量低下量に相当する分だけ、内周側より過充電状態が進行される。これにより、外周側の過充電による発熱も進行され、蓄熱により温度上昇される内周側との温度ムラが抑制されたと考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。例えば、以上のことから、捲回型電極体の最外周部分の容量を最内周部分よりも所定の割合だけ低減しておくことで、非水電解液二次電池の過充電時の安全性が向上されることが確認された。この捲回型電極体の最外周部分の容量調整は、上記実施形態に例示したように、初期充電後の短時間の高温エージングにより好適に実現できることが確認された。しかしながら、当業者であれば、かかる容量調整は、以上の例示に限定されることなく、最内周部分の活物質層を減らすなどして行い得ることは容易に理解することができる。このように、本出願の請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 電池ケース
12 ケース本体
14 封口体
20 電極体
30 正極(正極シート)
32 正極集電体
33 正極集電体露出部
34 正極活物質層
40 負極(負極シート)
42 負極集電体
43 負極集電体露出部
44 負極活物質層
50 セパレータ
60 正極端子
70 負極端子
82 安全弁
100 電池
12 ケース本体
14 封口体
20 電極体
30 正極(正極シート)
32 正極集電体
33 正極集電体露出部
34 正極活物質層
40 負極(負極シート)
42 負極集電体
43 負極集電体露出部
44 負極活物質層
50 セパレータ
60 正極端子
70 負極端子
82 安全弁
100 電池
Claims (9)
- 長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、非水電解液とが、電池ケースに収容されている非水電解液二次電池であって、
前記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、
前記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとしたとき、次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、
0.3≦R≦3
を満たす、非水電解液二次電池。 - 前記最外周容量低減率Rは、0.95≦R≦1.1を満たす、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
- 前記非水電解液は、過充電時に分解されてガスを発生する過充電添加剤を含む、請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
- 前記電池ケースは、外部接続用端子を備えており、
過充電時に前記捲回型電極体と前記外部接続用端子との間の導電経路を遮断する電流遮断装置を備えていない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。 - 前記正極および前記負極は、
長尺の電極集電体の長手方向に沿う一方の端部に集電体露出部が設けられ、前記集電体露出部以外の部分に電極活物質層が備えられているとともに、
前記正極の集電体露出部と、前記負極の集電体露出部とが、前記長手方向に直交する幅方向の反対側に突出するように配置され、前記幅方向を軸として捲回されており、
前記捲回型電極体は、
前記正極および前記負極の集電体露出部をそれぞれ集積した集電部において、前記正極および前記負極から集電するよう構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。 - 前記捲回型電極体は、前記軸に直交する方向に拉げた形状の扁平捲回型電極体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
- 前記セパレータの融点は、前記正極に含まれる正極活物質に応じて決定される異常発熱温度よりも低い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
- 長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体を用意すること、ここで、前記捲回型電極体は、
前記捲回型電極体の最内周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCIとし、
前記捲回型電極体の最外周を構成する部分の電極の単位面積あたりの容量をCOとしたとき、
次式:R=(1−CO/CI)×100で規定される最外周容量低減率Rが、
0.3≦R≦3
を満たすよう構成する、
前記捲回型電極体と、非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること、
前記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと、
を含む、非水電解液二次電池の製造方法。 - 長尺の正極および負極がセパレータを介して対向配置されて捲回されてなる捲回型電極体と、過充電時にガスを発生する過充電添加剤を含む非水電解液と、を電池ケースに収容した電池組立体を用意すること、
前記電池組立体に対し、コンディショニング処理を施すこと、
前記コンディショニング処理後の電池組立体に対し、少なくとも40℃以上95℃以下の温度範囲で5分間以上2時間以下保持する局所高温エージング処理を施すこと、
を含む、非水電解液二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014181737A JP2016058169A (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | 非水電解液二次電池とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014181737A JP2016058169A (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | 非水電解液二次電池とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016058169A true JP2016058169A (ja) | 2016-04-21 |
Family
ID=55758637
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2014181737A Pending JP2016058169A (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | 非水電解液二次電池とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016058169A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019530150A (ja) * | 2016-09-09 | 2019-10-17 | アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド | エアロゾル送達装置のための電源 |
| CN116264318A (zh) * | 2021-12-14 | 2023-06-16 | 泰星能源解决方案有限公司 | 非水电解液二次电池和组电池 |
| WO2024114423A1 (zh) * | 2022-11-29 | 2024-06-06 | 瑞浦兰钧能源股份有限公司 | 电池电芯、电池及用电装置 |
-
2014
- 2014-09-05 JP JP2014181737A patent/JP2016058169A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| CN116264318A (zh) * | 2021-12-14 | 2023-06-16 | 泰星能源解决方案有限公司 | 非水电解液二次电池和组电池 |
| WO2024114423A1 (zh) * | 2022-11-29 | 2024-06-06 | 瑞浦兰钧能源股份有限公司 | 电池电芯、电池及用电装置 |
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