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JP2015001649A - 光学フィルタ - Google Patents

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JP2015001649A
JP2015001649A JP2013126515A JP2013126515A JP2015001649A JP 2015001649 A JP2015001649 A JP 2015001649A JP 2013126515 A JP2013126515 A JP 2013126515A JP 2013126515 A JP2013126515 A JP 2013126515A JP 2015001649 A JP2015001649 A JP 2015001649A
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JP2013126515A
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宏二 佐々木
Koji Sasaki
宏二 佐々木
崇嗣 岡田
Takashi Okada
崇嗣 岡田
井上 政広
Masahiro Inoue
政広 井上
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】近赤外線吸収能に優れ、かつテトラアザポルフィリン系色素とともに用いても耐久性を有する粘着層を備えた光学フィルタの提供。【解決手段】基板と、前記基板上に配設された、テトラアザポルフィリン系色素と、下記一般式(1)で表されるジイモニウム塩の非晶質体からなるジイモニウム系近赤外線吸収色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層とを備える光学フィルタ。【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイ(以下、必要に応じてPDPという)等に用いられる色調補正機能を有する光学フィルタに関する。
従来、プラズマディスプレイには、PDPから放射される電磁波、近赤外線等を遮蔽すること、外光の反射を防止すること、PDPの発色を所望の色調に変換すること等を目的として、PDPの前面に配置される光学フィルタが必要とされてきた。
このような光学フィルタにおいて、近赤外線遮蔽のために用いられる材料としては近赤外線吸収能を有する無機色素/有機色素などがあり、可視域の吸収が少ないものが好ましく用いられている。また、これらの近赤外線吸収色素を用いて光学フィルタを構成する場合、粘着剤に該色素を混合して、ガラス基板や他の機能性フィルムの間に粘着層として存在させて近赤外線遮蔽能を有する光学フィルタとすることが一般的に行われている。
近赤外線吸収能を有する色素としては、フタロシアニン系色素やジイモニウム系色素が広く用いられている。ここで、フタロシアニン系色素は粘着層中でも耐久性が強いが、可視域の吸収が大きくなる傾向にあった。また、ジイモニウム系色素は可視域の吸収が小さいが、粘着層中での耐久性が弱い傾向にあった。そこで、特許文献1では、乾式粉砕して非晶質体としたジイモニウム系色素を用いて粘着層中での耐久性の向上を図っている。
一方、PDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を効率的に吸収する色素としてテトラアザポルフィリン系色素の需要がある。テトラアザポルフィリン系色素は、近赤外線吸収色素と同様に、粘着剤と混合して粘着層として光学フィルタに適用することが一般的である。
ここで、テトラアザポルフィリン系色素は耐久性、特に耐光性の点が十分とはいえず、テトラアザポルフィリン系色素とともにジイモニウム系色素を含む粘着層を光学フィルタに適用した場合には、特許文献1に記載の乾式粉砕したジイモニウム系色素であっても、テトラアザポルフィリン系色素の劣化により、変色などの問題が生じることが多かった。
国際公開第2011/074619号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、近赤外線吸収能に優れ、かつテトラアザポルフィリン系色素とともに用いても耐久性を有する粘着層を備えた光学フィルタの提供を目的とする。
本発明の光学フィルタは、基板と、前記基板上に配設された、テトラアザポルフィリン系色素と、下記一般式(1)で表されるジイモニウム塩の非晶質体からなるジイモニウム系近赤外線吸収色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層とを備える。
Figure 2015001649
式(1)中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい1価有機基を示し、Xはアニオンを示す。
本発明の光学フィルタにおいて前記粘着層が含有する錯体は、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅またはニッケルに配位した錯体が好ましい。
本発明の光学フィルタにおける粘着層は、前記光安定剤を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.03〜17質量部の割合で含有することが好ましい。
本発明の光学フィルタにおける粘着層は、前記ジイモニウム系近赤外線吸収色素を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.6〜6.7質量部の割合で含有することが好ましい。
本発明の光学フィルタにおける粘着層は、前記テトラアザポルフィリン系色素を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.06〜0.6質量部の割合で含有することが好ましい。
本発明によれば、近赤外線吸収能に優れ、かつテトラアザポルフィリン系色素とともに用いても耐久性を有する粘着層を備えた光学フィルタを提供できる。
本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
本発明の光学フィルタは、基板と、前記基板上に配設された、テトラアザポルフィリン系色素と、上記一般式(1)で表されるジイモニウム塩の非晶質体からなるジイモニウム系近赤外線吸収色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層(以下、必要に応じて「近赤外線吸収粘着層」ともいう。)とを備える。
本発明の光学フィルタは、近赤外線吸収粘着層が上記各成分を含有することにより近赤外線吸収能および波長590nm付近の光に対する色調補正機能を有するとともに、耐久性にも優れる特徴を有する。
本発明の光学フィルタの積層構造については、少なくとも基板と該基板上に配設された近赤外線吸収粘着層を有する構成であればよい。なお、近赤外線吸収粘着層が基板上に配設されるとは、基板の少なくとも一方の主面に直接または他の層を介して設置されることを意味する。
本発明の光学フィルタが、基板と近赤外線吸収粘着層のみで構成される場合、例えば、ディスプレイ用の光学フィルタ等に用いて、近赤外線吸収粘着層がディスプレイ表面に直接貼付される態様が挙げられる。
本発明の光学フィルタの別の積層構造としては、基板に1つ以上のフィルムが貼着された光学フィルタであって、該フィルムと基板との間、または、該フィルムが2以上の場合におけるフィルム間のいずれかに、近赤外線吸収粘着層を備える構成が挙げられる。この場合、例えば、基板上に1枚のフィルムが近赤外線吸収粘着層を介して貼着された構造が最も簡単な積層構造として挙げられる。2以上のフィルムを用いる場合には、フィルムや基板を貼り合わせるために複数の粘着層が必要とされる。その場合、本発明の光学フィルタにおいては、複数の粘着層を上記構成の近赤外線吸収粘着層としてもよいが、好ましくは近赤外線吸収粘着層を1層とし、他の粘着層は別の機能を有する粘着層または粘着剤のみで構成される粘着層とする。
さらに、本発明の光学フィルタには、基板上に近赤外線吸収粘着層以外の粘着層とフィルムを積層した最外層に近赤外線吸収粘着層を設け、この近赤外線吸収粘着層をディスプレイ表面に直接貼付する態様も含まれる。
以下、本発明の光学フィルタを構成する各構成要素について説明する。
[基板]
本発明の光学フィルタが有する基板としては、例えば、ガラス、透明で高剛性の高分子材料などからなる透明基板が挙げられる。透明で高剛性の高分子材料として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレンメタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファンなどが挙げられる。
好ましくは、ガラス、強化もしくは半強化ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどからなる透明基板が挙げられる。透明基板に粘着フィルムが貼着された光学フィルタは、PDPなどのディスプレイの保護板としての機能を発揮する。
基板の厚さは、1〜10mmが好ましく、1.5〜5mmがより好ましい。1mm以上であることにより、ディスプレイ用途に用いた場合に、PDPなどのディスプレイを衝撃から十分に保護することができる。10mm以下であることで、光学フィルタの重量を軽くできる。また、基板のヤング率は、1×10Pa以上が好ましく、5×10Pa以上がより好ましく、1×1010Pa以上がさらに好ましい。ヤング率の上限は特に制限はないが、上限は5×1011Paが好ましい。基板のヤング率が上記範囲内であると、PDPなどのディスプレイを保護するのに十分硬い光学フィルタとできるため好ましい。
[近赤外線吸収粘着層]
本発明の光学フィルタが有する近赤外線吸収粘着層は、下記(A)〜(E)の各成分を含有する。
(A)テトラアザポルフィリン系色素
(B)上記一般式(1)で表されるジイモニウム塩の非晶質体からなるジイモニウム系近赤外線吸収色素(以下、一般式(1)で表されるジイモニウム塩を、ジイモニウム塩(1)、ジイモニウム塩(1)の非晶質体をジイモニウム系色素(b)ともいう。)
(C)紫外線吸収剤
(D)銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤
(E)アクリル系粘着剤
なお、上記各成分についてそれぞれ必要に応じて(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分ということもある。
近赤外線吸収粘着層は、必要に応じて上記(A)〜(E)成分以外の任意成分を含有してもよい。
(A)テトラアザポルフィリン系色素
テトラアザポルフィリン系色素としては、テトラアザポルフィリン骨格を有する化合物であれば、特に制限されない。テトラアザポルフィリン骨格を有する化合物は、ディスプレイ、特にPDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を吸収することができる。
テトラアザポルフィリン系色素として、具体的には、下記式(2)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2015001649
式(2)中、R23〜R30は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ベンジル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基(ただし、ベンジル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。)を表す。Mは、Cu、Ni、Zn、Pd、Pt、VO、CoおよびMgのいずれかである。
23〜R30は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜
6のアルコキシ基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または1以上の水素原子がフッ素原子に置換されている炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。1以上の水素原子がフッ素原子に置換されている炭素数1〜4のアルコキシ基としては、−OCF、−OCHCHF、−OCHCF、−OCHCHCFが好ましい。また、R23〜R30は、これらから選ばれる2種類の原子または基で構成され、それらが交互にテトラアザポルフィリン骨格に結合した化合物が好ましい。2種類の原子または基の組合せとしては、以下の組み合わせが好ましい。
(2A)水素原子と炭素数1〜4のアルキル基の組み合わせ、
(2B)炭素数1〜4のアルキル基と1以上の水素原子がフッ素原子に置換されている炭素数1〜4のアルコキシ基の組み合わせ。
は、CuまたはVOが好ましい。
式(2)で表されるテトラアザポルフィリン系色素としては、例えば、山田化学社製の商品名、「TAP−2」(上記(2B)に分類される化合物、R23〜R30は、交互にtert−ブチル基と−OCHCFである)、「TAP−HTBX」(上記(2A)に分類される化合物、R23〜R30は、交互に水素原子とtert−ブチル基である)等が挙げられる。これら市販のテトラアザポルフィリン系色素は、ディスプレイ、特にPDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を効率的に吸収できるため好ましく使用できる。
近赤外線吸収粘着層はテトラアザポルフィリン系色素として、上記化合物の1種を単独で含有しても、また2種以上を組合せて含有してもよい。近赤外線吸収粘着層におけるテトラアザポルフィリン系色素の含有量は、アクリル系粘着剤100質量部に対し、0.06〜0.6質量部が好ましく、0.09〜0.45質量部がより好ましい。テトラアザポルフィリン系色素の含有量を、アクリル系粘着剤100質量部に対して0.06質量部以上とすることで、波長590nm付近の不要光を吸収する色調補正機能を十分に発揮でき、0.6質量部以下とすることで耐久性の低下を抑制できる。
なお、本発明の光学フィルタの視感透過率は、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、32%以上が特に好ましい。また、光学フィルムの視感透過率は、80%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。本発明の光学フィルタおいては、820〜980nmの波長領域における近赤外線の平均透過率が35%以下であることが好ましく、30%以下がより好ましく、25%以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、視感透過率は、JIS Z8701(1999年)に従い測定したC光源による視感透過率をいう。また、本明細書においては、視感透過率を「Tv」と表記することもある。
近赤外線吸収粘着層がテトラアザポルフィリン系色素を含有すると、視感透過率は低下する。本発明の光学フィルタにおいては、近赤外線吸収粘着層が上記好ましい含有量でテトラアザポルフィリン系色素を含有する場合であっても、波長850nmの近赤外線透過率が35%以下であり、かつ視感透過率が20%以上である態様が好ましい。また、本発明の光学フィルタにおける別の態様では、波長850nmの近赤外線透過率が25%以下であり、かつ視感透過率が30%以上であることが好ましい。
(B)ジイモニウム系色素(b)
ジイモニウム系色素(b)は、下記式(1)で表されるジイモニウム塩の非晶質体からなる。
Figure 2015001649
式(1)中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい1価有機基を示し、Xはアニオンを示す。
なお、本明細書において、非晶質体とは、原子または分子が規則的な周期的配列をした結晶を形成せずに固体となっている状態である。固体の結晶性の有無については、粉末X線回折装置にて回折パターンを測定することにより求められる。すなわち、非晶質体は粉末X線回折装置にて得られる回折パターンに、結晶性を示す明確な回折ピークが検出されない状態のことである。例えば、粉末X線回折装置にて回折ピークを測定し、検出される最大強度のピークにて、ベースラインからピークトップを取った際のピークの半値幅が2θ=1°以上となるものである。このような固体は、実質的に結晶は含まれておらず、非晶質体のみから構成されたものである。
ジイモニウム塩(1)の非晶質体を近赤外線吸収色素として用いることで、結晶または会合体のような結晶性を有する状態と比較して、近赤外線吸収粘着層に含有させた場合に、耐熱性や耐湿熱性が高く、かつ、透明性に優れる特徴を有する。
〜Rの好ましい有機基としては、ハロゲン原子で置換されてもよい直鎖または分岐状のC1−10のアルキル基、C3−12のシクロアルキル基、シクロアルキル環が置換されていてもよいC3−12シクロアルキル−C1−10のアルキル基等が挙げられる。
直鎖または分岐状のC1−10アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、iso−アミル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基等が例示できる。これらのうち、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基は、ジイモニウム塩(1)の結晶性が低くなり、非晶質体になりやすいために好ましい。また、このような低極性のアルキル基を有することにより、アクリル系粘着剤との極性が近くなり、混合しやすくなる点でも好ましい。
3−12のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
3-12シクロアルキル−C1-10アルキル基としては、シクロアルキル環が置換されていても非置換であってもよく、置換され得る置換基としては、アルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、またはハロゲン原子等が挙げられる。好ましくは非置換であり、下記一般式(3)で表されるシクロアルキル−アルキル基は、アクリル系粘着剤に対する溶解性が小さいために好ましい。
Figure 2015001649
上記一般式(3)中、Aは炭素数1〜10の直鎖または分岐状のアルキル基を示し、mは3〜12の整数を示す。Aの炭素数は1〜4であることが好ましく、mは5〜8が好ましく、特に5または6であることが好ましい。
上記一般式(3)のシクロアルキル−アルキル基として、具体的には、シクロペンチルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、2−シクロペンチルプロピル基、3−シクロペンチルプロピル基、4−シクロペンチルブチル基、2−シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシルプロピル基、4−シクロヘキシルブチル基等が例示でき、これらの中でもシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロヘキシルプロピル基、3−シクロヘキシルプロピル基、4−シクロヘキシルブチル基が好ましく、より好ましくはシクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基であり、特にシクロヘキシルメチル基は、粘着剤やハードコート用樹脂等に用いられるアクリル系樹脂等に対する溶解性が低く、低極性となるためより好ましい。
また、ハロゲン原子で置換された直鎖または分岐状のC1−10アルキル基としては、2−ハロゲノエチル基、2,2−ジハロゲノエチル基、2,2,2−トリハロゲノエチル基、3−ハロゲノプロピル基、3,3−ジハロゲノプロピル基、3,3,3−トリハロゲノプロピル基、4−ハロゲノブチル基、4,4−ジハロゲノブチル基、4,4,4−トリハロゲノブチル基、5−ハロゲノペンチル基、5,5−ジハロゲノペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。中でも下記一般式(4)で表されるモノハロゲン化アルキル基が好ましい。
−C2n−CHY (4)
上記一般式(4)中、nは1〜9の整数を示し、Yはハロゲン原子を示す。
nは1〜9が好ましく、1〜4がさらに好ましく、Yがフッ素原子であることが特に好ましい。具体的には、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基等のモノフルオロアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中のR〜Rは、全て同一の1価有機基であってもよいが、異なる二種以上の1価有機基であってもよく、好ましくは異なる二種の1価有機基である。特に、RとR、RとR、RとR、およびRとRのそれぞれの組み合わせが、異なる二種の1価有機基の組み合わせであるものが好ましい。つまり、各アミノ基における二個の1価有機基が、異なる二種の1価有機基の組み合わせであるジイモニウム塩(1)が好適である。
二種の1価有機基は、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基およびシクロヘキシルメチル基からなる群より選ばれる1価有機基の組合せであるのが好ましく、さらに好ましくは、一種の1価有機基がシクロヘキシルメチル基であり、もう一種の1価有機基がn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基およびn−ヘキシル基からなる群より選ばれる1価有機基である。
一個のアミノ基の1価有機基が、異なる二種の1価有機基の組み合わせであることにより、ジイモニウム塩(1)の結晶性が低くなり、非晶質体となりやすい。特に二種の1価有機基のうち、一種がシクロヘキシルメチル基であると、立体障害により結晶性が低下して、より非晶質体となりやすいため、好ましい。
一般式(1)中のXはジイモニウムカチオンの電荷を中和させるのに必要なアニオンであり、有機酸アニオン、無機アニオン等が使用できる。アニオンとして具体的には、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオン等が挙げられる。
これらのうち、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオンが特に好ましく用いられる。得られる近赤外線吸収粘着層の耐熱性や耐湿熱性等を向上できるためである。特に、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸イオンは無機性が大きいことにより、得られるジイモニウム塩が、アクリル系粘着剤に対する溶解性が小さいために好ましい。
ジイモニウム塩(1)として具体的には、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム等が耐熱性や耐湿熱性および透明性に優れる点より好ましい。
これらのなかでも特に、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(シクロヘキシルメチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−ジ(n−ペンチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−プロピル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム、ヘキサフルオロリン酸−N,N,N’,N’−テトラキス{p−(シクロヘキシルメチル−n−ブチル)アミノフェニル}−p−フェニレンジイモニウム等は結晶性が低く、より非晶質体となりやすいという点で好ましい。
本発明に用いるジイモニウム系色素(b)は、ジイモニウム塩(1)の結晶性固体を乾式粉砕して非晶質化させることで得られる。ジイモニウム塩(1)の結晶性固体は、従来公知の方法、例えば、国際公開第2011/074619号公報に記載された方法で製造できる。また、ジイモニウム塩(1)の結晶性固体の乾式粉砕による非晶質化についても、国際公開第2011/074619号公報に記載された方法で行えばよい。
ジイモニウム系色素(b)としては、市販品、例えば、日本カーリット社製、商品名「CIR−FS265」等を用いてもよい。
近赤外線吸収粘着層はジイモニウム系色素(b)として、上記ジイモニウム塩(1)の非晶質体の1種を単独で含有しても、また2種以上を組合せて含有してもよい。近赤外線吸収粘着層におけるジイモニウム系色素(b)の含有量は、アクリル系粘着剤100質量部に対し、0.6〜6.7質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。ジイモニウム系色素(b)の含有量を、アクリル系粘着剤100質量部に対して0.6質量部以上とすることで、近赤外線吸収能、特に820〜980nmの波長域の近赤外線吸収能を十分に発揮でき、6.7質量部以下とすることで概ね380〜780nmの波長域の可視域の吸収を十分に抑制できる。
なお、本発明の光学フィルタの好ましい光学特性は上記(A)成分で記載したとおりであり、上記(A)成分と組合せて用いた場合に、上記好ましい光学特性を達成できるように、近赤外線吸収粘着層におけるジイモニウム系色素(b)の含有量を適宜調整することが好ましい。
より好ましくは、近赤外線吸収粘着層が上記(A)成分を上記好ましい含有量で含有する場合であっても、該近赤外線吸収粘着層を有する本発明の光学フィルタにおいて、波長850nmの近赤外線透過率が35%以下であり、かつ視感透過率が20%以上である光学特性、あるいは、波長850nmの近赤外線透過率が25%以下であり、かつ視感透過率が30%以上である光学特性を達成できるように、近赤外線吸収粘着層におけるジイモニウム系色素(b)の含有量を適宜調整する。
(C)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、上記テトラアザポルフィリン系色素やジイモニウム系色素(b)の機能を損なわずに紫外線による劣化を抑制し、耐久性を向上させるために用いられる。紫外線吸収剤は、このような作用を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等が好ましく挙げられる。
紫外線吸収剤としては、市販品を用いることができる。市販品としては、BASF社のいずれも商品名で、以下の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:「TINUVIN PS」、「TINUVIN 99−2」等。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:「CHIMASSORB 81」等。
トリアジン系紫外線吸収剤:「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」等。
近赤外線吸収粘着層は紫外線吸収剤として上記各種紫外線吸収剤の1種を単独で含有しても、また2種以上を組合せて含有してもよい。近赤外線吸収粘着層における紫外線吸収剤の含有量は、テトラアザポルフィリン系色素およびジイモニウム系色素(b)による各特定波長の光吸収性能および近赤外線吸収粘着層に求められる他の物性を確保しながら、紫外線吸収剤がその機能を発揮できる量(配合割合)であればよく、アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
(D)光安定剤
光安定剤としては、銅またはニッケルを中心原子とする錯体からなる光安定剤が用いられる。近赤外線吸収粘着層が、このような光安定剤を含有することにより、上記テトラアザポルフィリン系色素やジイモニウム系色素(b)の耐光性が向上され、耐久性に優れる近赤外線吸収粘着層を有する光学フィルタが得られる。
なお、銅またはニッケルを中心原子とする錯体としては、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅原子またはニッケル原子に配位する錯体が好ましい。配位子は単座配位子であっても、多座配位子であってもよい。
配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅原子またはニッケル原子に配位する錯体として、具体的には、配位原子がイオウ原子である錯体としてジチオール錯体が挙げられる。ジチオール錯体としては、例えば、下記式(5)に示されるジチオール錯体が挙げられる。
Figure 2015001649
式(5)中、R39〜R58はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表し、Mは、銅またはニッケルを表す。
ここで、本明細書において、「アルキルアミノ基」は、アミノ基(−NH)の水素原子の1個がアルキル基に置換したもの、および水素原子の2個がアルキル基に置換したものの両方を含む用語として用いる。
また、下記式(6)で表されるベンゼンジチオール錯体も使用可能である。
Figure 2015001649
式(6)中、R61およびR62は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基(ただし、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。)、または、スルホニル基を介して結合した有機基を表す。Mは、銅またはニッケルを表す。
61およびR62は、スルホニル基を介して結合した有機基が好ましく、有機基としては、フェニル基、窒素原子が2個のアルキル基に結合するアルキルアミノ基、窒素原子が構成原子として含まれ該窒素原子を介して結合する置換されていてもよい炭素数4〜6のヘテロシクロ環基等が好ましい。R61およびR62は同一の基であることが好ましい。
式(6)に示されるジチオール錯体として、具体的には、市販品として、住友精化社製、商品名「EST−3」(ジチオール銅錯体、ビス(4−ピペリジルスルホニル−1,2−ベンゼンジチオラート−S,S’)銅−テトラ−nブチルアンモニウム)、商品名「EST−5」(ジチオール銅錯体、ビス(4−モルホリノスルホニル−1,2−ジチオフェノレート)銅−テトラ−n−ブチルアンモニウム)、商品名「EST−5Ni」(ジチオールニッケル錯体、ビス(4−モルホリノスルホニル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム)等が挙げられる。
ジチオール錯体として、さらに、下記式(7)に示されるジチオカルバミン酸塩が挙げられる。
Figure 2015001649
式(7)中、R63〜R65は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基を表し、Mは、銅またはニッケルを表す。
63〜R65は、同一の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が特に好ましい。具体的には、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)銅(II)、ビス(ジエチルジチオカルバミン酸)銅(II)、ビス(ジエチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)等が挙げられる。
配位原子が酸素原子である錯体として、例えば、下記式(8)で示されるサリチル酸塩、下記式(9)で示されるベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
Figure 2015001649
式(8)中、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基(ただし、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。))を表す。pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、pおよびqが2〜4の場合X同士およびX同士は同一であっても異なってもよい。Mは、銅またはニッケルを表す。
Figure 2015001649
式(9)中、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基(ただし、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。))を表す。sおよびtは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示し、sおよびtが2〜5の場合X同士およびX同士は同一であっても異なってもよい。Mは、銅またはニッケルを表す。
配位原子が酸素原子である錯体として、さらに、フタル酸やその類縁化合物の塩等も使用可能である。
ここで、近赤外線吸収粘着層は、通常、(A)〜(E)成分を有機溶媒に溶解させて近赤外線吸収粘着層形成用の組成物としたのち、これを塗布面に塗布し乾燥により上記有機溶媒を除去することにより形成される。
近赤外線吸収粘着層が含有する光安定剤としては、テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が1g/100g以上となる有機溶媒(後述する)に対する溶解度が3g/100g以上の光安定剤が好ましい。すなわち、本発明においては、上記説明した銅またはニッケルを中心原子とする錯体のなかから、好ましくは、近赤外線吸収粘着層に用いられるテトラアザポルフィリン系色素の種類によりその溶解度が1g/100g以上となるように適宜選択される有機溶媒に応じて、該有機溶媒に対する溶解度が3g/100g以上の光安定剤が適宜選択される。ここで、本明細書において溶解度は、特に断りのない限り25℃における溶解度をいう。
例えば、テトラアザポルフィリン系色素として、上記市販品の「TAP−2」、「TAP−HTBX」から選ばれるテトラアザポルフィリン系色素を用い、有機溶媒としてメチルエチルケトンを用いる場合には、メチルエチルケトンに対する溶解度が3g/100g以上である光安定剤として、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)銅(II)、「EST−3」等が挙げられる。本発明に用いる光安定剤としては、テトラアザポルフィリン系色素およびジイモニウム系色素(b)等の耐光性を向上させる観点からビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)が特に好ましい。
これらの銅またはニッケルを中心原子とする錯体から選ばれる光安定剤は、単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を適宜混合して用いてもよい。上記溶解度の条件については、単独で用いる場合には、単独で上記溶解度の条件を満たす必要があるが、2種以上を混合して用いる場合には、いずれか一方が条件を満たさなくとも、混合物とした際に、上記溶解度の条件を満たせば使用可能である。
近赤外線吸収粘着層における光安定剤の含有量は、テトラアザポルフィリン系色素およびジイモニウム系色素(b)による各特定波長の光吸収性能および近赤外線吸収粘着層に求められる他の物性を確保しながら、光安定剤がその機能を発揮できる量(配合割合)の範囲として、アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.03〜17質量部が好ましく、0.15〜10質量部がより好ましい。
(E)アクリル系粘着剤
近赤外線吸収粘着層が含有するアクリル系粘着剤は、上記(A)〜(D)の各成分を均一に分散した状態で層を形成して近赤外線吸収粘着層とするための粘着性を有するバインダとして機能する。
アクリル系粘着剤としては、アクリル系単量体に基づく重合単位を主成分として含むアクリル系(共)重合体からなる粘着剤(E1)、および粘着剤の凝集力を高めるため、架橋点となりうる官能基(例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基等、以下、「架橋性基」ということもある)を有するアクリル系(共)重合体と架橋剤が架橋して得られる粘着剤(E2)が挙げられる。なお、粘着剤(E1)を構成するアクリル系(共)重合体は架橋性基を有するものであってもよい。
アクリル系(共)重合体を得るために用いるアクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、クロトン酸、これらのアルキルエステルが挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸を総称する。(メタ)アクリレートも同様である。なお、近赤外線吸収粘着層における粘着剤の凝集力を高めるために、架橋性基を有するアクリル系単量体の使用が好ましい。
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、架橋性基を有する(メタ)アクリル酸系の単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。
アクリル系(共)重合体を得るために用いる単量体の組成としては、上記アクリル系単量体の中でも、(メタ)アクリル酸、そのアルキルエステル、および架橋性基を有する(メタ)アクリル酸系単量体から選ばれる(メタ)アクリル酸系単量体を主成分とする組成が好ましい。ここで、主成分とするとは、(メタ)アクリル酸系単量体を、アクリル系(共)重合体全量に対して95質量%以上含むことを意味し、98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。アクリル系(共)重合体における(メタ)アクリル酸系単量体以外の単量体は、アクリル系単量体以外の単量体であってもよいが、好ましくは(メタ)アクリル酸系単量体以外のアクリル系単量体である。
アクリル系(共)重合体の酸価は10mgKOH/g以下が好ましい。なお、酸価は0mgKOH/gであってもよい。アクリル系(共)重合体の酸価は0〜7mgKOH/gがより好ましく、0〜5mgKOH/gが特に好ましい。アクリル系(共)重合体の酸価が10mgKOH/g以下であることにより、耐湿試験後の変色を抑えることができる。ここでいう酸価とは、指示薬としてフェノールフタレインを用いたアルコール性水酸化カリウム(KOH)の滴定により求められる値である。
アクリル系(共)重合体の酸価を10mgKOH/g以下にするには、アクリル系単量体を重合する際に酸価がこの範囲になるように、共重合に用いるカルボキシル基を有する単量体の量を調整する。また、同様に、架橋の程度を所望の範囲とするためには、共重合に用いる架橋性基を有する単量体の量を調整すればよい。以下、本明細書において、架橋性基を有する単量体を含む共重合体からなるアクリル系粘着剤を架橋性アクリル系(共)重合体という。
酸価が10mgKOH/g以下の架橋性アクリル系(共)重合体は市販されており、その中から適宜選択して用いてもよい。例えば、商品名:「NCK101」東洋インキ社製(酸価=0mgKOH/g、有機溶剤含有量70質量部)、商品名:「EXK04−488」東洋インキ社製(酸価:6.2mgKOH/g)などが挙げられる。
また、アクリル系(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、−40〜40℃が好ましく、−30〜10℃がより好ましい。
アクリル系粘着剤を粘着剤(E1)の態様とする場合には、上記アクリル系(共)重合体のみを、上に説明した近赤外線吸収粘着層形成用の組成物に含有させて近赤外線吸収粘着層を得る。アクリル系(共)重合体は1種を単独で用いてもよく2種以上を組合せて用いてもよい。ただし、アクリル系(共)重合体のうちでも上記架橋性アクリル系(共)重合体を使用する場合には、粘着剤(E2)の態様とすることが好ましい。すなわち、近赤外線吸収粘着層形成用の組成物に、架橋性アクリル系(共)重合体とともに架橋剤を含有させ、近赤外線吸収粘着層を形成する際に架橋して得られる架橋アクリル樹脂をアクリル系粘着剤(粘着剤(E2))とする態様が好ましい。架橋性アクリル系(共)重合体および架橋剤はそれぞれ1種を単独で用いてもよく2種以上を組合せて用いてもよい。架橋性アクリル系(共)重合体の架橋性基に架橋剤を反応させて該アクリル系(共)重合体を架橋させることにより凝集力を確保できる。
架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物、金属塩、金属水酸化物、金属キレート、ポリイソシアネート、カルボキシ基含有ポリマー、酸無水物、ポリアミンなどが挙げられ、架橋性基の種類に応じて適宜選択される。
架橋性アクリル系(共)重合体と組合せて用いる架橋剤としては、架橋性基がヒドロキシ基の場合、ポリイソシアネートが好ましく、例えば、商品名:「コロネートHL」日本ポリウレタン社製などの市販品を用いることができる。
粘着剤(E2)における、架橋性アクリル系(共)重合体に対する架橋剤の割合は、架橋性アクリル系(共)重合体における架橋性基のモル量に対して、架橋剤が有する反応基のモル量が0.01〜10倍となる量が好ましく、0.1〜5倍となる量がより好ましい。
近赤外線吸収粘着層におけるアクリル系粘着剤の含有量は、アクリル系粘着剤として、アクリル系(共)重合体からなる粘着剤(E1)を用いた場合、近赤外線吸収粘着層形成用の組成物が含有する全固形分の質量に対するアクリル系(共)重合体の質量の割合として算出できる。また、架橋性アクリル系(共)重合体と架橋剤が架橋して得られる粘着剤(E2)の場合、近赤外線吸収粘着層形成用の組成物が含有する全固形分の質量に対する架橋性アクリル系(共)重合体と架橋剤の合計質量の割合として算出できる。
近赤外線吸収粘着層におけるアクリル系粘着剤の含有量は、全固形分に対して80〜99.2質量%が好ましく、85〜98.2質量%がより好ましい。
(任意成分)
本発明の近赤外線吸収粘着層は、さらに必要に応じて(F)成分として上記ジイモニウム系色素(b)以外の近赤外線吸収色素(以下、近赤外線吸収色素(f)ともいう。)、(G)成分としてテトラアザポルフィリン系色素以外の色調補正色素(以下、近色調補正色素(g)ともいう。)を本発明の効果を損なわない範囲で任意に含有してもよい。また、その他の任意成分として、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等の任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
(F)近赤外線吸収色素(f)
近赤外線吸収色素(f)は、ジイモニウム系色素(b)以外の近赤外線吸収色素であって、近赤外線波長領域(750〜1100nm)に吸収を有する色素であれば、本発明の効果を損なわない範囲で特に制限なく使用可能である。
近赤外線吸収色素(f)としては、例えば、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、金属錯体系色素、アミニウム系色素、イモニウム系色素、ジイモニウム系色素(b)以外のジイモニウム系色素、アンスラキノン系色素、ジチオール金属錯体系色素、ナフトキノン系色素、インドールフェノール系色素、アゾ系色素、トリアリルメタン系色素、酸化タングステン系色素などが挙げられる。
光学フィルタに求められる近赤外線波長吸収領域によるが、これらのうちでも、ジイモニウム系色素(b)とともに用いて、効率よく近赤外線を吸収する近赤外線吸収色素(f)として、ジチオール金属錯体系色素、アミニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、酸化タングステン系色素が挙げられる。
近赤外線吸収色素(f)は1種類でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。近赤外線吸収色素(f)は耐久性の観点から、1種類のみまたは2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることが好ましい。また、耐久性の観点に加え、近赤外線を十分にかつ効率的に吸収できることから、2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることがより好ましい。さらに、可視光領域の光の不要な吸収を抑制し、近赤外線の波長領域の光を十分に特異的に吸収するために、800〜1000nmの波長領域に極大波長を有するが、ジイモニウム系色素(b)の有する極大波長と異なり、さらに互いに異なる極大波長をもつ3種以上のフタロシアニン系色素を含有することが特に好ましい。
フタロシアニン系色素としては、フタロシアニン骨格を有する化合物であれば、骨格に結合する16の原子または置換基は特に制限されない。耐久性の観点から、該原子または置換基として、無置換または水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェニル基もしくは該フェニル基を末端に有する基を4以上有するフタロシアニン系色素が好ましい。このようなフタロシアニン系色素として、具体的には、下記式(10)に示されるフタロシアニン系色素が挙げられる。
Figure 2015001649
式(10)中、R71〜R86は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし前記炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。)を表し、かつ、隣り合う2つの置換基が連結基を介してつながっていてもよい。ただし、R72、R73、R76、R77、R80、R81、R84、R85のうち少なくとも4つは、無置換または水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェニル基もしくは該フェニル基を末端に有する基(以下、「Ph含有基」という)である。
以下、R72、R73、R76、R77、R80、R81、R84、R85をグループA、それ以外のR71、R74、R75、R78、R79、R82、R83、R86をグループBとする。グループAの基または原子は、8つ全てがPh含有基、例えば、下記式(11)に示される基であることが好ましい。
Figure 2015001649
式(11)中、R91〜R95は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Xは、単結合、O、S、NH、または炭素数1〜6の直鎖アルキレン基を示す。
式(11)中、R91〜R95が、アルキル基である場合、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(11)で示される基として、好ましくは、フェニルチオール基(−S−Ph)、2−メチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオール基等が挙げられる。
は2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の金属原子またはオキシ金属を表す。Mとして具体的には、Cu、Ni、Zn、Pd、Pt、VO、Co、Mg等が挙げられる。これらのうちでも、Mとしては、経済性、安全性、溶解性、光学特性の点からCuまたはVOが好ましい。
グループAの基または原子がPh含有基でない場合、それらは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし、炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよいPh含有基以外の基)である。
グループBの基または原子は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし、炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。Ph含有基であってもよい。)である。
ここで、炭素数1〜20の炭化水素基(ただし、炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。)にはアルキルアミノ基が含まれる。
グループBの基または原子は、フタロシアニン骨格が有する4個のベンゼン環1個につき2個ずつ存在するが、そのうち一方が、アルキルアミノ基であってもよい。アルキルアミノ基としては、−NHR100(R100は、ベンジル基、フェニル基、または炭素数1〜20の直鎖のまたは分岐鎖を有するアルキル基)、および、−NR101102(R101、R102は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10の直鎖のまたは分岐鎖を有するアルキル基)が挙げられる。−NHR100である場合、R100としては、ベンジル基、2−エチルヘキシル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。−NR101102である場合、R101、R102として、ともに、メチル基、エチル基、またはイソブチル基である組合せが挙げられる。
グループBの基または原子の、上記4個のベンゼン環のそれぞれに結合するもう一方の基または原子としては、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、アルキルアミノ基、トリメチルフェニルチオール基等が挙げられる。
フタロシアニン系色素は、市販品から所望の特性のものを適宜選択して用いてもよい。例えば、いずれも日本触媒社製の商品名で、以下の市販品が挙げられる。
「イーエクスカラーIR−14」(上記式(10)において、グループAの基が8個とも2,5−ジクロロフェニルオキシ基、グループBの基の4個がベンジルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、Mが銅である。)、
「イーエクスカラーIR−10A」、「イーエクスカラーIR−28」、「イーエクスカラーIR−12」、「TX−EX−820」(上記式(10)において、グループAの基が8個ともフェニルチオール基、グループBの基の4個が2−エチルヘキシルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、Mが銅である。)、
「TX−EX−906」、「イーエクスカラーIR−915」、「イーエクスカラーIR−910」、「イーエクスカラーIR−906」等。
また、いずれも山田化学社製の商品名で、以下の市販品が挙げられる。
「KSK−5」(上記式(10)において、グループAの基が8個とも4−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、グループBの基が8個とも2,4,6−トリイソプロピルフェニルチオール基、MがVOである。)、
「KSK−10」(上記式(10)において、グループAの基が8個ともフェニルチオール基、グループBの基の4個がジイソブチルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、MがVOである。)、
「KSK−15」(上記式(10)において、グループAの基が8個ともフェニルチオール基、グループBの基の4個がジメチルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、MがVOである。)、
「KSK−16」(上記式(10)において、グループAの基が8個とも2−メチルフェニルオキシ基、グループBの基の4個がジメチルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、MがVOである。)、
「KSK−17」(上記式(10)において、グループAの基が8個とも2−メチルフェニルオキシ基、グループBの基の4個がジメチルアミノ基、4個が2,4,6−トリイソプロピルフェニルチオール基、MがVOである。)、
「KSK−20」(上記式(10)において、グループAの基が8個とも2−メチルフェニルオキシ基、グループBの基が8個ともジメチルアミノ基、MがVOである。)、
「KSK−22」(上記式(10)において、グループAの基の8個とグループBの基の4個が2,4,6−トリメチルフェニルチオール基、グループBの基の4個がn−ブチルアミノ基、MがVOである。)、
「KSK−100」(上記「イーエクスカラーIR−14」と同一の構造)、「KSK−101」(上記「TX−EX−820」と同一の構造)等。
近赤外線吸収粘着層における近赤外線吸収色素(f)の含有量は、(B)成分のジイモニウム系色素(b)とともに用いて、可視光領域の光の不要な吸収を抑制し、近赤外線の波長領域の光を十分に特異的に吸収する光学フィルタが得られる範囲として、例えば、アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.03〜3.3質量部が好ましく、0.05〜1.7質量部がより好ましい。近赤外線吸収粘着層におけるジイモニウム系色素(b)に対する近赤外線吸収色素(f)の含有量の割合については、ジイモニウム系色素(b)100質量部に対して、近赤外線吸収色素(f)が0.75〜250質量部の割合が好ましく、5〜200質量部がより好ましい。
近赤外線吸収色素(f)の含有量を上記範囲とすることで、耐久性の低下が抑制された状態を維持しながら、ジイモニウム系色素(b)の近赤外線吸収機能が補強された近赤外線吸収粘着層が得られる。
なお、本発明の光学フィルタの好ましい光学特性は上記(A)成分で記載したとおりであり、上記(A)〜(D)成分、特に(A)成分および(B)成分と組合せて用いた場合に、上記好ましい光学特性を達成できるように、近赤外線吸収粘着層における近赤外線吸収色素(f)の含有量を適宜調整することが好ましい。さらに、より好ましくは、上記した本発明の光学フィルタのより好ましい態様の光学特性を達成できるように、近赤外線吸収粘着層における近赤外線吸収色素(f)の含有量を適宜調整する。
(G)色調補正色素(g)
色調補正色素(g)は、テトラアザポルフィリン系色素と同様、可視光の特定波長域の一部を吸収し、透過可視光の色調を改善するものである。色調補正色素としては、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、ジイモニウム系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系、テトラアザポルフィリン系以外のポルフィリン系などの周知の有機顔料および有機染料、無機顔料が好ましく挙げられる。
色調補正色素(g)の中でも、耐候性が良好であるとともにアクリル系粘着剤との相溶性または分散性が良好な、例えばアンスラキノン系色素およびキノフタロン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことが好ましい。アンスラキノン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことがより好ましい。
アンスラキノン系色素としては、例えば、日本化薬社製の商品名「Kayaset Violet A−R」、「Kayaset Blue N」、「Kayaset Blue FR」、「Kayaset Green A−B」等の市販品が挙げられる。
キノフタロン系色素としては、例えば、BASF社製、商品名「パリオトールイエローK0961HD」等の市販品が挙げられる。
色調補正色素(g)としては、ヒドロキシ基(−OH)およびアミノ基(−NH)を有しない色素が好ましい。ここで、近赤外線吸収粘着層が含有する色素は、実質的にヒドロキシ基(−OH)およびアミノ基(−NH)を有しない色素のみで構成されることが好ましい。実質的に、ヒドロキシ基およびアミノ基を有しない色素のみで構成されるとは、ヒドロキシ基およびアミノ基を有しない色素を、近赤外線吸収粘着層中の色素全量に対して、95質量%以上含むことを意味し98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。ヒドロキシ基およびアミノ基を有さない色素を用いることで、色素を含む近赤外線吸収粘着層が湿気により変色せず、退色等の劣化が抑えられる。この場合の色素とは、(A)成分、(B)成分、(F)成分、(G)成分のすべてをいい、色素全量とはこれらの成分の合計量である。
ディスプレイは種類や機種により、可視光の発光の強度や波長分布が異なる。したがって、例えば、本発明の光学フィルタをディスプレイに用いる場合、近赤外線吸収粘着層が任意に含有する色調補正色素(g)は、ディスプレイの種類や機種によって用いる色調補正色素の種類や組み合わせが適宜選択される。なお、耐久性の観点からは、アンスラキノン系色素が好ましい。
近赤外線吸収粘着層における色調補正色素(g)の含有量は、(A)成分のテトラアザポルフィリン系色素とともに用いて、視感透過率を維持しながら可視光領域の不要な光を吸収し、光学フィルタの透過光の色調が求められる色調に補正されうる範囲として、近赤外線吸収粘着層が含有する(A)成分、(B)成分、(F)成分等との組み合わせや用いる色調補正色素(g)の種類にもよるが、例えば、アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.003〜0.3質量部が好ましく、0.016〜0.27質量部がより好ましい。
なお、光学フィルタの透過光に求められる色調については、例えば、光学フィルタをディスプレイ用途に使用する場合には、光学フィルタはPDP等のディスプレイの視認側に配置されるため、一般的には無彩色が好まれる。JIS Z 8701(1999年)に従い計算されたC光源基準において、無彩色に対応する色度座標は、(x,y)=(0.310,0.316)である。したがって、本発明の光学フィルタは、ディスプレイ用途としては、上記同様の基準で計測される色度座標が(x,y)=(0.310±0.100,0.316±0.100)となる態様が好ましい。
ここで、本発明の光学フィルタは近赤外線吸収粘着層が少なくとも含有する(B)成分、さらには、任意に用いられる(F)成分の近赤外線吸収色素によって着色されている。光学フィルタの色度座標を上記の範囲にする方法としては、例えば、近赤外線吸収粘着層に含有させる(B)成分および任意に用いられる(F)成分からなる近赤外線吸収色素の種類および含有量、(A)成分および任意に用いられる(G)成分からなる色調補正色素の種類および含有量を適宜選定することで行う方法が挙げられる。
しかしながら、近赤外線吸収粘着層のみで所望の近赤外線吸収特性を達成しながら色調を上記範囲に適合させることは困難であるので、近赤外線吸収粘着層とともに光学フィルタを構成する基板やフィルムの種類を適宜選択することで、得られる光学フィルタの透過光の色調を上記範囲に適合させる方法をとってもよい。
本発明の光学フィルタにおける近赤外線吸収粘着層の厚さは、0.3〜50.0μmが好ましく、0.5〜30.0μmがより好ましい。0.3μm以上とすることで、テトラアザポルフィリン系色素の有する波長590nm付近の不要光を吸収する色調補正機能を十分に発揮でき、50μm以下とすることで成形時の有機溶剤の残留を低減することができる。
上記本発明の光学フィルタにおける近赤外線吸収粘着層は、上記構成とすることで、含有するテトラアザポルフィリン系色素および近赤外線吸収能に優れるジイモニウム系近赤外線吸収色素が耐光性等の耐久性に優れる。よって、光学フィルタは所望な色調に補正され、かつ、可視光領域の光の不要な吸収が抑制され近赤外線の波長領域の光を十分に特異的に吸収するという近赤外線吸収能に優れるとともに、その性能が耐久性をもって持続可能である。
このような近赤外線吸収粘着層は、例えば、以下の方法で作製できる。
(近赤外線吸収粘着層の作製)
近赤外線吸収粘着層は、通常、下記(i)〜(iii)の工程を含む方法で作製される。
(i)上に説明した近赤外線吸収粘着層が必須成分として含有する(A)〜(E)成分、任意に含有する(F)成分、(G)成分、さらに上記したその他任意成分を、そのまま、または該成分の原料成分として有機溶媒(S)に含有させて、近赤外線吸収粘着層形成用の組成物(以下、「粘着剤組成物」という。)を準備する粘着剤組成物準備工程。
(ii)得られた粘着剤組成物を基材としての基板またはフィルム上に塗布する塗布工程。
(iii)粘着剤組成物の塗布層を乾燥して有機溶媒を除去する乾燥工程。
以下、各工程について説明する。
(i)粘着剤組成物準備工程
粘着剤組成物が固形分として含有する各種成分は上記のとおりであり、含有量についても上に記載したとおりである。これら成分のうち(E)成分のアクリル系粘着剤以外は、各成分がそのまま粘着剤組成物に配合される。(E)成分は、粘着剤(E1)についてはそのまま粘着剤組成物に配合され、粘着剤(E2)については原料である架橋性アクリル系(共)重合体と架橋剤の形で粘着剤組成物に配合される。以下、粘着剤組成物が「アクリル系粘着剤を含有する」は、それ自体を含有する場合と、原料の形で含有する場合の両方を含む表現として用いる。
粘着剤組成物は、次の(ii)工程において、該組成物を塗布する際の効率等を考慮して、通常、有機溶媒(S)を用いて粘度が調整される。粘着剤組成物の調製は、好ましくは、有機溶媒(S1)に(E)成分のアクリル系粘着剤以外の上記各種固形成分を均一に溶解した第1の液状組成物と、有機溶媒(S2)に(E)成分のアクリル系粘着剤を溶解した第2の液状組成物とを混合することで行われる。なお、第1の液状組成物が含有する固形分のうち、その他の任意成分は、必要に応じて第2の液状組成物に(E)成分とともに配合されてもよい。また、(E)成分が粘着剤(E2)の場合、架橋剤は第2の液状組成物とは別に準備され、第1の液状組成物と第2の液状組成物を混合する際に、添加されこれらとともに混合されてもよい。
粘着剤組成物が上記のように調製されることから、粘着剤組成物が含有する有機溶媒(S)は、通常、(E)成分以外の上記各種固形成分を均一に溶解するための有機溶媒(S1)と、(E)成分のアクリル系粘着剤を溶解する成分として、アクリル系粘着剤と共に粘着剤組成物に持ち込まれる有機溶媒(S2)とからなる。
有機溶媒(S1)としては、上記(A)成分のテトラアザポルフィリン系色素の溶解度が1g/100g以上となる有機溶媒(S1)が好ましい。有機溶媒(S1)の溶解度は、溶質であるテトラアザポルフィリン系色素の種類、例えば式(2)で示される化合物のR23〜R30の種類によって異なるため、用いるテトラアザポルフィリン系色素により、溶解度が1g/100g以上となる有機溶媒(S1)を適宜選択して使用することが好ましい。
有機溶媒(S1)としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系;N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系;メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール等のアルコール系;ヘキサン等の炭化水素系;および、テトラヒドロフラン等が挙げられる。本発明においては、これらのうちから、使用するテトラアザポルフィリン系色素に対して上記溶解度の条件を満たすものを適宜選択することが好ましい。具体的には、メチルエチルケトン、トルエンが好ましく、メチルエチルケトンが特に好ましい。
これらの化合物は、単独で、または、必要に応じて2種以上を適宜混合して、有機溶媒(S1)とされる。上記溶解度の条件を規定する場合、単独で用いる場合には、単独で上記溶解度の条件を満たす必要があるが、2種以上を混合して用いる場合には、いずれか一方が条件を満たさなくとも、混合溶媒とした際に、上記溶解度の条件を満たせばよい。
具体的には、(A)成分のテトラアザポルフィリン系色素として、上記市販品の「TAP−2」、「TAP−HTBX」を用いる場合には、上記溶解度の条件を満たす有機溶媒(S1)として、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらのなかでも、メチルエチルケトン、トルエンが好ましく、メチルエチルケトンが特に好ましい。
粘着剤組成物における有機溶媒(S1)の含有量は、上記(E)成分以外の各成分を均一に溶解できる量であればよい。粘着剤組成物における有機溶媒(S1)の含有量は、上記(E)成分以外の各成分の含有量から勘案して、粘着剤組成物100質量%に対して10〜40質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
(E)成分のアクリル系粘着剤を溶解する成分として、アクリル系粘着剤と共に粘着剤組成物に持ち込まれる有機溶媒(S2)としては、上記有機溶媒(S1)と同様の有機化合物が使用可能である。
粘着剤組成物における有機溶媒(S)の含有量は、上記有機溶媒(S1)と(S2)の合計量であり、粘着剤組成物が含有する全固形分の均一な分散性または溶解性、および次の(ii)工程において、該組成物を塗布する際の効率等を考慮して、粘着剤組成物100質量%に対して50〜95質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。
なお、粘着剤組成物における、(E)成分のアクリル系粘着剤の含有量は、粘着剤組成物100質量%に対して5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
(ii)塗布工程
粘着剤組成物は、次いで基材としての基板またはフィルム上に塗布される。この際基材となるのは、光学フィルタを構成する上記基板や各種機能フィルム(後述する)が挙げられる。なお、基材としてはフィルムが好ましい。
また、基材となるフィルムとしては、最終的に光学フィルタを構成する要素とならない剥離性を有する剥離性フィルムや、特に光学的機能を持たない近赤外線吸収粘着層を支持するための支持フィルムであってもよい。
支持フィルムについては、フィルムの材質は限定されないが、取扱容易性から、樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリアクリレート類;ポリカーボネート(PC)類;ポリスチレン類;トリアセテート;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリビニルブチラール;ポリウレタン類;セロファン等のいずれかからなるフィルムが挙げられる。支持フィルムの厚さは、80〜130μmが好ましく、100〜125μmが特に好ましい。
剥離性フィルムについては、上記樹脂フィルムのうち剥離性が十分なものをそのまま剥離性フィルムとして用いてもよく、好ましくは、上記樹脂フィルムに剥離剤がコーティングされたものが使用できる。剥離フィルムの厚さは、30〜90μmが好ましく、38〜75μmが特に好ましい。
粘着剤組成物の基材への塗工方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法等のコーティング法などを採用できる。
また、このようにして形成される塗布層の膜厚は、最終的に得られる近赤外線吸収粘着層の膜厚が上記好ましい範囲となるような膜厚とすることが好ましい。
(iii)乾燥工程
次いで、粘着剤組成物の塗布層を乾燥して有機溶媒を除去することで、近赤外線吸収粘着層が得られる。乾燥処理としては、加熱や減圧等の処理が挙げられる。具体的な乾燥処理としては、50〜120℃、0.5〜5分間の熱処理が挙げられる。
基材上に近赤外線吸収粘着層を設けた後、該近赤外線吸収粘着層上に、離型フィルムを貼付しておくことが、使用時まで粘着層を保護できるので作業性の点で好ましい。離型フィルムとしては、上記の剥離性フィルムと同様のものが使用できる。
[フィルム]
本発明の光学フィルタの1態様として、上記のとおり、基板に1つ以上のフィルムが貼着された光学フィルタであって、該フィルムと基板との間、または、該フィルムが2以上の場合におけるフィルム間のいずれかに、近赤外線吸収粘着層を備える構成が挙げられる。
光学フィルタに用いるフィルムとしては、例えば、上記近赤外線吸収粘着層の支持フィルムや各種機能フィルムが挙げられる。なお、本発明の光学フィルタは、フィルムとして、機能フィルムの1または2以上を有することが好ましい。機能フィルムとしては、基本的に上記支持フィルムを構成する樹脂フィルムと同様の樹脂フィルムをベースとして、これに機能性を持たせたものが好ましい。具体的には、上記樹脂フィルム中に各種機能材料を含有させて機能フィルムとしたもの、上記樹脂フィルムの表面にコーティングやスパッタリング等の方法で機能膜を形成したもの、上記樹脂フィルムの表面を改質して機能を持たせたもの等が挙げられる。各機能フィルムの厚さは、機能フィルムの種類にもよるが、30〜300μmが好ましく、50〜250μmがより好ましい。
機能フィルムとしては、例えば、紫外線による色素の劣化を防いで耐光性を改善するための紫外線吸収フィルム、紫外線以外の特定波長領域の光を吸収する色調補正フィルムが挙げられる。色調補正フィルムが吸収する特定波長は、可視光線だけでなく、近赤外線光を含んでいてもよく、複数の特定波長領域を吸収するものでも構わない。さらに、機能フィルムとして、画像の視認性を向上させるための反射防止フィルム、PDPなどのディスプレイから発せられる電磁波をカットするための電磁波遮蔽フィルム、コントラスト向上フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム等が挙げられる。
また、樹脂フィルム上に耐擦傷性機能を与えるハードコート層もしくは自己修復性を有する層、または最表面の汚れを防止するための防汚層、それぞれの層を積層させるための粘着もしくは接着層等が設けられて機能フィルムとして用いられているものであってもよい。
電磁波遮蔽フィルムとしては、例えば、上記樹脂フィルム上にスパッタ法により電磁波遮蔽膜が形成されたものや銅がメッシュ状に形成されたものが挙げられる。電磁波遮蔽膜としては、例えば、金属酸化物(InとSnとの酸化物、TiとZnとの酸化物、AlとZnとの酸化物、酸化ニオブ等)の層と金属(Ag、Ag合金等)の層とが交互に積層された構造で、金属層の層数はnであり、金属酸化物層の層数はn+1(ただし、nは1以上の整数)である。また、電磁波遮蔽フィルムとしては、例えば、上記樹脂フィルム上に銅がメッシュ状に形成されたものでもよい。
電磁波遮蔽フィルムとしては、市販品を用いることが可能である。市販品としては、例えば、電磁波遮蔽エッチングメッシュフィルムとして、大日本印刷社製:商品名「AR50GA0T−75」等が挙げられる。
反射防止フィルムとしては、上記樹脂フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に含フッ素重合体を含む低屈折率材料からなる反射防止膜が形成されたもの挙げられる。具体的には、旭硝子社製の商品名:アークトップ(URP2199)や、日油社製の商品名:リアルック(RL7800、RL9000、RL9200、RL9900、RL1700)などの市販品が挙げられる。低屈折率とは、具体的には屈折率が1.1〜1.6が好ましく、1.2〜1.5がより好ましく、1.3〜1.48がさらに好ましい。
コントラスト向上フィルムとしては、例えば、上記樹脂フィルム上に平行に並設された複数の直線状の暗色部と、これら暗色部間に配置される透光性領域とが形成されたものが挙げられる。透光性領域は、例えば、併設方向の断面において樹脂フィルム側に向けて徐々に幅が広がる台形状であり、樹脂フィルム側の端部において隣接する他の透光性領域と繋がるように形成されている。また、暗色部は、例えば、隣接する透光性領域間の凹部に暗色粒子と透明樹脂とが充填されることにより構成される。
防眩フィルムは、上記樹脂フィルム上に可視光線の反射による映りこみを低減するための防眩膜(アンチグレア膜)を設けた機能フィルムであり、表面に凹凸を有する。凹凸により防眩フィルム表面に映る反射像を拡散させて輪郭をぼかす効果がある。防眩フィルムとしては、シリカ等の無機微粒子、あるいはアクリル系樹脂やスチレン系樹脂等の有機微粒子をバインダ樹脂中に分散した溶液を樹脂フィルム上にコーティングし、溶媒を揮発させたり、サンドブラスト、あるいはエッチング等により樹脂フィルム自身に凹凸を形成したものが挙げられる。さらに最表層に反射防止処理を施してもよい。防眩フィルムとしては、例えば、大日本印刷社製の商品名「DS−LR」、「DS−21」、日油社製の商品名:リアルック(RL5500、RL7300)等の市販品が好ましく用いられる。
本発明の光学フィルタは、上記のとおり、基板と近赤外線吸収粘着層を有し、さらに必要に応じて上記フィルム、好ましくは1または2以上の機能フィルムを有する。フィルムを2枚以上有する場合は、通常、フィルムと基板の間に少なくとも2層の粘着層が必要となる。本発明においては、この粘着層の少なくとも1層が近赤外線吸収粘着層からなる。近赤外線吸収粘着層以外の粘着層は、必要に応じて上記(A)〜(D)成分の組み合わせ以外の機能性材料と粘着剤からなる粘着層であってもよく、機能性材料を含有しない粘着剤のみからなる粘着層であってもよい。このような、近赤外線吸収粘着層以外の粘着層に用いる粘着剤としては、上記(E)成分と同様のアクリル系粘着剤が使用できる。
本発明の光学フィルタの構成は、基板と近赤外線吸収粘着層を有する以外、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整可能である。光学フィルタが求められる機能に応じて上記各種機能フィルムや近赤外線吸収粘着層以外の粘着層から、必要な機能を適宜選択して組合せればよい。
ただし、上記のとおり本発明の光学フィルタをディスプレイ用途に用いる場合にはC光源による透過光が無彩色であることが好まれるため、該透過光の色度座標を上記の範囲内にすることが望まれる。そこで、近赤外線吸収粘着層を光学フィルタとした際に上記好ましい光学特性と耐久性を両立できるように形成したのち、その色度に応じて機能フィルムや基板の種類を、光学フィルタの透過光の色度座標が上記範囲となるように、適宜選択することが好ましい。
また、光学フィルタの好ましい視感透過率および近赤外線透過率は上記のとおりであり、例えば、視感透過率を上記好ましい範囲にするために、近赤外線吸収粘着層を光学フィルタとした際に上記好ましい光学特性と耐久性を両立できるように形成したのち、上記用いる基板や機能性フィルムについても、その視感透過率を適宜選択することが好ましい。さらに、上記色度座標(x,y)の規定と視感透過率の規定を同時に満たすことが特に好ましい。
以下、本発明の光学フィルタの製造方法を説明する。
[光学フィルタの製造]
光学フィルタの製造方法としては特に制限されず、従来公知の方法が適用できる。
基板と近赤外線吸収粘着層とからなる光学フィルタは、例えば、剥離性フィルム上に近赤外線吸収粘着層が形成されている粘着フィルムを用意し、基板に粘着フィルムの近赤外線吸収粘着層を貼着する。その後、この粘着フィルムの近赤外線吸収粘着層から剥離性フィルムを剥離し、露出した近赤外線吸収粘着層を、例えば、ディスプレイ表面に直接貼付することで光学フィルタとする。
また、基板と機能フィルムが近赤外線吸収粘着層を介して貼付された光学フィルタは、上記において、露出した近赤外線吸収粘着層上に機能フィルムを貼着することで製造される。また、他の製造方法として、機能フィルム上に近赤外線吸収粘着層が形成されている粘着フィルムを用意し、粘着フィルムの近赤外線吸収粘着層を基板に貼着する方法が挙げられる。この、基板/近赤外線吸収粘着層/機能フィルムの順に積層された積層体の上記機能フィルム上に、さらに、必要に応じて、近赤外線吸収粘着層以外の粘着層を用いて他の機能フィルムを貼り合わせて、基板/近赤外線吸収粘着層/機能フィルム/粘着層/他の機能フィルム(ただし、「粘着層」は近赤外線吸収粘着層以外の粘着層)の構成の光学フィルタとしてもよい。
複数の機能フィルム間に粘着層を有する光学フィルタについても、上記同様に、基板、剥離性フィルム上または機能フィルム上に近赤外線吸収粘着層が形成されている粘着フィルム、剥離性フィルム上または機能フィルム上に近赤外線吸収粘着層以外の粘着層が形成されている粘着フィルム、必要に応じて1または2以上の機能フィルムを用いて、上記同様に、ただし適宜順番を変えて積層、貼り合わせを行うことで、製造できる。
なお、上記貼り合わせにおいては、粘着フィルムの基板と反対側の表面について、一端部側から他端部側にかけてゴム等の弾性材料によって被覆された加圧ローラーを移動させて加圧する処理を施してもよい。加圧ローラーによる処理は、貼り合わせ毎に行ってもよく、全ての貼り合わせが行われた後に1回行ってもよい、また、全ての貼り合わせが行われ、このような加圧ローラーによる加圧処理が行われた後に、温度30〜80℃、圧力0.6〜1.2MPaの雰囲気下で20〜120分間程度の熱処理を行うことが好ましい。この処理により、各機能フィルム間における気泡を消失させ、外観を良好にできる。
本発明の光学フィルタは、PDP、プラズマアドレスリキッドクリスタル(PALC)ディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイ(FED)パネルなどの平面型ディスプレイおよび陰極管表示装置(CRT)などのディスプレイ用の光学フィルタとして好適に用いることができる。
この場合、光学フィルタは、ディスプレイの視認側に設置すればよく、ディスプレイから離して設置してもよいし、ディスプレイ表面に直接貼り付けてもよい。
以下、本発明の光学フィルタについて、実施例を参照してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。例1〜例5が実施例であり、例6、例7が比較例である。
以下に用いた化合物について説明する。なお、λmaxは極大吸収波長、εはモル吸光係数を示す。
(A)成分:テトラアザポリフィリン系色素
「TAP−HTBX」:山田化学社製、商品名、メチルエチルケトン(MEK)に対する溶解度;1.2g/100g、λmax;595nm、ε;112000
(B)成分:ジイモニウム系色素(b)
「CIR−FS265」:日本カーリット社製、商品名
(C)成分: 紫外線吸収剤
「CHIMASSORB 81」:BASF社製、商品名
(D)成分:光安定剤
「カルバミン酸Ni」:和光純薬社製、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、MEKに対する溶解度;5g/100g。
「EST−3」:住友精化社製、商品名、MEKに対する溶解度;16.7g/100g。
(E)成分:アクリル系粘着剤
粘着剤(E2):架橋性アクリル系(共)重合体(「NCK101」:東洋インキ社製、商品名、固形分30%)と架橋剤(「コロネートHL」:日本ポリウレタン社製、商品名)
(F)成分:近赤外線吸収色素(f)
(f1)フタロシアニン系色素
以下、日本触媒社製、商品名「IR−…」は「イーエクスカラーIR-…」の略記号である。
「IR−14」:λmax:836nm、ε;45900
「IR−28」:λmax:885nm、ε;42100
「IR−915」:λmax:963nm、ε;53600
(f2)ジイモニウム系色素(ジイモニウム系色素(b)に分類されない)
「CIR−RL」:日本カーリット社製、商品名、ジイモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸塩
(G)成分:色調補正色素(g)
「Kayaset Violet A−R」:日本化薬製、商品名
「Kayaset Green A−B」:日本化薬製、商品名
「ORASOL YELLOW 190」:BASF社製、商品名
(例1)
以下の方法で、ガラス基板上に近赤外線吸収粘着層を介して反射防止フィルムが貼付された光学フィルタを作製した。
テトラアザポルフィリン系色素「TAP−HTBX」0.0144質量部、ジイモニウム系色素(b)「CIR−FS265」0.1167質量部、光安定剤「カルバミン酸Ni」0.0330質量部、紫外線吸収剤「CHIMASSORB 81」1.125質量部を、メチルエチルケトン6質量部に溶解させた。この中に、アクリル系粘着剤として「NCK101」(架橋性アクリル系(共)重合体を固形分として30wt%含有)30質量部および「コロネートHL」(架橋剤)0.24質量部を添加し、撹拌することで近赤外線吸収粘着層形成用の粘着剤組成物1を調製した。
PETフィルムの表面にシリコーン樹脂層を形成した剥離フィルム上に、上記した粘着剤組成物1をアプリケーターによって塗布し、100℃のオーブンで5分間の熱処理を行うことで乾燥させて厚さ25μmの近赤外線吸収粘着層を形成して、粘着フィルム1を得た。
得られた粘着フィルム1を反射防止フィルム(日油社製、商品名「リアルック(RL1700)」)のPET面に貼り合わせた後、剥離フィルムを剥がした。これをガラス基板に貼り合わせることで、光学フィルタ1を得た。
(例2)
光安定剤「カルバミン酸Ni」0.0330質量部の代わりに、光安定剤(「EST−3」)0.0330質量部を添加した以外は、例1と同じ方法で、粘着フィルム2を得た。粘着フィルム1の代わりに粘着フィルム2を用いて例1と同じ方法で光学フィルタ2を得た。
(例3)
フタロシアニン系色素「IR−14」0.0130質量部をさらに添加した以外は、例1と同じ方法で、粘着フィルム3を得た。粘着フィルム1の代わりに粘着フィルム3を用いて例1と同じ方法で光学フィルタ3を得た。
(例4)
ジイモニウム系色素(b)「CIR−FS265」の添加量を0.2440質量部とし、さらにフタロシアニン系色素「IR−14」0.0507質量部、フタロシアニン系色素「IR−28」0.0289質量部、フタロシアニン系色素「IR−915」0.0217質量部を添加し、さらに色調補正色素(g)「Kayaset Violet A−R」)0.0058質量部を添加した以外は、例1と同じ方法で、粘着フィルム4を得た。粘着フィルム1の代わりに粘着フィルム4を用いて例1と同じ方法で光学フィルタ4を得た。
(例5)
テトラアザポルフィリン系色素「TAP−HTBX」の添加量を0.0332質量部とし、さらに色調補正色素(g)「Kayaset Green A−B」0.0058質量部、「ORASOL YELLOW 190」0.0087質量部を添加した以外は、例3と同じ方法で、粘着フィルム5を得た。粘着フィルム1の代わりに粘着フィルム5を用いて例1と同じ方法で光学フィルタ5を得た。
(例6)
光安定剤「カルバミン酸Ni」0.0330質量部を添加しなかった以外は、例1と同じ方法で、粘着フィルム6を得た。粘着フィルム1の代わりに粘着フィルム6を用いて例1と同じ方法で光学フィルタ6を得た。
(例7)
ジイモニウム系色素(b)「CIR−FS265」0.1167質量部の代わりに、ジイモニウム系色素(b)に分類されないジイモニウム色素「CIR−RL」0.1463質量部を添加した以外は、例1と同じ方法で、粘着フィルム7を得た。粘着フィルム1の代わりに粘着フィルム7を用いて例1と同じ方法で光学フィルタ7を得た。
[評価]
例1〜7で得られた光学フィルタ1〜7を試料として各試料の光学特性(視感透過率、色度、近赤外線透過率として850nmにおける透過率、およびネオンカット波長(593nm)における透過率)、および、耐光性を以下の方法で評価した。結果を近赤外線吸収粘着層が含有する成分の種類等とともに表1に示す。
(初期の光学特性)
分光光度計(島津製作所社製、商品名「SolidSpec−3700」)を用い、各試料から切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを、C光源を用いて380〜1000nmの波長範囲で測定した。JIS Z8701(1999年)に従い、視感透過率Tv(%)およびXYZ表色系における色座標(x,y)を算出した。また、近赤外線透過率として850nmにおける透過率、およびネオンカット波長(593nm)における透過率を求めた。
(耐光性)
耐光性試験機(スガ試験機社製、キセノンウェザーメーター X25)を用い、320nm以上の光を300MJ/m照射させた後の、各試料の視感透過率Tv、近赤外線透過率として850nmにおける透過率、およびネオンカット波長(593nm)における透過率を測定し、試験前後の測定値を比較した。
試験前後の透過率の差がすべて3%未満の場合は「〇」、いずれか一つでも3%以上8%未満の場合は「△」、いずれか一つでも8%以上の場合は「×」とした。
Figure 2015001649

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に配設された、テトラアザポルフィリン系色素と、下記一般式(1)で表されるジイモニウム塩の非晶質体からなるジイモニウム系近赤外線吸収色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層と
    を備える光学フィルタ。
    Figure 2015001649
    式(1)中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい1価有機基を示し、Xはアニオンを示す。
  2. 前記錯体の配位子が、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記光安定剤を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.03〜17質量部の割合で含有する請求項1または2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記ジイモニウム系近赤外線吸収色素を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.6〜6.7質量部の割合で含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  5. 前記テトラアザポルフィリン系色素を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.06〜0.6質量部の割合で含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
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