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JP2014117205A - コーングリッツを主原料として用いる低プリン体発泡アルコール飲料の製法 - Google Patents

コーングリッツを主原料として用いる低プリン体発泡アルコール飲料の製法 Download PDF

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Takashi Suda
田 崇 須
Noriko Minato
紀 子 港
Makiko Nakajima
島 麻紀子 中
Yuichiro Mese
瀬 友一朗 目
Daiki Yamazaki
崎 大 樹 山
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

【課題】プリン体含量の低い発泡アルコール飲料の製造方法の提供。
【解決手段】コーングリッツを原料として発酵前液を調製し、該発酵前液を発酵させることを含んでなる、発泡アルコール飲料を製造する方法。
【選択図】なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、プリン体含量の低減された発砲アルコール飲料に関する。
背景技術
ビール中には、総プリン体化合物が40〜100mg/L程度存在する。プリン体化合物である、プリン塩基(アデニン、グアニン、キサンチンなど)、プリンヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、イノシンなど)、プリンヌクレオチド(アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸など)並びにその高分子核酸は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合があるが、より高含有食物としての肉、卵、肝等の制限に加えて、ビールなどの食餌制限を受けることがある。この場合に、ビール等においてもプリン化合物を低減化した製品が望まれる。
ビールの製造において、プリン化合物を低減化する試みが報告されている。例えば、国際公開第96/25483号パンフレット(特許文献1)には、ビールの麦汁にヌクレオシド・フォスフォリラーゼ及び/又はヌクレオシダーゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン化合物の濃度を低減させたビールの製造方法が開示されている。この方法は、ビールの製造において、麦汁中に含まれるプリンヌクレオシドを酵素を用いてプリン塩基に分解せしめ、該プリン塩基を発酵工程において酵母に資化させ、プリン化合物含量を低減させたビールを得るというものであるが、この方法は、プリンヌクレオシドの分解比率(本実施例では約60%)と、生成されたプリン塩基と元々麦汁に存在するプリン塩基の合計量の酵母による資化率により、左右されるものでありその低減量には限界がある。
また、特開2004−290071号公報(特許文献2)には、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、かつ糖化工程に用いる温度以下の温度範囲で行うことにより、発酵麦芽飲料のプリン体化合物含量を低減しうることが開示されている。
国際公開第96/25483号パンフレット 特開2004−290071号公報
本発明者らは、コーングリッツを主原料として発酵前液を調製し、該発酵前液を発酵させることにより、プリン体含量の低い発泡アルコール飲料を製造できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
従って、本発明の目的は、プリン体含量の低い発泡アルコール飲料の製造方法、およびこの方法によって製造された発泡アルコール飲料を提供することにある。
本発明は、以下の発明を包含する:
(1)コーングリッツを原料として発酵前液を調製し、該発酵前液を発酵させることを含んでなる、発泡アルコール飲料を製造する方法;
(2)発酵が加圧発酵法によって行われる、前記(1)の方法;
(3)製造される発泡アルコール飲料のプリン体含有量が5mg/L以下である、前記(1)または(2)の方法;
(4)熟成工程をさらに含んでなる、前記(1)〜(3)のいずれかの方法;
(5)前記発泡アルコール飲料が、発泡酒または原料として麦または麦芽を使用しないビール風味発酵飲料である、前記(1)〜(4)のいずれかの方法;
(6)前記(1)〜(5)のいずれかの方法により製造された、発泡アルコール飲料。
本発明によれば、活性炭等の吸着剤によるプリン体の除去を行うことなく、プリン体含量が低い発泡性アルコール飲料を製造することが可能となる。特に、本明細書では、本発明に主原料として用いられるコーングリッツのプリン体含量が低いだけでなく、発酵工程中に酵母が生産するプリン体の量が少ないことが確認されている。さらに、本発明により、麦または麦芽を主原料として使用しない発泡アルコール飲料の製造においても、発酵を促進することができる。
図1は、実施例1のラボスケール試験醸造における発酵原料の糖化パターンを示す。 図2は、実施例1のラボスケール試験醸造における発酵経過(発酵液の糖度の経時変化)を示す。 図3は、実施例2のスケールアップ試験醸造における発酵原料の糖化パターンを示す。
発明の具体的説明
本発明による方法を適用する発泡アルコール飲料としては、アルコール発酵により製造される発泡性の飲料であればよく、特に限定されないが、好ましくはビール風味アルコール飲料とされる。本発明において「ビール風味アルコール飲料」とは、炭素源、窒素源、および水などを原料として酵母により発酵させた飲料であって、ビール風味を有するアルコール飲料を意味する。「ビール風味アルコール飲料」としては、原料として麦または麦芽を使用しないビール風味発酵飲料(例えば、酒税法上、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」に分類される飲料)や、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、発泡アルコール飲料は、発泡酒、または原料として麦または麦芽を使用しないビール風味発酵飲料とされる。
本発明では、上記の発泡アルコール飲料の製造において、発酵のための主原料としてコーングリッツが用いられる。ここで「主原料」との用語は、ビールの醸造に主要な発酵原料として麦芽が用いられるのと同様に、本発明においてコーングリッツが用いられることを意味する。また、ここでいう「主原料」は、ビールの醸造に用いられる麦芽のように、酵母による発酵における窒素源および炭素源の両方を担う発酵原料のうちの大部分を構成する原料をいう。
本発明に用いられる、窒素源および炭素源の両方を担う発酵原料のうち、コーングリッツが占める割合は特に制限されるものではないが、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上とされる。本発明に用いてもよい、コーングリッツ以外の窒素源および炭素源の両方を担う発酵原料は、特に制限されるものではないが、例えば麦芽を挙げることができる。従って、本発明の一つの実施態様によれば、本発明に用いられる窒素源および炭素源の両方を担う発酵原料は、上記の割合のコーングリッツと、残りの割合を占める麦芽とから構成される。
本発明では、このような発酵原料を用いて発酵前液が調製される。発酵前液の調製においては、一般的に、プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素、およびアミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ等の糖分解酵素を用いて、発酵原料が酵素処理される。これにより、酵母が資化しやすいアミノ酸および酵母資化性糖類の含有量を増加させることができる。
本発明においては、上記の酵素処理の前に、コーングリッツを糊化するための煮沸工程を設けてもよい。コーングリッツを糊化することにより、コーングリッツの酵素処理の効率が向上する。コーングリッツの煮沸工程は、例えば100℃で1分間〜60分間、好ましくは100℃で5分間〜40分間、さらに好ましくは100℃で10分間〜30分間行えばよい。
一つの実施態様によれば、コーングリッツの煮沸工程は、図1に示されるように、50℃に10分間維持した後、50℃から78℃まで20分間で昇温させ、78℃に10分間維持した後、78℃から100℃まで昇温させ、100℃に30分間維持することにより行われる。
他の実施態様によれば、コーングリッツの煮沸工程は、図3に示されるように、50℃に10分間維持した後、50℃から70℃まで昇温させ、70℃に10分間維持した後、70℃から100℃まで昇温させ、100℃に10分間維持することにより行われる。
本発明では、追加の発酵原料として、澱粉液糖などの糖質を用いることも可能であり、このような糖質は酵母による発酵における炭素源となる。この追加の糖質(好ましくは澱粉液糖)の使用量は特に制限されるものではないが、コーングリッツの使用量を基準として、好ましくは50〜300質量%、さらに好ましくは70〜200質量%、さらに好ましくは100〜150質量%、さらに好ましくは100〜130質量%とされる。糖質が液糖である場合のその使用量は、固形分に換算したときの重量に基づく数値である。追加の糖質の添加のタイミングは、糖化スタート時、糖化終了時、煮沸スタート時(酵素処理が終わった後の煮沸)など、仕込み過程(発酵前液調製過程)中のいずれであってもよい。例えば、澱粉液糖は既に糖化された材料であるため、これを添加する場合には、糖化終了時、煮沸スタート時などに添加することができる。
本発明において、上記のような発酵前液に、酵母エキスを同時に添加することにより、発酵中の酵母の増殖をさらに促進させることができ、相乗的な発酵促進作用を得ることができる。相乗的な発酵促進作用を得ることができる酵母エキスの発酵前液への添加量としては、500〜1000mg/Lに調整することが好ましい。また、発酵前液調製過程の前または発酵前液調製過程において、必要に応じてプロテアーゼ等の分解酵素を添加して酵母エキスを分解してもよい。これにより、酵母が資化しやすいアミノ酸の含有量を増加させることができる。
本発明による方法は、上記の発酵原料以外については、発泡アルコール飲料の公知の製法に準じて実施することができる。例えば、本発明による方法により製造される飲料がビール風味アルコール飲料である場合には、該ビール風味アルコール飲料は、少なくとも水およびコーングリッツから調製された発酵前液を発酵させることにより製造することができる。すなわち、コーングリッツおよび水から調製された発酵前液(仕込液)に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液(酒下ろし液)を、所望により低温にて貯蔵した後、ろ過工程により酵母を除去することにより、ビール風味アルコール飲料を製造することができる。ここで、発酵液を濾過前に低温で貯蔵する熟成工程は、炭酸ガスの飽和、ならびに発泡アルコール飲料の清澄化および安定性の向上のために好適に用いられる。よって、本発明の好ましい実施態様によれば、本発明による方法は熟成工程をさらに含む。
本発明による方法では、必要に応じて、ホップ、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物等を添加することができる。ホップは、発酵前液を煮沸する前に、発酵前液を煮沸中に、または発酵前液を煮沸した後に、添加することができる。ここでいう「煮沸」は、発酵原料の酵素処理後に行われる煮沸工程である。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明による方法における発酵は加圧発酵法によって行われる。この実施態様における発酵時の圧力は、通常の加圧発酵法に用いられる圧力であればよく、特に制限されないが、例えば0.01MPa以上、好ましくは0.01〜0.20MPa、さらに好ましくは0.03〜0.15MPa、さらに好ましくは0.05〜0.12MPa、さらに好ましくは0.07〜0.09MPa、最も好ましくは約0.08MPaとされる。
本発明による方法によって製造される発泡アルコール飲料は、従来の方法によって製造される発泡アルコール飲料と比較して、プリン体の含有量が低減されている。本発明による発泡アルコール飲料のプリン体含有量は、従来の発泡アルコール飲料のプリン体含有量よりも低く、好ましくは5mg/L以下である。ここで、プリン体化合物の測定は、公知の方法によって行うことができ、例えば、試料を70%過塩素酸で分解して遊離型のプリン塩基量を測定する藤森らの方法(「アルコール飲料中のプリン体含有量」、尿酸、第9巻、第2号、P128、(1985))に従って行うことができる。
実施例1:ラボスケール試験
ビール醸造では主原料として麦芽を用いるが、原料由来のプリン体含量低減のため、麦芽に代えて、通常は副原料として使用されているコーングリッツ(CG)を主原料として用い、発泡性アルコール飲料を作製した。
原料配合を表1に示す。試験区はCGの使用量を変更した2通りとした。糖化用水の量は一定としたため、もろみ濃度は、CG1に対して、試験区1は6.6倍、試験区2は5.3倍とした。液糖の量は、MC-55(Brix70)の重量である。
糖化パターンを図1に示す。CGとシュロート(麦芽)を糖化用水に投入した後、CGを糊化するため、煮沸(100℃、30分)工程を設けた。煮沸工程の後は、酵素による分解を実施するため、酵素の至適温度まで降温した後、プロテアーゼ製剤などの酵素剤と表1に示す麦芽および水を添加した。
続いて、タンパク休止、澱粉休止を行い、糖化工程終了後、濾紙による濾過を行い固形分の除去を行った。ろ液に液糖(MC-55:日本食品化工株式会社製)とホップを添加した後、煮沸を行い、再び濾紙濾過にてトリューブを除去し、得られたろ液を仕込液とした。
この仕込液を用いて発酵試験を行った。発酵試験は、仕込液を14°Pに調整した後、酵母を添加して発酵させた。発酵条件は12℃で8日間とし、最終発酵液のプリン体含量(ビールに含まれる主なプリン体である、アデニン、アデノシン、キサンチン、グアノシンの総量をプリン体含量とした)に関して分析を実施した。
仕込液および酒下ろし液の分析値を表2に、発酵経過を図2に示す。
表2および図2に示されるように、発酵は良好で、8日目で1.7°Pまで糖が消費されていた。プリン体に関しては、表2に示したように、仕込液および酒下ろし液ともに5mg/L以下になり、麦芽を主原料としたビール飲料と比較して顕著に低減されていた(ビール飲料のプリン体濃度は50〜100mg/L)。また、ビール飲料においては、発酵中にプリン体が増加する傾向があるが、CGを主原料とした場合は発酵中のプリン体増加は認められなかった。この結果から、麦芽の変わりにCGを主原料とすることで、活性炭処理などの技術を用いなくても、プリン体含量の低い発泡性飲料が作製できることが示された。
実施例2:スケールアップ試験
実施例1のラボスケール試験により得られた発泡性飲料を商品化するためのスケールアップ試験を、200Lスケールにて行った。仕込条件、糖化パターン、煮沸条件および発酵条件は、以下の通りとした。
(a)仕込条件(♯7032)
原料配合を表3に示す。液糖の量は、MC-55(Brix70)の重量である。
(b)糖化パターン
糖化パターンは図3に示す。
(c)煮沸条件
煮沸時間:30分
煮沸率:6.7%
(d)発酵条件
発酵スケール:20L
通気時間 :420分(1NL/min)
加圧条件 :発酵開始24時間後から窒素ガス充填により、加圧を開始した。
添加酵母数:20 million cells/ml
分析結果
プリン体は、食品安全保証センター評価分析チームによって分析された。分析結果を表5に示す。オリジナルエキス(OE)は、発酵前の仕込液の糖度を表している。
コーングリッツ(CG)主体の発酵液を用いた試醸では、表5に示されるように、OE(オリジナルエキス)13.5°Pでプリン体総量7.7mg/Lとなった。さらに、0.08MPaで加圧発酵を行った場合(試験番号2)には、OE13.5°Pでプリン体総量5.5質量ppmとなった。この飲料をOE12.0°Pに調整して製品化した場合、プリン体総量は4.9mg/Lなり、市販されている麒麟麦酒株式会社製の新ジャンル(商品名「コクの時間」:原料として麦または麦芽を使用しないビール風味発酵飲料)と比較して90%カットとなる計算になる。また、試験番号2では加圧発酵法が使用されている。よって、コーングリッツ(CG)を主原料として用いることによりプリン体濃度の大幅な低減が可能となり、さらに、加圧発酵を行うことにより、プリン体濃度がさらに低減されることが示された。
官能評価
製造中、発酵不良は全く認めらなかった。さらに、得られた発酵飲料について、ビール専門のパネラー(4名)による官能評価の結果を表6に示す。
表6にも示されるように、得られた発酵飲料には未熟成香やジアセチル臭は認められず、すっきりとした従来のビール系飲料から改良された味になった。また、香りに関するパラメーターについても、HS、DMS、中沸点揮散成分(酪酸、カプロン酸エチル等)の分析値に異常はなく、得られた発酵飲料が良好な低プリン体の発酵飲料であることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. コーングリッツを原料として発酵前液を調製し、該発酵前液を発酵させることを含んでなる、発泡アルコール飲料を製造する方法。
  2. 発酵が加圧発酵法によって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 製造される発泡アルコール飲料のプリン体含有量が5mg/L以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 熟成工程をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記発泡アルコール飲料が、発泡酒または原料として麦または麦芽を使用しないビール風味発酵飲料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により製造された、発泡アルコール飲料。
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