JP2014074101A - 転動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の転動装置は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、ゲル化剤を含有し、かつ、混和ちょう度と不混和ちょう度との差が40〜130である潤滑剤組成物を充填したものであり、低トルクで、回復性や耐熱性にも優れ、潤滑剤漏れもなく、長寿命である。
【選択図】図1
Description
(1)内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、ゲル化剤を含有し、かつ、混和ちょう度と不混和ちょう度との差が40〜130である潤滑剤組成物を充填したことを特徴とする転動装置。
(2)潤滑剤組成物のせん断速度1000s−1の時の見かけ粘度が5Pa・s以下で、せん断速度1s−1の時の見かけ粘度が500Pa・s以上であることを特徴とする上記(1)記載の転動装置。
(3)潤滑剤組成物が増ちょう剤を含有するとともに、ゲル化剤がアミノ酸系ゲル化剤及びベンジリデンソルビトール系ゲル化剤の少なくとも一方であり、増ちょう剤との混合比が、質量比で、ゲル化剤:増ちょう剤=50〜80:50〜20であり、かつ、
ゲル化剤と増ちょう剤との合計量が潤滑剤組成物全量の1〜10質量%であることを特徴とする上記(2)記載の転動装置。
(4)潤滑剤組成物が、1000Hz時の比誘電率が1000以上である防錆剤及び摩耗防止剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(3)記載の転動装置。
(5)潤滑剤組成物が、1000Hz時の比誘電率が1000以上である防錆剤及び摩耗防止剤の少なくとも1種と、1000Hz時の比誘電率が1000未満である防錆剤及び摩耗防止剤の少なくとも1種との混合物を含有することを特徴とする上記(4)記載の転動装置。
(6)潤滑剤組成物の基油がエーテル油を基油全量の10〜50質量%の割合で含み、かつ、ゲル化剤が、質量比で、アミノ酸系ゲル化剤:ベンジリデンソルビトール系ゲル化剤=50〜85:50〜15の混合物であることを特徴とする上記(5)記載の転動装置。
(7)潤滑剤組成物が、BET比表面積が300m2/g以上の無機系粒子を含有することを特徴とする上記(2)〜(6)の何れか1項に記載の転動装置。
本発明で用いる潤滑剤組成物はゲル化剤を含み、好ましくは増ちょう剤を併用して基油を増ちょうしたものであり、混和ちょう度と不混和ちょう度との差が40〜130、好ましくは80〜110である。混和ちょう度と不混和ちょう度との差がこの範囲であれば、ちょう度の変化が大きく流動性が向上し、低トルクになる。混和ちょう度と不混和ちょう度との差が40未満では低トルクが得られず、130より大きいと回復性が悪く、漏洩しやすくなる。尚、混和ちょう度及び不混和ちょう度は、JIS K2220で規定された値である。
また、潤滑剤組成物は、せん断速度1000s−1の時の見かけ粘度が5Pa・s以下で、せん断速度1s−1の時の見かけ粘度が500Pa・s以上であることが好ましい。高せん断速度条件下(1000s−1)での見かけ粘度が5Pa・s以下であると、せん断を受けたときに潤滑剤組成物の見かけ粘度が低く、流動性がよいため低トルクを得ることができる。一方、低せん断速度下(1s−1)での見かけ粘度が500Pa・s以上であると、潤滑剤組成物の中で比較的弱いせん断を受ける部分の粘性が高くなり、低漏洩となる。尚、せん断速度1000s−1の時の見かけ粘度は3Pa・s以下、せん断速度1s−1の時の見かけ粘度は700Pa・s以上が好ましい。
(ゲル化剤)
ゲル化剤は、基油を増ちょうして上記のちょう度差及び見かけ粘度を満足させることができれば制限はないが、アミノ酸系ゲル化剤及びベンジリデンソルビトール系ゲル化剤の少なくとも一方であることが好ましく、アミノ酸系ゲル化剤とベンジリデンソルビトール系ゲル化剤とを併用することがより好ましい。アミノ酸系ゲル化剤及びベンジリデンソルビトール系ゲル化剤において、ネットワーク形成要因が水素結合力であるが、水素結合は弱い結合力であるため、せん断が付与されると容易に結合が切れてゲル化剤が基油中に分散し、粘性が大きく低下する。また、せん断が無くなると、水素結合が点と点とで形成されて速やかにネットワークを再形成して粘性を回復するようになる。このように、アミノ酸系ゲル化剤及びベンジリデンソルビトール系ゲル化剤は低トルクと回復性に優れたゲル化剤である。
ゲル化剤と併用可能な増ちょう剤としては、有機系及び無機系の増ちょう剤を使用することができる。好ましくは、リチウム石けん(12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ステアリン酸リチウム等)、カルシウム石けん、マグネシウム石けん、ナトリウム石けん等の金属石けんまたはこれらの複合石けん、ウレア化合物(芳香族、脂環族、脂肪族)、ベントナイト等の粘土鉱物、シリカ、カーボンブラック、PTFE等を基油に応じて使用することができる。中でも、リチウム石けん及びウレア化合物が好適であり、140℃を超えるような高温環境で使用される場合にはウレア化合物を用いることが好ましい。
基油は、ゲル化剤、更には増ちょう剤によりゲル化される潤滑油であれば制限は無く、鉱油系、合成油系または天然油系の各潤滑油を目的に応じて選択できる。具体的には、鉱油系潤滑油としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。これらの基油はそれぞれ単独でも、2種以上を混合して使用することもできる。
本発明の潤滑剤組成物には、その各種性能をさらに向上させるため、所望により種々の添加剤を混合してもよい。中でも、1000Hz時の比誘電率が1000以上の防錆剤及び摩耗防止剤が好ましい。具体的には、摩耗防止剤としてはジフェニルハイドロゲンフォスファイトやモノn−オクチルホスフェート、防錆剤としてはジエチルホスホノ酢酸、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。これら防錆剤及び摩耗防止剤は、それぞれ単独でもよく、両者を併用してもよい。
潤滑剤組成物を製造するには、基油に、ゲル化剤、更には添加剤をそれぞれ所定量加えてゲル化剤が溶解するまで加熱攪拌する。完全溶解後、予め水冷したアルミニウム製バットに上記潤滑剤組成物を流し込み、バットを冷水で冷却することでゲル状物を得る。そして、ゲル状物を3本ロールミルにかける。
本発明の転動装置は、上記の潤滑剤組成物を充填したものであり、例えば図1に示す転がり軸受1を例示することができる。図示されるように、内輪10と外輪11との間に、保持器12により複数の玉13を転動自在に保持し、更に内輪10、外輪11及び玉13で形成される軸受空間Sに、上記の潤滑剤組成物(図示せず)を充填し、シール14,14で封止して構成される。このような転がり軸受1では、低トルクで、潤滑剤漏れもなく、長寿命となる。
表1、表2に示すように、基油(ポリオールエステル油:33mm2/s@40℃、エーテル油:32.4mm2/s@40℃)、増ちょう剤、ゲル化剤(アミノ酸系ゲル化剤:N−2−エチルヘキサノイルーL−グルタミン酸ジブチルアミド、ベンジリデンソルビトール系ゲル化剤:ジベンジリデンソルビトール)及び添加剤を用いて潤滑剤組成物を調製した。そして、各潤滑剤組成物を下記の測定及び試験に供した。
JIS K2220に従い測定した。
レオメータを用い、潤滑剤組成物を平行板で挟み、ギャップ:0.1mm、温度:30℃、オシレーションモード:応力掃引、周波数:10Hzの条件にて測定した。
下記条件にて、回転開始後295秒〜305秒間のトルクの平均値をトルク値とし、比較例3のトルク値に対する相対トルクを求めた。
・軸受:日本精工(株)製転がり軸受「6305」(内径25mm、外径62mm、幅17mm)
・シール:非接触式ゴムシール
・回転数:3000min−1
・アキシアル荷重:294N
・ラジアル荷重:29.4N
・試験温度:室温
・測定時間:10分間
実施例4〜8、17及び比較例1〜3について、下記条件にて、20時間連続回転させ、回転前後の重量差から漏洩率を測定し、比較例2の漏洩率に対する相対値を求めた。
・軸受:日本精工(株)製転がり軸受「6305」(内径25mm、外径62mm、幅17mm)
・シール:非接触式ゴムシール
・回転数:5000min−1
・アキシアル荷重:98N
・ラジアル荷重:98N
・試験温度:80℃
実施例13〜16について、弾性回復率を求めた。即ち、各潤滑剤組成物について、せん断を付与する前の不混和ちょう度(せん断前不混和ちょう度)を測定した。また、各潤滑剤組成物に、自転−公転式攪拌機により自転1370r/min、公転1370r/minにて3分間攪拌してせん断を加えた後、不混和ちょう度(せん断付与後不混和ちょう度)を測定した。更に、せん断付与後、40℃で1時間放置した後、不混和ちょう度(放置後不混和ちょう度)を測定した。そして、下記式から、粘性回復率を求めた。この粘性回復率は、せん断付与後1時間経過したときに何%まで粘性が回復したかを示した値であり、この値が高い潤滑剤組成物ほど粘性が回復しやすいことを示している。粘性回復率が100%では、1時間でせん断付与前のちょう度まで回復していることを示す。
実施例16について、潤滑剤組成物10gをシャーレに秤量し、150℃の恒温槽中に50時間放置した後、恒温槽から取り出して室温まで冷却し、不混和ちょう度を測定した。表1に「高温放置後不混和ちょう度」として示すが、この値が一般使用されているグリースと同程度の硬さである220〜295の範囲であれば、熱安定性が良好であると判断できる。
ここでは、1000Hz時の比誘電率が1000以上である防錆剤または摩耗防止剤、あるいは1000Hz時の比誘電率が1000以上である防錆剤または摩耗防止剤と、1000Hz時の比誘電率が1000未満である防錆剤または摩耗防止剤とを併用して添加した場合の効果について検証した。
ここでは、エーテル油を含有する基油の効果を検証した。
ここでは、無機系粒子を添加した場合の効果を検証した。
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール
Claims (7)
- 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、ゲル化剤を含有し、かつ、混和ちょう度と不混和ちょう度との差が40〜130である潤滑剤組成物を充填したことを特徴とする転動装置。
- 潤滑剤組成物のせん断速度1000s−1の時の見かけ粘度が5Pa・s以下で、せん断速度1s−1の時の見かけ粘度が500Pa・s以上であることを特徴とする請求項1記載の転動装置。
- 潤滑剤組成物が増ちょう剤を含有するとともに、ゲル化剤がアミノ酸系ゲル化剤及びベンジリデンソルビトール系ゲル化剤の少なくとも一方であり、増ちょう剤との混合比が、質量比で、ゲル化剤:増ちょう剤=50〜80:50〜20であり、かつ、
ゲル化剤と増ちょう剤との合計量が潤滑剤組成物全量の1〜10質量%であることを特徴とする請求項2記載の転動装置。 - 潤滑剤組成物が、1000Hz時の比誘電率が1000以上である防錆剤及び摩耗防止剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項3記載の転動装置。
- 潤滑剤組成物が、1000Hz時の比誘電率が1000以上である防錆剤及び摩耗防止剤の少なくとも1種と、1000Hz時の比誘電率が1000未満である防錆剤及び摩耗防止剤の少なくとも1種との混合物を含有することを特徴とする請求項4記載の転動装置。
- 潤滑剤組成物の基油がエーテル油を基油全量の10〜50質量%の割合で含み、かつ、ゲル化剤が、質量比で、アミノ酸系ゲル化剤:ベンジリデンソルビトール系ゲル化剤=50〜85:50〜15の混合物であることを特徴とする請求項5記載の転動装置。
- 潤滑剤組成物が、BET比表面積が300m2/g以上の無機系粒子を含有することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の転動装置。
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