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JP2014037124A - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Hidetaka Nakayama
英隆 中山
Satoru Hori
堀  哲
Shoji Ushio
昌治 牛尾
Naoki Fujino
直樹 藤野
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Abstract

【課題】ポリプロピレン系樹脂を含んでも、充分な耐傷付き性を有すると共に耐熱性にも優れた成形品を容易に製造できる成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の成形品の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂にポリオレフィン系樹脂を混合した混合物80〜99.9質量%に対し、滑剤を0.1〜20質量%混合し、成形した後に、活性エネルギー線を照射して架橋して成形品を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧シート等に使用可能な成形品を製造する方法に関する。
ポリプロピレンは耐溶剤性や電気特性に、ポリエチレンよりも耐熱性に優れており、電子レンジ対応容器や自動車用部品など幅広い分野で使用されている。さらに、ポリプロピレンは、リサイクルしやすく、また、リサイクルしない場合でも、焼却の際にダイオキシンの発生を抑制できるため、環境面でも優れている。
しかし、ポリプロピレンは耐傷付き性が不充分であり、その改良が求められていた。そこで、高結晶性ポリプロピレンと低分子量ポリプロピレンの混合物に無機粒子および滑剤を配合して耐熱性と耐傷付き性を向上させる方法が開示されている(特許文献1)。
特許文献2には、ポリプロピレン成形品の表面に、耐傷付き性防止のためオーバーレイ層を形成する方法が開示されている。
特許文献3には、ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、アクリル系紫外線硬化型塗料を塗布し、乾燥させて、半硬化樹脂層を設ける工程と、その半硬化樹脂層に基材を熱溶着して積層する工程と、紫外線を照射することによって半硬化樹脂層を硬化させる工程と、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離する工程とを有して、基材の表面にハードコート層を設ける方法が開示されている。
特許文献1に記載の方法では、表面側に含まれる無機粒子が耐傷付き性向上に寄与するが、無機粒子の殆どは内部に埋もれてしまうため、無機粒子を充分に利用できていなかった。しかも、無機粒子は成形加工時の流動性低下を招くため、無機粒子の配合量を高めるのには限度があった。
特許文献2に記載の方法では、ポリプロピレン成形品とオーバーレイ層との密着性を向上させるために、コロナ処理等の前処理が必要であった。
特許文献3に記載の方法では、半硬化樹脂層を形成させる工程や熱溶着による積層工程が必要になるため、工程数が多かった。
また、成形品に電子線を照射して架橋させて、表面硬度を向上させる方法も知られている(非特許文献1)。しかしながら、ポリプロピレンについては、電子線の照射の際に架橋と切断とがほぼ同じ割合で生じるため、物性低下を引き起こしやすかった。
そこで、非特許文献2には、架橋助剤として多官能アクリルモノマーや多官能アリルモノマーを添加した後に電子線を照射することにより架橋する方法が提案されている。しかし、多官能アクリルモノマー又は多官能アリルモノマーの添加量が20質量部以上と多量であり、活性エネルギー線を照射する前にゲル化するおそれがあった。そのため、酸化防止剤を配合せざるを得なかった(非特許文献3)。
特許文献4には、ポリオレフィン系樹脂に有機過酸化物を配合し、溶融混練させて、耐傷付き性を向上させる方法が提案されているが、その効果についての具体的な記載はない。
特許文献5には、1,2−ポリブタジエン等のポリエン化合物をポリプロピレンに添加した後に電子線を照射して架橋させる方法が提案されているが、耐傷付き性の向上は充分とはいえなかった。
特開2002−146129号公報 特開2001−038849号公報 特開2006−150949号公報 特許第4536192号公報 特開2002−348479号公報
「Radiation Physical Chemistry」,第31巻、1998年、p.877−886 「SEIテクニカルレビュー」、住友電気工業株式会社発行、第160号、2002年3月 「Radiation Physical Chemistry」,第69巻、2004年、p.239−244
そこで、本発明は、ポリプロピレン系樹脂を含んでも、充分な耐傷付き性を有すると共に耐熱性にも優れた成形品を容易に製造できる成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂にポリオレフィン系樹脂を混合した混合物80〜99.9質量%に対し、滑剤を0.1〜20質量%混合し、成形した後に、活性エネルギー線を照射して架橋して成形品を得る成形品の製造方法。
[2]前記ポリプロピレン系樹脂が、プロピレン−エチレンランダム共重合体である[1]に記載の成形品の製造方法。
[3]前記ポリオレフィン系樹脂が、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種である[1]又は[2]に記載の成形品の製造方法。
[4]前記滑剤が、少なくとも1つの不飽和結合を有する脂肪酸のアミド誘導体を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の成形品の製造方法。
[5]前記成形がシート成形である[1]〜[4]のいずれかに記載の成形品の製造方法。
[6]前記成形品が化粧シートである[5]に記載の成形品の製造方法。
本発明の成形品の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂を含んでも、充分な耐傷付き性を有すると共に耐熱性にも優れた成形品を容易に製造できる。
本発明の成形品の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレンにポリオレフィン系樹脂を混合した混合物(以下、「ポリプロピレン混合物」という。)に滑剤を混合し、成形した後に、活性エネルギー線を照射して架橋する方法である。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィン(エチレン、ブテン等)との共重合体が挙げられる。共重合体の場合は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂の中でも、比較的柔軟かつ成形加工しやすいことから、プロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、シクロオレフィンの単独重合体、α−オレフィン同士の共重合体、シクロオレフィン同士の共重合体、α−オレフィンとシクロオレフィンの共重合体、α−オレフィンと非オレフィン単量体との共重合体が挙げられる。
α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
シクロオレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
非オレフィン単量体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、ビニルアルコール、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の混合量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して5〜60質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。ポリオレフィン系樹脂の混合量が前記下限値以上であれば、耐傷付き性と共に耐熱性が向上し、前記上限値以下であれば、成形加工性が高くなる。
滑剤としては、脂肪族炭化水素、高級脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸のエステルあるいはアミド誘導体(例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エライジン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド等)が挙げられる。
これらの中でも、耐傷付き性向上の効果がより大きいことから、脂肪酸のアミド誘導体が好ましく、さらには、脂肪酸のアミド誘導体は不飽和二重結合を少なくとも1つ有していることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン混合物と滑剤との割合は、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン混合物80〜99.9質量%、滑剤0.1〜20質量%である。滑剤の割合が前記下限値未満であると、耐傷付き性が向上せず、前記上限値を超えると、成形性が低下し、かつヘイズが急激に上昇し、透明性を損なう。
また、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン混合物と滑剤との割合は、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン混合物85〜99質量%、滑剤1〜15質量%であることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン混合物90〜97質量%、滑剤3〜10質量%であることがより好ましい。
ポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン混合物、滑剤に加えて、多官能性モノマーからなる架橋助剤を配合してもよい。
多官能性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリエチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、得られる成形品の意匠性を向上させるために、着色剤を配合してもよい。
着色剤としては、例えば、ラーベン420(コロンビアン社製)、カーボンブラックFW200(デグッサ社製)、モナーク1000(キャボット社製)、カーボンブラック2400B(三菱化学社製)などの黒色のカーボン系顔料、ヘリオゲンブルーL−6900、ヘリオゲングリーンL−8605(以上、BASF社製)、パロマーンブルーB−4806(バイエル社製)、ファーストゲンブルー5030F、ファーストゲングリーンS(DIC社製)などのブルー系、グリーン系の顔料、酸化チタンなどの白色系顔料、他の色の顔料などが挙げられる。
また、意匠性をさらに高めることを目的として、着色剤として、光輝顔料を使用することもできる。光輝顔料としては、例えば、アルミペースト8820YF、アルミペースト7130N(東洋アルミニウム社製)、SAP210N、SAPFM4000(昭和アルミパウダー社製)などのアルミニウム系メタリック顔料、イリオジン101、イリオジン205、イリオジン321(以上、メルク社製)、エクステリアマーリンブライトホワイト1389X、エクステリアマーリンスーパーゴールド239Z、エクステリアマーリンスーパーブロンズ259X(以上、マール社製)などのパール顔料が挙げられる。
上記着色剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらには、透明性の向上のために結晶核剤を配合してもよい。
結晶核剤としては、たとえば、リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール系化合物、芳香族カルボン酸金属塩、造核効果を持つ有機化合物が挙げられる。具体的には、リン酸エステル金属塩:リン酸−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス[2−2’−メチレンビス(ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]ヒドロキシアルミニウム、リン酸(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ジベンジリデンソルビトール系化合物:1−O,3−O:2−O,4−O−ビス(ベンジリデン)−D−ソルビトール、1−O,3−O:2−O,4−O−ビス(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、カルボン酸金属塩:ジ(t−ブチル安息香酸)ヒドロキシアルミニウム、ジ安息香酸アルミニウム、β−ナフトエ酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、造核効果を持つ有機化合物:グリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノミリステート等の脂肪酸グリセリド;フタロシアニン、キナクリドン等の有機顔料が例示できる。なかでも、リン酸−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス[2−2’−メチレンビス(ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]ヒドロキシアルミニウム、ジ(t−ブチル安息香酸)ヒドロキシアルミニウム、ジグリセリンモノミリステートが透明性向上の効果が優れているため好ましい。
また、上記結晶核剤の粒径は、小さいほど透明性向上の効果が優れているため好ましい。JIS Z8801−1:2006に規定される公称目開き寸法45μmの試験ふるいにより98質量%以上が通過するものがよく、25μmの試験ふるいにより98質量%以上が通過するものがさらに好ましい。また、粒径の小さい添加剤を配合する場合、均一性を確保するために、樹脂に添加剤を高濃度に配合したマスターバッチを用意し、無配合の樹脂と合わせて濃度調整するとよい。
また、上記結晶核剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用すると、各結晶核剤のそれぞれの欠点を補うことができるので、単独で使用するよりも好ましい。
また、上記結晶核剤は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、0.2〜5.0質量部の範囲で配合するとよい。結晶核剤の配合量が0.2質量部以上であれば、透明性をより向上させることができる。しかし、結晶核剤の配合量が5.0質量部を超えると、透明性向上の効果は頭打ちとなる。
さらには、可塑剤、安定剤、耐衝撃性向上剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、顔料、染料、充填剤、酸化防止剤、加工助剤、紫外線吸収剤、防曇剤、防菌剤、防黴剤等の添加剤を、本発明の効果が阻害されない程度で配合してもよい。
ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン混合物の成形方法としては、Tダイを用いた押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法、プレス成形法、射出成形法などが挙げられる。シート成形する場合には、容易にシート化できることから、Tダイを用いた押出成形法が好ましい。
成形温度は200〜250℃であることが好ましく、210〜240℃であることがより好ましい。成形温度が前記下限値以上であれば、容易に成形でき、前記上限値以下であれば、ポリプロピレン系樹脂の熱劣化を防止できる。
活性エネルギー線としては、電子線、γ線、イオンビーム等を使用することができるが、工業的には、電子線又はγ線が好ましい。
活性エネルギー線の照射量は30〜500kGyが好ましい。さらには、照射量は100kGy以上がより好ましく、120kGy以上がさらに好ましい。活性エネルギー線の照射量が前記下限値以上であれば、成形品を充分に架橋して耐傷付き性をより高くできる。しかし、前記上限値を超えて電子線を照射しても、耐傷付き性向上は頭打ちになり、無益である。
活性エネルギー線の照射電圧は30〜800kVが好ましく、100〜500kVがより好ましい。成形品がシート状である場合には、シート状の厚みにもよるが、照射電圧を低くすることで、成形品の表面のみに架橋反応を生じさせることができる。
本発明の製造方法により得られる成形品の形状は、シート状、板状、3次元立体状等のいずれであってもよい。成形品がシート状である場合には、化粧シートとして好適に使用することができる。
得られる成形品においては、耐傷付き性をより向上させる点では、ハードコート層を設けることが好ましい。
ハードコート層は、未硬化又は半硬化の硬化性成分を硬化させた層であり、JIS K5400に従って測定した鉛筆硬度がHより硬い層のことである。
硬化性成分としては、アクリル化合物、エポキシ化合物、フェノール化合物などが挙げられるが、硬化によって、より硬いハードコート層を容易に形成できる点では、アクリル化合物が好ましい。
上記アクリル化合物としては、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、(メタ)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物と(メタ)アクリル酸とをエステル化することによって得られるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
硬化性成分は光重合開始剤を共存させることで光重合性にできる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、アントラキノン類、チオール類等が挙げられる。
光重合開始剤の配合量は、硬化性成分を100質量部とした際の0.01〜10質量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が前記下限値以上であれば、容易に光重合できる。しかし、前記上限値を超えて光重合開始剤を配合しても、光重合性向上の効果は頭打ちとなり、無益である。
ハードコート層の厚さは1〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。ハードコート層の厚さが前記下限値以上であれば、充分に高い耐傷付き性を得ることができ、前記上限値以下であれば、ハードコート層のクラック発生を防止できる。
成形品とハードコート層との接着性を向上させる点では、成形品とハードコート層との間に、接着剤層を設けることが好ましい。
接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系ホットメルト接着剤、エチレン酢酸ビニル系ホットメルト接着剤、スチレン−ブタジエンゴム溶液系接着剤、スチレン−ブタジエンゴムエマルジョン系接着剤、アクリル溶液系接着剤等を用いることができる。これらの中でも、熱ラミネートを適用できることから、アクリル系ホットメルト接着剤、エチレン酢酸ビニル系ホットメルト接着剤が好ましい。
接着剤層の厚さは、30〜90μmであることが好ましく、40〜70μmであることがより好ましい。接着剤層の厚さが前記下限値以上であれば、充分な接着強度で成形品とハードコート層とを接着でき、前記上限値以下であれば、接着剤層を容易に形成できる。
以上説明した本発明の成形品の製造方法では、活性エネルギー線の照射の際に滑剤が架橋剤としての機能を果たしてポリプロピレン系樹脂を架橋させることができる。したがって、得られる成形品は、ポリプロピレン系樹脂を含むにもかかわらず、充分な耐傷付き性を有する。さらに、架橋に関与しなかった滑剤は成形品表面の滑り性を向上させる。その一方で、滑剤の配合量には上限があるため、過度な架橋による機械的強度の低下は生じにくい。
また、上記製造方法では、煩雑な工程を有さないから、成形品を容易に製造できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
実施例および比較例において使用した材料は以下の通りである。
ポリプロピレンA:日本ポリプロ株式会社製、WFW4(メタロセン系プロピレン・エチレンランダム共重合体、エチレン含量:1.9質量%、MFR:7.0g/10分、融点:135℃)
ポリプロピレンB:日本ポリプロ株式会社製、WEG7T(メタロセン系プロピレン・エチレンランダム共重合体、エチレン含量:1.1質量%、MFR:1.4g/10分、融点153℃)
環状オレフィンコポリマー:日本ポリプラスチック株式会社製、6013F−04(エチレン−環状オレフィン共重合体、密度:1020kg/m、MFR:0.9g/10分、Tg:138℃)
滑剤A:オレイン酸アミドを10質量%含むポリプロピレンマスターバッチ
滑剤B:エルカ酸アミドを10質量%含むポリプロピレンマスターバッチ
滑剤C:ステアリン酸アミドを10質量%含むポリプロピレンマスターバッチ
なお、滑剤A,滑剤B,滑剤Cは、各実施例・比較例で用いたポリプロピレンを用いてマスターバッチを作製した。
(実施例1)
ポリプロピレンAと滑剤Aとを表1に示す配合で混合して混合物を調製し、得られた混合物をTダイ押出成形法(成形温度:220℃)でシート成形した。
得られたシートに、窒素雰囲気中、照射量140kGyの電子線を照射し、架橋してシート状成形品を得た。
得られた成形品の耐熱性および耐傷付き性を以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[耐熱性−融解熱量]
示差走査熱量測定装置(エスアイアイナノテクノロジー株式会社製)を用い、10℃/分の昇温速度で昇温させることにより、融解ピーク温度及び融解熱量を測定した。照射前と比べ、高い融解ピーク温度が1つ以上明確に表れ、融解ピーク温度が高いほど、照射前後の融解熱量の差が大きいほど、耐熱性に優れる。
[耐熱性−ガラス転移点(β緩和)]
動的粘弾性測定装置(エスアイアイナノテクノロジー株式会社製DMS6100)を用い、フィルム状の試験片で電子線照射前と電子線照射後のガラス転移点(β緩和)を求めた。照射前後のガラス転移点の差が大きいほど、耐熱性に優れる。
[耐傷付き性]
10人のテスターが、各々、成形品の表面を爪で引っ掻いた後の表面外観を目視により評価した。評価は5段階とし、数値が大きい程、傷付きにくいことを示す。
Figure 2014037124
(実施例2〜7、比較例1〜3)
表1に示す配合および電子線照射量に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シート状成形品を得た後、実施例1と同様に評価した。
ポリプロピレン80〜99.9質量%と滑剤0.1〜20質量%とを含む混合物を成形し、電子線照射によって架橋した成形品は、耐熱性および耐傷付き性が共に優れていた。
これに対し、滑剤を含まないポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーを成形後、電子線照射によって架橋して得た成形品は、耐熱性および耐傷付き性において照射前となんら変化はなかった。
(実施例8,9、比較例4)
表2に示す配合に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シート状成形品を得た後、実施例1〜3と透明性について比較した。
[透明性]
JIS K7105に準拠して、シート状成形品のヘイズを測定し、以下の基準で判断した。
◎:ヘイズが10以下
○:ヘイズが10を超え、15以下
△:ヘイズが15を超え、20以下
×:ヘイズが20を超える
Figure 2014037124
滑剤の配合量が20質量%以下の例では、透明性が確保されたが、滑剤の配合量が20質量%を超えた例では、ヘイズが大きくなりすぎて、透明性が損なわれた。
本発明の製造方法で得られた成形品は、耐熱性および耐傷付き性が優れるため、日用品雑貨、化粧シート、自動車用内装材又は外装材に好適に使用できる。
また、得られた成形品を、さらに、モールド成形やインサート成形に適用してもよい。

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂にポリオレフィン系樹脂を混合した混合物80〜99.9質量%に対し、滑剤を0.1〜20質量%混合し、成形した後に、活性エネルギー線を照射して架橋して成形品を得る成形品の製造方法。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂が、プロピレン−エチレンランダム共重合体である請求項1に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
  4. 前記滑剤が、少なくとも1つの不飽和結合を有する脂肪酸のアミド誘導体を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  5. 前記成形がシート成形である請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  6. 前記成形品が化粧シートである請求項5に記載の成形品の製造方法。
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