JP2014004884A - ラックアンドピニオン式ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラック軸支持部材の軸動とラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して傾いた揺動で、ラック軸支持部材の接触による打音および摩耗を防ぐことができるラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】ラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、保持孔31の閉止する位置に設けられた封止部材35とを備えたラックアンドピニオン式ステアリング装置において、ラック軸支持部材および封止部材35の互いに向かい合う端面の少なくとも一方に、ラック軸支持部材の中心軸を通るラック軸と平行な線上に油溝の無い平らな第1面352Aを設け、ラック軸支持部材の中心軸を通るラック軸と直角な線上に平らな面の一部に油溝を形成した第2面352Bを設けた。
【選択図】図4
【解決手段】ラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、保持孔31の閉止する位置に設けられた封止部材35とを備えたラックアンドピニオン式ステアリング装置において、ラック軸支持部材および封止部材35の互いに向かい合う端面の少なくとも一方に、ラック軸支持部材の中心軸を通るラック軸と平行な線上に油溝の無い平らな第1面352Aを設け、ラック軸支持部材の中心軸を通るラック軸と直角な線上に平らな面の一部に油溝を形成した第2面352Bを設けた。
【選択図】図4
Description
本発明は、ラックアンドピニオン式ステリング装置に関する。
従来、車両の舵取りを行うステアリング装置として、操舵部材の回転操作に応じたピニオンの回転を、該ピニオンに噛合するラックを有するラック軸の軸長方向の移動に変換し、ラック軸の両端に連結された左右の前輪を押し引きして舵取りをおこなうように構成されたラックアンドピニオン式のステアリング装置が広く採用されている。このラックアンドピニオン式のステアリング装置は、一般的に、ラック軸に弾性接触し、前記噛合い部に与圧を加えるラック軸支持部材を備えている。また、前記ラック及びピニオンは、大容量の負荷伝達とすべく、噛合い率が大きいはす歯に夫々形成してある。
このようなラックアンドピニオン式のステアリング装置においては、操舵時にラック及びピニオンの噛合いに伴ってラック軸支持部材の軸動と、ラック軸支持部材の径方向の移動が同時に発生する。
さらに、ラック軸とピニオンとの噛み合い反力が大きいとき(高負荷時)に、ラック軸支持部材の後面が、封止部材の前面に接触するようになっている。通常は、ラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して平行な状態で、ラック軸支持部材の後面が封止部材の前面に面当たりする。
さらに、ラック軸とピニオンとの噛み合い反力が大きいとき(高負荷時)に、ラック軸支持部材の後面が、封止部材の前面に接触するようになっている。通常は、ラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して平行な状態で、ラック軸支持部材の後面が封止部材の前面に面当たりする。
またラック軸とピニオンとの噛み合い反力が大きいとき(高負荷時)に急激なハンドル操作がある場合は、ラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して傾いた状態で、ラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面の一部とが互いに局部的に接触して、この接触箇所の摩擦力を上回る外力がラック軸支持部材に作用して初めて、傾いたラック軸支持部材の後面の外縁の一部が封止部材の前面に沿って摺動し、その後、ラック軸支持部材の後面が封止部材の前面に面当たり状態になる。この面当たり時に大きな打音が発生する。
ラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面の一部とが互いに局部的に接触する箇所の摩擦力を下げるために、上記ラック軸支持部材の後面に潤滑剤を保持する油溝を放射状に複数形成し、ラック軸支持部材の後面が封止部材の前面に面当たりする時の打音を下げている。(特許文献1)
ラック軸支持部材は、ラック軸の軸線と直角方向に傾くため、ラック軸支持部材の後面の中でも、ラック軸支持部材の中心軸を通りラック軸の軸線と直角方向にある面の油が押し退けられ、ラック軸支持部材の中心軸を通りラック軸の軸線方向にある面へ油が溜まる。ラック軸支持部材の中心軸を通りラック軸の軸線方向にある面に油溝があるため、なおさら油が溜まりやすくなり、ラック軸支持部材の中心軸を通りラック軸の軸線と直角方向にある油溝の油が枯渇して打音が発生しやすい問題があった。そこで本発明の目的は、ラック軸支持部材の中心軸を通りラック軸の軸線と直角方向にある油溝の油が枯渇しないようにして、打音を防ぐことができるラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸方向に進退するラック軸と、このラック軸に噛合するピニオン軸と、前記ラック軸を軸方向に進退可能に支持するとともに前記ピニオン軸を回転可能に支持し、前記ラック軸を挟んで前記ピニオン軸と反対側に保持孔を形成したハウジングと、前記保持穴に摺動可能に収容され前記ラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、前記保持孔の閉止する位置に設けられた封止部材と、前記封止部材および前記ラック軸支持部材間に介挿され、前記ラック軸支持部材を前記ラック軸側に付勢する付勢部材とを備えたラックアンドピニオン式ステアリング装置において、前記ラック軸支持部材および前記封止部材の互いに向かい合う端面の少なくとも一方に、前記ラック軸支持部材の中心軸を通る前記ラック軸と平行な線上に油溝の無い平らな第1面を設け、前記ラック軸支持部材の中心軸を通る前記ラック軸と直角な線上に平らな面の一部に油溝を形成した第2面を設けたことを要旨としている。
本発明によると、ラック軸とピニオンとの噛み合い反力が大きいときに、ラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して傾いた状態でラック軸と直角方向でかつラック軸支持部材の径方向に大きい移動を繰り返した場合、油溝部のない平坦部への潤滑剤の移動が発生しないため、いつまでもラック軸と直角な線上の油溝部で潤滑剤の枯渇がなく、潤滑剤により、ラック軸支持部材の端部が封止部材に対してスムーズに摺動でき、長期に保持孔内で傾いたラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面の一部とが局部的に接触することを防止して、打音および摩耗を防ぐことができるラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供できる。
請求項2に記載の発明は、油溝は、ラック軸の軸線と直角方向に延び、ラック軸の軸線方向に複数並行に配置されていることを要旨としている。そのため、ラック軸と直角方向でかつラック軸支持部材の径方向に大きい移動を繰り返した場合、必要な油溝部にのみ潤滑剤がとどまり、ラック支持部材の挙動に合わせて潤滑剤が効果的に作用するため、付勢部材の端部が封止部材に対してスムーズに摺動でき、長期に保持孔内で傾いたラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面の一部とが局部的に接触することを防止して、接触による打音および摩耗を防ぐことができるラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供できる。
請求項3に記載の発明は、油溝は、ラック軸支持部材の外径側に向かって溝深さが浅くなる形状を有することを要旨としている。
本発明によると、ラック軸の軸線と直角方向でかつラック軸支持部材の径方向に大きい移動を繰り返した場合、ラック軸支持部材の径方向の往復動により潤滑剤の油膜圧力を発生する油溝と潤滑剤を保持する油溝が円周状幅方向で潤滑剤の通路が狭くなるように形成設置されているため、潤滑剤の油膜圧力が発生して、長期に接触による打音および摩耗を防ぐことができるラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供できる。
本発明の構造によれば、ラック軸支持部材の軸動とラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して傾いた揺動で、ラック軸支持部材の接触による打音および摩耗を防ぐことができるラックアンドピニオン式ステアリングを提供できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、ラック軸支持装置がラックアンドピニオン式ステリング装置としての電動パワーステアリング装置に用いられる場合に則して説明するが、ラック軸支持装置が、例えば、マニュアル操舵のラックアンドピニオン式ステリング装置に適用されてもよい。
図1を参照して、ラックアンドピニオン式ステリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7に設けられたピニオン8に噛み合うラック9を有して車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
図1を参照して、ラックアンドピニオン式ステリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7に設けられたピニオン8に噛み合うラック9を有して車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ピニオン軸7およびラック軸10によりラックアンドピニオン機構からなる操舵機構11が構成されている。ラック軸10は、車体12に固定されるラックハウジング13内に図示しない複数の軸受を介して直線往復可能に支持されている。ラック軸10には、一対のタイロッド14が結合されている。各タイロッド14は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪16に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン8およびラック9によって、自動車の左右方向に沿ってのラック軸10の直線運動(ラック軸10の軸方向移動に相当する。)に変換される。これにより、転舵輪16の転舵が達成される。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン軸7に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン軸7に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
ラックアンドピニオン式ステリング装置には、トーションバー19を介して互いに連結された入力軸17および出力軸18の間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ20が設けられている。また、車速を検出するための車速センサ21が設けられている。また、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)22が設けられている。また、操舵補助力を発生させるための電動モータ23と、この電動モータ23の出力回転を減速する減速機24とが設けられている。
トルクセンサ20および車速センサ21からの検出信号が、ECU22に入力されるようになっている。ECU22は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ23を制御する。電動モータ23の出力回転が減速機24を介して減速されてピニオン軸7に伝達され、ラック軸10の直線運動に変換されて、操舵が補助されるようになっている。
図2を参照して、ラックアンドピニオン式ステリング装置1は、ピニオン軸7を回転可能に支持する一対の軸受26,27と、ラック軸10を支持するラック軸支持装置28と、ピニオン軸7の一部および一対の軸受26,27を収容するピニオンハウジング29と、ラック軸支持装置28の少なくとも一部を収容するハウジング30とを有している。
図1および図2を参照して、ラックハウジング13の少なくとも一部と、ハウジング30と、ピニオンハウジング29とは、互いに交差状に配置され、単一材料により互いに一体に形成されている。すなわち、ピニオンハウジング29は、筒形状をなしており、ラックハウジング13が延びる方向(図2の紙面垂直方向に相当する。)とは交差する方向に平行に延びている。ハウジング30は、筒状をなしており、ラック軸10を隔ててピニオン軸7とは反対側に配置されている。ハウジング30は、保持孔31を有している。
ハウジング30および保持孔31はともに、ピニオン軸7の軸方向Z2およびラック軸10の軸方向Z1にともに直交する方向Z3に延びている。互いに一体に形成されたラックハウジング13の一部とピニオンハウジング29とハウジング30とにより、ピニオン軸7およびラック軸10が互いに噛み合う部分が収容されている。ラック軸10は、図2の紙面垂直方向に延びている。ラック9は、はすばラックからなる。このはすばラックが、はすば歯車からなるピニオン8と互いに噛み合っている。ラック軸10は、断面D字形形状をなす。ラック軸10は、ラック9とは反対側に円筒面の一部からなる背面を有している。
図2を参照して、ラック軸支持装置28は、ラック軸10を摺動可能に支持する円筒状のラック軸支持部材34を有している。ラック軸支持部材34は、ハウジング30に形成された保持孔31内に保持孔31の深さ方向(ハウジング30が延びる方向Z3に相当し、以下、深さ方向Z3ともいう。)に摺動可能に収容されている。また、ラック軸支持装置28は、保持孔31の入口311に固定されておりこの入口311を封止する封止部材35と、封止部材35によって支持されラック軸支持部材34をラック軸10側に付勢する付勢部材36とを有している。
ハウジング30の保持孔31は、円孔からなる。保持孔31は、入口311を有している。保持孔31の内周は、ラック軸支持部材34を保持する円筒面により形成された保持部312と、封止部材35を螺合する雌ねじ313とを有している。雌ねじ313は、入口311を形成するとともに、入口311と保持部312との間に形成されている。封止部材35は、筒形状をなしており、アルミニウム合金により形成されている。封止部材35の外周に、雄ねじ351が形成されている。雄ねじ351は、右ねじにより形成されており、保持孔31の雌ねじ313にねじ嵌合されている。また、雄ねじ351には、ロックナット37がねじ嵌合されている。ロックナット37がハウジング30の端面に押圧されることにより、封止部材35がハウジング30に止定されている。封止部材35の後面353には、多角形形状の孔からなる工具係合孔354が設けられている。
付勢部材36は、例えば、圧縮コイルばねからなる。この圧縮コイルばねは、弾性圧縮変形を受けた状態で、封止部材35とラック軸支持部材34との間に介在している。付勢部材36は、ラック軸支持部材34をラック軸10側へ弾性的に付勢している。ラック軸支持部材34は、保持孔31内に収容されており、この保持孔31の深さ方向Z3に進退可能に保持孔31に保持されている。ラック軸支持部材34は、アルミニウム合金により形成されており、略円柱形状をなしている。この略円柱形状の中心軸線が、保持孔31の中心軸線に沿うように配置されている。
ラック軸支持部材34は、後面343を有している。後面343は、封止部材35の前面352に対向して配置されている。後面343は、付勢部材36を受ける領域として、付勢部材36の少なくとも一部を収容する凹部345を有している。この凹部345の底が、付勢部材36を受けている。
図3は、図2の要部A1の拡大図であり、保持孔31の中心線が左右に延びるように図示するとともに、保持孔31の中心線に対して半断面表示されている。図2および図3を参照して、ラック軸支持部材34の外周面は、円筒面により形成されており、複数(例えば2個)の周溝348を有している。複数の周溝348は、深さ方向Z3に互いに離隔して配置されている。各周溝348には、環状の弾性部材、例えばOリング38が装着されている。Oリング38は、保持孔31の径方向に弾性圧縮変形した状態で、周溝348の底と保持孔31の内周との間に介在している。これにより、ラック軸支持部材34は、保持孔31に弾性支持されている。また、ラック軸支持部材34の外周面と保持孔31の内周面との間の所定量の隙間に、潤滑剤(図示せず)が保持されている。
図3は、図2の要部A1の拡大図であり、保持孔31の中心線が左右に延びるように図示するとともに、保持孔31の中心線に対して半断面表示されている。図2および図3を参照して、ラック軸支持部材34の外周面は、円筒面により形成されており、複数(例えば2個)の周溝348を有している。複数の周溝348は、深さ方向Z3に互いに離隔して配置されている。各周溝348には、環状の弾性部材、例えばOリング38が装着されている。Oリング38は、保持孔31の径方向に弾性圧縮変形した状態で、周溝348の底と保持孔31の内周との間に介在している。これにより、ラック軸支持部材34は、保持孔31に弾性支持されている。また、ラック軸支持部材34の外周面と保持孔31の内周面との間の所定量の隙間に、潤滑剤(図示せず)が保持されている。
ラック軸支持部材34は、ラック軸10のラック9の背面を、このラック軸10の軸方向Z1(図2の紙面垂直方向に相当する。)に移動可能に支持している。ラック軸支持部材34は、ラック軸10の背面に対向して配置されておりラック軸10の背面を軸方向Z1に摺動可能に受ける受け部341を有している。受け部341は、凹湾曲面により形成され、ラック軸10の背面の形状に概ね一致しており、例えば、部分円筒面に形成されている。
図3と図4を参照して、ラック軸支持部材34の後面343は、深さ方向Z3に沿って見たときに凹部345を取り囲む環状の領域346を有している。環状の領域346は、平面をなす。一方、封止部材35の前面352は、付勢部材36を受ける領域355と、この領域355を取り囲む環状の領域356とを有している。
図4には、環状の領域356は、周方向に関して一部のみ図示している。環状の領域356は、外周縁50と、内周縁51との間の領域である。また、環状の領域355は、その外周縁52と、内周縁53との間の領域である。ラック軸支持部材34の環状の領域346と、封止部材35の前面352の環状の領域356とが、深さ方向Z3に沿って互いに対向している。環状の領域346,356の間隔は、所定の距離に設定されている。環状の領域346,356が互いに当接することにより、深さ方向Z3に関してラック軸支持部材34の移動量が規制されている。
図2と図3を参照して、ピニオン8とラック9との噛み合い反力がラック軸支持部材34に作用したときには、付勢部材36の付勢に抗して、ラック軸10およびラック軸支持部材34がピニオン軸7から遠ざかる向きに移動する。そして、噛み合い反力が大きいときには、ラック軸支持部材34の後面343の環状の領域346と封止部材35の前面352の環状の領域356とが互いに当接する。
通常は、ラック軸支持部材34の中心軸線が保持孔31の中心軸線に対して平行な状態で、ラック軸支持部材34の後面343が封止部材35の前面352に面当たりする。一方で、ラック軸支持部材34の中心軸線が保持孔31の中心軸線に対して傾いた状態で、ラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1と封止部材35の前面352の一部P2とが互いに局部的に接触する場合がある。この場合、噛み合い反力がラック軸支持部材34に作用することにより、傾いたラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1が封止部材35の前面352に沿って摺動し、その結果、ラック軸支持部材34の後面343が封止部材35の前面352に面当たりした上述の通常の状態になる。
このときに、従来のラック軸支持装置では、異音が生じやすくなっていた。すなわち、傾いた状態のラック軸支持部材34の後面の外縁の一部と封止部材35の前面との摺動抵抗が大きいので、ラック軸支持部材34および封止部材35の間の大きな静止摩擦力を上回る相当大きな力が作用するまでは、ラック軸支持部材34は動き出すことができない。換言すれば、相当大きな力を受けて、ラック軸支持部材34が、傾きを戻すように保持孔内で勢いよく動くことになる。その結果、例えばラック軸支持部材34の後面と封止部材35の前面とが勢いよく衝突し、異音が生じていた。
図2と図3を参照して、これに対して本実施形態では、ラック軸支持装置28は、ラック軸支持部材34および封止部材35の環状の領域346,356間の摩擦を低減するための潤滑剤39を収容した潤滑剤収容凹部として、封止部材35の前面352に形成された複数の油溝40を有している領域の第1面352Bをラック軸支持部材34の中心軸を通る前記ラック軸10と平行な線上に設け、平坦部の領域の第2面352Aをラック軸支持部材34の中心軸を通る前記ラック軸10と直角な線上に有している。
複数の油溝40は、ラック軸10の軸線と直角方向に平行としている。これにより、保持孔31の周方向および径方向の両方向に関して広範囲にわたって、潤滑剤39を環状の領域346,356内に供給できる。また、平行であれば、ラック支持部材34の左右の揺動時に保持孔31内でのラック軸支持部材34の傾きを戻すように、ラック軸支持部材34の後面343と封止部材35の前面352との環状の領域346,356同士がスムーズに相対摺動できる。
また、平行の複数の油溝40は、保持孔31の周方向に関する封止部材35の位置にかかわらず、潤滑剤39を、環状の領域346,356間に供給できる。また、本実施形態では、後述するように、組立時に保持孔31への封止部材35のねじ込み量を調整することによりラック軸支持部材34の移動可能量を調整するようにしている。この場合には、封止部材35の前面352とラック軸支持部材34の後面343との環状の領域346,356同士を互いに近接させて相対回転させることになる。このときに、放射状の複数の油溝40は、潤滑剤39を、環状の領域346,356内の広い範囲に供給することができる。
この効果を得るための平行の複数の油溝40は、ラック軸支持部材34の後面343および封止部材35の前面352の少なくとも一方に形成されていればよい。また、平行をなす油溝40の数は、5つの場合を図示しているが、例えば、3以上の8以外の数であってもよい。また、平行の複数の油溝40のそれぞれは、本実施形態で図示したように保持孔31の径方向に沿って延びていることや、保持孔31の径方向に対して傾斜状に延びているのが(図示せず)、上述の効果を得るのに好ましい。
具体的には、複数の油溝40は、封止部材35の中心軸線に沿って見たときに、この中心軸線とラック軸の軸線に平行に設置している。各油溝40は、封止部材35の径方向に沿って真直に所定長で延びている。油溝40は、保持孔31の径方向に関して相対的に内方に配置された内端401と、径方向に関して相対的に外方に配置された外端402とを有している。
複数の油溝40の内端401は、ラック軸10の軸線の方向に関して均等に互いに離隔して配置されている。複数の油溝40の外端402も、ラック軸10の軸線の方向に関して均等に互いに離隔して配置されている。内端401は、径方向内方に向けて閉塞されている。外端402は、径方向外方に向けて閉塞されている。保持孔31の径方向に関する油溝40の内端401および外端402が閉じられることにより、重力により潤滑剤39が下方に落下することを防止でき、その結果、潤滑不良の発生を防止できる。
外端402は、ラック軸支持部材34の後面343の外周縁部に、保持孔31の深さ方向Z3に沿って対向している。複数の油溝40の外端402の外接円の直径は、ラック軸支持部材34の後面343の外径と等しい値か、この値よりも大きい値とされるのが、好ましい。これにより、環状の領域347,356が互いに局部的に接触するときに潤滑剤39を確実に供給できる。なお、複数の油溝40の外端402の外接円の直径がラック軸支持部材34の後面343の外径と等しい値よりも小さい場合も考えられる。
油溝40は、封止部材35の前面352の環状の領域356から、径方向内方に連続して延び出している。内端401が、付勢部材36の端部361に、保持孔31の深さ方向Z3に沿って対向している。例えば、複数の油溝40の内端401の内接円の直径が、付勢部材36のコイルの外径と等しい値よりも小さくされており、例えば、付勢部材36のコイルの内径と等しくされている。
油溝40の内端401に収容された潤滑剤39により、付勢部材36の端部361と封止部材35との間を潤滑できる。その結果、付勢部材36の端部361が封止部材35に対してスムーズに摺動できる。従って、ラック軸支持部材34の後面343と封止部材35の前面352との相対摺動をスムーズにするのに寄与する。なお、油溝40がラック軸支持部材34に形成されている場合にも、付勢部材36の端部361とラック軸支持部材34との間を潤滑できるので、同様の効果が得られる。
さらに、図5、図6に示すように、油溝40の断面深さ方向で外周に向かって外径方向に傾斜しているため、潤滑剤の通り道が狭まりとなるため、潤滑剤収容凹部としての油溝40に収容された潤滑剤39により、油膜圧力が発生してラック軸支持部材34および封止部材35の環状の領域346,356間を潤滑できるので、この間の摩擦を低減することができる。例えば、環状の領域346,356間の摩擦係数を、ひいては摩擦力を小さくすることができる。
従って、仮に、ラック9とピニオン8との噛み合い反力が大きいときに、保持孔31内で傾いたラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1と封止部材35の前面352の一部P2とが局部的に接触することがあるとしても、傾いた状態のラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1と封止部材35の前面352との摺動抵抗が小さくなる。このため、傾いた状態のラック軸支持部材34が、大きな力を受けなくても、封止部材35に沿って、傾きを戻すようにスムーズに動くことになる。ひいては、ラック軸支持部材34と封止部材35との衝突による異音も生じ難くなる。
なお、後述するように、潤滑剤収容凹部は、ラック軸支持部材34の後面343および封止部材35の前面352の少なくとも一方の環状の領域346,356に配置されていればよい。本実施形態では、潤滑剤収容凹部が封止部材35の前面352のみに形成された複数の油溝40からなる場合に則して説明する。図3および図4を参照して、ラック軸支持部材34の後面343と封止部材35の前面352との環状の領域346,356においては、油溝40以外の部分が、互いに当接可能な当接可能部として機能する。これら当接可能部同士が互いに当接することにより、ラック軸支持部材34の移動量が規制される。
図7に本発明の第2実施形態をしめしているが、本発明では、油溝60をラック軸10の軸線の方向に平行に設置している。さらに図8に示すようにラック支持部材34の同心円上に外径側に行くほど深さ方向に浅くして、径方向に移動時に潤滑剤の流路を狭くする構造である。
本実施形態では、封止部材35の前面352がラック軸支持部材34の後面652に当接した状態では、潤滑剤39は、環状の領域346,356全体に押し拡げられるとともに、油溝60内に保持されている。従って、潤滑不良が生じる虞はない。さらにラック支持部材34の同心円上に外径側に行くほど深さ方向に浅くして、径方向に移動時に潤滑剤の流路を狭くなり、潤滑剤の油膜圧力が発生する。これに対して、従来は、封止部材の前面の環状の領域の全面とラック軸支持部材の後面の環状の領域の全面とがそれぞれ平面により形成されていたので、互いに当接したときに、潤滑剤が押し出され、潤滑不良が生じる場合があった。
このように本実施形態のラックアンドピニオン式ステリング装置1では、潤滑剤収容凹部としての油溝60により、ラック軸支持装置28における異音の発生を防止でき、且つ操舵部材2の操作に伴いラック軸10をスムーズに動作させることができる。ひいては、操舵するときの追従性を高め、ハンドル戻りをスムーズにでき、操舵感を向上させることができる。
7…ピニオン軸、10,10D…ラック軸、28,28A,28B,28C,28D…ラック軸支持装置、30…ハウジング、31…保持孔、34,34A,34C,34D…ラック軸支持部材、35…封止部材、36…付勢部材、39…潤滑剤、40,60…油溝(潤滑剤収容凹部)、311…入口、343,343A,343C…(ラック軸支持部材の)後面、346,346A,346C…(ラック軸支持部材の後面の)環状の領域、352…(封止部材の)前面、352A…第1面、352B…第2面、356…(封止部材の前面の)環状の領域、361…(付勢部材の)端部、401…油溝の内端、Z3…深さ方向。
Claims (3)
- 軸方向に進退するラック軸と、このラック軸に噛合するピニオン軸と、前記ラック軸を軸方向に進退可能に支持するとともに前記ピニオン軸を回転可能に支持し、前記ラック軸を挟んで前記ピニオン軸と反対側に保持孔を形成したハウジングと、前記保持穴に摺動可能に収容され前記ラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、前記保持孔の閉止する位置に設けられた封止部材と、前記封止部材および前記ラック軸支持部材間に介挿され、前記ラック軸支持部材を前記ラック軸側に付勢する付勢部材とを備えたラックアンドピニオン式ステアリング装置において、前記ラック軸支持部材および前記封止部材の互いに向かい合う端面の少なくとも一方に、前記ラック軸支持部材の中心軸を通る前記ラック軸と平行な線上に油溝の無い平らな第1面を設け、前記ラック軸支持部材の中心軸を通る前記ラック軸と直角な線上に平らな面の一部に油溝を形成した第2面を設けたことを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記油溝は、前記ラック軸の軸線と直角方向に延び、前記ラック軸の軸線方向に複数並行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記油溝は、前記ラック軸支持部材の外径側に向かって溝深さが浅くなる形状を有することを特徴とする請求項2に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
Priority Applications (1)
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| JP2012140709A JP2014004884A (ja) | 2012-06-22 | 2012-06-22 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2012140709A JP2014004884A (ja) | 2012-06-22 | 2012-06-22 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
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| JP2014004884A true JP2014004884A (ja) | 2014-01-16 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114104714A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-03-01 | 长春职业技术学院 | 一种物流运输用搬运机器人 |
| JP2023040606A (ja) * | 2021-09-10 | 2023-03-23 | 日立Astemo株式会社 | 電動パワーステアリング装置およびその製造方法 |
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2012
- 2012-06-22 JP JP2012140709A patent/JP2014004884A/ja active Pending
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| JP2023040606A (ja) * | 2021-09-10 | 2023-03-23 | 日立Astemo株式会社 | 電動パワーステアリング装置およびその製造方法 |
| JP7698532B2 (ja) | 2021-09-10 | 2025-06-25 | Astemo株式会社 | 電動パワーステアリング装置の製造方法 |
| CN114104714A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-03-01 | 长春职业技术学院 | 一种物流运输用搬运机器人 |
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