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JP2015193871A - Fe−Ni系合金薄板及びその製造方法 - Google Patents

Fe−Ni系合金薄板及びその製造方法 Download PDF

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JP2015193871A JP2014071426A JP2014071426A JP2015193871A JP 2015193871 A JP2015193871 A JP 2015193871A JP 2014071426 A JP2014071426 A JP 2014071426A JP 2014071426 A JP2014071426 A JP 2014071426A JP 2015193871 A JP2015193871 A JP 2015193871A
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岡本 拓也
Takuya Okamoto
拓也 岡本
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Abstract

【課題】 厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、広幅化となっても優れたハンドリング性を具備することが可能なFe−Ni系合金薄板とその製造方法を提供する。【解決手段】 質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなり、厚さが2mm以上の熱間圧延材を用いて冷間圧延用素材とし、圧下率を90%以上、最終圧延パスの圧延張力を4〜6MPaとする冷間圧延を行い、厚さが0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板とし、前記冷間圧延工程中と冷間圧延工程後には熱処理を行わないFe−Ni系合金薄板の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、リードフレームやメタルマスク等に使用されるFe−Ni系合金薄板及びその製造方法に関するものである。
例えば、リードフレームやメタルマスク等に使用されるFe−Ni系合金薄板には、例えば、エッチングやプレス等の工程に供するために各種の特性が要求されている。このFe−Ni系合金薄板は、通常、仕上圧延前後に歪取り焼鈍や軟化焼鈍が行われて、結晶方位の調整がなされ、所望の要求特性を満足するように仕上げられている。
一方で、本願出願人は、例えば、特開平6−172928号公報(特許文献1)として、質量%でNi:30〜60%を含有するFe−Ni系合金でなるリードフレーム材料であり、板幅方向に垂直な断面内での検鏡で繊維状の圧延組織を有し、かつ圧延面の{100}方位集積度が50%以上であるエッチング性に優れるリードフレーム材料や、特開平6−279946号公報(特許文献2)として、質量%で、Ni:30〜40%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるFe−Ni系アンバー合金でなるシャドウマスク材料において、圧延面の{100}方位集積度が85%以上であり、かつ、板幅方向に垂直な断面内での検鏡で繊維状の圧延組織を有するエッチング性に優れるシャドウマスク材料の発明を提案している。
特開平06−172928号公報 特開平06−279946号公報
前述の特許文献1や特許文献2の発明は、冷間圧延工程にて所望の板厚として、その後に650〜1000℃の温度範囲で焼鈍を行ったものである。
ところで、Fe−Ni系合金薄板は、使用用途、生産性の観点から今後益々広幅化、薄板化が要求される。それに伴い、ハンドリング性が重要となるが、前述の特許文献1や特許文献2のFe−Ni系合金薄板では、最後の焼鈍にて引張強度が低下してしまい、例えば、搬送中に僅かな応力が加わるとしわや折れが発生しやすくなる。このハンドリング性の問題に対しては、特許文献1や特許文献2の発明では十分な検討がなされていない。
本発明の目的は、厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、薄板化、広幅化となっても優れたハンドリング性を具備することが可能なFe−Ni系合金薄板とその製造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
即ち本発明は、質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなり、厚さが2mm以上の熱間圧延材を用いて冷間圧延用素材とし、前記冷間圧延用素材に対し、圧下率を90%以上、最終圧延パスの圧延張力を4〜6MPaとする冷間圧延を行い、厚さが0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板とし、前記冷間圧延工程中と冷間圧延工程後には熱処理を行わないFe−Ni系合金薄板の製造方法である。
好ましくは、前記冷間圧延用素材の硬さが200HV以下であるFe−Ni系合金薄板の製造方法である。
更に好ましくは、前記冷間圧延工程で用いるワークロールは合金工具鋼ロールであるFe−Ni系合金薄板の製造方法である。
本発明の冷間圧延工程で用いる圧延機は、UCミル、HCミル、クラスターミル、ゼンジミアミルの何れかであることが好ましい。
また本発明は、質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなり、厚さが0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板において、前記Fe−Ni系合金薄板は、金属組織が圧延組織を呈し、硬さが250HV以上、引張強度が900MPa以上のFe−Ni系合金薄板である。
好ましくは、前記Fe−Ni系合金薄板の700mm長さにおける急峻度は、0.75%以下のFe−Ni系合金薄板である。
本発明によれば、厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、広幅化となっても優れたハンドリング性を具備することができる。また、従来のFe−Ni系合金薄板を製造する際に行っていた、最後の熱処理も省略することが可能であり、省エネ効果を高め、経済的である。
本発明と従来例のFe−Ni系合金薄板の板幅方向に垂直な断面での顕微鏡写真である。 曲げ試験実施後の試験片の外観写真である。
以下に本発明を詳しく説明する。
先ず、本発明で用いる熱間圧延材から説明する。
<熱間圧延材組成>
本発明では、質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなる組成を有する熱間圧延材を準備する。本発明で規定する組成を有するFe−Ni系合金は、所望の熱膨張係数を得るために必要な組成を有するものである。
Ni+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)
Ni及びCoは前述のように、所望の熱膨張係数を得るために必要な元素である。Ni+Co含有量が35%未満ではオーステナイト組織が不安定となやすく、一方43%を越えると熱膨張率が上昇し、低熱膨張特性を満足しないことから、Ni+Coの含有量は35〜43%とする。なお、Coは必ずしも添加の必要はないが、CoにはFe−Ni系合金を高強度とする作用があるため、特に厳しいハンドリング性を求められるような、薄い板厚では6.0%までの範囲で、Niの一部をCoで置換することができる。
Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下
Si、Mnは通常Fe−Ni系合金では、脱酸を目的に微量含有されているが、過剰に添加すれば偏析を起こし易くなるため、Siは0.5%以下とし、Mnは1.0%以下とする。なお、SiとMnの下限は特に限定しないが、前述のように脱酸元素として添加されることから、Siは0.05%、Mnは0.05%は少なからず残留する。
残部はFe及び不純物
上記の元素以外は実質的にFeであれば良いが、製造上不可避的に含有する不純物は含まれる。特に制限の必要な元素にはCがあり、例えば、エッチングを行う用途に使用するのであれば、その上限を0.05%とすると良い。
また、プレス打抜き性を向上させる場合はS等の快削性元素を0.005%〜0.020%含有させても良い。なお、0.005%未満の範囲であってもプレス打抜き性は改善させる。熱間加工性を向上させるようなB等の元素を0.0005〜0.0050%含有させても良い。
<熱間圧延材厚さ:2mm以上>
本発明で用いる熱間圧延材は、その厚さを2mm以上とする。熱間圧延材の厚さが2mm未満となると、本発明で規定する圧下率90%以上の冷間圧延が行えないおそれがある。また、熱間圧延材の厚さを2mm未満としようとすると、特殊な圧延設備が必要になる場合がある。そのため、本発明では熱間圧延材の厚さを2mm以上とする。
なお、熱間圧延材の厚さを厚くすると圧下率を高くすることが可能であるが、一方で、冷間圧延工程中のパス回数が増えたり、圧延中のFe−Ni系合金の形状の調整が困難になる場合があるため、5mmの厚さを上限とするのが現実的である。
<冷間圧延用素材>
本発明では、前述の熱間圧延材を用いて冷間圧延用素材とする。熱間圧延材には酸化層が形成されていることから、その酸化層を、例えば、機械的、或いは化学的に除去する。また、冷間圧延中の冷間圧延材のエッジから割れ等の不良が発生しないように、エッジを整えておいてもよい。このような加工を行って冷間圧延用素材とする。
また、本発明では、熱間圧延材を用いて冷間圧延用素材とした後は、軟化焼鈍や歪取り焼鈍と言った熱処理は行わないことから、予め冷間圧延材の硬さを低くしておくことが好ましい。硬さを200HV以下としておけば、90%以上の圧下率で冷間圧延しても、冷間圧延工程中で軟化焼鈍等の熱処理を確実に省略することができる。好ましくは160HV以下である。なお、前述の硬さは、熱間圧延材の硬さを測定しておくのが良い。もし、前述の硬さまで硬さの低下が見られないときは、熱間圧延材を軟化焼鈍を行えばよく、熱間圧延材であれば、表面に酸化層が形成されていることから、軟化焼鈍雰囲気を大気中で行うことができ、容易である。
次に、冷間圧延工程について、詳しく説明する。
<圧下率:90%以上>
本発明では、冷間圧延工程中の圧下率を90%以上とする。圧下率が90%未満であると、冷間圧延後のFe−Ni系合金薄板の硬さや引張強度が低くなる。そのため、0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板のハンドリング性が劣化して、例えば、搬送時にしわや折れ等が発生しやすくなる。好ましい圧下率は92%以上であり、更に好ましくは94%以上である。なお、圧下率の上限は特に定めないが、圧下率が99%を超えると、圧延中のFe−Ni系合金の形状調整が困難となる場合があるので、上限は99%とするのが現実的である。
なお、冷間圧延後の厚さは0.25mm以下とする。これは、本発明のFe−Ni系合金薄板を例えば、リードフレームに用いた場合では多ピン化に対応しやすく、また、メタルマスク(シャドーマスクと称される場合もある)に用いた場合は、エッチング加工による高精細化に対応が可能であるためである。
<圧延張力>
本発明では、最終圧延パスの圧延張力を4〜6MPaとする。前述のように本発明では90%以上の圧下率で冷間圧延を行う。そのために、複数回の圧延パスで所定の板厚としていくが、このうち、最終パスの圧延張力が最も急峻度に影響を及ぼす。そのため、最終圧延パスの圧延張力を適正なものとして冷間圧延材に優れた急峻度を付与する。この最終圧延パスの圧延張力の適正化により、冷間圧延を行って得られる冷間圧延材の急峻度を0.75%以下とすることができ、更に0.50%以下とすることも可能となる。
最終圧延パスの圧延張力が4MPa未満であると、所望の板厚に圧延するために必要な圧延荷重を高くしなければならなくなる。そうすると、圧延機が過負荷になると共に、形状調整が困難となる。一方、最終圧延パスの圧延張力は高いほど形状調整が容易になるが、圧延張力が6MPaを超えると圧延中のFe−Ni系合金薄板が破断するおそれがある。そのため、最終圧延パスの圧延張力は4〜6MPaとする。
なお、優れた急峻度のFe−Ni系合金薄板は、板幅が900mm以上の広幅のFe−Ni系合金薄板への適用が特に好ましい。広幅と優れた急峻度を要求されるような、例えば、メタルマスク用途等への素材として好適となる。
<ワークロール>
また、本発明の冷間圧延工程で用いるワークロールはJIS−G4404に規定される合金工具鋼ロールとするのが好ましい。なかでも、高速度工具鋼あるいは冷間金型用鋼とするのが良い。例えば、900mm以上の広幅材においては、板幅方向の形状変化があった場合、例えば、超硬ロールではヤング率が高く、剛性があるため、圧延機のロールベンディング機構を用いても形状調整が困難となる場合がある。幅方向の形状変化をより均一とすると共に、優れた急峻度を得やすくするには、適当なヤング率を有する高速度工具鋼あるいは冷間金型用鋼等の合金工具鋼のワークロールを用いるのが良い。
なお、特に規定はしていないが、ワークロールの直径も30〜180mmとするのが好ましい。本発明では、冷間圧延工程中に熱処理を行うことなく、強圧下と形状調整の両方を行うため、過度にワークロールの直径が大きいと冷間圧延時のパス回数が増加して生産性を劣化させるおそれがある。また、過度にワークロールの直径が小さいと、冷間圧延中のFe−Ni系合金の形状調整が困難となる場合がある。そのため、ワークロールの直径を30〜180mmとするのが良い。
<圧延機>
本発明の冷間圧延工程で用いる圧延機は、UCミル、HCミル、クラスターミル、ゼンジミアミルの何れかを用いることが好ましい。勿論、クロスミルやKTミルを用いることもできるが、前記のUCミル、HCミル、クラスターミル、ゼンジミアミルであれば、特に広幅のFe−Ni系合金の冷間圧延中に、厚さおよび形状の制御が容易である。例えば、UCミル、HCミルであれば、中間ロールやワークロールのベンディング機構を用いて、板幅方向での圧延荷重分布を調整することで、板幅方向の伸び率を制御し、良好な形状を得ることが可能である。また、クラスターミル、ゼンジミアミルであると、複数個のバックアップロールが一列に並ぶ構造のものがあり、バックアップロールによるロールベンディング機構を用いて、板幅方向での圧延荷重分布を調整することで、板幅方向の伸び率を制御し、良好な形状を得ることが可能である。
<熱処理省略>
本発明では、上述した冷間圧延加工の工程中には、軟化焼鈍や歪取り焼鈍と言った熱処理は行わない。一般的には熱処理により再結晶組織に整えるが、熱処理を行うと特にFe−Ni系合金薄板の引張強度が低下して、ハンドリング性を劣化させ、しわや折れ等の問題が発生しやすくなる。そのため、本発明では、冷間圧延加工工程中の熱処理は行わないことにする。また、熱処理の省略は仕上圧延後のFe−Ni系合金薄板についても同様である。これは、軟化焼鈍はもとより、0.25mm以下としたFe−Ni系合金薄板に対して、再結晶温度以下で熱処理を行っても、歪取り焼鈍を行うことで、材料内部に不安定な状態で残留している転移が、安定した状態となることで、歪が低減し伸びが回復すると共に、引張強さおよび硬さが低下する。引張強度が低下すると、前述の通りハンドリング性が低下することから、特に板厚の薄いFe−Ni系合金薄板には、冷間圧延工程中、冷間圧延工程後ともに高い引張強度を維持する目的で熱処理を省略する。熱処理の省略は、省エネ効果を高め、経済的である。
次に、上述した本発明のFe−Ni系合金薄板の製造方法で得られるFe−Ni系合金薄板について説明する。
<金属組織>
上述したように、本発明では金属組織が圧延組織を呈する。本発明で言う圧延組織とは、オーステナイト結晶粒が圧延方向に伸展した金属組織を言う。
<硬さ:250HV以上>
また、本発明でFe−Ni系合金薄板の硬さを250HV以上とするのは、硬さが250HV未満であると、ハンドリング性が劣化するおそれがあるためである。本発明では、圧下率で90%以上の強圧下を加えているため、Fe−Ni系合金薄板の硬さが250HVを満足する。好ましくは260HV以上である。なお、硬さの上限については特に規定しないが、特別な強化元素を含有しないことから、硬さの上限は350HV程度である。
<引張強度:900MPa以上>
また、特に重要なのは、前述の硬さと共に900MPa以上の引張強度の両立である。硬さと引張強度が共に高いと、例えば、搬送時のしわの発生や折れの発生を大きく軽減することができる。そのため、前述の硬さと共に、900MPa以上の引張強度が必要となる。なお、引張強度の上限は特に限定しないが、前述のように、特別な強化元素を含有しないことから、引張強度の上限は1300MPa程度である。この本発明で規定する硬さと引張強度の両立は、前述の通り、冷間圧延工程中、冷間圧延工程後ともに熱処理を行わないことである。
<急峻度>
本発明では、使用用途、生産性の観点から今後益々広幅化、薄板化が要求されることから、急峻度も低くした方が好ましく、冷間圧延した後、製品幅として長さを700mmとした際の急峻度が薄板を水平定盤に置いた状態の浮上り高さで評価し、0.75%以下とする。急峻度が過度に高いと、例えば、特に広幅化したFe−Ni系合金薄板を用いて高精細エッチングするような場合に、所望のエッチングパターンが得られない場合がある。そのため、急峻度の上限を0.75%以下とする。好ましくは0.50%以下である。なお、急峻度の下限は特に限定しないが、全く平坦な形状(急峻度0.00%)であることが最良である。但し、全く平坦な形状を製造することは極めて困難であるため、現実的な急峻度の下限は一定長さの薄板を水平定盤に置いた状態で評価し、最大値で0.01%程度である。
この急峻度の測定は、薄板を一定長さに切断し、水平定盤上に置き、レーザー変位計等を用いて、薄板の浮上り高さを測定する。この際、板幅および板長さ方向で、一定長さごとで浮上り高さをマトリックス状に記録したデータから、急峻度を算出すれば良い。
なお、本発明で700mmの長さで急峻度を測定するのは、急峻度測定する試験片の長さが短いと急峻度の測定結果の信頼性が低下する。一方、信頼性を高めるには試験片の長さを長くなるのが好ましいが、700mm以上の長さがあれば高い信頼性は維持できることから、本発明では700mmを急峻度を測定する長さとした。
真空溶解、均熱化熱処理、熱間プレス及び熱間圧延を行って厚さ3.0mmの熱間圧延材を準備した。熱間圧延材の硬さを測定したところ、170〜190HVであった。熱間圧延材の化学組成を表1に示す。
前述の熱間圧延材を化学研摩、機械研磨にて熱間圧延材表面の酸化層を除去し、トリム加工で素材幅方向の両端部にある熱間圧延時の亀裂を除去して厚さ2.35mmの冷間圧延用素材を準備した。なお、冷間圧延用素材の幅は1000mmである。
次に、前述の冷間圧用素材を、本発明例、比較例、従来例に分け、表2に示す工程で冷間圧延、焼鈍等の冷間加工を実施した。冷間圧延は、厚さの寸法制御が容易なUCミル、クラスターミルを用いて、Fe−Ni系合金薄板とした。
本発明例および比較例は、前述した冷間圧延用素材を用いて、圧下率を89%あるいは96%とし、10パスで圧延を行い、最終圧延パスの圧延張力を4.3〜5MPaとした。また、ワークロールは高速度工具鋼を用い、直径120mmを使用した。
前述の冷間加工工程を終えたFe−Ni系合金薄板から、各種試験片を採取し、それぞれの試験に供した。試験の結果を表3に纏めて示す。
ビッカース硬さはJIS−Z2244に規定された方法に従い、3点の平均値とした。荷重は10kgとした。また、引張強度はJIS−Z2241に規定された方法に従って行った。試験片はJIS13号B試験片である。また、表3に示す急峻度は冷間圧延した後、950mm(W)×700mm(L)に切断し、水平定盤に置いた状態の浮上り高さで評価した最大値を示す。
また、表4で示した本発明(No.1及びNo.2)および、従来例(No.5)の金属組織観察写真を図1に示す。組織観察写真は、圧延方向に平行な方向の断面を光学顕微鏡にて観察を行ったものである。なお、図1に示すものは、複数枚のFe−Ni系合金薄板を並べて観察したものである。
上記のように、本発明の製造方法を適用し得られたFe−Ni系合金薄板では、硬さ、引張強度共に十分高い値を示していることが分り、十分なハンドリング性を具備していると言える。また、急峻度も0.75%以下であり、1000mm程度の広幅材としても、十分低い急峻度を有している。また、No.1とNo.2を比較すると、圧延張力の高いNo.1の最大急峻度は、より低く良好な結果となっている。
一方で、仕上圧延後に600〜700℃の歪取り焼鈍を行ったものは、伸びが回復し、引張強度が低下しており、急峻度も悪化している。また、圧下率の不足したNo.4では硬さが十分でなく、急峻度も高くなっている。また、特許文献1や特許文献2で示されるように、冷間加工工程中に軟化焼鈍あるいは歪取り焼鈍を行った従来例No.5〜8では、やはり引張強度、硬さが十分でなく、ハンドリング性に問題がある。
また、ハンドリング性向上の効果検証のため、No.1とNo.5の冷間加工工程を終えたFe−Ni系合金薄板から、各種試験片を採取し、曲げ試験を実施した。曲げ試験は、JIS−Z2248に規定された方法で実施し、試験片を曲げ装置から取り外した後の材料変形角度(スプリングバック)で評価を行った。表4、図3に曲げ試験結果を示す。
表4の効果確認結果から、本発明品は従来材と比較し、5°程度変形角度が高いことから、変形抵抗が高くなり、ハンドリング性が向上していることが確認できる。
以上のことから、本発明によれば、厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、広幅化となっても優れたハンドリング性を具備することができる。また、従来のFe−Ni系合金薄板を製造する際に行っていた、最後の熱処理も省略することが可能であり、省エネ効果を高め、経済的である。
本発明によれば、優れたハンドリング性を実現できることから、特に薄いFe−Ni系合金薄板において、しわや折れ等を問題視する用途に対して好適な技術となる。

Claims (6)

  1. 質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなり、厚さが2mm以上の熱間圧延材を用いて冷間圧延用素材とし、前記冷間圧延用素材に対し、圧下率を90%以上、最終圧延パスの圧延張力を4〜6MPaとする冷間圧延を行い、厚さが0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板とし、前記冷間圧延工程中と冷間圧延工程後には熱処理を行わないことを特徴とするFe−Ni系合金薄板の製造方法。
  2. 前記冷間圧延用素材の硬さが200HV以下であることを特徴とする請求項1に記載のFe−Ni系合金薄板の製造方法。
  3. 前記冷間圧延工程で用いるワークロールは合金工具鋼ロールであることを特徴とする請求項1または2に記載のFe−Ni系合金薄板の製造方法。
  4. 前記冷間圧延工程で用いる圧延機は、UCミル、HCミル、クラスターミル、ゼンジミアミルの何れかであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のFe−Ni系合金薄板の製造方法。
  5. 質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなり、厚さが0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板において、前記Fe−Ni系合金薄板は、金属組織が圧延組織を呈し、硬さが250HV以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とするFe−Ni系合金薄板。
  6. 前記Fe−Ni系合金薄板の700mm長さにおける急峻度は、0.75%以下であることを特徴とする請求項5に記載のFe−Ni系合金薄板。

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