JP2015030760A - ロール用高飽和ニトリルゴム組成物およびロール - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたロール用ゴム架橋物(ロール)を与えることのできるロール用高飽和ニトリルゴム組成物、および該ゴム組成物を用いて得られるロール用ゴム架橋物(ロール)を提供することを目的とする。
【解決手段】α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A2)と、ポリアミド樹脂(B)とを含有してなるロール用高飽和ニトリルゴム組成物を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A2)と、ポリアミド樹脂(B)とを含有してなるロール用高飽和ニトリルゴム組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたロール用ゴム架橋物(ロール)を与えることのできるロール用高飽和ニトリルゴム組成物、および該ロール用高飽和ニトリルゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物に関する。
従来から、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)は、耐燃料油性、機械的特性、耐薬品性等を活かして、各種耐油ホース、ガスケット、オイルシール、ダイアフラム、ロールなどの工業用品として使用されており、また、ニトリルゴムのポリマー主鎖中の炭素−炭素二重結合を水素化した水素化ニトリルゴム(高飽和ニトリルゴム)はさらに耐熱性に優れるため、製紙用ロール、製鉄用ロール、印刷用ロール等のロールに使用されている。
近年、ロール(鉄芯などの金属製芯にゴムシートを渦巻き状に巻き付けることによって製造されることが多い。)に対する要求特性が厳しくなり、機械的強度、耐熱性および耐油性の向上が求められている。
例えば、特許文献1では、水素化ニトリルゴム(高飽和ニトリルゴム)に、有機過酸化物および特定構造のベンゾキノンジオキシム誘導体を配合し、ゴム−ゴム間の接着を向上させ、ロール耐久性(耐熱性、耐薬品性)に優れたゴムロールを得ている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、ゴム−ゴム間の接着を向上させるもので、ロールを構成するゴム自体を改善し、機械的強度、耐熱性および耐油性を向上させる技術が求められていた。
本発明は、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたロール用ゴム架橋物(ロール)を与えることのできるロール用高飽和ニトリルゴム組成物、および該ゴム組成物を用いて得られるロール用ゴム架橋物(ロール)を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、高飽和ニトリルゴムとして、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有するカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下である高飽和ニトリルゴム(A2)とを併用し、これらに、ポリアミド樹脂(B)を配合してなるゴム組成物が、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたロール用ゴム架橋物(ロール)を与えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A2)と、ポリアミド樹脂(B)とを含有してなるロール用高飽和ニトリルゴム組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と上記高飽和ニトリルゴム(A2)との含有割合が、「カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1):高飽和ニトリルゴム(A2)」の重量比で、2:98〜98:2である上記に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物が提供される。
また、上記ポリアミド樹脂(B)の融点が、100〜300℃であることが好ましい。
なお、上記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位が、マレイン酸のモノアルキルエステル単位であることが好ましい。
また、上記ポリアミド樹脂(B)の融点が、100〜300℃であることが好ましい。
なお、上記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位が、マレイン酸のモノアルキルエステル単位であることが好ましい。
また、本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、上記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、上記高飽和ニトリルゴム(A2)および上記ポリアミド樹脂(B)を、200℃以上の温度で混練して得られたものであることが好ましい。
そして、本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、上記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、上記高飽和ニトリルゴム(A2)および上記ポリアミド樹脂(B)を、200℃以上の温度で、二軸押出機で混練して得られたものであることがより好ましい。
そして、本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、上記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、上記高飽和ニトリルゴム(A2)および上記ポリアミド樹脂(B)を、200℃以上の温度で、二軸押出機で混練して得られたものであることがより好ましい。
また、本発明によれば、上記いずれかのロール用高飽和ニトリルゴム組成物に、架橋剤(C)を配合してなるロール用架橋性ニトリルゴム組成物が提供される。
なお、上記ロール用架橋性ニトリルゴム組成物は、さらに架橋助剤を配合したものであることが好ましい。
なお、上記ロール用架橋性ニトリルゴム組成物は、さらに架橋助剤を配合したものであることが好ましい。
さらに、本発明によれば、上記ロール用架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなるロール用ゴム架橋物が提供される。
本発明によれば、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたロール用ゴム架橋物(ロール)を与えることのできるロール用高飽和ニトリルゴム組成物、および該ゴム組成物を用いて得られるロール用ゴム架橋物(ロール)を提供することができる。
ロール用高飽和ニトリルゴム組成物
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A2)と、ポリアミド樹脂(B)とを含有する。
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A2)と、ポリアミド樹脂(B)とを含有する。
カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)
本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下のゴムである。本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、および必要に応じて加えられる共重合可能なその他の単量体を共重合することにより得られる。
本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下のゴムである。本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、および必要に応じて加えられる共重合可能なその他の単量体を共重合することにより得られる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、たとえば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、15〜60重量%であり、好ましくは18〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるロール用ゴム架橋物の耐油性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;などが挙げられる。これらのなかでも、マレイン酸モノアルキルエステルが好ましく、アルキルの炭素数が2〜6のマレイン酸モノアルキルエステルがより好ましく、マレイン酸モノn−ブチルが特に好ましい。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、1〜60重量%であり、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%である。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、得られるロール用ゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、共役ジエン単量体単位をも含有することが好ましい。
共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどの炭素数4〜6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン単量体は一種単独でも、複数種を併用してもよい。
共役ジエン単量体単位(水素添加等により飽和化されている部分も含む)の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは20〜84重量%、より好ましくは25〜76重量%、さらに好ましくは33〜63重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるロール用ゴム架橋物のゴム弾性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐熱性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、耐寒性向上の観点から、さらにα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を含有していても良い。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を形成するα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(「メタクリル酸アルキルエステルおよびアクリル酸アルキルエステル」の略記。以下同様。);(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸n−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸i−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸i−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシブチルなどの炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;アクリル酸α−シアノエチル、メタクリル酸α−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどの炭素数2〜12のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸シアノアルキルエステル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどの炭素数1〜12のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル;などが挙げられるが、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび炭素数2〜8のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルがより好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルおよび(メタ)アクリル酸メトキシエチルが特に好ましい。これらは一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0〜60重量%、より好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは15〜45重量%である。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)には、本発明の効果を損なわない範囲において、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体以外のカルボキシル基含有単量体を共重合したものであってもよい。
このようなカルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;フマル酸やマレイン酸などのブテンジオン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アリルマロン酸、テラコン酸などが挙げられる。また、α,β−不飽和多価カルボン酸の無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体以外のカルボキシル基含有単量体の単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、共役ジエン単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体以外のカルボキシル基含有単量体とともに、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものであってもよい。このようなその他の単量体としては、エチレン、α−オレフィン単量体、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル単量体、フッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止剤などが例示される。
α−オレフィン単量体としては、炭素数が3〜12のものが好ましく、たとえば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルとしては、たとえば、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、たとえば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、たとえば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、 N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能なその他の単量体は、複数種類を併用してもよい。その他の単量体の単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のヨウ素価は、好ましくは120以下であり、より好ましくは60以下、さらに好ましくは30以下、特に好ましくは15以下である。ヨウ素価を120以下とすることにより、得られるゴム架橋物の耐熱性を向上させることができる。
カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは1〜200、より好ましくは10〜150、さらに好ましくは20〜110である。カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のポリマー・ムーニー粘度が低すぎると、得られるロール用ゴム架橋物の機械特性が低下するおそれがあり、逆に、高すぎると、ロール用高飽和ニトリルゴム組成物の加工性が低下する可能性がある。
また、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)におけるカルボキシル基の含有量、すなわち、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)100g当たりのカルボキシル基のモル数は、好ましくは0.006〜0.116ephr、より好ましくは0.012〜0.087ephr、特に好ましくは0.023〜0.058ephrである。カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のカルボキシル基含有量が少なすぎると、ロール加工性が低下する傾向がある。一方、多すぎると耐熱性が低下する可能性がある。
本発明で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)の製造方法は、特に限定されないが、乳化剤を用いた乳化重合により上述の単量体を共重合して共重合体ゴムのラテックスを調製し、これを水素化することにより製造することが好ましい。乳化重合に際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等の通常用いられる重合副資材を使用することができる。
乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;などが挙げられる。乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機の過酸化物が好ましい。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;α−メチルスチレンダイマー;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましい。分子量調整剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.8重量部である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは80〜500重量部である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に応じて安定剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。
なお、共重合して得られた共重合体のヨウ素価が120より高い場合には、ヨウ素価を120以下とするために、共重合体の水素化(水素添加反応)を行ってもよい。この場合における、水素化の方法は特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。
高飽和ニトリルゴム(A2)
本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下のゴムである。本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、および必要に応じて加えられる共重合可能なその他の単量体を共重合することにより得られる。
本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下のゴムである。本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、および必要に応じて加えられる共重合可能なその他の単量体を共重合することにより得られる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様のものを用いることができる。高飽和ニトリルゴム(A2)中における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、15〜60重量%であり、好ましくは18〜55重量%、さらに好ましくは20〜45重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるロール用ゴム架橋物の耐油性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。
また、本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、得られるロール用ゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合する単量体として、共役ジエン単量体を用いることが好ましい。共役ジエン単量体としては、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様のものを用いることができる。高飽和ニトリルゴム(A2)中における、共役ジエン単量体単位(水素添加等により飽和化されている部分も含む)の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは24.1〜84.1重量%、より好ましくは26.5〜71.5重量%、さらに好ましくは35〜65重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるロール用ゴム架橋物のゴム弾性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎると耐熱性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。
さらに、本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、耐寒性向上の観点から、さらにα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を含有していても良い。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体を形成するα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様のものを用いることができるが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。これらは一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%、さらに好ましくは15〜45重量%である。α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量が上記範囲にあることで、得られるロール用ゴム架橋物の耐寒性が向上する傾向がある。
さらに、本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、共役ジエン単量体、およびα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体とともに、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものであってもよい。このようなその他の単量体としては、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様に、エチレン、α−オレフィン単量体、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル単量体、フッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止剤などが例示される。
また、本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)は、共重合可能なその他の単量体として、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体を用いてもよいが、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、0.9重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以下であり、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0重量%であることが特に好ましい。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が多すぎると、耐熱性および耐油性が悪化するおそれがある。なお、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様のものを挙げることができる。
また、本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)には、本発明の効果を損なわない範囲において、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体以外のカルボキシル基含有単量体を共重合したものであってもよい。ただし、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体以外のカルボキシル基含有単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下であり、カルボキシル基含有単量体単位の含有量が0重量%であることが特に好ましい。カルボキシル基含有単量体単位の含有量が多すぎると、耐熱性および耐油性が悪化するおそれがある。また、カルボキシル基含有単量体としては、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様のものを挙げることができる。
本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)のヨウ素価は、好ましくは120以下であり、より好ましくは60以下、さらに好ましくは40以下、特に好ましくは30以下である。ヨウ素価を120以下とすることにより、得られるロール用ゴム架橋物の耐熱性を向上させることができる。
高飽和ニトリルゴム(A2)のポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは1〜200、より好ましくは10〜150、さらに好ましくは20〜150である。高飽和ニトリルゴム(A2)のポリマー・ムーニー粘度が低すぎると、得られるロール用ゴム架橋物の機械特性が低下するおそれがあり、逆に、高すぎると、ロール用高飽和ニトリルゴム組成物の加工性が低下する可能性がある。
なお、高飽和ニトリルゴム(A2)として、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)が1〜30のもの(低粘度品)を使用することもできる。
なお、高飽和ニトリルゴム(A2)として、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)が1〜30のもの(低粘度品)を使用することもできる。
また、高飽和ニトリルゴム(A2)におけるカルボキシル基の含有量、すなわち、高飽和ニトリルゴム(A2)100g当たりのカルボキシル基のモル数は、好ましくは0.005ephr以下、より好ましくは0.003ephr以下であり、0ephrであることが特に好ましい。高飽和ニトリルゴム(A2)のカルボキシル基含有量が多すぎると、耐熱性が悪化する可能性がある。
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物中における、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との含有割合は、「カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1):高飽和ニトリルゴム(A2)」の重量比で、2:98〜98:2の範囲が好ましく、3:97〜50:50の範囲がより好ましく、5:95〜40:60の範囲が特に好ましい。カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との含有割合が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。なお、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)を全く使用しない場合には、機械的強度および耐熱性が、かなり悪化する。
本発明で用いる高飽和ニトリルゴム(A2)の製造方法は、特に限定されないが、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と同様とすることができる。
なお、高飽和ニトリルゴム(A2)として、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)が1〜30のもの(低粘度品)を製造する場合には、乳化重合(必要に応じて水素化)して得られた共重合体を、凝固・乾燥した後、国際公開公報(WO97/36956)に記載された方法と同様にして、老化防止剤の存在下で、二軸押出機等で高剪断処理を行うことが好ましい。
なお、高飽和ニトリルゴム(A2)として、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)が1〜30のもの(低粘度品)を製造する場合には、乳化重合(必要に応じて水素化)して得られた共重合体を、凝固・乾燥した後、国際公開公報(WO97/36956)に記載された方法と同様にして、老化防止剤の存在下で、二軸押出機等で高剪断処理を行うことが好ましい。
ポリアミド樹脂(B)
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、および高飽和ニトリルゴム(A2)に加えて、ポリアミド樹脂(B)を含有する。本発明においては、高飽和ニトリルゴムとして、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が所定範囲にあるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が所定量以下である高飽和ニトリルゴム(A2)との2種類のゴムを併用し、これに、ポリアミド樹脂(B)を配合することにより、ロール用高飽和ニトリルゴム組成物をロール加工性に優れたものとすることができ、さらには、架橋後のロール用ゴム架橋物を、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたものとすることができる。
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物は、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、および高飽和ニトリルゴム(A2)に加えて、ポリアミド樹脂(B)を含有する。本発明においては、高飽和ニトリルゴムとして、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が所定範囲にあるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が所定量以下である高飽和ニトリルゴム(A2)との2種類のゴムを併用し、これに、ポリアミド樹脂(B)を配合することにより、ロール用高飽和ニトリルゴム組成物をロール加工性に優れたものとすることができ、さらには、架橋後のロール用ゴム架橋物を、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れたものとすることができる。
なお、高飽和ニトリルゴムの耐油性を改善するために高飽和ニトリルゴムにポリアミド樹脂を混合することが有効であるが、単に、高飽和ニトリルゴムに、ポリアミド樹脂を混合した場合には、ロール加工性が悪化し、得られるロール用ゴム架橋物の引張強度が低下し、硬さが高くなりすぎてしまうという不具合が発生する場合がある。
これに対して、本発明では、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、高飽和ニトリルゴム(A2)とを併用し、これらに、ポリアミド樹脂(B)を配合することにより、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)が相溶化剤として作用し、これにより、ロール加工性を向上させることができるとともに、ロール用ゴム架橋物とした際における耐油性および機械的強度を向上させることができ、また硬さが高くなりすぎることを抑制でき、更には耐熱性に優れたものとすることができる。
これに対して、本発明では、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、高飽和ニトリルゴム(A2)とを併用し、これらに、ポリアミド樹脂(B)を配合することにより、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)が相溶化剤として作用し、これにより、ロール加工性を向上させることができるとともに、ロール用ゴム架橋物とした際における耐油性および機械的強度を向上させることができ、また硬さが高くなりすぎることを抑制でき、更には耐熱性に優れたものとすることができる。
本発明で用いるポリアミド樹脂(B)は、酸アミド結合(−CONH−)を有する重合体であれば限定されないが、例えば、ジアミンと二塩基酸との重縮合により得られる重合体、ジホルミルなどのジアミン誘導体と二塩基酸との重縮合により得られる重合体、ジメチルエステルなどの二塩基酸誘導体とジアミンとの重縮合により得られる重合体、ジニトリルまたはジアミドとホルムアルデヒドとの反応により得られる重合体、ジイソシアナートと二塩基酸との重付加により得られる重合体、アミノ酸またはその誘導体の自己縮合により得られる重合体、ラクタムの開環重合により得られる重合体などが挙げられる。また、これらのポリアミド樹脂は、ポリエーテルブロックを含有していてもよい。
ポリアミド樹脂(B)の具体例としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12のような脂肪族ポリアミド樹脂;ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、キシレン含有ポリアミドのような芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。これらのなかでも、本発明の効果がより一層顕著になることから、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11およびナイロン12がより好ましく、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン12がさらに好ましく、ナイロン66およびナイロン12が特に好ましい。
また、本発明で用いるポリアミド樹脂(B)は、融点が、100〜300℃であることが好ましく、より好ましくは120〜280℃、さらに好ましくは150〜280℃である。融点が低すぎると、得られるロール用ゴム架橋物の耐熱性が低下するおそれがあり、一方、融点が高すぎると、ロール加工性が低下するおそれがある。
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物中における、ポリアミド樹脂(B)の含有割合は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計(以下、「ニトリルゴムの合計量」とする。)に対して、「ニトリルゴムの合計量:ポリアミド樹脂(B)の含有量」の重量比で、好ましくは95:5〜50:50の範囲、より好ましくは90:10〜55:45の範囲である。ニトリルゴムの合計量が多すぎると、耐油性が低下するおそれがある。一方、ポリアミド樹脂(B)の含有量が多すぎると、ロール加工性が悪化し、硬さが高くなるおそれがある。
ロール用架橋性ニトリルゴム組成物
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物は、上述したロール用高飽和ニトリルゴム組成物と、架橋剤(C)とを含有してなるものである。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物は、上述したロール用高飽和ニトリルゴム組成物と、架橋剤(C)とを含有してなるものである。
架橋剤(C)としては、有機過酸化物架橋剤、硫黄架橋剤またはポリアミン架橋剤(ヘキサメチレンジアミンカーバメートや2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等)などが挙げられるが、これらのなかでも、本発明の効果がより一層顕著になることから、有機過酸化物架橋剤が好ましい。
有機過酸化物架橋剤としては、従来公知のものを用いることができ、ジクミルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビス−(t−ブチル−ペルオキシ)−n−ブチルバレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエート等が挙げられる。これらのなかでも、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、架橋剤(C)の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部であり、より好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。架橋剤(C)の配合量が少なすぎると、得られるロール用ゴム架橋物の耐油性および機械的強度が低下するおそれがある。一方、多すぎると、得られるロール用ゴム架橋物の耐疲労性が悪化する可能性がある。
また、本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物は、ロール用ゴム架橋物の機械的強度向上の観点から、架橋助剤を配合したものであることが好ましい。
架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレートなどの多官能性化合物が好適に用いられるが、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートがより好ましく、トリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレートなどの多官能性化合物が好適に用いられるが、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートがより好ましく、トリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、架橋助剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部であり、より好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。
なお、本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物には、本発明の効果がより一層顕著になることから、可塑剤、シリカおよび/またはシランカップリング剤を配合することが好ましい。
可塑剤としては特に限定されないが、たとえば、アジピン酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、アジピン酸ジ(メトキシテトラエチレングリコール)、アジピン酸ジ(メトキシペンタエチレングリコール)、アジピン酸(メトキシテトラエチレングリコール)(メトキシペンタエチレングリコール)などのアジピン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アゼライン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのアゼライン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;セバシン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのセバシン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;イソフタル酸ジブトキシエチル、イソフタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのイソフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジブチルなどのアジピン酸ジアルキルエステル化合物;アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジn−ヘキシルなどのアゼライン酸ジアルキルエステル化合物;セバシン酸ジn−ブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)などのセバシン酸ジアルキルエステル化合物;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジイソノニルなどのフタル酸ジアルキルエステル化合物;フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸ジシクロアルキルエステル化合物;フタル酸ジフェニル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸アリールエステル化合物;イソフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、イソフタル酸ジイソオクチルなどのイソフタル酸ジアルキルエステル化合物;テトラヒドロフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、テトラヒドロフタル酸ジn−オクチル、テトラヒドロフタル酸ジイソデシルなどのテトラヒドロフタル酸ジアルキルエステル化合物;トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリn−ヘキシル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸誘導体;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ系可塑剤;トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;商品名「アデカサイザーRS700」(ADEKA社製)などのポリエーテルエステル系可塑剤;などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、可塑剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0〜50重量部であり、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、可塑剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0〜50重量部であり、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。
シリカとしては、特に限定されないが、組成式中に(SiO2)を含む化合物であればよい。具体的には、石英粉末、珪石粉末等の天然シリカ;無水珪酸(シリカゲル、アエロジル等)、含水珪酸等の合成シリカ;珪酸金属塩;等が挙げられる。なお、上記の天然シリカ及び合成シリカは、(SiO2)又は(SiO2・nH2O)の組成式を有する(nは正の整数)。また、合成シリカは、所謂、白色補強材(ホワイトカーボン)として合成ゴムの補強材として一般的に用いられているものが使用することができる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。また、シリカは、後述するカーボンブラック、炭酸カルシウム、クレイ、タルク等の充填剤と併用することもできる。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、シリカの配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0〜200重量部であり、より好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部である。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、シリカの配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0〜200重量部であり、より好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部である。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、たとえば、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどのビニル系シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのメタクリロキシ系シランカップリング剤;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、シランカップリング剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物中における、シランカップリング剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは0〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。
また、本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物には、上記以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、たとえば、カーボンブラック、短繊維などの補強剤、炭酸カルシウム、クレイ、タルクなどの充填材、架橋促進剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤などを配合することができる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲で、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、高飽和ニトリルゴム(A2)およびポリアミド樹脂(B)以外のその他の重合体を配合してもよい。その他の重合体としては、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどを挙げることができる。その他の重合体を配合する場合における、ロール用架橋性ニトリルゴム組成物中の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と高飽和ニトリルゴム(A2)との合計100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
ロール用高飽和ニトリルゴム組成物の製造
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物の製造方法は、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、高飽和ニトリルゴム(A2)およびポリアミド樹脂(B)を、好ましくは200℃以上の温度で混練する。
これらを混練する方法としては、特に限定されないが、一軸押出機、二軸押出機などの押出機;ニーダー、バンバリーミキサ、ブラベンダーミキサ、インターナルミキサなどの密閉型混練機;ロール混練機;などの混練機で混合する方法などが挙げられる。これらのなかでも、特に、生産効率および分散効率が高いという理由より、二軸押出機で混練する方法が好ましい。
本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物の製造方法は、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、高飽和ニトリルゴム(A2)およびポリアミド樹脂(B)を、好ましくは200℃以上の温度で混練する。
これらを混練する方法としては、特に限定されないが、一軸押出機、二軸押出機などの押出機;ニーダー、バンバリーミキサ、ブラベンダーミキサ、インターナルミキサなどの密閉型混練機;ロール混練機;などの混練機で混合する方法などが挙げられる。これらのなかでも、特に、生産効率および分散効率が高いという理由より、二軸押出機で混練する方法が好ましい。
また、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、高飽和ニトリルゴム(A2)およびポリアミド樹脂(B)を混練する際の混練温度は、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは270℃以上である。また、混練温度の上限は、好ましくは400℃以下、特に好ましくは350℃以下である。混練温度を上記範囲とすることにより、溶融状態のポリアミド樹脂(B)と、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、および高飽和ニトリルゴム(A2)とを、十分に微分散させることができる。そして、これにより、本発明の効果がより一層顕著なものとなる。
また、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、高飽和ニトリルゴム(A2)およびポリアミド樹脂(B)を混練する際には、老化防止剤などの各種配合剤や、その他のゴムを同時に混合してもよい。
ロール用架橋性ニトリルゴム組成物の調整
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物の調製方法は、特に限定されないが、上記のようにして得られる本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物に、架橋剤(C)および熱に不安定な成分を除いた各成分を、好ましくは、10〜200℃、より好ましくは20〜170℃で、バンバリーミキサ、ブラベンダーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で混練し、ロールなどに移して架橋剤(C)や熱に不安定な架橋助剤などを加えて、好ましくは10〜80℃の条件で、二次混練することにより調製できる。
本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物の調製方法は、特に限定されないが、上記のようにして得られる本発明のロール用高飽和ニトリルゴム組成物に、架橋剤(C)および熱に不安定な成分を除いた各成分を、好ましくは、10〜200℃、より好ましくは20〜170℃で、バンバリーミキサ、ブラベンダーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で混練し、ロールなどに移して架橋剤(C)や熱に不安定な架橋助剤などを加えて、好ましくは10〜80℃の条件で、二次混練することにより調製できる。
ロール用ゴム架橋物
本発明のロール用ゴム架橋物は、上述した本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のロール用ゴム架橋物は、本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物を用い、たとえば、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、ロール用ゴム架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜6時間である。
本発明のロール用ゴム架橋物は、上述した本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のロール用ゴム架橋物は、本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物を用い、たとえば、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、ロール用ゴム架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜6時間である。
また、ロール用ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のロール用ゴム架橋物は、上述した本発明のロール用架橋性ニトリルゴム組成物を架橋して得られるものであるため、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れるものである。
このため、本発明のゴム架橋物は、巻き取りロール、フェルトロール、ランプロール、バックアップロール、ピックアップロール、ボトムロール、ラミネートロールなどの製紙用ロール;リンガーロール、ガイドロール、ブライドルロール、シンクロール、コーティングロール、デフレクターロール、スナバロール、ピンチロールなどの製鉄用ロール;給水ロール、インキロール、インキ呼び出しロール、ダンプニングスリーブ用水ロールなどの印刷用ロール;エンボス用ロール、延伸ニップロール、フィードロール、タッチロール、コンタクトロール、ガイドロールなどのフィルム用ロール;などに好適に用いることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記によった。
ゴム組成
高飽和ニトリルゴムを構成する各単量体単位の含有割合は、以下の方法により測定した。
すなわち、マレイン酸モノn−ブチル単位の含有割合は、2mm角の高飽和ニトリルゴム0.2gに、2−ブタノン100mlを加えて16時間攪拌した後、エタノール20mlおよび水10mlを加え、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、高飽和ニトリルゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求め、求めたモル数をマレイン酸モノn−ブチル単位の量に換算することにより算出した。
1,3−ブタジエン単位および飽和化ブタジエン単位の含有割合は、高飽和ニトリルゴムを用いて、水素添加反応前と水素添加反応後のヨウ素価(JIS K 6235による)を測定することにより算出した。
アクリロニトリル単位の含有割合は、JIS K6383に従い、ケルダール法により、高飽和ニトリルゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。
高飽和ニトリルゴムを構成する各単量体単位の含有割合は、以下の方法により測定した。
すなわち、マレイン酸モノn−ブチル単位の含有割合は、2mm角の高飽和ニトリルゴム0.2gに、2−ブタノン100mlを加えて16時間攪拌した後、エタノール20mlおよび水10mlを加え、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、高飽和ニトリルゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求め、求めたモル数をマレイン酸モノn−ブチル単位の量に換算することにより算出した。
1,3−ブタジエン単位および飽和化ブタジエン単位の含有割合は、高飽和ニトリルゴムを用いて、水素添加反応前と水素添加反応後のヨウ素価(JIS K 6235による)を測定することにより算出した。
アクリロニトリル単位の含有割合は、JIS K6383に従い、ケルダール法により、高飽和ニトリルゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。
ヨウ素価
高飽和ニトリルゴムのヨウ素価は、JIS K 6235に準じて測定した。
高飽和ニトリルゴムのヨウ素価は、JIS K 6235に準じて測定した。
ムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)
高飽和ニトリルゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)は、JIS K6300−1に従って測定した(単位は〔ML1+4、100℃〕)。
高飽和ニトリルゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)は、JIS K6300−1に従って測定した(単位は〔ML1+4、100℃〕)。
常態物性(引張強度、伸び、100%引張応力)
架橋性ニトリルゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。得られたシート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強度、伸び、および100%引張応力を測定した。
架橋性ニトリルゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。得られたシート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強度、伸び、および100%引張応力を測定した。
耐熱老化性
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、JIS K6257に従い、空気加熱老化試験を行った。該ゴム架橋物を温度150℃、168時間の条件でギヤーオーブンに保持した後、上記常態物性と同様にして引張試験を実施し、伸び変化率を測定した。伸び変化率の絶対値が小さいほど耐熱性に優れると判断できる。
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、JIS K6257に従い、空気加熱老化試験を行った。該ゴム架橋物を温度150℃、168時間の条件でギヤーオーブンに保持した後、上記常態物性と同様にして引張試験を実施し、伸び変化率を測定した。伸び変化率の絶対値が小さいほど耐熱性に優れると判断できる。
耐燃料油試験
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、JIS K6258に従い、該ゴム架橋物を、温度40℃、168時間の条件で、イソオクタン/トルエン=50/50(体積比)の試験燃料油(Fuel−C)中に浸漬することにより耐燃料油試験を行った。そして、試験燃料油に浸漬前後のゴム架橋物の体積を測定し、浸漬後の体積変化率△V(単位:%)を「体積変化率△V=([浸漬後の体積−浸漬前の体積]/浸漬前の体積)×100」にしたがって算出することで、耐燃料油性の評価を行った。体積変化率△Vの絶対値が小さいほど、燃料油による膨潤の度合いが小さく、耐油性に優れると判断できる。
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、JIS K6258に従い、該ゴム架橋物を、温度40℃、168時間の条件で、イソオクタン/トルエン=50/50(体積比)の試験燃料油(Fuel−C)中に浸漬することにより耐燃料油試験を行った。そして、試験燃料油に浸漬前後のゴム架橋物の体積を測定し、浸漬後の体積変化率△V(単位:%)を「体積変化率△V=([浸漬後の体積−浸漬前の体積]/浸漬前の体積)×100」にしたがって算出することで、耐燃料油性の評価を行った。体積変化率△Vの絶対値が小さいほど、燃料油による膨潤の度合いが小さく、耐油性に優れると判断できる。
合成例1(カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)の合成)
反応器に、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、アクリロニトリル37部、マレイン酸モノn−ブチル5部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部を、この順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン58部を仕込んだ。反応器を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で減圧にして残留単量体を除去し、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
反応器に、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、アクリロニトリル37部、マレイン酸モノn−ブチル5部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部を、この順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン58部を仕込んだ。反応器を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で減圧にして残留単量体を除去し、カルボキシル基含有ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
そして、上記にて得られたラテックスに、ラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対して、パラジウム量が1,000重量ppmになるように、オートクレーブ中に、ラテックスおよびパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)のラテックスを得た。
次に、得られたラテックスに2倍容量のメタノールを加えて凝固した後、ろ過して固形物(クラム)を取り出し、これを60℃で12時間真空乾燥することにより、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)の組成は、アクリロニトリル単位36.0重量%、ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)59.5重量%、マレイン酸モノn―ブチル単位4.5重量%であり、ヨウ素価は7、ポリマー・ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は55であった。
合成例2(高飽和ニトリルゴム(a2−1)の合成)
反応器内でイオン交換水200部に、炭酸ナトリウム0.2部を溶解し、それに脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、この石鹸水溶液に、アクリロニトリル38部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.45部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン62部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で減圧にして残留単量体を除去し、ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
反応器内でイオン交換水200部に、炭酸ナトリウム0.2部を溶解し、それに脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、この石鹸水溶液に、アクリロニトリル38部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.45部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン62部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で減圧にして残留単量体を除去し、ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
次いで、上記にて得られたラテックスを、そのニトリルゴム分に対して3重量%となる量の硫酸アルミニウムの水溶液に加えて撹拌してラテックスを凝固し、水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥してニトリルゴムを得た。そして、得られたニトリルゴムを、濃度12%となるようにアセトンに溶解し、これをオートクレーブに入れ、パラジウム・シリカ触媒をニトリルゴムに対して500重量ppm加え、水素圧3.0MPaで水素添加反応を行なった。水素添加反応終了後、大量の水中に注いで凝固させ、濾別および乾燥を行なって高飽和ニトリルゴム(a2−1)を得た。得られた高飽和ニトリルゴム(a2−1)の組成は、アクリロニトリル単位36重量%、ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)64重量%であり、ヨウ素価は7、ポリマー・ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は85であった。
合成例3(高飽和ニトリルゴム(a2−2)の合成)
反応器内でイオン交換水200部に、炭酸ナトリウム0.2部を溶解し、それに脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、この石鹸水溶液に、アクリロニトリル38部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.3部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン62部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で減圧にして残留単量体を除去し、ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
反応器内でイオン交換水200部に、炭酸ナトリウム0.2部を溶解し、それに脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、この石鹸水溶液に、アクリロニトリル38部、およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.3部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン62部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら重合反応を継続し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した。次いで、水温60℃で減圧にして残留単量体を除去し、ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
次いで、上記にて得られたラテックスを、そのニトリルゴム分に対して3重量%となる量の硫酸アルミニウムの水溶液に加えて撹拌してラテックスを凝固し、水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥してニトリルゴムを得た。そして、得られたニトリルゴムを、濃度12%となるようにアセトンに溶解し、これをオートクレーブに入れ、パラジウム・シリカ触媒をニトリルゴムに対して400重量ppm加え、水素圧3.0MPaで水素添加反応を行なった。水素添加反応終了後、大量の水中に注いで凝固させ、濾別および乾燥を行なって高飽和ニトリルゴム(a2−1)を得た。得られた高飽和ニトリルゴム(a2−1)の組成は、アクリロニトリル単位36重量%、ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)64重量%であり、ヨウ素価は11、ポリマー・ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は130であった。
実施例1
合成例1で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)20部、合成例2で得られた高飽和ニトリルゴム(a2−1)50部、および、ポリアミド樹脂(b1)としてのナイロン66(商品名「アミランCM3006」、東レ社製、融点265℃(ポリアミド樹脂の融点は、JIS K7121にて定義される示差走査熱量分析(DSC)によって測定される融解ピーク温度である。))30部を、二軸押出機を用いて290℃にて混練することで、ロール用高飽和ニトリルゴム組成物を得た。
合成例1で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)20部、合成例2で得られた高飽和ニトリルゴム(a2−1)50部、および、ポリアミド樹脂(b1)としてのナイロン66(商品名「アミランCM3006」、東レ社製、融点265℃(ポリアミド樹脂の融点は、JIS K7121にて定義される示差走査熱量分析(DSC)によって測定される融解ピーク温度である。))30部を、二軸押出機を用いて290℃にて混練することで、ロール用高飽和ニトリルゴム組成物を得た。
そして、バンバリーミキサを用いて、上記にて得られたロール用高飽和ニトリルゴム組成物100部に、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC−8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、および、ステアリン酸(加工助剤)1部を添加して混練し、次いで、混合物をロールに移して、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)7部を添加して混練することで、ロール用架橋性ニトリルゴム組成物を得た。
そして、上述した方法により、常態物性、耐熱性、耐油性の各評価・試験を行った。結果を表2に示す。
実施例2
ロールに移して混練する際に、トリアリルイソシアヌレート(商品名「タイク」、日本化成社製、架橋助剤)5部を添加し、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)7部を10部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
ロールに移して混練する際に、トリアリルイソシアヌレート(商品名「タイク」、日本化成社製、架橋助剤)5部を添加し、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)7部を10部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を40部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を40部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例4
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N762カーボンブラック(商品名「旭#50」、東海カーボン社製、SRFカーボンブラック)60部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N762カーボンブラック(商品名「旭#50」、東海カーボン社製、SRFカーボンブラック)60部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N990カーボンブラック(商品名「サーマックスN990」、東海カーボン社製、MTカーボンブラック)80部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N990カーボンブラック(商品名「サーマックスN990」、東海カーボン社製、MTカーボンブラック)80部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例6
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部およびN990カーボンブラック(商品名「サーマックスN990」、東海カーボン社製、MTカーボンブラック)40部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部およびN990カーボンブラック(商品名「サーマックスN990」、東海カーボン社製、MTカーボンブラック)40部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例7
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)40部に変更し、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC−8」、ADEKA社製、可塑剤)使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)20部を、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)40部に変更し、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC−8」、ADEKA社製、可塑剤)使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例8
バンバリーミキサを用いて混練する際に、さらに合成シリカ(商品名「ニプシルER」、東ソー・シリカ社製、シリカ)20部と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「Dynasyran MEMO」、エボニックデグサ社製、シランカップリング剤)1部を使用した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
バンバリーミキサを用いて混練する際に、さらに合成シリカ(商品名「ニプシルER」、東ソー・シリカ社製、シリカ)20部と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「Dynasyran MEMO」、エボニックデグサ社製、シランカップリング剤)1部を使用した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例9
合成例2で得られた高飽和ニトリルゴム(a2−1)50部を、合成例3で得られた高飽和ニトリルゴム(a2−2)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
合成例2で得られた高飽和ニトリルゴム(a2−1)50部を、合成例3で得られた高飽和ニトリルゴム(a2−2)50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
バンバリーミキサを用いて、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)20部、高飽和ニトリルゴム(a2−1)80部、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)40部、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC−8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、および、ステアリン酸(加工助剤)1部を添加して混練し、次いで、混合物をロールに移して、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)7部を添加して混練することで、ロール用架橋性ニトリルゴム組成物を得た。
バンバリーミキサを用いて、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)20部、高飽和ニトリルゴム(a2−1)80部、N550カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、FEFカーボンブラック)40部、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「アデカサイザーC−8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、および、ステアリン酸(加工助剤)1部を添加して混練し、次いで、混合物をロールに移して、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)7部を添加して混練することで、ロール用架橋性ニトリルゴム組成物を得た。
そして、上述した方法により、常態物性、耐熱性、耐油性の各評価・試験を行った。結果を表2に示す。
比較例2
カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)を使用せず、高飽和ニトリルゴム(a2−1)50部を70部に変更した以外は、以外は、実施例3と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)を使用せず、高飽和ニトリルゴム(a2−1)50部を70部に変更した以外は、以外は、実施例3と同様にしてロール用架橋性ニトリルゴム組成物を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
表2より、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)、高飽和ニトリルゴム(a2−1)〜(a2−2)およびポリアミド樹脂(b1)を含有してなるロール用架橋性ニトリルゴム組成物を用いた場合(実施例1〜9)には、得られるロール用ゴム架橋物は、機械的強度、耐熱性および耐油性に優れ、ロールとして好適に用いることができるものであった。
一方、ポリアミド樹脂(b1)を配合しなかった場合には、得られるゴム架橋物は引張強度、100%引張応力、耐熱性および耐油性に劣っていた(比較例1)。
また、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)を配合しなかった場合には、得られるゴム架橋物は、機械的強度および耐熱性に劣っていた(比較例2)。
また、カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(a1−1)を配合しなかった場合には、得られるゴム架橋物は、機械的強度および耐熱性に劣っていた(比較例2)。
Claims (9)
- α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位15〜60重量%、およびα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位1〜60重量%を含有し、ヨウ素価が120以下であるカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と、
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を15〜60重量%含有し、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位の含有量が0.9重量%以下であり、ヨウ素価が120以下である高飽和ニトリルゴム(A2)と、
ポリアミド樹脂(B)とを含有してなるロール用高飽和ニトリルゴム組成物。 - 前記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)と前記高飽和ニトリルゴム(A2)との含有割合が、「カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1):高飽和ニトリルゴム(A2)」の重量比で、2:98〜98:2である請求項1に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物。
- 前記ポリアミド樹脂(B)の融点が、100〜300℃である請求項1または2に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物。
- 前記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位が、マレイン酸のモノアルキルエステル単位である請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物。
- 前記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、前記高飽和ニトリルゴム(A2)および前記ポリアミド樹脂(B)を、200℃以上の温度で混練して得られたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物。
- 前記カルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A1)、前記高飽和ニトリルゴム(A2)および前記ポリアミド樹脂(B)を、200℃以上の温度で、二軸押出機で混練して得られたものである請求項5に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のロール用高飽和ニトリルゴム組成物に、架橋剤(C)を配合してなるロール用架橋性ニトリルゴム組成物。
- さらに架橋助剤を配合してなる請求項7に記載のロール用架橋性ニトリルゴム組成物。
- 請求項7または8に記載のロール用架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなるロール用ゴム架橋物。
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