JP2014090852A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴルフクラブヘッド10のフェース面長さB1と、フェース面長さB1と第1の縦寸法D1とのアスペクト比と、フェース面長さB1の1/3と第2の縦寸法D2とのアスペクト比と、フェース面長さB1の2/3と第3の縦寸法D3とのアスペクト比とを考慮してフェース面12Aの輪郭線Iの形状を規定することにより、フェース部12の質量の抑制を図りつつフェース面12Aにおける打点が高い頻度で分布する部分の面積を確保した。
【選択図】図3
Description
特許文献1には、アイアン型ゴルフクラブヘッドにおいて、フェース板のトウヒール方向の中央の部分の高さを、フェース板のトウ側の端部における高さおよびフェース板のヒール側の端部における高さよりも大きく確保することでフェース面のたわみ量を増加させ、飛距離の改善を図ることが提案されている。
特許文献2には、中空構造のゴルフクラブヘッドにおいて、フェース部のクラウン部寄りの箇所、あるいは、クラウン部のフェース部寄りの箇所に薄肉部あるいは貫通部あるいは低弾性部材を設けることで変形助長部を構成し、たわみ量を増加させ、飛距離の改善を図ることが提案されている。
特許文献3、4には、中空構造のゴルフクラブヘッドにおいて、クラウン部のフェース部寄りの部分でトウヒール方向の中央部分に突起部を設けることでフェース部のたわみ量を増加させ、初速の向上を図ることが提案されている。
特許文献2に記載のものでは、変形助長部とそれ以外の部分との間で強度差が生じることから耐久性を確保する上で不利がある。
特許文献3、4に記載のものでは、突起部は打球を行なうフェース面から離れたクラウン部に設けられていることから、フェース面のたわみ量を確保する面で不利があり、また、突起部に応力集中が生じやすく耐久性が低下する不利がある。
したがって、上記各従来技術では、飛距離の改善について一定の効果はあるものの、設計の自由度および耐久性については特に考慮されておらず、改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、飛距離の改善を図りつつ、設計自由度を確保できしかも耐久性を確保する上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
前記フェース面中心点Pcからヒール側にB1・(2/3)離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第5の曲線L5とした場合、前記第5の曲線L5と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点を結ぶ直線の寸法をヒール側の第3の縦寸法D3′′とし、前記トウ側の第3の縦寸法D3′および前記ヒール側の第3の縦寸法D′′の平均値を第3の縦寸法平均値D3とし、前記第1の曲線L1と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b1とし、前記第2の曲線L2と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b2′とし、前記第3の曲線L3と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b2′′とし、前記第4の曲線L4と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b3′とし、前記第5の曲線L5と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b3′′とし、前記基準状態で前記フェース面の前方に離れた箇所に位置しフェース面中心点を通る法線と直交する平面を投影面とし、前記投影面において、前記輪郭点b2′の投影点と前記輪郭点b2′′の投影点とを結ぶ直線と前記第1の直線L1の投影線との交点が投影点となる前記フェース面上の点を交点b2′′′としたときに前記輪郭点b1と前記交点b2′′′とを結ぶ直線の寸法をαとし、前記投影面において、前記輪郭点b3′の投影点と前記輪郭点b3′′の投影点とを結ぶ直線と、前記第1の直線L1の投影線との交点が投影点となる前記フェース面上の点を交点b3′′′としたときに前記輪郭点b1と前記交点b3′′′とを結ぶ直線の寸法をβとし、前記フェース面中心点Pcからトウ側に以下の式(1)で規定される第1の寸法ΔE離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第6の曲線L6としたとき、前記第6の曲線L6と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点e1′とし、前記フェース面中心点Pcからヒール側に前記第1の寸法ΔE離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第7の曲線L7としたとき、第7の曲線L7と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点e1′′とし、前記投影面において、前記輪郭点e1′の投影点と前記輪郭点e1′′の投影点とを結ぶ直線と前記第1の直線L1の投影線との交点が投影点となる前記フェース面上の点を交点e1′′′としたときに前記輪郭点b1と前記交点e1′′′とを結ぶ直線の寸法をγとしたとき、β/α×100で規定される比率が30%以上90%未満であり、かつ、γが3.0mm以上10.0mm未満であることを特徴とする。
ΔE=(B1/D1)・[B1・(1/3)/D2・0.5)]・[B1・(2/3)/D3・0.2]・B1……(1)
また、フェース面長さと、3種類のアスペクト比とを考慮してフェース面の輪郭線の形状を規定することでフェース部の質量が抑制されるため、設計自由度を確保する上で有利となる。
また、従来技術のように部分的に変形助長部を設けたり、クラウン部に突起部を設けないため、耐久性を確保する上で有利となる。
図1は11000人のゴルファーが中空のウッド型ゴルフクラブヘッドを用いてゴルフボールを打撃したときの打点の分布を示す図である。
図1において横軸はトウヒール方向の位置を示し、縦軸はクラウンソール方向の位置を示しており、単位はmmである。また、横軸と縦軸との交点がフェース面中心点である。
図1において、黒点は打点を示し、横軸の上方で縦軸の中央の右側に位置する白い矩形は打点の分布の平均値を示す。
図2において領域a1は全体の打点の27.4%が分布し、領域a1+a2は全体の打点の67.7%が分布し、領域a1+a2+a3は全体の打点の76.2%が分布している。
1)トウヒール方向の打点のばらつきがクラウンソール方向の打点のばらつきよりも大きい。
2)フェース面12Aの中心よりも下方の部分に比較してフェース面12Aの中心よりも上方(クラウン方向)の部分に打点がより多く分布している。すなわち、フェース面12Aのトウヒール方向の中央でかつ上部寄りの部分に打点がより多く分布している。
したがって、実際の打点の分布を考慮すると、フェース面12Aの中心よりも上部で大きくたわむ領域が広いことがスイートエリアを広く確保し、飛距離を改善する上で有利であるといえる。
本発明は、このことに着目してなされたものであり、フェース面12Aの輪郭線を規定することによって、フェース面12Aの中心よりも上部で大きくたわむ領域を広く確保できるようにしたものである。
図3はゴルフクラブヘッド10をフェース面12Aの前方から見た正面図であり、図4はゴルフクラブヘッド10の基準状態において水平面と直交しかつトウヒール方向と直交する方向に延在しフェース面12A中心点を通る平面でゴルフクラブヘッド10を破断したゴルフクラブヘッド断面PGを示す図である。
図3、図4に示すように、ゴルフクラブヘッド10は、フェース部12と、クラウン部14と、ソール部16とを備えている。
フェース部12は、上下の高さを有して左右に延在するフェース面12Aを構成する。
クラウン部14は、フェース部12の上部から後方に延在する。
ソール部16は、フェース部12の下部から後方に延在し、クラウン部14と接続している。
ゴルフクラブヘッド10は、フェース部12とクラウン部14とソール部16の内部が中空部とされた中空構造を呈している。
また、クラウン部14には、フェース面12A側でかつヒール寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル18が設けられている。
図中、符号20はトウ、符号22はヒールを示す。
フェース面12Aの周縁が稜線によって特定される場合はフェース面12Aの輪郭線Iが稜線によって明瞭に定義される。
フェース面12Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面12Aが明瞭に定義できない場合のフェース面12Aの輪郭線Iは以下のように規定される。
ここで、図6に示すように、ゴルフクラブヘッド10の重心点Gとフェース面12A上重心点Gfとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面12A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面12Aの中心点Pcから外方向(図7における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。なお、フェース面12Aの中心点Pcについては後述するような方法で規定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面12Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図6、図7に示すように、フェース面12Aとして定義される。
一般に、フェース面12Aと、フェース面12Aの周囲のゴルフクラブヘッド10の表面とは、外観仕上げが異なっているため、外観仕上げの相違に基づいてフェース面12Aの輪郭線Iを規定することができる。
例えば、フェース面12Aが研磨面、あるいは、研磨面にイオンプレーティング処理により金属蒸着面が形成されており、フェース面12Aの周囲のゴルフクラブヘッド10の表面が塗装面である場合は、フェース面12Aとフェース面12Aの周囲のゴルフクラブヘッド10の表面との境界部分(境目)が明瞭に視認でき、この境界部分をフェース面12Aの輪郭線Iとして規定することができる。
フェース面12Aの中心点Pcは、フェース面12Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
フェース面12Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面12Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点の規定方法である。この場合はフェース面12Aが明瞭に定義されることになる。
図16乃至図19はフェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
すなわち、図16に示すように、トウ20およびヒール22を結ぶ地面と平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面12Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面12Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(4)次に図18に示すように水平線g0とフェース面12Aのトウ20側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面12Aのヒール22側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面12Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面12Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面12Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ−ヒール方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
次に、フェース面12Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面12Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
直線LTは、フェース面12Aのトウ側点Ptを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面12Aのヒール側点Phを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面12Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面12Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ−ヒール方向と直交する方向に延在する直線であり、直線LCがフェースセンターラインCLとなる。
しかしながら、フェース面12Aのクラウンヒール方向(縦方向)の寸法が大きくなりすぎると、ルールによって定められた反発係数の上限値を上回ってしまい、また、フェース部12の質量も重くなるため、反発係数を上限値以下としつつフェース部12の質量を抑制する必要がある。
これらのことを考慮すると、フェース面12Aの縦方向の寸法が大きくなるほど、輪郭線Iの凸形状の高さを抑制する必要があり、フェース面12Aの縦方向の寸法が小さくなるほど、輪郭線Iの凸形状の高さを大きく確保することができる。
したがって、本発明は、フェース面12Aのトウヒール方向の寸法であるフェース面長さ、および、このフェース面長さとフェース面12Aのクラウンソール方向の寸法(縦寸法)とのアスペクト比を考慮して輪郭線Iの凸形状を規定することで、フェース部12の質量を抑制しつつ、反発係数が上限値以下となる範囲でたわみ量を大きく確保するようにしたものである。
以下、輪郭線Iの具体的な規定内容について詳細に説明する。
なお、トウ側端点Ptおよびヒール側端点Phの何れか一方が明瞭に視認でき、他方が明瞭に視認できない場合は、以下のように端点PtあるいはPhを規定する。
すなわち、トウヒール方向においてフェース面12Aの中心点Pcから明瞭に視認できる方の端点までの寸法を測定する。そして、トウヒール方向において前記の寸法と同一寸法フェース面12Aの中心点Pcから反対側に離間した位置を残りの端点として規定する。
フェース面中心点Pcを通りフェース面12Aに沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第1の曲線L1とした場合、第1の曲線L1とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b1、b01を結ぶ直線の寸法を第1の縦寸法D1とする。
フェース面中心点Pcからヒール側にB1・(1/3)離間した点を通りフェース面12Aに沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第3の曲線L3とした場合、第3の曲線L3とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b2′′、b02′′を結ぶ直線の寸法をヒール側の第2の縦寸法D2′′とする。
トウ側の第2の縦寸法D2′およびヒール側の第2の縦寸法D2′′の平均値を第2の縦寸法平均値D2とする。
フェース面中心点Pcからヒール側にB1・(2/3)離間した点を通りフェース面12Aに沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第5の曲線L5とした場合、第5の曲線L5とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b3′′、b03′′を結ぶ直線の寸法をヒール側の第3の縦寸法D3′′とする。
トウ側の第3の縦寸法D3′およびヒール側の第3の縦寸法D′′の平均値を第3の縦寸法平均値D3とする。
第2の曲線L2とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b2′、b02′のうちクラウン部側の交点を輪郭点b2′とする。
第3の曲線L3とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b2′′、b02′′のうちクラウン部側の交点を輪郭点b2′′とする。
第4の曲線L4とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b3′、b03′のうちクラウン部側の交点を輪郭点b3′とする。
第5の曲線L5とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点b3′′、b03′′のうちクラウン部側の交点を輪郭点b3′′とする。
ここで、図4に示すように、基準状態でフェース面12Aの前方に離れた箇所に位置しフェース面中心点Pcを通る法線Laと直交する平面を投影面Ppとする。
また、投影面Ppにおいて、輪郭点b3′の投影点と輪郭点b3′′の投影点とを結ぶ直線と、第1の直線L1の投影線との交点が投影点となるフェース面12A上の点を交点b3′′′としたときに輪郭点b1と交点b3′′′とを結ぶ直線の寸法をβとする。
フェース面中心点Pcからヒール側に第1の寸法ΔE離間した点を通りフェース面12Aに沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第7の曲線L7としたとき、第7の曲線L7とフェース面12Aの輪郭線Iとが交わる2つの交点e1′′、e01′′のうちクラウン部側の交点e1′′を輪郭点e1′′とする。
投影面Ppにおいて、輪郭点e1′の投影点と輪郭点e1′′の投影点とを結ぶ直線と第1の直線L1の投影線との交点が投影点となるフェース面12A上の点を交点e1′′′としたときに輪郭点b1と交点e1′′′とを結ぶ直線の寸法をγとする。
このとき、β/α×100で規定される比率が30%以上90%未満であり、かつ、γが3.0mm以上10.0mm未満である。
ΔE=(B1/D1)・[B1・(1/3)/D2・0.5)]・[B1・(2/3)/D3・0.2]・B1……(1)
β/α×100が上記の範囲を下回るか、あるいは、γが上記の範囲を下回ると、フェース面12Aのクラウン部14寄りの輪郭の凸状の部分の面積を確保する上で不利となる。
β/α×100が上記の範囲を上回るか、あるいは、γが上記の範囲を上回ると、フェース面12Aのクラウン部14寄りの輪郭の凸状の部分の面積が大きくなりすぎるため、反発係数を上限値以下に抑制し、また、フェース部12の質量(ゴルフクラブヘッド10の質量)を抑制する上で不利となる。
αが上記範囲内であると、フェース面12Aのクラウン部14寄りの輪郭の凸状の部分の面積を確保することでフェース面12Aのたわみ量を確保しつつフフェース部12の質量(ゴルフクラブヘッド10の質量)の増加を抑制する上で有利となる。
αが上記範囲を下回ると、フェース面12Aのクラウン部14寄りの輪郭の凸状の部分の面積が低下するためたわみ量を確保する効果が低下する。
αが上記範囲を上回ると、フェース面12Aのクラウン部14寄りの輪郭の凸状の部分の面積が大きくなりすぎるため、反発係数を上限値以下に抑制し、また、フェース部12の質量(ゴルフクラブヘッド10の質量)の増加を抑制する効果が低下する。
鈍角θが上記範囲内であると、フェース面12Aのたわみ量を確保する上で有利となる。
鈍角θが上記範囲を下回ると、フェース部12とクラウン部14との境目の箇所に応力集中が生じやすくなるため、耐久性を確保する効果が低下する。さらに、たわみ量を確保する上で不利となる。
鈍角θが上記範囲を上回ると、ゴルファーは構えたときやスイングに外観上の違和感が生じるため、飛距離を改善する効果が低下する。
なお、後述する図15では、便宜上、鈍角θを「フェース部とクラウン部とのなす角度θ」と表記している。
ゴルフクラブヘッド10の体積が上記の範囲内であると、軽量化を図れるため、飛距離および打球の方向性の改善を図りつつスイングし易さの向上を図る上で有利となる。
ゴルフクラブヘッド10の体積が上記の範囲を下回ると、フェース面積が小さくなりすぎる。体積が小さくなりすぎると、見た目の違和感大(難しいイメージ)となり、ゴルファーは思い切り振れないのでヘッドスピードダウンとなる。そのため飛距離を確保する効果が低下する。
一方、ゴルフクラブヘッド10の体積が上記の範囲を上回ると、フェース面積が大きくなりすぎる。そのため、フェース部12の質量が重くなり、ゴルフクラブヘッド10の重心深度が浅くなりすぎることから、遠心力でインパクト直前にヘッドが上方を向く量が小さくなり、ボールが上がりにくく飛距離を確保する効果が低下する。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10のフェース面長さB1と、フェース面長さB1と第1の縦寸法D1とのアスペクト比と、フェース面長さB1の1/3と第2の縦寸法D2とのアスペクト比と、フェース面長さB1の2/3と第3の縦寸法D3とのアスペクト比とを考慮してフェース面12Aの輪郭線Iの形状を規定することにより、フェース部12の質量の抑制を図りつつフェース面12Aにおける打点が高い頻度で分布する部分の面積を確保した。したがって、フェース面12Aが大きくたわむ領域を広く確保でき、飛距離の改善を図る上で有利となる。
また、フェース面長さB1と、3種類のアスペクト比とを考慮してフェース面12Aの輪郭線Iの形状を規定することでフェース部12の質量が抑制されるため、設計自由度を確保する上で有利となる。
また、従来技術のように部分的に変形助長部を設けたり、クラウン部14に突起部24を設けないため、耐久性を確保する上で有利となる。
なお、以下の実験例の説明では、上記の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略する。
図15は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成して以下の試験を行った。
実験例は、後述するパラメータを変えて実験例1〜実験例27とした。
1)飛距離
飛距離については、「フェースセンターラインの飛距離」と「上打点の飛距離」との2種類の飛距離について評価した。
(A)フェースセンターラインの飛距離:
図8に示すフェース面12Aの中心点Pcを打点とした「フェースセンター打点」と、中心点Pcからトウ側に7mm離間した「フェースセンター打点のトウ7mm打点」と、「中心点Pcからヒール側に7mm離間した「フェースセンター打点のヒール7mm打点」との3打点の飛距離平均値をフェースセンターラインの飛距離とした。
(B)上打点の飛距離:
フェース面12Aの中心点Pcからトウヒール方向と直交する方向に沿って上方に7mm離間した箇所を打点とした「上7mm打点」と、上7mm打点からトウ側に7mm離間した「上7mm打点のトウ7mm打点」と、上7mm打点からヒール側に7mm離間した「上7mm打点のヒール7mm打点」と、中心点Pcからトウヒール方向と直交する方向に沿って上方に14mm離間した箇所を打点とした「上14mm打点」との4打点の飛距離平均値を「上打点」の飛距離とした。
この場合、専用のスイングロボットを用いて各打点でゴルフクラブをスイングして飛距離を計測し、各打点の飛距離の平均を算出することでフェースセンターラインの飛距離と上打点の飛距離とを求めた。ヘッドスピードは40m/sとした。
この場合、実験例27のゴルフクラブヘッド10の飛距離の平均値を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面12Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部12の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。
この場合、実験例27のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
実験例27のゴルフクラブヘッド10のフェース部12の質量を100とした指数で示した。指数が大きいほど質量が軽いことを示す。
2種類の飛距離、耐久性、フェース重さの各指数を合計したものを合計点とした。
1)β/α(%):図10で規定したα、βの比率である。
2)γ(mm):図11で規定したγの寸法である。
3)α(mm):図10で規定したαの寸法である。
4)β(mm):図10で規定したβの寸法である。
5)鈍角θ(°):図4で規定した鈍角である。
6)体積(cc):ゴルフクラブヘッド10の体積である。
なお、実験例1、2、5、6、9〜25は本発明の範囲内である。
実験例3、4、7、8、26、27は本発明の範囲外である。
また、実験例1〜25は、図ゴルフクラブヘッド断面PGにおいて、フェース部12のクラウン部14寄りの肉厚を1.5mm、クラウン部14のフェース部12寄りの肉厚を1.0mmとした。
なお、図13(A)は実験例26のゴルフクラブヘッド10の正面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図、(D)は(A)のDD線断面図である。
また、突起部24の高さhは4mm、突起部24の肉厚d1は1.7mm、突起部24に接続されるクラウン部14の肉厚d2は0.6mm、突起部24と該突起部24の後部に接続されるクラウン部14の部分との段差Δhは2.5mmである。
実験例6は、β/αが89%であり、30%以上90%未満の範囲の上限値に近い値である。
実験例8は、γが11.0mmであり、3.0mm以上10mm未満の範囲を上回っている。
実験例10は、γが9.5mmであり、3.0mm以上10mm未満の範囲の上限値に近い値である。
実験例12は、αが15.5mmであり、4.0mm以上15.0mm未満の範囲を上回っている。
実験例14は、αが14.5mmであり、4.0mm以上15.0mm未満の範囲内である。
実験例16は、βが10.5mmであり、1.0mm以上10.0mm未満の範囲を上回っている。
実験例18は、βが9.8mmであり、1.0mm以上10.0mm未満の範囲の上限値に近い値である。
実験例20は、鈍角が117°であり、95°以上115°以下の範囲を上回っている。
実験例22は、鈍角が113°であり、95°以上115°以下の範囲の上限値に近い値である。
実験例24は、体積が480ccであり、400cc以上460cc以下の範囲を上回っている。
β/αは36.4%であり、30%以上90%未満の範囲内である。
γは2.5mmであり、3.0mm以上10mm未満の範囲を下回っている。
αは11.0mmであり、4.0mm以上15.0mm未満の範囲内である。
βは4.0mmであり、1.0mm以上10.0mm未満の範囲内である。
鈍角θは120°であり、95°以上115°以下の範囲を上回っている。
体積は460ccであり、400cc以上460cc以下の範囲の上限値である。
β/αは、20%であり、30%以上90%未満の範囲を下回っている。
γは、0.8mmであり、3.0mm以上10mm未満の範囲を下回っている。
αは2.5mmであり、4.0mm以上15.0mm未満の範囲を下回っている。
βは0.5mmであり、1.0mm以上10.0mm未満の範囲を下回っている。
鈍角θは105°であり、95°以上115°以下の範囲内である。
体積は460ccであり、400cc以上460cc以下の範囲の上限値である。
1)本発明の範囲内の実験例1、2、5、6、9〜25においては、飛距離(フェースセンター打点)が103〜145点、飛距離(上打点)が103〜147点、耐久性が97〜130点、フェース重さが85〜105点、合計点が413〜520点である。
また、請求項1〜4の全ての規定を満たす実験例1、2、5、6、9、10は、飛距離(フェースセンター打点)が114〜145点、飛距離(上打点)が120〜147点、耐久性が110〜130点、フェース重さが90〜100点、合計点が450〜520点である。
特に実験例3は、クラウン部14寄りのフェース面12Aの輪郭が平らのため、フェース重さが大きすぎて重心深度が浅くなりすぎるため飛距離(フェースセンター打点)が105点、飛距離(上打点)が104点と低いものとなっている。
また、実験例4は、クラウン部14寄りのフェース面12Aの輪郭が急峻な凸状を呈しているため、クラウン部14寄りのフェース面12Aのたわみ量を確保することができず、飛距離が108、105点に留まり、また、フェース面12Aの輪郭形状が急峻な凸状を呈しているため、耐久性が87点と低いものとなっている。
また、実験例7は、クラウン部14寄りのフェース面12Aの輪郭の凸状が小さいため、クラウン部14寄りのフェース面12Aのたわみ量を確保することができず、飛距離が102、103点に留まっている。
また、実験例8は、クラウン部14寄りのフェース面12Aの輪郭が急峻な凸状を呈しているため、クラウン部14寄りのフェース面12Aのたわみ量を確保することができず、飛距離(フェースセンター打点)が109点、飛距離(上打点)が104点に留まり、また、フェース面12Aの輪郭形状が急峻な凸状を呈しているため、耐久性が85点と低いものとなっている。
請求項4の規定を満たしていない実験例20は鈍角θが117°と大きすぎるため、外観上の違和感が大きいことから、飛距離(フェースセンター打点)が104点、飛距離(上打点)が103点に留まり、飛距離を改善する効果が低下している。
また、突起部24とクラウン部14との間に段差Δhがあることから、突起部24に応力集中が生じやすく、耐久性が87点と低下しており、従来例の実験例27に比較しても耐久性に欠ける不利がある。
また、請求項1で規定した範囲のみを満たす実験例に対して、請求項2〜4で規定した範囲を更に満たす実験例は、飛距離、耐久性、フェース重さ、合計点の何れにおいてもさらに優れていることがわかる。
Claims (4)
- 上下の高さを有して左右に延在するフェース面を形成するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部とを備える中空構造のゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドを、水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とし、
前記フェース面の輪郭線のトウヒール方向における最もトウ側に位置する箇所をトウ側端点Ptとし、最もヒール側に位置する箇所をヒール側端点Phとし、
前記トウ端点Ptと前記ヒール端点Phとを結ぶ直線を前記水平面に投影させたときの寸法をフェース面長さB1とし、
前記フェース面中心点Pcを通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第1の曲線L1とした場合、前記第1の曲線L1と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点を結ぶ直線の寸法を第1の縦寸法D1とし、
前記フェース面中心点Pcからトウ側にB1・(1/3)離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第2の曲線L2とした場合、前記第2の曲線L2と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点を結ぶ直線の寸法をトウ側の第2の縦寸法D2′とし、
前記フェース面中心点Pcからヒール側にB1・(1/3)離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第3の曲線L3とした場合、前記第3の曲線L3と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点を結ぶ直線の寸法をヒール側の第2の縦寸法D2′′とし、
前記トウ側の第2の縦寸法D2′および前記ヒール側の第2の縦寸法D2′′の平均値を第2の縦寸法平均値D2とし、
前記フェース面中心点Pcからトウ側にB1・(2/3)離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第4の曲線L4とした場合、前記第4の曲線L4と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点を結ぶ直線の寸法をトウ側の第3の縦寸法D3′とし、
前記フェース面中心点Pcからヒール側にB1・(2/3)離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第5の曲線L5とした場合、前記第5の曲線L5と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点を結ぶ直線の寸法をヒール側の第3の縦寸法D3′′とし、
前記トウ側の第3の縦寸法D3′および前記ヒール側の第3の縦寸法D′′の平均値を第3の縦寸法平均値D3とし、
前記第1の曲線L1と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b1とし、
前記第2の曲線L2と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b2′とし、
前記第3の曲線L3と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b2′′とし、
前記第4の曲線L4と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b3′とし、
前記第5の曲線L5と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点b3′′とし、
前記基準状態で前記フェース面の前方に離れた箇所に位置しフェース面中心点を通る法線と直交する平面を投影面とし、
前記投影面において、前記輪郭点b2′の投影点と前記輪郭点b2′′の投影点とを結ぶ直線と前記第1の直線L1の投影線との交点が投影点となる前記フェース面上の点を交点b2′′′としたときに前記輪郭点b1と前記交点b2′′′とを結ぶ直線の寸法をαとし、
前記投影面において、前記輪郭点b3′の投影点と前記輪郭点b3′′の投影点とを結ぶ直線と、前記第1の直線L1の投影線との交点が投影点となる前記フェース面上の点を交点b3′′′としたときに前記輪郭点b1と前記交点b3′′′とを結ぶ直線の寸法をβとし、
前記フェース面中心点Pcからトウ側に以下の式(1)で規定される第1の寸法ΔE離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第6の曲線L6としたとき、前記第6の曲線L6と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点e1′とし、
前記フェース面中心点Pcからヒール側に前記第1の寸法ΔE離間した点を通り前記フェース面に沿ってトウヒール方向と直交する方向に延在する曲線を第7の曲線L7としたとき、第7の曲線L7と前記フェース面の輪郭線とが交わる2つの交点のうちクラウン部側の交点を輪郭点e1′′とし、
前記投影面において、前記輪郭点e1′の投影点と前記輪郭点e1′′の投影点とを結ぶ直線と前記第1の直線L1の投影線との交点が投影点となる前記フェース面上の点を交点e1′′′としたときに前記輪郭点b1と前記交点e1′′′とを結ぶ直線の寸法をγとしたとき、
β/α×100で規定される比率が30%以上90%未満であり、かつ、γが3.0mm以上10.0mm未満である、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
ΔE=(B1/D1)・[B1・(1/3)/D2・0.5)]・[B1・(2/3)/D3・0.2]・B1……(1) - 前記αが4mm以上15mm以下である、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記基準状態において前記水平面と直交しかつトウヒール方向と直交する方向に延在し前記フェース面中心点を通る平面で前記ゴルフクラブヘッドを破断したゴルフクラブヘッド断面において、
前記ゴルフクラブヘッド断面の輪郭線のうち最も前記フェース面の輪郭線寄りに位置する前記クラウン部の輪郭線の箇所における第1の接線と、最も前記クラウン部の輪郭線寄りに位置する前記フェース面の輪郭線の箇所における第2の接線とがなす鈍角が95°以上115°以下である、
ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ゴルフクラブヘッドの体積が400cc以上460cc以下である、
ことを特徴とする請求項1〜3に何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
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| JP2012242677A JP2014090852A (ja) | 2012-11-02 | 2012-11-02 | ゴルフクラブヘッド |
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