JP2015170508A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非水電解質二次電池は、中空体と該中空体の外殻に担持される第1正極活物質粒子とを含む複合粒子を備える。
【選択図】図1
Description
本発明者の研究によれば、正極活物質粒子の過大な膨張・収縮は導電ネットワークの寸断を引き起こすだけではなく、電極内における電解液の枯渇(「液枯れ」ともいう)の誘因ともなっている。すなわち、膨張した正極活物質粒子によって、電極内の空隙が圧迫され、電極内に保持されるべき電解液が電極外へと吐出されてしまう。とりわけ、サイクル耐久時には、正極活物質粒子の膨張・収縮の繰り返しが、あたかもポンプのように作用して、液枯れが加速的に進行する。そして正極活物質粒子の膨張と電解液の吐出に伴って、電極内の空隙が徐々に押し潰され、電極の多孔度が低下する。これにより電極内でのイオン移動が阻害され出力特性が低下する。
アクリル系樹脂は好適な弾性を示し得るため、外殻がアクリル系樹脂を含むことによって、中空体は第1正極活物質粒子の膨張・収縮に対して柔軟に追随することができる。さらに外殻が弾性変形しやすくなり、第1正極活物質粒子が収縮した際に、より多くの電解液を空洞に吸蔵することができる。
これにより第1正極活物質粒子および複合粒子に導電性が付与され、以って出力特性が向上する。
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等のリチウムニッケル複合酸化物は、4V級の正極活物質(平均放電電位:3.5〜4.0V程度)となり得る。したがって第2正極活物質粒子が、リチウムニッケル複合酸化物を含むことにより、高SOC領域の容量を確保することができる。
図6は本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す模式的な断面図である。図6を参照して、電池1000は、角形の外装体500の内部に電極体400と電解液(図示せず)とを備えている。外装体500は、たとえばAl製の筐体であり、電池内部の圧力上昇に応じて電流経路を遮断する圧力型電流遮断機構(Current Interrupt Device:CID)を備えることもできる。
<正極板>
図3を参照して、正極板100は長尺帯状のシート部材であり、正極集電芯材100aと、正極集電芯材100a上に形成された正極合材部100bとを有する。正極集電芯材100aは、たとえばAl箔である。
図1を参照して、複合粒子10は、中空体12と中空体12の外殻SHに担持される第1正極活物質粒子14とを含む。複合粒子10は、第1正極活物質粒子14の膨張を空洞HLによって吸収することができる。したがって第1正極活物質粒子14が、充放電に伴う膨張・収縮がとりわけ大きい材料であっても、正極合材部100b内の導電ネットワークの寸断を抑制できる。
中空体12は、たとえば樹脂材料から構成される外殻SHと、空洞HLとを有する。中空体12は、球状、楕円体状、円柱状、直方体状等の任意の外形を有することができるが、電極内における充填性等の観点から、その外形は球状に近いことが好ましい。中空体12において空洞HLは単数に限られず、空洞HLは複数であってもよい。
外殻は、前述のように熱可塑性樹脂から構成されることが好ましい。ここで電解液に対する耐性を考慮すると、外殻の素材としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ素系樹脂等が好適である。なかでもアクリル系樹脂は、好適な弾性を示し機械的な強度に優れるため特に好適である。またアクリル系樹脂は、正極合材のスラリー化の際に用いられる結着材溶液〔たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にポリフッ化ビニリデン(PVdF)が溶解した溶液〕への分散性が良好である。
中空体12の平均粒子径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm未満になると、空洞HL内に保持できる電解液量が減少し、サイクル耐久性が低下する場合がある。他方、平均粒子径が15μmを超えると、中空体12の表面に第1正極活物質粒子14を稠密に配置することが難しくなり、導電パスが途切れ抵抗が増加する場合がある。なお、後述する本発明者が行なった実験の結果によれば、中空体12の平均粒子径は、より好ましくは3μm以上12μm以下である。
本明細書では、複数の中空体12についての内径IDの算術平均値(平均内径)を外径ODの算術平均値(平均外径)で除した値の百分率を平均中空度と定義する。
第1正極活物質粒子14は、外殻SHに担持される。第1正極活物質粒子14を外殻SHに担持させる方法としては、たとえば後述するメカノフュージョン法を挙げることができる。中空体12の表面に担持させることを考慮すると、第1正極活物質粒子14は小径粒子であることが好ましい。第1正極活物質粒子14の平均粒子径は、たとえば1〜10μm程度であり、好ましくは1〜5μm程度であり、より好ましくは2〜4μm程度である。
図1を参照して、第1正極活物質粒子14は、その表面に導電層16を有することが好ましい。特に、第1正極活物質粒子14がリン酸鉄リチウムのように導電性が低い材料である場合には、第1正極活物質粒子14は導電層16を有することが望ましい。第1正極活物質粒子14が導電層16を有することにより、第1正極活物質粒子14および複合粒子10に導電性が付与され、出力特性が更に向上する。
本実施形態において正極合材は、第2正極活物質粒子をさらに含むことができる。第2正極活物質粒子としては、先に第1正極活物質粒子14として例示したものを用いることができる。第2正極活物質粒子も、正極活物質を2種以上含んでいてもよい。
正極合材に含まれる導電材は特に制限されるものではなく、従来公知の材料を用いることができる。たとえば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、グラファイト、気相成長炭素繊維(VGCF)等を用いることができる。正極合材において導電材の占める割合は、たとえば1〜10質量%程度であり、好ましくは2〜5質量%程度であり、より好ましくは3〜5質量%程度である。
正極合材に含まれる結着材も特に制限されるものではなく、従来公知の材料を用いることができる。たとえば、PVdF、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を用いることができる。正極合材において結着材の占める割合は、たとえば1〜10質量%程度であり、好ましくは1〜5質量%程度であり、より好ましくは1〜3質量%程度である。
図4を参照して、負極板200は長尺帯状のシート部材であり、負極集電芯材200aと、負極集電芯材200a上に形成された負極合材部200bとを有する。負極集電芯材200aは、たとえばCu箔等である。また、負極合材部200bの負極合材密度は、たとえば0.5〜2.5g/cm3程度である。
セパレータ300はLi+を透過させるとともに、正極板100と負極板200との電気的な接触を防止する。セパレータ300は、機械的な強度と化学的な安定性の観点からポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が好ましい。たとえば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の微多孔膜が好適である。
電解液は、非プロトン性溶媒に溶質(Li塩)が溶解されてなる液体状の非水電解質である。非プロトン性溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(GBL)およびビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等を用いることができる。これらの非プロトン性溶媒は、電気伝導率や電気化学的な安定性の観点から、2種以上を適宜併用して用いることができる。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの体積比は、1:9〜5:5程度が好ましい。具体例を挙げれば、たとえば、EC、DMCおよびEMCの3種を混合して用いることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池は、以下に説明する製造方法によって製造することができる。
<工程S100>
工程S100では、正極板100を作製する。工程S100は、以下のように第1工程S101、第2工程S102および第3工程S103を含み得る。
図8を参照して、第1工程S101では第1正極活物質粒子14の表面に導電層16を形成する。たとえば、第1正極活物質粒子14の粉末に炭素源を混合して、400〜800℃程度の温度で焼成することにより、炭素を含む導電層16を形成することができる。炭素源としては、たとえば液体炭化水素、アルコール等の液体状の有機化合物、あるいはセルロース等の糖類を用いることができる。
第2工程S102では、中空体12の外殻SHに第1正極活物質粒子14を担持させることにより複合粒子10を得る。中空体12の外殻SHに第1正極活物質粒子14を担持させる方法は特に制限されるものではなく、従来公知の粉体加工技術を用いて行なうことができる。その一例として、たとえばメカノフュージョン法を挙げることができる。
第3工程S103では、複合粒子10と、第2正極活物質粒子と、導電材と、結着材とを混合して正極合材を得る。これらの材料の混合は一般的な粉体混合装置や混練装置を用いて行なうことができる。なお、予め結着材を溶媒に溶解させた溶液を作製しておき、該溶液を上記の材料と混合してもよい。
工程S200では負極板200を作製する。たとえば負極活物質と増粘材と結着材とを水中で混練してスラリー化し、該スラリーを負極集電芯材200a上に塗工、乾燥して負極合材部200bを形成することにより、負極板200を作製することができる。この際、負極板200を圧延して負極合材部200bの厚さおよび合材密度を調整してもよい。
電極体400は、セパレータ300を介して正極板100と負極板200とが対向するように巻回または積層することにより作製できる(工程S300)。次いで電極体400を外装体500に挿入する(工程S400)。そして外装体500に電解液を注液し(工程S500)、さらに外装体500を所定の手段(たとえばレーザ溶接)で封止することにより(工程S600)、本実施形態の非水電解質二次電池(電池1000)を製造することができる。
(正極板の作製:工程S100)
図3を参照して、長尺帯状のシート部材であり、短手方向の片側に連続して正極集電芯材100aが露出した非合材部を有する正極板100を作製した。
第1正極活物質粒子14として、表面に導電層16を有するリン酸鉄リチウム粒子(平均粒子径:3μm)を準備した。ここで導電層16はカーボン(C)から構成し、カーボンと母材であるリン酸鉄リチウム(LiFePO4)との質量比は、LiFePO4:C=99:1とした。
中空体12として、中空粒子(外殻SH:アクリル系樹脂、平均粒子径:6μm、平均内径:3μm、平均中空度:50%)を準備した。この中空体12は、外殻SHに内部の空洞HLと連通する開口部OPを複数有するものであった。なお、ここでの平均中空度および平均内径は100個の中空粒子についての算術平均値である。また今回の実験では平均中空度の算出にあたり、平均外径の代わりに平均粒子径を用いた。
第2正極活物質粒子としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(平均粒子径:8μm)と、導電材としてAB(製品名「デンカブラック」、電気化学工業株式会社製)と、結着材としてPVdF(品番「KF7200」、株式会社クレハ製)が溶解したNMP溶液とを準備した。
図4を参照して、長尺帯状のシート部材であり、短手方向の片側に連続して負極集電芯材200aが露出した非合材部を有する負極板200を作製した。
まず、PP/PE/PPの3層構造を有するセパレータ基材(厚さ:25μm)を準備した。次に、無機フィラーであるアルミナ粒子(96質量部)と、アクリル系樹脂結着材(4質量部)と、溶媒(イオン交換水)とを、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)を用いて混合し、耐熱層となるべきスラリーを得た。そしてグラビアコーターを用いて、該スラリーをセパレータ基材上に塗工、乾燥して基材上に耐熱層を形成した。これによりセパレータ300を得た。
ECとDMCとEMCとを、EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)となるように混合して混合溶媒を得た。次いで該混合溶媒に、LiPF6(1.0mol/L)、CHB(1質量%)およびBP(1質量%)を溶解させることにより、電解液を調製した。
図5を参照して、セパレータ300を介して正極板100と負極板200とが対向するように巻回して楕円状の巻回体を得た。次いで、平板プレス機を用いて、常温下で楕円状の巻回体を偏平状にプレス(面圧:4kN/cm2、時間:2分間)することにより、電極体400を得た(工程S300)。
表1に示すように、中空体12として平均粒子径が3μmである中空粒子を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として平均粒子径が12μmである中空粒子を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を得た。
粒子の複合化処理において、10質量部の中空体12に対して、100質量部の第1正極活物質粒子14を加えて複合粒子10を得、さらに正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=90:10:1:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、実施例4に係る非水電解質二次電池を得た。
粒子の複合化処理において、50質量部の中空体12に対して、100質量部の第1正極活物質粒子14を加えて複合粒子10を得、さらに正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=90:10:5:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、実施例5に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として、平均粒子径が6μmであり、平均内径が1.5μmである中空粒子(平均中空度:25%)を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例6に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として、平均粒子径が6μmであり、平均内径が4.5μmである中空粒子(平均中空度:75%)を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例7に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として、平均粒子径が1μmである中空粒子を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例8に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として、平均粒子径が15μmである中空粒子を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例9に係る非水電解質二次電池を得た。
粒子の複合化処理において、5質量部の中空体12に対して、100質量部の第1正極活物質粒子14を加えて複合粒子10を得、さらに正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=90:10:0.5:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、実施例10に係る非水電解質二次電池を得た。
粒子の複合化処理において、70質量部の中空体12に対して、100質量部の第1正極活物質粒子14を加えて複合粒子10を得、さらに正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=90:10:7:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、実施例11に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として、平均粒子径が6μmであり、平均内径が1μmである中空粒子(平均中空度:17%)を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例12に係る非水電解質二次電池を得た。
表1に示すように、中空体12として、平均粒子径が6μmであり、平均内径が5μmである中空粒子(平均中空度:83%)を用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例13に係る非水電解質二次電池を得た。
中空体12と第1正極活物質粒子14との複合化処理を行なわずに、第1正極活物質粒子14のみを正極合材に対して単純に混合することにより、正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=90:10:0:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を得た。
中空体12と第1正極活物質粒子14との複合化処理を行なわずに、これらを正極合材に対して単純に混合することにより、正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=90:10:3:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、比較例2に係る非水電解質二次電池を得た。
中空体12と第1正極活物質粒子14との複合化処理を行なわずに、中空体12のみを正極合材に対して単純に混合することにより、正極合材の配合を、第2正極活物質粒子:第1正極活物質粒子:中空体:導電材:結着材=100:0:3:4:2(質量比)とすることを除いては、実施例1と同様にして、比較例2に係る非水電解質二次電池を得た。
以上のようにして得られた各電池の性能を以下のようにして評価した。なお、以下の説明において電流値の単位「C」は電池の定格容量を1時間で放電する電流値を示すものとする。また「CC」は定電流を、「CV」は定電圧を、「CP」は定電力をそれぞれ示すものとする。
まず常温(約25℃)環境において、1C(24A)の電流値で4.1Vまで充電した後、5分間休止し、さらに1Cの電流値で3.0Vまで放電した後、5分間休止した。
50℃に設定された恒温槽内で、CC充電(電流値:2C、終止電圧:4.1V)およびCC放電(電流値:2C、終止電圧:3.0V)を1サイクルとする充放電サイクルを1000サイクル実行した。
25℃環境で電池のSOCを60%に調整し、電流値10C(240A)、10秒間のパルス放電を行なって、電圧降下量を測定した。そして電流値と電圧降下量との関係からIV抵抗値を算出した。結果を表2に示す。なお表2の「IV抵抗値」の欄に示す数値は、10個の電池についての算術平均値である。
25℃に設定された恒温槽内で、0.2C(4.8A)の電流値で4.1Vまで充電した後、5分間休止し、さらに0.2Cの電流値で3.0Vまで放電して容量を確認した。そして確認された容量に基づき、SOC20%に相当する電気量を電池に付与した。
25℃環境において電池のSOCを100%に調整した。そして電池を60℃に設定された恒温槽内で100日間保存した。100日経過後、電池を取り出し、「初期容量の測定」と同条件で保存後容量を測定した。そして保存後容量を初期容量で除した値の百分率を充電保存耐久後の容量維持率とした。結果を表2に示す。なお表2の「充電保存耐久後の容量維持率」の欄に示す数値は、50個の電池についての算術平均値である。
上記の「充電保存耐久後の容量維持率」と同条件で充電保存を行なった電池を用いて、次の条件で過充電試験を行なった。そして試験後電池の電圧を測定することにより、CIDの作動の有無を確認した。結果を表2に示す。なお表2の「充電保存耐久後の過充電試験におけるCID作動率」の欄に示す数値は、10個の電池のうちCIDが作動した電池の個数を示している。
充電上限電圧:20V
環境温度:25℃。
(i)複合粒子について
比較例1は、中空体を有さず、従来技術の如く、第1正極活物質粒子(LiFePO4/C)と第2正極活物質粒子(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)とを含む混合正極を備えるものである。比較例1は、初期においては低SOC領域での出力特性に優れるものの、サイクル耐久後および充電保存耐久後における容量維持率が低く、さらには充電保存耐久後におけるCID作動率が低い。この理由は、第1正極活物質粒子(LiFePO4/C)が本来の作動電位よりも高い電位で使用されるため、当該粒子の膨張・収縮量が大きくなり、電極内の導電ネットワークが寸断されるとともに、電極から電解液が吐出されて、液枯れを来すからであると考えられる。
中空体の平均粒子径が異なる実施例1、2および8を比較すると、実施例1および2は共に優れた性能を示す一方で、実施例8はこれらに比して充電保存耐久後の容量維持率に劣る結果となった。この理由は、実施例8は中空体の平均粒子径が小さいために、中空体の内部に保持できる電解液量が少なくなったからであると考えられる。したがってこれらの結果から、中空体の平均粒子径は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。
複合化処理における中空体の配合量が異なる実施例1、4および10を比較すると、実施例1および4は共に優れた性能を示す一方で、実施例10は耐久後の性能に劣る結果となった。この理由は、実施例10は中空体の配合量が少ないために、第1正極活物質粒子の膨張・収縮を十分に緩和できなかったからであると考えられる。したがってこれらの結果から、100質量部の第1正極活物質粒子に対して、中空体は5質量部以上の範囲で配合することが好ましく、10質量部以上の範囲で配合することがより好ましい。
中空体の平均中空度が異なる実施例1、6および12を比較すると、実施例1および6は共に優れた性能を示す一方で、実施例12はサイクル耐久後および充電保存耐久後の性能に劣る結果となった。この理由は、実施例12は平均中空度が低いために中空体の柔軟性が低下して、第1正極活物質粒子の膨張・収縮に対する追随性が低下したからであると考えられる。したがってこれらの結果から、中空体の平均中空度は、好ましくは17%以上であり、より好ましくは25%以上である。
3V級の正極活物質である第1正極活物質粒子(LiFePO4/C)を備えず、4V級の正極活物質である第2正極活物質粒子(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)のみを備える比較例3は、低SOC領域での定電力出力値が十分ではない。したがって低SOC領域を拡大するとの観点から、非水電解質二次電池は、作動電位の異なる2種以上の正極活物質を備えることが好ましいといえる。
(1)非水電解質二次電池が、中空体と該中空体の外殻に担持される第1正極活物質粒子とを含む複合粒子を備えることにより、サイクル耐久性および充電保存耐久性が向上する。
Claims (7)
- 中空体と前記中空体の外殻に担持される第1正極活物質粒子とを含む複合粒子を備える、非水電解質二次電池。
- 前記中空体は、前記外殻に内部の空洞と連通する開口部を有する、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記中空体の前記外殻は、アクリル系樹脂を含む、請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記第1正極活物質粒子は、その表面に導電層を有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記非水電解質二次電池は、第2正極活物質粒子をさらに備え、
前記第1正極活物質粒子のリチウム基準の平均放電電位は、前記第2正極活物質粒子のリチウム基準の平均放電電位よりも低い、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。 - 前記第1正極活物質粒子は、オリビン型構造のリチウム含有リン酸塩を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記第2正極活物質粒子は、リチウムニッケル複合酸化物を含む、請求項5に記載の非水電解質二次電池。
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