JP2014088857A - 一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車 - Google Patents
一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ディスクの外周に列設された各ブレード基部とブレードとの接合面を、隣接するブレード配置に関わらず常に等しく且つ適切な到達温度及び温度分布で予備加熱でき、もって理想的な条件で摩擦圧接法により接合できる一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法を提供する。
【解決手段】ディスクDの外周上に列設された各ブレード基部Daに対して、一側方より順にブレードBを加熱コイル7により予備加熱して線形摩擦圧接法により接合する。各ブレードBの予備加熱時において隣接するブレード基部DaにブレードBが接合されていない場合には、そのブレード基部Daにダミー部材Bdを配置した上で予備加熱を実施する。これによりブレードBがある場合と同様にダミー部材Bdに磁束による渦電流を発生させる。
【選択図】図2
【解決手段】ディスクDの外周上に列設された各ブレード基部Daに対して、一側方より順にブレードBを加熱コイル7により予備加熱して線形摩擦圧接法により接合する。各ブレードBの予備加熱時において隣接するブレード基部DaにブレードBが接合されていない場合には、そのブレード基部Daにダミー部材Bdを配置した上で予備加熱を実施する。これによりブレードBがある場合と同様にダミー部材Bdに磁束による渦電流を発生させる。
【選択図】図2
Description
本発明は一体型翼車(ブリスク、ブリング)におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車に係り、詳しくはディスクの外周上に間隔をおいて列設された複数の接合部位に対して一側方より順にブレードを加熱コイルにより予備加熱して摩擦圧接法により接合する一体型翼車の摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び当該摩擦圧接方法により製造された一体型翼車に関する。
摩擦圧接法は、接合対象物である一対の接合部材を突き合わせて押圧力(アプセット圧力、フォージ圧力)を作用させながら相対運動を起こさせ、このとき発生する摩擦熱によって接合面を昇温して固相状態のまま接合する方法である。例えば特許文献1の技術では、航空機エンジンの圧縮機又はタービンのロータとして適用される一体型翼車(ブリスク)を修理するために摩擦圧接法を用いている。この種の一体型翼車は、ディスクの外周に多数のブレードを一体的に列設して構成されている。何れかのブレードが損傷したときには、破損したブレードを基部(以下、ブレード基部という)から切除した上で、切除後のブレード基部に補修用のブレードを接合することで修理している。
補修用ブレードの接合には線形摩擦圧接法(LFW:Linear Friction Welding)が用いられ、ブレード基部に対して補修用ブレードを突き合わせて押圧力を作用させながら、直線上で往復動させてブレード基部との間に摩擦熱を発生させて接合している。このような線形摩擦圧接法は一体型翼車の修理のみならず一体型翼車を製造するときにも利用され、ディスクの外周に列設された多数のブレード基部に対して順にブレードを線形摩擦圧接法により接合している。
補修用ブレードの接合には線形摩擦圧接法(LFW:Linear Friction Welding)が用いられ、ブレード基部に対して補修用ブレードを突き合わせて押圧力を作用させながら、直線上で往復動させてブレード基部との間に摩擦熱を発生させて接合している。このような線形摩擦圧接法は一体型翼車の修理のみならず一体型翼車を製造するときにも利用され、ディスクの外周に列設された多数のブレード基部に対して順にブレードを線形摩擦圧接法により接合している。
以上の摩擦圧接法は他の溶接法に比較して、接合部材の温度上昇を抑制できるため接合部材への熱影響が少なく、また接合箇所の酸化物等が摩擦により余盛として押し出されるので欠陥が発生し難いという長所を有する。その反面、摩擦熱により接合部材の接合箇所を軟化させるには強力な押圧力が必要なため、必然的に堅牢且つ機構的に大掛かりな装置を要して製造コストが嵩むという問題がある。
このような問題の解決策として、事前に接合部材の両方又は一方を予備的に加熱し(以下、予備加熱という)、その後に摩擦圧接法を実施する手法が提案されている。例えば特許文献2には、回転摩擦圧接法を用いた技術が開示されている。当該技術では、一対の棒状をなす接合部材を突き合わせて周囲を包囲するように加熱コイルを配設し、加熱コイルの電磁誘導作用により両接合部材の接合部位を予備加熱した後に、両接合部材を相対回転させて接合している。この予備加熱により回転摩擦圧接法の際に要求される押圧力を軽減し、装置の規模の縮小を図っている。
このような予備加熱は、線形摩擦圧接法を用いた接合、例えば前記ディスクに対するブレードの接合等にも応用できる。ブレード基部にブレードを突き合わせた状態では、加熱コイルを配置するスペースの確保が困難である。そこで、まずブレード基部に対してブレードを離間配置し、両部材の間に加熱コイルを挿入して相対向する接合面を予備加熱する。次いで、両部材の間から加熱コイルを離脱させた後に、ブレードをブレード基部に突き合わせて線形摩擦圧接法を実施する手順を採ることが考えられる。
周知のように電磁誘導作用を利用した予備加熱では、加熱コイルに高周波電流を流すことにより接合部材との間、及び接合部材内に磁束を生起させ、接合部材内の磁束を妨げる渦電流の発生により接合部材の接合面を昇温している。ところが、高周波電流による磁束は、接合部材のみならず近接に位置する導電性の部材にも生起して渦電流を発生させ、その分だけ接合部材の渦電流が弱まって昇温が妨げられてしまう。
前記した一体型翼車では各ブレードの間隔が狭いため、今回の接合作業によって接合するブレードのみならず隣接する既に接合済みのブレードにも渦電流が発生する。ブレードの接合は、ディスクの外周に列設された各ブレード基部に一側方より順に実施されるため、最初のブレードは両側に接合済みのブレードが位置しない状態で予備加熱される。これに対して2枚目以降のブレード(最後のブレードを除く)は一側に接合済みのブレードが位置する状態で予備加熱され、最後のブレードは両側に接合済みのブレードが位置する状態で予備加熱される。
このため同一条件の予備加熱(同一の電流値及び通電時間等)によれば、最初のブレード、2枚目以降の多数のブレード、最後のブレードの順で、相対向する接合面に発生する渦電流が弱まり、それに伴って到達温度が低くなってしまう。
例えば、以上の3種の隣接するブレード配置に対応して予め3種の予備加熱条件を設定する対策が考えられる。又、それに加えてブレード配置に応じて異なる仕様の加熱コイルを用いる対策も考えられる。しかしながら、前者の対策では調整可能な要件が少ないため、接合面の到達温度を十分に均等化することは困難であるし、各接合面の温度分布を等しくすることもできない。また、後者の対策についても同様である上に、一連の各ブレードの接合作業を自動化した場合には、隣接するブレード配置毎に加熱コイルを交換する新たな作業が発生するため現実的な対策とは言い難い。
よって、ブレード配置に応じて接合面の到達温度や温度分布に誤差が生じることから、その後の摩擦圧接法を理想的な条件で実施できなくなり、この点で今一つ改良の余地があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ディスクの外周に列設された各ブレード基部とブレードとの接合面を、隣接するブレード配置に関わらず常に等しく且つ適切な到達温度及び温度分布で予備加熱でき、もって理想的な条件で摩擦圧接法により接合することができる一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車を提供することにある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ディスクの外周に列設された各ブレード基部とブレードとの接合面を、隣接するブレード配置に関わらず常に等しく且つ適切な到達温度及び温度分布で予備加熱でき、もって理想的な条件で摩擦圧接法により接合することができる一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ディスクの外周上に間隔をおいて列設された複数の接合部位に対して順次ブレードを加熱コイルにより予備加熱して摩擦圧接法により接合する一体型翼車の摩擦圧接方法において、今回接合作業が施される接合部位に対して隣接する接合部位にブレードが接合されていない場合に、隣接する接合部位にブレードと導電率が近似するダミー部材を配置するダミー部材配置工程と、ダミー部材の配置後に、加熱コイルによる予備加熱を実施する予備加熱工程と、予備加熱後に、隣接する接合部位からダミー部材を離脱させてブレードを摩擦圧接法により接合部位に接合する摩擦圧接工程とを具備したことを特徴とする。
請求項2発明は、ディスクの外周上に間隔をおいて列設された複数の接合部位に対して順次ブレードを加熱コイルにより予備加熱して摩擦圧接法により接合する一体型翼車の摩擦圧接方法において、最初に前記ブレードを接合する接合部位を除く全ての接合部位に、ブレードと導電率が近似するダミー部材をそれぞれ配置するダミー部材配置工程と、ダミー部材の配置後に、最初の接合部位に対して加熱コイルによる予備加熱を実施する第1の予備加熱工程と、第1の予備加熱工程による予備加熱後に、最初の接合部位にブレードを摩擦圧接法により接合する第1の摩擦圧接工程と、最初の接合部位へのブレードの接合後に、次にブレードを接合する接合部位に配置されているダミー部材を除去するダミー部材除去工程と、ダミー部材の除去後に、次の接合部位に対して加熱コイルによる予備加熱を実施する第2の予備加熱工程と、第2の予備加熱工程による予備加熱後に、次の接合部位にブレードを摩擦圧接法により接合する第2の摩擦圧接工程とを具備したことを特徴とする。
請求項3の発明は、ダミー部材としてブレードが適用されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、ダミー部材がブレードの形状を簡略化した形状をなすことを特徴とする。
請求項5の発明は、ダミー部材配置工程が、ディスクの接合部位に対してダミー部材を接触させた状態で配置することを特徴とする。
請求項4の発明は、ダミー部材がブレードの形状を簡略化した形状をなすことを特徴とする。
請求項5の発明は、ダミー部材配置工程が、ディスクの接合部位に対してダミー部材を接触させた状態で配置することを特徴とする。
請求項6の発明は、ダミー部材配置工程が、今回接合作業が施される接合部位に対して隣接する両側の接合部位を撮像して、撮像画像に基づき両側の接合部位にブレードが接合されているか否かを判定し、ブレードが接合されていない接合部位にダミー部材を配置することを特徴とする。
請求項7の発明は、外周上に間隔をおいて複数の接合部位が列設されたディスクを支持しながら、ディスクを寸動的に回転させて各接合部位を順番に摩擦圧接位置に送るディスク駆動手段と、摩擦圧接位置に送られたディスクの接合部位に対し摩擦圧接法によりブレードを接合する摩擦圧接手段と、摩擦圧接手段によるブレードの接合に先立って、ブレードを加熱コイルにより予備加熱する予備加熱手段と、予備加熱手段によるブレードの予備加熱時に、摩擦圧接位置に隣接する接合部位にブレードが接合されていない場合に、隣接する接合部位にブレードと導電率が近似するダミー部材を配置するダミー部材配置手段とを具備したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか記載のブレードの摩擦圧接方法、または請求項7に記載のブレードの摩擦圧接装置により製造された一体型翼車を特徴とする。
請求項7の発明は、外周上に間隔をおいて複数の接合部位が列設されたディスクを支持しながら、ディスクを寸動的に回転させて各接合部位を順番に摩擦圧接位置に送るディスク駆動手段と、摩擦圧接位置に送られたディスクの接合部位に対し摩擦圧接法によりブレードを接合する摩擦圧接手段と、摩擦圧接手段によるブレードの接合に先立って、ブレードを加熱コイルにより予備加熱する予備加熱手段と、予備加熱手段によるブレードの予備加熱時に、摩擦圧接位置に隣接する接合部位にブレードが接合されていない場合に、隣接する接合部位にブレードと導電率が近似するダミー部材を配置するダミー部材配置手段とを具備したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか記載のブレードの摩擦圧接方法、または請求項7に記載のブレードの摩擦圧接装置により製造された一体型翼車を特徴とする。
以上説明したように本発明の一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車によれば、ディスクの外周上に列設された複数の接合部位に対して一側方より順にブレードを予備加熱して摩擦圧接法により接合する一体型翼車の摩擦圧接方法において、今回接合作業が施される接合部位に対して隣接する接合部位にブレードが接合されていない場合にダミー部材を配置し、ダミー部材の配置後に予備加熱を実施し、予備加熱後に隣接する接合部位からダミー部材を離脱させてブレードを接合部位に接合することにより一体型翼車を製造するようにした。
従って、隣接する接合部位にブレードが接合されている場合には予備加熱時の磁束による渦電流が接合済みブレードに発生し、隣接する接合部位にブレードが接合されていない場合には磁束による渦電流が接合済みブレードに代えてダミー部材に発生する。このため何れの場合でも予備加熱を常に等しい条件で実施でき、ディスクの各接合部位とブレードとの接合面を常に適切に予備加熱して、その後の線形摩擦圧接法を理想的な条件で実施することができる。
以下、本発明を具体化した一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法及び摩擦圧接装置の一実施形態を説明する。
一体型翼車は、その本体であるディスクDと、ディスクDの外周に接合される多数のブレードBからなり、チタン合金又はニッケル合金により製作されている。ディスクDの外周には間隔をおいて多数のブレード基部Da(接合部位)が列設されている。各ブレード基部DaはブレードBと対応する翼状断面をなし、それらのブレード基部Daに対して各ブレードBが本発明の線形摩擦圧接法を用いて接合されることにより一体型翼車が完成する。
但し、一体型翼車の形状はこれに限るものではない。例えばディスクDの外周にブレード基部Daを設けることなく、その外周面に直接ブレードBを接合するようにしてもよい。
一体型翼車は、その本体であるディスクDと、ディスクDの外周に接合される多数のブレードBからなり、チタン合金又はニッケル合金により製作されている。ディスクDの外周には間隔をおいて多数のブレード基部Da(接合部位)が列設されている。各ブレード基部DaはブレードBと対応する翼状断面をなし、それらのブレード基部Daに対して各ブレードBが本発明の線形摩擦圧接法を用いて接合されることにより一体型翼車が完成する。
但し、一体型翼車の形状はこれに限るものではない。例えばディスクDの外周にブレード基部Daを設けることなく、その外周面に直接ブレードBを接合するようにしてもよい。
図1は本発明の一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法を実施するための摩擦圧接装置を示す全体構成図、図2はブレード基部Daに対するブレードB、加熱コイル及びダミー部材の配置状態を示す部分斜視図である。以下、説明の便宜上、図1の上下方向を上下、図1の左右方向を前後、図1の紙面と直交する方向を左右として規定する。
全体として線形摩擦圧接装置は、ディスクDを支持しながら寸動的な回転により各ブレード基部Daを順番に摩擦圧接位置S(ディスクDの上部に設定)に送るディスク駆動部1(ディスク駆動手段)、摩擦圧接位置Sの上方でブレードBを把持して摩擦圧接位置Sに送られたブレード基部Daに対してブレードBを接合する摩擦圧接部2(摩擦圧接手段)、ブレードBの接合に先立って加熱コイル7により予備加熱を実施する予備加熱部3(予備加熱手段)、予備加熱時に隣接するブレード基部Daに必要に応じてダミー部材Bdを配置するダミー部材操作部4(ダミー部材配置手段)、及びこれらの各機構部1〜4の動作を統合制御する制御部5とから構成されており、線形摩擦圧接装置のベース6上にそれぞれ配置されている。
ディスク駆動部1の駆動機構8には、前記一体型翼車のディスクDが脱着可能に固定されている。ディスクDは一側面を後方に面した姿勢で支持されると共に、駆動機構8により後方から見て反時計回りに寸動的に回転駆動される。ディスクDの回転駆動のピッチは各ブレード基部Daの間隔に相当し、これにより各ブレード基部Daが摩擦圧接位置Sに順次送られるようになっている。
摩擦圧接部2の把持部9は摩擦圧接位置Sの上方に配設され、把持部9にはブレードBが脱着可能に把持されている。尚、本実施形態ではブレード基部DaへのブレードBの接合が完了する毎に、作業者が新たなブレードBを把持部9に把持させているが、これに限ることはなく、当該作業を自動化してもよい。
摩擦圧接部2の把持部9は摩擦圧接位置Sの上方に配設され、把持部9にはブレードBが脱着可能に把持されている。尚、本実施形態ではブレード基部DaへのブレードBの接合が完了する毎に、作業者が新たなブレードBを把持部9に把持させているが、これに限ることはなく、当該作業を自動化してもよい。
把持部9は油圧機構10に支持されており、線形摩擦圧接法によるブレードBの接合のために油圧機構10により把持部9が上下方向及び前後方向に駆動されるようになっている。線形摩擦圧接法を実施する際には、把持部9を図1に二点鎖線で示す位置から下降させて、摩擦圧接位置SにあるディスクDのブレード基部DaにブレードBを突き合わせて両接合面に押圧力を作用させる。そして、この状態で把持部9と共にブレードBを前後方向に往復動させることにより、両接合面に摩擦熱を発生させて接合する。
前記予備加熱部3はディスク駆動部1の後方位置に配置されている。ベース6上には予備加熱部3の直動ステージ11が設置され、この直動ステージ11上に給電ボックス12が配置されて前後方向に移送されるようになっている。給電ボックス12からは前方に向けて水平に支持アーム13が延設され、支持アーム13の先端に加熱コイル7が支持されている。
給電ボックス12と共に加熱コイル7は前後方向に移送され、前側のストローク端では、図1に仮想線で示すように摩擦圧接位置Sのブレード基部DaとブレードBとの間に挿入され(以下、挿入位置という)、後側のストローク端では、実線で示すようにブレード基部DaとブレードBとの間から後方に離脱するようになっている(以下、退避位置という)。
給電ボックス12と共に加熱コイル7は前後方向に移送され、前側のストローク端では、図1に仮想線で示すように摩擦圧接位置Sのブレード基部DaとブレードBとの間に挿入され(以下、挿入位置という)、後側のストローク端では、実線で示すようにブレード基部DaとブレードBとの間から後方に離脱するようになっている(以下、退避位置という)。
図示はしないが給電ボックス12内には高周波誘導加熱回路が収容され、この高周波誘導加熱回路は電力線14を介して高周波電源15に接続されると共に、支持アーム13に内蔵された図示しないブスバーを介して前記加熱コイル7と電気的に接続されている。高周波誘導加熱回路は高周波電源15からの電力供給によりブスバーを通じて加熱コイル7に高周波電流を流す。その結果、加熱コイル7とブレード基部Da及びブレードBとの間、及びブレード基部DaとブレードBとの内部に磁束が生起される。このため、ブレード基部Da及びブレードB内に磁束を妨げる渦電流が発生し、これらのブレード基部Da及びブレードBの接合面がそれぞれ加熱されるようになっている。
前記ダミー部材操作部4は、予備加熱部3の左右両側にそれぞれ配置されている。図1では右側のダミー部材操作部4を省略し、左側のダミー部材操作部4のみを示しているが、左右のダミー部材操作部4は同一構成のため、以下、左側のダミー部材操作部4について述べる。前記予備加熱部3の給電ボックス12と同様に、ダミー部材操作部4の移送台16はダミー直動ステージ17上に配設されて前後方向に移送されるようになっている。移送台16からは前方に向けて水平にダミー支持アーム18が延設され、ダミー支持アーム18の先端にダミー部材Bdが支持されている。
本実施形態では、ダミー部材Bdとして接合対象であるブレードB自体を流用している。例えばディスクDへの接合のために製造された多数のブレードBの中から選出したブレードB、或いは一体型翼車の稼働中に折損して廃棄されたブレードB等が用いられ、これらのブレードBがダミー部材Bdとしてダミー支持アーム18の先端に固定されている。
移送台16と共にダミー部材Bdはダミー直動ステージ17に沿って移送され、前側のストローク端では、図2に示すように摩擦圧接位置Sの左側に隣接するブレード基部Daの直上に配置され(以下、挿入位置という)、後側のストローク端では、ブレード基部Daの直上から離脱するようになっている(以下、退避位置という)。このようにダミー直動ステージ17により挿入位置のダミー部材Bdを退避位置に切り換えるときの操作を「離脱」と定義する。
移送台16と共にダミー部材Bdはダミー直動ステージ17に沿って移送され、前側のストローク端では、図2に示すように摩擦圧接位置Sの左側に隣接するブレード基部Daの直上に配置され(以下、挿入位置という)、後側のストローク端では、ブレード基部Daの直上から離脱するようになっている(以下、退避位置という)。このようにダミー直動ステージ17により挿入位置のダミー部材Bdを退避位置に切り換えるときの操作を「離脱」と定義する。
挿入位置においてダミー部材Bdは、ブレード基部Daに接合された場合のブレードBと同様の姿勢、即ちディスクDの中心を指向する正規姿勢に保持され、且つ円滑なダミー部材Bdの移送のためにディスクDのブレード基部Daに対してダミー部材Bdは僅かに離間している。
但し、ダミー部材BdとしてブレードBを流用する場合に限るものではないし、挿入位置でのダミー部材Bdの姿勢についても前記に限ることはない。例えばブレードBの材料であるチタン合金やニッケル合金は高価なため、同系統の合金の中で導電率が近似するより安価な材料を選択し、その材料でダミー部材Bdを製作してもよいし、ブレードBを流用することなく、翼状断面を簡略化した平板状のダミー部材Bdを使用してもよい。又、挿入位置でのダミー部材Bdの姿勢を前記から変更したり、ディスクDのブレード基部Daに対してダミー部材Bdを接触させたりしてもよい。
但し、ダミー部材BdとしてブレードBを流用する場合に限るものではないし、挿入位置でのダミー部材Bdの姿勢についても前記に限ることはない。例えばブレードBの材料であるチタン合金やニッケル合金は高価なため、同系統の合金の中で導電率が近似するより安価な材料を選択し、その材料でダミー部材Bdを製作してもよいし、ブレードBを流用することなく、翼状断面を簡略化した平板状のダミー部材Bdを使用してもよい。又、挿入位置でのダミー部材Bdの姿勢を前記から変更したり、ディスクDのブレード基部Daに対してダミー部材Bdを接触させたりしてもよい。
以下に述べるように予備加熱時のダミー部材Bdは挿入位置で加熱コイル7の磁束により渦電流を発生させる。本実施形態ではダミー部材BdとしてブレードBを流用するため、このときダミー部材Bdに発生する渦電流は、本来のブレードB(詳しくは、摩擦圧接位置Sの左側にあるブレード基部Daに接合済みのブレードB)に生じる渦電流と同様の発生状況となる。
左側のダミー部材操作部4は以上のように構成されており、右側のダミー部材操作部4も同一構成である、但し、右側のダミー部材操作部4ではダミー部材Bdを挿入位置に移送したときに、摩擦圧接位置Sの右側に隣接するブレード基部Daの直上にダミー部材Bdが配置されるようになっている。
前記制御部5には、前記ディスク駆動部1の駆動機構8、摩擦圧接部2の油圧機構10、予備加熱部3の給電ボックス12、及びダミー部材操作部4の移送台16が電気的に接続されている。制御部5からの指令に基づきこれらの機構部1〜4が作動し、以下に述べる一連の作業手順でディスクDの各ブレード基部Daに順次ブレードBが接合されるようになっている。
前記制御部5には、前記ディスク駆動部1の駆動機構8、摩擦圧接部2の油圧機構10、予備加熱部3の給電ボックス12、及びダミー部材操作部4の移送台16が電気的に接続されている。制御部5からの指令に基づきこれらの機構部1〜4が作動し、以下に述べる一連の作業手順でディスクDの各ブレード基部Daに順次ブレードBが接合されるようになっている。
又、制御部5には撮像装置19が備えられ、撮像装置19により摩擦圧接位置Sを含む周辺の領域Eが前方より撮像されて、その撮像画像が制御部5に入力される。制御部5では撮像画像の解析結果に基づき摩擦圧接位置Sの両側に位置するブレード基部Daに接合済みのブレードBが位置しているか否かが判定される。そして、その判定結果に応じて予備加熱時には、移送台16が駆動制御されてダミー部材Bdが適宜挿入位置に移送されるようになっている。
次に、以上のように構成された摩擦圧接装置により実施されるブレードBの接合作業を図3に従って説明する。特に述べないが、以下の全ての作業手順は制御部5からの指令に基づくものである。尚、図3(a)〜(d)は摩擦圧接位置Sの周辺を後方より見た図であり、ブレード基部Daの送りのためにディスクDは反時計回りに回転駆動され、紙面の奥方向から撮像装置19により領域Eが撮像される。
全体としての作業は、摩擦圧接位置Sに位置するディスクDのブレード基部DaにブレードBを線形摩擦圧接方法により接合し、ディスクDを寸動的に回転駆動して新たなブレード基部Daを順番に摩擦圧接位置Sに送りながらブレードBの接合を繰り返すことで実施される。これによりディスクDの各ブレード基部Daには一側方より周方向に沿って順にブレードBが接合され、最終的に全てのブレード基部DaにブレードBが接合されて作業が完了する。以下、最初のブレードBの接合から最後のブレードBの接合までの手順を順次説明する。
全体としての作業は、摩擦圧接位置Sに位置するディスクDのブレード基部DaにブレードBを線形摩擦圧接方法により接合し、ディスクDを寸動的に回転駆動して新たなブレード基部Daを順番に摩擦圧接位置Sに送りながらブレードBの接合を繰り返すことで実施される。これによりディスクDの各ブレード基部Daには一側方より周方向に沿って順にブレードBが接合され、最終的に全てのブレード基部DaにブレードBが接合されて作業が完了する。以下、最初のブレードBの接合から最後のブレードBの接合までの手順を順次説明する。
作業開始以前の初期状態では、駆動機構8に固定されたディスクDの全てのブレード基部DaにはブレードBが接合されておらず、何れかのブレード基部Daが摩擦圧接位置Sに位置している。又、ブレードBは把持部9に把持されて図1に実線で示す上方に位置しており、加熱コイル7及びダミー部材Bdは退避位置に切り換えられている。
まず、制御部5は把持部9と共にブレードBを下降させて、ブレードBの接合面と摩擦圧接位置Sに位置するブレード基部Daの接合面とを予め設定した間隔とする。そして、領域Eの撮像画像に基づき摩擦圧接位置Sの左右両側のブレードBの有無を判定する。
図3(a)に示すように、この時点では両側の何れのブレード基部DaにもブレードBが接合されていない。このため、左右の移送台16を共に前方に移送してそれぞれのダミー部材Bdを挿入位置に切り換える(ダミー部材配置工程)。これと並行して給電ボックス12を前方に移送し、加熱コイル7を挿入位置に切り換える。
図3(a)に示すように、この時点では両側の何れのブレード基部DaにもブレードBが接合されていない。このため、左右の移送台16を共に前方に移送してそれぞれのダミー部材Bdを挿入位置に切り換える(ダミー部材配置工程)。これと並行して給電ボックス12を前方に移送し、加熱コイル7を挿入位置に切り換える。
結果として図3(b)に示すように、摩擦圧接位置Sのブレード基部DaとブレードBとの間に加熱コイル7が挿入されると共に、その左右両側のブレード基部Da上にそれぞれダミー部材Bdが配置される。この状態で高周波誘導加熱回路により加熱コイル7に高周波電流を流し、ブレード基部DaとブレードBとの接合面を予備加熱する(予備加熱工程)。
予備加熱時の電流値及び通電時間等の諸条件は、予め試験により求められている。本実施形態では、摩擦圧接位置Sの左右両側に共に接合済みのブレードBを位置させて、予備加熱時の磁束により左右のブレードBに渦電流を発生させた状態で試験を実施している。このような試験により求められた諸条件に基づき、前記した予備加熱工程で加熱コイル7を通電制御する。この点は以下の2枚目以降の全てのブレードBに対しても全く同様であり、最初のブレードBと同一条件で予備加熱が実施される。
予備加熱時の電流値及び通電時間等の諸条件は、予め試験により求められている。本実施形態では、摩擦圧接位置Sの左右両側に共に接合済みのブレードBを位置させて、予備加熱時の磁束により左右のブレードBに渦電流を発生させた状態で試験を実施している。このような試験により求められた諸条件に基づき、前記した予備加熱工程で加熱コイル7を通電制御する。この点は以下の2枚目以降の全てのブレードBに対しても全く同様であり、最初のブレードBと同一条件で予備加熱が実施される。
予備加熱を完了すると、直動ステージ11により給電ボックス12を後方に移送して加熱コイル7を退避位置に切り換える。その後に図3(c)に示すように、把持部9と共にブレードBを下降させて接合面をブレード基部Daの接合面に突き合わせ、押圧力を作用させながらブレードBを前後方向に往復動させて摩擦熱により両接合面を接合する(摩擦圧接工程)。
その後に、図3(d)に示すように把持部9を上昇させると共に、左右の移送台16を後方に移送してダミー部材Bdを退避位置に切り換える。以上で最初のブレードBの接合が完了し、次のブレードBの接合のためにディスクDをブレード基部Daの間隔相当のピッチで回転駆動して、隣接する右側のブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに送る。
その後に、図3(d)に示すように把持部9を上昇させると共に、左右の移送台16を後方に移送してダミー部材Bdを退避位置に切り換える。以上で最初のブレードBの接合が完了し、次のブレードBの接合のためにディスクDをブレード基部Daの間隔相当のピッチで回転駆動して、隣接する右側のブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに送る。
尚、作業手順は前記に限ることはなく、作業に支障が生じない範囲で任意に変更可能である。例えば前記した順序では、摩擦圧接位置SにブレードBを配置した後に撮像画像に基づきブレードBの有無を判定したが、双方の順序を逆転させてもよい。同様に、ブレード基部Daに対してブレードBを接合した後にダミー部材Bdを離脱させたが、これらの順序も逆転可能である。
2枚目以降のブレードBでも基本的には最初のブレードBの接合と同様の手順が採られるが、ダミー部材Bdの操作状況のみが相違する。即ち、作業者により次のブレードBが把持部9に把持された後に、制御部5が把持部9と共にブレードBを下降させ、撮像画像から摩擦圧接位置Sの両側のブレードBの有無を判定する。
今回の接合作業では図4(a)に示すように、左側のブレード基部Daに接合済みのブレードBが位置している。このため図4(b)に示すように、右側のダミー部材Bdのみを挿入位置に切り換え(ダミー部材配置工程)、並行して加熱コイル7を挿入位置に切り換える。
2枚目以降のブレードBでも基本的には最初のブレードBの接合と同様の手順が採られるが、ダミー部材Bdの操作状況のみが相違する。即ち、作業者により次のブレードBが把持部9に把持された後に、制御部5が把持部9と共にブレードBを下降させ、撮像画像から摩擦圧接位置Sの両側のブレードBの有無を判定する。
今回の接合作業では図4(a)に示すように、左側のブレード基部Daに接合済みのブレードBが位置している。このため図4(b)に示すように、右側のダミー部材Bdのみを挿入位置に切り換え(ダミー部材配置工程)、並行して加熱コイル7を挿入位置に切り換える。
次いで、加熱コイル7に高周波電流を流して予備加熱を実施し(予備加熱工程)、完了後に加熱コイル7を退避位置に切り換える。そして、図4(c)に示すように、ブレードBを下降させて線形摩擦圧接方法によりブレード基部Daに接合した後に(摩擦圧接工程)、図4(d)に示すようにダミー部材Bdを退避位置に切り換える。以上で2枚目のブレードBの接合が完了し、ディスクDを回転駆動して隣接する右側のブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに送る。
以上の2枚目のブレードBと同じく、3枚目以降のブレードBを接合する際にも摩擦圧接位置Sの左側には接合済みのブレードBが位置する。このため予備加熱時には右側のダミー部材Bdのみを挿入位置に切り換え、重複する説明は省略するが、2枚目のブレードBと全く同様の図4(a)〜(d)の手順に従って作業を実施する。
そして、最後のブレードBを接合する際には、図5(a)に示すように、摩擦圧接位置Sの左右のブレード基部Daの何れにも接合済みのブレードBが位置している。このため図5(b)に示すように、左右のダミー部材Bdを退避位置に保持したまま、加熱コイル7を挿入位置に切り換えて予備加熱を実施する(予備加熱工程)。
その後に加熱コイル7を退避位置に切り換えた上で、図5(c)に示すようにブレード基部DaにブレードBを接合すれば(摩擦圧接工程)、一連の各ブレードBの接合作業が全て完了する。
その後に加熱コイル7を退避位置に切り換えた上で、図5(c)に示すようにブレード基部DaにブレードBを接合すれば(摩擦圧接工程)、一連の各ブレードBの接合作業が全て完了する。
次に、以上のようにして実施される各ブレードBに対する予備加熱の実施状況を比較する。
最初のブレードBに対する予備加熱では、摩擦圧接位置Sの左右両側の何れにも接合済みのブレードBが位置していないが、図3(b)に示すように、これらのブレードBに代えてダミー部材Bdが配置される。2枚目以降のブレードB(最後のブレードBを除く)に対する予備加熱では、摩擦圧接位置Sの右側に接合済みのブレードBが位置していないが、図4(b)に示すように、この右側のブレードBに代えてダミー部材Bdが配置される。又、最後のブレードBに対する予備加熱では、図5(a)に示すように、摩擦圧接位置Sの左右両側の何れにも接合済みのブレードBが位置している。
最初のブレードBに対する予備加熱では、摩擦圧接位置Sの左右両側の何れにも接合済みのブレードBが位置していないが、図3(b)に示すように、これらのブレードBに代えてダミー部材Bdが配置される。2枚目以降のブレードB(最後のブレードBを除く)に対する予備加熱では、摩擦圧接位置Sの右側に接合済みのブレードBが位置していないが、図4(b)に示すように、この右側のブレードBに代えてダミー部材Bdが配置される。又、最後のブレードBに対する予備加熱では、図5(a)に示すように、摩擦圧接位置Sの左右両側の何れにも接合済みのブレードBが位置している。
従って、何れのブレードBを予備加熱する場合でも、その左右両側には接合済みのブレードB或いはダミー部材Bdの何れかが必ず配置され、これらのブレードBやダミー部材Bdに対して磁束による渦電流を発生させながら予備加熱が実施される。特に本実施形態ではダミー部材BdとしてブレードB自体が用いられているため、磁束を受けたときのダミー部材Bdは、接合済みのブレードBの場合とほとんど変わらない渦電流の発生状況となる。結果として、摩擦圧接位置Sの両側或いは右側に接合済みのブレードBが位置しない場合であってもダミー部材Bdが渦電流を発生させるため、全てのブレードBの予備加熱が常に等しい条件で行われることになる。
そして、前記のように予備加熱の諸条件(電流値や通電時間等)は、両側に接合済みのブレードBを配置した試験に基づき設定されているため、全てのブレードBに対する予備加熱を適切に実施できる。結果として隣接するブレード配置に関わらず、各ブレード基部DaとブレードBとの接合面を常に等しく且つ適切な到達温度で予備加熱できる。
図6は予備加熱によるブレードB側の接合面の到達温度を本実施形態と従来技術とで比較した試験結果を示す図である。尚、到達温度は接合面の中心部温度として計測している。この図に示すように、従来技術では、両側に接合済みのブレードBがない場合(図中の単翼)、一側に接合済みのブレードBが位置する場合(図中の片翼あり)、両側に接合済みのブレードBが位置する場合(図中の両翼あり)の順に中心部温度が低下している。これに対して本実施形態では、単翼、片翼、両翼の何れの場合でも従来技術の両翼に相当する中心部温度が得られており、ブレード配置の相違による温度格差を解消できることが判る。
又、予備加熱が常に等しい条件で行われることは、到達温度の格差解消だけでなく接合面の温度分布を均一化することにもつながる。よって、本実施形態によれば、隣接するブレード配置に関わらず、各ブレード基部DaとブレードBとの接合面を常に等しく且つ適切な到達温度で予備加熱でき、もって、その後の線形摩擦圧接法を理想的な条件で実施して各ブレード基部DaにブレードBを良好に接合することができる。
加えて、[発明が解決しようとする課題]で述べたような隣接するブレード配置に対応して加熱コイル7を交換する対策を必要としないため、当該対策による作業工程の複雑化を未然に防止できるという効果も得られる。
加えて、[発明が解決しようとする課題]で述べたような隣接するブレード配置に対応して加熱コイル7を交換する対策を必要としないため、当該対策による作業工程の複雑化を未然に防止できるという効果も得られる。
又、摩擦圧接位置Sの左右両側に接合済みのブレードBが位置しているか否かを、撮像装置19で撮像された画像に基づき判定している。このため接合済みのブレードBの有無を制御部5で正確に判定でき、ブレードBが位置しない場合にはこれに代えてダミー部材Bdを確実に配置することができる。よって、接合済みのブレードBが位置していないにも拘わらず当該位置にダミー部材Bdが配置されない事態を未然に防止でき、もって常に予備加熱を適切に実施することができる。
但し、本発明は撮像画像からブレードBの有無を判定する手法に限定されるものではない。例えば制御部5では作業開始からのディスクDの寸動的な駆動回数を認識しているため、この駆動回数から今回の接合作業によって接合するブレードBが何枚目のものであるかを判定できる。よって、その判定結果に応じてダミー部材Bdの切換を実行してもよい。
更に、前記したようにダミー部材BdとしてブレードB自体を流用せずに導電率が近似する安価な材料を用いることもできるし、翼状断面を簡略化した平板状のダミー部材Bd等の使用も可能である。これらの場合にはダミー部材Bdの材料費や加工費を節減できるため、ひいては摩擦圧接装置全体の製造コストを低減できるという別の効果が得られる。
更に、前記したようにダミー部材BdとしてブレードB自体を流用せずに導電率が近似する安価な材料を用いることもできるし、翼状断面を簡略化した平板状のダミー部材Bd等の使用も可能である。これらの場合にはダミー部材Bdの材料費や加工費を節減できるため、ひいては摩擦圧接装置全体の製造コストを低減できるという別の効果が得られる。
一方、前記したように挿入位置ではダミー部材BdをディスクDのブレード基部Daから僅かに離間させているため、ブレード基部Daに接触することなく円滑にダミー部材Bdを移送できるという効果が得られる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばダミー部材Bdを挿入位置でブレード基部Daに接触させるようにしてもよい。
前記した説明から明らかなように、右側のダミー部材Bdは、作業開始から各ブレードBの予備加熱毎に挿入位置に移送されて渦電流を発生させて温度上昇する。予備加熱が終了する毎に右側のダミー部材Bdは自然冷却されるが、十分に温度低下する以前に次の予備加熱で温度上昇する。このため、右側のダミー部材Bdは次第に蓄熱し、最後から2枚目のブレードBの予備加熱時にはかなり高温に達する。そして、最後のブレードBの予備加熱時には摩擦圧接位置Sの右側にも接合済みのブレードBが位置するため、右側のダミー部材Bdが使用されないが、この接合済みのブレードBは最初に接合されたブレードBであるため十分に温度低下している。
従って、例えば最後から2枚目のブレードBと最後のブレードBとを比較すると、予備加熱時に右側に位置する部材(接合済みのブレードB又はダミー部材Bd)の温度が大幅に異なり、この温度差に起因して渦電流の発生状況にも無視できない格差が生じて予備加熱の条件が相違してしまう可能性がある。
挿入位置においてダミー部材Bdをブレード基部Daに接触させるとダミー部材Bdの熱の一部がディスクD側に逃がされるため、ダミー部材Bdの温度上昇を抑制できる。このため前記した温度差に起因する渦電流の格差を縮小でき、ひいては予備加熱を一層均等な条件で実施することができる。
挿入位置においてダミー部材Bdをブレード基部Daに接触させるとダミー部材Bdの熱の一部がディスクD側に逃がされるため、ダミー部材Bdの温度上昇を抑制できる。このため前記した温度差に起因する渦電流の格差を縮小でき、ひいては予備加熱を一層均等な条件で実施することができる。
ところで、本実施形態では、各ブレードBの予備加熱毎に隣接するブレード基部Daに対し必要に応じてダミー部材Bdを配置したが、これに限ることはなく、事前にディスクDの各ブレード基部Daにダミー部材Bdをそれぞれ配置するようにしてもよい。以下、この別例のブレードBの接合作業を図7に従って説明する。
尚、この別例のブレードBの接合作業には、図1に示す実施形態で述べた摩擦圧接装置を用いればよい。但し、ダミー部材操作部4及び撮像装置19は不要であるため、当該機構を省略してもよい。
尚、この別例のブレードBの接合作業には、図1に示す実施形態で述べた摩擦圧接装置を用いればよい。但し、ダミー部材操作部4及び撮像装置19は不要であるため、当該機構を省略してもよい。
まず、ディスク駆動部1の駆動機構8に一体型翼車のディスクDを固定し、一箇所のブレード基部Daを除く全てのブレード基部Daに対しそれぞれダミー部材Bdを配置する(ダミー部材配置工程)。以下に述べるように配置したブレードBは作業の進行に応じて順次取り除かれるため、簡単に取り除くことができるようにダミー部材Bdの固定方法は簡易的なものが望ましい。例えば、点付け溶接等によりダミー部材Bdをブレード基部Daに固定しておく。以下、このようにブレード基部Daに配置したダミー部材Bdを取り除く操作を「除去」と定義する。
各ブレードBの配置が完了すると、駆動機構8によりディスクDを回転駆動してダミー部材Bdが配置されていないブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに移送する。図7(a)に示すように、当該ブレード基部Daが最初にブレードBを接合するブレード基部Daとなる。尚、各ブレード基部Daへのダミー部材Bdの配置はディスクD単体の状態で実施し、その後にディスクDをディスク駆動部1の駆動機構8に固定する手順を採ってもよい。
各ブレードBの配置が完了すると、駆動機構8によりディスクDを回転駆動してダミー部材Bdが配置されていないブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに移送する。図7(a)に示すように、当該ブレード基部Daが最初にブレードBを接合するブレード基部Daとなる。尚、各ブレード基部Daへのダミー部材Bdの配置はディスクD単体の状態で実施し、その後にディスクDをディスク駆動部1の駆動機構8に固定する手順を採ってもよい。
次いで、ブレードBを下降させると共に、加熱コイル7を挿入位置に切り換える。図7(b)に示すように、摩擦圧接位置Sのブレード基部Daの両側には既にダミー部材Bdが配置されているため、この状態で予備加熱を実施する(第1の予備加熱工程)。
予備加熱の完了後に加熱コイル7を退避位置に切り換え、図7(c)に示すように、線形摩擦圧接法によりブレード基部DaにブレードBを接合する(第1の摩擦圧接工程)。
予備加熱の完了後に加熱コイル7を退避位置に切り換え、図7(c)に示すように、線形摩擦圧接法によりブレード基部DaにブレードBを接合する(第1の摩擦圧接工程)。
その後に把持部9を上昇させると最初のブレードBの接合が完了し、次のブレードBの接合のためにディスクDを回転駆動して、隣接する右側のブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに送る。次に接合するディスクDのブレード基部Daにはダミー部材Bdが配置されているため、図7(d)に示すように、このダミー部材Bdを除去する(ダミー部材除去工程)。例えば上記点付け溶接の場合には、溶接部を切除することによりブレード基部Daからダミー部材Bdを分離する。
次いで、次のブレードBを把持部9に把持して下降させ、図7(e)に示すように、加熱コイル7を挿入位置に切り換えて再び予備加熱を実施する(第2の予備加熱工程)。その後に加熱コイル7を退避位置に切り換えた上で、図7(f)に示すように、ブレードBを下降させてブレード基部Daに接合する(第2の摩擦圧接工程)。以上で2枚目のブレードBの接合が完了し、ディスクDを回転駆動して隣接する右側のブレード基部Daを摩擦圧接位置Sに送る。
2枚目のブレードBと同じく、3枚目以降のブレードBを接合する際にもブレード基部Daにダミー部材Bdが配置されている。このためブレードBの接合毎に図7(d)〜(f)の手順に従って、まずダミー部材Bdを除去した上で、予備加熱及び摩擦圧接の作業をそれぞれ実施し、最終的にディスクDの外周の全てのブレード基部DaにブレードBを接合する。
この別例のブレードBの接合作業では、図7(a)に示すように、最初のブレードBに対する予備加熱では、摩擦圧接位置Sの左右両側の何れにもダミー部材Bdが配置されている。2枚目以降のブレードB(最後のブレードBを除く)に対する予備加熱では、図7(d)に示すように、摩擦圧接位置Sの左側には接合済みのブレードBが位置し、右側にはダミー部材Bdが配置されている。最後のブレードBに対する予備加熱では、摩擦圧接位置Sの左右両側の何れにも接合済みのブレードBが位置している。
従って、何れのブレードBを予備加熱する場合でも、その左右両側には接合済みのブレードB或いはダミー部材Bdの何れかが必ず配置される。よって、重複する説明はしないが、この別例においても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
従って、何れのブレードBを予備加熱する場合でも、その左右両側には接合済みのブレードB或いはダミー部材Bdの何れかが必ず配置される。よって、重複する説明はしないが、この別例においても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ディスクDの外周上に列設した各ブレード基部Daに一側方から順にブレードBを接合したが、これに限ることはなく、異なる順序に従って各ブレード基部DaにブレードBを接合するようにしてもよい。
又、上記実施形態では、ディスクDの外周上に列設された各ブレード基部Daに対し線形摩擦圧接法によりブレードBを順次接合したが、このような環状の接合対象物だけでなく、直線状の接合対象物に対しても応用できる。即ち、この場合には、接合対象物に間隔をおいて直線状に列設された各接合部位(ブレード基部Daに相当)に対して、一側方より順に線形摩擦圧接法で接合部材を接合していく。最初の接合部材ではその両側に接合済みの接合部材が位置していないのに対し、2つめ以降の接合部材では一側に接合済みの接合部材が位置する。よって、最初の接合部材を接合する際に、その一側にダミー部材を配置すれば、上記実施形態と同様に、全ての接合部材の予備加熱を等しい条件で行うことができる。
又、上記実施形態では、ディスクDの外周上に列設された各ブレード基部Daに対し線形摩擦圧接法によりブレードBを順次接合したが、このような環状の接合対象物だけでなく、直線状の接合対象物に対しても応用できる。即ち、この場合には、接合対象物に間隔をおいて直線状に列設された各接合部位(ブレード基部Daに相当)に対して、一側方より順に線形摩擦圧接法で接合部材を接合していく。最初の接合部材ではその両側に接合済みの接合部材が位置していないのに対し、2つめ以降の接合部材では一側に接合済みの接合部材が位置する。よって、最初の接合部材を接合する際に、その一側にダミー部材を配置すれば、上記実施形態と同様に、全ての接合部材の予備加熱を等しい条件で行うことができる。
又、上記実施形態では、把持部9にブレードBを把持させる作業以外の全ての作業を摩擦圧接装置により自動化したが、これに限ることはない。例えば摩擦圧接位置Sに隣接するブレード基部DaにブレードBが位置するか否かを作業者が目視で確認し、その結果に応じて作業者がダミー部材Bdを手動で挿入及び離脱操作するようにしてもよい。加熱コイル7の挿入及び離脱操作に付いても同様であり、作業者が手動で実施するようにしてもよい。又、一連の作業手順を制御部5からの指令に基づくことなく、作業者によるスイッチ操作に応じて各機構部1〜4を作動させるようにしてもよい。
1 ディスク駆動部(ディスク駆動手段)
2 摩擦圧接部(摩擦圧接手段)
3 予備加熱部(予備加熱手段)
4 ダミー部材操作部(ダミー部材配置手段)
7 加熱コイル
D ディスク
Da ブレード基部
B ブレード
Bd ダミー部材
2 摩擦圧接部(摩擦圧接手段)
3 予備加熱部(予備加熱手段)
4 ダミー部材操作部(ダミー部材配置手段)
7 加熱コイル
D ディスク
Da ブレード基部
B ブレード
Bd ダミー部材
Claims (8)
- ディスクの外周上に間隔をおいて列設された複数の接合部位に対して順次ブレードを加熱コイルにより予備加熱して摩擦圧接法により接合する一体型翼車の摩擦圧接方法において、
今回接合作業が施される接合部位に対して隣接する接合部位に前記ブレードが接合されていない場合に、該隣接する接合部位に前記ブレードと導電率が近似するダミー部材を配置するダミー部材配置工程と、
前記ダミー部材の配置後に、前記加熱コイルによる予備加熱を実施する予備加熱工程と、
前記予備加熱後に、前記隣接する接合部位から前記ダミー部材を離脱させて前記ブレードを摩擦圧接法により前記接合部位に接合する摩擦圧接工程と
を具備したことを特徴とする一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法。 - ディスクの外周上に間隔をおいて列設された複数の接合部位に対して順次ブレードを加熱コイルにより予備加熱して摩擦圧接法により接合する一体型翼車の摩擦圧接方法において、
最初に前記ブレードを接合する接合部位を除く全ての接合部位に、前記ブレードと導電率が近似するダミー部材をそれぞれ配置するダミー部材配置工程と、
前記ダミー部材の配置後に、前記最初の接合部位に対して前記加熱コイルによる予備加熱を実施する第1の予備加熱工程と、
前記第1の予備加熱工程による予備加熱後に、前記最初の接合部位に前記ブレードを摩擦圧接法により接合する第1の摩擦圧接工程と、
前記最初の接合部位へのブレードの接合後に、次に前記ブレードを接合する接合部位に配置されているダミー部材を除去するダミー部材除去工程と、
前記ダミー部材の除去後に、前記次の接合部位に対して前記加熱コイルによる予備加熱を実施する第2の予備加熱工程と、
前記第2の予備加熱工程による予備加熱後に、前記次の接合部位に前記ブレードを摩擦圧接法により接合する第2の摩擦圧接工程と
を具備したことを特徴とする一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法。 - 前記ダミー部材として前記ブレードが適用されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法。
- 前記ダミー部材は、前記ブレードの形状を簡略化した形状をなすことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法。
- 前記ダミー部材配置工程は、前記ディスクの接合部位に対して前記ダミー部材を接触させた状態で配置することを特徴とする請求項1、3、4の何れかに記載の一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法。
- 前記ダミー部材配置工程は、今回接合作業が施される接合部位に対して隣接する両側の接合部位を撮像して、該撮像画像に基づき両側の接合部位に前記ブレードが接合されているか否かを判定し、該ブレードが接合されていない接合部位に前記ダミー部材を配置することを特徴とする請求項1、3、4の何れかに記載の一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法。
- 外周上に間隔をおいて複数の接合部位が列設されたディスクを支持しながら、該ディスクを寸動的に回転させて各接合部位を順番に摩擦圧接位置に送るディスク駆動手段と、
前記摩擦圧接位置に送られた前記ディスクの接合部位に対し摩擦圧接法によりブレードを接合する摩擦圧接手段と、
前記摩擦圧接手段による前記ブレードの接合に先立って、該ブレードを加熱コイルにより予備加熱する予備加熱手段と、
前記予備加熱手段による前記ブレードの予備加熱時に、前記摩擦圧接位置に隣接する接合部位に前記ブレードが接合されていない場合に、該隣接する接合部位に前記ブレードと導電率が近似するダミー部材を配置するダミー部材配置手段と
を具備したことを特徴とする一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接装置。 - 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のブレードの摩擦圧接方法、または請求項7に記載のブレードの摩擦圧接装置により製造されたことを特徴とする一体型翼車。
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| JP2012240578A JP2014088857A (ja) | 2012-10-31 | 2012-10-31 | 一体型翼車におけるブレードの摩擦圧接方法、摩擦圧接装置及び一体型翼車 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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2012
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| CN110520238B (zh) * | 2017-02-02 | 2022-02-01 | 国立大学法人大阪大学 | 线性摩擦接合方法 |
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| CN110587113B (zh) * | 2019-09-26 | 2021-06-08 | 中国航空制造技术研究院 | 一种复杂薄壁构件的焊接制造方法 |
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