JP2014081300A - フラックスゲート型磁気素子、磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を大きくすることなく、励磁コイルおよび検出コイルの巻き数を減らすことがなく、フィードバック効率を高めることが可能な、小型で大電流を高精度に検出することが可能な磁気センサを提供する。
【解決手段】磁性体コア1と、この磁性体コアに巻回された励磁コイル9と検出コイル10と、励磁コイルおよび検出コイルの巻き数を減らすことなく、フィードバックコイル21は、励磁コイルおよび検出コイルとは異なる外側の階層に巻回される。
【選択図】図4
【解決手段】磁性体コア1と、この磁性体コアに巻回された励磁コイル9と検出コイル10と、励磁コイルおよび検出コイルの巻き数を減らすことなく、フィードバックコイル21は、励磁コイルおよび検出コイルとは異なる外側の階層に巻回される。
【選択図】図4
Description
本発明は、フラックスゲート型磁気素子、磁気センサに係り、特に、フィードバック磁界を印加するためのフィードバックコイルを有するフラックスゲート型磁気素子およびこれを利用した磁気センサ、電流センサに用いて好適な技術に関する。
昨今、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及する中で、バッテリーの使用量や充電時の電力量をモニターするために、例えば電流センサが使用されている。電流が流れる導体(バスバー)の周囲には、流れている電流の大きさに比例した磁界が発生しているため、電流センサはこの磁界を測定することで導体に流れている電流値を出力する。電流センサとしては、特許文献1に示すように、バスバーの周囲を囲むように磁気コアを配置し、この磁気コアに設けた空隙(ギャップ)に配置した磁気検出素子により磁界を検出し、電流を測定する。このように磁気コアで導体を包み込む形式のものをクローズドループ方式と呼ぶが、大きな電流値を測定しようとする場合は磁気コアも大きくせざるを得ず、電流センサの重量、及びサイズの増大を招いている。
また、導体の周囲を磁気コアで包み込むという形状から、一度設置したら取り外しや交換が容易でないといった問題もある。
また、導体の周囲を磁気コアで包み込むという形状から、一度設置したら取り外しや交換が容易でないといった問題もある。
そこで近年、特許文献2に示すような、磁気コアを設けずに被測定導体近傍に磁気センサを配置する形式のコアレス型の電流センサ(オープンループ方式)が提案されている。コアレスにすることにより電流センサ自体を小型軽量化することができ、且つ取り付けや取り外しが容易で設置の自由度の高い電流センサが実現可能である。この電流センサに用いられる磁気素子としては、ホール素子や磁気抵抗効果(MR)素子、磁気インピーダンス(MI)素子やフラックスゲート(FG)素子などの各種磁気検出素子が挙げられる。磁気検出素子は、半導体分野における薄膜プロセスや微細配線加工プロセスを用いて、小型なサイズで作製可能である。
しかし、電気自動車などでは数百Aという大電流が流れるため、小型の磁気センサを用いた電流センサでは、磁気素子が有する磁性体コアが磁気飽和してしまいダイナミックレンジが足りなくなる。それを解消するために、フィードバックコイルを用いたフィードバック方式が用いられる。即ち、磁気素子が有する磁性体コアにおける磁界が零になるように、被測定磁界の方向とは反対向きのフィードバック磁界をフィードバックコイルにより発生させ、このフィードバック磁界を発生させるためにフィードバックコイルに供給した電流から被測定磁界を算出する。このフィードバックコイルは例えば磁気検出素子の周囲に配置したボビンにより実現することが可能であるが、そうした場合には半導体加工技術を応用することによって実現される小型化というメリットが薄れてしまう。そこで、半導体加工技術を応用することによりフィードバックコイルを形成した磁気検出素子(特許文献3)が提案されている。
特許文献3においては磁気検出素子として磁気インピーダンス素子を用いている。フィードバックコイルは検出コイル形成工程において同時に形成され、その結果、検出コイルと同一階層に存在する。
特許文献3においては磁気検出素子として磁気インピーダンス素子を用いている。フィードバックコイルは検出コイル形成工程において同時に形成され、その結果、検出コイルと同一階層に存在する。
この特許文献3の素子構造をフラックスゲート型磁気素子に適用した場合には、フィードバックコイルは励磁コイル及び検出コイルの形成工程において同時に形成される。その結果、フィードバックコイルは、励磁コイル及び検出コイルと同一階層に存在する構造が考えられる。
即ち、従来のフラックスゲート素子の構造としては、図15から図17に示すように、非磁性基板331上に、励磁コイル309、検出コイル310及びフィードバックコイル(負帰還コイル)321の下部配線を形成する第一配線層304と、第一樹脂層305を介して第一配線層304上に形成された磁気コア301と、磁気コア301上に形成された第二樹脂層306と、第二樹脂層306の上に形成された負帰還コイル、励磁コイル、検出コイルの上部配線を形成する第二配線層307と、を有する構造が考えられる。
しかし、上述のように、各コイルを同一階層に形成すると、フィードバックコイルの巻き数が制限されてしまい、フィードバック効率を向上させることができない。また、フィードバックコイルを巻き回した分だけ検出コイル、及び、励磁コイルの巻き数が減少し、それによる励磁効率の低下や検出信号を検出しづらいといった問題がある。各コイルの巻き数を多くするために、コイル配線のサイズを小さくすることが考えられるが、その場合は配線抵抗が大きくなり、磁気検出素子の消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
即ち、従来のフラックスゲート素子の構造としては、図15から図17に示すように、非磁性基板331上に、励磁コイル309、検出コイル310及びフィードバックコイル(負帰還コイル)321の下部配線を形成する第一配線層304と、第一樹脂層305を介して第一配線層304上に形成された磁気コア301と、磁気コア301上に形成された第二樹脂層306と、第二樹脂層306の上に形成された負帰還コイル、励磁コイル、検出コイルの上部配線を形成する第二配線層307と、を有する構造が考えられる。
しかし、上述のように、各コイルを同一階層に形成すると、フィードバックコイルの巻き数が制限されてしまい、フィードバック効率を向上させることができない。また、フィードバックコイルを巻き回した分だけ検出コイル、及び、励磁コイルの巻き数が減少し、それによる励磁効率の低下や検出信号を検出しづらいといった問題がある。各コイルの巻き数を多くするために、コイル配線のサイズを小さくすることが考えられるが、その場合は配線抵抗が大きくなり、磁気検出素子の消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は上記課題に鑑み、消費電力を大きくすることなく、励磁効率の低下や検出信号を検出しづらいといった問題を生じることなく、フィードバック効率を高めることが可能なフラックスゲート型磁気素子を実現することで、大電流を高精度に検出することが可能な磁気センサを提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかるフラックスゲート型磁気素子は、非磁性基板上に長手方向を有する形状の磁性体コアと、前記磁性体コアに巻回されるように第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルと、が形成され、前記第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルの一方が励磁コイルとされ他方が検出コイルとされたフラックスゲート型磁気素子であって、
前記磁性体コアに巻回され、前記第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルの外側に設けられた第3のソレノイドコイルがフィードバックコイルとされていることを特徴とする。
前記磁性体コアに巻回され、前記第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルの外側に設けられた第3のソレノイドコイルがフィードバックコイルとされていることを特徴とする。
本発明の請求項1にかかるフラックスゲート型磁気素子によれば、磁性体コアに巻回された励磁コイルと検出コイルとのさらに外側にフィードバックコイルが巻回されるように形成されて、励磁コイルおよび検出コイルとは異なる階層にフィードバックコイルが位置しているため、所定長さの磁性体コアに対して、フィードバックコイルに対する長さを考慮することなく励磁コイルおよび検出コイルを巻回して磁気素子を構成することができるため、励磁コイルおよび検出コイルの巻き数を減らすことなくフィードバックコイルを設けて、励磁効率の低下や検出信号波形が減少するといった素子特性の劣化を防止することができる。
本発明の請求項2にかかる磁気センサは、請求項1記載のフラックスゲート型磁気素子と、
前記磁性体コアにおける被測定磁界を打ち消すフィードバック磁界を発生させるように、前記フィードバックコイルにフィードバック電流を供給するとともに、該フィードバック電流の値に基づいて被測定磁界の強度を出力する制御用集積回路と、
を具備してなることを特徴とする。
前記磁性体コアにおける被測定磁界を打ち消すフィードバック磁界を発生させるように、前記フィードバックコイルにフィードバック電流を供給するとともに、該フィードバック電流の値に基づいて被測定磁界の強度を出力する制御用集積回路と、
を具備してなることを特徴とする。
本発明の請求項2にかかる磁気センサは、請求項1記載のフラックスゲート型磁気素子を用いて磁界強度を測定することができる。
本発明の請求項1にかかるフラックスゲート型磁気素子によれば、磁気素子の感磁方向における磁性体コアの長さ寸法の全長に亘って励磁コイルおよび検出コイルを巻回するとともに、その外側で磁性体コアの長さ寸法の全長に亘ってフィードバックコイルを巻回することが可能となるため、励磁効率の低下や検出信号波形が減少するといった素子特性の劣化を来すことなく、素子長さ寸法を縮小することができる。同様に、素子長さを大きくすることなく、励磁効率の低下や検出信号波形が減少するといった素子特性の劣化を防止することが可能になる。
以下、本発明に係るフラックスゲート型磁気素子、磁気センサ(電流センサ)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における磁気センサにおける主要部同士の機能的関係を示す模式図であり、図において、符号MS10は磁気センサを示している。
図1は、本実施形態における磁気センサにおける主要部同士の機能的関係を示す模式図であり、図において、符号MS10は磁気センサを示している。
本実施形態の磁気センサMS10は、図1に示すように、フラックスゲート型磁気素子M12と、制御用集積回路(信号処理回路)MT10とからなる。
フラックスゲート型磁気素子M12は、軟磁性材料からなる磁性体コア1に巻回された励磁コイル9、検出コイル10、フィードバックコイル21、を有する。
制御用集積回路MT10は、励磁電流発生回路MT11、センスアンプMT12、コンパレータMT13、フィードバック制御回路(FB制御回路)MT14、電流アンプMT15、出力端子MT16を有する。
磁気センサMS10は、例えば導電路に流れる電流が作る被測定磁界を測定するための電流センサなどである。
フラックスゲート型磁気素子M12は、軟磁性材料からなる磁性体コア1に巻回された励磁コイル9、検出コイル10、フィードバックコイル21、を有する。
制御用集積回路MT10は、励磁電流発生回路MT11、センスアンプMT12、コンパレータMT13、フィードバック制御回路(FB制御回路)MT14、電流アンプMT15、出力端子MT16を有する。
磁気センサMS10は、例えば導電路に流れる電流が作る被測定磁界を測定するための電流センサなどである。
励磁コイル9には、励磁電流発生回路MT11が接続され、後述するように連続波形とされる励磁電流信号が供給される。
検出コイル10には、センスアンプMT12が接続されている。検出コイル10からの出力信号は、センスアンプMT12によって増幅される。センスアンプMT12は、コンパレータMT13に接続されており、コンパレータMT13は、フィードバック制御回路MT14に接続され、フィードバック制御回路MT14は、電流アンプMT15が接続され、電流アンプMT15は、フィードバックコイル21および出力端子MT16が接続される。
検出コイル10には、センスアンプMT12が接続されている。検出コイル10からの出力信号は、センスアンプMT12によって増幅される。センスアンプMT12は、コンパレータMT13に接続されており、コンパレータMT13は、フィードバック制御回路MT14に接続され、フィードバック制御回路MT14は、電流アンプMT15が接続され、電流アンプMT15は、フィードバックコイル21および出力端子MT16が接続される。
励磁電流発生回路MT11が発生させる三角波の励磁電流が励磁コイル9に供給され、それに伴い励磁磁界が磁性体コア1に発生する。磁性体コア1に発生した励磁磁界は、正負交互に磁界の向きが変動する。検出コイル10においては、磁界の向きが切り替わるタイミングでパルス状の誘導電圧信号(検出信号)が発生する。検出コイル10に発生したパルス状の誘導電圧信号(検出信号)は、検出コイル10に接続された端子を通してセンスアンプMT12へ入力される。センスアンプMT12は、この検出信号を後段のコンパレータMT13が動作可能な程度まで増幅する。
コンパレータMT13には、センスアンプMT12で増幅された検出信号が入力される。コンパレータMT13は、この増幅された検出信号の電圧値と、予め定められた閾値電圧値とを比較し、その結果に応じてHigh値またはLow値の信号を出力する。このように、コンパレータMT13は、検出信号をPWM(Pulse Width Modulation)波形に変換する。
コンパレータMT13が出力したHigh値の維持時間とLow値の維持時間との比は、Duty比と呼ばれる。このDuty比が50:50であれば外部磁界(被測定磁界)が印加されていない状態である。50:50から外れていれば、外部磁界(被測定磁界)が印加されている状態である。50:50から大きく外れるほど、大きな外部磁界(被測定磁界)が印加されていることを示す。
コンパレータMT13が出力したHigh値の維持時間とLow値の維持時間との比は、Duty比と呼ばれる。このDuty比が50:50であれば外部磁界(被測定磁界)が印加されていない状態である。50:50から外れていれば、外部磁界(被測定磁界)が印加されている状態である。50:50から大きく外れるほど、大きな外部磁界(被測定磁界)が印加されていることを示す。
フィードバック制御回路MT14は、コンパレータMT13からの出力であるHigh値の維持時間とLow値の維持時間のDuty比が50:50からずれた場合に、そのずれ量に応じた値の直流電圧信号を出力する。
電流アンプMT15は、フィードバック制御回路MT14が出力した直流電圧信号を基にして、Duty比を50:50に近づけるためのフィードバック電流をフィードバックコイル21に供給する。これにより、磁性体コア1における磁化状態は、実効的には外部磁界が印可されていない状態となる。
電流アンプMT15は、フィードバック制御回路MT14が出力した直流電圧信号を基にして、Duty比を50:50に近づけるためのフィードバック電流をフィードバックコイル21に供給する。これにより、磁性体コア1における磁化状態は、実効的には外部磁界が印可されていない状態となる。
本実施形態の磁界強度の測定方法を、磁気センサMS10を構成するフラックスゲート型磁気素子M12等の動作原理を通して説明する。
図2は、フラックスゲート型磁気素子の動作原理を示すグラフである。図2(a)は、励磁コイル9に供給される三角波励磁電流の時間変化を示すグラフである。図2(b)は、磁性体コア1の磁化状態の時間変化を示すグラフである。図2(c)は、検出コイル10に生じる検出信号の時間変化を示すグラフである。図3は、フラックスゲート型磁気素子M12の磁性体コア1の磁化状態の時間による変化を示すB−H曲線(ヒステリシス曲線)である。
図2は、フラックスゲート型磁気素子の動作原理を示すグラフである。図2(a)は、励磁コイル9に供給される三角波励磁電流の時間変化を示すグラフである。図2(b)は、磁性体コア1の磁化状態の時間変化を示すグラフである。図2(c)は、検出コイル10に生じる検出信号の時間変化を示すグラフである。図3は、フラックスゲート型磁気素子M12の磁性体コア1の磁化状態の時間による変化を示すB−H曲線(ヒステリシス曲線)である。
励磁電流発生回路MT11から、図2(a)に示すような三角波励磁電流を励磁コイル9に供給すると、励磁コイル9の作る励磁磁界Hexcにより磁性体コア1に励磁磁界が生じる。図2(a)の横軸は時間を、縦軸は電流値を示す。磁性体コア1は、図3に示すような磁気飽和特性を有するため、磁性体コア1における磁化状態は、図2(b)に示すような時間変化をする。図2(b)の横軸は時間を、縦軸は磁性体コア1における磁束密度Bを示す。検出コイル10には、磁性体コア1の磁化状態の極性が反転するタイミング、すなわち時間変化dB/dtが存在するタイミングにおいて、磁性体コア1の断面積S、ピックアップコイル10の巻き数Nに比例した誘導電圧Vpu=NS×dB/dtが生じる。検出コイル10に発生する誘導電圧Vpuは、図2(c)に示すような時間変化をするパルス状の誘導電圧信号(検出信号)である。図2(c)の横軸は時間を、縦軸は電圧値を示す。磁性体コア1の磁束密度Bの時間変化dB/dtが大きいほど、誘導電圧信号の波高値は高くなり、パルス幅は狭くなり、より急峻なパルス状波形の誘導電圧信号が得られる。図2(c)における時間間隔t1は、外部磁界(被測定磁界)Hext、磁性体コア1の磁束密度Bが増加する時と減少する時との磁場の強さHのずれHc、励磁コイル9の作る磁界Hexc、三角波励磁電流の周期T及びコイルのインダクタンスによる遅延時間Tdを用いて、式(1)のように表される。
式(3)より、外部磁界によって生ずる時間間隔の変化t2−t1は、外部磁界Hextと励磁コイル9の作る励磁磁界Hexcの比 Hext/Hexc および三角波励磁電流の周期Tに依存することがわかる。外部磁界に対する感度S=d(t2−t1)/dHextは、励磁コイル9に通電する三角波励磁電流の振幅Iexc、励磁コイル9に流れる三角波励磁電流の単位電流当たりの発生磁界(励磁効率α)、及び三角波励磁電流の周期Tを用いて、S=T/(2・Iexc×α)で表される。よって、三角波励磁電流の振幅Iexcが大きいほど、フラックスゲート型磁気素子M12の感度Sは小さくなる。そして、三角波励磁電流の周期Tが大きいほど、フラックスゲート型磁気素子の感度Sは大きくなる。
励磁効率αは、フラックスゲート磁気素子M12を構成する磁性体コア1と励磁コイル9の巻き数によって決定される値である。励磁効率αが大きいほど、同一感度で同一の磁界範囲を測定しようとした場合には、少ない電流でフラックスゲート磁気素子M12を駆動することができる。また、式(3)において、外部磁界Hext=励磁磁界Hexcとなるとき式(3)は0となり、このときの外部磁界Hextが測定可能な磁界範囲の上限となる。Hexc=α×Iexcで表されることから、励磁効率αが大きいほど、同一の電流で駆動した場合に広い測定可能な磁界範囲を有するフラックスゲート型磁気素子となる。
この励磁効率αは、励磁コイル9に三角波励磁電流を通電することにより磁性体コア1に発生する磁束密度と、外部磁界により磁性体コア1に発生する磁束密度との比率を示すものである。励磁効率αは、磁性体コア1のヒステリシス曲線の非飽和領域における磁気密度Bの外部磁界Hextに対する傾きdB/dHextと、同じく磁性体コア1の磁束密度Bの励磁コイルに流れる三角波励磁電流Iexcに対する傾きdB/dIexcとの比率により決まり、式(4)で表される。
すなわち、上記のように磁気センサMS10は、制御用集積回路(信号処理回路)MT10の励磁電流発生回路MT11から励磁コイル9へ、連続して振動する三角波形の励磁電流を供給し、磁性体コア1における磁束の向きが連続的に振動して飽和する磁場を発生させる。磁性体コア1内においては、磁束の向きが反転するタイミングでパルス状の誘導電圧が検出コイル10にて発生する。この検出コイル10から出力されたパルス状の誘導電圧信号の時間間隔T0を、外部磁界Hextが印加されていない場合と印加されている場合とにおける差異が最小となるように、磁性体コア1に巻回されたフィードバックコイル21にフィードバック電流を供給する。
より具体的な動作原理を図12〜図14を用いて説明する。
(外部磁界Hext=0の場合)
図12(a)に示すように、励磁電流発生回路MT11は、周期Tで変動する三角波励磁電流を励磁コイル9に供給する。それに伴って磁性体コア1において励磁磁界が発生する。図12(b)は、磁性体コア1における磁化状態の時間変化を示す。外部磁界Hext=0であるため、磁性体コア1における磁化状態は励磁磁界のみの影響を受け、三角波励磁電流と同期して変動する。したがって、三角波電流の極性が反転する時刻t2、t4、t6、t8と同じタイミングで、磁性体コア1における磁化状態(磁化方向)が反転する。図12(c)は、磁性体コア1の磁化状態が反転するときに検出コイル10に発生するパルス状の誘導電圧信号を示す。磁性体コア1の磁化状態が負から正へ反転する時刻t2とt6においては、正符号の誘導電圧信号K+が発生する。磁性体コア1の磁化状態が正から負へ反転する時刻t4とt8においては、負符号の誘導電圧信号K−が発生する。
図12(a)に示すように、励磁電流発生回路MT11は、周期Tで変動する三角波励磁電流を励磁コイル9に供給する。それに伴って磁性体コア1において励磁磁界が発生する。図12(b)は、磁性体コア1における磁化状態の時間変化を示す。外部磁界Hext=0であるため、磁性体コア1における磁化状態は励磁磁界のみの影響を受け、三角波励磁電流と同期して変動する。したがって、三角波電流の極性が反転する時刻t2、t4、t6、t8と同じタイミングで、磁性体コア1における磁化状態(磁化方向)が反転する。図12(c)は、磁性体コア1の磁化状態が反転するときに検出コイル10に発生するパルス状の誘導電圧信号を示す。磁性体コア1の磁化状態が負から正へ反転する時刻t2とt6においては、正符号の誘導電圧信号K+が発生する。磁性体コア1の磁化状態が正から負へ反転する時刻t4とt8においては、負符号の誘導電圧信号K−が発生する。
検出コイル10に発生した誘導電圧信号(K+、K−)は、フラックスゲート型磁気素子M12の出力として制御用集積回路MT10に入力される。まず、センスアンプMT12において誘導電圧信号が増幅され、続いてコンパレータMT13に入力される。コンパレータMT13は、図12(d)に示すように、増幅された誘導電圧信号をPWM(Pulse Width Modulation)波形へと変調する。すなわち、増幅された誘導電圧信号の電圧値と予め定められた閾値電圧値とを比較し、増幅された誘導電圧信号の電圧値の方が大きい場合はHighが維持され、増幅された誘導電圧信号の方が小さい場合はLowが維持された電圧信号を出力する。Highが維持される時間幅をTH、Lowが維持される時間幅をTLとすると、外部磁界Hext=0である場合においてはTH=TLとなり、これが基準時間間隔T0(ゼロ)とされる。基準時間間隔T0は、三角波電流の半周期T/2と等しい。Highの時間幅(TH)とLowの時間幅(TL)とのDuty比は、T0:T0(=50:50)となる。
コンパレータMT13において変調された信号は、LPF(ローパスフィルタ)フィードバック制御回路14へ入力される。信号は、フィードバック制御回路MT14、電流アンプMT15を経てフィードバック電流としてフィードバックコイル21に出力されるとともに、電流アンプMT15からの出力値が出力端子MT16から外部磁界強度の指標を表す磁気センサの出力として連続的に出力される。この出力が、外部磁界Hext=0における出力となる。
(外部磁界Hext>0の場合)
図12(a)に示す外部磁界Hext=0の場合と同様に、図13(a)に示した三角波電流が励磁コイル9に供給されると、磁性体コア1に励磁磁界が発生する。磁性体コア1における磁化状態は、励磁磁界に加えて外部磁界Hextの影響を受ける。そのため、磁性体コア1における磁化状態の時間変化を示すグラフは、図13(b)に示すように、図12(b)の波形が一方の側(図13(b)では負の側)へシフトした形状となる。そうすると、磁性体コア1における磁化状態(磁化方向)が反転するタイミングが、励磁コイル9の三角波電流の変動と同期しなくなる。例えば、磁性体コアの磁化方向が負から正へ反転するタイミングが、時刻t2、t6からシフトとして、それぞれ時刻t3、t7へ近づく。そのため、正符号のパルス状誘導電圧信号K+が発生するタイミングも、時刻t3、t7へ近づく(図13(c))。一方、磁性体コア1の磁化方向が正から負へ反転するタイミングが、時刻t4、t8からシフトして、それぞれ時刻t3、t7へ近づく。そのため、負符号のパルス状の誘導電圧信号K−が発生するタイミングも、時刻t3、t7へ近づく(図13(c))。
図12(a)に示す外部磁界Hext=0の場合と同様に、図13(a)に示した三角波電流が励磁コイル9に供給されると、磁性体コア1に励磁磁界が発生する。磁性体コア1における磁化状態は、励磁磁界に加えて外部磁界Hextの影響を受ける。そのため、磁性体コア1における磁化状態の時間変化を示すグラフは、図13(b)に示すように、図12(b)の波形が一方の側(図13(b)では負の側)へシフトした形状となる。そうすると、磁性体コア1における磁化状態(磁化方向)が反転するタイミングが、励磁コイル9の三角波電流の変動と同期しなくなる。例えば、磁性体コアの磁化方向が負から正へ反転するタイミングが、時刻t2、t6からシフトとして、それぞれ時刻t3、t7へ近づく。そのため、正符号のパルス状誘導電圧信号K+が発生するタイミングも、時刻t3、t7へ近づく(図13(c))。一方、磁性体コア1の磁化方向が正から負へ反転するタイミングが、時刻t4、t8からシフトして、それぞれ時刻t3、t7へ近づく。そのため、負符号のパルス状の誘導電圧信号K−が発生するタイミングも、時刻t3、t7へ近づく(図13(c))。
その結果、コンパレータMT13において変調されたあとのHighの時間幅THとLowの時間幅TLも変化し、図13(d)に示すうようにTH<TLとなる。このときのTHをT1とし、TLをT2とすると、T1は基準時間間隔T0よりも小さくなり、T2は基準時間間隔T0よりも大きくなる。この基準時間間隔T0とT1、T2との差分だけ、外部磁界Hextの影響をキャンセルするような、つまり外部磁界Hextと逆方向の磁界を発生させるように、電流アンプMT15からフィードバックコイル21にフィードバック電流が供給される。フィードバックコイル21は、外部磁界Hextをキャンセルするような方向と大きさを有するフィードバック磁界Hfbを発生させるので、磁性体コア1における外部磁界Hextは低減され、外部磁界Hext=0の付近の磁場状態が維持される。
これを、B−H曲線を用いて説明すると、外部磁界Hext>0が印可されたとしても、磁性体コア1の磁化状態はB−H曲線のリニアリティ(直線性)が低下した状態へと変化せず、リニアリティの良好な状態の磁気飽和特性を利用した磁気強度の測定が可能となる。したがって、大きな外部磁界が印可されたとしても、フィードバック磁界によって磁性体コアにおける実効的な磁化状態は、外部磁界Hext=0の状態へと近づき、リニアリティの良好なB−H曲線を利用した磁界強度の測定を行うことができる。
なお、電流アンプMT15からの出力は、端子MT16を通して外部磁界強度表す磁気センサの出力として連続的に出力される。
なお、電流アンプMT15からの出力は、端子MT16を通して外部磁界強度表す磁気センサの出力として連続的に出力される。
(外部磁界Hext<0の場合)
図14(a)(図12(a)、図13(a)と同じ)に示した三角波電流が励磁コイル9に供給されると、磁性体コア1に励磁磁界が発生する。磁性体コア1における磁化状態は、励磁磁界に加えて外部磁界Hextの影響を受ける。上述した外部磁界Hext>0の場合とは逆の作用が働くため、コンパレータMT13において変調された後のHighの時間幅THとLowの時間幅TLは、図13(d)に示すように、TH>TLとなる。このときのTHをT3とし、TLをT4とすると、T3は基準時間間隔T0よりも大きくなり、T4は基準時間間隔T0よりも小さくなる。この基準時間間隔T0と、T3およびT4との差分だけ外部磁界Hextをキャンセルするような、つまり外部磁界Hextと逆方向の磁界を発生させるように、電流アンプMT15からフィードバックコイル21にフィードバック電流21が供給される。フィードバックコイル21は、外部磁界Hextをキャンセルするような方向と大きさを有するフィードバック磁界Hfbを発生させるので、磁性体コア1における外部磁界Hextをキャンセルし、外部磁界Hext=0付近の磁場状態が維持される。
図14(a)(図12(a)、図13(a)と同じ)に示した三角波電流が励磁コイル9に供給されると、磁性体コア1に励磁磁界が発生する。磁性体コア1における磁化状態は、励磁磁界に加えて外部磁界Hextの影響を受ける。上述した外部磁界Hext>0の場合とは逆の作用が働くため、コンパレータMT13において変調された後のHighの時間幅THとLowの時間幅TLは、図13(d)に示すように、TH>TLとなる。このときのTHをT3とし、TLをT4とすると、T3は基準時間間隔T0よりも大きくなり、T4は基準時間間隔T0よりも小さくなる。この基準時間間隔T0と、T3およびT4との差分だけ外部磁界Hextをキャンセルするような、つまり外部磁界Hextと逆方向の磁界を発生させるように、電流アンプMT15からフィードバックコイル21にフィードバック電流21が供給される。フィードバックコイル21は、外部磁界Hextをキャンセルするような方向と大きさを有するフィードバック磁界Hfbを発生させるので、磁性体コア1における外部磁界Hextをキャンセルし、外部磁界Hext=0付近の磁場状態が維持される。
これを、B−H曲線を用いて説明すると、外部磁界Hext<0が印可されたとしても、磁性体コア1の磁化状態はB−H曲線のリニアリティ(直線性)が低下した状態へと変化せず、リニアリティの良好な磁気飽和特性を利用した磁気強度の測定が可能となる。したがって、大きな外部磁界が印可されたとしても、フィードバック磁界によって磁性体コアにおける実効的な磁化状態は、外部磁界Hext=0の状態へと近づき、リニアリティの良好なB−H曲線を利用した磁界強度の測定を行うことができる。
なお、電流アンプMT15からの出力は、端子MT16を通して外部磁界強度表す磁気センサの出力として連続的に出力される。
なお、電流アンプMT15からの出力は、端子MT16を通して外部磁界強度表す磁気センサの出力として連続的に出力される。
以上のような原理に基づいて、フィードバックバック電流がフィードバックコイル21へと供給される。そして、端子MT16から出力される外部磁界強度の出力信号は、連続変化量であるアナログ値として出力することができる。あるいは、デジタル的にピーク間隔をカウントする手法を用いてもよい。
なお、外部磁界Hextによって変化するパルス信号K+,K−の時間間隔に応じてフィードバック電流を出力したが、このフィードバック電流は、フィードバック21のみならず、励磁コイル9や検出コイル10に流すこともできる。この場合、励磁コイル9に供給する三角波電流や、検出コイルに発生する誘導電圧信号にフィードバック電流の一部を重畳することで実現が可能である。
次に、磁気素子M12について説明する。
本実施形態の磁気素子M12は、例えば、phase-delay methodを用いたフラックスゲート型とされてなることができる。磁気素子M12の磁性体コア1の長手方向は、フラックスゲート型磁気素子M12の感磁方向と一致している。
図4は、本実施形態に係るフラックスゲート型磁気素子におけるコイルの位置関係を示す模式図、図5は本実施形態に係るフラックスゲート型磁気素子の軸線に沿った側断面図である。
本実施形態に係るフラックスゲート型磁気素子M12は、図4に示すように、破線で表した長手方向に長さを有する磁性体コア1と、磁性体コア1に巻き回された励磁コイル(ソレノイドコイル)9、検出コイル(ソレノイドコイル)10と、これらのコイル9,10の外側に巻き回されたフィードバックコイル(ソレノイドコイル)21とを有する構成とされている。これらのコイル9,10,21が外部に接続する端子としては半田バンプや金バンプ、ワイヤボンディング等、一般的な半導体デバイスに用いられる手法を適用できる。
励磁コイル9および検出コイル10はいずれもその軸心が一致した状態で磁性体コア1の周囲に巻回され、フィードバックコイル21も、その軸心がこれら励磁コイル9および検出コイル10の軸心と一致する状態として磁性体コア1の周囲に等ピッチで巻回されている。フィードバックコイル21は、磁性体コア1の全長に亘って巻回されているが、励磁コイル9および検出コイル10はそれぞれが磁性体コア1の長さ方向に等ピッチで巻回されていればよい。
具体的には、図5(a)に示すように、非磁性基板M13上にフィードバックコイル21の下部配線を形成するための第1配線層4aと、第1配線層4a上に形成された樹脂層(絶縁層)5aを介して形成された励磁コイル9および検出コイル10の下部配線を形成するための第2配線層7aと、第2配線層7a上に樹脂層(絶縁層)6aを介して形成された磁性体コア1と、第2配線層6a上および磁性体コア1上に樹脂層(絶縁層)6bを介して形成された励磁コイル9および検出コイル10の上部配線を形成するための第3配線層7bと、第3配線層7b上に樹脂層(絶縁層)5bを介して形成されたフィードバックコイル21の上部配線を形成するための第4配線層4bと、を有する。
第2配線層7aと第3配線層7bとが、これらの層間に介在する樹脂層6a,6bの磁性体コア1両脇位置に設けられた第2の開口部8bにおいて電気的に接続されて励磁コイル9および検出コイル10を形成するとともに、第1配線層4aと第4配線層4bは、これらの層間に介在する樹脂層5a,5b,6a,6bの励磁コイル9および検出コイル10外側位置に設けられた第1の開口部8aにおいて電気的に接続されてフィードバックコイル21を形成することにより、2重にコイルが形成されている。
磁性体コア1の平面形状は長手方向を有する形状であり、その断面形状は磁性材料を成膜して形成した薄膜形状である。
磁性体コア1の平面形状は長手方向を有する形状であり、その断面形状は磁性材料を成膜して形成した薄膜形状である。
励磁コイル9、検出コイル10は、磁性体コア1の長手方向の全長に亘って形成されている。そして、それぞれの配線が略平行になるように、二重らせんとして巻回されている。フィードバックコイル21は、磁性体コア1の長手方向の全長に亘って形成されている。そして、それぞれの配線が略平行になるように、一重らせんとして巻回されている。
また、図5(a)に示す例では、磁気素子M12の長さ寸法ML1が、励磁コイル9および検出コイル10の長さの和に等しく、図5(b)に示すように励磁コイル309、検出コイル310、フィードバックコイル321が同一階層に形成された従来の磁気素子M312の長さ寸法ML2に比べて縮小されている。すなわち、コイルの巻回に必要な長さを縮小して磁気素子M12の小型化を図ることができる。
また、図5(a)に示す例では、磁気素子M12の長さ寸法ML1が、励磁コイル9および検出コイル10の長さの和に等しく、図5(b)に示すように励磁コイル309、検出コイル310、フィードバックコイル321が同一階層に形成された従来の磁気素子M312の長さ寸法ML2に比べて縮小されている。すなわち、コイルの巻回に必要な長さを縮小して磁気素子M12の小型化を図ることができる。
図6、図7を用いて、本実施形態に係るフラックスゲート型磁気素子の形成方法を説明する。なお、以下で説明する製膜手法等はこれに限るものでなく、同等の製膜や加工・形成が可能であれば、他の手法を用いることが可能である。
図6(A)に示すように、電気的に絶縁するための酸化膜が設けられたシリコンウェーハなどの非磁性の基板M13の上に、図6(B)に示すように、フィードバックコイル21の下側配線を形成するための第1配線層4aが形成される。
具体的には、Ti,Cr,TiWなどのバリアメタルをスパッタ成膜した後、Cuをスパッタにより成膜する。続いて、フォトリソグラフィにより第1配線層4aとなるレジストパターンを形成し、ウェットエッチングにより配線パターンを形成する。または上記スパッタ膜をシード層として電解めっきにより第一配線層4aを形成しでもよい。
このとき、第1配線層4aは、素子サイズや必要とされる抵抗値、及びフィードバック効率などを勘案し、配線数(コイル巻き数)と線幅、及び膜厚を好適に設計することができるが、第1樹脂層以降の工程における凹凸の影響を軽減するため、膜厚は3μm以下程度が望ましい。例えばL/S=6μm/3μm、膜厚=2μmのように設定することができる。
具体的には、Ti,Cr,TiWなどのバリアメタルをスパッタ成膜した後、Cuをスパッタにより成膜する。続いて、フォトリソグラフィにより第1配線層4aとなるレジストパターンを形成し、ウェットエッチングにより配線パターンを形成する。または上記スパッタ膜をシード層として電解めっきにより第一配線層4aを形成しでもよい。
このとき、第1配線層4aは、素子サイズや必要とされる抵抗値、及びフィードバック効率などを勘案し、配線数(コイル巻き数)と線幅、及び膜厚を好適に設計することができるが、第1樹脂層以降の工程における凹凸の影響を軽減するため、膜厚は3μm以下程度が望ましい。例えばL/S=6μm/3μm、膜厚=2μmのように設定することができる。
次に、図6(C)に示すように、第1配線層4aの上に、励磁コイル9および検出コイル10とフィードバックコイル21とを絶縁するための樹脂層(絶縁層)5aとが形成される。樹脂層5aには、第1配線層4aと後に形成されるフィードバックコイル21の上側配線となる第4配線層4bとが接続される部分に開口部8が設けられる。なお、図においては開口部8の接続部分よりも外側となる樹脂層5aを図示していない。
具体的には、感光性樹脂を塗布し、第1樹脂層5aを、第1配線層4aと第4配線層4bとが接続される部分において開口部8aを形成するとともに、第一配線層4aと第2配線層7a、磁性体コア1、および第3配線層7bとが絶縁される形状を有するように、露光、現像、熱硬化を行うことにより形成する。このとき、第1樹脂層5aの厚さは、前記第1配線層4aの凹凸を緩和するだけの十分な厚さを有することが望ましく、より望ましくは、第1配線層4aの厚さの2倍以上であることが望ましい。
前記感光性樹脂は、後工程での熱履歴による収縮や変形により磁気コア1に歪が生じるのを防ぐため、望ましくはそのTgが300℃以上であり、例えば実装時のはんだリフローや磁気コアに誘導磁気異方性を付与するための磁場中熱処理による熱収縮や変形が起こらないだけの十分な耐熱性を有する樹脂であることが望ましい。すなわちここで用いられる樹脂としては、高い耐熱性を有するポリイミドやポリベンゾオキサゾール、熱硬化したノボラック系樹脂などであることが望ましい。この類の樹脂は熱硬化により膜厚が減少するが、本実施形態におけるコイル状の配線パターンが存在する場合、配線がない部分と比べて配線上は配線の厚み分だけ樹脂膜厚が薄いことになる。
樹脂の熱硬化による収縮率はその樹脂固有の特性であり、樹脂の熱硬化後の膜厚は樹脂の熱硬化前の膜厚に依存する。ここで言う収縮率(%)とは、100×(熱硬化後の樹脂の膜厚)/(熱硬化前の樹脂膜厚)を指す。このため配線上の樹脂が熱硬化により収縮した際、配線がない部分と比べて膜減り量の絶対値が少なくなる。このことが熱硬化後の樹脂表面に凹凸を生じさせる主な要因の一つであり、樹脂の熱硬化による収縮率が小さいと熱硬化後の樹脂表面凹凸を大きくする要因の一つとなる。そのため感光性樹脂の特性としては、熱硬化による収縮率が70%以上のものであることが望ましい。
図6(D)に示すように、樹脂層5aの上に、励磁コイル9および検出コイル10の下側配線を形成するための第2配線層7aが第1配線層4aと同様にして形成される。
このとき、第2配線層7aは、素子サイズや必要とされる抵抗値、及び励磁効率などを勘案し、配線数(コイル巻き数)と線幅、及び膜厚を好適に設計することができるが、後工程で樹脂層6a上に形成される磁性体コア1への凹凸の影響を軽減するため、膜厚は3μm以下が望ましい。ここでは、例えば L/S=3μm/3μm、膜厚=2μmのように設定することができる。
このとき、第2配線層7aは、素子サイズや必要とされる抵抗値、及び励磁効率などを勘案し、配線数(コイル巻き数)と線幅、及び膜厚を好適に設計することができるが、後工程で樹脂層6a上に形成される磁性体コア1への凹凸の影響を軽減するため、膜厚は3μm以下が望ましい。ここでは、例えば L/S=3μm/3μm、膜厚=2μmのように設定することができる。
次に、図6(E)に示すように、第2配線層7aの上に、磁性体コア1と励磁コイル9および検出コイル10とを絶縁するための第2絶縁層6aが感光性樹脂を露光、現像、熱硬化を行うことにより形成される。第2絶縁層6aには、第2配線層7aと後に形成されるソレノイドコイルの上側配線となる第3配線層7bとが接続される部分に開口部8bが設けられる。
図6(F)に示すように、第2絶縁層6aの上に軟磁性体膜からなる磁性体コア1がスパッタにより成膜、所望の形状にフォトリソグラフィ、エッチングを用いたパターニングによって形成される。
軟磁性体膜としてはCoNbZr、CoTaZr等に代表される零磁歪のCo系アモルフアス膜や、NiFe合金、CoFe合金などが望ましい。これらの軟磁性体膜は難エッチング材料であるため、レジストを形成した後にスパッタ成膜を行い、レジストを除去することで所望のパターンを得るリフトオフ法により形成しでも良い。また、磁性体コア1となる磁性膜を成膜した後に、応力や成膜時に付与された不均一な一軸異方性を除去し、均一な誘導磁気異方性を付与するために回転磁場中熱処理、静磁場中熱処理を行うことが望ましい。また、NiFe合金やCoFe合金を、レジストフレームを用いた電解めっき法により所望の形状を有する磁性体コア1を形成してもよい。
軟磁性体膜としてはCoNbZr、CoTaZr等に代表される零磁歪のCo系アモルフアス膜や、NiFe合金、CoFe合金などが望ましい。これらの軟磁性体膜は難エッチング材料であるため、レジストを形成した後にスパッタ成膜を行い、レジストを除去することで所望のパターンを得るリフトオフ法により形成しでも良い。また、磁性体コア1となる磁性膜を成膜した後に、応力や成膜時に付与された不均一な一軸異方性を除去し、均一な誘導磁気異方性を付与するために回転磁場中熱処理、静磁場中熱処理を行うことが望ましい。また、NiFe合金やCoFe合金を、レジストフレームを用いた電解めっき法により所望の形状を有する磁性体コア1を形成してもよい。
次に、図7(G)に示すように、磁性体コア1の上には、第2配線層7aと第3配線層7bとの接続部に開口部8bを設けた第3絶縁層6bが、感光性樹脂を露光、現像、熱硬化を行うことにより形成される。
第3絶縁層6bの上には、図7(H)に示すように、第2配線層7aの隣接する配線どうしをその端部にて接続するように上側配線となる第3配線層7bが形成されて、励磁コイル9および検出コイル10を形成している。
第1配線層4a、第2配線層7aと同様に、Ti,Cr,TiWなどのバリアメタルをスパッタ成膜した後にCuをスパッタ成膜し、レジスト形成後にウェットエッチング、或いは電解めっき法を用いて第3配線層7bが形成される。
配線は、2つおきに隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
第3絶縁層6bの上には、図7(H)に示すように、第2配線層7aの隣接する配線どうしをその端部にて接続するように上側配線となる第3配線層7bが形成されて、励磁コイル9および検出コイル10を形成している。
第1配線層4a、第2配線層7aと同様に、Ti,Cr,TiWなどのバリアメタルをスパッタ成膜した後にCuをスパッタ成膜し、レジスト形成後にウェットエッチング、或いは電解めっき法を用いて第3配線層7bが形成される。
配線は、2つおきに隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
次に、図7(J)に示すように、第3配線層7bの上には、第1配線層4aと第4配線層4bの接続部に開口部8aを設けた第4絶縁層5bが感光性樹脂を露光、現像、熱硬化を行うことにより形成される。
第4絶縁層5bの上には、図7(K)に示すように、第1配線層4aの隣接する配線どうしをその端部にて接続するように上側配線となる第4配線層4bが、第1配線層4a、第2配線層7a、第3配線層7bと同様に形成されて、フィードバックコイル21を形成している。配線は、2つおきに隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
第4絶縁層5bの上には、図7(K)に示すように、第1配線層4aの隣接する配線どうしをその端部にて接続するように上側配線となる第4配線層4bが、第1配線層4a、第2配線層7a、第3配線層7bと同様に形成されて、フィードバックコイル21を形成している。配線は、2つおきに隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
第1配線層4aおよび第4配線層4bにより形成されたソレノイドコイル21、および、第2配線層7aおよび第3配線層7bにより形成されたソレノイドコイル9、レノイドコイル10、は、いずれも磁性体コア1において、それぞれ独立に巻き回されている。これらのソレノイドコイルは、発生する磁界方向が同一となるように配線層4a,4b,7a,7bのいずれかまたは複数の層により接続されている。検出コイル10の両端には、外部と接続するための電極パッド11が形成されている。電極パッド11はセンスアンプMT12への端子に接続される。励磁コイル9の両端には、外部と接続するための電極パッド12が形成されている。電極パッド12は、励磁電流発生回路MT11への端子へ接続される。フィードバックコイル21の両端には、外部と接続するための電極パッドが形成されている。この電極パッドは電流アンプMT15への端子に接続されている。
ここで、励磁コイル9、検出コイル10及びフィードバックコイル21は、いずれも巻き数が同じで対称であることができる。特に、フィードバックコイル21は、そのピッチが均一になるように、磁性体コア1の全長にわたって巻回されている。しかも励磁コイル9、検出コイル10に対してフィードバックコイル21の径寸法が大きいため、磁性体コア1において発生するフィードバック磁界が所望の大きさとなるように、巻き数、ピッチ、径寸法を設定することができる。
なお、これらの図は模式的に示されており、各ソレノイドコイルに関し、一部が省略されている。また、磁気素子M12の細部形状は、図に示された形状に限定されるものではない。
なお、これらの図は模式的に示されており、各ソレノイドコイルに関し、一部が省略されている。また、磁気素子M12の細部形状は、図に示された形状に限定されるものではない。
また、このフラックスゲート型磁気素子M12の製造方法におけるフィードバックコイル21の一部である第1配線層4a、第4配線層4bを形成する工程がフォトリソグラフィ薄膜プロセスにより行われることができ、このフラックスゲート型磁気素子M12の製造方法における励磁コイル9、検出コイル10の一部である第2配線層7a、第3配線層7bを形成する工程がフォトリソグラフィ薄膜プロセスにより行われることができる。
磁性体コア1は、その周囲に巻き回された励磁コイル9に通電することにより励磁され、誘導電圧が検出コイル10により検出される。励磁コイル9に対して、電極パッド12を介して時間的に変化する交流電流を外部より通電することにより磁性体コア1が交流励磁され、発生した磁束により検出コイル10に略パルス状の誘導電圧が発生する。この誘導電圧は検出コイル10および電極パッド11を介して制御用集積回路MT10に出力され、上述したように、フィードバック電流として電極パッドを介してフィードバックコイル21に印加される。
本実施形態に示したものは一例であり、磁性体コア1,励磁コイル9、検出コイル10及びフィードバックコイル21の配置は、上記の構成に限定されることなく、他の配置とすることができる。特に、励磁コイル9、検出コイル10と,フィードバックコイル21とが別階層、つまり、異なる製膜プロセスにより形成される配置であれば、他の形状も可能である。
例えば、図8に示したフラックスゲート型磁気素子であってもよい。図8において異なる階層となるフィードバックコイル21は図示していないが、このフラックスゲート型磁気素子においては、磁性体コア1の平面形状が、その長手方向の中央部が括れた形状となっており、両端部1aは中央部1bよりも幅広に形成されている。磁性体コア1の中央部には検出コイル10が巻回されており、幅広な両端部1aには励磁コイル9が巻回されている。そして、磁性体コア1の全長に亘って図示しないフィードバックコイル21がこれらの外側に巻回されている。そして、励磁コイル9、検出コイル10の配線がいずれも略平行になるように、らせん状として巻回されている。また、図8においては、磁性他コア1およびコイル9,10、電極パッド11,12以外の構成は省略している。
さらに、本実施形態においては、磁性体コア1において測定する磁界の状態は、外部から磁性体コア1に流入する外部磁界(被測定磁界)Hextをキャンセルする状態、またはこれとほぼ等しい状態となるように励磁コイル9および検出コイル10の外側に位置するフィードバックコイル21からフィードバック磁界Hfbを磁性体コア1に印加するので、そのままでは磁性体コア1が飽和してしまう程度に外部磁界Hextが大きい場合や、外部磁界Hextがゼロ点から離れた領域で磁性体コア1のB−H曲線の線形性が乱れている場合にも、これらの影響を排除して、極めて線形性の高い状態で外部磁界Hextの測定をおこなうことができる。このため、磁気素子M12の構造から設定される測定可能な外部磁界強度範囲に限定されることなく、広い測定範囲に対応した電流センサCS10とすることが可能となる。同時に、フィードバック電流の値を決定する要素が、励磁電流の周期と励磁コイル9およびフィードバックコイル21に流れる電流が発生する励磁磁界Hextおよびフィードバック磁界Hfbのみであり、磁性体コア1の特性は殆ど寄与しないために、従来の磁気素子に比べ、素子自体の特性の影響を非常に小さくできる。本実施形態では、ほぼタイムラグなくアナログ値を連続して出力することが可能となる。
さらに、本実施形態における電流センサは、磁気素子M12が減磁体を有するものとすることもできる。
また、本実施形態の磁気素子M12においては、図5(b)に示すように、従来の同階層に励磁コイル309、検出コイル310、フィードバックコイル321を位置した磁気素子M312が素子長さML2とされるのに対して、図5(a)に示すように、これより磁気素子M312に比べて短い素子長さML1としても、励磁効率の低下や検出信号波形が減少するといった素子特性の劣化を来すことがない。
さらに、図9(a)に示す磁気素子M12においては、素子長さML2とした状態で、同階層にフィードバックコイル21なしに、励磁コイル9、検出コイル10を励磁コイル309、検出コイル310、フィードバックコイル321と同ピッチで巻回することができる。これにより、磁気素子M312に比べて、励磁コイル9、検出コイル10の巻き数を3/2倍として、感度を向上することができる。同時に、フィードバックコイル21の巻き数も3/1倍として、素子特性の向上を図ることができる。
さらに、図9(a)に示す磁気素子M12においては、素子長さML2とした状態で、同階層にフィードバックコイル21なしに、励磁コイル9、検出コイル10を励磁コイル309、検出コイル310、フィードバックコイル321と同ピッチで巻回することができる。これにより、磁気素子M312に比べて、励磁コイル9、検出コイル10の巻き数を3/2倍として、感度を向上することができる。同時に、フィードバックコイル21の巻き数も3/1倍として、素子特性の向上を図ることができる。
本発明においては、フィードバックコイル(負帰還コイル)21を励磁コイル9、検出コイル10とは別階層に巻きまわすことにより、以下の効果が期待される。
まず、励磁コイル9と検出コイル10の巻き数増による励磁効率の増加、及び検出信号の増大により、素子長を変化させることなく検出磁界範囲を拡大することが可能である。また、フィードバックコイル21の巻き数増によりフィードバック効率が向上する。さらに、励磁(検出)コイル9,10とフィードバックコイル21の配線ピッチに関する設計の自由度が上がるため、例えば励磁(検出)コイル9,10は狭ピッチで作製することにより素子特性を向上させ、負帰還コイル21に関しては配線幅を太くすることにより、負帰還コイルの巻き数により決まるフィードバック効率とコイル抵抗(ひいては消費電力に繋がる)とを好適に設計することが可能である。外付けコイルを用いた場合と比較すると、薄膜プロセスのみを用いて作製することにより、電流センサ全体の小型軽量化、更には部品点数減による信頼性の向上、実装工程削減によるコストの削減が見込まれる。
また、負帰還コイルと励磁コイル(検出コイルが同一階層効果で巻きまわされている構造の場合、配線ピッチを微細化(例えば負帰還コイル、励磁(検出)コイルの各L/S=2μm/2μm以下)していくと、印加されている外部磁界の大きさにより励磁効率が変動するという現象が実験的に確認されている。言い換えると、印加されている外部磁界の大きさにより感度にずれが生じるということであり、当然のことながら特性上好ましくない。これは励磁コイル、或いは検出コイルと負帰還コイルの距離が近いことによる、各々のコイル電流や発生磁界の相互作用で、あると考えられ、負帰還コイルを励磁コイル(検出コイル)と別階層に巻きまわすことにより、この励磁効率の変動を抑制することが可能である。また、負帰還コイルを磁気コアより離れた階層に巻きまわすことで結果的に負帰還コイルのコイル径が大きくなるため、負帰還コイルにより発生するフィードバック磁界の均一性が向上する。
まず、励磁コイル9と検出コイル10の巻き数増による励磁効率の増加、及び検出信号の増大により、素子長を変化させることなく検出磁界範囲を拡大することが可能である。また、フィードバックコイル21の巻き数増によりフィードバック効率が向上する。さらに、励磁(検出)コイル9,10とフィードバックコイル21の配線ピッチに関する設計の自由度が上がるため、例えば励磁(検出)コイル9,10は狭ピッチで作製することにより素子特性を向上させ、負帰還コイル21に関しては配線幅を太くすることにより、負帰還コイルの巻き数により決まるフィードバック効率とコイル抵抗(ひいては消費電力に繋がる)とを好適に設計することが可能である。外付けコイルを用いた場合と比較すると、薄膜プロセスのみを用いて作製することにより、電流センサ全体の小型軽量化、更には部品点数減による信頼性の向上、実装工程削減によるコストの削減が見込まれる。
また、負帰還コイルと励磁コイル(検出コイルが同一階層効果で巻きまわされている構造の場合、配線ピッチを微細化(例えば負帰還コイル、励磁(検出)コイルの各L/S=2μm/2μm以下)していくと、印加されている外部磁界の大きさにより励磁効率が変動するという現象が実験的に確認されている。言い換えると、印加されている外部磁界の大きさにより感度にずれが生じるということであり、当然のことながら特性上好ましくない。これは励磁コイル、或いは検出コイルと負帰還コイルの距離が近いことによる、各々のコイル電流や発生磁界の相互作用で、あると考えられ、負帰還コイルを励磁コイル(検出コイル)と別階層に巻きまわすことにより、この励磁効率の変動を抑制することが可能である。また、負帰還コイルを磁気コアより離れた階層に巻きまわすことで結果的に負帰還コイルのコイル径が大きくなるため、負帰還コイルにより発生するフィードバック磁界の均一性が向上する。
また本実施形態においては、磁気素子M12をフラックスゲート型磁気素子としたが、ホール素子、MR素子、GMR素子、TMR素子やMI素子等にすることも可能である。
以下、本発明に係るフラックスゲート型磁気素子の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図10、図11は、本実施形態におけるフラックスゲート型磁気素子およびその製造工程を示す模式図断面であり、図において、符号MS12‘は磁気センサ(電流センサ)を示している。
本実施形態において、上述の第1実施形態と異なるのは、次の絶縁層4cを設けたことおよびこれに関する点であり、これ以外の対応する構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、上述の第1実施形態と異なるのは、次の絶縁層4cを設けたことおよびこれに関する点であり、これ以外の対応する構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のフラックスゲート型磁気素子M12‘は、フィードバックコイル(負帰還コイル)21の下部配線を形成する第1配線層4aと非磁性基板M13との聞に絶縁層(樹脂層)5cが設けられている。
この絶縁層5cは、平面視して第1配線層4aと第4配線層4bとが接続される部分を含むように設けられるとともに、平面視して第2配線層7aと第3配線層7bとが接続される部分の一部を含むように設けられる。また、絶縁層5cの厚み(高さ)寸法は、基板M13から第4配線層7bまでの高さの半分程度とされることが好ましい。また、絶縁層5cの高さは、第2配線層7aの高さと第3配線層7bの高さとの間に位置するよう設定されることができる。
この絶縁層5cは、平面視して第1配線層4aと第4配線層4bとが接続される部分を含むように設けられるとともに、平面視して第2配線層7aと第3配線層7bとが接続される部分の一部を含むように設けられる。また、絶縁層5cの厚み(高さ)寸法は、基板M13から第4配線層7bまでの高さの半分程度とされることが好ましい。また、絶縁層5cの高さは、第2配線層7aの高さと第3配線層7bの高さとの間に位置するよう設定されることができる。
図10、図11を用いて、本実施形態に係るフラックスゲート型磁気素子の形成方法を説明する。
図10(A)に示すように、準備した非磁性の基板M13の上に、図10(B)に示すように、絶縁層5cを上述の暑さ寸法、平面視した領域となるように形成する。
図10(C)に示すように、フィードバックコイル21の下側配線を形成するための第1配線層4aが形成される。後に第4配線層4bと接続される第1配線層4aの端部は絶縁層5cの上に位置するように設定される。
図10(C)に示すように、フィードバックコイル21の下側配線を形成するための第1配線層4aが形成される。後に第4配線層4bと接続される第1配線層4aの端部は絶縁層5cの上に位置するように設定される。
次に、図10(D)に示すように、第1配線層4aの上に、励磁コイル9および検出コイル10とフィードバックコイル21とを絶縁するための樹脂層(絶縁層)5aとが形成される。樹脂層5aには、第1配線層4aと後に形成されるフィードバックコイル21の上側配線となる第4配線層4bとが接続される部分に開口部8が設けられる。開口部8は少なくとも磁性体コア1側の縁部が絶縁層5cの上に位置するように設定される。なお、図においては開口部8の接続部分よりも外側となる樹脂層5aを図示していない。
図10(E)に示すように、樹脂層5aの上に、励磁コイル9および検出コイル10の下側配線を形成するための第2配線層7aが形成される。第2配線層7aの端部は平面視して絶縁層5cに重なる位置となるように設定される。
次に、図10(F)に示すように、第2配線層7aの上に、磁性体コア1と励磁コイル9および検出コイル10とを絶縁するための第2絶縁層6aが形成される。絶縁層6aは、平面視して絶縁層5cに重ならない位置となるように設定される。また、絶縁層6aの端部は、絶縁層5cに重なった第2配線層7a部分の高さと同じ高さ位置にある第2配線層7aの端部に重なならない位置となるように設定される。同時に、絶縁層6aの厚さは、第2配線層7a表面に形成された段差よりも小さくなるように設定可能である。
図11(G)に示すように、第2絶縁層6aの上に軟磁性体膜からなる磁性体コア1が形成される。
次に、図11(H)に示すように、磁性体コア1の上には、第2配線層7aと第3配線層7bとの接続部に開口部8bを設けた第3絶縁層6bが形成される。第3絶縁層6bの端部は平面視して絶縁層5cに重なる位置となるように設定される。同時に、第3絶縁層6bの端部は、平面視して、絶縁層5cに重なった第2配線層7a部分の高さと同じ高さ位置にある第2配線層7aの端部に重なる位置となるように設定される。したがって、第3絶縁層6bの端部は、必ずしも平面視して絶縁層5cに重なる位置となる必要はないが、絶縁層5cに重なる位置として設定することもできる。
絶縁層6bには、第2配線層7aと後に形成されるソレノイドコイルの上側配線となる第3配線層7bとが接続される部分に開口部8bが設けられる。開口部8bは、絶縁層5cに重なった第2配線層7a部分の高さと同じ高さ位置にある第2配線層7aの端部に重なる位置となるように設定される。開口部8bは、必ずしも平面視して絶縁層5cに重なる位置となる必要はないが、絶縁層5cに重なる位置として設定することもできる。
第3絶縁層6bの上には、図11(J)に示すように、第2配線層7aの隣接する配線どうしをその端部にて接続するように上側配線となる第3配線層7bが形成されて、励磁コイル9および検出コイル10を形成している。配線は、2つおきに隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
第2配線層7aと第3配線層7bとの接続部分は、絶縁層5cに重なった第2配線層7a部分の高さと同じ高さ位置にある第2配線層7aの端部に重なる位置となるように設定される。したがって、第3配線層7bの形成される際の段差は、絶縁層6aの厚さと絶縁層6bの厚さとの和よりも小さくすることができる。また、第3配線層7bの形成される際の段差は、絶縁層6bの厚さよりも小さくすることができる。
第2配線層7aと第3配線層7bとの接続部分は、絶縁層5cに重なった第2配線層7a部分の高さと同じ高さ位置にある第2配線層7aの端部に重なる位置となるように設定される。したがって、第3配線層7bの形成される際の段差は、絶縁層6aの厚さと絶縁層6bの厚さとの和よりも小さくすることができる。また、第3配線層7bの形成される際の段差は、絶縁層6bの厚さよりも小さくすることができる。
次に、図11(K)に示すように、第3配線層7bの上には、第1配線層4aと第4配線層4bの接続部に開口部8aを設けた第4絶縁層5bが形成される。第4絶縁層5bの上には、図11(L)に示すように、第1配線層4aの隣接する配線どうしをその端部にて接続するように上側配線となる第4配線層4bが形成されて、フィードバックコイル21を形成している。配線は、2つおきに隣接する配線と接続されるため、断面におけるソレノイドコイルのループは閉じない。
第1配線層4aと第4配線層4bとの接続部分は、絶縁層5cに重なった第1配線層4a部分の高さと同じ高さ位置にある第1配線層4aの端部に重なる位置となるように設定される。したがって、第4配線層4bの形成される際の段差は、絶縁層5aの厚さ、絶縁層6aの厚さ、絶縁層6bの厚さ、絶縁層5bの厚さの和よりも小さくすることができる。また、第4配線層4bの形成される際の段差は、絶縁層5bの厚さよりも小さくすることができる。
第1配線層4aと第4配線層4bとの接続部分は、絶縁層5cに重なった第1配線層4a部分の高さと同じ高さ位置にある第1配線層4aの端部に重なる位置となるように設定される。したがって、第4配線層4bの形成される際の段差は、絶縁層5aの厚さ、絶縁層6aの厚さ、絶縁層6bの厚さ、絶縁層5bの厚さの和よりも小さくすることができる。また、第4配線層4bの形成される際の段差は、絶縁層5bの厚さよりも小さくすることができる。
コイルを形成する上部配線層と下部配線層とを接続する場合、フォトリソグラフィによるレジストパターニングを用いて形成するが、各コイルの下部配線層と上部配線層を接続させるためには、上部配線層形成工程におけるレジストパターン形成時に、間に介在する各層(主に樹脂層)の厚みを合計した深さを露光する必要がある。特に、第4配線層4b形成時には、第1配線層4aから樹脂層5a、配線層7a、樹脂層6a、樹脂層6b、第4配線層7bの層厚の総和に対応する段差が存在するため、配線の微細化に伴い高アスペクト比が求められ、レジストパターニングが困難となる可能性がある。
これを解消するために、段差補正層である絶縁層5cを設けて、第1配線層4aと第4配線層7bとの段差を縮小する。このため、第1配線層4aと第4配線層4bとが接続される部分が平面視して含まれるように絶縁層5cの領域を設定して、絶縁層5cが基板M13表面に設けられる。
同時に、第2配線層7aと第3配線層7bとが接続される部分においても、同様の作用効果を奏するために、少なくとも第2配線層7aと第3配線層7bとが接続される部分の一部が平面視して含まれるように絶縁層5cの領域を設定して、絶縁層5cが基板M13表面に設けられる。
同時に、第2配線層7aと第3配線層7bとが接続される部分においても、同様の作用効果を奏するために、少なくとも第2配線層7aと第3配線層7bとが接続される部分の一部が平面視して含まれるように絶縁層5cの領域を設定して、絶縁層5cが基板M13表面に設けられる。
これによって、本実施形態によれば、配線層形成時の実効的な段差を低減することを可能とし、レジストパターニングの困難性によって配線層の正確な形成が困難となることや、形成後の配線構造の信頼性が低下すること、また、高い段差を有する部位に微細な配線を形成することにより断線などの不具合発生の可能性が高くなるなどの問題点を解消して、信頼性を向上することが可能となる。
本実施形態においては、感光性樹脂を露光、現像、熱硬化を行第一のコイル(或いは負帰還コイル)のL/Sと第二、及び第三のコイル(或いは励磁、及び検出コイル)のL/Sを調整することにより励磁効率を向上させることができる。
本発明の活用例として、次のようなものが適用できる。
上述したように自動車の駆動系や、蓄電池への入出力線など大電流に対する電流計に用いられる電流センサなど。
上述したように自動車の駆動系や、蓄電池への入出力線など大電流に対する電流計に用いられる電流センサなど。
M12…フラックスゲート型磁気素子、MT10…制御用集積回路、M13…基板(非磁性基板)、1…磁性体コア、9…励磁コイル、10…検出コイル、21…フィードバックコイル、4a…第1配線層、4b…第4配線層、5a…樹脂層(絶縁層)、5b…樹脂層(絶縁層)、5c…樹脂層(絶縁層)、6a…樹脂層(絶縁層)、6b…樹脂層(絶縁層)、7a…第2配線層、7b…第3配線層。
Claims (2)
- 非磁性基板上に長手方向を有する形状の磁性体コアと、前記磁性体コアに巻回されるように第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルと、が形成され、前記第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルの一方が励磁コイルとされ他方が検出コイルとされたフラックスゲート型磁気素子であって、
前記磁性体コアに巻回され、前記第1のソレノイドコイルおよび第2のソレノイドコイルの外側に設けられた第3のソレノイドコイルがフィードバックコイルとされていることを特徴とするフラックスゲート型磁気素子。 - 請求項1記載のフラックスゲート型磁気素子と、
前記磁性体コアにおける被測定磁界を打ち消すフィードバック磁界を発生させるように、前記フィードバックコイルにフィードバック電流を供給するとともに、該フィードバック電流の値に基づいて被測定磁界の強度を出力する制御用集積回路と、
を具備してなることを特徴とする磁気センサ。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2012229905A JP2014081300A (ja) | 2012-10-17 | 2012-10-17 | フラックスゲート型磁気素子、磁気センサ |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019132719A (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | 磁気検出装置 |
-
2012
- 2012-10-17 JP JP2012229905A patent/JP2014081300A/ja active Pending
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