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JP2015189029A - 粉体付着抑制部材 - Google Patents

粉体付着抑制部材 Download PDF

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JP2015189029A
JP2015189029A JP2014066524A JP2014066524A JP2015189029A JP 2015189029 A JP2015189029 A JP 2015189029A JP 2014066524 A JP2014066524 A JP 2014066524A JP 2014066524 A JP2014066524 A JP 2014066524A JP 2015189029 A JP2015189029 A JP 2015189029A
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慶一 金澤
Keiichi Kanazawa
慶一 金澤
祐一 宮崎
Yuichi Miyazaki
祐一 宮崎
洋一郎 大橋
Yoichiro Ohashi
洋一郎 大橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】粒径の小さい粉体であっても付着が抑制される、粉体付着抑制部材を提供すること。【解決手段】基材の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が500nm以下であり、前記微小突起が、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、前記微小突起構造体側の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で90?以上である、粉体付着抑制部材。【選択図】図1

Description

本発明は、粉体付着抑制部材に関する。
粉体は一般に凝集力が大きく、物と接触するとそのまま付着することがある。粉体が付着して定着すると取り除くのが困難となる場合があり、その外観が悪化するだけでなく、基板などに付着した粉体は当該基板の故障の原因ともなり得る。
従来、埃等の付着を抑制する手法として、表面に撥水性や帯電防止性を付与する手法が検討されている。
例えば特許文献1には、埃やガムや粘着シート等の付着及び脂汚れを抑制する手法として、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが架橋された架橋体からなるコート層が積層された、特定の付着防止シートが開示されている。
特許文献2には、帯電防止性に優れ、粉体や塵埃等が静電付着し難くなる手法として、最外層に特定の脂肪族ポリアミド組成物からなる層が配置された特定のポリアミド系フィルムが開示されている。
特許文献3に、バインダ成分、導電性粒子、及びフッ素樹脂を含み、導電性粒子がバインダ成分によってつなぎ合わされるとともにバインダ成分が下地に密着し、導電性粒子の表面がフッ素樹脂により覆われた膜表面を備えた防汚膜が開示されている。
特許文献3によれば、バインダ成分の分散液と、導電性粒子の分散液と、フッ素樹脂の分散液とを混合して塗料とし、当該塗料を下地に塗布すれば上記防汚膜が形成できるとされている。しかしながら、上記塗料を塗布することにより防汚膜を形成する場合、その微細形状を所望の形状に制御することは困難である。そのため、特許文献3の図1に示されるような微細な凹凸部の繰り返し構造を形成することや、導電性微粒子の表面がフッ素樹脂により覆われた膜表面とすることも困難であった。
国際公開第2008/84847号パンフレット 特開2012−61851号公報 国際公開第2012/144121号パンフレット
本発明者らは、撥水性や帯電防止性が付与された表面であっても、粒径の小さい粉体の付着を十分に抑制することができないとの知見を得た。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、粒径の小さい粉体であっても付着が抑制される、粉体付着抑制部材を提供することを目的とする。
本発明に係る粉体付着抑制部材は、基材の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が500nm以下であり、
前記微小突起が、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
前記微小突起構造体側の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で90°以上であることを特徴とする。
本発明の粉体付着抑制部材においては、前記微小突起構造体の表面に、化学気相処理により付加されたフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を有することが、粉体の付着をより抑制できる点から好ましい。
本発明によれば、粒径の小さい粉体であっても付着が抑制される、粉体付着抑制部材を提供することができる。
図1は、本発明に係る粉体付着抑制部材の一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明に係る粉体付着抑制部材の別の一例を示す模式断面図である。 図3は、多峰性の微小突起の説明に供する断面図(a)、斜視図(b)、平面図(c)である。 図4は、ドロネー図の一例を示す図である。 図5は、微小突起構造体の一例を示す模式断面図である。 図6は、複数の微小突起によって構成される凸状突起群の斜視図(a)及び平面図(b)である。 図7は、ロール金型を用いた微小突起構造の形成方法の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る粉体付着抑制部材について説明する。
なお、本発明において付着とは、2つの物質が互いに接触し、分子間力によりくっついている状態をいう。
本発明に係る粉体付着抑制部材は、基材の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が500nm以下であり、
前記微小突起が、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
前記微小突起構造体側の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で90°以上であることを特徴とする。
上記本発明に係る粉体付着抑制部材について図を参照して説明する。図1及び図2は、本発明に係る粉体付着抑制部材の一例を示す模式断面図である。図1に示す粉体付着抑制部材10は、基材1の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体2を有し、隣接する微小突起間の距離dの平均が500nm以下となっている。そして、前記微小突起が、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有する。また図2に示す粉体付着抑制部材10は、基材1の表面に微小突起構造体2が一体となって形成されている。
本発明の粉体付着抑制部材は、表面に上記特定の微小突起構造体を有することにより、粉体の付着が抑制される。
上記特定の微小突起構造体表面において粉体の付着が抑制される作用としては、未解明の部分もあるが、以下のように推測される。
従来、帯電防止性を付与することにより、埃などの比較的大きなものの付着を抑制する方法は知られていた。しかしながら、本発明者らは、帯電防止性が付与された表面であっても、例えば400nm程度の粒径の小さい粉体の付着を十分に抑制することができないとの知見を得た。鋭意検討の結果、粒径の小さい粉体は分子間力として相対的にファンデルワールス力の影響が大きくなるとの知見を得た。ファンデルワールス力は、電気的に中性の原子、分子間において生じる凝集力であるため、表面に帯電防止性を付与しても、粒径の小さい粉体の付着抑制効果を得ることができなかった。
本発明の粉体付着抑制部材は、複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が500nm以下であり、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有する。上記微小突起群は複数の微小突起が密接して配置されてなるため、粉体が微小突起間に入り込みにくい。また、このような微小突起構造体2の表面に粉体が接触した場合、その接触面積が小さくなる結果、微小突起構造体2の表面と粉体との間に生じるファンデルワールス力は相対的に小さくなる。そのため、粒径の小さい粉体であっても付着が抑制される。
更に本発明の微小突起構造体側の表面は、純水の静的接触角が、θ/2法で90°以上であり疎水性である。静的接触角が大きい表面は一般に表面自由エネルギーが小さくなる傾向にある。そのため、粉体と微小突起構造体表面との水分を介した付着が抑制されるものと推測される。
<基材>
本発明に用いられる基材は、用途に応じて適宜選択することができ、平板状の基材であっても、曲面を有する基材であってもよく、更に、用途に応じて形成された三次元形状を有する基材であってもよい。
前記基材に用いられる材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子、PLZT等のセラミックス、石英、蛍石等の無機材料、金属、紙、木、及びこれらの複合材料等が挙げられる。
また、前記基材は、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよく、用途に応じて適宜選択することができる。
なお、図2のように基材1の表面に微小突起構造体2が一体となって形成された粉体付着抑制部材とする場合には、後述する樹脂組成物の硬化物が基材1として一体形成される。
本発明に用いられる基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
また、後述する微小突起構造体が基材とは別の材料からなる微小突起層に形成される場合は、層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の基材表面性能を向上させる点から、基材上に中間層を形成してもよい。
本発明に用いられる基材の可視光領域における透過率は、用途に応じて適宜調節することができ、特に限定されない。80%以上の透明の基材を用いることもできるし、80%未満の半透明の基材又は不透明の基材を用いることもできる。前記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
基材の厚みは、用途に応じて適宜設定すればよい。フィルム状の基材を用いる場合、例えば100μm〜1mm程度のものとすることができる。
<微小突起構造体>
微小突起構造体は、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備え、隣接する前記微小突起間の距離の平均が500nm以下である。このような微小突起構造体表面を有することにより粒径が小さい粉体であっても付着が抑制される。
前記微小突起構造体は、図1のように基材1とは別の材料を用いた微小突起層として形成されていてもよく、図2のように基材の表面に一体となって形成されていてもよい。また、図示はしないが、微小突起構造体が基材の両面に形成されていてもよい。
前記微小突起構造体を構成する各微小突起は、基材に植立するように形成され、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造、すなわち各微小突起が先細りとなる構造を有する。このような先細り形状の微小突起を有する微小突起構造体は、粉体との接触面積を小さくすることができるため、微小突起構造体と粉体との間のファンデルワールス力を低減して粉体の付着を抑制することができる。また先細り形状であるため、仮に粉体が微小突起間に入り込んだとしても出てきやすいというメリットもある。
このような微小突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数ある微小突起は、同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。
更に、微小突起の頂部が曲面を有する形状であることがより好ましい。頂部に曲面を有するとは、頂部に、球型、回転楕円体型、回転放物面型、釣鐘型等の曲面形状を有するか、又は、これらの曲面形状に近似し得る曲面形状を有することをいう。なお、本発明において頂部とは、頂点及びその近傍を示す概念であり、微小突起の頂点から、後述する微小突起の高さHの10%程度の長さの範囲をいう。
微小突起が頂部に曲面を有することにより、頂部が平面であるものと比較して、粉体の接触面積をより小さくすることができ、粉体の付着抑制効果に優れている。
本発明において、微小突起群は複数の微小突起が密接して配置されている。微小突起が密接して配置されていることにより、粉体が微小突起間に入り込みにくく、粉体の付着が抑制される。本発明において密接とは、隣接する微小突起の付け根位置が接しているか、接しているほど近いことをいい、具体的には、微小突起の付け根位置の断面の直径の平均値をRAVGとしたときに、RAVGがdAVGの80〜100%であることが好ましく、90〜100%であることがより好ましい。なお、上記RAVGは、微小突起の付け根位置の断面が円であればその直径をR、円以外であれば、断面の幅の最大値と最小値とを求め、その平均値をRとして、平均値を求めたものである。
また、前記微小突起構造体を構成する微小突起群の中には、頂点を複数有する微小突起(以下、「多峰性の微小突起」と称する場合がある。)が含まれていても良い。なお、多峰性の微小突起との対比により、頂点が1つのみの微小突起を「単峰性の微小突起」と称する場合がある。また多峰性の微小突起、単峰性の微小突起に係る各頂点を形成する各凸部を、適宜、「峰」と称する。
本発明においては、前記微小突起群の中に多峰性の微小突起を含むことにより、粉体の接触面積をより小さくできるので、粉体付着抑制効果の向上の点から好ましい。多峰性の微小突起は、単峰性の微小突起に比して、頂点近傍の寸法に対する裾の部分の太さが相対的に太く、さらに、外力をより多くの頂点で分散して受ける為、各頂点に加わる外力を低減し、樹脂組成物からなる微小突起を損傷し難いようにすることができると考えられる。よって、多峰性の微小突起を有することにより、機械的強度及び耐擦傷性も向上するというメリットもある。
図3は、多峰性の微小突起の説明に供する断面図(図3(a))、斜視図(図3(b))、平面図(図3(c))である。なお、この図3は、理解を容易にするために模式的に示す図であり、図3(a)は、連続する微小突起の頂点を結ぶ折れ線により断面を取って示す図である。図3において、xy方向は、基材1の面内方向であり、z方向は微小突起の高さ方向である。図3(a)に示す微小突起構造体2において、単峰性の微小突起3は、例えば、基材1より離れて頂点に向かうに従って徐々に断面積(高さ方向に直交する面(図3においてXY平面と平行な面)で切断した場合の断面積)が小さくなって、1つの頂点が形成されている。一方、多峰性の微小突起としては、例えば、複数の微小突起が結合したかのように、先端部分に溝gが形成され、頂点が2つになったもの(3A)、頂点が3つになったもの(3B)、さらには頂点が4つ以上のもの(図示略)等が挙げられる。なお単峰性の微小突起3の形状は、回転放物面の様な頂部の丸い形状、或いは円錐の様な頂点の尖った形状で近似することができる。一方、多峰性の微小突起3A、3Bの形状は、単峰性の微小突起3の頂部近傍に溝状の凹部を切り込んで、頂部を複数の峰に分割したような形状で近似することができる。多峰性の微小突起3A、3Bの形状は、複数の峰を含み高さ方向(図3ではZ軸方向)を含む仮想的切断面で切断した場合の縦断面形状が、極大点を複数個含み各極大点近傍が上に凸の曲線になる代数曲線Z=a+a+・・+a2n2n+・・で近似されるような形状である。
前記微小突起構造体表面に存在する全微小突起中における多峰性の微小突起の個数の比率は、特に限定されないが、粉体の付着がより抑制される点からは、10%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上である。
また、前記微小突起構造体を構成する微小突起群は、少なくともその一部が、頂部微小突起と、該頂部微小突起の周囲に隣接して形成されており該頂部微小突起よりも高さが低い複数の周辺微小突起とからなる一群の微小突起の集合(本発明において「凸状突起群」と称する。)を構成していても良い。当該微細突起の集合を有することにより、粉体の付着がより抑制される。
図6に、複数の微小突起によって構成される凸状突起群の斜視図(図6(a))及び平面図(図6(b))を示す。図6に示す凸状突起群22は、相対的に高さの高い頂部微小突起3Cと、その周囲に隣接して配置された相対的に高さの低い複数の周辺微小突起3Dからなる。尚、図6(a)及び図6(b)は、理解を容易にするために模式的に示す図であり、xy方向は、基材の面内方向であり、z方向は微小突起の高さ方向である。
なお、本発明において、前記頂部微小突起は、前記周辺微小突起よりも相対的に高さが高く、高さの差が10nm以上のものをいい、当該高さの差は、20nm以上であることが好ましい。また、前記高さの差は、微小突起構造体表面のざらつき感を抑える観点から、50nm以下であることが好ましい。
前記微小突起構造体においては、特に限定されないが、粉体の付着がより抑制される点から、凸状突起群の周辺に配置される微小突起が、頂部微小突起から離れるに連れて、順次高さが低くなっていくように配置されていることが好ましい。
前記微小突起構造体表面に存在する全微小突起中に対する前記凸状突起群を構成する微小突起の個数の比率は、特に限定されないが、前記効果を発揮する点からは、10%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上である。
なお、前記凸状突起群には、前記周辺微小突起にのみ隣接し、且つ前記頂部微小突起よりも高さが低い微小突起は含まれない。また、凸状突起群同士が隣接して形成される場合において、周辺微小突起が互いに隣接する凸状突起群に共有される場合がある。
前記凸状突起群を構成する微小突起の個数の比率は、例えば、前記微小突起構造体の表面をSEM等により観察し、画像解析により存在を確認できた微小突起の個数のうち、凸状突起群を構成する微小突起の個数の割合を算出することにより、求めることができる。
本発明において、前記微小突起構造体は、突起間への粉体の落ち込みを防止し、且つ、粉体との接触面積を減らす点から、隣接する前記微小突起間の距離d(以下、「隣接突起間距離d」と称する。)の平均dAVGが、500nm以下となるよう密接して配置される。この隣接突起間距離dに係る隣接する微小突起は、いわゆる隣り合う微小突起であり、基材側の付け根部分である微小突起の裾の部分が接している突起である。本発明に係る粉体付着抑制部材では、微小突起が密接して配置されることにより、微小突起間の谷の部位を順次辿るようにして線分を作成すると、平面視において各微小突起を囲む多角形状領域を多数連結してなる網目状の模様が形成されることになる。隣接突起間距離dに係る隣接する微小突起は、この網目状の模様を構成する一部の線分を共有する突起である。
前記微小突起の平均隣接突起間距離dAVGは、突起間への粉体の落ち込みを防止し、粉体の付着を抑制する点から、400nm以下であることが好ましく、50〜300nmであることが特に好ましい。また、粉体付着抑制部材自体に透視性を必要とする場合には、前記微小突起の平均隣接突起間距離dAVGが、可視光線帯域の最短波長λmin以下とすることが、粉体付着抑制部材における可視光の反射を低減できる点から好ましい。可視光線帯域の最短波長λminは、観察条件、光の強度(輝度)、個人差等にも依存して多少幅を持ち得るが、標準的には、λmin=380nmとされる。反射防止性を確実とする点から、微小突起の平均隣接突起間距離dAVGは、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。
本発明の粉体付着抑制部材において、微小突起構造体を構成する微小突起の高さH、及び当該高さの平均値HAVGは適宜設定すればよい。中でも、微小突起のアスペクト比(平均突起高さHAVG/平均隣接突起間隔dAVG)が0.5〜2.5となるように微小突起高さHを選択することが好ましく、更に、前記アスペクト比が0.8〜2.1となるように微小突起高さHを選択することが好ましい。
前記微小突起の高さHの平均HAVGは、1μm以下であることが好ましく、更に500nm以下であることが好ましく、より更に50〜350nmであることが好ましく、100〜250nmであることが特に好ましい。
アスペクト比が下限値以上となるように設定することにより粉体の付着がより抑制される。また、アスペクト比が上記下限値以下となるように設定することにより、微小突起の折れや倒れ込みが生じにくい。
ここで、微小突起の高さとは、微小突起の頂部に存在する最高高さを有する峰(最高峰)の高さをいう。図3(a)の微小突起3の如くの単峰性の微小突起の場合は、頂部における唯一の峰の高さが該微小突起の高さとなる。また図3(a)の微小突起3A、3Bのような多峰性の微小突起の場合は、頂部にある麓部を共有する複数の峰のうち最高峰の高さをもって該微小突起の高さとする。
また、微小突起は高さにばらつきを有していてもよい。高さにばらつきがある場合には、大きさにばらつきのある粉体の付着を抑制する効果がより期待できる。微小突起の高さのばらつきは特に限定されないが、微小突起の高さHの標準偏差σが、突起高さの平均値HAVGの2〜30%であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜20%であることが更により好ましい。
本発明において隣接突起間隔d及び微小突起の高さHは以下の方法により測定される。
(1)先ず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて突起の面内配列(突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いてこの求められた面内配列から各突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。
(3)次に検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。図4にドロネー図の一例を示す模式平面図を示す。図4の例に示されるようにドロネー図とは、各極大点41を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分42で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の平面視の拡大写真から、5〜20個程度の互いに隣接する微小突起を選んで、その隣接突起間距離の値を標本抽出し、この標本抽出して求められる数値範囲から明らかに外れる値(通常、標本抽出して求められる隣接突起間距離平均値に対して、値が1/2以下のデータ)を除外して度数分布を検出する。
具体的には、突起の頂部に凹部が存在する微細構造、頂部が複数の峰に分裂している微小突起(多峰性の微小突起)に係る微細構造においては、このような微細構造を備えていない微小突起(単峰性の微小突起)の場合の数値範囲から、隣接する極大点間の距離が明らかに大きく異なることになる。この特徴を利用して対応するデータを除去することにより突起本体自体のデータのみを選別して度数分布を検出する。より具体的には、例えば微小突起(群)の平面視の拡大写真から、5〜20個程度の互いに隣接する単峰性の微小突起を選んで、その隣接する極大点間の距離の値を標本抽出し、この標本抽出して求められる数値範囲から明らかに外れる値(通常、標本抽出して求められる隣接する極大点間の距離の平均値に対して、値が1/2以下のデータ)を除外して度数分布を検出する。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布を正規分布とみなして平均値dAVG及び標準偏差σを求める。本発明においては、隣接突起間距離dの最大値dmaxをdmax=dAVG+2σと定義して算出する。
同様の手法を適用して突起の高さを定義する。この場合、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。このヒストグラムによる度数分布から突起高さの平均値HAVG、標準偏差σを求める。なお多峰性の微小突起が含まれる場合は、1つの微小突起が頂点を複数有していることにより、1つの突起に対してこれら複数のデータが突起高さHのヒストグラムにおいて混在することになる。そこでこの場合は麓部が同一の微小突起に属するそれぞれ複数の頂点の中から高さの最も高い頂点を、当該微小突起の突起高さとして採用して度数分布を求める。
なお、微小突起の高さを測る際の基準位置は、突起付け根位置、すなわち隣接する微小突起の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。但し、係る谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面が、微小突起の隣接突起間距離に比べて大きな周期でうねった凹凸形状を有する場合(図5参照)等は、(1)先ず、微小突起構造体30の微小突起表面31とは反対側の面から測った各谷底の高さの平均値を、該平均値が収束するに足る面積の中で算出する。(2)次いで、該平均値の高さを有し、且つ微小突起構造体30の微小突起面31とは反対側の面と平行な面を基準面として考える。(3)その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各微小突起の高さを算出する。
隣接する微小突起32の間の谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば図5に示すような周期的なうねりは、透明基材の表裏面に平行な平面(図5におけるXY平面)における1方向(例えばX方向)のみでこれと直交する方向(例えばY方向)には一定高さであっても良いし、或いは透明基材の表裏面に平行な平面(図5におけるXY平面)における2方向(X方向及びY方向)共にうねりを有していても良い。
粉体付着抑制部材の良好な平滑性を確保するために、前記周期Dでうねった凹凸面33の高低差(図5中のh)は、10nm以下であることが好ましく、1nm〜5nmの範囲内であることがより好ましい。なお、前記凹凸面33により形成される凹凸面の高低差は、例えば500nm以上離れた微小突起32の谷底部の位置の高低差を測定することにより求めることができる。微小突起32の谷底部の位置は、反射防止物品10を、厚み方向に切断した垂直断面のTEM写真又はSEM写真を用いて観察することにより求めることができる。
微細凹凸層の厚み(図1又は図2におけるT)は、適宜調整すればよい。例えば、基材の一面側に微細凹凸層を備えた態様の場合には、微細凹凸層の厚みは、3μm〜30μmであることが好ましく、5μm〜10μmであることがより好ましい。また、基材の表面に微小突起構造体が一体となって形成されている場合には、微細凹凸層の厚みは基材の厚みに依存し、特に限定されない。なお、図1における微細凹凸層の厚みTは、当該微細凹凸層の基材との界面から、最も高い微小突起の頂部までの厚みで定義される。
本発明の粉体付着抑制部材は、前記微小突起構造体の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で90°以上であるため表面自由エネルギーが小さく、粉体の付着が抑制され、粉体が付着した場合であっても落ちやすい。本発明においては、中でも、微小突起構造体の表面における純水の静的接触角が、90°〜170°であることが好ましく、100°〜165°であることがより好ましい。
なお、本発明において静的接触角は、測定対象物の表面に1.0μLの純水又はn−ヘキサデカンを滴下し、着滴1秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定した接触角とする。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製 接触角計DM 500を用いることができる。
前記静的接触角は、微小突起構造体の表面を形成する材料の種類や、微小突起構造体の凹凸形状を変更することにより、調整することができる。
本発明において微小突起構造体は、樹脂組成物の硬化物からなる。なお、本発明において硬化物とは、化学反応を経て又は経ないで固化したものをいう。また、本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
本発明において微小突起構造体の形成に好適に用いられる樹脂組成物は、少なくとも樹脂を含有し、必要に応じて重合開始剤等、その他の成分を含有する。
前記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹脂、アクリレート系、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂、アクリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等の熱可塑性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の賦形用樹脂を使用することができる。また、非反応性重合体を含有してもよい。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
前記樹脂としては、中でも成形性及び機械的強度に優れる点から電離放射線硬化性樹脂が好ましい。本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂とは、分子中にラジカル重合性及び/又はカチオン重合性結合を有する単量体又は重合体を適宜混合したものであり、適宜重合開始剤を用いて電離放射線により硬化されるものである。また、本発明において成形性に優れるとは、所望の形状に精度良く成形できることをいう。
中でも、本発明に用いられる樹脂組成物は、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系の電離放射線硬化性樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、更に、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有するアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明に用いられる樹脂組成物は、さらに必要に応じて、重合開始剤、離型剤、光増感剤、酸化防止剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、粘度調整剤、密着性向上剤等を含有することもできる。
また、微小突起構造体側の表面に疎水性を付与する点から、公知のフッ素含有化合物、又はケイ素含有化合物を含有するものであってもよい。
中でも、前記微小突起構造体の表面に、化学気相処理により付加されたフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を有することが好ましい。化学気相処理によりフッ素原子又はケイ素原子を付加することにより、微小突起構造体の形状を損ねることなく微小突起構造体表面にフッ素原子又はケイ素原子を付加することができる。前記微小突起構造体の表面にフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を有することにより、表面の疎水性が高まり、微小突起構造体側の表面における純水の静的接触角をθ/2法で90°以上に調整しやすくなるとともに、表面自由エネルギーが低下して粉体の付着が更に抑制される。
本発明において用いられる化学気相処理は、樹脂組成物の硬化物からなる微小突起構造体の表面に、フッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を付加することができる従来公知の化学気相処理の中から適宜選択することができる。前記微小突起構造体の表面に化学気相処理により付加されたフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を有する態様としては、例えば、前記微小突起構造体の表面に化学気相処理によるフッ素含有化合物又はケイ素含有化合物の堆積膜を有する態様や、前記微小突起構造体の表面に化学気相処理による化学修飾により結合したフッ素原子又はケイ素含有化合物を有する態様が挙げられる。
微小突起構造体の表面に、溶液塗布法によりフッ素含有化合物又はケイ素含有化合物を付加すると、前述の微小突起構造体表面の凹凸形状を損なうため、粉体付着抑制効果が損なわれる。それに対して、微小突起構造体の表面に、化学気相処理によりフッ素原子又はケイ素原子を付加する方法によれば、前述の微小突起構造体表面の凹凸形状を損なうことなく、純水の静的接触角を高くすることができる。すなわち、化学気相処理によれば、堆積膜であっても、表面化学修飾であっても、微小突起構造体の表面の凹凸に追従して設けることができるため、前述の微小突起構造体表面の凹凸形状を損なわない。そのため、前記微小突起構造体の表面に、化学気相処理により付加されたフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を有する場合には、粉体付着抑制効果を高くすることができる。
なお、化学気相処理の具体的な方法は、後述の微小突起構造体の製造方法において詳細に述べる。
(微小突起構造体の製造方法)
本発明において微小突起構造体の製造方法は特に限定されないが、成形性に優れ、且つ安定量産ができる点から、基材の少なくとも一方の面に、賦形により微小突起構造体を形成する方法が好ましい。
前記微小突起構造体は、基材上に設けた当該基材とは別の材料からなる別層の表面に賦形しても良いし、基材が樹脂組成物等の賦形可能な材料からなる場合は、当該基材表面に直接賦形しても良い。
微小突起構造体の製造方法としては、例えば以下の方法等が挙げられる。すなわち、まず基材上に前記樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、所望の凹凸形状を有する微小突起構造体形成用原版の該凹凸形状を、前記樹脂組成物の塗膜に賦形した後、前記樹脂組成物を硬化させることにより微小突起構造体を形成し、前記微小突起構造体形成用原版を剥離する方法等である。
なお、微小突起構造体形成用原版の凹凸形状とは、多数の微小孔が密に形成されたものであり、微小突起構造体が備える微小突起群の形状に対応する形状である。
また、微小突起構造体形成用原版の凹凸形状を樹脂組成物に賦形し、該樹脂組成物を硬化させる方法は、樹脂組成物の種類等に応じて適宜選択することができる。
前記微小突起構造体形成用原版としては、繰り返し使用した際に変形および摩耗するものでなければ、特に限定されるものではなく、金属製であっても良く、樹脂製であっても良いが、通常、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製が好適に用いられる。
前記微小突起構造体形成用原版の凹凸形状を有する面は、特に限定されないが、酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易である点から、アルミニウムからなることが好ましい。
前記微小突起構造体形成用原版は、具体的には、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属製の母材の表面に、直接に又は各種の中間層を介して、スパッタリング等により純度の高いアルミニウム層が設けられ、当該アルミニウム層に凹凸形状を形成したものが挙げられる。前記母材は、前記アルミニウム層を設ける前に、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の表面を超鏡面化しても良い。
前記微小突起構造体形成用原版に凹凸形状を形成する方法としては、例えば、陽極酸化法によって前記アルミニウム層の表面に複数の微小孔を形成する陽極酸化工程と、前記アルミニウム層をエッチングすることにより前記微小孔の開口部にテーパー形状を形成する第1エッチング工程と、前記アルミニウム層を前記第1エッチング工程のエッチングレートよりも高いエッチングレートでエッチングすることにより前記微小孔の孔径を拡大する第2エッチング工程とを順次繰り返し実施することによって形成することができる。
微小突起構造体形成用原版に凹凸形状を形成する際には、アルミニウム層の純度(不純物量)や結晶粒径、陽極酸化処理及び/又はエッチング処理の諸条件を適宜調整することによって、所望の形状とすることができる。前記陽極酸化処理において、より具体的には、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微小孔をそれぞれ目的とする深さ及び形状に作製することができる。
また、前記微小突起構造体形成用原版の形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられ、特に限定されるものではないが、生産性向上の観点からは、ロール状が好ましい。本発明においては、前記微小突起構造体形成用原版として、ロール状の金型(以下、「ロール金型」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
前記ロール金型としては、例えば、母材として、円筒形状の金属材料を用い、当該母材の周側面に、直接に又は各種の中間層を介して設けられたアルミニウム層に、上述したように、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、凹凸形状が作製されたものが挙げられる。
図7に、微小突起構造体形成用の樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用い、微小突起構造体形成用原版としてロール金型を用いて、本発明の粉体付着抑制部材を製造する方法の一例を示す。この製造方法では、まず、樹脂供給工程において、ダイ31により、帯状フィルム形態の基材1に、微小突起構造体2が形成される受容層2’を構成する未硬化で液状の紫外線硬化性樹脂組成物を塗布する。尚、紫外線硬化性樹脂組成物の塗布については、ダイ11による場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いて、押圧ローラ13により、賦形用金型であるロール金型12の周側面に基材1を加圧押圧し、これにより基材1に未硬化の受容層2’を密着させると共に、ロール金型12の周側面に形成された微小な凹凸形状の凹部に受容層2’を構成する紫外線硬化性樹脂組成物を充分に充填する。この状態で、紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、これにより基材1の表面に微小突起構造体を有する微小突起層2が形成される。続いて剥離ローラ14を介してロール金型12から、硬化した微小突起層2と一体に基材1を剥離する。必要に応じてこの基材1に粘着層等を積層した後、所望の大きさに切断する。これにより、所望の形状の微小突起構造体が、効率良く大量生産される。
なお、多峰性の微小突起と単峰性の微小突起とを混在させるには、陽極酸化処理において作製される微小突起構造体形成用原版の微小孔の間隔をばらつかせることにより実現することができる。多峰性の微小突起は、その頂部に対応する形状の凹部を備えた微小孔により作成されるものであり、このような微小孔は、極めて近接して作製された微小孔が、エッチング処理により、一体化して形成されると考えられる。
また、微小突起構造体の少なくとも一部を上述した凸状突起群とするためには、個々の微小突起について、その高さに所定範囲のばらつきがあることが必須である。個々の微小突起の高さのばらつきは、微小突起構造体形成用原版に形成される微小孔の深さのばらつきによるものであり、このような微小孔の深さのばらつきは、陽極酸化処理におけるばらつきに起因するものと言える。これにより相対的に高さの高い頂部微小突起と、相対的に高さの低い複数の周辺微小突起とを混在させるには、陽極酸化処理におけるばらつきを大きくすることにより実現することができる。
また上述の実施形態では、ロール金型を使用した賦形処理により、フィルム形状の基材上に微小突起構造体の形成方法を生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材の形状に応じて、例えば平板、特定の曲面形状による賦形用金型を使用した枚葉の処理により微小突起構造体を作成する場合等、賦形処理に係る工程、金型は、基材の形状に応じて適宜変更することができる。
必要に応じて、上記により得られた微小突起構造体の表面に、化学気相処理を施してフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を付加することが好ましい。本発明において化学気相処理方法は、樹脂組成物の硬化物からなる微小突起構造体の表面に、フッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を付加することができる従来公知の方法の中から適宜選択することができる。
本発明において化学気相処理方法としては、化学気相成長(CVD)法、又は反応性イオンエッチング法が好ましい。以下、各化学気相処理方法について説明する。
(化学気相成長(CVD)法)
本発明においては、CVD法は、従来公知の方法の中から適宜選択することができる。具体的には、例えば、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法、エピタキシャルCVD法、アトミックレイヤーCVD法、有機金属気相成長法等が挙げられ、低温で製膜可能な点から、プラズマCVD法を用いることが好ましい。
具体的には、例えば、少なくとも1種のフッ素含有化合物を加熱により気化し、キャリアガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスと混合し、当該ガスをプラズマ化することにより、前記微小突起構造体の表面にフッ素含有化合物乃至ケイ素含有化合物を付加することができる。
上記フッ素含有化合物としては、CVD法に適用可能な従来公知の化合物を用いることができ、中でも、少なくとも1つの末端に炭素原子数が1〜6のパーフルオロアルキル基を含有し、酸素原子を含有しない、炭素原子数が10以下のフッ素含有化合物を用いることが好ましい。具体的には、例えば、テトラフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン等のパーフルオロアルカン類ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(4−メチル−2−ペンテン)、パーフルオロ(2−メチル−2−ペンテン)、パーフルオロ−1−ヘキセン等のパーフルオロアルケン類等が挙げられる。本発明においては、微小突起構造体表面を疎水性とする点から、炭素原子数が3〜6のパーフルオロアルキル基を有するフッ素含有化合物であることが好ましく、更に、炭素原子数が4〜6のパーフルオロアルキル基がより好ましい。また、フッ素含有化合物としては、イオンやラジカル等の活性種が発生しやすい、不飽和炭化水素基や、ヨード基を含有することが好ましい。
また、上記ケイ素含有化合物としては、CVD法に適用可能な従来公知のケイ素含有化合物の中から適宜選択すればよい。具体的には、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
上記フッ素含有化合物及びケイ素含有化合物のガスと、不活性ガスとの混合比は、特に限定されないが、1:99〜30:70(体積比)であることが好ましく、2:98〜10:90(体積比)であることがより好ましい。
(反応性イオンエッチング法)
本発明においては、反応性イオンエッチング法を用いて、フッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を付加してもよい。反応性イオンエッチング法は、通常、フッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子の付加と、基材表面のエッチングを同時に行うものであるが、本発明においては、フッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子の付加を目的とするものであり、微小突起構造体の表面はエッチングされないか、エッチングされたとしても前記表面形状に影響を及ぼさない程度に条件を設定する。
本発明において、反応性イオンエッチング法は、フッ素含有化合物及びケイ素含有化合物より選択される1種以上のガス状の化合物を用い、プラズマにより、前記微小突起構造体の表面にフッ素含有化合物を付加する。
反応性イオンエッチング法においては、上記ガス状の化合物に更に酸素を混合してもよい。フッ素含有化合物及びケイ素含有化合物より選択される1種以上のガス状の化合物と酸素との混合比は、100:0〜80:20(体積比)であることが好ましく、100:0〜85:15(体積比)であることがより好ましい。酸素の割合を増やすと前記微小突起構造体表面がエッチングされる場合がある。
上記フッ素含有化合物としては、フッ化アルキル化合物が好適に用いられる。具体的には、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン等が挙げられ、微小突起構造体の表面を疎水性とする点から、中でも、テトラフルオロメタンを用いることが好ましい。
また、上記ケイ素含有化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
化学気相成長(CVD)法、又は、反応性イオンエッチング法を用いた場合、微小突起構造体表面にフッ素含有化合物が堆積する。この場合であっても、前記微小突起構造体の最表面は、微小突起構造体の凹凸形状に起因した凹凸形状を有するものであり、化学気相処理により付加されたフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を含む部分の膜厚は、前記微小突起構造体の最表面が微小突起構造体の凹凸形状に起因した凹凸形状を有するように適宜選択される。例えば、化学気相成長(CVD)法、又は、反応性イオンエッチング法を用いた場合における、フッ素原子を含む部分の膜厚は、5nm〜50nmであることが好ましく、10nm〜40nmであることがより好ましい。
<その他の構成>
本発明の粉体付着抑制部材は、微小突起構造体の表面に、剥離可能な保護フィルムを仮接着した状態で保管、搬送、売買、後加工又は施工を行い、適時、該保護フィルムを剥離除去する形態とすることもできる。これにより、保管、搬送等の間における微小突起構造体の表面の損傷、汚染を防止することができる。
また、本発明の粉体付着抑制部材は、微小突起構造体を有しない面に粘着層又は接着層を形成し、更に必要に応じて当該粘着層又は接着層の表面に離型フィルムを剥離可能に積層してなる粘着(接着)加工品とすることもできる。
粘着層(接着層)に用いられる粘着層乃至接着剤は、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、感圧接着剤(粘着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等、いずれの接着形態のもの好適に用いることができる。
また離型フィルムとしては、従来公知のものの中から適宜選択すればよい。離型フィルムの具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン等が挙げられる。
<粉体付着抑制部材の用途>
本発明の粉体付着抑制部材は、粉体の付着の抑制が必要なあらゆる用途に用いることができる。本発明の粉体付着抑制部材は、粉体の粒径によらず付着を抑制する効果を有するが、中でも、0.1〜30μmの粒径を有する粉体に好適に用いることができ、0.1〜25μmの粒径を有する粉体により好適に用いることができる。
本発明の粉体付着抑制部材は、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、タルク、マイカ、シリカ等の無機系粉体、各種ポリマー等の有機系粉体のいずれの粉体の付着も抑制することができ、中でも、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物を含む粉体の付着を好適に抑制することができる。金属酸化物を含む粉体の具体例としては、パウダーファンデーション、フェイスパウダー、頬紅、アイシャドウ等の化粧品や、パウダーブラスト剤、チョークなどが挙げられる。
本発明の粉体付着抑制部材は、例えば、粉体を使用するクリーンルームや、上記化粧品、食品生産、病室等の室内内装用の壁紙、天井材、床材、空調ダクト、ノズル;食品加工装置など各種装置外装、内装;鏡、調理台、調理器具、化粧道具、容器類、机、チョークを使用する黒板の縁や受け部等に用いることができる。
以下、実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。
(樹脂組成物Aの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の樹脂組成物Aを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 70質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 30質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(樹脂組成物Bの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の樹脂組成物Bを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・EO変性トリメチロールプロパンアクリレート 30質量部
・トリデシルアクリレート 5質量部
・ドデシルアクリレート 5質量部
・メチルメタクリレート 5質量部
・ヘキシルメタクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(比較樹脂組成物Cの調製)
以下の各成分を混合し、微小突起構造体形成用の比較樹脂組成物Cを調製した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 70質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 30質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1重量部
・シリカゲル 5質量部
(金型1の作製)
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、印加電圧40V、20℃の条件にて100秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で50秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で120秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に微小孔が密に形成された陽極酸化アルミニウム層が形成された。最後に、フッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、微小突起構造体形成用の金型1を得た。なお、金型1のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、平均隣接微小孔間距離100nm、平均深さ160nmであった。また、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型2の作製)
第一エッチング処理時間を60秒、第二エッチング処理時間を130秒とし、繰り返し操作を7回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離200nm、平均深さ160nmの微小突起構造体形成用の金型2を得た。なお、金型2のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型3の作製)
第一エッチング処理時間を70秒、第二エッチング処理時間を170秒とし、繰り返し操作を5回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離400nm、平均深さ210nmの微小突起構造体形成用の金型3を得た。なお、金型3のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
(金型4の作製)
第一エッチング処理時間を70秒、第二エッチング処理時間を170秒とし、繰り返し操作を7回追加実施したこと以外は、金型1の作製と同様にして、平均隣接微小孔間距離500nm、平均深さ230nmの微小突起構造体形成用の金型4を得た。なお、金型4のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
<化学気相処理方法>
微小突起構造体の表面の化学気相処理方法として、下記処理方法により化学気相処理を行った。
(化学気相処理方法1:CVD法)
CVD法は、エネルギーコントロール装置としてRF GENERATOR PRF‐153B(ANELVA社)および処理装置DEA‐506(ANELVA社)とを組み合わせて行った。前記処理装置内の反応ステージに、後述する微小突起構造体が形成された基材を設置し、反応室内の真空度を5×10−3Pa以下とした。
ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO;東京化成工業株式会社製)をステンレス容器に投入し、アルゴン(Ar)ガスライン上に接続した。HMDSO入りのステンレス容器を50℃の温浴上で加熱し、気化させることでArガス中に混合し処理を行った。この際、気化量が全Ar流量に対して3%混合できるよう温調および絞りを調節した。当該混合ガスを流量100sccmで流し、反応室内の内圧を50mTorrとし、エネルギー100Wでプラズマ化し、3分間CVD処理を行った。
アルゴンガスは、純度99.999%(太陽日酸製)を使用した。
(化学気相処理方法2:反応性イオンエッチング法)
反応性イオンエッチング法は、上記CVD法と同様、エネルギーコントロール装置としてRF GENERATOR PRF‐153B(ANELVA社)および処理装置DEA‐506(ANELVA社)とを組み合わせて行った。前記処理装置内の反応ステージに、後述する微小突起構造体が形成された基材を設置し、反応室内の真空度を5×10−3Pa以下とした。次いで、テトラフルオロメタンガス(昭和電工製、純度100.00%)を流量100sccmで流し、反応室内の内圧を50mTorrとし、エネルギー100Wでプラズマ化し、2分間反応性イオンエッチング処理を行った。
[実施例1]
(1)樹脂組成物Aを、金型1の凹凸形状を有する面が覆われ、微小突起構造体が形成される微小突起層の硬化後の厚さが20μmとなるように塗布、充填し、その上に基材(材質:PET、厚さ:25μm、商品名:ルミラー、東レ社製)を斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をゴムローラーで10N/cmの加重で圧着した。金型全体に均一な組成物が塗布されたことを確認し、基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させた。その後、金型より剥離し、微小突起構造体を有するシート1を得た。
得られたシート1の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離100nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート1の微小突起構造体表面を上記化学気相処理方法1により処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材1を得た。
[実施例2]
(1)実施例1の(1)において、樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用い、金型1の代わりに金型2を用いた以外は、実施例1と同様にして微小突起構造体を有するシート2を得た。
得られたシート2の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離100nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート2の微小突起構造体表面を上記化学気相処理方法1により処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材2を得た。
[実施例3]
(1)実施例1の(1)において、樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして微小突起構造体を有するシート3を得た。
得られたシート3の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離200nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート3の微小突起構造体表面を上記化学気相処理方法1により処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材3を得た。
[実施例4]
(1)実施例2の(1)と同様にして微小突起構造体を有するシート4を得た。
得られたシート4の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離100nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート4の微小突起構造体表面を上記化学気相処理方法2により処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材4を得た。
[実施例5]
(1)実施例3の(1)と同様にして微小突起構造体を有するシート5を得た。
得られたシート5の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離200nm、平均微小突起高さ160nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差30nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート5の微小突起構造体表面を上記化学気相処理方法2により処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材5を得た。
[実施例6]
(1)実施例1の(1)において、金型1の代わりに金型3を用いた以外は、実施例1と同様にして微小突起構造体を有するシート6を得た。
得られたシート6の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離400nm、平均微小突起高さ210nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差25nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート6の微小突起構造体表面を上記化学気相処理方法1により処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材6を得た。
[実施例7]
(1)実施例1の(1)において、樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用い、金型1の代わりに金型3を用いた以外は、実施例1と同様にして微小突起構造体を有するシート7を得た。
得られたシート7の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離400nm、平均微小突起高さ210nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差25nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート7の微小突起構造体表面を実施例1の(2)と同様に処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材7を得た。
[実施例8]
(1)実施例1の(1)において、金型1の代わりに金型4を用いた以外は、実施例1と同様にして微小突起構造体を有するシート8を得た。
得られたシート8の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離500nm、平均微小突起高さ230nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差35nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート8の微小突起構造体表面を上記実施例1の(2)と同様に処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材8を得た。
[実施例9]
(1)実施例1の(1)において、樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用い、金型1の代わりに金型4を用いた以外は、実施例1と同様にして微小突起構造体を有するシート9を得た。
得られたシート9の表面の断面をSEMにより観察したところ、平均隣接微小突起間距離500nm、平均微小突起高さ230nmの微小突起群が形成されていた。また、微小突起の一部が頂点を複数有する微小突起であり、各微小突起の高さに、標準偏差35nmの高低差があった。
(2)次いで、上記シート9の微小突起構造体表面を上記実施例1の(2)と同様に処理することにより、シート状の粉体付着抑制部材9を得た。
[比較例1]
(1)基材(材質:PET、厚さ:25μm、商品名:ルミラー、東レ社製)上に、樹脂組成物Aを、硬化後の厚さが20μmとなるように塗布し、基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂を硬化させることにより、微小突起構造を有しない比較シート1を得た。
(2)次いで、上記比較シート1の硬化膜表面を上記実施例1の(2)と同様に処理することにより、シート状の比較粉体付着抑制部材1を得た。
[比較例2]
(1)比較例1において、樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用いた以外は、比較例1と同様にして比較シート2を得た。
(2)次いで、上記比較シート2の硬化膜表面を上記実施例1の(2)と同様に処理することにより、シート状の比較粉体付着抑制部材2を得た。
[比較例3]
まず、比較樹脂組成物Cを厚さ25μmのフィルム上に硬化させることにより、表面に凹凸形状を有する防眩フィルムを作製した。次いで、当該防眩フィルムを、粘着層を介して基材(材質:PET、厚さ:25μm、商品名:ルミラー、東レ社製)上に貼り合わせることにより、比較例4の防眩シートを得た。
比較例4の防眩シートの表面の断面をSEMにより観察したところ、防眩フィルム側の表面は、高さ10〜800nmの範囲内で高さにバラつきのある微小突起が、隣接微小突起間距離500nm〜1μmの範囲で不規則に配置され、隣接突起間距離の平均値が740nmの不規則な凹凸形状が形成されていた。
<接触角の測定>
各実施例及び比較例で得られたシートの基材側表面を、粘着層を介して黒アクリル板に貼り付け、該黒アクリル板とは反対側の微小突起構造体の表面に、純水(液クロマトグラフィー用蒸留水(純正化学(株)製))1.0μLの液滴を滴下し、着滴1秒後、協和界面科学社製 接触角計DM 500を用いて、θ/2法に従って静的接触角を測定した。結果を表1に示す。
<粉体付着抑制評価>
(1)粉体の準備
下記粉体1〜3をそれぞれめのう乳鉢によりすりつぶし塊をなくした後、それぞれ16mesh(篩目開き1.18mm)のふるいにかけて級数分けを行い、次いで通過した粉体を100mesh(篩目開き0.150mm)のふるいにかけ、更に通過した粉体を270mesh(篩目開き0.053mm)のふるいにかけて級数分けを行い、通過した粉体を採取した。
得られた粉体を、それぞれ130℃のオーブンで24時間加熱することにより乾燥し、これを試験用粉体1〜3とした。
・粉体1:酸化チタン(平均一次粒径0.20μm、堺化学工業株式会社製、R−310)
・粉体2:酸化チタン(平均一次粒径16nm(X線粒子径)、堺化学工業株式会社製、STR−100N)
・粉体3:酸化アルミニウム(平均一次粒径1.0μm、昭和電工株式会社製、A−43−M)
(2)粉体付着試験
各実施例及び比較例で得られたシートの基材側表面を、粘着層を介して、50mm×50mmのアクリル板上に固定し、固定されたシートを、前記アクリル板と同様の大きさに裁断した。イオナイザー(アズワン製、SFV−3000)により得られた各シート表面の電荷を中和した。
得られたシートに、それぞれ前記試験用粉体を約1gを均一に載せ、秤量した。ここでの秤量値をMとする。
粉体が載ったシートを3分間静置した後、シートを裏返して5秒間保持し、粉体を自然落下させた。当該シートを再度秤量した。ここでの秤量値をMとする。
シート自体の質量をMとし、
付着率 = (M−M)/(M−M)
を算出して、粉体付着抑制効果を評価した。結果を表1に示す。
[結果のまとめ]
微小突起間距離の平均値(ピッチ)が500nm以下で、表面における純水の静的接触角が90°以上である微小突起構造体を有する実施例1〜9の粉体付着抑制部材は、表面が平坦な比較例1〜2の比較粉体付着抑制部材と比較して付着が抑制されていることが明らかとなった。
1 基材
2 微小突起構造体
2’ 受容層
3 微小突起
3A、3B 多峰性微小突起
3C 頂部微小突起
3D 周辺微小突起
10 粉体付着抑制部材
11 ダイ
12 ロール金型(原版)
13 押圧ローラ
14 剥離ローラ
22 凸状突起群
30 微小突起構造体
31 微小突起構造体表面
32 微小突起
33 うねりによる凹凸面
41 極大点(母点)
42 線分(ドロネー線)
43 微小突起

Claims (2)

  1. 基材の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物の硬化物からなる複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を有し、隣接する前記微小突起間の距離の平均が500nm以下であり、
    前記微小突起が、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
    前記微小突起構造体側の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で90°以上である、粉体付着抑制部材。
  2. 前記微小突起構造体の表面に、化学気相処理により付加されたフッ素原子及びケイ素原子より選択される1種以上の原子を有する、請求項1に記載の粉体付着抑制部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018146937A (ja) * 2017-03-09 2018-09-20 マクセルホールディングス株式会社 光学素子
CN116814943A (zh) * 2023-05-09 2023-09-29 厦门大学 一种疏粉末表面及其制备方法和应用

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