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JP2015028164A - 多元系極性基含有オレフィン共重合体、接着材および積層体 - Google Patents

多元系極性基含有オレフィン共重合体、接着材および積層体 Download PDF

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JP2015028164A
JP2015028164A JP2014131288A JP2014131288A JP2015028164A JP 2015028164 A JP2015028164 A JP 2015028164A JP 2014131288 A JP2014131288 A JP 2014131288A JP 2014131288 A JP2014131288 A JP 2014131288A JP 2015028164 A JP2015028164 A JP 2015028164A
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monomer
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正弘 上松
Masahiro Uematsu
正弘 上松
一成 阿部
Kazunari Abe
一成 阿部
清水 浩之
Hiroyuki Shimizu
浩之 清水
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Japan Polyethylene Corp
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Japan Polypropylene Corp
Japan Polyethylene Corp
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Abstract

【課題】 簡易で効率の良い重合法により製造され、機械物性と接着性が充分に向上された、極性基含有オレフィン共重合体を提供する。
【解決手段】 エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる非極性モノマー(X1)単位と、エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーから選ばれる極性モノマー(Z1)単位と、他の非環状または環状モノマー(Z2)単位とからなる、3種以上のモノマー単位を必須とすることを特徴とする、多元系極性オレフィン共重合体であって、遷移金属触媒の存在下に共重合されることを特徴とする多元系極性基含有オレフィン共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた物性を有する極性基含有オレフィン共重合体に関し、詳しくは、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる非極性モノマー単位と、エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有する極性モノマー単位と、他のモノマー単位とからなり、接着性と耐衝撃性が格段に向上された、多元系極性オレフィン共重合体に係わるものである。
一般に、オレフィン系樹脂は機械強度が高く、耐衝撃性や長期耐久性、耐薬品性や耐腐食性などに優れ、安価で、かつ成形性に優れ、更に環境問題や資源再利用性にも適合している為、産業用資材として重用され、例えば、射出成形、押出成形、吹込成形などによって、フィルム、積層体、容器、ブロー瓶などに成形されて、広範囲な用途に使用されている。更には、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)やアルミニウム箔などのガス遮断性材料などの基材と積層することにより、上記特性に加えてガス遮断性などの性質を付加させることができ、高機能の包装用材料や容器とすることが可能となる。
しかし、オレフィン系樹脂は一般的に非極性であり、積層材料に使用するに際しては、他の合成樹脂、金属、木材などの極性の高い異種材料への接着強度が極めて低いか、接着しないという欠点がある。
そこで、極性の高い異種材料との接着性を向上させるために、有機過酸化物を用いて極性基含有モノマーをグラフトする方法が広く行われている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、この方法では、グラフト化反応と並行してオレフィン系樹脂同士の分子間架橋、及びオレフィン系樹脂の分子鎖切断などが発生するため、グラフト変性物にオレフィン系樹脂の優れた物性が維持されないという問題が発生する。例えば、分子間架橋によって不要な長鎖分岐が導入されることで溶融粘度の上昇や分子量分布の広域化が発生し、接着性や成形性に悪影響を及ぼす。また、分子鎖切断によってオレフィン系樹脂の低分子量成分が増加することにより、成形加工時に目ヤニや発煙が発生するといった問題点を呈している。
更に、極性基含有オレフィン共重合体中の極性基含有量を高めることにより、極性の高い異種材料との接着性を上昇させられるが、グラフト変性によって多量の極性基含有モノマーをオレフィン系樹脂にグラフトすることは容易ではない。極性基含有モノマーの含有量を増やす方法として、例えば、グラフト変性に供する極性基含有モノマー量、及び有機過酸化物量を増やす方法が考えられる。その方法を用いた場合、オレフィン系樹脂の更なる分子間架橋や分子鎖切断につながり、各種の物性、例えば、機械物性、耐衝撃性、長期耐久性、成形性等の物性が損なわれる。また、オレフィン系樹脂中に残留する未反応の極性基含有モノマーや有機過酸化物の分解物の量が増加し、オレフィン系樹脂の劣化を早めたり、不快な臭気を発生させたりするという不具合も発生する。そのため、オレフィン系樹脂中の極性基含有モノマーの含量を高めようとしても、自ずと限界があった。
ところで、オレフィン系樹脂同士の分子間架橋やゲル化及び分子鎖の切断を生じさせずに、オレフィン系樹脂中に極性基含有モノマーを含量せしめる手段として、高圧ラジカル法重合プロセスを用いてエチレンと極性基含有モノマーとを共重合させ、極性基含有オレフィン共重合体を得る方法も開示されている(特許文献2〜4を参照)。なお、高圧ラジカル法重合プロセスを用いて極性基を導入した極性基含有オレフィン共重合体の分子構造例を図1(a)に示すが、この方法によれば、グラフト変性によって発生する問題点は解決され、極性基含有オレフィン共重合体中の極性基含有モノマーの含有量をグラフト変性と比較して高めることが可能である。しかし、重合プロセスが高圧ラジカル法であるため、得られた極性基含有オレフィン共重合体は多くの長鎖分岐及び短鎖分岐を不規則に持つ分子構造となる。このために、遷移金属触媒を用いて重合される極性基含有オレフィン共重合体と比較して、低弾性率かつ機械物性の低い極性基含有オレフィン共重合体しか得られず、高強度が要求される用途への応用範囲は限定的であった。
一方、従来一般に用いられているメタロセン触媒を用いて、エチレンと極性基含有モノマーとを共重合させようとすると、触媒重合活性が低下し重合し難いとされていたが、近年、特定のリガンドが遷移金属に配位した触媒の存在下で極性基含有オレフィン共重合体を重合する方法が提案されている(特許文献5〜8を参照)。これらの方法によれば、高圧ラジカル法プロセスで得られる極性基含有オレフィン共重合体と比較して高い弾性率と機械強度を有し、極性基含有量を高めることが可能だが(なお、遷移金属触媒を用いて重合された極性基含有オレフィン共重合体の分子構造のイメージ図を図2(b)、図3(c)に示す。)、これらの文献に記載の方法は主にメチルアクリレートやエチルアクリレートといったアクリレート基を含むモノマーや、酢酸ビニルといった特定の極性基含有モノマーとエチレンもしくはα−オレフィンとの共重合体に主眼を置いており、これらの官能基を有する極性基含有オレフィン共重合体は極性の高い異種材料との接着性が十分ではない。また、極性の高い異種材料との具体的な接着性能についても触れられておらず、接着性能を目的とした、特定の極性基含有オレフィン共重合体としての使用は開示されていない。
一方、一般に、極性の高い異種材料と優れた接着性を発現させることが可能な極性基として、エポキシ基、カルボキシル基またはジカルボン酸無水物基が知られているが、通常の触媒重合法では、エポキシ基、カルボキシル基またはジカルボン酸無水物基含有コモノマーを共重合するのは困難であり、現状、主に市販化されているエポキシ基、カルボキシル基またはジカルボン酸無水物基を含んだ極性オレフィン共重合体は高圧ラジカル重合プロセスによるものである。
なお、高圧ラジカル法重合プロセスを用いずに重合された極性基含有オレフィン共重合体の例としては、いわゆるマスキング法と呼ばれる、特定のメタロセン系触媒及び十分な量の有機アルミニウム(極性基含有モノマーと等モル以上)の存在下で重合する製法発明の中に、1,2−epoxy−9−deceneや(2,7−octadien−1−yl)succinic anhydrideとエチレン、及び1−ブテンを共重合させた極性基含有オレフィン共重合体が示されている(特許文献9を参照)。
しかし、この発明によると、極性基含有オレフィンの共重合に際し、多量の有機アルミニウムを必要とし、製造コストが高くならざるを得ない。また、多量の有機アルミニウムは不純物として極性基含有オレフィン共重合体中に存在する事となり、機械物性の低下や変色、劣化の促進を引き起こし、これを除去するには更なるコストアップにつながる。更に発明の効果は、主として高い重合活性で極性基含有オレフィン共重合体を製造することであり、極性の高い異種材料との具体的な接着性能について触れられていない。
しかもこの特許文献には、極性基含有オレフィン共重合体が極性の高い異種材料と十分な接着性を得るために必要な樹脂物性や接着性と機械物性とをバランス良く向上させる条件についても全く触れられておらず、高い接着性能と優れた機械物性をバランスした極性基含有オレフィン共重合体としての使用は開示されていない。
以上の従来技術を鑑みれば、簡易で効率の良い重合法により製造され、機械物性と接着性が充分に向上された、極性基含有オレフィン共重合体の開発が望まれているのは明白である。
特開昭50−004144号公報 特許第2516003号公報 特開昭47−23490号公報 特開昭48−11388号公報 特開2010−202647号公報 特開2010−150532号公報 特開2010−150246号公報 特開2010−260913号公報 特許第4672214号公報
本発明の目的は、背景技術として前述した、従来の各問題点に鑑み、それぞれの問題点を内包する、従来のいずれの方法にもよらずに製造される、極性の高い異種材料に対して優れた接着性能を有し、かつ接着性と機械物性とのバランスに優れる極性基含有オレフィン共重合体を開発することを発明の課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、極性基含有オレフィン共重合体の製造において、簡易で効率的な製法により当共重合体を製造し、かつ当共重合体の異種材料との接着性能を向上させるべく、極性基の導入方法や極性基及び重合触媒の選択、極性基含有オレフィン共重合体の分子構造、更には共重合体の構造と接着性能の相関などを種々勘案参酌し吟味実証した結果、異種材料との接着性能に優れ、かつ接着性と機械物性とを充分に両立した極性基含有オレフィン共重合体を見出すことができ、本発明の創作に至った。
すなわち、特定範囲の極めて狭い分子量分布を持ち、特定範囲の融点を有する本発明の多元系極性オレフィン共重合体は接着性と機械物性とのバランスの点で飛躍的な向上を示すことを特徴としている。
具体的には、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる一種又は二種以上の非極性モノマー(X1)単位とエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーから選ばれる一種又は二種以上の極性モノマー(Z1)単位と、任意の非環状または環状モノマー(Z2)単位とからなることを特徴とする、多元系極性基含有オレフィン共重合体(但し、X1、Z1、Z2の各単位を各一種以上必須で含む。)であって、遷移金属触媒の存在下に共重合することで得られる、分子構造が直鎖状でかつランダム共重合であることを特徴とする多元系極性基含有オレフィン共重合体を基本発明(第1の発明)とする。
本発明の第2の発明は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が1.5〜3.5の範囲であることを特徴とする、第1の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第3の発明は、多元系極性基含有オレフィン共重合体中に含まれるアルミニウム(Al)量が、共重合体1g当たり0〜100,000μgであることを特徴とする、第1または第2の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第4の発明は、示差走査型熱量測定(DSC)法により測定される吸収曲線の最大ピ−ク位置の温度で表される、融点Tm(℃)が50<Tm<128−6.0[Z1](但し、Z1に由来するモノマー単位を[Z1](mol%)とする。)であることを特徴とする、第1〜第3の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第5の発明は、エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーから選ばれる極性モノマー(Z1)単位が0.001〜19.999mol%であることを特徴とする第1〜第4の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第6の発明は、非極性モノマー(X1)単位がエチレンであることを特徴とする第1〜第5の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第7の発明は、前記遷移金属触媒が、キレート性配位子と第5〜11族金属とを含む遷移金属であることを特徴とする、第1〜第6の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第8の発明は、多元系極性基含有オレフィン共重合体が、パラジウムまたはニッケル金属にトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が配位した遷移金属触媒であることを特徴とする、第1〜第7の発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体である。
本発明の第9の発明は、第1〜第8発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体を含有してなる接着材である。
本発明の第10の発明は、請第1〜第9発明における多元系極性基含有オレフィン共重合体、または接着材を含有してなる層と、基材層とを少なくとも含む積層体である。
本発明の第11の発明は、前記基材層が、オレフィン系樹脂、極性の高い熱可塑性樹脂、金属、無機酸化物の蒸着フィルム、紙類、セロファン、織布、不織布から選ばれることを特徴とする、第10の発明における積層体である。
本発明の第12の発明は、該基材層が、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)であることを特徴とする、第10または第11の発明における積層体である。
本発明の極性基含有オレフィン共重合体は、特定の分子構造及び樹脂物性を有することで、機械的物性その他の諸物性を損なわずに他の基材との高い接着性を発現し、工業的に有用な積層体の製造を可能にした。なお、かかる顕著な効果は、後述する本発明の各実施例のデータ及び各実施例と各比較例との対照により実証されている。
また、本発明による特定の分子構造及び樹脂物性を持った多元系極性基含有オレフィン共重合体は、接着性だけでなく機械的かつ熱的な物性に優れ、有用な多層成形体として応用可能であり、さまざまな用途、例えば、押出成形、吹込成形などによって、多層フィルム、多層ブロー瓶などに成形され、広範囲な用途に使用可能である。
高圧ラジカル法重合プロセスにより重合されたオレフィン共重合体(a)の分子構造のイメージ図である 金属触媒を用いて重合されたオレフィン共重合体で長鎖分岐を有しない場合(b)の分子構造のイメージ図である。 金属触媒を用いて重合されたオレフィン共重合体で少量の長鎖分岐を有する場合(c)の分子構造のイメージ図である。
以下においては、本発明における多元系極性オレフィン共重合体及び、それを用いた接着材と積層体について、項目毎に具体的かつ詳細に説明する。
〔I〕多元系極性基含有オレフィン共重合体について
(1)多元系極性基含有オレフィン共重合体
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる非極性モノマー(X1)とエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーから選ばれる極性基含有モノマー(Z1)と、他のモノマー(Z2)とからなる3種の成分を必須で含む、多元系極性オレフィン共重合体である。なお、(X1)、(Z1)、(Z2)を共重合することで得られる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、グラフト重合や高圧ラジカル法重合その他前述した重合法において既に公知のものであるが、本発明においては、かかる公知の多元系極性基含有オレフィン共重合体に対して、遷移金属の存在下に重合されたランダム共重合体であって、その分子構造が実質的に直鎖状であるという特徴を備えており、かつ、格別の接着効果を有する要件をも備えているから、公知の共重合体と顕著に異なるものである。
(2)非極性モノマー(X1)
本発明に関わる、非極性モノマー(X1)としてはエチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィンが挙げられる。
好ましい具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンが挙げられる。また、α−オレフィンは、一種類を使用してもよいし、複数を併用してもよい。
二種の組み合わせとしては、エチレン−プロピレン、エチレン−1−ブテン、エチレン−1−ヘキセン、エチレン−1−オクテン、プロピレン−1−ブテン、プロピレン−1−ヘキセン、プロピレン−1−オクテンなどが挙げられる。
三種の組み合わせとしては、エチレン−プロピレン−1−ブテン、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン、エチレン−プロピレン−1−オクテン、プロピレン−1−ブテン−ヘキセン、プロピレン−1−ブテン−1−オクテンなどが挙げられる。
(3)エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含有する極性モノマー(Z1)
本発明に関わる極性基含有モノマー(Z1)は、エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含有する必要がある。エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を持ったオレフィン共重合体であれば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、接着性フッ素樹脂などの極性の高い熱可塑性樹脂、及びアルミニウム、スチ−ルなどの金属材料の基材と積層接着することが可能となる。
エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含有する極性基含有モノマーとしては、好ましくは下記構造式(I)または構造式(II)で示される極性基含有モノマーである。
構造式(I)
Figure 2015028164
(構造式(I)中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、又はエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含む下記の特定の官能基を示し、R〜Rのいずれか1つ以上がエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含む特定の官能基である。
特定の官能基:エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を必須で含み、炭素原子、酸素原子、水素原子からなる分子構造を有した基)
構造式(II)
Figure 2015028164
(構造式(II)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、又はエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含む下記の特定の官能基を示し、R〜Rのいずれか1つはエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含む特定の官能基である。また、mは0〜2である。Zは炭素原子又は酸素原子から選択される原子である。特定の官能基:エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を必須で含み、炭素原子、酸素原子、水素原子からなる分子構造を有した基)
極性基含有モノマーの分子構造は特に限定されないが、遷移金属触媒存在下における共重合のしやすさや、極性基含有モノマーの取扱い等を考慮すると、構造式(I)で示される極性基含有モノマーがより好ましい。更には、構造式(I)で示されるエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基含有モノマーのうち、R1が水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2、R3、R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、又はエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含む下記の特定の官能基のうちいずれかであり、かつ、R2〜R4のいずれか1つ以上がエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含む特定の官能基であるモノマーが、より好ましい。
(特定の官能基:エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を必須で含み、さらに、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基のいずれかを更に必須で含む、炭素原子、酸素原子、水素原子からなる分子構造を有した基)
<エポキシ基を含有する極性基含有モノマー(Z1)>
エポキシ基を含有する極性基含有モノマーとしては、例えば、5-ヘキセンエポキシド、6-ヘプテンエポキシド、7-オクテンエポキシド、8-ノネンエポキシド、9-デセンエポキシド、10-ウンデセンエポキシド、11-ドデセンエポキシドなどのω-アルケニルエポキシド類、2-メチル-6-ヘプテンエポキシド、2-メチル-7-オクテンエポキシド、2-メチル-8-ノネンエポキシド、2-メチル-9-デセンエポキシド、2-メチル-10-ウンデセンエポキシドなどの分子構造内に分岐を持つω-アルケニルエポキシド類、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、p−スチリルカルボン酸グリシジル、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテントリカルボン酸、等の不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、エポキシヘキシルノルボルネン、エポキシシクロヘキサンノルボルネン、メチルグリシジルエーテルノルボルネン等のエポキシ基を含む環状オレフィン、その他、2−(o−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−アリルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−アリルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(o−アリルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−アリルフェニル)プロピレンオキシド、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、アリル−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、2,3‐エポキシ‐5‐ビニルノルボルナン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等のエポキシ基を含むモノマーを挙げる事が出来る。
これらの中では特に、下記構造式で示される、1,2−エポキシ−9−デセン、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等が好ましい。
Figure 2015028164
1,2−epoxy−9−decene
Figure 2015028164
4−hydroxybutyl acrylate glycidylether
Figure 2015028164
glycidyl methacrylate
Figure 2015028164
1,2−epoxy−4−vinylcyclohexane
エポキシ基を含んだモノマーを用いた極性基含有オレフィン共重合体は、含有するエポキシ基同士の反応によって、分子鎖間架橋が起こる場合がある。本発明の主旨を逸脱しない範囲においてならば、分子鎖間架橋が起こっていても差し支えない。
<カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含有する極性基含有モノマー>
カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を含有する具体的なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、テトラシクロ[ 6 .2 .1 .1 3 , 6 .0 2 , 7 ] ドデカ−9−エン−4 ,5−ジカルボン酸無水物、2,7−オクタジエン−1−イルコハク酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。
これらの中で特に、下記化学式で表される2,7−オクタジエン−1−イルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物などが好ましい。
Figure 2015028164
2,7−オクタジエン−1−イルコハク酸無水物
Figure 2015028164
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物
Figure 2015028164
3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物
モノマーとして不飽和ジカルボン酸無水物を用いた共重合体は、含有するジカルボン酸無水物基が空気中の水分と反応して開環し、一部がジカルボン酸となる場合がある。本発明の主旨を逸脱しない範囲においてならば、ジカルボン酸無水物基が開環していても良い。
更に、用いられる極性基含有モノマーは単独でも良く、2種類以上を合わせて用いてもよい。
(4)他のモノマー(Z2)
第3成分である他のモノマー(Z2)は、(X1)および(Z1)と同一でなければ、任意のモノマーを使用できる。例えば、(X1)としてエチレンを選択した場合、(Z2)としてエチレンを用いる事は出来ないが、例えば、1―ブテン、1−ヘキセンといった、その他のα−オレフィンは用いることが出来る。同様に、(Z1)として4−hydroxybutyl acrylate glycidyletherを選択した場合、例えば、4−hydroxybutyl acrylate glycidyletherではないエポキシ基含有モノマーや酸無水物を含むモノマーといった4−hydroxybutyl acrylate glycidyletherではないモノマーであれば用いる事が出来る。
他のモノマー(Z2)は、分子中に炭素−炭素二重結合を必須で含む化合物であり、炭素原子と異なった電気陰性度をもつ原子を含む置換基(極性基)を有していても良いし、有していなくても良い。
ここで、極性基としては、例えば、ハロゲン類、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、ホルミル基(−CHO)、アルコキシ基(−OR)、エステル基(−COOR)、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カルボニル基(=CO)、エポキシ基、酸無水物基が挙げられる。
本発明に関わる他のモノマー(Z2)は、炭素−炭素二重結合の分子中の位置により、非環状モノマー又は環状モノマー、に分類される。なお、非環状モノマーは、炭素−炭素二重結合が分子中の非環状部分に位置していれば、当該分子中に環状の構造を有してもよい。
(4−1)非環状モノマー
非環状モノマーとしては、α−オレフィン、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物(炭素−炭素二重結合が環状でない場合)、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
本発明に関わるα−オレフィンは構造式:CH=CHR18で表される、炭素数3〜20のα−オレフィンである(R18は炭素数1〜18の炭化水素基であり、直鎖構造であっても分岐を有していてもよい)。α−オレフィンの具体的な化合物は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、8−ヒドロキシ−1−オクテン、9,10−オキシ−1−デセン、7−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ペプテン、3−トリエトキシシリル−1−プロペン、アリルアルコール、2−アリルオキシエタノール、酢酸アリル等が挙げられ、より好ましくは、炭素数3〜12のα−オレフィンであり、さらに好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンから選択されるα−オレフィンであり、より好適には、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンから選択されるα−オレフィンである。重合に供するα−オレフィンは単独でも良いし、2種以上であっても構わない。
不飽和カルボン酸の具体例は、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸無水物(炭素−炭素二重結合が環状でない場合)の具体例は、無水イタコン酸、2,7−オクタジエン−1−イルコハク酸無水物等が挙げられる。
本発明に関わる(メタ)アクリル酸エステルは、構造式:CH=C(R21)CO2(R22)で表される化合物である。ここで、R21は、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよい。R22は、炭素数1〜30の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよい。さらに、R22内の任意の位置にヘテロ原子を含有してもよい。
好ましい(メタ)アクリル酸エステルとして、R21は、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。より好ましいものとしては、R21が水素原子であるアクリル酸エステル又はR21がメチル基であるメタクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル(4−HBAGE)、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル等が挙げられる。
なお、単独の(メタ)アクリル酸エステルを使用してもよいし、複数の(メタ)アクリル酸エステルを併用してもよい。
好ましい化合物として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、(4−ヒドロキシブチル)アクリレートグリシジルエーテルが挙げられる。
(4−2)環状モノマー
環状モノマーとしては、ノルボルネン系オレフィン、不飽和カルボン酸無水物(炭素−炭素二重結合が環状である場合)等が挙げられ、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどの環状オレフィンの骨格を有する化合物及びそれらの誘導体として、水酸基、アルコキサイド基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、酸無水物基、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸無水物(炭素−炭素二重結合が環状である場合)の具体例は、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
ノルボルネン系オレフィンの例は、例えば下記の構造式(E)、構造式(F)で表される化合物が挙げられる。構造式(E)は、酸無水物基を有するノルボルネン(シクロペンタジエンと無水マレイン酸無水物とのディールスアルダー反応物、即ち、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物)、また、構造式(F)は、水酸基を有するノルボルネンである。
Figure 2015028164
(5)モノマー(X1)、(Z1)、(Z2)の構造単位量
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、(X1)、(Z1)、(Z2)をそれぞれ1種類以上含有し、合計3種以上のモノマー単位を含むことが必要である。
(X1)の構造単位量は80.000mol%〜99.998mol%、好ましくは80.000mol%〜99.98mol%、より好ましくは80.000mol%〜99.94mol%、である。(Z1)の構造単位量は0.001mol%〜19.999mol%、好ましくは0.01mol%〜15.000mol%、より好ましくは0.02mol%〜10.000mol%、さらに好ましくは0.02mol%〜5.000mol%である。(Z2)の構造単位量は0.001mol%〜19.999mol%、好ましくは0.01mol%〜15.000mol%、より好ましくは0.02mol%〜10.000mol%、さらに好ましくは0.02mol%〜5.000mol%である。(X1)+(Z1)+(Z2)は100mol%でなくてはならない。
本発明に関わる多元系オレフィン共重合体において、遷移金属触媒の存在下で重合され、かつ、(X1)としてエチレンを選択した場合、共重合体の結晶化度はエチレン以外のモノマーの含有量によって決まる。例えば、エチレンと(Z1)の共重合体の場合、(Z1)の含有量が共重合体の結晶化度を決定する強い要因となる。
ところで、本発明の検討過程において本発明者らは、接着性能に影響を与える因子として、共重合体の(Z1)含有量の他に、融点が低い方が高い接着性を示す事を見い出した。すなわち、接着性能をより高める為には、(Z1)を0.001mol%以上含有し、さらに別のモノマー(Z2)を含有せしめることで共重合体の融点を下げる事が重要である事を示した。(Z2)モノマーを共重合体に共重合せしめる主とした理由は、共重合体の融点を制御する事にあり、(Z2)モノマーが限定されないのはこの為である。また、モノマー(Z1)はモノマー(X1)やモノマー(Z2)と比較して高価であることが多い。
本発明によれば、接着性を高めるのに最低限必要なモノマー(Z1)量を決定してしまえば、(Z2)モノマーの適当量をさらに共重合する事で融点を下げ、さらに接着性能を高める事が可能となる。
なお、共重合体の融点が低く、柔軟である方が接着性を高められる理由は明確ではないが、おそらく、JIS K6854−1〜4(1999年)「接着材−はくり接着強さ試験法」で例示されるような剥離試験を実施する際、接着材が柔軟であると、接着材自身の変形が大きくなり、その変形量の大きさが応力として測定され、結果として高い接着性を示している物と推察している。
さらには、モノマー(Z1)に由来する極性基の含有量を変化させずに、共重合体の融点を任意に調整できる本発明は、共重合体の接着性能と機械物性、特に耐衝撃性を両立させる事が可能である。
(6)多元系極性基含有オレフィン共重合体の構造単位
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の構造単位と構造単位量について説明する。
エチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィン(X1)、エポキシ基、カルボキシル基またはジカルボン酸無水物基含有モノマー(Z1)、および他のモノマー(Z2)それぞれ1分子に由来する構造を、極性基含有オレフィン共重合体中の1構造単位と定義する。そして、極性基含有オレフィン共重合体中の各構造単位の比率をmol%で表したものが構造単位量である。
(7)エポキシ基、カルボキシル基またはジカルボン酸無水物基含有モノマー(Z1)の構造単位量
本発明に関わる(Z1)の構造単位量は、通常0.001mol%〜19.999mol%の範囲、好ましくは0.01mol%〜15.000mol%の範囲、より好ましくは0.02mol%〜10.000mol%の範囲、より好適には0.02mol%〜5.000mol%の範囲から選択され、必ず本発明の共重合体に存在していることが好ましい。もし、この範囲より極性基含有モノマーに由来する構造単位量が少なければ、極性の高い異種材料との接着性が充分ではなく、この範囲より多ければ充分な機械物性が得られない。更に、用いられる極性基含有モノマーは単独でも良く、2種類以上を合わせて用いても良い。
(8)極性基含有モノマーの構造単位量の測定方法
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体中の極性基(エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基)の構造単位量はH−NMRスペクトルを用いて求められる。H−NMRスペクトルは以下の方法によって測定した。
試料200〜250mgをo−ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=4/1(体積比)2.4mlおよび化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定に供した。
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のAV400M型NMR装置を用いて120℃で行った。
H−NMRはパルス角1°、パルス間隔1.8秒、積算回数を1,024回以上として測定した。化学シフトはヘキサメチルジシロキサンのメチルプロトンのピークを0.088ppmとして設定し、他のプロトンによるピークの化学シフトはこれを基準とした。
13C−NMRはパルス角90°、パルス間隔20秒、積算回数512回以上とし、プロトン完全デカップリング法で測定した。化学シフトはヘキサメチルジシロキサンのメチル炭素のピークを1.98ppmとして設定し、他の炭素によるピークの化学シフトはこれを基準とした。
極性基含有モノマーの構造単位量
1H−NMRスペクトルから以下の方法によってコモノマー含有量を求めた。
4―ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4−HBAGE)の構造単位量
0.3〜3.1ppmの範囲の極性基含有オレフィン共重合体によるピークの積分強度和をIA1とし、2.4、2.6、3.0、3.3、3.4、3.5、及び4.1ppmに生じる共重合体中に含まれる4―HBAGEのプロトンによるピークの積分強度の和をIX1とした時に、以下の式に従って求めた。
4―HBAGE含有量 (mol%)=40×IX1/(IA1−0.6×IX1
グリシジルメタクリレート(GMA)の構造単位量
0.3〜3.2ppmの範囲の極性基含有オレフィン共重合体によるピークの積分強度和をIA3とし、2.5、2.6、3.1、3.9、及び4.3 ppmに生じる共重合体中に含まれるGMAのプロトンによるピークの積分強度の和をIX3とした時に、以下の式に従って求めた。

GMA含有量 (mol%)=80×IX3/(IA3−0.8×IX3
ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(NB−DCA)の構造単位量
極性基含有モノマー種が5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物である場合、極性基含有モノマーが分子鎖末端に導入された場合には、下記A1の構造(以下構造A1と記す)を、分子鎖の主鎖内部に導入された場合にはA2の構造(以下構造A2と記す)を持つ。13C−NMRスペクトルの33.6ppm付近には構造A1の二重結合に隣接するメチレン炭素A1αのピークが、42.1ppm付近には構造A2のメチン炭素A2brのピークが検出される。また、29.9ppm付近には主鎖メチレン炭素によるピークが検出される。例えば33.6ppm付近の炭素A1αのピークの積分強度をI33.6等と表記した時、構造A1及びA2の含有量は以下の式−1、2より求められる。
構造A1の含有量(mol%)
=2×I33.6×100/(2×I33.6+I42.1+I29.9)・・・式−1
構造A2含有量(mol%)
=I42.1×100/(2×I33.6+I42.1+I29.9)・・・式−2
極性基の総構造単位量は上記式−1及び2で求めた構造A1含有量と構造A2含有量の和として求めることができる。
Figure 2015028164
Figure 2015028164

(9)多元系極性基含有オレフィン共重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布パラメーター(Mw/Mn)
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、通常1,000〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,500,000、更に好ましくは20,000〜1,000,000、好適なのは31,000〜800,000、より好適なのは35,000〜800,000の範囲であることが望ましい。Mwが1,000未満では機械的強度や耐衝撃性などの物性が充分ではなく、Mwが2,000,000を超えると溶融粘度が非常に高くなり、成形加工が困難となる。
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、通常1.5〜3.5、好ましくは1.6〜3.3、更に好ましくは1.7〜3.0の範囲であることが望ましい。Mw/Mnが1.5未満では積層体の成形を始めとして各種加工性が充分でなく、3.5を超えると接着強度が劣るものとなる。また、(Mw/Mn)を分子量分布パラメーターと表現することがある。
本発明に関わる重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる。また、分子量分布パラメーター(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、更に数平均分子量(Mn)を求め、MwとMnの比、Mw/Mnを算出するものである。
本発明に関わるGPCの測定方法は以下の通りである。
(測定条件)使用機種:ウォーターズ社製150C 検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm) 測定温度:140℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB) カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本) 流速:1.0mL/分 注入量:0.2mL
(試料の調製)試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
(分子量の算出)標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の、(F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000)の銘柄である。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
(10)融点
本発明に関わる多元系オレフィン共重合体の融点Tm(℃)と極性基含有モノマー含量[Z1] (モル%)の関係は、
50<Tm<128−6.0[Z1]であると好ましい。
共重合体の接着性能に影響を与える因子として、共重合体の(Z1)含有量の他に、共重合体の融点が大きく影響し、融点が低い方が高い接着性を示す事を見い出した。しかしながら、本発明者が検討した結果、例えば(X1)としてエチレンを選択したエチレンと(Z1)の2元系共重合体の場合、共重合体の融点は(Z1)含有量に依存し、128−6.0[Z1](℃)よりも低くすることは極めて困難であり、接着性能の向上に限界があった。
そのため、本発明に関わる共重合体の融点が128−6.0[Z1]を超える場合、接着性の向上が見込めず充分な接着性が発現しにくい。また、融点が50℃未満では、エチレン系共重合体として最低限必要な耐熱性が保持しにくい。
(11)多元系極性基含有オレフィン共重合体の分子構造
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、(X1)、(Z1)、(Z2)のランダム共重合体である。
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の分子構造例を下記段落に示す。ランダム共重合体とは、下記段落に示した分子構造例のA構造単位とB構造単位の、ある任意の分子鎖中の位置においてそれぞれの構造単位を見出す確率が、その隣接する構造単位の種類と無関係な共重合体である。また、極性基含有オレフィン共重合体の分子鎖末端は、(X1)、(Z1)、(Z2)のいずれであっても良い。なお、Aは(X1)からなる非極性モノマー、Bは(Z1)又は(Z2)モノマーを示す。
Figure 2015028164
なお、下記に参考としてA構造単位に対してB構造単位がグラフト変性した共重合体の分子構造例を掲載したが、本発明のランダム共重合体とは異なる構造である。
Figure 2015028164
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、遷移金属触媒の存在下で製造されることを特徴としており、その分子構造は直鎖状である。高圧ラジカル重合法プロセスにより重合されたオレフィン共重合体のイメージ図を図1(a)に、金属触媒を用いて重合されたオレフィン共重合体のイメージ図を図2(b)、図3(c)に、それぞれ例示した様に、製造方法によってその分子構造は異なる。この分子構造の違いは製造方法を選択する事によって制御が可能であるが、例えば、特許公報「特開2010−150532号公報」に記載されている様に、回転式レオメータで測定した複素弾性率によっても、その分子構造を推定する事ができる。より具体的には、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δ(G*=0.1MPa)が40度以上である場合、その分子構造は(b)または(c)に示されるような直鎖状の構造であって、長鎖分岐を全く含まない構造(b)か、機械的強度に影響を与えない程度の少量の長鎖分岐を含む構造(c)を示す。また、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δ(G*=0.1MPa)が40度より低い場合、その分子構造は構造(a)に示されるような、長鎖分岐を過多に含む構造を示し、機械的強度が劣るものとなる。回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δは分子量分布と長鎖分岐の両方の影響を受けるが、Mw/Mn≦4、より好ましくはMw/Mn≦3のものに限れば長鎖分岐の量の指標になり、長鎖分岐が多いほどδ(G*=0.1MPa)値は小さくなる。なお、Mw/Mnが1.5以上であれば、長鎖分岐をもたない場合でもδ(G*=0.1MPa)値が75度を上回ることはない。
〔II〕多元系極性基含有オレフィン共重合体の製造について
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、遷移金属触媒の存在下で製造されることを特徴としており、その分子構造は直鎖状である。
(1)多元系極性基含有オレフィン共重合体の重合触媒
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の製造に用いる重合触媒の種類は、(X1)、(Z1)、(Z2)を共重合することが可能なものであれば特に限定されないが、例えば、キレート性配位子を有する第5〜11族の遷移金属化合物が挙げられる。
好ましい遷移金属の具体例として、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、鉄原子、白金原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、銅原子などが挙げられる。
これらの中で好ましくは、バナジウム原子、鉄原子、白金原子、コバルト原子、ニッケル原子、パラジウム原子、ロジウム原子、であり、特に好ましくは、白金原子、コバルト原子、ニッケル原子、パラジウム原子である。これらの金属は、単一であっても複数を併用してもよい。
さらに、本発明の遷移金属錯体の遷移金属は、Mがニッケル(II)、パラジウム(II)、白金(II)、コバルト(II)及びロジウム(III)からなる群から選択される元素であることが、さらには第10族の元素であることが重合活性の観点から好ましく、特に価格等の観点から、ニッケル(II)が好ましい。キレート性配位子は、P、N、O、及びSからなる群より選択される少なくとも2個の原子を有しており、二座配位( bidentate )又は多座配位(multidentate)であるリガンドを含み、電子的に中性又は陰イオン性である。Brookhartらによる総説に、その構造が例示されている(Chem.Rev.,2000,100,1169)。
好ましくは、二座アニオン性P,O配位子として例えば、リンスルホン酸、リンカルボン酸、リンフェノール、リンエノラートが挙げられ、他に、二座アニオン性N,O配位子として例えば、サリチルアルドイミナ−トやピリジンカルボン酸が挙げられ、他に、ジイミン配位子、ジフェノキサイド配位子、ジアミド配位子が挙げられる。
キレート性配位子から得られる金属錯体の構造は、置換基を有してもよいアリールホスフィン化合物、アリールアルシン化合物又はアリールアンチモン化合物が配位した下記構造式(A)及び/又は(B)で表される。
Figure 2015028164
Figure 2015028164
(構造式(A)、(B)において、Mは、元素の周期表の第5〜11族のいずれかに属する遷移金属、即ち前述したような種々の遷移金属を表す。Xは、酸素、硫黄、−SO−、又は−CO−を表す。Yは、炭素又はケイ素を表す。nは、0又は1の整数を表す。Eは、リン、砒素又はアンチモンを表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。Rは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、PO3M’、P(O)(ORM’又はエポキシ含有基を表す。M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは、0から3までの整数、yは、0から2までの整数を表す。なお、RとRが互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5〜8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。Rは、水素又は炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。Rは、炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。Lは、Mに配位したリガンドを表す。また、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。)
より好ましくは、下記構造式(C)で表される遷移金属錯体である。
Figure 2015028164
(構造式(C)において、Mは、元素の周期表の第5〜11族のいずれかに属する遷移金属、即ち前述したような種々の遷移金属を表す。Xは、酸素、硫黄、−SO−、又は−CO−を表す。Yは、炭素又はケイ素を表す。nは、0又は1の整数を表す。Eは、リン、砒素又はアンチモンを表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。Rは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、PO3M’、P(O)(ORM’又はエポキシ含有基を表す。M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは、0から3までの整数、yは、0から2までの整数を表す。なお、R〜R11から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5〜8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。Rは、水素又は炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。Rは、炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。Lは、Mに配位したリガンドを表す。また、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。)
ここで、キレート性配位子を有する第5〜11族の遷移金属化合物を触媒としては、代表的に、いわゆる、SHOP系及びDrent系と称される触媒が知られている。SHOP系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがニッケル金属に配位した触媒である(例えば、WO2010‐050256号公報を参照)。また、Drent系は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがパラジウム金属に配位した触媒である(例えば、特開2010−202647号公報を参照)。
(2)有機金属化合物
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の製造において、エポキシ基、カルボキシル基またはジカルボン酸無水物基含有モノマーと少量の有機金属化合物とを接触させた後、前記の遷移金属触媒の存在下、(X1)、(Z1)、(Z2)を共重合させることにより重合活性をより高められる。
有機金属化合物は、置換基を有してもよい炭化水素基を含んだ有機金属化合物であり、下記構造式(H)で示すことができる。
30nM3030m−n 構造式(H)
(式中、R30は、炭素原子数1〜12の置換基を有してもよい炭化水素基を示し、M30は、周期表第1族、第2族、第12族及び第13族からなる群から選択される金属、X30は、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは、M30の価数、nは、1〜mである。)
上記構造式(H)で示される有機金属化合物としては、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム等のアルキルアルミニウム類、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムハライド類が挙げられ、好ましくはトリアルキルアルミニウムが選択される。より好ましくは炭素数が4以上の炭化水素基を有するトリアルキルアルミニウムが、さらに好ましくは炭素数が6以上の炭化水素基を有するトリアルキルアルミニウムが、より好適にはトリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムが選択され、トリ−n−オクチルアルミニウムが最も好適に使用する事ができる。
有機金属化合物は、極性基含有コモノマーに対するモル比が10−5〜0.9、好ましくは10−4〜0.2、更に好ましくは10−4〜0.1となる量を接触させることが、重合活性やコストの観点から好ましい。
アルミニウム(Al)の残留量
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の1g中に残留するアルミニウム(Al)量は、100,000μgAl/g以下が好ましく、70,000μgAl/g以下がより好ましく、20,000μgAl/g以下が更に好ましく、10,000μgAl/g以下が特に好ましく、5,000μgAl/g以下が好適であり、1,000μgAl/g以下がより好適であり、500μgAl/g以下が最も好適である。これよりも多い場合、機械物性の低下、重合生成物の変色や劣化の促進等が起こる。アルミニウム(Al)の残留量は可能な範囲で少ない方が良く、例えば、1μgAl/g程の極少量であっても良いし、0μgAl/gあっても構わない。なお、μgAl/gは多元系極性基含有オレフィン共重合体1g中に含まれるアルミニウム(Al)の量をμg単位で表していることを意味する。
アルミニウム(Al)量
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム(Al)量は、重合に供したアルキルアルミニウム中に含有されるアルミニウム量を、得られた多元系極性基含有オレフィン共重合体の収量で除した値として算出することができる。
また、多元系極性基含有オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム(Al)量はアルキルアルミニウムの重合仕込み量から算出しているが、蛍光X線分析や誘導結合プラズマ発光(ICP)分析により測定しても良い。蛍光X線分析やICP分析を用いる場合は、例えば、以下の方法によって測定することができる。
(1)蛍光X線分析
測定試料を3〜10g秤量し、加熱プレス機で加熱加圧成型して直径45mmの平板状サンプルを作製する。測定は平板状サンプルの中心部直径30mmの部分について行い、理学電気工業社製の走査型蛍光X線分析装置「ZSX100e」(Rh管球4.0kW)を用いて、以下の条件で測定する。
・X線出力:50kV−50mA
・分光結晶:PET
・検出器:PC(プロポーショナルカウンター)
・検出線:Al−Kα線
アルミニウム含有量は、予め作成した検量線と上記条件で測定した結果から求める事が出来る。検量線は複数のポリエチレン樹脂のアルミニウム含量をICP分析にて測定し、それらポリエチレン樹脂を上記の条件でさらに蛍光X線分析する事で作成する事ができる。
(2)誘導結合プラズマ発光(ICP)分析
測定試料及び特級硝酸3ml、過酸化水素水(過酸化水素含量30重量%)1mlをテフロン(登録商標)製容器に入れ、マイクロウェーブ分解装置(マイルストーンゼネラル社製 MLS−1200MEGA)を用い、最大500Wで加熱分解操作を実施し、測定試料を溶液化する。溶液化した測定試料をICP発光分光分析装置(サーモジャーレルアッシュ社製 IRIS−AP)に供することによりアルミニウム含有量が測定できる。アルミニウム含有量の定量はアルミニウム元素濃度が既知の標準液を用いて作成した検量線を用いて行う。
(3)多元系極性基含有オレフィン共重合体の重合方法
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体の重合方法は限定されない。媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、又は、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが好ましく用いられる。重合形式としては、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの形式でもよい。また、リビング重合であってもよいし、連鎖移動を併発しながら重合を行ってもよい。更に、いわゆるchain shuttling agent(CSA)を併用し、chain shuttling反応や、coordinative chain transfer polymerization(CCTP)を行ってもよい。具体的な製造プロセス及び条件については、例えば、特開2010−260913号公報、特開2010−202647号公報に開示されている。
(4)多元系極性基含有オレフィン共重合体への極性基の導入方法
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体への極性基の導入方法は限定されない。本発明の主旨は遷移金属触媒の存在下に共重合され、分子構造が直鎖状でかつランダム共重合であり、かつ特定の極性基を有する多元系極性基含有オレフィン共重合体を用いることである。本発明の主旨を逸脱しない範囲においては種々の方法により特定の極性基を導入することができる。例えば、特定の極性基を有する極性基含有コモノマーを直接共重合する方法や、他の極性基含有コモノマーを共重合した後、変性により特定の極性基を導入する方法などが挙げられる。変性により特定の極性基を導入する方法としては、例えばカルボン酸を導入する場合、アクリル酸t−ブチルを共重合した後、熱分解によりカルボン酸に変化させる方法等が挙げられる。
〔IV〕添加剤
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体には、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、架橋剤、発泡剤、核剤、難燃剤、導電材、充填材などの添加剤を配合しても良い。
〔V〕接着材
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、特定の分子構造及び樹脂物性を有することで、他の基材との高い接着性を発現し、工業的に有用な積層体の製造を可能にした。すなわち、各種基材との接着性能は、(X1)、(Z1)、(Z2)を必須で含み、遷移金属触媒の存在下に共重合することで得られる多元系極性基含有オレフィン共重合体において、多元系極性基含有オレフィン共重合体中の(Z1)に由来する構造単位量が、通常0.001mol%〜19.999mol%の範囲、好ましくは0.01mol%〜15.000mol%の範囲、より好ましくは0.02mol%〜10.000mol%の範囲、より好適には0.02mol%〜5.000mol%の範囲であると、十分に発現する。その接着材としての卓越性は、後記の実施例のデータ及び実施例と比較例の対照により実証されている。
〔VI〕積層体
(1)積層体の材料
本発明に関わる積層体は、多元系極性基含有オレフィン共重合体(B)とからなる層と基材層とを含む積層体であって、該基材の具体例としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのポリエチレン系樹脂、アイオノマー、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ポリメタキシリレンアジパミドなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、芳香族ポリエステル類などのポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、接着性フッ素樹脂、フェーノル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂、セロハンなどセルロース系ポリマーのようなフィルム形成能を有する熱可塑性樹脂フィルム又はシート(これらの延伸物、印刷物)、アルミニウム、鉄、銅、又はこれらを主成分とする合金などの金属箔又は金属板、シリカ蒸着プラスチックフィルム、アルミナ蒸着プラスチックフィルムなどの無機酸化物の蒸着フィルム、金、銀、アルミニウムなど金属、又はこれら金属の酸化物以外の化合物などの蒸着フィルム、上質紙、クラフト紙、板紙、グラシン紙、合成紙などの紙類、セロファン、織布、不織布などを挙げることができる。
本発明に関わる基材層は、用途や被包装物の種類により適宜選択することができる。例えば、被包装物が腐敗し易い食品である場合には、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリエステルの如く、透明性、剛性、ガス透過抵抗性の優れた樹脂を用いることができる。また、被包装物が菓子或いは繊維などである場合には、透明性、剛性、水透過抵抗性の良好なポリプロピレンなどを用いることが好ましい。自動車等の燃料タンクや、燃料が通過するチューブ・ホース・パイプ等に適応させる場合には、EVOH、ポリアミド類、フッ素樹脂のような燃料透過防止性能の優れた樹脂を用いる事が出来る。
バリア性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、EVOH、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ポリエステル(OPET)、延伸ポリアミド、アルミナ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルムなどの金属、無機酸化物の蒸着フィルム、アルミ蒸着などの金属蒸着フィルム、金属箔などが挙げられる。
(2)積層体の用途
本発明に関わる積層体は、例えば、食品の包装材として好適である。食品の具体例としては、ポテトチップなどのスナック菓子、ビスケット、煎餅、チョコレートなどの菓子類、粉スープなどの粉末調味料、削り節や薫製などの食品などが挙げられる。また、パウチ類の容器としては、上記積層体のエチレン系共重合体層面同士を向かい合わせ、その少なくとも一部をヒートシールすることにより形成することができる。具体的には、例えば、水物包装、一般袋、液体スープ包袋、液体紙器、ラミ原反、特殊形状液体包装袋(スタンディングパウチなど)、規格袋、重袋、セミ重袋、ラップフィルム、砂糖袋、油物包装袋、食品包装用などの各種包装容器、輸液バックなどに好適に使用される。
(3)積層体の製造
本発明に関わる積層体の加工方法としては、通常のプレス成形、空冷インフレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成形、高速インフレーション成形、フラットダイ成形(T−ダイ成形)、水冷インフレーション成形などの押出成形、押出ラミネート加工、サンドラミネート加工、ドライラミネート加工等のラミネート加工法、ブロー成形、圧空成形、射出成形、回転成形など、従来公知の方法が挙げられる。
(4)ラミネート積層体
本発明に関わるラミネート積層体とは、押出ラミネート加工、サンドラミネート加工、ドライラミネート加工等、公知のラミネート加工法で製造する事が出来る積層体であり、該ラミネート積層体は本発明の多元系極性基含有オレフィン共重合体を含有してなるラミネート材料と、少なくとも1層以上の基材層とラミネート加工することで製造する事ができる積層体である。本発明に関わるラミネート材料とは、各種公知のラミネート加工法に供する事が可能な多元系極性基含有オレフィン共重合体を含む樹脂材料の事である。押出ラミネート加工は、Tダイより押出した溶融樹脂膜を基材上に連続的に被覆・圧着する方法で、被覆と接着を同時に行う成形加工法である。また、サンドラミネート加工は、紙と積層するフィルムの間に溶融した樹脂を流し込んで、この溶融した樹脂が接着剤のような働きをして接着・積層する方法であり、ドライラミネート加工は、基材と積層するフィルムを貼合する接着剤及び/又は接着剤の塗布ロール付近の雰囲気湿度を除湿するか、前記接着剤及び/又は接着剤の塗布ロールの温度を温熱するか、フィルムシートの貼合面を乾燥させる方法である。
サンドラミネート加工、ドライラミネート加工においては、本発明に用いる基材のオレフィン系樹脂組成物を含むが形成される側で、基材とオレフィン系樹脂組成物を含む層との間に、バリア性を向上させるため、上記アルミ箔、ポリエステル系フィルム、各種バリア性フィルムなどを積層させることが容易である。本発明に関わるラミネート用材料と積層する基材層としては、前述したような種々の各種材料を適宜用いる事ができる。
〔VII〕その他の用途
本発明に関わる多元系極性基含有オレフィン共重合体は、上記の接着性樹脂材料として好適に用いられるばかりでなく、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの各種樹脂の改質材、或いは、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂とポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチックとの相溶化剤としても好適に適用される。
以下において、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明し、好適な各実施例のデータ及び各実施例と各比較例の対照により、本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を実証する。本発明において製造される極性基含有オレフィン共重合体の物性試験方法、得られた積層体の試験方法は、以下の通りである。
(1)多元系極性基含有オレフィン共重合体中の極性基含有構造単位量
多元系極性基含有オレフィン共重合体中の極性基含有構造単位量は、1H−NMRスペクトルを用いて求めた。詳しくは前述している。
(2)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布パラメーター(Mw/Mn)
重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた。また、分子量分布パラメーター(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、更に数平均分子量(Mn)を求め、MwとMnの比、Mw/Mnによって算出した。詳しくは前述している。
(3)融点
融点は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線のピーク温度によって示される。測定にはエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社社製のDSC(DSC7020)を使用し、次の測定条件で実施した。
試料約5.0mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで上昇し、200℃で5分間保持した後に10℃/分で30℃まで降温させた。30℃で5分間保持した後、再度、10℃/分で昇温させる際の吸収曲線のうち、最大ピーク温度を融点とした。
(4)接着強度
接着強度は、プレス板に加工した測定サンプルと各種基材フィルムをそれぞれ調製し、その2種を重ね合わせて熱プレスすることによって積層体を作製し、剥離試験を行うことによって測定した。各工程の調整方法/測定方法を順に説明する。
(1) 測定サンプルのプレス板調整方法
測定サンプルを、寸法:50mm×60mm、厚さ0.5mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度180℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、厚さが約0.5mmのプレス板を作製した。
(2) EVOHフィルムの調製方法
多層Tダイ成形機を用い、中央層がEVOH、両外層がLLDPEの2種3層多層フィルムを成形後、外層のLLDPEを剥離することで、厚さ100μmのEVOH単層フィルムを調製した。フィルム成形条件は以下の通りである。
成形機:2種3層Tダイ 成形温度:200℃ 層構成:LLDPE/EVOH/LLDPE 膜厚:300μm(100μm/100μm/100μm) 外層:LLDPE(日本ポリエチレン(株)社製 銘柄:ノバテック UF943)MFR=2.0g/10分、密度=0.937/cm3 中間層:EVOH((株)クラレ製 銘柄:エバール F101B)
(3) ポリアミドフィルムの調製方法
多層Tダイ成形機を用い、中央層がポリアミド、両外層がLLDPEの2種3層多層フィルムを成形後、外層のLLDPEを剥離することで、厚さ100μmのポリアミド単層フィルムを調製した。フィルム成形条件は以下の通りである。
成形機:2種3層Tダイ 成形温度:250℃ 層構成:LLDPE/EVOH/LLDPE 膜厚:300μm(100μm/100μm/100μm) 外層:LLDPE(日本ポリエチレン(株)社製 銘柄:ノバテック UF943)MFR=2.0g/10分、密度=0.937/cm3 中間層:ポリアミド(東レ(株)製 銘柄:アミラン CM1021FS)
(4) フッ素樹脂フィルムの調整方法
多層Tダイ成形機を用い、中央層がフッ素樹脂、両外層がLLDPEの2種3層多層フィルムを成形後、外層のLLDPEを剥離することで、厚さ100μmのフッ素樹脂単層フィルムを調製した。フィルム成形条件は以下の通りである。
成形機:2種3層Tダイ 成形温度:230℃ 層構成:LLDPE/EVOH/LLDPE 膜厚:300μm(100μm/100μm/100μm) 外層:LLDPE(日本ポリエチレン(株)社製 銘柄:ノバテック UF943)MFR=2.0g/10分、密度=0.937/cm3 中間層:フッ素樹脂(ダイキン工業(株)製 銘柄:ネオフロンEFEP RP−5000)
(5) EVOHフィルムと測定サンプルとの積層体の調製方法
上記のプレス板調製方法によって得られた測定サンプルのプレス板と、上記EVOHフィルムの調製方法によって得られたEVOHフィルムを50mm×60mmの寸法に切断したものを重ね合わせ、寸法:50mm×60mm、厚さ0.5mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度200℃の熱プレス機を用いて4.9MPaで3分間加圧した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、測定サンプルのプレス板とEVOHの積層体を調製した。
(6) ポリアミドフィルムと測定サンプルとの積層体の調製方法
上記のプレス板調製方法によって得られた測定サンプルのプレス板と、上記ポリアミドフィルムの調製方法によって得られたポリアミドフィルムを50mm×60mmの寸法に切断したものを重ね合わせ、寸法:50mm×60mm、厚さ0.5mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度250℃の熱プレス機を用いて4.9MPaで5分間加圧した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、測定サンプルのプレス板とポリアミドの積層体を調製した。
(7) フッ素樹脂フィルムと測定サンプルとの積層体の調製方法
上記のプレス板調製方法によって得られた測定サンプルのプレス板と、上記フッ素樹脂フィルムの調製方法によって得られたフッ素樹脂フィルムを50mm×60mmの寸法に切断したものを重ね合わせ、寸法:50mm×60mm、厚さ0.5mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度200℃の熱プレス機を用いて4.9MPaで3分間加圧した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、測定サンプルのプレス板とフッ素樹脂の積層体を調製した。
(8) 積層体の接着強度測定方法
積層体の調製方法によって得られた積層体を10mm幅に切断し、テンシロン(東洋精機(株)製)引張試験機を用いて、50mm/分の速さでT剥離することで接着強度を測定した。接着強度の単位はgf/10mmで示した。また、接着強度が非常に強い場合、剥離試験に際して測定サンプル層、もしくは基材層が降伏し、さらには破断する。これは、積層体の接着強度が、測定サンプル層又は基材層の引張破断強度のうち低い方と比較して高い強度を示す為に発生する現象であり、その接着性は非常に高いものと判断できる。該現象により接着強度が測定できない場合、各実施例の接着強度測定結果には「剥離不可」と記載し、接着強度の数値が測定されたものよりも、より高度に接着されたと判断する。
(5)引張衝撃強さ
(1) 引張衝撃強さ試験サンプルの作成方法
各実施例および各比較例の樹脂組成物ペレットを、厚さ1mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度230℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで樹脂を溶融すると共に溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持した。その後、4.9MPaの圧力をかけた状態で、10℃/分の速度で徐々に冷却し、温度が室温付近まで低下したところでモールドから成形板を取り出した。得られた成形板を温度23±2℃、湿度50±5℃の環境下で48時間以上、状態調節した。状態調節後のプレス板からASTM D1822 Type−Sの形状の試験片を打ち抜き、引張衝撃強さ試験サンプルとした。
引張衝撃強さ試験条件
上記試験片を用い、JIS K 7160−1996のB法を参考として引張衝撃強さを測定した。なお、JIS K 7160−1996と異なるのは、試験片の形状のみである。その他測定条件等に関しては、JIS K 7160−1996に準じた方法で試験を実施した。
(6)複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δ(G*=0.1MPa)の測定
試料を厚さ1.0mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度180℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、厚さが約1.0mmの試料からなるプレス板を作成した。試料からなるプレス板を直径25mm円形に加工したものをサンプルとし、動的粘弾性特性の測定装置としてRheometrics社製ARES型回転式レオメータを用い、窒素雰囲気下において以下の条件で動的粘弾性を測定した。
・プレート:φ25mm パラレルプレート
・温度:160℃
・歪み量:10%
・測定角周波数範囲:1.0×10−2〜1.0×10 rad/s
・測定間隔:5点/decade
複素弾性率の絶対値G*(Pa)の常用対数logG*に対して位相角δをプロットし、logG*=5.0に相当する点のδ(度)の値をδ(G*=0.1MPa)とした。測定点の中にlogG*=5.0に相当する点がないときは、logG*=5.0前後の2点を用いて、logG*=5.0におけるδ値を線形補間で求めた。また、測定点がいずれもlogG*<5であるときは、logG*値が大きい方から3点の値を用いて2次曲線でlogG*=5.0におけるδ値を補外して求めた。
(7)アルミニウム(Al)量
多元系極性基含有オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム(Al)量は、重合に供したアルキルアルミニウム中に含有されるアルミニウム(Al)量を、得られた多元系極性基含有オレフィン共重合体の収量で除した値として算出する方法と蛍光X線分析により測定する方法により求めることができる。
(1) アルキルアルミニウム重合添加量より算出する方法
具体的には以下の計算式により算出した。
アルミニウム(Al)含有量の単位:μgAl/g
(μgAl/gとは多元系極性基含有オレフィン共重合体の1g中に含まれるアルミニウム(Al)量をμg単位で表していることを意味する。)
μgAl=n×Mw(Al)×10(μg)
n:重合に供したアルキルアルミニウム添加量(mmol)
Mw(Al):アルミニウム(Al)元素の分子量(26.9g/mol)
(2) 蛍光X線分析により測定する方法
多元系極性基含有オレフィン共重合体中に含まれるアルミニウム(Al)量は蛍光X線分析を用いて求めた。詳しくは前述している。
〔実施例1〕
SHOP系配位子(B−27DM)の合成
WO2010−050256記載(合成例4)の方法に従い、下記の配位子B−27DMを得た。
Figure 2015028164
錯体の形成
充分に窒素置換した50mlのナス型フラスコに、B−27DMを112mg(200μmol)秤り取った。次に、ビス−1、5−シクロオクタジエンニッケル(0)(以下Ni(COD)2と称する)を50mlナス型フラスコに56mg(200μmol)秤り取り、20mlの乾燥トルエンに溶解させ10mmol/lのNi(COD)2トルエン溶液を調製した。ここで得られたNi(COD)2トルエン溶液全量(20ml)を、B−27DMの入ったナス型フラスコに加え、40℃の湯浴で30分攪拌することで、B−27DMとNi(COD)2の反応生成物の10mmol/l溶液を20ml得た。
(エチレン/4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4−HBAGE)/アクリル酸-n-ブチル三元共重合)
内容積2.4リットルの攪拌翼付きオートクレーブに、乾燥トルエンを1000mlと、トリn−オクチルアルミニウム(TNOA)を36.6mg(0.1mmol)、及び4−HBAGEを3.6ml(20mmol)とアクリル酸-n-ブチル7.1ml(50mmol)を仕込んだ。攪拌しながらオートクレーブを80℃に昇温し、窒素を0.4MPaまで供給した後、エチレン分圧が2.4MPaになるよう圧力が2.8MPaまでエチレンを供給した。温度と圧力が安定した後、先に調製したB−27DM‐Ni錯体溶液を10ml(100μmol)を窒素で圧入して共重合を開始させた。反応中は温度を80℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。180分間重合させた後、冷却、脱圧して反応を停止した。反応溶液は、1リットルのアセトンに投入してポリマーを析出させた後、ろ過洗浄を行い回収し、さらに減圧下、60℃で恒量になるまで乾燥を行なうことで、極性基含有共重合体中に残存していた極性基含有モノマーを取り除き、最終的に極性基含有オレフィン共重合体を19.4g回収した。重合の条件及び重合結果を表1に、物性測定の結果を表2に記載した。なお、表2中の「ND」は未測定を意味する。重合活性は、B−27DMとNi(COD)2が1対1で反応してニッケル錯体を形成しているとして計算した。
また、共重合に用いた4−HBAGEは、モレキュラーシーブ3Aにより脱水したものを使用した。
〔実施例2、比較例1、比較例2〕
実施例1に記載の方法のうち、配位子量、コモノマー種、モノマー濃度、重合温度、重合時間、をそれぞれ変更して重合することにより、実施例2、比較例1、比較例2の極性基含有オレフィン共重合体を調製した。重合の条件及び重合結果を表1に、物性測定の結果を表2に記載した。なお、表2中の「ND」は未測定を意味する。
〔実施例3〕
SHOP系配位子(B−111)の合成
特開2013−043871記載(合成例1)の方法に従い、下記の配位子B−111を得た。
Figure 2015028164
錯体の形成
充分に窒素置換した50mlのナス型フラスコに、B−111を137mg(200μmol)秤り取った。次に、ビス−1、5−シクロオクタジエンニッケル(0)(以下Ni(COD)2と称する)を50mlナス型フラスコに56mg(200μmol)秤り取り、20mlの乾燥トルエンに溶解させ10mmol/lのNi(COD)2トルエン溶液を調製した。ここで得られたNi(COD)2トルエン溶液全量(20ml)を、B−27DMの入ったナス型フラスコに加え、40℃の湯浴で30分攪拌することで、B−111とNi(COD)2の反応生成物の10mmol/l溶液を20ml得た。
(エチレン/4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4−HBAGE)/アクリル酸-n-ブチル三元共重合)
内容積2.4リットルの攪拌翼付きオートクレーブに、乾燥トルエンを1000mlと、トリn−オクチルアルミニウム(TNOA)を54.9mg(0.15mmol)、及び4−HBAGEを3.96ml(22mmol)とアクリル酸-n-ブチル19.9ml(140mmol)を仕込んだ。攪拌しながらオートクレーブを70℃に昇温し、窒素を0.4MPaまで供給した後、エチレン分圧が2.4MPaになるよう圧力が2.8MPaまでエチレンを供給した。温度と圧力が安定した後、先に調製したB−111‐Ni錯体溶液を18ml(180μmol)を窒素で圧入して共重合を開始させた。反応中は温度を70℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。120分間重合させた後、冷却、脱圧して反応を停止した。反応溶液は、1リットルのアセトンに投入してポリマーを析出させた後、ろ過洗浄を行い回収し、さらに減圧下、60℃で恒量になるまで乾燥を行なうことで、極性基含有共重合体中に残存していた極性基含有モノマーを取り除き、最終的に極性基含有オレフィン共重合体を21.0g回収した。重合の条件及び重合結果を表1に、物性測定の結果を表2に記載した。なお、表2中の「ND」は未測定を意味する。重合活性は、B−111とNi(COD)2が1対1で反応してニッケル錯体を形成しているとして計算した。
また、共重合に用いた4−HBAGEは、モレキュラーシーブ3Aにより脱水したものを使用した。
〔実施例4〕
実施例3に記載の方法のうち、配位子量、コモノマー種、モノマー濃度、重合温度、重合時間、をそれぞれ変更して重合することにより、実施例4の極性基含有オレフィン共重合体を調製した。重合の条件及び重合結果を表1に、物性測定の結果を表2に記載した。なお、表2中の「ND」は未測定を意味する。
〔実施例5〕
Drent系配位子:(2−イソプロピル−フェニル)(2’−メトキシ−フェニル)(2’’−スルホニル−フェニル)ホスフィン(I)の合成
無水ベンゼンスルホン酸(2g,12.6mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,10mL,25.3mmol)を0℃でゆっくりと滴下し、室温まで温度を上昇させながら1時間撹拌した。反応液を−78℃まで冷却し、三塩化リン(1.0mL,12.6mmol)を加え、2時間撹拌した(反応液A)。
マグネシウムをテトラヒドロフラン(20mL)に分散させ、1−ブロモ−2−メトキシベンゼン(2.3g,12.6mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。この溶液を、先ほどの反応液Aに−78℃で滴下し、1時間撹拌した(反応液B)。
1−ブロモ−2−イソプロピルベンゼン(2.5g,12.6mmol)のジエチルエーテル(20mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,5.0mL,12.6mmol)を−30℃でゆっくりと滴下し、室温で2時間撹拌した。この溶液を、先ほどの反応液Bに−78℃で滴下し、室温で一晩撹拌した。LC−MS純度60%。
水(50mL)を加え、塩酸を加えて酸性にした(PH<3)後、塩化メチレン抽出し(100mL)、硫酸ナトリウムにより乾燥し、溶媒を留去した。メタノールで再結晶化することにより、白色の目的物(I)を1.1g得た。収率22%。
1H NMR (CDCl3, ppm): 8.34 (t, J = 6.0 Hz, 1 H), 7.7-7.6 (m, 3 H), 7.50 (t, J = 6
.4 Hz, 1 H), 7.39 (m, 1 H), 7.23 (m, 1 H), 7.1-6.9 (m, 5 H), 3.75 (s, 3 H), 3.05
(m, 1 H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.04 (d, J = 6.4 Hz, 3 H). 31P NMR (CDCl3,
ppm): -10.5.
Figure 2015028164
錯体の形成
錯体の形成充分に窒素置換した30mLフラスコに、100μmolのパラジウムビスジベンジリデンアセトンとリンスルホン酸配位子(I)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを超音波振動機にて10分間処理することで、触媒スラリーを調製した。
(エチレン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(NB−DCA)/アクリル酸−n−ブチル三元共重合)
内容積2.4リットルの攪拌翼付きオートクレーブを精製窒素で置換したのち、乾燥トルエン(1.0リットル)と、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が0.25mol/L、アクリル酸‐n−ブチルが0.25mol/Lとなるように仕込んだ。攪拌しながらオートクレーブを80℃に昇温し、窒素を0.3MPaまで供給した後、エチレン分圧が2.5MPaになるよう圧力が2.8MPaまでエチレンを供給した。圧力調整終了後、上記方法で作成した遷移金属錯体20μmolを窒素で圧入して共重合を開始させた。反応中は温度を80℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給し、60分間重合させた後、冷却、脱圧して反応を停止した。反応溶液は、1リットルのアセトンに投入してポリマーを析出させた後、ろ過洗浄を行い回収し、さらに減圧下60℃で恒量になるまで乾燥を行なった。
重合の条件及び重合結果を表1に、物性測定の結果を表2に記載した。なお、表2中の「ND」は未測定を意味する。なお、重合活性は、配位子とパラジウムビスジベンジリデンアセトンが1対1で反応してパラジウム錯体を形成しているとして計算した。
〔比較例3〕
実施例3に記載の方法のうち、配位子量、コモノマー種、モノマー濃度、重合温度、重合時間、をそれぞれ変更して重合することにより、比較例3の極性基含有オレフィン共重合体を調製した。重合の条件及び重合結果を表1に、物性測定の結果を表2に記載した。なお、表2中の「ND」は未測定を意味する。
〔比較例4〕
エチレンとプロピレン、ヘキセンの共重合体であって、メタロセン系触媒によって製造されたオレフィン共重合体(日本ポリエチレン(株)製 銘柄:カーネルKF370)である。物性測定の結果を表2に記載した。
〔比較例5〕
エチレンとメチルアクリレート、マレイン酸無水物の共重合体であって、高圧法プロセスによって製造された極性基含有オレフィン共重合体(日本ポリエチレン(株)製 銘柄:レクスパールET ET220X)である。物性測定の結果を表2に記載した。
〔比較例6〕
エチレンとメチルアクリレート、マレイン酸無水物の共重合体であって、高圧法プロセスによって製造された極性基含有オレフィン共重合体(日本ポリエチレン(株)製 銘柄:レクスパーET ET530H)である。物性測定の結果を表2に記載した。
〔比較例7〕
エチレンとグリシジルメタクリレートの共重合体であって、高圧法プロセスによって製造された極性基含有オレフィン共重合体(住友化学(株)製 銘柄:ボンドファーストE)である。物性測定の結果を表2に記載した。
〔比較例8〕
エチレンとグリシジルメタクリレートの共重合体であって、高圧法プロセスによって製造された極性基含有オレフィン共重合体(住友化学(株)製 銘柄:ボンドファースト2C)である。物性測定の結果を表2に記載した。
Figure 2015028164
Figure 2015028164
〔実施例と比較例の結果の考察〕
実施例1〜実施例5は多元系極性基含有オレフィン共重合体であり、充分な接着性を示しているが、極性基を含有しないオレフィン共重合体の比較例4は全く接着性を示さないことを明らかにした。このことは、接着性を発現するためには極性基を含有することが必須であることを示している。
実施例1〜実施例5の多元系極性基含有オレフィン共重合体は、同様の極性基を有する比較例1〜実施例3の2元系極性基含有オレフィン共重合体に比べて、接着性が飛躍的に向上していることを明らかにした。このことは、任意の第3コモノマーにより共重合体を柔軟にすることで、極性基や第3コモノマーの種類によらず接着性を向上させられることを示している。
実施例1〜実施例5は、高い接着性を有しながら、充分な耐衝撃性をも示している。それに対し比較例5〜比較例8は、接着性能こそ充分であるが耐衝撃性が不十分である。この原因は分子構造の違いによるものと推察している。実施例1〜実施例5は遷移金属触媒の存在下で製造されている為、その分子構造は直鎖状である。しかしながら、比較例5〜比較例8は高圧法プロセスで製造されていることが知られており、その分子構造は過多の短鎖分岐、および長鎖分岐を有した構造であると考えられる。そのため、結果として耐衝撃性が低下すると考えられる。
以上の各実施例の良好な結果、及び各比較例との対照により、接着性と耐衝撃性を高度にバランス出来る本発明の多元系極性基含有オレフィン共重合体の有意性と合理性及び従来技術に対する卓越性が明確にされている。
本発明に関わる多元系極性オレフィン共重合体は、他の基材との高い接着性を発現し、工業的に有用な積層体の製造を可能にした。本発明によって製造することが可能な多元系極性オレフィン共重合体は、接着性だけでなく機械的かつ熱的な物性に優れ、有用な多層成形体として応用可能であり、各種の基材に積層されて、広く包装材、包装容器分野、繊維、パイプ、燃料タンク、中空容器、ドラム缶などの産業資材分野、止水材料などの土木分野、電子・家電部材などの電子分野、電線・ケーブルなどの電線分野などにおいて活用される。

Claims (12)

  1. エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる一種又は二種以上の非極性モノマー(X1)単位とエポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーから選ばれる一種又は二種以上の極性モノマー(Z1)単位と、任意の非環状または環状モノマー(Z2)単位とからなることを特徴とする、多元系極性基含有オレフィン共重合体(但し、X1、Z1、Z2の各単位を各一種以上必須で含む。)であって、遷移金属触媒の存在下に共重合することで得られる、分子構造が直鎖状でかつランダム共重合であることを特徴とする多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  2. ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が1.5〜3.5の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  3. 多元系極性基含有オレフィン共重合体中に含まれるアルミニウム(Al)量が、共重合体1g当たり0〜100,000μgであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  4. 示差走査型熱量測定(DSC)法により測定される吸収曲線の最大ピ−ク位置の温度で表される、融点Tm(℃)が50<Tm<128−6.0[Z1](但し、Z1に由来するモノマー単位を[Z1](mol%)とする。)であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  5. エポキシ基、カルボキシル基又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーから選ばれる極性モノマー(Z1)単位が0.001〜19.999mol%であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  6. 非極性モノマー(X1)単位がエチレンであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  7. 前記遷移金属触媒が、キレート性配位子と第5〜11族金属とを含む遷移金属であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  8. 多元系極性基含有オレフィン共重合体が、パラジウムまたはニッケル金属にトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が配位した遷移金属触媒であることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体を含有する接着材。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載された多元系極性基含有オレフィン共重合体、または接着材を含有してなる層と、基材層とを少なくとも含む積層体。
  11. 前記基材層が、オレフィン系樹脂、極性の高い熱可塑性樹脂、金属、無機酸化物の蒸着フィルム、紙類、セロファン、織布、不織布から選ばれることを特徴とする、請求項10に記載された積層体。
  12. 該基材層が、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)であることを特徴とする、請求子10または請求項11に記載された積層体。
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