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JP2013129701A - 粘着剤組成物、粘着フィルムおよび光学フィルタ - Google Patents

粘着剤組成物、粘着フィルムおよび光学フィルタ Download PDF

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JP2013129701A
JP2013129701A JP2011278370A JP2011278370A JP2013129701A JP 2013129701 A JP2013129701 A JP 2013129701A JP 2011278370 A JP2011278370 A JP 2011278370A JP 2011278370 A JP2011278370 A JP 2011278370A JP 2013129701 A JP2013129701 A JP 2013129701A
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Takeomi Miyako
強臣 宮古
Takashi Okada
崇嗣 岡田
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】耐光性に優れる、テトラアザポルフィリン系色素含有の粘着剤組成物および粘着フィルムならびに光学フィルタの提供。
【解決手段】テトラアザポルフィリン系色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤と、前記テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が25℃において1g/100g以上となる有機溶媒とを含有し、前記光安定剤の前記有機溶媒に対する溶解度が25℃において3g/100g以上であることを特徴とする光学フィルタ用の粘着剤組成物およびこれを用いて形成された粘着剤層を有する粘着フィルムならびに光学フィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイ(以下、必要に応じてPDPという)等に用いられる色調補正機能を有する光学フィルタ用の粘着剤組成物、粘着フィルムおよびこれを用いた光学フィルタに関する。
従来、プラズマディスプレイには、PDPから放射される電磁波、近赤外線等を遮蔽すること、外光の反射を防止すること、PDPの発色を所望の色調に変換すること等を目的として、PDPの前面に配置される光学フィルタが必要とされてきた。
これらのなかでも、近年では、PDPの発色を所望の色調に変換する機能が重要視されるようになっている。PDPの発色を所望の色調に変換する方法としては、各種色調補正色素を用いることが一般的である。色調補正色素のうちでもPDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を効率的に吸収する色素としてテトラアザポルフィリン系色素の需要が高まっている。テトラアザポルフィリン系色素は、例えば、粘着フィルムに含有させて光学フィルタに用いる(特許文献1参照)が、年々厳しさが増す要求特性に対して、耐光性が十分とはいえない。
一方、PDP用の光学フィルタにおいて、近赤外線遮蔽のために近赤外線吸収能を有するフタロシアニン系色素が用いられており、特許文献2には、光安定剤としてのジチオール錯体を組み合わせて粘着フィルムに含有させて光学フィルタに用いる技術が記載されている。
しかしながら、ジチオール錯体を光安定剤としてテトラアザポルフィリン系色素に用いても、必ずしも全てのジチオール錯体で十分な効果が得られるわけではなく、テトラアザポルフィリン系色素に対して、効果を十分に上げる光安定剤が求められている。
特開2010−287310号公報 国際公開第2006/090705号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、耐光性に優れる、テトラアザポルフィリン系色素含有の粘着剤組成物および粘着フィルムならびに光学フィルタの提供を目的とする。
本発明の粘着剤組成物は、テトラアザポルフィリン系色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤と、前記テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が25℃において1g/100g以上となる有機溶媒とを含有し、前記光安定剤の前記有機溶媒に対する溶解度が25℃において3g/100g以上であることを特徴とする。
ただし、上記有機溶媒には、アクリル系粘着剤由来の有機溶剤は含まれない。
本発明の粘着剤組成物は、さらに、近赤外線吸収色素を含有することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物が含有する、前記近赤外線吸収色素は、下記式(1)で表されるフタロシアニン系色素から選ばれることが好ましい。
Figure 2013129701
[式(1)中、R〜R16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし前記炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。)を表し、かつ、隣り合う2つの置換基が連結基を介してつながっていてもよい。ただし、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち少なくとも4つは、無置換または水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェニル基もしくは該フェニル基を末端に有する基である。Mは2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の金属原子またはオキシ金属を表す。]
本発明の粘着剤組成物が含有する錯体は、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅またはニッケルに配位した錯体が好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、前記光安定剤を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.001〜10質量部の割合で含有することが好ましい。
本発明の粘着フィルムは、フィルム上に、上記本発明の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する。
本発明の光学フィルタは、基板に1つ以上のフィルムが貼着された光学フィルタであって、前記フィルムと基板との間、または、前記フィルムが2以上の場合におけるフィルム間のいずれかに、上記本発明の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する。
本発明によれば、含有するテトラアザポルフィリン系色素の耐光性に優れる粘着剤組成物および粘着フィルムならびに光学フィルタが提供できる。
本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、テトラアザポルフィリン系色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤と、前記テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が25℃において1g/100g以上となる有機溶媒とを含有し、前記光安定剤の前記有機溶媒に対する溶解度が25℃において3g/100g以上であることを特徴とする。以下、本明細書において、溶解度は特に断りのない限り25℃における溶解度をいう。
(テトラアザポルフィリン系色素)
テトラアザポルフィリン系色素としては、テトラアザポルフィリン骨格を有する化合物であれば、特に制限されない。テトラアザポルフィリン骨格を有する化合物は、ディスプレイ、特にPDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を吸収することができる。
テトラアザポルフィリン系色素として、具体的には、下記式(2)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2013129701
式(2)中、R23〜R30は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ベンジル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基(ただし、ベンジル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。)を表す。Mは、Cu、Ni、Zn、Pd、Pt、VO、CoおよびMgのいずれかである。
23〜R30は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜
6のアルコキシ基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または1以上の水素原子がフッ素原子に置換されている炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。1以上の水素原子がフッ素原子に置換されている炭素数1〜4のアルコキシ基としては、−OCF、−OCHCHF、−OCHCF、−OCHCHCFが好ましい。また、R23〜R30は、これらから選ばれる2種類の原子または基で構成され、それらが交互にテトラアザポルフィリン骨格に結合した化合物が好ましい。2種類の原子または基の組合せとしては、以下の組み合わせが好ましい。
(2A)水素原子と炭素数1〜4のアルキル基の組み合わせ、
(2B)炭素数1〜4のアルキル基と1以上の水素原子がフッ素原子に置換されている炭素数1〜4のアルコキシ基の組み合わせ。
は、CuまたはVOが好ましい。
式(2)で表されるテトラアザポルフィリン系色素としては、例えば、山田化学社製の商品名、「TAP−2」(上記(2B)に分類される化合物、R23〜R30は、交互にtert−ブチル基と−OCHCFである)、「TAP−HTBX」(上記(2A)に分類される化合物、R23〜R30は、交互に水素原子とtert−ブチル基である)等が挙げられる。これら市販のテトラアザポルフィリン系色素は、ディスプレイ、特にPDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を効率的に吸収できるため好ましく使用できる。
粘着剤組成物におけるテトラアザポルフィリン系色素の含有量は、アクリル系粘着剤(ただし、後述の架橋剤を含む場合はアクリル系粘着剤と架橋剤の合計量)100質量部に対し、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましい。以下、アクリル系粘着剤100質量部に対する他の成分の質量割合をいう場合、特に断りのない限り、アクリル系粘着剤が後述の架橋剤を含む場合についてはアクリル系粘着剤と架橋剤の合計量100質量部に対する質量割合をいう。テトラアザポルフィリン系色素の含有量を、アクリル系粘着剤100質量部に対して0.001質量部以上とすることで、波長590nm付近の不要光を吸収する色調補正機能を十分に発揮でき、20質量部以下とすることで耐久性の低下を抑制できる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、上記テトラアザポルフィリン系色素の機能を損なわずに紫外線による劣化を抑制し、耐久性を向上させるために用いられる。紫外線吸収剤は、このような作用を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等が好ましく挙げられる。
紫外線吸収剤としては、市販品を用いることができる。市販品としては、BASF社のいずれも商品名で、以下の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:「TINUVIN PS」、「TINUVIN 99−2」等。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:「CHIMASSORB 81」等。
トリアジン系紫外線吸収剤:「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」等。
粘着剤組成物における紫外線吸収剤の含有量は、テトラアザポルフィリン系色素によるオレンジ色の光吸収性能および粘着剤組成物に求められる他の物性を確保しながら、紫外線吸収剤がその機能を発揮できる量(配合割合)であればよく、アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
(有機溶媒)
粘着剤組成物は上記テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が1g/100g以上となる有機溶媒を含有する。有機溶媒の溶解度は、溶質であるテトラアザポルフィリン系色素の種類、例えば式(2)で示される化合物のR23〜R30の種類によって異なる。したがって、用いるテトラアザポルフィリン系色素により、溶解度が1g/100g以上となる有機溶媒を選択して使用する。
有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系;N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系;メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール等のアルコール系;ヘキサン等の炭化水素系;および、テトラヒドロフラン等が候補として挙げられる。本発明においては、これらのうちから、使用するテトラアザポルフィリン系色素に対して上記溶解度の条件を満たすものを適宜選択して用いればよく、メチルエチルケトン、トルエンが好ましく、メチルエチルケトンが特に好ましい。
これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を適宜混合して用いてもよい。単独で用いる場合には、単独で上記溶解度の条件を満たす必要があるが、2種以上を混合して用いる場合には、いずれか一方が条件を満たさなくとも、混合溶媒とした際に、上記溶解度の条件を満たせば使用可能である。
具体的には、テトラアザポルフィリン系色素として、上記市販品の「TAP−2」、「TAP−HTBX」を用いる場合には、上記溶解度の条件を満たす有機溶媒として、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらのなかでも、メチルエチルケトン、トルエンが好ましく、メチルエチルケトンが特に好ましい。
粘着剤組成物における有機溶媒の含有量は、テトラアザポルフィリン系色素、紫外線吸収剤、および、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤を均一に溶解できる量であればよい。粘着剤組成物における有機溶媒の含有量は、テトラアザポルフィリン系色素、紫外線吸収剤、および、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤の含有量から勘案して、全粘着剤組成物100質量部に対して10〜20質量部が好ましく、13〜18質量部がより好ましい。
なお、粘着剤組成物は、粘着フィルムまたは光学フィルタにおける粘着剤層を形成する際の効率等を考慮して、通常、有機溶剤を用いて粘度が調整される。有機溶剤は、通常、アクリル系粘着剤(ただし、後述の架橋剤を含む場合はアクリル系粘着剤と架橋剤の両方)を溶解する成分として、アクリル系粘着剤と共に粘着剤組成物に持ち込まれる有機溶剤と、上記テトラアザポルフィリン系色素、紫外線吸収剤、および、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤を均一に溶解するための上記有機溶媒とからなる。アクリル系粘着剤を溶解する成分として、アクリル系粘着剤と共に粘着剤組成物に持ち込まれる有機溶剤としては、テトラアザポルフィリン系色素、紫外線吸収剤、および、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤を均一に溶解するための上記有機溶媒と同様の有機化合物が使用可能である。
粘着剤組成物における有機溶剤の含有量は、粘着剤組成物が含有する全固形分の均一な分散性または溶解性、粘着フィルムまたは光学フィルタにおける粘着剤層を形成する際の効率等を考慮して、全粘着剤組成物100質量部に対して50〜95質量部が好ましく、60〜85質量部がより好ましい。
(光安定剤)
光安定剤としては、銅またはニッケルを中心原子とする錯体からなる光安定剤であって、テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が1g/100g以上となる上記有機溶媒に対する溶解度が3g/100g以上の光安定剤が用いられる。光安定剤は、銅錯体またはニッケル錯体のなかから上記用いられるテトラアザポルフィリン系色素の種類により選択される有機溶媒に応じて、溶解度が3g/100g以上のものが適宜選択される。
本発明の粘着剤組成物においては、このような光安定剤を用いることにより、上記テトラアザポルフィリン系色素の耐光性に優れる粘着剤層が形成可能となる。
なお、銅またはニッケルを中心原子とする錯体としては、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅原子またはニッケル原子に配位する錯体が好ましい。配位子は単座配位子であっても、多座配位子であってもよい。本発明においては、これらの錯体のうちから、使用する有機溶媒に対して上記溶解度の条件を満たすものを適宜選択して用いればよい。
配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅原子またはニッケル原子に配位する錯体として、具体的には、配位原子がイオウ原子である錯体としてジチオール錯体が挙げられる。ジチオール錯体としては、例えば、下記式(4)に示されるジチオール錯体が挙げられる。
Figure 2013129701
式(4)中、R39〜R58はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基または炭素数1〜20のアルキルアミノ基を表し、Mは、銅またはニッケルを表す。
ここで、本明細書において、「アルキルアミノ基」は、アミノ基(−NH)の水素原子の1個がアルキル基に置換したもの、および水素原子の2個がアルキル基に置換したものの両方を含む用語として用いる。
また、下記式(5)で表されるベンゼンジチオール錯体も使用可能である。
Figure 2013129701
式(5)中、R61およびR62は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基(ただし、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。)、または、スルホニル基を介して結合した有機基を表す。Mは、銅またはニッケルを表す。
61およびR62は、スルホニル基を介して結合した有機基が好ましく、有機基としては、フェニル基、窒素原子が2個のアルキル基に結合するアルキルアミノ基、窒素原子が構成原子として含まれ該窒素原子を介して結合する置換されていてもよい炭素数4〜6のヘテロシクロ環基等が好ましい。R61およびR62は同一の基であることが好ましい。
式(5)に示されるジチオール錯体として、具体的には、市販品として、住友精化社製、商品名「EST−3」(ジチオール銅錯体、ビス(4−ピペリジルスルホニル−1,2−ベンゼンジチオラート−S,S’)銅−テトラ−nブチルアンモニウム)、商品名「EST−5」(ジチオール銅錯体、ビス(4−モルホリノスルホニル−1,2−ジチオフェノレート)銅−テトラ−n−ブチルアンモニウム)、商品名「EST−5Ni」(ジチオールニッケル錯体、ビス(4−モルホリノスルホニル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム)等が挙げられる。
ジチオール錯体として、さらに、下記式(6)に示されるジチオカルバミン酸塩が挙げられる。
Figure 2013129701
式(6)中、R63〜R65は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基を表し、Mは、銅またはニッケルを表す。
63〜R65は、同一の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が特に好ましい。具体的には、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)銅(II)、ビス(ジエチルジチオカルバミン酸)銅(II)、ビス(ジエチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)等が挙げられる。
配位原子が酸素原子である錯体として、例えば、下記式(7)で示されるサリチル酸塩、下記式(8)で示されるベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
Figure 2013129701
式(7)中、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基(ただし、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。))を表す。nおよびmは、それぞれ独立して、0〜4の整数を示し、nおよびmが2〜4の場合X同士およびX同士は同一であっても異なってもよい。Mは、銅またはニッケルを表す。
Figure 2013129701
式(8)中、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基(ただし、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のアラルキル基は1以上の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。))を表す。sおよびtは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示し、sおよびtが2〜5の場合X同士およびX同士は同一であっても異なってもよい。Mは、銅またはニッケルを表す。
配位原子が酸素原子である錯体として、さらに、フタル酸やその類縁化合物の塩等も使用可能である。
以上、銅またはニッケルを中心原子とする錯体について化学構造を具体的に説明したが、本発明の粘着剤組成物には、これらの光安定剤のなかから上記用いられるテトラアザポルフィリン系色素の種類により選択される有機溶媒に応じて、該有機溶媒に対する溶解度が25℃において3g/100g以上の光安定剤が適宜選択される。
例えば、テトラアザポルフィリン系色素として、上記市販品の「TAP−2」、「TAP−HTBX」から選ばれるテトラアザポルフィリン系色素を用い、有機溶媒としてメチルエチルケトンを用いる場合には、メチルエチルケトンに対する溶解度が3g/100g以上である光安定剤として、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)銅(II)、「EST−3」等が挙げられる。
これらの銅またはニッケルを中心原子とする錯体から選ばれる光安定剤は、単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を適宜混合して用いてもよい。単独で用いる場合には、単独で上記溶解度の条件を満たす必要があるが、2種以上を混合して用いる場合には、いずれか一方が条件を満たさなくとも、混合物とした際に、上記溶解度の条件を満たせば使用可能である。
光安定剤は、テトラアザポルフィリン系色素によるオレンジ色の光吸収性能および粘着剤組成物に求められる他の物性を確保しながら、光安定剤がその機能を発揮できる量(配合割合)の範囲として、アクリル系粘着剤(ただし、後述の架橋剤を含む場合はアクリル系粘着剤と架橋剤の合計量)100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤は、本発明の粘着剤組成物において上記各成分を均一に分散した状態で層を形成して粘着剤層とするための粘着性を有するバインダとして機能する。アクリル系粘着剤は、アクリル系単量体に基づく重合単位を主成分として含む(共)重合体からなる。アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、クロトン酸、これらのアルキルエステルが挙げられる。また、粘着剤の凝集力を高めるため、架橋点となりうる官能基(例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基等、以下、「架橋性基」ということもある)を有するアクリル系単量体の使用が好ましい。ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸を総称する。(メタ)アクリレートも同様である。
アクリル系単量体の中でも、(メタ)アクリル酸、そのアルキルエステル、および架橋性基を有する(メタ)アクリル酸系単量体から選ばれる(メタ)アクリル酸系単量体を主成分とすることが好ましい。ここで、主成分とするとは、(メタ)アクリル酸系単量体を、アクリル系粘着剤全量に対して95質量%以上含むことを意味し、98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、架橋性基を有する(メタ)アクリル酸系の単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。
アクリル系粘着剤の酸価は10mgKOH/g以下が好ましい。なお、酸価は0mgKOH/gであってもよい。アクリル系粘着剤の酸価は0〜7mgKOH/gがより好ましく、0〜5mgKOH/gが特に好ましい。アクリル系粘着剤の酸価が10mgKOH/g以下であることにより、耐湿試験後の変色を抑えることができる。ここでいう酸価とは、指示薬としてフェノールフタレインを用いたアルコール性水酸化カリウム(KOH)の滴定により求められる値である。
アクリル系粘着剤の酸価を10mgKOH/g以下にするには、アクリル系単量体を重合する際に酸価がこの範囲になるように、共重合に用いるカルボキシル基を有する単量体の量を調整する。また、同様に、架橋の程度を所望の範囲とするためには、共重合に用いる架橋性基を有する単量体の量を調整すればよい。以下、本明細書において、架橋性基を有する単量体を含む共重合体からなるアクリル系粘着剤を架橋性アクリル系粘着剤という。
酸価が10mgKOH/g以下の架橋性アクリル系粘着剤は市販されており、その中から適宜選択して用いてもよい。例えば、商品名:「NCK101」東洋インキ社製(酸価=0mgKOH/g、有機溶剤含有量70質量部)、商品名:「EXK04−488」東洋インキ社製(酸価:6.2mgKOH/g)などが挙げられる。
また、アクリル系粘着剤のガラス転移温度(Tg)は、−40〜40℃が好ましく、−30〜10℃がより好ましい。
アクリル系粘着剤として、上記架橋性アクリル系粘着剤を使用する場合には、粘着剤組成物に架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤を架橋性基に反応させてアクリル系共重合体を架橋させることにより凝集力を確保できる。架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物、金属塩、金属水酸化物、金属キレート、ポリイソシアネート、カルボキシ基含有ポリマー、酸無水物、ポリアミンなどが挙げられ、架橋性基の種類に応じて適宜選択される。
これらのアクリル系粘着剤と組合せて用いる架橋剤としては、架橋性基がヒドロキシ基の場合、ポリイソシアネートが好ましく、例えば、商品名:「コロネートHL」日本ポリウレタン社製などの市販品を用いることができる。
粘着剤組成物における、アクリル系粘着剤固形分および架橋剤の含有量は、アクリル系粘着剤については、組成物全量に対して5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。架橋剤の配合量は、アクリル系粘着剤における架橋性基のモル量に対して、架橋剤が有する反応基のモル量が0.01〜10倍となる量が好ましく、0.1〜5倍となる量がより好ましい。
(近赤外線吸収色素)
本発明の粘着剤組成物は、近赤外線吸収色素を任意成分として含有してもよい。近赤外線吸収色素としては、近赤外線波長領域(750〜1100nm)に吸収を有する色素であれば特に制限されない。
近赤外線吸収色素としては、例えば、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、金属錯体系色素、アミニウム系色素、イモニウム系色素、ジイモニウム系色素、アンスラキノン系色素、ジチオール金属錯体系色素、ナフトキノン系色素、インドールフェノール系色素、アゾ系色素、トリアリルメタン系色素、酸化タングステン系色素などが挙げられる。これらのうちでも、ジチオール金属錯体系色素、アミニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素、酸化タングステン系色素が好ましい。
近赤外線吸収色素は1種類でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。近赤外線吸収色素の耐久性の観点から、1種類のみまたは2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることが好ましい。また、耐久性の観点に加え、近赤外線を十分にかつ効率的に吸収できることから、2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることがより好ましい。さらに、可視光領域の光の不要な吸収を抑制し、近赤外線の波長領域の光を十分に特異的に吸収するために、800〜1000nmの波長領域に極大波長を有するが、互いに異なる極大波長をもつ4種以上のフタロシアニン系色素を含有することが特に好ましい。
<フタロシアニン系色素>
フタロシアニン系色素としては、フタロシアニン骨格を有する化合物であれば、骨格に結合する16の原子または置換基は特に制限されない。耐久性の観点から、該原子または置換基として、無置換または水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェニル基もしくは該フェニル基を末端に有する基を4以上有するフタロシアニン系色素が好ましい。このようなフタロシアニン系色素として、具体的には、上記式(1)に示されるフタロシアニン系色素が挙げられる。
式(1)中、R〜R16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし前記炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。)を表し、かつ、隣り合う2つの置換基が連結基を介してつながっていてもよい。ただし、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち少なくとも4つは、無置換または水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェニル基もしくは該フェニル基を末端に有する基(以下、「Ph含有基」という)である。
以下、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15をグループA、それ以外のR、R、R、R、R、R12、R13、R16をグループBとする。グループAの基または原子は、8つ全てがPh含有基、例えば、下記式(9)に示される基であることが好ましい。
Figure 2013129701
[式(9)中、R71〜R75は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Xは、単結合、O、S、NH、または炭素数1〜6の直鎖アルキレン基を示す。]
式(9)中、R71〜R75が、アルキル基である場合、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(9)で示される基として、好ましくは、フェニルチオール基(−S−Ph)、2−メチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオール基等が挙げられる。
は2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の金属原子またはオキシ金属を表す。Mとして具体的には、Cu、Ni、Zn、Pd、Pt、VO、Co、Mg等が挙げられる。これらのうちでも、Mとしては、経済性、安全性、溶解性、光学特性の点からCuまたはVOが好ましい。
グループAの基または原子がPh含有基でない場合、それらは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし、炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよいPh含有基以外の基)である。
グループBの基または原子は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし、炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。Ph含有基であってもよい。)である。
ここで、炭素数1〜20の炭化水素基(ただし、炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。)にはアルキルアミノ基が含まれる。
グループBの基または原子は、フタロシアニン骨格が有する4個のベンゼン環1個につき2個ずつ存在するが、そのうち一方が、アルキルアミノ基であってもよい。アルキルアミノ基としては、−NHR80(R80は、ベンジル基、フェニル基、または炭素数1〜20の直鎖のまたは分岐鎖を有するアルキル基)、および、−NR8182(R81、R82は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10の直鎖のまたは分岐鎖を有するアルキル基)が挙げられる。−NHR80である場合、R80としては、ベンジル基、2−エチルヘキシル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。−NR8182である場合、R81、R82として、ともに、メチル基、エチル基、またはイソブチル基である組合せが挙げられる。
グループBの基または原子の、上記4個のベンゼン環のそれぞれに結合するもう一方の基または原子としては、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、アルキルアミノ基、トリメチルフェニルチオール基等が挙げられる。
フタロシアニン系色素は、市販品から所望の特性のものを適宜選択して用いてもよい。例えば、いずれも日本触媒社製の商品名で、「イーエクスカラーIR−14」(上記式(1)において、グループAの基が8個とも2,5−ジクロロフェニルオキシ基、グループBの基の4個がベンジルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、Mが銅である。)、「イーエクスカラーIR−10A」、「イーエクスカラーIR−28」、「イーエクスカラーIR−12」、「TX−EX−820」(上記式(1)において、グループAの基が8個ともフェニルチオール基、グループBの基の4個が2−エチルヘキシルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、Mが銅である。)、「TX−EX−906」、「イーエクスカラーIR−915」、「イーエクスカラーIR−910」、「イーエクスカラーIR−906」等が挙げられる。
また、山田化学社製の商品名、「KSK−5」(上記式(1)において、グループAの基が8個とも4−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、グループBの基が8個とも2,4,6−トリイソプロピルフェニルチオール基、MがVOである。)、「KSK−10」(上記式(1)において、グループAの基が8個ともフェニルチオール基、グループBの基の4個がジイソブチルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、MがVOである。)、「KSK−15」(上記式(1)において、グループAの基が8個ともフェニルチオール基、グループBの基の4個がジメチルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、MがVOである。)、「KSK−16」(上記式(1)において、グループAの基が8個とも2−メチルフェニルオキシ基、グループBの基の4個がジメチルアミノ基、4個が2,6−ジメチルフェニルオキシ基、MがVOである。)、「KSK−17」(上記式(1)において、グループAの基が8個とも2−メチルフェニルオキシ基、グループBの基の4個がジメチルアミノ基、4個が2,4,6−トリイソプロピルフェニルチオール基、MがVOである。)、「KSK−20」(上記式(1)において、グループAの基が8個とも2−メチルフェニルオキシ基、グループBの基が8個ともジメチルアミノ基、MがVOである。)、「KSK−22」(上記式(1)において、グループAの基の8個とグループBの基の4個が2,4,6−トリメチルフェニルチオール基、グループBの基の4個がn−ブチルアミノ基、MがVOである。)、「KSK−100」(上記「イーエクスカラーIR−14」と同一の構造)、「KSK−101」(上記「TX−EX−820」と同一の構造)等が挙げられる。
これらのうちでも、上記式(1)においてグループAが4個以上のPh含有基を含む観点から、「KSK−10」、「KSK−15」、「KSK−16」、「KSK−17」、「KSK−20」、「KSK−22」、「KSK−101」、「TX−EX−820」が好ましい。
粘着剤組成物における近赤外線吸収色素の含有量は、アクリル系粘着剤(ただし、後述の架橋剤を含む場合はアクリル系粘着剤と架橋剤の合計量)100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜10質量部がより好ましい。近赤外線吸収色素の含有量を0.1質量部以上とすることで、波長領域820〜980nmの近赤外線を吸収する機能を十分に発揮でき、20質量部以下とすることで耐久性の低下を抑制できる。
なお、本発明の粘着フィルムや光学フィルタが有する上記粘着剤組成物から得られる粘着剤層は、820〜980nmの波長領域における近赤外線透過率が20%以下であることが好ましく、15%以下がより好ましい。粘着剤層における各色素の含有量は、好ましくは近赤外線透過率が上記範囲となるように適宜調整される。
(その他任意成分)
本発明の粘着剤組成物は、さらに任意成分として上記近赤外線吸収色素の他に必要に応じてテトラアザポルフィリン系色素以外の色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
<色調補正色素>
色調補正色素は、テトラアザポルフィリン系色素と同様、可視光の特定波長域の一部を吸収し、透過可視光の色調を改善するものである。色調補正色素としては、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、ジイモニウム系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系、テトラアザポルフィリン系以外のポルフィリン系などの周知の有機顔料および有機染料、無機顔料が好ましく挙げられる。
色調補正色素の中でも、耐候性が良好であるとともにアクリル系粘着剤との相溶性または分散性が良好な、例えばアンスラキノン系色素およびキノフタロン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことが好ましい。アンスラキノン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことがより好ましい。
アンスラキノン系色素としては、例えば、日本化薬社製の商品名「Kayaset Violet A−R」、「Kayaset Blue N」、「Kayaset Blue FR」、「Kayaset Green A−B」等の市販品が挙げられる。
色調補正色素としては、ヒドロキシ基(−OH)およびアミノ基(−NH)を有しない色素が好ましい。本発明の粘着剤組成物中の色素は、実質的にヒドロキシ基(−OH)およびアミノ基(−NH)を有さない色素のみを含むことが好ましい。実質的に、ヒドロキシ基およびアミノ基を有さない色素のみを含むとは、ヒドロキシ基およびアミノ基を有しない色素を、粘着剤組成物中の色素全量に対して、95質量%以上含むことを意味し98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。ヒドロキシ基およびアミノ基を有さない色素を用いることで、色素を含む粘着剤組成物が湿気により変色せず、退色等の劣化が抑えられる。
ディスプレイは種類や機種により、可視光の発光の強度や波長分布が異なる。したがって、本発明の粘着剤組成物に任意に用いる色調補正色素は、ディスプレイの種類や機種によって用いる色調補正色素の種類や組み合わせは適宜選択される。なお、耐久性の観点からは、アンスラキノン系色素が好ましい。
粘着剤組成物における色調補正色素の含有量は、光学フィルタに求められるC光源による視感透過率や透過光の色調に合わせて調整される。色調補正色素の含有量は、用いる色素の種類により適宜選択され、アクリル系粘着剤(ただし、上記の通り架橋剤を含む場合はアクリル系粘着剤と架橋剤の合計量)100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましい。
なお、粘着剤組成物の調製に際しては、これを用いて形成される粘着剤層を有する光学フィルタにおいて求められる光学特性に応じて、各種色素の種類および配合量が適宜選定される。
上記本発明の粘着剤組成物においては、上記構成とすることで、これを用いて形成される粘着剤層は、含有するテトラアザポルフィリン系色素の耐光性に優れる層となる。
[粘着フィルム]
本発明の粘着フィルムは、基材としてのフィルム上に、上述した粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されているものである。
(フィルム)
本発明におけるフィルムとは、フィルム状または板状のものであればよく、材料、厚さ等に特に限定はない。
このようなフィルムとしては、剥離性を有する剥離性フィルム、支持フィルム、およびそれら以外の機能を有するフィルム(以下、機能フィルム。)などが挙げられる。また、フィルムは1層でもよいし、2層以上であってもよい。
フィルムの材質は限定されないが、粘着フィルム製造時などでフィルムを取り扱う際の取扱容易性から、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリアクリレート類;ポリカーボネート(PC)類;ポリスチレン類;トリアセテート;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリビニルブチラール;ポリウレタン類;セロファン等のいずれかからなるフィルムが挙げられる。フィルムの厚さは30〜130μmが好ましい。
支持フィルムについては、上記樹脂フィルムそのものを支持フィルムとして用いることができる。支持フィルムの厚さは、80〜130μmが好ましく、100〜125μmが特に好ましい。
剥離性フィルムについては、上記樹脂フィルムのうち剥離性が十分なものをそのまま剥離性フィルムとして用いてもよく、好ましくは、上記樹脂フィルムに剥離剤がコーティングされたものが使用できる。剥離フィルムの厚さは、30〜90μmが好ましく、38〜75μmが特に好ましい。
機能フィルムとしては、例えば、紫外線による色素の劣化を防いで耐光性を改善するための紫外線吸収フィルム、紫外線以外の特定波長領域の光を吸収する色調補正フィルムが挙げられる。色調補正フィルムが吸収する特定波長は、可視光線だけでなく、近赤外線光を含んでいてもよく、複数の特定波長領域を吸収するものでも構わない。さらに、機能フィルムとして、画像の視認性を向上させるための反射防止フィルム、PDPなどのディスプレイから発せられる電磁波をカットするための電磁波遮蔽フィルム、コントラスト向上フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム等が挙げられる。
また、樹脂フィルム上に耐擦傷性機能を与えるハードコート層もしくは自己修復性を有する層、または最表面の汚れを防止するための防汚層、それぞれの層を積層させるための粘着もしくは接着層等が設けられて機能フィルムとして用いられているものであってもよい。
電磁波遮蔽フィルムとしては、例えば、上記樹脂フィルム上にスパッタ法により電磁波遮蔽膜が形成されたものや銅がメッシュ状に形成されたものが挙げられる。電磁波遮蔽膜としては、例えば、金属酸化物(InとSnとの酸化物、TiとZnとの酸化物、AlとZnとの酸化物、酸化ニオブ等)の層と金属(Ag、Ag合金等)の層とが交互に積層された構造で、金属層の層数はnであり、金属酸化物層の層数はn+1(ただし、nは1以上の整数)である。また、電磁波遮蔽フィルムとしては、例えば、上記樹脂フィルム上に銅がメッシュ状に形成されたものでもよい。
電磁波遮蔽フィルムとしては、市販品を用いることが可能である。市販品としては、例えば、電磁波遮蔽エッチングメッシュフィルムとして、大日本印刷社製:商品名「AR50GA0T−75」等が挙げられる。
反射防止フィルムとしては、上記樹脂フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に含フッ素重合体を含む低屈折率材料からなる反射防止膜が形成されたもの挙げられる。具体的には、旭硝子社製の商品名:アークトップ(URP2199)や、日本油脂社製の商品名:リアルック(RL7800、RL9000、RL9200、RL9900)などの市販品が挙げられる。低屈折率とは、具体的には屈折率が1.1〜1.6が好ましく、1.2〜1.5がより好ましく、1.3〜1.48がさらに好ましい。
コントラスト向上フィルムとしては、例えば、上記樹脂フィルム上に平行に並設された複数の直線状の暗色部と、これら暗色部間に配置される透光性領域とが形成されたものが挙げられる。透光性領域は、例えば、併設方向の断面において樹脂フィルム側に向けて徐々に幅が広がる台形状であり、樹脂フィルム側の端部において隣接する他の透光性領域と繋がるように形成されている。また、暗色部は、例えば、隣接する透光性領域間の凹部に暗色粒子と透明樹脂とが充填されることにより構成される。
防眩フィルムは、上記樹脂フィルム上に可視光線の反射による映りこみを低減するための防眩膜(アンチグレア膜)を設けた機能フィルムであり、表面に凹凸を有する。凹凸により防眩フィルム表面に映る反射像を拡散させて輪郭をぼかす効果がある。防眩フィルムとしては、シリカ等の無機微粒子、あるいはアクリル系樹脂やスチレン系樹脂等の有機微粒子をバインダ樹脂中に分散した溶液を樹脂フィルム上にコーティングし、溶媒を揮発させたり、サンドブラスト、あるいはエッチング等により樹脂フィルム自身に凹凸を形成したものが挙げられる。さらに最表層に反射防止処理を施してもよい。防眩フィルムとしては、例えば、大日本印刷社製の商品名「DS−LR」、「DS−21」、日油社製の商品名:リアルック(RL5500、RL7300)等の市販品が好ましく用いられる。
(粘着剤層)
粘着剤層は、例えば、粘着剤組成物をフィルム上に塗工し、有機溶剤を揮発させて乾燥させることにより形成することができる。その際の粘着剤組成物の塗工方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法等のコーティング法などを採用できる。
粘着剤層の厚さは、0.3〜50.0μmが好ましく、0.5〜30.0μmであることがより好ましい。0.3μm以上とすることで、テトラアザポルフィリン系色素の有する波長590nm付近の不要光を吸収する色調補正機能を十分に発揮でき、50μm以下とすることで成形時の有機溶剤の残留を低減することができる。
フィルム上に粘着剤層を設けた後、該粘着剤層上に、離型フィルムを貼付しておくことが、使用時まで粘着剤層を保護できるので作業性の点で好ましい。離型フィルムとしては、上記の剥離性フィルムと同様のものが使用できる。
[光学フィルタ]
本発明の光学フィルタは、基板に1つ以上のフィルムが貼着された光学フィルタであって、前記フィルムと基板との間、または、前記フィルムが2以上の場合におけるフィルム間のいずれかに、上記本発明の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有するものである。
フィルムとしては、上記の粘着フィルムに用いたフィルムのうち剥離性を有する剥離性フィルム以外のフィルム、例えば、支持フィルム、機能フィルムなどが上記同様に挙げられる。また、これらフィルムの好ましい態様についても上記同様である。なお、本発明の光学フィルタには、フィルムとして、通常、上記機能フィルムの1または2以上が用いられる。
基板としては、例えば、ガラス、透明で高剛性の高分子材料などからなる透明基板が挙げられる。透明で高剛性の高分子材料として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレンメタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファンなどが挙げられる。
好ましくは、ガラス、強化もしくは半強化ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどからなる透明基板が挙げられる。透明基板に粘着フィルムが貼着された光学フィルタは、PDPなどのディスプレイの保護板としての機能を発揮する。
基板の厚さは、1〜10mmが好ましく、1.5〜5mmがより好ましい。1mm以上であることによりPDPなどのディスプレイを衝撃から十分に保護することができる。10mm以下であることで、光学フィルタの重量を軽くできる。また、基板のヤング率は、1×10Pa以上が好ましく、5×10Pa以上がより好ましく、1×1010Pa以上がさらに好ましい。ヤング率の上限は特に制限はないが、上限は5×1011Paが好ましい。基板のヤング率が上記範囲内であると、PDPなどのディスプレイを保護するのに十分硬い光学フィルタとできるため好ましい。
光学フィルタの製造方法としては特に制限されない。基板とフィルムとの間に上記粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する光学フィルタは、例えば、剥離性フィルム上に粘着剤層が形成されている粘着フィルムを用意し、基板に粘着フィルムの粘着剤層を貼着する。その後、前記粘着フィルムの粘着剤層から剥離性フィルムを剥離し、露出した粘着剤層に機能フィルムを貼着し、さらに必要に応じて、他の機能フィルムを貼り合わせることで得ることができる。
また、他の製造方法として、機能フィルム上に粘着剤層が形成されている粘着フィルムを用意し、粘着フィルムの粘着剤層を基板に貼着する。そして、必要に応じて、他の機能フィルムを貼り合わせることで光学フィルタを得ることができる。
複数のフィルム間に上記粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する光学フィルタは、例えば、まず、基板に機能フィルムを貼り合わせ、次いで、剥離性フィルムに上記粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されている粘着フィルムを用意し、粘着フィルムの粘着剤層を前記機能フィルム上に貼着する。次いで、前記粘着フィルムの粘着剤層から剥離性フィルムを剥離し、露出した粘着剤層上に他の機能フィルムを貼着することで得ることができる。
また、他の製造方法としては、まず、基板に機能フィルムを貼り合わせ、次いで、他の機能フィルム上に上記粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されている粘着フィルムを用意し、前記機能フィルム上に当該粘着フィルムの粘着剤層を貼着することで光学フィルタを得ることができる。
なお、上記貼り合わせにおいては、粘着フィルムの基板と反対側の表面について、一端部側から他端部側にかけてゴム等の弾性材料によって被覆された加圧ローラーを移動させて加圧する処理を施してもよい。加圧ローラーによる処理は、貼り合わせ毎に行ってもよく、全ての貼り合わせが行われた後に1回行ってもよい、また、全ての貼り合わせが行われ、このような加圧ローラーによる加圧処理が行われた後に、温度30〜80℃、圧力0.6〜1.2MPaの雰囲気下で20〜120分間程度の熱処理を行うことが好ましい。この処理により、各機能フィルム間における気泡を消失させ、外観を良好にできる。
本発明の光学フィルタは、PDP、プラズマアドレスリキッドクリスタル(PALC)ディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイ(FED)パネルなどの平面型ディスプレイおよび陰極管表示装置(CRT)などのディスプレイ用の光学フィルタとして用いることができる。
この場合、光学フィルタは、ディスプレイの視認側に設置すればよく、ディスプレイから離して設置してもよいし、ディスプレイ表面に直接貼り付けてもよい。
光学フィルタにおいては、粘着剤層が色素によって着色されているが、一般的に、光学フィルタは、PDP等のディスプレイの視認側に配置されるため、無彩色が好まれる。JIS Z 8701(1999年)に従い計算されたC光源基準において、無彩色に対応する色度座標は、(x,y)=(0.310,0.316)であることから、本発明の光学フィルタは、色度座標(x,y)=(0.310±0.100,0.316±0.100)であることが好ましい。光学フィルタの色度座標をこのような値にする方法としては、例えば、粘着剤に含有させる色素の種類および含有量や、色調補正色素を適宜選定した上で、その色度に応じてフィルムや基板の種類を選択する方法などが挙げられる。
また、光学フィルタの視感透過率は、20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。光学フィルタの視感透過率を20%以上にする方法としては、例えば、フィルムとして透明性の高いものを選択する方法、粘着剤に含有させる色素の種類および含有量や、色調補正色素を適宜選定する方法などが挙げられる。光学フィルムの視感透過率は、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。最も好ましくは、60%以下である。
さらに、上記色度座標(x,y)の規定と視感透過率の規定を同時に満たすことが好ましい。
以上説明した光学フィルタは、上記本発明の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有しているため、テトラアザポリフィリン系色素が有する波長590nm付近の不要光を吸収する色調補正機能を十分に発揮でき、さらにその機能を長期に安定して提供するための耐光性にも優れている。
以下、本発明の粘着剤組成物、粘着フィルムおよびディスプレイ用の光学フィルタについて、実施例を参照してより具体的に説明する。例1〜6は実施例、例7〜11は比較例である。
以下に用いた化合物について説明する。なお、λmaxは極大吸収波長、εはモル吸光係数を示す。
(テトラアザポリフィリン系色素)
以下、山田化学社製、商品名
「TAP−HTBX」:メチルエチルケトン(MEK)に対する溶解度;1.2g/100g、λmax;595nm、ε;112000
「TAP−2」:MEKに対する溶解度;10g/100g、λmax;593nm、ε;81000
(光安定剤)
「カルバミン酸Ni」:和光純薬社製、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、MEKに対する溶解度;5g/100g。
「EST−3」:住友精化社製、商品名、MEKに対する溶解度;16.7g/100g。
「AQ−1」:山田化学社製、商品名、下式(cf−1)で表わされる化合物、MEKに対する溶解度;1g/100g。
Figure 2013129701
「AQ−2」:山田化学社製、商品名、下式(cf−2)で表わされる化合物、MEKに対する溶解度;2g/100g。
Figure 2013129701
「AQ−5」:山田化学社製、商品名、下式(cf−3)で表わされる化合物、MEKに対する溶解度;0.5g/100g。
Figure 2013129701
「AQ−6」:山田化学社製、商品名、下式(cf−4)で表わされる化合物、MEKに対する溶解度;1.8g/100g。
Figure 2013129701
(フタロシアニン系色素)
以下、日本触媒社製、商品名「IR−…」は「イーエクスカラーIR-…」の略記号である。
「IR−14」:λmax:836nm、ε;45900
「IR−28」:λmax:885nm、ε;42100
「TX−EX−906」:λmax:938nm、ε;49000
「IR−915」:λmax:963nm、ε;53600
以下、山田化学社製、商品名
「KSK−10」:λmax:965nm、ε;158000
「KSK−15」:λmax:934nm、ε;120000
「KSK−16」:λmax:875nm、ε;118000
「KSK−20」:λmax:978nm、ε;92400
[例1]
MEK6質量部にテトラアザポリフィリン系色素「TAP−HTBX」0.0153質量部、光安定剤としてカルバミン酸Ni(和光純薬社製)0.0428質量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名「CHIMASSORB 81」)1.125質量部を添加し、ミキサーで10分撹拌して溶解させた。この溶液にアクリル系粘着剤(東洋インキ社製、商品名「NCK101」、酸価;0mgKOH/g、Tg:−20℃、有機溶剤含有量70質量部)30質量部および架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートHL」)0.35質量部を添加し、さらにミキサーで10分撹拌して溶解させて色素含有粘着剤組成物を調製した。色素含有粘着剤組成物の組成を表1に示す。
PETフィルムの表面にシリコーン樹脂層を形成したセパレータ上に、上記した色素含有粘着剤組成物をアプリケーターによって塗布し、100℃のオーブンで5分乾燥させて厚さ25μmの色素含有粘着剤層を形成して、粘着フィルムを得た。
また、以下に示すようにコントラスト向上フィルムを製造した。
透明支持体として両面易接着処理された厚さ100μmの帯状のPETフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を準備し、その上にウレタンアクリレートプレポリマーからなる紫外線硬化性プレポリマーおよび光重合開始剤を含む透光性領域形成用組成物を厚さ89μmとなるように塗布した。
この塗布層の表面に金属製賦形型ロールを押し当て、暗色部を形成するための溝部を刻設しながら背面から紫外線を照射して透光性領域形成用組成物を硬化させて透光性領域を形成した。なお、溝部は、断面形状を略台形状とし、開口部側の幅を10μm、底部側の幅を7μm、深さを69μmとし、51μmのピッチで形成した。なお、賦形型ロールは、溝部に対応する凸部を円周方向に有するものであり、上記した透光性領域形成用組成物を塗布した帯状のPETフィルム上でその長手方向に回転させることで溝部を形成した。
一方、透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー100質量部中に、最小粒径が2μmかつ最大粒径が3μmの黒い球状ビーズ状粒子50質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)2質量部を混合して液状の暗色部形成用組成物を調製した。
この暗色部形成用組成物を主として上記した透光性領域の溝部に塗工し、ドクターブレードでワイピングした。ワイピングに際しては、同時に背面から紫外線を照射して暗色部形成用組成物を硬化させた。なお、ワイピングは、透光性領域の平坦部とドクターブレードとの隙間を1.5μmとして、2回繰り返して行った。これにより、溝部に暗色部を形成するとともに、透光性領域の平坦部上には樹脂成分のみを厚さ1.5μmで残留させ、上記した紫外線の照射により硬化させて厚さ1μmの透明保護層を形成し、コントラスト向上フィルムを製造した。なお、[樹脂部(暗色部、透明保護層中)の屈折率]−[球状ビーズの屈折率]=−0.003であった。また、暗色部の表面には、溝部に向かって窪んだような凹部が形成されており、その深さは透明保護層の表面から3μmであった。
得られた色素含有粘着剤層を有する粘着フィルムを反射防止フィルム(日油社製、商品名「RL9900」、厚さ100μm)にラミネートして色素含有粘着剤層を有する反射防止フィルムを得た。ソーダライムガラス基板上に、透明粘着剤層を介して、PETフィルムの表面に銅がメッシュ状に形成された電磁波吸収フィルム(大日本印刷社製)のPET面に貼合し、その上に透明粘着剤層を介して上記で製造したコントラスト向上フィルムを貼合した。コントラスト向上フィルム上に、上記色素含有粘着剤層付き反射防止フィルムのセパレータを剥がし、色素含有粘着剤層を貼合し、オートクレーブ処理(60℃、0.5MPa、30分間)して光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの積層構成、すなわち、「RL9900」/色素含有粘着剤層/コントラスト向上フィルム/電磁波吸収フィルム/ガラス基板の積層構成を「構成A」とする。
[例2、3、5、6、例8〜11]
表1に示す組成により、上記例1と同様にして色素含有粘着剤組成物を調製した。得られた色素含有粘着剤組成物を用いて、例1と同様にして「構成A」の光学フィルタを製造した。
[例4]
表1に示す組成により、上記例1と同様にして色素含有粘着剤組成物を調製した。得られた色素含有粘着剤組成物を用いて、例1と同様にして粘着フィルムを得た。
得られた色素含有粘着剤層を有する粘着フィルムを反射防止フィルム(東洋紡社製、商品名「A4100」、厚さ100μm)にラミネートして色素含有粘着剤層を有する反射防止フィルムを得た。ソーダライムガラス基板上に、上記色素含有粘着剤層付き反射防止フィルムのセパレータを剥がし、色素含有粘着剤層を貼合し、オートクレーブ処理(60℃、0.5MPa、30分間)して光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの積層構成、すなわち、「A4100」/色素含有粘着剤層/ガラス基板の積層構成を「構成C」とする。
[例7]
表1に示す組成により、上記例1と同様にして色素含有粘着剤組成物を調製した。得られた色素含有粘着剤組成物を用いて、例1と同様にして粘着フィルムを得た。
得られた色素含有粘着剤層を有する粘着フィルムを反射防止フィルム(日油社製、商品名「RL7800」、厚さ100μm)にラミネートして色素含有粘着剤層を有する反射防止フィルムを得た。ソーダライムガラス基板上に、透明粘着剤層を介して、電磁波吸収フィルム(大日本印刷社製)のPET面に貼合し、その上に透明粘着剤層を介して、導電性薄膜フィルム(旭硝子社製)のPET面を貼合した。導電性薄膜フィルム上に、上記色素含有粘着剤層付き反射防止フィルムのセパレータを剥がし、色素含有粘着剤層を貼合し、オートクレーブ処理(60℃、0.5MPa、30分間)して光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの積層構成、すなわち、「RL7800」/色素含有粘着剤層/導電性薄膜フィルム/電磁波吸収フィルム/ガラス基板の積層構成を「構成B」とする。
Figure 2013129701
[評価]
例1〜11で得られた光学フィルタを試料として各試料の光学特性(視感透過率、色度、極大吸収波長(λmax)における透過率、ネオンカット波長(595nmおよび593nm)における透過率)、および、耐光性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
(初期の光学特性)
分光光度計(島津製作所社製、SolidSpec−3700)を用い、各試料から切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを、C光源を用いて380〜1000nmの波長範囲で測定した。JIS Z8701(1999年)に従い、視感透過率Tv(%)およびXYZ表色系における色座標(x,y)を算出した。また、極大吸収波長(λmax)における透過率、ネオンカット波長(595nmおよび593nm)における透過率を求めた。
(耐光性)
耐光性試験機(スガ試験機社製、キセノンウェザーメーター X25)を用い、380nm以上の光を100MJ/cm照射させた後の、各試料の視感透過率Tv、色座標(x,y)におけるx、y、および極大吸収波長(λmax)における透過率、ネオンカット波長(595nmおよび593nm)における透過率を測定し、試験前後の測定値を比較した。
試験前後の変化量がすべて5%未満の場合は「〇」、いずれか一つでも5%以上10%未満の場合は「△」、いずれか一つでも10%以上の場合は「×」とした。
Figure 2013129701

Claims (7)

  1. テトラアザポルフィリン系色素と、紫外線吸収剤と、銅錯体またはニッケル錯体からなる光安定剤と、アクリル系粘着剤と、前記テトラアザポルフィリン系色素の溶解度が25℃において1g/100g以上となる有機溶媒とを含有し、前記光安定剤の前記有機溶媒に対する溶解度が25℃において3g/100g以上であることを特徴とする光学フィルタ用の粘着剤組成物。
  2. さらに、近赤外線吸収色素を含有する請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 前記近赤外線吸収色素が、下記式(1)で表されるフタロシアニン系色素から選ばれる請求項1または2記載の粘着剤組成物。
    Figure 2013129701
    [式(1)中、R〜R16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシスルホニル基、アミノスルホニル基、または炭素数1〜20の炭化水素基(ただし前記炭化水素基は窒素原子、硫黄原子、酸素原子およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでもよい。)を表し、かつ、隣り合う2つの置換基が連結基を介してつながっていてもよい。ただし、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15のうち少なくとも4つは、無置換または水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェニル基もしくは該フェニル基を末端に有する基である。Mは2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の金属原子またはオキシ金属を表す。]
  4. 前記錯体の配位子が、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記光安定剤を前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.001〜10質量部の割合で含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. フィルム上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する粘着フィルム。
  7. 基板に1つ以上のフィルムが貼着された光学フィルタであって、前記フィルムと基板との間、または、前記フィルムが2以上の場合におけるフィルム間のいずれかに、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する光学フィルタ。
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