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JP2015046220A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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JP2015046220A JP2011290282A JP2011290282A JP2015046220A JP 2015046220 A JP2015046220 A JP 2015046220A JP 2011290282 A JP2011290282 A JP 2011290282A JP 2011290282 A JP2011290282 A JP 2011290282A JP 2015046220 A JP2015046220 A JP 2015046220A
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泰右 山本
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樹 平岡
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Yuki Suehiro
祐基 末弘
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Keiichi Takahashi
慶一 高橋
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Abstract

【課題】負極活物質としてケイ素酸化物を含む非水電解質二次電池において、負極にリチウムをプレドープする際に、負極の変形を抑制するとともに、リチウムの負極へのプレドープを迅速に行う。
【解決手段】正極、負極および非水電解質を具備し、負極は、負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極活物質層とを含み、負極活物質層は、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料と、SiOx(0.5<x<1.5)で表されるケイ素酸化物とを含み、負極活物質層は、ケイ素酸化物のリッチな表層部と、炭素材料のリッチな主要層とを有し、表層部における炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合が、50質量%以上であり、負極活物質層には、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムがプレドープされている、非水電解質二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケイ素酸化物と炭素材料を負極活物質として含有する非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池は、高電圧かつ高容量であることから、その発展に対して大きな期待が寄せられている。非水電解質二次電池の負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な黒鉛などの炭素材料を用いることが主流となっている。しかし、携帯用電子機器等の小型化かつ軽量化に伴い、さらなる高容量化が望まれるにつれて、炭素材料よりも高容量な合金系活物質が注目されるようになってきている。合金系活物質とは、リチウムと合金化する元素を含む材料であり、なかでもケイ素酸化物が有望視されている。
しかし、ケイ素酸化物は、リチウムと可逆的なSi−Li結合を形成するだけでなく、不可逆なSi−O−Li結合を形成するため、充放電サイクルの初期における不可逆容量が大きく、初期の充放電効率が低いという問題がある。
そこで、負極不可逆容量による容量の低下を防ぐために、ケイ素酸化物を含む負極に予め不可逆容量分のリチウムをドープすることが提案されている。例えば、特許文献1は、ケイ素を含み得る酸化物を含有する負極に、リチウムを主体とした金属箔を予め貼り付けることを提案している。金属箔中のリチウムは、その後、負極中の活物質に吸蔵され、負極不可逆容量が補充される。しかし、その際、活物質が膨張することにより、負極に変形が生じることがある。
上記のような変形を防止する観点から、特許文献2は、負極の表面に、活物質にリチウムが取り込まれる反応を抑制することのできるバッファ層を設け、ケイ素酸化物とリチウムとの急激な反応を抑制することを提案している。
特開2000−182602号公報 特開2007−242590号公報
しかし、特許文献2のようなバッファ層を負極表面に設けると、負極を非水電解質に接触させるまで、活物質とリチウムとの反応が進行しないため、負極の取り扱いが困難になる。金属リチウムは、空気に触れると酸化が進み、負極の劣化を招くためである。また、バッファ層は、リチウムと活物質との反応を抑制するものであるため、バッファ層の表面にリチウムが析出した状態で残存する可能性がある。残存した金属リチウムは、非水電解質との副反応を促進するなど、サイクル特性の劣化の原因となる。
以上に鑑み、本発明の一局面は、正極、負極および非水電解質を具備し、前記負極は、シート状負極集電体と、前記負極集電体の表面に付着した負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料と、SiOx(0.5<x<1.5)で表されるケイ素酸化物とを含み、前記負極活物質層は、前記ケイ素酸化物のリッチな表層部と、前記炭素材料のリッチな主要層とを有し、前記表層部における前記炭素材料と前記ケイ素酸化物との合計に占める前記ケイ素酸化物の割合が、50質量%以上である、非水電解質二次電池に関する。
ここで、前記負極活物質層には、電池の製造工程において、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムがプレドープされる。
本発明の別の局面は、シート状負極集電体を準備する工程と、前記負極集電体の表面に、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料を主成分として含む主要層を形成する工程と、前記主要層の表面に、SiOx(0.5<x<1.5)で表されるケイ素酸化物を主成分として含む表層部を形成することにより、前記主要層と前記表層部とを含む負極活物質層を得る工程と、前記表層部に金属リチウムを蒸着することにより、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムがプレドープされた負極を得る工程と、前記負極と、予め準備された正極と、予め準備された非水電解質を用いて、非水電解質二次電池を組み立てる工程と、を有する非水電解質二次電池の製造法に関する。
本発明においては、負極にケイ素酸化物のリッチな表層部を設けているため、表層部にリチウムを供給すると、ケイ素酸化物とリチウムとの反応が速やかに進行する。しかも、表層部の下地には、ケイ素酸化物の含有割合の小さい主要層が存在するため、ケイ素酸化物とリチウムとが急速に反応しても、その際の応力が主要層により緩和される。従って、負極の変形が起りにくい。また、ケイ素酸化物のリッチな表層部とリチウムとが直接かつ速やかに反応するため、金属リチウムが表層部に残存しにくい。従って、充放電サイクルに伴う副反応が抑制されることに加えて、電池製造時の負極の取り扱いも容易となる。
本発明の一実施形態に係る負極の断面を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る角型の非水電解質二次電池の一部を切り欠いた斜視図である。
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極および非水電解質を具備し、正極と負極は、非水電解質が含浸されたセパレータまたは多孔質膜を介して、互いに対向配置されている。
[負極]
負極は、例えばシート状の負極集電体と、負極集電体の表面に形成した負極活物質層とを含み、負極活物質層は、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料と、SiOx(0.5<x<1.5)で表されるケイ素酸化物とを含む。負極活物質層は、ケイ素酸化物のリッチな表層部と、炭素材料のリッチな主要層とを有する。表層部とは、負極活物質層のうち、正極側に配置される部位であり、主要層は、負極集電体側の部位である。負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムは、表層部から負極活物質層内にプレドープされる。
[表層部]
表層部には、ケイ素酸化物が豊富に存在するため、負極活物質層にリチウムをプレドープする際に、表層部にリチウムを供給することで、表層部を介してケイ素酸化物とリチウムとの反応が速やかに進行する。仮に、表層部に主要層と同程度の量の炭素材料が存在すると、リチウムが炭素材料の表面に析出しやすくなり、リチウムのプレドープが速やかに進行しにくくなる。特に、炭素材料が黒鉛構造を有する場合、リチウムは黒鉛のエッジ面のみから層間に挿入されるため、黒鉛のベーサル面にリチウムが析出しやすい。
表層部における炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合は、プレドープされるリチウムとケイ素酸化物とが迅速に反応可能なように、50質量%以上と大きく設定されている。表層部におけるケイ素酸化物の割合が50質量%未満では、炭素材料がケイ素酸化物とリチウムとの反応を阻害する確率が高くなり、リチウムのプレドープが迅速に進まなくなる。表層部におけるケイ素酸化物の割合が大きいほど、リチウムのプレドープがより速やかに進行し、表層部におけるリチウムの析出は起りにくくなる。
リチウムのプレドープを速やかに進行させる観点からは、表層部における炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合は、60質量%以上が好ましく、100質量%でもよい。なお、主要層側から表層部の最表面に向かって、徐々にケイ素酸化物の割合が大きくなるような濃度分布を有してもよい。
表層部の厚さは、特に限定されるわけではないが、例えば負極活物質層の厚さの40%以下であることが好ましい。この程度の厚さであれば、負極活物質層にリチウムをプレドープする際に表層部に発生する応力を、主要層において十分に緩和しやすいからである。負極活物質層に含まれるケイ素酸化物のトータル量にもよるが、負極の変形を抑制する観点からは、表層部の厚さは、薄い方が望ましく、負極活物質層の厚さの20%以下がより好ましい。一方、できるだけ高容量の負極を得る観点からは、表層部の厚さが薄すぎないことが必要であり、負極活物質層の厚さの2%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。なお、これらの上限と下限は任意に組み合わせ得る。
表層部は、負極活物質であるリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料とケイ素酸化物の他に、様々な材料を含み得るが、例えば、表層部の80質量%以上は、負極活物質としてのリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料とケイ素酸化物で構成される。例えば、結着剤、増粘剤のような樹脂成分や、炭素繊維、カーボンブラックのように活物質として機能しない炭素材料などが、20%以下含まれてもよい。
[主要層]
主要層は、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料を主成分とする部位であり、負極活物質層の要部を構成する。主要層は、活物質として、炭素材料だけを含む構成でもよく、活物質として炭素材料とケイ素酸化物とを含む構成でもよく、更にその他の活物質材料を含む構成でも良い。すなわち、主要層におけるケイ素酸化物の割合は0質量%でもよい。負極活物質にリチウムをプレドープする際の負極の変形を抑制する観点からは、主要層において炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
[負極活物質層]
負極活物質層において、炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合は、トータルで1〜30質量%とすることが好適である。このような範囲であれば、負極の高容量化を達成しつつ、ケイ素酸化物の膨張と収縮による応力を十分に緩和することができるため、リチウムがプレドープされるときだけでなく、充放電サイクルを繰り返す際にも、負極の変形が起りにくくなる。また、ケイ素酸化物と非水電解質との反応によるガス発生も抑制される。なお、負極活物質の主成分は炭素材料であるが、ケイ素酸化物は、炭素材料に比べると極めて容量が大きいため、負極活物質全体に占めるケイ素酸化物の量が上記のように比較的少なくても、負極容量の向上に大きく寄与することができる。
充放電サイクルを繰り返す際の負極の変形や電池の劣化を抑制する観点からは、負極活物質層全体に含まれる炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合は、トータルで30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。一方、できるだけ高容量の負極を得る観点からは、ケイ素酸化物の割合は、トータルで3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。これらの上限と下限は任意に組み合わせ得る。
負極活物質層の厚さ、すなわち主要層と表層部との合計厚さは、特に限定されないが、容量とレート特性とのバランスを確保する観点から、例えば10μm以上、150μm以下であることが好ましい。
[リチウムのプレドープ]
負極活物質層には、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムがプレドープされている。プレドープされるリチウム量は、充放電初期の負極不可逆容量と一致させてもよく、不可逆容量より多く、または少なくしてもよい。
ケイ素酸化物の不可逆容量は、充電容量(理論容量)の30〜50%程度で、炭素材料とケイ素酸化物との合計に占めるケイ素酸化物の割合が10質量%程度の場合でも、相当量が不可逆容量となり得る。プレドープされるリチウム量は、負極の不可逆容量ΔCnの30〜200%程度に制御すればよい。ただし、上記の理論容量と不可逆容量との関係は、時間率0.1Cの電流値で、25℃で電池の充放電を行った場合の数値である。
リチウムのプレドープは、どのような方法で行ってもよい。例えば、負極活物質層の表層部に金属リチウム箔を貼り付けてもよい。また、表層部から速やかにリチウムが負極活物質内に取り込まれる点で、蒸着法が好ましい。リチウムの蒸着は、例えば、真空雰囲気下で、抵抗加熱蒸着装置などを用いて行うことができる。具体的には、抵抗加熱蒸着装置内の蒸着源にリチウムを装填し、負極活物質層が蒸着源を臨むように負極を固定し、蒸着源の容器に電流を通電して蒸着させる。負極が長尺のフープ状であれば、フープから一定の速度で負極を巻き出し、蒸着源の上方を通過させ、その後、巻き取りロールで負極を巻き取ることにより、リチウムの蒸着を連続的に行うことができる。
(負極活物質)
ケイ素酸化物および炭素材料の形態は限定されないが、ケイ素酸化物は導電性が乏しいため、出力特性及びサイクル特性を確保するためには、導電性を有する炭素材料との接触を確保し、活物質層内に導電ネットワークを形成する必要がある。従って、ケイ素酸化物と炭素材料は、混合もしくは複合化された状態で主要層または表層部に充填されていることが望ましい。
混合もしくは複合化された状態とは、特に限定されないが、例えば、(i)炭素材料により形成される隙間にケイ素酸化物が充填されている状態や、(ii)ケイ素酸化物により形成される隙間に炭素材料が充填されている状態や、(iii)炭素材料とケイ素酸化物とが造粒されて複合粒子を形成している状態などが挙げられる。また、ケイ素酸化物の表面を炭素材料で被覆してもよい。
上記(i)の状態は、例えば、ケイ素酸化物粒子の平均粒径を炭素材料の平均粒径よりも小さくすることにより、より容易に達成できる。また、上記(ii)の状態は、例えば、炭素材料の平均粒径をケイ素酸化物の平均粒径よりも小さくすることにより、より容易に達成できる。これらの場合、炭素材料としては、黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素などの粒状物質を用いることが好ましい。
上記(iii)の状態は、例えば、ケイ素酸化物の少なくとも一部と、炭素材料の少なくとも一部とが、互いに凝集して複合粒子を形成している状態である。複合粒子は、例えば、SiOx粉末と炭素材料とを、ボールミルなどのせん断力を印加できる攪拌装置や流動床で攪拌したり、SiOx粉末と炭素材料とを含むスラリーを噴霧乾燥させたりすることにより得られる。SiOxと複合化される前の炭素材料としては、黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、非晶質炭素などの粒状物質を用いることができる。
噴霧乾燥や流動床を用いる場合には、SiOx粉末と炭素材料の前駆体とを複合化させ、その後、複合化した材料を加熱して、前駆体を炭化または黒鉛化させてもよい。前駆体には、例えば、ピッチ、タールなどを用いることができる。
(ケイ素酸化物)
SiOx(0.5<x<1.5)は、微結晶または非晶質であることが好ましい。微結晶または非晶質のケイ素酸化物を用いることで、ケイ素酸化物の微粉化を抑制しやすくなる。また、ケイ素元素に対する酸素のモル比:xを0.5<x<1.5とすることで、高い容量を確保しつつ、ケイ素酸化物の微粉化を抑制しやすくなる。また、このようなケイ素酸化物を用いることで、その膨張や収縮をより抑制しやすく、サイクル特性の向上に有利である。上記のようなケイ素酸化物は、非晶質のSiO2マトリックスと、そのマトリックス中に分散する微結晶または非晶質のケイ素とで構成されていると考えられる。
負極活物質層に含まれるケイ素酸化物は、平均粒径0.2〜20μm、更には1〜15μmの粒状物質であることが好ましい。ケイ素酸化物がこのような粒径範囲を有する場合、その微粉化を抑制することが容易となり、かつ比表面積が十分であるため、活物質利用率やレート特性も確保しやすい。また、比表面積が十分に小さくなるため、ガス発生も抑制される。
(炭素材料)
リチウムイオンを吸蔵および放出可能な炭素材料としては、人造黒鉛、天然黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、非晶質炭素などが挙げられる。これらは単独で用いても良く、複数種を併用してもよい。
負極活物質層に含まれる炭素材料は、高容量化の観点から、平均粒径1〜30μm、更には5〜20μmの粒状物質を含むことが好ましい。また、当該炭素材料の粒状物質は、黒鉛、難黒鉛化炭素および易黒鉛化炭素よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、少なくとも黒鉛を含むことがより好ましい。このような炭素材料を用いる場合、高容量を得やすくなる。
炭素材料に占める粒状物質の割合は、高容量化の観点から、60質量%以上、更には80質量%以上であることが好ましく、100%でもよい。粒状物質以外の炭素材料としては、ケイ素酸化物の表面を被覆する炭素材料が挙げられる。
[製造方法]
次に、図1を参照しながら負極および電池の製造方法の一例について説明する。
工程(i)
まず、シート状負極集電体10を準備する。負極集電体10は、特に限定されないが、例えば銅箔、銅合金箔などが好ましく用いられる。
工程(ii)
次に、負極集電体10の表面に、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料を主成分として含む主要層を形成する。具体的には、まず、炭素材料を必須成分として含み、ケイ素酸化物、結着剤、増粘剤などを任意成分として含む第1スラリーを調製する。スラリーの分散媒としては、水、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒が好ましく用いられる。そして、第1スラリーを負極集電体10の片面または両面に塗布し、乾燥させることにより、炭素材料がリッチな主要層20を形成する。乾燥後の主要層20をローラなどで圧延してもよい。
結着剤としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ゴム粒子などが用いられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など挙げられ、ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ゴム粒子としては、スチレンブタジエン系ゴムが好ましい。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)などが用いられる。
工程(iii)
次に、主要層の表面に、ケイ素酸化物を主成分として含む表層部を形成する。具体的には、まず、ケイ素酸化物を必須成分として含み、炭素材料、結着剤、増粘剤などを任意成分として含む第2スラリーを調製する。スラリーの分散媒は、第1スラリーと同じでもよく、相違してもよい。そして、第2スラリーを主要層20の表面に塗布し、乾燥させることにより、ケイ素酸化物がリッチな表層部30を形成する。乾燥後の表層部30は主要層20とともにローラなどで圧延し、主要層20と表層部30との積層体である活物質層40の密度を調整することが好ましい。
工程(iv)
次に、表層部に金属リチウムを蒸着することにより、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムをプレドープする。例えば真空雰囲気下で、抵抗加熱蒸着装置を用いて、負極活物質に所定量のリチウムの蒸気を供給すればよい。
工程(v)
上記の要領で得られた負極50と、予め準備された正極と、予め準備された非水電解質とを用いて、非水電解質二次電池を組み立てる。例えば、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて、積層または捲回し、電極群を構成する。得られた電極群を、非水電解質とともに電池ケースに収容し、電池ケースを密閉すれば、電池が完成する。
図2は、角型の非水電解質二次電池の一例であり、一部を切り欠いた斜視図で示されている。電池100は、角型電池ケース4内に扁平状電極群1および非水電解質が収容された角型電池である。電極群1は、正極と負極とを、セパレータを介在させて捲回し、捲回体を扁平状にプレス成形することにより得られる。まず、正極と、正極端子としての機能を有する封口板5とを正極リード2により接続し、負極と、封口板5の中央部に設けられた負極端子6とを負極リード3により接続する。なお、封口板5と負極端子6との間はガスケット7により絶縁されている。その後、電極群1を電池ケース4に収容する。そして、封口板5により電池ケース4の開口を塞ぎ、溶接により封口板5を電池ケースの開口端に接合する。封口板5には図示しない注液孔が形成されているので、注液孔から非水電解質を電池ケース4内に注液し、最後に注液孔を封栓8により塞ぐことで電池が完成する。
[正極]
正極は、シート状正極集電体と、正極集電体の表面に付着した正極活物質層とで構成されている。正極活物質層は、正極活物質と、結着剤とを必須成分として含み、導電材、増粘剤等を任意成分として含み得る。正極活物質層は、正極活物質と結着剤と分散媒である液状成分とを混合して得られるスラリーを、正極集電体の一方または両方の表面に塗布し、塗膜を乾燥することにより得られる。塗膜の厚さや密度は、圧延により制御される。
正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物が好ましく用いられる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、層状構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO2)およびこれと同様の結晶構造を有する材料や、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn24)およびこれと同様の結晶構造を有する材料が知られている。本発明では公知の材料を特に制限なく用いることができる。正極の結着剤としては、特に限定されないが、フッ素樹脂が好ましく用いられる。正極の導電材としては、特に限定されないが、カーボンブラック、カーボンナノファイバ、黒鉛などが用いられる。
[非水電解質]
非水電解質としては、リチウム塩を溶解した非水溶媒を用いることが望ましい。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などの環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などの鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステルなどが用いられる。また、1、2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1、3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、ジエチルエーテル、1、3−プロパンサルトンなどを用いることもできる。これらは複数種を組み合わせて用いることが好ましい。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22などを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。なかでも、高容量を得る観点からはLiPF6を用いることが好ましく、サイクル特性を向上させる効果を高める観点から、更にLiN(C35SO22および/またはLiBF4を、LiPF6に対して1〜50モル%の割合で併用してもよい。非水電解質におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5〜2mol/Lである。
非水電解質には、上記の他に、不飽和環状カーボネートを添加することが好ましい。不飽和環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネートなどが挙げられる。
[セパレータ]
非水電解質二次電池は、正極と負極との間に、セパレータもしくは多孔質膜を具備する。
セパレータとしては、特に限定されないが、ポリオレフィン製の微多孔膜や不織布が好ましく用いられる。微多孔膜とは、一軸延伸や二軸延伸を経て製造された樹脂シートであり、その厚さは、例えば5〜30μmであり、10〜20μmが好ましい。
多孔質膜としては、例えば、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の耐熱性樹脂を含む有機系多孔質膜または無機酸化物粒子と樹脂結着剤とを含む無機系多孔質膜が挙げられる。
有機系多孔質膜は、耐熱性樹脂の他に、25〜80質量%の無機酸化物粒子を含んでもよい。ただし、有機系多孔質膜に含まれる無機酸化物は、流動性を有さない。耐熱性樹脂のうちでは、ポリアミドが好ましく、強度と柔軟性のバランスの良さから、芳香族ポリアミド(アラミド)が更に好ましい。有機系多孔質膜の厚さは0.5〜15μmが好ましく、0.5〜10μmが更に好ましい。
無機系多孔質膜は、無機酸化物粒子を主成分とする膜であり、無機酸化物粒子の含有量は、例えば90〜99質量%である。無機酸化物粒子は、樹脂結着剤により相互に接着されるとともに、電極表面やセパレータに接着されている。無機系多孔質膜に含まれる無機酸化物は、流動性を有する。樹脂結着剤としては、フッ素樹脂(例えばポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン)、アクリル樹脂、ゴム粒子(例えばスチレンブタジエン系ゴム)などを用いることができるが、これらに限定されない。無機系多孔質膜の厚さは0.5〜10μmが好ましく、2〜7μmが更に好ましい。
有機系または無機系の多孔質膜に含まれる無機酸化物粒子としては、平均粒径が0.05〜5μm、例えば0.1〜2μmのアルミナ、チタニア、マグネシア、シリカなどが、安価であり、かつ化学的安定性に優れている点で好ましい。
なお、本発明において、活物質、無機酸化物などの平均粒径は、いずれも体積基準の粒度分布における累積体積が50%になるメジアン径であり、例えばレーザ回折式の粒度分布測定装置により測定することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(i)負極
粒子表面が炭素で被覆されたSiO粒子(x=1、平均粒径:5μm、炭素被覆量5質量%)X(0≦X≦20)質量部と、黒鉛粒子(平均粒径:20μm)(100−X)質量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム(SBR)1質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース適量と、適量の純水とを、ミキサーで混合し、第1スラリーを調製した。第1スラリーを厚さ15μmの銅箔からなる集電体シートの片面に塗布し、乾燥させ、炭素材料のリッチな主要層を形成した。
SiO粒子Y(50≦Y≦100)質量部と、黒鉛粒子(100−Y)質量部と、結着剤であるポリアミドイミド樹脂を7質量部と、適量のNMPとを、ミキサーで混合し、第2スラリーを調製した。第2スラリーを主要層の上に塗布し、乾燥させ、ケイ素酸化物のリッチな表層部を形成した。
負極活物質層に対し、抵抗加熱蒸着装置を用いて、真空雰囲気中で、リチウムを蒸着させた。リチウム蒸着量は不可逆容量を負極の理論容量から推定して、その不可逆容量分に一致させた。このようにして得た負極を21mm×21mmのサイズで端部にリード取り付け部を有する形状に裁断した。リード取り付け部の活物質層を剥離し、剥離部分にポリプロピレン(PP)製タブを有するニッケルリードを抵抗溶接で接合した。
(ii)正極
LiNi0.80Co0.15Al0.052を100質量部と、アセチレンブラック2質量部と、ポリフッ化ビニリデン2質量部と、適量のNMPとを、ミキサーで混合し、正極合剤スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのAl箔からなる集電体シートの片面に塗布し、乾燥させ、圧延して、正極を得た。正極の厚みは70μmとした。得られた正極を20mm×20mmのサイズで端部にリード取り付け部を有する形状に裁断し、リード取り付け部の活物質層を剥離し、剥離部分にポリプロピレン(PP)製タブを有するアルミニウムリードを超音波溶接で接合した。
正極/負極の可逆容量の比は1.1になるように設計した。
(iii)非水電解質
EC/EMCの体積比が2/8の混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させ、非水電解質を調製した。
(iv)電極群
上記の正極と負極とを、厚さ20μmのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して正極活物質層と負極活物質層とを対向させて、電極群を構成した。得られた電極群をAlラミネートシートからなる筒状体に挿入し、筒状体の一方の開口端部にPP製タブを位置合わせして熱溶着することにより、当該開口端部をシールした。その後、他方の開口端部から0.4mlの非水電解質を電池ケースに加え、真空下でその開口端部を熱溶着によりシールした。
上記のような工程を経て、ラミネート型電池10〜16を完成させ、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
X、Y、負極活物質層の厚さTに対する表層部の厚さtの割合は、表1のように調整した。負極活物質層全体における黒鉛とSiOの合計に占めるSiOの割合Z(質量%)も表1に示す。
[評価]
(a)サイクル特性
45℃環境下で、下記条件で充放電を繰り返した。
定電流充電:充電電流0.7C/充電終止電圧4.2V
定電圧充電:充電電圧値4.2V/充電終止電流0.05C
定電流放電:放電電流0.7C/放電終止電圧2.5V
そして、100サイクル目の放電容量の1サイクル目の放電容量に対する割合を求めた。
(b)負極変形の有無
充電状態の電池を分解し、負極の外観を観察した。変形が認められない場合:○、若干の変形が見られる場合:△、明らかに変形が見られる場合:×の表示を表1に示す。
(c)リチウム吸蔵の有無
負極活物質層にリチウムを蒸着後、活物質層にリチウムが吸蔵された場合:○、多少の吸蔵が確認された場合:△、活物質層の表面にほとんどの金属リチウムが残存していた場合:×の表示を表1に示す。
Figure 2015046220
電池10、13、15を、電池11、12、14、16と比較すると、トータルのケイ素酸化物量が同程度であっても、表層部のケイ素酸化物量が多い場合の方が、負極変形を抑制でき、サイクル特性が向上することが確認された。さらに、表層部のケイ素酸化物量が多い場合の方が、リチウムをプレドープする際に、負極活物質層にスムーズにリチウムが吸蔵されることも確認された。
上記結果より、本発明によれば、サイクル特性を向上させることができ、電池製造時の負極の取り扱いも容易になることが示された。
本発明の非水電解質二次電池は、高容量でサイクル特性に優れることから、携帯電子機器用電源の他、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車、家庭用電力貯蔵装置などに適用できる。
1:電極群、2:正極リード、3:負極リード、4:角型電池ケース、5:封口板、6:負極端子、7:ガスケット、8:封栓、10:負極集電体、20:主要層、30:表層部、40:活物質層、50:負極、100:電池

Claims (6)

  1. 正極、負極および非水電解質を具備し、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の表面に付着した負極活物質層とを含み、
    前記負極活物質層は、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料と、SiOx(0.5<x<1.5)で表されるケイ素酸化物とを含み、
    前記負極活物質層は、前記ケイ素酸化物のリッチな表層部と、前記炭素材料のリッチな主要層とを有し、
    前記表層部における前記炭素材料と前記ケイ素酸化物との合計に占める前記ケイ素酸化物の割合が、50質量%以上である、非水電解質二次電池。
  2. 前記負極活物質層には、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムがプレドープされている、請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記負極活物質層において、前記炭素材料と前記ケイ素酸化物との合計に占める前記ケイ素酸化物の割合がトータルで1〜30質量%である、請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記表層部の厚さが、前記負極活物質層の厚さの20%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記主要層における前記炭素材料と前記ケイ素酸化物との合計に占める前記ケイ素酸化物の割合が、0質量%または10質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項記載の非水電解質二次電池。
  6. 負極集電体を準備する工程と、
    前記負極集電体の表面に、リチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料を主成分として含む主要層を形成する工程と、
    前記主要層の表面に、SiOx(0.5<x<1.5)で表されるケイ素酸化物を主成分として含む表層部を形成することにより、前記主要層と前記表層部とを含む負極活物質層を得る工程と、
    前記表層部に金属リチウムを蒸着することにより、負極不可逆容量の少なくとも一部に相当する量のリチウムがプレドープされた負極を得る工程と、
    前記負極と、予め準備された正極と、予め準備された非水電解質とを用いて、非水電解質二次電池を組み立てる工程と、を有する、非水電解質二次電池の製造法。
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