以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
近年、例えば太陽光発電システム、燃料電池発電システム、および蓄電池などの複数の分散電源の出力をまとめて系統連系することができる電力制御装置が開発されつつある。このような各種の電源は、従来、それぞれが個別にパワーコンディショナのような電力制御装置を有するのが主流であった。しかしながら、複数の分散電源の出力をまとめる場合、これらの分散電源の出力を1つの電力制御装置にまとめて系統連系することが考えられる。以下、本発明の実施形態として、上述のような複数の分散電源をDCリンクさせたシステムを想定して説明するが、本発明は実施形態に記載した構成に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る電力制御システムを概略的に示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電力制御システム1は、電力制御装置10と、分電盤20と、負荷機器22A〜22Dと、太陽光発電部30と、燃料電池発電部40と、蓄電池50と、PCSリモートコントローラ(PCSリモコン60)と、を含んで構成される。
本実施形態において、電力制御システム1は、少なくとも1つ、好適には複数の分散電源を含む。図1においては、複数の分散電源の例として、太陽光発電部30、燃料電池発電部40、および蓄電池50を記載したが、それぞれの分散電源はこれらの例には限定されない。
図1に示すように、電力制御装置10は、上述した分散電源を、まとめて系統連系することができる。このように、電力制御装置10が複数の分散電源をまとめて系統連系する際には、電力制御装置10と電力系統との間に、分電盤20を配する。図1において、各機能部をつなぐ実線は、主として電力の流れを表し、各機能部をつなぐ破線は、主として制御ライン等を表す。
分電盤20は、電力制御装置10の系統連系による運転と、自立運転とを切り替える。系統連系時には、分電盤20における接点αと接点βとを接続することにより、複数の分散電源を系統連系するとともに、系統からの電力を負荷機器22A〜22Dに供給することもできる。また、電力制御装置10を系統から解列して自立運転を行う際は、分電盤20における接点αと接点γとを接続することにより、分散電源30,40,50による電力のみを負荷機器22A〜22Dに供給する。この分電盤20は、ブレーカ、サービスブレーカ、および漏電ブレーカなど各種の機能部を備えることもあるが、そのような機能部の詳細についての説明は省略する。
負荷機器22A〜22Dは、分電盤20に接続されることにより、電力制御装置10から供給される電力を消費する各種の家電製品などを表す。図1においては、負荷機器の例として、証明22A、エアコン22B、テレビ22C、冷蔵庫22Dを示したが、本実施形態において、負荷機器22A〜22Dは、これらの例に限定されず、任意のものとすることができる。後述するように、本実施形態において、負荷機器22A〜22Dは、それぞれ専用のリモコン端末によって遠隔操作できる既存の家電製品とするのが好適である。
太陽光発電部30は、太陽光を利用して発電することができる。このため、太陽光発電部30は、太陽電池発電装置を備えており、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する。本実施形態において、太陽光発電部30は、例えば家の屋根などにソーラパネルを設置して、太陽光を利用して発電するような態様を想定している。しかしながら、本発明において、太陽光発電部30は、太陽光のエネルギーを電力に変換できるものであれば、任意のものを採用することができる。
燃料電池発電部40は、外部から供給された水素および酸素などのガスを電気化学反応させる燃料電池発電装置によって発電を行い、発電した電力を供給することができる。本実施形態において、燃料電池発電部40は、燃料電池が起動した後は、電力系統からの電力を受けずに稼動する、すなわち自立運転することが可能であってもよい。本実施形態において、燃料電池発電部40は、自立運転することができるように、改質部など他の機能部も必要に応じて適宜含むものとする。この燃料電池発電部40は、例えばSOFC等とすることができるが、これに限定されない。
蓄電池50は、充電された電力を放電することにより、電力を供給することができる。また、蓄電池50は、電力系統、太陽光発電部30または燃料電池発電部40等から供給される電力を充電することもできる。
次に、電力制御装置10について、さらに説明する。
図1に示すように、電力制御装置10は、制御部11、記憶部12、変圧部13A〜13C、電力変換部14、電流センサ15,16、送受信部17、および開閉器18を備えている。
制御部11は、電力制御装置10全体を制御および管理するものであり、例えばプロセッサにより構成することができる。本実施形態において、制御部11が行う制御についてはさらに後述する。
記憶部12は、制御部11による制御に必要な情報など、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部12は、例えば、制御部11が処理した結果を記憶したり、制御部11の制御により収集された情報を記憶したりするとともに、当該記憶した内容を制御部11に供給する。特に、本実施形態において、記憶部12は、負荷機器22A〜22Dの消費電力に関する情報を記憶する。ここで、負荷機器22A〜22Dの消費電力に関する情報とは、後述するように、例えば負荷機器22A〜22Dの消費電力を低減する動作モードにおける消費電力に関する情報とすることができる。また、後述のように、記憶部12は、各種の制御信号も記憶する。
変圧部13A〜13Cは、入力される直流電力の電圧を昇圧または降圧する昇降圧回路である。図1に示すように、変圧部13Aは、太陽光発電部30と電力変換部14との間を中継するように接続される。この変圧部13Aは、太陽光発電部30の発電電力を適切な電圧に変圧し、適宜変圧した電力を電力変換部14に出力する。また、変圧部13Bは燃料電池発電部40と電力変換部14との間を中継するように接続される。この変圧部13Bは、燃料電池発電部40の発電電力を適切な電圧に変圧し、適宜変圧した電力を電力変換部14に出力する。また、変圧部13Cは蓄電池50と電力変換部14との間を中継するように接続される。変圧部13Cは、蓄電池50に充電される電力を適切な電圧に変圧するとともに、蓄電池50が放電する電力を適切な電圧に変圧する。
図1に示すように、電力変換部14は、変圧部13A、変圧部13B、および変圧部13Cの出力をまとめて系統連系することができるように、変圧部13A、変圧部13B、および変圧部13Cの出力をまとめて電力変換部14に接続する。電力変換部14は、複数の分散電源の直流電力をまとめて系統連系するために、交流に変換する回路である。また、電力変換部14は、電力系統から供給される交流電力を、例えば蓄電池50に充電する等のために直流に変換することもできる。
また、図1に示すように、電力制御装置10は、分電盤20から負荷機器22A〜22Dに流れる電流を検出するための電流センサ15を備えている。電流センサ15は、CT(Current Transformer)など、任意の電流センサなどにより構成することができる。このようにして、電流センサ15が検出した結果は、制御部11に通知される。したがって、制御部11は、電流センサ15の検出結果を認識することができる。
本実施形態において、電流センサ15は、電力検出部として、分散電源(30,40,50)により供給される電力を使用する負荷機器22A〜22Dの消費電力を検出する。しかしながら、本実施形態において、電力検出部は、負荷機器22A〜22Dに供給される電力を検出できるものであれば、電流センサ15のように電流を検出するものである必要はなく、任意の手段により構成してよい。また、本実施形態において、電力検出部は、負荷機器22A〜22Dに供給される電力を検出できるものであれば、電流センサ15の位置に設置する必要もなく、任意の位置に設けてよい。
さらに、図1に示すように、電力制御装置10は、分散電源30,40,50の直流電力をまとめた電力の電流を検出するための電流センサ16を備えている。この電流センサ16は、電力制御装置10から負荷機器22A〜22Dに供給することができる電力、すなわち分散電源の出力をまとめたものを検出する。電流センサ16も、CTなど任意の電流センサなどにより構成することができる。このようにして、電流センサ16が検出した結果は、制御部11に通知される。したがって、制御部11は、電流センサ16の検出結果を認識することができる。
したがって、本実施形態において、電流センサ16は、供給電力検出部として、分散電源(30,40,50)が供給可能な電力を検出する。しかしながら、本実施形態において、供給電力検出部は、分散電源(30,40,50)が供給可能な電力を検出できるものであれば、電流センサ16のように電流を検出するものである必要はなく、任意の手段により構成してよい。また、本実施形態において、供給電力検出部は、分散電源(30,40,50)が供給可能な電力を検出できるものであれば、電流センサ16の位置に設置する必要もなく、任意の位置に設けてよい。
送受信部17は、PCSリモコン60からの制御信号を受信し、また、制御部11による制御により生成される各種の制御信号を発信する。この送受信部17が送受信する制御信号は、例えば赤外線によるものとすることができる。さらに、本実施形態において、送受信部17から送信される制御信号は、負荷機器22A〜22Dを遠隔制御することもできる。したがって、本実施形態において、負荷機器22A〜22Dとして示した各家電製品は、それぞれに用意された専用のリモコン端末によって遠隔操作できるのみならず、電力制御装置10の送受信部17から発信される制御信号によっても制御することができる。このように、本実施形態において、受送信部17は、信号送信部として、後述するように、負荷機器22A〜22Dを遠隔操作して負荷機器22A〜22Dの消費電力を変化させる制御信号を出力する。このために、電力制御装置10の送受信部17は、信号受信部として、負荷機器22A〜22Dを遠隔操作するための、それぞれ専用リモコン端末が出力する制御信号を受信可能に構成する。また、電力制御装置10は、このようにして受信した制御信号を、記憶部12に記憶することができる。
このような遠隔操作を実現するためには、各負荷機器22A〜22Dが、赤外線による遠隔制御に対応している必要がある。現在、赤外線による遠隔制御に対応している家電製品は非常に多くあるが、負荷機器22A〜22Dのうち赤外線による遠隔制御に対応していないものがある場合、赤外線の受信部を含むインタフェースなどの手段を追加する。このような、簡易なインタフェースを設置することにより、負荷機器22A〜22Dは、赤外線によって消費電力を変化させることができるものとする。
また、本実施形態において、電力制御装置10および各負荷機器22A〜22Dは、家屋などの屋内で使用することを想定しているが、これらが部屋を隔てて設置されている場合も想定される。このような場合、送受信部17から発信される制御信号が、各負荷機器22A〜22Dに届かないことも考えられる。そのような場合、家屋などの屋内において、赤外線による制御信号を中継するリピータなどの装置を設置することにより、各負荷機器22A〜22Dが制御信号を受信できるようにする。
電力制御装置10は、電力変換部14と系統との間に、開閉器18を備えている。この開閉器18を開状態にすることで、電力制御装置10は、系統から解列されるようにすることができる。
図1に示すように、本実施形態において、電力制御装置10は、PCSリモコン60によって遠隔操作することができる。以下、PCSリモコン60について、さらに説明する。
PCSリモコン60は、送受信部61と、表示部62と、操作部63と、制御部64と、記憶部65と、を備えている。このPCSリモコン60は、電力制御装置10専用のリモコン端末としてもよいし、例えばスマートフォンやタブレット型コンピュータのような端末を用いて実現してもよい。
送受信部61は、電力制御装置10の送受信部17に対して、例えば赤外線による制御信号の送受信を行う。このように、電力制御装置10とPCSリモコン60との間の制御信号の送受信は無線による送受信を想定しているが、送受信部61と送受信部17との間を有線としてもよい。
表示部62は、各種の情報を利用者に通知するために表示し、例えばLCDや有機ELディスプレイなどで構成することができる。特に、本実施形態においては、表示部62は、電力制御装置10が制御する電力の各種情報、例えば各分散電源30,40,50の給電状況や、各負荷機器22A〜22Dの消費電力の状況などを表示することができる。
操作部63は、操作キーまたはタッチパネルなどにより構成し、利用者の各種操作を検出する。利用者は、この操作部63を操作することにより、電力制御装置10が行う電力制御を変更したり、また後述のように、停電などによる電力制御装置10の自立運転時に、各負荷機器22A〜22Dを遠隔制御することができる。
制御部64は、PCSリモコン60全体を制御および管理するものであり、例えばプロセッサにより構成することができる。本実施形態において、制御部64は、例えば電力制御装置10に対する赤外線による制御信号を生成するための制御などを行う。
記憶部65は、制御部64による制御に必要な情報など、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部65は、例えば、制御部64が処理した結果を記憶したり、制御部64の制御により収集された情報を記憶したりするとともに、当該記憶した内容を制御部64に供給する。特に、本実施形態において、記憶部65は、電力制御装置10を介して負荷機器22A〜22Dを遠隔制御することにより消費電力を制御するための各種の制御信号を記憶する。
その他、本実施形態に係る電力制御装置10は、操作者が操作入力を行うための操作部を備えてもよい。さらに、本実施形態に係る電力制御装置10は、当該装置による制御内容および各種の通知を表示するための表示部を備えてもよい。これらの操作部および/または表示部は、電力制御装置10の筐体表面に配置されるようにしてもよいし、電力制御装置10の外部にリモートコントローラのような端末として配置されるようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る省電力制御について説明する。
本実施形態においては、例えば停電などにより系統から電力の供給が途絶えて自立運転している時、電力制御装置10は、電力制御システム1が全体としてダウンしてしまうのを回避するために、負荷機器22A〜22Dの消費電力を各種の情報に基づいて制御する。このように、負荷機器22A〜22Dの消費電力を制御する際に利用する各種のデータは、例えば省電力テーブルとして、記憶部12に記憶しておく。
図2は、記憶部12に記憶された省電力テーブルの例を示す図である。
図2に示すように、負荷機器22A〜22Dの消費電力を制御する際は、例えば、(1)負荷機器22A〜22Dにおける消費電力の制御対象としての優先順位、(2)負荷機器22A〜22Dのそれぞれについての省電力レベル、を規定しておくことができる。
すなわち、自立運転時に、現在の供給電力では負荷機器22A〜22Dの消費電力を賄いきれないと判断される場合、電力制御装置10は、図2に示すように、まずエアコンの消費電力を抑えるように制御する。そして、エアコンの消費電力を抑えてもなお負荷機器の消費電力を賄いきれないと判断される場合、電力制御装置10は、次に、テレビの消費電力を抑えるように制御する。さらに、テレビの消費電力を抑えてもなお負荷機器の消費電力を賄いきれないと判断される場合、電力制御装置10は、次に、照明の消費電力を抑え、それでもまだ不足する場合には冷蔵庫の消費電力を抑えるように制御する。
また、上述のように例えばエアコンの消費電力を抑えるように制御する場合、エアコンの動作のオン/オフのみを制御するのではなく、図2に示すように、省電力のレベルをいくつかの段階に分けて制御を行うのが好適である。このように省電力のレベルをいくつかの段階に分けた場合において、各負荷機器の各省電力のレベルにおける動作態様を、以下、適宜「動作モード」と称する。
例えば、図2に示すエアコンについては、消費電力を抑制しないレベル(フル)の「通常モード」から、省電力レベル1の「エコモード」、省電力レベル2の「温度調整モード」、省電力レベル3の「除湿のみモード」、という順に消費電力を抑制する。また、図2に示すテレビについては、消費電力を抑制しないレベル(フル)の「通常モード」から、省電力レベル1の「エコモード」、省電力レベル2の「白黒モード」、省電力レベル3の「画面縮小モード」、という順に消費電力を抑制する。また、図2に示す照明については、消費電力を抑制しないレベル(フル)の「通常モード」から、省電力レベル1の「エコモード」、省電力レベル2の「白熱球消灯モード」、省電力レベル3の「非常灯のみモード」、という順に消費電力を抑制する。さらに、図2に示す冷蔵庫については、消費電力を抑制しないレベル(フル)の「通常モード」から、省電力レベル1の「エコモード」、省電力レベル2の「冷蔵抑制モード」、という順に消費電力を抑制する。
図2に示した例においては、省電力レベルは、1から3まで設定してあるが、利用者の嗜好または各負荷機器22A〜22Dの特性などに応じて、任意の段階で設定することができる。また、いずれの負荷機器22A〜22Dにおいても、消費電力の制御の最終段階として、最大の省電力レベル(省電力レベルX)として、負荷機器の電源をオフにして消費電力をゼロにするように設定する。
また、図2に示すような消費電力の制御を行うことにより、どの程度の消費電力が削減できるのかを示す期待値(省エネ期待値)が、各動作モードの欄の下側に記されている。例えば、図2に示す「照明」は、エコモードにすると通常よりも10Wの消費電力の削減になり、白熱球消灯モードにすると通常よりも20Wの消費電力の削減になり、非常灯のみモードにすると通常よりも30Wの消費電力の削減になる。また、省電力レベルXの全消灯にすると、100Wの消費電力の削減になることから、この照明は、通常モードにおいては、消費電力が100Wであることが分かる。図2に示す省電力テーブルにおいて「省電力レベルX」とは、各機器の省電力レベルが最大となることを意味し、通常は各機器の電源をオフ状態にすることを意味する。
図2に示した省電力テーブルは、種々の態様で提供することが想定できる。例えば、図2に示した省電力テーブルにおいて利用者が優先順位および省電力レベルを設定する際に、各負荷機器22A〜22Dそれぞれに与えられた仕様に基づいて、利用者自らが入力するようにしてもよい。この場合、例えば、各負荷機器22A〜22Dにはそれぞれいくつかの省電力モードが予め用意され、それぞれの省電力モードにおいて抑制が見込まれる消費電力を、製品情報として提供することが考えられる。
また、電力制御装置10において負荷機器22A〜22Dの消費電力を制御する場合、電力制御装置10は、負荷に供給される消費電力を把握することができる。したがって、電力制御装置10において各負荷機器22A〜22Dの電力を実際に各省電力レベルで抑制させて、当該抑制された消費電力を、特定の負荷機器および省電力レベルと関連付けるようにしてもよい。
さらに、本実施形態において、記憶部12は、各負荷機器22A〜22Dがそれぞれの省電力レベルで動作するように制御する制御信号を記憶する。これにより、電力制御装置10は、制御部11の制御によって送受信部17から制御信号を発信することにより、各負荷機器22A〜22Dがそれぞれの省電力レベルで動作するように制御することができる。
このような制御を実現するために、制御部11は、各負荷機器22A〜22Dの専用のリモコン端末から発信される信号をそれぞれの機器のそれぞれの省電力レベルについて学習することにより、当該学習した制御信号のパターンを記憶部12に記憶する。この場合、利用者は、例えばエアコン22B専用のリモコン端末を電力制御装置10の送受信部17に向けて、エアコン22Bをそれぞれの省電力レベルで動作させる際の操作を行い、出力された信号を電力制御装置10が学習するようにできる。このような学習動作を、各負荷機器22A〜22Dのそれぞれについて、それぞれの省電力レベルごとに行う。このようにして、電力制御装置10は、送受信部17から赤外線による制御信号を出力することにより、各負荷機器22A〜22Dのそれぞれを、それぞれの省電力レベルで動作させることができる。
次に、制御部11は、上述のように学習して記憶部12に記憶した制御信号のそれぞれについて、PCSリモコン60から発信して電力制御装置10が受信する制御信号を対応付ける。すなわち、電力制御装置10が各負荷機器22A〜22Dのそれぞれを各省電力レベルで動作させる制御信号の数だけ、PCSリモコン60から発信して電力制御装置10が受信する制御信号を対応付ける。ここで、PCSリモコン60から発信される制御信号は、各負荷機器22A〜22Dの専用のリモコン端末から発信される信号とは異なる信号にして、電力制御装置10のみが認識可能な信号にするのが好適である。
このようにすれば、利用者がPCSリモコン60を用いて制御信号を発信した場合、当該制御信号によっては各負荷機器22A〜22Dの動作は制御されず、電力制御装置10のみが当該制御信号を認識することができる。このような制御信号を受信した電力制御装置10は、学習により当該制御信号に対応付けられて記憶部12に記憶された制御信号を判別し、この制御信号を送受信部17から出力する。このようにして電力制御装置10の送受信部17から送信された制御信号により、負荷機器22A〜22Dのそれぞれを各省電力レベルで動作させることができる。
このように、本実施形態において、電力制御装置10は、負荷機器22A〜22Dを遠隔操作するための(例えば専用の)リモコン端末が出力する制御信号を受信可能な信号受信部17を備える。また、本実施形態において、制御部11は、信号受信部17が(例えば負荷機器22A〜22D専用のリモコン端末から)受信した制御信号を学習して信号送信部17から(負荷機器22A〜22Dに)送信可能にする機能を有する。
次に、電力制御装置10の動作について説明する。
上述したように、本実施形態において、電力制御装置10の制御部11は、例えば停電などの自立運転時に、負荷機器22A〜22Dの消費電力を調節する。すなわち、制御部11は、自立運転時に、負荷機器22A〜22Dを遠隔操作して消費電力を変化させる制御信号を出力するように信号送信部17を制御する。このように、制御部11は、負荷機器22A〜22Dを遠隔操作して、当該負荷機器22A〜22Dの消費電力を変化させる。
図3は、本実施形態に係る電力制御装置10の動作の例を説明するフローチャートである。
図3に示す動作が開始する時点は、例えば停電の発生などにより系統からの給電が停止して、電力制御装置10が自立運転を開始した時点などとすることができる。また、図3に示す動作が開始する時点では、太陽光発電部30、燃料電池発電部40、および蓄電池50から供給される電力は、少なくともゼロではないものとする。さらに、図3に示す動作の開始時点において、図2に示した省電力テーブル、ならびに負荷機器22A〜22Dを遠隔操作する制御信号、および、これらに対応付けられてPCSリモコン60から発信される制御信号を、全て設定しておく。
一般的に、現状のパワーコンディショナのような電力制御装置においては、停電の発生などにより系統からの給電が停止すると、負荷機器22A〜22Dなどに供給される電力は、一旦全て停止する。図3に示す動作が開始した後は、電力制御装置10の動作を自立運転に切り替えてから、利用者は、一旦停止した負荷機器22A〜22Dへの電力供給を、所望に応じて再開する。このようにして負荷機器22A〜22Dに供給すべき消費電力が発生すると、電力制御装置10は、系統からの電力を得ることはできないため、分散電源30,40,50からの電力供給に頼ることになる。
図2に示す動作モードの欄において、ハッチングを付している箇所は、負荷機器22A〜22Dそれぞれの現在の動作モードを表している。すなわち、図2においては、停電の発生などにより負荷機器22A〜22Dに供給される電力が一旦全て停止した後、利用者がPCSリモコン60を用いて、負荷機器22A〜22Dの全ての動作を再開させている状態を示している。例えば、図2において、利用者は、エアコンおよび照明を通常モードで動作を再開させて、テレビおよび冷蔵庫をエコモードで動作を再開されている。
上述したように、このような動作の再開は、利用者がPCSリモコン60を用いて電力制御装置10に制御信号を発することにより行うことができる。このようにしてPCSリモコン60から制御信号を受信した電力制御装置10は、負荷機器22A〜22Dのうち対応するものの制御信号を発信する。これにより、負荷機器22A〜22Dのうち対応するものの消費電力が制御される。
このように、負荷機器22A〜22Dの少なくとも1つの動作が再開し消費電力が発生している時、制御部11は、余剰電力が所定の閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS11)。ここで、「余剰電力」とは、分散電源30,40,50から供給される電力から、現在負荷機器22A〜22Dにおいて発生している消費電力を差し引いた電力である。また、「所定の閾値」とは、電力制御装置10において電力の供給が突然途絶えることによりシステムダウンが発生することを避けるために、余剰電力に多少の余裕を持たせるためのものである。この所定の閾値は、予め定められているものであっても、または利用者が任意に設定するものであってもよい。
ステップS11において余剰電力が閾値よりも小さくない場合、当面は分散電源30,40,50から供給される電力によって、負荷機器22A〜22Dにおいて発生している消費電力の全てを賄うことができる。したがって、この場合、制御部11は、負荷機器22A〜22Dの電力制御を行うことなく自立運転を継続し、余剰電力は蓄電池50に充電する。また、この場合に、蓄電池50が満充電状態になると、それ以上余剰電力を充電することはできなくなる。したがって、このような場合、制御部11は、MPPT機能などにより、太陽光発電部30による発電を抑制したり、燃料電池発電部40による発電を抑制したりするなどの措置を取ることができる。
一方、ステップS11において余剰電力が閾値よりも小さい場合、分散電源30,40,50から供給される電力では、負荷機器22A〜22Dにおいて発生している消費電力が賄いきれなくなる恐れが大きい。したがって、このまま運転を継続すると、電力制御装置10は、やがて蓄電池50に充電された電力を使い果たし、負荷機器22A〜22Dに電力を供給できなくなる。したがって、この場合、制御部11は、負荷機器22A〜22Dの電力制御を行う必要がある。そこで、制御部11は、図2に示した省電力テーブルの優先順位にしたがって、負荷機器22A〜22Dのうち消費電力を制御する負荷機器を特定する(ステップS12)。例えば図2においては、電力制御の優先順位は1.エアコンが最も高いため、消費電力を制御する対象として、負荷機器22A〜22Dのうち最初にエアコン22Bが特定される。
ステップS12において負荷機器22A〜22Dのうち消費電力を制御する負荷機器が特定されたら、制御部11は、この電力制御によって余剰電力が上述した所定の閾値よりも大きくなるか否か判定する(ステップS13)。すなわち、ステップS13では、制御部11が、特定された負荷機器の省電力レベルを1つ上げることにより、その他の消費電力の全てを分散電源30,40,50から供給される電力によって賄うことができるか否かを判定する。例えば図2においては、通常モードからエコモードに動作モードを切り替えることにより、100Wの消費電力が抑制できる。この100Wの消費電力の抑制によって、その他の消費電力の全てを分散電源30,40,50から供給される電力によって賄うことができるか否かを判定する。
ステップS13における電力制御によって余剰電力が所定の閾値よりも大きくなると判定された場合、制御部11は、ステップS12において特定された負荷機器の省電力レベルを1つ上げる制御信号を、信号送信部17から発信する(ステップS14)。これにより、例えば図1に示したエアコン22Bは、図2に示したように動作モードが通常モードからエコモードに切り替わり、100Wの消費電力が抑制される。
ステップS14において制御信号が発信されたら、エアコン22Bの動作モードが切りかえられているため、制御部11は、記憶部12に記憶されている省電力テーブルを更新する(ステップS15)。具体的には、制御部11は、ステップS14まではエアコンの動作モードが通常モードであると識別していたが、ステップS15からは動作モードがエコモードであると識別する。すなわち、図2において、通常モードに付されていたハッチングがエコモードに付されることになる状態を表す。このようにして、電力制御装置10は、負荷機器22A〜22Dそれぞれの常に最新の動作状況と、それに伴う消費電力(および抑制される消費電力)を把握することができる。ステップS15の後はステップS11に戻り、余剰電力が閾値よりも小さいか否かの監視を継続する。
一方、ステップS13において、特定された負荷機器の電力制御によっても余剰電力が所定の閾値よりも大きくならないと判定された場合、制御部11は、ステップS12において特定された負荷機器の省電力レベルをさらに上昇する(ステップS16)。すなわち、ステップS13からステップS14の流れでは、図2におけるエアコンの動作モードをエコモードに切り替えた。一方、ステップS16においては、図2におけるエアコンの動作モードをエコモードからさらに温度調整モードに切り替えることになる。
ステップS16において負荷機器の省電力レベルを上昇したら、制御部11は、上昇させた省電力レベルが当該負荷機器における最大の省電力レベルであるか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17においてまだ最大の省電力レベルではない場合、まだ当該負荷機器の省電力レベルを上げることができる。このため、制御部11は、ステップS13に移行し、このように上昇させた省電力レベルで電力制御を行うことにより、余剰電力が上述した所定の閾値よりも大きくなるか否か判定する。
ある負荷機器の省電力レベルを上昇させることにより、余剰電力が所定の閾値よりも大きくなれば、制御部11は、それに従って制御を行う。しかしながら、ステップS17において、上昇させた省電力レベルが当該負荷機器における最大の省電力レベルに達した場合、それ以上消費電力を抑制することはできなくなる(すなわち、図2において当該負荷機器の省電力レベルXに達したことを表す)。したがって、この場合、制御部11は、図2に示した負荷機器の消費電力の制御を行う優先順位に従って、優先順位が次の負荷機器を特定する(ステップS18からステップS12)。要するに、この場合、図2においてエアコンは動作モードを電源オフにしてしまったため、次に消費電力の制御を行う負荷機器として、優先順位に従ってテレビを特定することを表している。また、図2に示すように、テレビはもともと省電力レベル1のエコモードで電力制御していたため、次に省電力レベルを上昇させる場合には、省電力レベル2の白黒モードとなる。さらに、仮にテレビも動作モードが電源オフになるまで消費電力を抑制した場合、次は、図2に示す優先順位に従って、負荷機器のうち照明22Aの消費電力を制御することになる。
このように、本実施形態において、制御部11は、分散電源30,40,50が供給可能な電力、負荷機器22A〜22Dの消費電力、および負荷機器22A〜22Dの消費電力に関する情報に基づいて、信号送信部17が制御信号を出力するように制御する。また、本実施形態において、記憶部12は、複数の負荷機器22A〜22Dの消費電力をそれぞれ変化させる制御信号を記憶するのが好適である。この場合、制御部11は、複数の負荷機器22A〜22Dに優先順位を設定するのが好適である。このようにして、制御部11は、当該優先順位に従って信号送信部17が制御信号を出力するように制御する。
ステップS15において、図2に示したような省電力テーブルを更新することについて説明したが、本実施形態において、図2のような省電力の更新の履歴も、記憶部12に記憶するのが好適である。すなわち、本実施形態において、記憶部12は、制御信号によって消費電力が変化した負荷機器22A〜22Dについて、当該制御信号によって変更される前後の動作モードを記憶するのが好適である。
このように制御することより、例えば蓄電池50に充電された電力が増大したり、または天候の回復により太陽光発電部30の発電電力が上昇した場合、制御部11は、電力を抑制した制御とは逆の手順で、電力を復旧する制御を行うことができる。すなわち、制御部11は、上述した記憶部12に記憶された動作モードに基づいて、前記制御信号によって変更される前の動作モードに対応する制御信号を出力するように制御するのが好適である。
本実施形態においては、このように負荷機器22A〜22Dの消費電力を自動的に抑制および/または復旧するように制御することができる。しかしながら、このような制御を行う際には、利用者にとって不意打ちにならないように、今後の制御の予定を含めた消費電力の制御状態を、表示部における表示または例えばスピーカからの音声などにより、利用者に通知するのが好適である。
図4は、本実施形態に係る電力制御装置10の動作の例を説明する図である。
特に、図4は、自立運転中、電力制御装置10によって、負荷機器22A〜22Dの消費電力を抑制するように制御した後、分散電源30,40,50が供給可能な電力が回復してきたため、負荷機器22A〜22Dの消費電力を復旧する制御を説明している。図4に示す各表示画面は、PCSリモコン60における表示部62の表示を想定しているが、例えば電力制御装置10が備える表示部や、他に設置された表示部の表示としてもよい。
図4(A)は、電力制御装置10が自立運転中であるが、分散電源30,40,50が供給可能な電力は5kWであり、負荷機器22A〜22Dの消費電力は2kWであることを示している。この場合、供給電力が消費電力よりも多く、余剰電力が所定の閾値よりも大きいため、負荷機器22A〜22Dのいずれもエコモードなどの電力制御はしていないことを示している。以下、図4(A)〜(F)において、全て電力制御装置10が自立運転中である場面について説明する。
図4(B)は、分散電源30,40,50が供給可能な電力は多少低下して3kWになり、負荷機器22A〜22Dの消費電力は2kWであることを示している。この場合、供給電力が消費電力よりも多いが、余剰電力が所定の閾値よりも小さくなったため、負荷機器22A〜22Dのいずれかを電力制御する準備をしていることを示している。
図4(C)は、分散電源30,40,50が供給可能な電力はさらに低下して2kWになり、負荷機器22A〜22Dの消費電力とほぼ同じになっていることを示している。この場合、まずエアコン22Bの動作モードを省電力レベルX(ここでは電源オフ)にするカウントダウンが開始する様子を表している。
図4(D)は、分散電源30,40,50が供給可能な電力は若干回復して3kWになり、負荷機器22A〜22Dの消費電力よりも大きくなった様子を表している。また、エアコン22Bを電源オフにしたため、負荷機器22A〜22Dの消費電力は図4(C)の時よりも少なくなっている。しかしながら、例えば余剰電力がまだ所定の閾値よりも小さい場合、エアコン22Bの動作モードを省電力レベルX(ここでは電源オフ)にした後、さらにテレビ22Cも省電力レベルを上昇させる(例えばその後さらに電源オフにもできる)ことを示している。
図4(E)は、分散電源30,40,50が供給可能な電力はさらに回復して4kWになり、負荷機器22A〜22Dの消費電力よりも相当程度大きくなった様子を表している。したがって、図4(E)は、図4(D)の後でテレビ22Cの電源もオフにした場合、エアコン22Bの次にテレビ22Cの消費電力を抑制したのとは逆の順序で、まずテレビ22Cの電源を復旧する準備をしていることを示している。この場合、図4(C)と同様に、テレビ22Cの電源を再びオンにするカウントダウンが開始する様子を表している。
図4(F)は、図4(E)の後でカウントダウンが行われ、テレビ22Cの電源が再びオンになった様子を表している。また、これにより、テレビ22Cの動作モードはエコモードではなく通常モードに切り替えられたことも、利用者は知ることができる。
このように、本実施形態に係る電力制御装置10によれば、電力制御装置10の自立運転時のような系統から解列された非常時に、利用者がさらに不安になるような、過負荷による電力制御システムのダウンを回避することができる。しかも、利用者は負荷機器の消費電力を意識して常に監視する必要はなく、また、発電電力を無駄にすることもない。本実施形態に係る電力制御装置10によれば、利用者は、電力制御が必要な時には表示または音声などによるアナウンス(通知)を受けることができる。したがって、電力制御に伴う心の準備を行うことができ、安心して非常時に対処することかできる。
以上、本実施形態に係る電力制御装置、および当該電力制御装置を含む電力制御システムについて説明したが、本発明は、上述したような電力制御装置における電力制御方法として実施することもできる。
また、本発明は、上述した電力制御装置10を備えるパワーコンディショナなど、各種の機器として実現することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせて実施することもできる。特に、図3で説明した本実施形態による動作は、一例を示したものであり、本発明の趣旨に沿う限り、幾多の他の動作を想定することも可能である。
また、本発明に係る電力制御装置は、自立運転時には、PCSリモコン60によって各負荷機器を制御することを想定したが、各負荷機器用に用意されたリモコン端末で操作を行うことができるようにしてもよい。この場合、各専用のリモコン端末を、電力制御装置10の送受信部17ではなく、各負荷機器に設置されたリモコン信号の受信部に向けて操作が行われると、リモコン端末によって各負荷機器を操作できてしまう。したがって、このような場合、例えば負荷機器が受信したリモコン信号を電力制御装置10も同時に受信することにより、電力制御装置10は、当該負荷機器に対して、リモコン信号をキャンセルするような制御信号を送信するようにしてもよい。