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JP2014033680A - 悪臭発生抑制剤およびその利用 - Google Patents

悪臭発生抑制剤およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】生ごみ等が菌等により分解されて発生する悪臭を発生源から抑制すると共に少量で長期間にわたって効果のある技術を提供する。
【解決手段】チモール、シトラール、デカノール、オイゲノールおよびイソオイゲノールからなる群から選ばれる化合物の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする悪臭発生抑制剤。
【選択図】図5

Description

本発明は、家庭内の生ゴミ等から発生する悪臭の抑制剤に関する。
家庭内で発生する生ゴミ等は腐敗が進行すると腐敗臭が発生する。その腐敗臭は硫化水素やメチルメルカプタン等の揮発性硫黄化合物やアンモニアやトリメチルアミン等の揮発性窒素化合物等が主な腐敗臭の成分である。これらの揮発性硫黄化合物や揮発性窒素化合物は、低濃度でも腐敗臭が感じられる不快成分でありこれらの化合物の有効な消臭・防臭方法が求められている。特に、揮発性硫黄化合物は比較的安定な中性化合物であるため化学的に分解や吸着により消臭することが困難であり、その有効な消臭・防臭技術の要望は大きい。
生ゴミが不快な腐敗臭である揮発性硫黄化合物や揮発性窒素化合物を発生するのは、生ごみが菌等により分解されてアンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素等の悪臭ガスが産生されることによることが知られている。例えば、揮発性硫黄化合物のうち、硫化水素は含硫アミノ酸であるシステインからシステイン脱硫黄酵素により生成され、メチルメルカプタンはメチオニンからメチオニナーゼ(メチオニン−γ−リアーゼ)の作用によって生成される。揮発性窒素化合物も同様にトリエチルアミンオキサイドから酵素の作用によりトリメチルアミンやアンモニアが生成する。
一方、種々の香料成分が菌に対して抗菌効果を有することが知られていて、実際に、ジヒドロファルネソール、イソカンフィルシクロヘキサノール、レボサンドール、バクダノール、サンタリノール、メチルアトラレート、1−ウンデセノール、2−メチルウンデカナール、サンダロール、ドデカナール、ブラマノール、ネロリドール、o−メソキシシンナミックアルデヒド、メチルサンデフロール、9−デセノール、3−ドデセナール、アセチルセドレン、ヌートカトン、シンナミックアルデヒドジメチルアセタール(DMA)、リリアール、2−メチルデカナール、ペリラアルコール、ノニルアルコール、ウンデカナール、トランス−2−ウンデセナール、ジヒドロオイゲノール、ヘリオナール、イソブチルキノリン、3−メンソキシプロパン−1,2−ジオール、フェニルアセトアルデヒド、カシュメラン、シクロヘキサデセノン、アンブロキサン、セドロール、酢酸セドリル、シクロペンタデカノン、エチレンドデカンジオエート、シクロペンタデカノリド、ファントリド、トナリドから選ばれた少なくとも一種の香料を、口腔用組成物に抗菌香料として用いる技術が報告されている。(特許文献1)
また、炭素数6から12の飽和脂肪族アルデヒド、ウンデセナール、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド、5員環または6員環の脂環式アルデヒド、5員環または6員環の脂環式ケトン、炭素数15から17の大環状ケトン、ヌートカトン、炭素数15から16の大環状ラクトン、メチルジヒドロジャスモネート、ネロリドールおよびフェニルアセトアルデヒドジメチルアセタールから選ばれる香料の少なくとも1種が、システインから硫化水素を生成する酵素の阻害剤、およびメチオニンからメチルメルカプタンを生成する酵素の阻害剤に用いる技術が報告されている。(特許文献2)
しかし、いずれの技術も直接菌や酵素等に有効成分を接触させる必要があるため、スプレー等で大量に使用する必要がある。また、スプレーしたときは効果を発揮するものの、消臭効力の持続性がないという問題点があった。
特開2002−265978号公報 特開2008−173441号公報
従って、生ごみ等が菌等により分解されて発生する悪臭を発生源から抑制すると共に少量で長期間にわたって効果のある技術が求められていた。
本発明者らは、生ごみからの悪臭ガスの発生機構に着目し、菌由来の悪臭発生を阻害する物質を探索するため鋭意研究したところ、いくつかの化合物が悪臭の発生を効果的に抑制することを発見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はチモール、シトラール、デカノール、オイゲノールおよびイソオイゲノールからなる群から選ばれる化合物の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする悪臭発生抑制剤である。
また、本発明は上面開口の容器中に、上記悪臭発生抑制剤を収納し、その開口部をガス透過性フィルムで塞いだことを特徴とする消臭具である。
更に、本発明は悪臭の発生源に、上記悪臭発生抑制剤を作用させることを特徴とする悪臭の消臭方法である。
本発明の悪臭発生抑制剤は、従来から香料として使用されているものを有効成分とするものであり、しかも、悪臭成分の発生を持続的に抑制できることから、高い安全性と優れた悪臭発生抑制効果を有する。
また、本発明の悪臭発生抑制剤は、菌を死滅、殺菌、抗菌または制菌させる場合に比べて有意に少ない量で悪臭の発生を抑えることができる。
更に、本発明の悪臭発生抑制剤は、悪臭成分として特に揮発性硫黄化合物または揮発性窒素化合物の発生を抑制できるので、特に生ゴミから発生する悪臭を抑制するのに好適である。
本発明の悪臭発生抑制剤を収納する消臭具の一態様を示す平面図である。 図1のA−A’断面を示した図面である。 本発明の悪臭発生抑制剤を収納する消臭具の一態様を示す平面図である。 図3に示した消臭具を開いた態様を示した図面である。 本発明の悪臭発生抑制剤を用いた揮発性硫黄化合物の消臭試験結果を示す図面である。 本発明の悪臭発生抑制剤を用いた揮発性窒素化合物の消臭試験結果を示す図面である。
本明細書において悪臭とは、生ごみ等が菌または菌の代謝活動により産生される酵素等により分解されて発生する臭いをいい、具体的には、揮発性硫黄化合物および/または揮発性窒素化合物のことをいう。揮発性硫黄化合物としては、メチルメルカプタン、硫化水素等が挙げられ、また、揮発性窒素化合物としては、トリメチルアミン、アンモニア等が挙げられる。
本発明の悪臭発生抑制剤の有効成分であるチモール、シトラール、デカノール、オイゲノールまたはイソオイゲノールから選ばれる化合物は、香料成分として従来公知のものであり、例えば、天然物から単離したもの、化学的に合成したもの、前記化合物を含有するレモングラス油、バーベナ油、レモンマートル油、レモン油、オレンジ油、タイム油、クローブ油、ピメント油、ローリエ油、シナモン油、イランイラン油等の精油等の何れを利用してもよい。これらは何れも当業者であれば容易に入手することができる。なお、シトラールは、ネラールおよびゲラニアールを含むことが知られているが、これらの比率についは特に限定されない。
本発明の悪臭発生抑制剤には、上記化合物の1種または2種以上を用いることができ、好ましくはチモールおよび/またはデカノールである。これら化合物は、悪臭発生抑制剤全体に対して、0.1〜100質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは1〜50%、更に好ましくは5〜20%となるように配合すればよい。
本発明の悪臭発生抑制剤は、上記化合物を有効成分とすればよく、これをそのまま容器等に入れて、散布、揮散等させて作用させればよいが、更に必要により、溶媒、界面活性剤、他の任意成分等を配合してもよい。
本発明の悪臭発生抑制剤に配合できる溶媒としては、上記化合物を溶解させることのできる溶媒であれば特に限定されず、水や適当な有機溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、パラフィン等の直鎖炭化水素系化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、シメン、スチレン等の芳香族炭化水素系化合物、リモネン、メンタン、ピネン、ジペンテン等のテルペン系炭化水素系化合物、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等の炭化水素系アルコールや、cis−3−ヘキセノール、トランス−3−ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール等のテルペンアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、オイゲノール等の芳香族アルコール、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、臭化エチル、臭化プロピル、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、フルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素化合物、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系化合物、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ジベンジルエーテル、ジオキサン、トリオキサン、フラン、シネオール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、アセタール等のエーテル系化合物、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オレイン酸、無水酢酸等の脂肪酸系化合物、蟻酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステル、ヘプチル酸エステル、ヘプテンカルボン酸エステル、オクテンカルボン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、安息香酸エステル、フェニル酢酸エステル、桂皮酸エステル、フタル酸エステル、サリチル酸エステル、アニス酸エステル、アンスラニル酸エステル、メチルアンスラニル酸エステル、菊酸エステル等のエステル系化合物、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、メチルアミン、ジメチルアミン、アリルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、ピリジン、キノリン、エチレンジアミン、ホルムアミド、ピロリドン、ε−カプロラクタム等の窒素化合物、二硫化炭素、硫化ジメチル、チオフェン等の硫黄化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール系化合物、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系化合物、ごま油、リノール油、サラダ油等が挙げられる。これら溶媒は1種もしくは2種以上を混合して用いることも可能である。これら溶媒は本発明の悪臭発生抑剤全体に対して0〜99.9%、好ましくは50〜99%、更に好ましくは80〜95%となるように配合すればよい。
また、本発明の悪臭発生抑制剤の有効成分である化合物を水に可溶化させる必要がある場合には、任意の界面活性剤を配合すればよい。配合できる界面活性剤としては、特に限定されず、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の従来公知の界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、上記悪臭発生抑制剤の有効成分である化合物の0.5倍〜2倍量となるように配合することが好ましい。
更にまた、本発明の悪臭発生抑制剤に配合できる他の任意成分としては、特に限定されず、従来公知の消臭剤、防虫剤、忌避剤、抗菌剤、防かび剤、色素、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。これら他の任意成分は、本発明の悪臭発生抑制剤全体に対して0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、更に好ましくは0.5〜1%となるように配合すればよい。
更に、本発明の悪臭発生抑制剤は、他の香料成分と組み合わせて特定の香りを調香してもよい。調香に用いる他の香料成分としては、例えば、麝香、霊猫香、竜延香等の動物性香料、アビエス油、アクジョン油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム油、キャラウェー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、クミン油、樟脳油、バジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、レモン油、レモングラス油、ナツメグ油、マンダリン油、ハッカ油、オレンジ油、セージ油、スターアニス油、テレピン油、ローズマリー油、ユーカリ油、アニス油、ラベンダー油、クミン油、シナモン油、ヒバ油等の植物性香料を挙げることができる。この香料として、合成香料または抽出香料等の人工香料を用いることもでき、例えば、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、βフェネチルアルコール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ―ブチルラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル系香料等が挙げられる。更に、上記香料の2種以上を混合した調合香料も使用することができる。これら他の香料成分は、本発明の悪臭発生抑制剤全体に対して5〜20%となるように配合することが好ましく、10〜15%となるように配合することが好ましい。
本発明の悪臭発生抑制剤は、上記有効成分である化合物に、必要により任意成分を配合し、従来公知の方法により種々の剤形とすることができる。本発明の悪臭発生抑制剤の剤型としては、特に限定はなく、液状だけでなく、ゲル化剤や担持体を利用してゲル状、シート状、固形状等としたものが挙げることができる。本発明の悪臭発生抑制剤は、これらの剤形の中でも液状が好ましい。
本発明の悪臭発生抑制剤を担持させる担持体としては、特に限定されないが、例えば、木、紙、布、不織布、シリカ、タルク、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、フローライト、セルロースビーズ、活性炭、セラミック等を挙げることができる。
また、本発明の悪臭発生抑制剤のゲル化に用いるゲル化剤としては従来公知のものを使用でき、その種類は特に限定されないが、例えば、カラギーナン、ジェランガム、寒天、ゼラチン、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダ、セルロース誘導体、アクリル酸ナトリウム等の高吸水性樹脂、ジベンジリデン−D−ソルビトール、ヒドロキシプロピル化多糖類等を挙げることができる。
以上説明した本発明の悪臭発生抑制剤の組成の好ましい例は次の通りである。また、この悪臭発生抑制剤は、チモールと紫外線吸収剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールをジプロピレングリコールジメチルエーテル中に入れ、チモールが完全に溶解するまで撹拌、混合することにより得られる。
(成分) (配合量)
チモール 5〜20%
ジプロピレングリコールジメチルエーテル 75〜90%
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 1〜2%
斯くして得られる本発明の悪臭発生抑制剤は、一般家庭、飲食店、キャンプ、バーベキュー等で生じる生ごみのゴミ箱、三角コーナー等の多様な悪臭の発生源に作用させることにより悪臭の発生を抑制することができる。
本発明の悪臭発生抑制剤を作用させる方法としては、液状、ゲル状、シート状、固形状等の悪臭発生抑制剤を、悪臭の発生源の近くに設置し、常温で自然に揮散させる方法や、液状の悪臭発生抑制剤を、悪臭の発生源に直接散布する方法等が挙げられる。このような方法にて揮散、散布させる量としては、特に限定されないが、例えば、本発明の悪臭発生抑制剤の有効成分である化合物の濃度が、悪臭の発生を抑制する必要のある空間において0.01g/L以上となるようにすることが好ましい。
また、本発明の悪臭発生抑制剤は、特に悪臭発生抑制剤を収納する消臭具を利用して常温で自然に揮散させることが好ましい。このような消臭具としては、特に限定されないが、例えば、上面開口の容器中に、本発明の悪臭発生抑制剤を収納し、その開口部をガス透過性フィルムで塞いだものや、揮散口を備え、開閉可能な容器体の内部に、本発明の悪臭発生抑制剤を含浸させた薬剤含浸体を収納したもの等が挙げられる。
以下、上記消臭具の一例を図面と共に説明する。
図1は消臭具の平面図であり、図2は図1のA−A’断面を示した図である。図中、1は消臭具、2は容器体、3はガス透過性フィルム、4は凹部、5は悪臭発生抑制剤をそれぞれ示す。この態様の消臭具は、図2で示されるように中央に凹部4を有する皿状の形態にシートを成型した容器体2を用い、凹部4中に液剤状の悪臭発生抑制剤5を収容するようにしたものである。このシートとしては、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートやアルミニウム等の金属シート等を利用できる。
上記態様での凹部4の深さや内容積は、これに収納する悪臭発生抑制剤5の量に応じて変化するため、特に限定されるものではないが、例えば凹部4の深さは約0.1〜20mm、好ましくは1〜10mmの範囲から収容する悪臭発生抑制剤5の量に応じて適宜決定することができる。
また、上記態様では、収納した凹部4の上面をガス透過性フィルム3で塞いだ構造としている。これにより、悪臭発生抑制剤5が容器体2からこぼれるのを防止でき、運搬等の取り扱いが容易になる。また、上記容器体2を透明や半透明の樹脂シートで形成した場合には、液面が明確になり、終点がより明らかとなる。
ガス透過性フィルム3としては、液剤を流出させることなく、ガスを透過させることで悪臭発生抑制剤5の揮散ができるものであれば特段制約なく使用可能である。このようなガス透過性フィルム3としては、例えば、延伸または無延伸ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。これらのフィルムは単独で使用してもよく、2種以上を貼り合わせたものであってもよい。また、ガス透過性フィルム3の厚さは約10〜100μm、好ましくは20〜40μmであるのがよい。
また、ガス透過性フィルム3としては、2種以上のフィルムを貼り合わせた複合フィルムを用いることもできる。具体的には、前記ポリエチレンまたは無延伸ポリプロピレンをシーラント層(図示せず)とし、その外面に延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、穴あきポリエチレンテレフタレートフィルム等の穴あきフィルムを貼り合わせた複合フィルムが挙げられる。ここで、シーラント層とは容器体2に直接接着され、該容器体2との間の密着性、液密性を高めるためのフィルムをいう。前記複合フィルムの厚さは、前記したガス透過性フィルム3の厚さ約10〜100μmの範囲内でよい。なお、シーラント層は単独で容器体2の上面(フィルムの接着面)に設けてもよい。
更に、容器体2には、悪臭発生抑制剤5の揮散に伴い凹部4内が経時的に減圧になって、ガス透過性フィルム3が凹部4の底面にくっつくのを防止するために、空気導入口(図示せず)を設けて、ガス透過性フィルム3でシールされた凹部4に空気を送るようにしてもよい。このような空気導入口は、例えば、ガス透過性フィルム3の一部に設けることができる。
なお、消臭具1には、消臭具をつり下げるための部材や、消臭具を接着するための部材(図示せず)を設けてもよい。こうすることにより消臭具をつり下げたり、貼り付けて使用することができる。
以下、上記消臭具の別の一例を図面と共に説明する。
図3は消臭剤の平面図であり、図4は図3の本体を開いた状態の図である。図中、1は消臭具、6は容器体、6aは右容器体、6bは左容器体、7は揮散口、8は薬剤含浸体、9はヒンジ部、10はフック部、10aは右容器のフック部、10bは左容器のフック部をそれぞれ示す。この態様の消臭具は、図4で示されるように右容器体6aと左容器体6bとがヒンジ部2を介して連接され、右容器体と左容器体とを組み合わせることで開閉可能な容器体6が形成され、その容器体6の内側に液状の悪臭発生抑制剤を含浸させた薬剤含浸体8を収納するようにしたものである。この薬剤含浸体8としては、ろ紙やパルプ製の含浸紙等を利用できる。この消臭具を使用する際には、右容器体のフック部10aと左容器体のフック部10bとを組み合わせることにより形成されたフック部10をゴミ箱の縁等につり下げることができ、薬剤含浸体8に含浸させた悪臭発生抑制剤が揮散口7より揮散して効果を発揮する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
菌体抽出液による揮発性硫黄化合物および揮発性窒素化合物の生成:
(1)擬似生ゴミの調製
緑膿菌を滅菌済み生理食塩水15ml中に懸濁させ、菌体抽出液を調製した。この菌体抽出液に基質としてメチオニンまたはトリメチルアミン−N−オキサイド0.4gを懸濁させ、菌体抽出液・基質混合液を調製した。細かく崩した標準寒天培地50gに10〜1010個の菌を含む菌体抽出液・基質混合液を加えたものを擬似生ゴミとした。
(2)悪臭発生抑制剤含浸体の作製
悪臭発生抑制剤の有効成分として表1に記載のものを用い、これらをそれぞれジプロピレングリコールジメチルエーテルで10倍に希釈したものを試験薬液とした。これらの試験薬液1.0gをヒダ折りした直径11cmの濾紙に含浸させたものを悪臭発生抑制剤含浸体とした。
Figure 2014033680
(3)揮発性硫黄化合物および揮発性窒素化合物の消臭試験
擬似生ゴミと悪臭発生抑制剤含浸体を10Lのガスバリア性バッグに入れて密閉し、これを温度40℃の環境下に放置し、有効成分である化合物の濃度が0.01g/L以上となるようにした。その後一定時間ごとにガスバリア性バッグ内の揮発性硫黄化合物(メチルメルカプタン)または揮発性窒素化合物(アンモニア)濃度を検知管(ガステック社製)にて測定した。これらの結果を表2および3、図5および図6に示した。また、ジプロピレングリコールジメチルエーテル1.0gのみをろ紙に含浸させたものを比較品とし、この結果も表2および3、図5および図6に示した。
Figure 2014033680
Figure 2014033680
(4)抗菌試験
緑膿菌を滅菌済み生理食塩水15ml中に懸濁させ、菌体抽出液を調製した。この菌体抽出液を標準寒天培地に10〜1010個程度植菌し、上記(2)で作成した悪臭発生抑制剤含浸体と一緒に10Lのガスバリア性バッグに入れて密閉し、これを温度37℃の環境下に2日間放置した。放置後に培地上に、コロニーが形成されているかを確認した。なお、ジプロピレングリコールジメチルエーテル1.0gのみをろ紙に含浸させた場合の結果を比較品とした。この結果を表4に示した。
Figure 2014033680
以上の結果より、試験薬液を加えない比較品では時間の経過に伴い揮発性硫黄化合物および揮発性窒素化合物の濃度が大幅に上昇しているが、本発明品では濃度の上昇が非常にわずかであることがわかる。この結果から、本発明品は揮発性硫黄化合物および揮発性窒素化合物の発生を効果的に、かつ、持続的に抑制していることが確認された。一方で、緑膿菌に対する効果は本発明品と比較品で有意な差は無く、菌に対して作用していることではないことがわかる。すなわち、酵素の活性を阻害することにより揮発性硫黄化合物および揮発性窒素化合物の発生を効果的に抑制していることが確認された。よって、より少ない量で悪臭の発生を防止できるものである。
実 施 例 2
消臭具:
表5の成分を溶解して悪臭発生抑制剤を調製した。次に、これを図1および図2に示した形態のポリエチレンテレフタレート製の悪臭発生抑制剤揮散具の容器体(容量4ml)に3.2ml入れ、ポリエチレン製のガス透過性フィルム(厚さ70μm)でシールして消臭具を製造した。
Figure 2014033680
実 施 例 3
フック付消臭具:
12cm×5.5cmの濾紙に本発明の悪臭発生抑制剤としてイソオイゲノール2gとプロピレングリコール3gの混合物を含浸させて図3および図4に示すフック付消臭剤容器(ポリプロピレン製)内に収納して本発明のフック付消臭具を作製した。この消臭具をゴミ箱の縁に引っかけておいたところ、約1ヶ月間消臭効果を有した。
実 施 例 4
ビーズ形消臭剤:
担持体である直径0.4mmのセルロースビーズ6gに、本発明の悪臭発生抑制剤としてデカノール1gを含浸させた。これを家庭用台所の流しのコーナーに設置された入れ物の中の生ゴミに振りかけて使用したところ、優れた消臭効果を発揮した。
<悪臭発生を抑制するメカニズム>
上記実施例から推測される本発明の悪臭発生抑制剤が悪臭発生を抑制するメカニズムについては、以下のとおりである。硫化水素はシステインからシステイン脱硫黄酵素により生成され、メチルメルカプタンはメチオニンからメチオニナーゼ(メチオニン−γ−リアーゼ)の作用によって生成される。同様にトリエチルアミンオキサイドから酵素の作用によりトリメチルアミンやアンモニアが生成する。本発明の悪臭発生抑制剤はこれらの酵素の活性を阻害することにより、硫化水素、メチルメルカプタン等の揮発性硫黄化合物やアンモニア、トリメチルアミン等の揮発性窒素化合物の発生を抑制するものである。
このことは、これらの成分の、その抑制濃度において緑膿菌の生育を阻止しなかったことから、上記阻害活性は使用した緑膿菌を殺菌したことによる効果ではなく、悪臭成分の生成に関与する酵素を阻害したことによる効果であることを示している。すなわち、菌に対する効力を示す濃度以下においても十分な消臭効果を示すものであり、消臭における酵素阻害の有効性を示すものである。
本発明の悪臭発生剤は、家庭内で発生する悪臭の発生を抑制することができるので、公衆衛生に役立つ。
1 …… 悪臭発生抑制剤揮散具
2 …… 容器体
3 …… ガス透過性フィルム
4 …… 凹部
5 …… 悪臭発生抑制剤
6 …… 容器体
6a …… 右容器体
6b …… 左容器体
7 …… 揮散孔
8 …… 薬剤含浸体
9 …… ヒンジ部
10 …… フック部
10a …… 右容器体のフック部
10b …… 容器体のフック部

以 上

Claims (6)

  1. チモール、シトラール、デカノール、オイゲノールおよびイソオイゲノールからなる群から選ばれる化合物の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする悪臭発生抑制剤。
  2. 揮発性硫黄化合物および/または揮発性窒素化合物の発生を抑制するものである請求項1に記載の悪臭発生抑制剤。
  3. 有効成分を揮散させて使用するものである請求項1または2に記載の悪臭発生抑制剤。
  4. 上面開口の容器中に、請求項1〜3の何れかに記載の悪臭発生抑制剤を収納し、その開口部をガス透過性フィルムで塞いだことを特徴とする消臭具。
  5. 有効成分を揮散させて使用するものである請求項4に記載の消臭具。
  6. 悪臭の発生源に、請求項1〜3の何れかに記載の悪臭発生抑制剤を作用させることを特徴とする悪臭の消臭方法。
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