JP2015163035A - 同期モータを制御するモータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】突極性を有する同期モータを制御するq軸電流指令およびd軸電流指令を高速に生成し、トルクを高精度に制御できるモータ制御装置を実現する。【解決手段】モータ制御装置1は、トルク指令がゼロのときの値を初期値としトルク指令が増加するほど減少する速度基準値を算出する算出手段11と、トルク指令について算出手段11により算出された速度基準値と速度指令との大小関係を判定する判定手段12と、同期モータ3へ流すq軸電流を指令するq軸電流指令を、速度指令が速度基準値より小さいときは、トルク指令と同期モータ3のトルク定数の逆数とに基づいて生成し、速度指令が速度基準値以上であるときは、速度指令を独立変数とする関数とトルク指令と同期モータ3のトルク定数の逆数とに基づいて生成するq軸電流指令手段13と、q軸電流指令に基づいて同期モータ3へ流すd軸電流を指令するd軸電流指令を生成するd軸電流指令手段14とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、同期モータを電流ベクトル制御するモータ制御装置に関し、特にq軸電流指令およびd軸電流指令に基づいて、突極性を有する永久磁石同期モータ(Permanent Magnetic Synchronous Motor:PMSM)を電流ベクトル制御するモータ制御装置に関する。
永久磁石を有する三相交流同期モータ(以下、単に「同期モータ」と称することがある。)の制御方法として、dq座標制御系を用いた電流ベクトル制御が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。dq座標制御系では、回転子の磁極の方向(すなわち永久磁石の中心軸)がd軸に設定され、d軸と電気的および磁気的に直交する軸(永久磁石間の軸)がq軸に設定される。この場合、トルク指令からq軸電流指令およびd軸電流指令を生成し、q軸電流指令およびd軸電流指令を用いて同期モータの回転子の磁極位置に応じて適切な励磁位相巻線に電流を流すことで、トルク指令に応じた所望のトルクを同期モータに発生させる。
例えば、トルク指令および速度指令に応じてq軸電流指令を制限し、速度指令およびq軸電流指令からd軸指令を算出することで、複雑な計算式を用いずに処理速度を高速化したモータ制御装置がある(例えば、特許文献1)。
また、同期モータに流れる電流値に応じて変化するd軸及びq軸のインダクタンスを電流値に関連付けたインダクタンス情報を予め設定しておき、d軸およびq軸の電流指令を生成するにあたり、既に出力したd軸およびq軸の電流指令によって同期モータに流れたとみなせる電流値に対応するd軸およびq軸のインダクタンスを用いてd軸電流指令およびq軸電流指令を生成するモータ制御装置がある(例えば、特許文献2)。
また、d軸方向とq軸方向のインダクタンスに差があるモータにおいて、高負荷側のトルクだれを防止し、モータのトルク向上や小型化を図るために、最大トルク・電流制御を行って電流位相を調整する制御方法がある(例えば、特許文献3)。
突極性を持たない永久磁石同期モータの場合、回転磁界の極と回転子の永久磁石の磁極との吸引力および反発力によってマグネットトルクが発生する。突極性を持たない同期モータの極対数をPn、永久磁石の鎖交磁束をΨa、同期モータの励磁位相巻線に流れるq軸電流をIqとすると、マグネットトルクTMは式1のように表せる。
入力されたトルク指令TCMDに対して、式1を変形した式2に基づき、q軸電流指令Iq *を生成し、さらにq軸電流指令Iq *からd軸電流指令Id *を生成し、これらq軸電流指令Iq *およびd軸電流指令Iq *を用いることで、突極性を持たない同期モータを制御することができる。
一方、突極性を有する永久磁石同期モータの場合、永久磁石によるマグネットトルクの他に、リラクタンストルクが発生する。リラクタンストルクは、固定子の回転磁界による極と回転子の突極との吸引力だけによって生じるトルクである。突極性を有する同期モータの場合、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとに差があるので、q軸電流を一定にして、最大電流と入力電圧に応じてd軸電流を決めて動作させると、リラクタンストルクに相当するトルク分だけ増加する。極対数をPn、q軸インダクタンスをLq[H]、d軸インダクタンスをLd[H]、同期モータの励磁位相巻線に流れるq軸電流をIq[A]、d軸電流をId[A]とすると、リラクタンストルクTR[Nm]は式3のように表せる。
よって、突極性を有する同期モータに発生するトルクT[Nm]は、式1および式3を用いて式4のように表せる。
武田洋次、松井信行、森本茂雄、本田幸夫著、「埋込磁石同期モータの設計と制御」、株式会社オーム社、第1版第7刷、17〜27頁および38〜46頁、2007年
図4は、突極性を有する同期モータを、マグネットトルクのみを考慮してq軸電流指令およびd軸電流指令を生成して電流ベクトル制御を行った場合における、回転子の速度とトルクとの関係を示す図である。突極性を有する永久磁石同期モータを、マグネットトルクのみを考慮した式2に従ってq軸電流指令(およびd軸電流指令)を生成して電流ベクトル制御を行うと、入力されたトルク指令TCMDに対して、同期モータに実際に発生するトルクTがリラクタンストルクTM分だけ増えてしまう。特に高速域においてリラクタンストルクTM分の増加は顕著である。ただ、この場合であっても、トルク制御ループの前段に速度制御ループを設け、速度制御ループの前段に位置制御ループを設けた場合には、速度制御ループにおいて必要なトルクに合わせてトルク指令が調整されるため、同期モータの回転子の位置および速度については正しく制御すること自体は可能である。しかしながら、上述のように同期モータのトルクをトルク指令どおりに制御することはできず、誤差が発生してしまう。
このようなトルク誤差を回避するために、マグネットトルクとリラクタンストルクとを併用して突極性を有する同期モータについて電流ベクトル制御を行うことが考えられる。この場合、入力されたトルク指令TCMDに対して、式4を変形した式5に基づき、q軸電流指令Iq *を生成する。
図5は、突極性を有する同期モータを、マグネットトルクおよびリラクタンストルクを考慮してq軸電流指令およびd軸電流指令を生成して電流ベクトル制御を行った場合における、回転子の速度とトルクとの関係を示す図である。式5に従ってq軸電流指令Iq *を生成すれば、入力されたトルク指令TCMDと、同期モータに実際に発生するトルクTとを一致させることができる。
しかしながら、q軸電流指令Iq *の算出に用いられる式5には実際に流れるd軸電流Idが含まれており、d軸電流指令Id *は式5に従って生成されたq軸電流指令Iq *から求められるものであるので、単純にq軸電流指令Iq *およびd軸電流指令Id *を算出しようとすると、これらの計算が循環してしまう。この循環参照を回避するためには、q軸電流指令Iq *を算出する際のd軸電流Idを1周期前の値とする必要があり、これに起因して誤差が依然として生じてしまう。また、式5は、演算処理に負担がかかる割り算を含んでおり、処理に時間がかかるという問題がある。
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、突極性を有する同期モータを制御するのに用いられるq軸電流指令およびd軸電流指令を高速に生成し、トルクを高精度に制御することができるモータ制御装置を提供することにある。
上記目的を実現するために、本発明においては、q軸電流指令およびd軸電流指令を生成し、これらを用いて突極性を有する同期モータを制御するモータ制御装置は、トルク指令がゼロのときの値を初期値としトルク指令が増加するほど減少する値である速度基準値を算出する算出手段と、入力されたトルク指令について算出手段により算出された速度基準値と、入力された速度指令と、の大小関係を判定する判定手段と、同期モータへ流すq軸電流を指令するq軸電流指令を、判定手段により速度指令が速度基準値より小さいと判定されたときは、トルク指令と同期モータのトルク定数の逆数とに基づいて生成し、判定手段により速度指令が速度基準値以上であると判定されたときは、速度指令を独立変数とする関数とトルク指令と同期モータのトルク定数の逆数とに基づいて生成するq軸電流指令手段と、q軸電流指令手段により生成されたq軸電流指令に基づいて、同期モータへ流すd軸電流を指令するd軸電流指令を生成するd軸電流指令手段と、を備える。
ここで、モータ制御装置は、トルク指令がゼロのときの速度基準値の初期値として設定される速度基準値初期値と、前記算出手段による算出処理に用いられる速度基準値の変化率と、を記憶する記憶手段をさらに備えてもよい。
また、算出手段は、速度基準値をωn、トルク指令がゼロのときの速度基準値の初期値として設定される速度基準値初期値をω0、速度基準値の変化率をk、入力されるトルク指令をTCMDとしたとき、式6に基づいて、速度基準値ωnを算出してもよい。
また、q軸電流指令手段は、同期モータへ流すq軸電流を指令するq軸電流指令をIq *、入力されるトルク指令をTCMD、入力される速度指令をωCMD、同期モータのトルク定数の逆数をR、係数をa、bおよびcとしたとき、判定手段により速度指令ωCMDが速度基準値ωnより小さいと判定されたときは、式7に基づいてq軸電流指令Iq *を生成し、判定手段により速度指令ωCMDが速度基準値ωn以上であると判定されたときはに基づいてq軸電流指令Iq *を生成してもよい。
本発明によれば、突極性を有する同期モータを制御するのに用いられるq軸電流指令およびd軸電流指令を高速に生成し、トルクを高精度に制御することができるモータ制御装置を実現することができる。
すなわち、本発明によれば、q軸電流指令およびd軸電流指令の生成処理に用いる計算式として、同期モータの回転子の回転速度についての指令である速度指令に応じて、マグネットトルクのみを考慮した計算式とマグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を考慮した計算式とを使い分けるので、トルク指令に一致したトルクを同期モータに発生させることができ、トルクを高精度に制御することができる。
また、本発明によれば、q軸電流指令およびd軸電流指令の生成処理に用いられる計算式には割り算やd軸電流についての循環参照の項が含まれないので、演算処理に要する時間が短縮され、q軸電流指令およびd軸電流指令を高速に生成することができる。
図1は、本発明の実施例によるモータ制御装置の原理ブロック図である。以下、モータ制御装置1を用いて突極性を有する三相交流同期モータ3の回転を制御する場合について説明する。同期モータ3の駆動電力は逆変換器4によって供給される。逆変換器4は、例えばPWMインバータなどのような、内部に半導体スイッチング素子を有する電力変換回路である。逆変換器4は、モータ制御装置1により生成されたスイッチング指令u*、v*およびw*によりその半導体スイッチング素子のスイッチング動作が制御されることで、電源2からから供給される直流電力を、突極性を有する三相交流同期モータ3を駆動するための所望の電圧および所望の周波数の三相交流電力に変換する。これにより、同期モータ3は、供給された電圧可変および周波数可変の三相交流電力に基づいて動作する。なお、逆変換器4へ直流電力を供給する電源2は、例えば商用の三相交流電源(図示せず)からの三相交流電力を直流に変換する整流器で構成される。
本発明の実施例によるモータ制御装置1においては、マグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を考慮してq軸電流指令iq *およびd軸電流指令id *を生成するが、この生成処理に用いる計算式として、同期モータ3の回転子の回転速度についての指令である速度指令ωCMDに応じて、マグネットトルクのみを考慮した計算式とマグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を考慮した計算式とを使い分ける。すなわち、本発明の実施例では、同期モータ3の回転子の回転速度についての指令である速度指令ωCMDに応じて、q軸電流指令iq *を生成するのに用いる計算式を変更することで、同期モータ3がトルク指令に一致したトルクを実際に発生できるようにする。また、q軸電流指令iq *およびd軸電流指令id *の生成処理に用いられる計算式は割り算を含まないものとすることで、演算処理に要する時間を短縮し、q軸電流指令iq *およびd軸電流指令id *を高速に生成できるようにする。このようなq軸電流指令iq *およびd軸電流指令id *を生成するために、モータ制御装置1は、記憶手段10と、算出手段11と、判定手段12と、q軸電流指令手段13と、d軸電流指令手段14と、を備える。
算出手段11は、生成すべきq軸電流指令iq *を決定する際に用いられる判断基準となる速度基準値を算出する。すなわち、算出手段11は、式9に基づいて速度基準値ωnを算出する。ここで、速度基準値をωn、トルク指令がゼロのときの速度基準値の初期値として設定される速度基準値初期値をω0、速度基準値の変化率をk、入力されるトルク指令をTCMDとする。
式9に示すように、速度基準値ωnは、トルク指令TCMDがゼロのときの値を初期値とし、トルク指令TCMDが増加するほど減少する値である。算出手段11は、入力されるトルク指令TCMDごとに、式9に基づいて速度基準値ωnを算出する。たとえば、速度基準値初期値ω0=3000rpm、速度基準値の変化率k=100としたとき、入力されるトルク指令TCMDが0から10まで変化すると、速度基準値ωnは3000rpmから2000rpmに変化する。
なお、速度基準値初期値ω0および速度基準値の変化率kは、同期モータ3の特性や用途に応じて適宜設定すればよく、設定されたこれらの値はモータ制御装置1内に設けられた記憶手段10に記憶される。
判定手段12は、入力されたトルク指令TCMDについて算出手段11により式9に従って算出された速度基準値ωnと、入力された速度指令ωCMDと、の大小関係を判定する。判定手段12による判定結果はd軸電流指令手段13へ送られる。
q軸電流指令手段13は、判定手段12の判定結果に基づきq軸電流指令を生成する。ここで、同期モータ3へ流すべきq軸電流を指令するq軸電流指令をIq *、入力されるトルク指令をTCMD、入力される速度指令をωCMD、同期モータ3のトルク定数の逆数をRとする。q軸電流指令手段13は、判定手段12により速度指令ωCMDが速度基準値ωnより小さいと判定されたときは、トルク指令TCMDと同期モータ3のトルク定数の逆数Rとに基づいてq軸電流指令Iq *を生成し、判定手段12により速度指令ωCMDが速度基準値ωn以上であると判定されたときは、速度指令ωCMDを独立変数とする関数とトルク指令TCMDと同期モータ3のトルク定数の逆数Rとに基づいてq軸電流指令Iq *を生成する。一例として、速度指令ωCMDを独立変数とする関数を2次関数とした場合について説明すると次の通りである。
判定手段12により速度指令ωCMDが速度基準値ωnより小さいと判定されたとき、q軸電流指令手段13は、既に説明したマグネットトルクTMの式1を利用してq軸電流指令Iq *を生成する。同期モータ3のトルク定数は「極対数Pn×永久磁石の鎖交磁束をΨa」で表せるが、その逆数Rを予め計算しておき、モータ制御装置1内の記憶手段(図示せず)に記憶しておき、演算処理の際にはこの逆数Rが用いられる。そして、入力されたトルク指令TCMDに対して、式1を変形した式10に基づき、速度指令ωCMDが速度基準値ωnより小さい場合におけるq軸電流指令Iq *を生成する。ここで、係数をa、bおよびcとする。
一方、判定手段12により速度指令ωCMDが速度基準値ωn以上であると判定されたとき、q軸電流指令手段13は、式11を利用してq軸電流指令Iq *を生成する。
d軸電流指令手段14は、q軸電流指令手段13により生成されたq軸電流指令Iq *に基づいて、同期モータへ流すd軸電流を指令するd軸電流指令Id *を生成する。
このように、同期モータ3の回転子の回転速度についての指令である速度指令ωCMDに応じて、q軸電流指令iq *を生成するのに用いる計算式を変更することで、同期モータ3がトルク指令TCMDに一致したトルクを実際に発生させることができる。また、q軸電流指令iq *およびd軸電流指令Id *の生成処理に用いられる計算式は割り算やd軸電流についての循環参照の項を含まないので、演算処理に要する時間を短縮し、q軸電流指令iq *を高速に生成することができる。
以上のようにして生成されたq軸電流指令Iq *およびd軸電流を指令するd軸電流指令Id *は、DQ/三相変換回路15に入力される。
DQ/三相変換回路ブロック15では、q軸電流指令iq *およびd軸電流指令id *を二相三相変換して同期モータ3のu相、v相およびw相の各相ごとの電流指令iu *、iv *およびiw *を生成する。
電流制御部16は、同期モータ3の励磁位相巻線に流れる電流iu、ivおよびiwをDQ/三相変換回路15から出力された三相電流指令iu *、iv *およびiw *に追従させるためのスイッチング指令u*、v*およびw*を生成する。逆変換器4は、生成されたスイッチング指令u*、v*およびw*に基づいてその半導体スイッチング素子のスイッチング動作が実行されることで、電源2からの直流を交流に変換し、同期モータ3の各相巻線に交流の駆動電流iu、ivおよびiwを供給する。
なお、算出手段11、判定手段12、q軸電流指令手段13、d軸電流指令手段14、DQ/三相変換回路15および電流制御部16は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えば算出手段11、判定手段12、q軸電流指令手段13、d軸電流指令手段14、DQ/三相変換回路15および電流制御部16をソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、モータ制御装置1内の演算処理装置はこのソフトウェアプログラムに従って動作することで上述の各手段の機能が実現される。また、既存のモータ制御装置は、通常DQ/三相変換回路15および電流制御部16の機能を有するが、これに算出手段11、判定手段12、q軸電流指令手段13およびd軸電流指令手段14に係るソフトウェアプログラムを当該モータ制御装置に追加的にインストールすることで本発明を適用することも可能である。
なお、上述の実施例では、一例として、入力されたトルク指令TCMDおよび速度指令ωCMDに基づいてq軸電流指令Iq *およびd軸電流指令Id *を生成するオープン制御ループとした場合を説明したが、同期モータ3の回転子の回転についての速度検出値や位置検出値を用いたフィードバック制御およびフィードフォワード制御を付加してもよい。例えば、同期モータ3の回転子に対する位置指令を入力とし、位置指令と同期モータ3の回転子の位置検出値とから速度指令ωCMDを生成する位置フィードバック制御ループと、速度指令ωCMDと同期モータ3の回転子の位置検出値とからトルク指令TCMDを生成する速度フィードバック制御ループとを、モータ制御装置1に設けてもよい。またさらに、速度指令に対する応答性を高めるために速度フィードバック制御ループに付加される速度フィードフォワード制御系や、位置指令に対する応答性を高めるために位置フィードバック制御ループに付加される位置フィードフォワード制御系をモータ制御装置1に設けてもよい。
図2は、突極性を有する同期モータを、本発明の実施例によるモータ制御装置にて電流ベクトル制御を行った場合における、回転子の速度とトルクとの関係を示す図である。図2は上述の式11においてa=1、b=1、c=1とした例を示しており、従来技術(図4)では発生していた高速域のリラクタンストルクTM分の増加を抑制することができ、トルクを高精度に制御することができることがわかる。
図3は、本発明の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップS100においてトルク指令TCMDおよび速度指令ωnが入力されると、ステップS101において、算出手段11は、式9に基づいて速度基準値ωnを算出する。
次いでステップS102において、判定手段12は、入力されたトルク指令TCMDについて算出手段11により式9に従って算出された速度基準値ωnと、入力された速度指令ωCMDと、の大小関係を判定する。
ステップS102において速度指令ωCMDが速度基準値ωnより小さいと判定されたとき、ステップS103において、q軸電流指令手段13は、式10に基づきq軸電流指令Iq *を生成する。
ステップS102において速度指令ωCMDが速度基準値ωn以上であると判定されたとき、ステップS104において、q軸電流指令手段13は、式11に基づきq軸電流指令Iq *を生成する。
次いでステップS105において、d軸電流指令手段14は、q軸電流指令手段13により生成されたq軸電流指令Iq *に基づいて、同期モータへ流すd軸電流を指令するd軸電流指令Id *を生成する。
本発明は、埋込磁石型同期モータ(Interior Permanent Magnetic Synchronous Motor:IPMSM)など、突極性を有する永久磁石同期モータ(Permanent Magnetic Synchronous Motor:PMSM)を制御するモータ制御装置に適用することができる。
1 モータ制御装置
2 同期モータ
3 電源
4 逆変換器
10 記憶手段
11 算出手段
12 判定手段
13 q軸電流指令手段
14 d軸電流指令手段
15 DQ/三相変換回路
16 電流制御部
2 同期モータ
3 電源
4 逆変換器
10 記憶手段
11 算出手段
12 判定手段
13 q軸電流指令手段
14 d軸電流指令手段
15 DQ/三相変換回路
16 電流制御部
入力されたトルク指令TCMDに対して、式1を変形した式2に基づき、q軸電流指令Iq *を生成し、さらにq軸電流指令Iq *からd軸電流指令Id *を生成し、これらq軸電流指令Iq *およびd軸電流指令I d *を用いることで、突極性を持たない同期モータを制御することができる。
図4は、突極性を有する同期モータを、マグネットトルクのみを考慮してq軸電流指令およびd軸電流指令を生成して電流ベクトル制御を行った場合における、回転子の速度とトルクとの関係を示す図である。突極性を有する永久磁石同期モータを、マグネットトルクのみを考慮した式2に従ってq軸電流指令(およびd軸電流指令)を生成して電流ベクトル制御を行うと、入力されたトルク指令TCMDに対して、同期モータに実際に発生するトルクTがリラクタンストルクT R 分だけ増えてしまう。特に高速域においてリラクタンストルクT R 分の増加は顕著である。ただ、この場合であっても、トルク制御ループの前段に速度制御ループを設け、速度制御ループの前段に位置制御ループを設けた場合には、速度制御ループにおいて必要なトルクに合わせてトルク指令が調整されるため、同期モータの回転子の位置および速度については正しく制御すること自体は可能である。しかしながら、上述のように同期モータのトルクをトルク指令どおりに制御することはできず、誤差が発生してしまう。
また、q軸電流指令手段は、同期モータへ流すq軸電流を指令するq軸電流指令をIq *、入力されるトルク指令をTCMD、入力される速度指令をωCMD、同期モータのトルク定数の逆数をR、係数をa、bおよびcとしたとき、判定手段により速度指令ωCMDが速度基準値ωnより小さいと判定されたときは、式7に基づいてq軸電流指令Iq *を生成し、判定手段により速度指令ωCMDが速度基準値ωn以上であると判定されたときは式8に基づいてq軸電流指令Iq *を生成してもよい。
本発明の実施例によるモータ制御装置1においては、マグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を考慮してq軸電流指令I q *およびd軸電流指令I d *を生成するが、この生成処理に用いる計算式として、同期モータ3の回転子の回転速度についての指令である速度指令ωCMDに応じて、マグネットトルクのみを考慮した計算式とマグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を考慮した計算式とを使い分ける。すなわち、本発明の実施例では、同期モータ3の回転子の回転速度についての指令である速度指令ωCMDに応じて、q軸電流指令I q *を生成するのに用いる計算式を変更することで、同期モータ3がトルク指令に一致したトルクを実際に発生できるようにする。また、q軸電流指令I q *およびd軸電流指令I d *の生成処理に用いられる計算式は割り算を含まないものとすることで、演算処理に要する時間を短縮し、q軸電流指令I q *およびd軸電流指令I d *を高速に生成できるようにする。このようなq軸電流指令I q *およびd軸電流指令I d *を生成するために、モータ制御装置1は、記憶手段10と、算出手段11と、判定手段12と、q軸電流指令手段13と、d軸電流指令手段14と、を備える。
算出手段11は、生成すべきq軸電流指令I q *を決定する際に用いられる判断基準となる速度基準値を算出する。すなわち、算出手段11は、式9に基づいて速度基準値ωnを算出する。ここで、速度基準値をωn、トルク指令がゼロのときの速度基準値の初期値として設定される速度基準値初期値をω0、速度基準値の変化率をk、入力されるトルク指令をTCMDとする。
判定手段12は、入力されたトルク指令TCMDについて算出手段11により式9に従って算出された速度基準値ωnと、入力された速度指令ωCMDと、の大小関係を判定する。判定手段12による判定結果はq軸電流指令手段13へ送られる。
このように、同期モータ3の回転子の回転速度についての指令である速度指令ωCMDに応じて、q軸電流指令I q *を生成するのに用いる計算式を変更することで、同期モータ3がトルク指令TCMDに一致したトルクを実際に発生させることができる。また、q軸電流指令I q *およびd軸電流指令Id *の生成処理に用いられる計算式は割り算やd軸電流についての循環参照の項を含まないので、演算処理に要する時間を短縮し、q軸電流指令I q *を高速に生成することができる。
DQ/三相変換回路15では、q軸電流指令I q *およびd軸電流指令I d *を二相三相変換して同期モータ3のu相、v相およびw相の各相ごとの電流指令iu *、iv *およびiw *を生成する。
図2は、突極性を有する同期モータを、本発明の実施例によるモータ制御装置にて電流ベクトル制御を行った場合における、回転子の速度とトルクとの関係を示す図である。図2は上述の式11においてa=1、b=1、c=1とした例を示しており、従来技術(図4)では発生していた高速域のリラクタンストルクT R 分の増加を抑制することができ、トルクを高精度に制御することができることがわかる。
図3は、本発明の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。まず、ステップS100においてトルク指令TCMDおよび速度指令ω CMD が入力されると、ステップS101において、算出手段11は、式9に基づいて速度基準値ωnを算出する。
1 モータ制御装置
2 電源
3 同期モータ
4 逆変換器
10 記憶手段
11 算出手段
12 判定手段
13 q軸電流指令手段
14 d軸電流指令手段
15 DQ/三相変換回路
16 電流制御部
2 電源
3 同期モータ
4 逆変換器
10 記憶手段
11 算出手段
12 判定手段
13 q軸電流指令手段
14 d軸電流指令手段
15 DQ/三相変換回路
16 電流制御部
Claims (4)
- q軸電流指令およびd軸電流指令を作成し、これらを用いて突極性を有する同期モータを制御するモータ制御装置であって、
トルク指令がゼロのときの値を初期値としトルク指令が増加するほど減少する値である速度基準値を算出する算出手段と、
入力されたトルク指令について前記算出手段により算出された速度基準値と、入力された速度指令と、の大小関係を判定する判定手段と、
同期モータへ流すq軸電流を指令するq軸電流指令を、前記判定手段により速度指令が速度基準値より小さいと判定されたときは、トルク指令と同期モータのトルク定数の逆数とに基づいて生成し、前記判定手段により速度指令が速度基準値以上であると判定されたときは、速度指令を独立変数とする関数とトルク指令と同期モータのトルク定数の逆数とに基づいて生成するq軸電流指令手段と、
前記q軸電流指令手段により作成されたq軸電流指令に基づいて、同期モータへ流すd軸電流を指令するd軸電流指令を生成するd軸電流指令手段と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - トルク指令がゼロのときの速度基準値の初期値として設定される速度基準値初期値と、前記算出手段による算出処理に用いられる速度基準値の変化率と、を記憶する記憶手段をさらに備える請求項1に記載のモータ制御装置。
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