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JP2014072012A - 蓄電デバイス - Google Patents

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JP2014072012A
JP2014072012A JP2012216477A JP2012216477A JP2014072012A JP 2014072012 A JP2014072012 A JP 2014072012A JP 2012216477 A JP2012216477 A JP 2012216477A JP 2012216477 A JP2012216477 A JP 2012216477A JP 2014072012 A JP2014072012 A JP 2014072012A
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侑哉 向中野
Rikitaro Ishii
力太郎 石井
Takeshi Baba
健 馬場
Ryuji Shiozaki
竜二 塩崎
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Abstract

【課題】フッ素が欠損したリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を正極活物質として用いた場合であっても高いサイクル特性を有し且つ内部抵抗を低減させた蓄電デバイスを提供すること。
【解決手段】フッ素が化学量論組成から一部欠損したリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を正極活物質として含む正極と、分子内にフッ素を含有する有機化合物が添加された電解液と、を有することを特徴とする蓄電デバイス。これにより、電解液中に分子内にフッ素を含有する有機化合物を添加することにより、結晶構造中のフッ素欠損量が多い正極活物質を用いても、当該フッ素の欠損が補われ、フッ素の欠損量が少ない正極材料と同等の高いサイクル特性及び低減された内部抵抗を発揮することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、蓄電デバイスに関し、特に、リチウム金属フッ化リン酸塩化合物を正極活物質として含む蓄電デバイスに関する。
近年、自動車や携帯型情報通信関連機器等の多岐の分野にわたり、リチウムイオン二次電池等のリチウムイオン蓄電デバイスが使用されている。このようなリチウムイオン蓄電デバイスにおいて、正極活物質に使用される材料としてリチウム金属フッ化リン酸塩化合物(LiMPOF)が知られている。この金属フッ化リン酸塩化合物は高電圧且つ高容量を示すことから、近年注目を集めている。
例えば、特許文献1には、正極活物質としてのリチウム金属フッ化リン酸化合物の一例として、Li1−x1−yPOFで表される正極活物質を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、オリビン構造のリチウム金属フッ化リン酸塩化合物であるLi1.25Fe0.9Mg0.1PO0.25が開示されている。
特開2009−18989号公報 特表2005−522009号公報
しかし、本発明者らは、上記特許文献1及び2に記載されているようなリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を合成する際に行う固相反応により、フッ素含有量が理論値と比較して減少してしまうことを発見した。これは、例えば、過度な焼成を行うことで、NASICON構造が破壊されること等が原因で生じると考えられる。従って、合成した正極活物質において、フッ素が化学量論組成に対して一部欠損した状態となる。
そして、本発明者らは、フッ素欠損量の多い化合物を正極活物質として用いると、欠損の少ない化合物に比べてサイクル特性が悪化すること、及び初期の内部抵抗が増大することを発見した。
このようにサイクル特性に悪影響を及ぼす理由としては、充電過程で正極活物質がLiVPOF相とLiVOPO相に相分離することが主な原因と考えられる。具体的には、LiVPOF相とLiVOPO相の放電曲線を参照すると、初期充放電以降、電池のプラトー電位が2か所に生じ、所定数のサイクル後にはLiVOPO相由来と考えられるプラトーが消失する。すなわち、これは、LiVPOF相と比較してLiVOPO相の劣化が大きいことを意味しており、従って、フッ素が欠損した組成の活物質はフッ素が欠損していない活物質と比較してサイクル特性が低下すると考えられる。更に、初期の内部抵抗が増大する理由は、LiVOPO相のほうがLiVPOF相に比べて、電子伝導性が低いためと考えられる。すなわち、充電過程で正極活物質が相分離することにより、相対的に電子伝導性の低いLiVOPO相が生じるため、初期の内部抵抗が増加するからである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フッ素が欠損したリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を正極活物質として用いた場合であっても高いサイクル特性を有し且つ内部抵抗が低減された蓄電デバイスを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる蓄電デバイスは、フッ素が化学量論組成から一部欠損したリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を正極活物質として含む正極と、分子内にフッ素を含有する有機化合物が添加された電解液と、を有することを特徴とする。
上述のように、結晶構造中のフッ素欠損量が多い正極活物質をリチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスへ適用すると、サイクル特性等が悪化する傾向にあるが、本発明では電解液中に分子内にフッ素を含有する有機化合物を添加することにより、結晶構造中のフッ素欠損量が多い正極活物質を用いても、当該フッ素の欠損が補われ、フッ素の欠損量が少ない正極材料と同等の高いサイクル特性及び低減された内部抵抗を発揮することができる。
また、一般にリチウム金属フッ化リン酸塩化合物の正極活物質においては、結晶構造中のフッ素含有量がばらつくことで,サイクル特性のバラツキが生じセルに悪影響を及ぼすことが知られている。しかし、本発明ではフッ素を含む有機化合物を添加した電解液を用いることにより,サイクル特性がフッ素欠損の大小に関わらず安定し、フッ素の欠損量が少ない正極材料と同等以上の充放電特性を発揮することができる。
リチウム金属フッ化リン酸塩化合物中のフッ素の含有量は、化学量論組成に対して60%以上であることが好ましい。特に、リチウム金属フッ化リン酸塩化合物中のフッ素の含有量は、一般式をLiMPO(MはV,Fe,Mn,Cr,Tiから選択される遷移金属)と表した場合に、0.6≦x<1.0である。
更に、フッ素含有有機化合物は、フッ素含有有機化合物はフルオロエチレンカーボネートであることが好ましい。
フルオロエチレンカーボネートとしては、モノフルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、或いはトリフルオロエチレンカーボネートを用いることができるが、分子中にフッ素原子を1つ有するモノフルオロエチレンカーボネート(CF)が最も好ましい。
そして、本発明では、有機化合物におけるフッ素の含有量が、リチウム金属フッ化リン酸塩化合物におけるフッ素の欠損量以上となるように、電解液に有機化合物が添加される。これにより、リチウム金属フッ化リン酸塩化合物のフッ素の欠損を確実に補うことができるからである。
具体的に、有機化合物に含まれるフッ素原子の数が、リチウム金属フッ化リン酸塩化合物において欠損したフッ素の原子数以上となるように、電解液に前記有機化合物を添加する。
本発明によれば、結晶構造中のフッ素欠損量が多い正極活物質を用いても、フッ素の欠損量が少ない正極材料と同等以上の充放電特性を発揮することができ、正極活物質のロット間バラツキに由来するセル特性のバラツキを防止することができるとともに、リチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスの信頼性を向上できる。
本実施の形態にかかる蓄電デバイス内部を模式的に示した断面図である。 LiVPO0.6/CのLi−NMRによるスペクトルを示す図である。 LiVOPOLi−NMRによるスペクトルを示す図である。 (A)は、LiVPO0.6/Cを正極活物質とする蓄電デバイスの1サイクル後の放電曲線、(B)は2サイクル後の放電曲線である。 (A)は、LiVPO0.6/Cを正極活物質とする蓄電デバイスについてサイクル試験前に行った交流インピーダンスの測定結果であり、(B)サイクル試験後に行った交流インピーダンスの測定結果である。 (A)は、LiVPO0.9/Cを正極活物質とする蓄電デバイスの1サイクル後の放電曲線、(B)は2サイクル後の放電曲線である。 (A)は、LiVPO0.9/Cを正極活物質とする蓄電デバイスについてサイクル試験前に行った交流インピーダンスの測定結果であり、(B)サイクル試験後に行った交流インピーダンスの測定結果である。
以下、本発明にかかる実施の形態について説明する。本実施の形態では、蓄電デバイスとしてリチウムイオン二次電池を用いた例を挙げる。
(正極活物質層)
正極活物質としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能なリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を用いる。ここで、「リチウム金属フッ化リン酸塩化合物」とは、アニオンであるリン酸イオン(PO 3−)とフッ素イオン(F)が、カチオンであるリチウムイオン(Li)及び金属イオン(M)と結合した化合物である。例えば、オリビン型
構造を有する化合物にフッ素が結合したLiMPO等が挙げられる。なお、正極活物質の粒径は0.1〜30μmであることが好ましい。
正極活物質の製造方法としては、例えば、原料である五酸化バナジウム(V)と(NHHPO、及びケッチェンブラック等の炭素材料を、2−プロパノールと水の混合溶媒等で混合し、混合物を焼成することで前駆体を得る。そして、得られた前駆体とLiF等のフッ化物を混合溶媒中で混合した後、焼成することで固相反応させて正極活物質が得られる。
ここで、上述のように製造された正極活物質は、固相反応を経ることに起因してフッ素が欠損した構造となることがわかっている。従って、このフッ素欠損構造によりサイクル特性等が悪化する恐れがあるが、本実施の形態において、このようにフッ素が欠損した構造の正極活物質に対しても、サイクル特性等の悪化を防止し得るものである。従って、下記の実施例においては、自然に生じるフッ素の欠損状態に加えて、上記前駆体とフッ化物の混合物における焼成条件を調整することにより、フッ素の欠損量を敢えて大きくして、本発明の効果を確認している。
上記製造方法により得られた正極活物質を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を含むバインダーと、導電助剤としてのKBやCBと混合し、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)等を用いてスラリーとし、得られたスラリーの成型・裁断を行うことで、上記正極活物質を含む、蓄電デバイス用の正極活物質層を得ることができる。
(負極活物質層)
負極活物質は、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な物質であって、金属材料、その他リチウムイオンを吸蔵可能な炭素材料や金属材料や合金材料や酸化物、又はこれらの混合物が用いられる。負極活物質の粒径は0.1〜30μmであることが好ましい。合金材料としては例えばシリコン合金やスズ合金が挙げられる。酸化物としては例えば酸化シリコン、酸化スズ、酸化チタンが挙げられる。炭素材料としては例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、ポリアセン系有機半導体等が挙げられる。これらの材料を混合して用いても良い。
そして、上記負極活物質及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のバインダーを含む混合物を溶媒に分散させた負極スラリーを、負極集電体上に塗布、乾燥等することにより負極合材層を形成することができる。
(電解液)
非水電解液として、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを溶媒に溶解した電解液が使用される。なお、電解質や溶媒は特に制限されるものではないが、例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、(CSONLi、(CFSONLi等やこれらの混合物を用いることができる。これらの電解質は単独使用しても、複数種類を併用してもよい。LiPFやLiBFが特に好ましい。さらに、非水電解液の溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネート、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート、アセトニトリル(AN)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−シオキソラン(DOXL)、ジメチルスホキシド(DMSO)、スルホラン(SL)、プロピオニトリル(PN)等の比較的分子量の小さい溶媒、又はこれらの混合物を使用することができる。鎖状カーボネートと環状カーボネートの混合物が特に好ましい。更には、2種類以上の鎖状カーボネートや2種類以上の環状カーボネートを用いた混合物であってもよい。
特に、本実施の形態では、上記溶媒及び非電解質に加えてさらなる溶媒として、分子内にフッ素を含有する有機化合物が添加される。有機化合物は、C4−aで表されるものが好ましく、特に、分子中にフッ素原子を一つ含むもの(a=1)が化学的に安定で好ましい。特に、フッ素含有有機化合物は、モノフルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、或いはトリフルオロエチレンカーボネート等を用いることができるが、分子中にフッ素原子を1つ有するモノフルオロエチレンカーボネート(CF)が最も好ましい。
本実施の形態では、有機化合物におけるフッ素の含有量がリチウム金属フッ化リン酸塩化合物におけるフッ素の欠損量以上となるように、電解液に有機化合物が添加される。特に、有機化合物に含まれるフッ素原子の数がリチウム金属フッ化リン酸塩化合物において欠損したフッ素の原子数以上となるように、電解液に有機化合物が添加される。
具体的に例えば、正極活物質が、LiMPO(MはV,Fe,Mn,Cr,Tiから選択される遷移金属、0.6≦x<1.0)と表わされる場合において、その分子量をM(LiMPO/C)、質量をW(LiMPO/C)、電解液の全質量をW(電解液)、電解液中の有機化合物の濃度をα%、及び該有機化合物の分子量をM(有機化合物)とすれば、電解液中におけるフッ素原子の個数は、[{α×W(電解液)}/{100×M(有機化合物)}]となり、LiMPO/Cにおけるフッ素原子の個数は、[{W(LiMPO/C)×x}/M(LiMPO/C)]となるので、フッ素原子の欠損を補うためには[{W(LiMPO/C)×(1−x)}/M(LiMPO/C)]になる。すなわち、以下の式1
[{α×W(電解液)}/{100×M(有機化合物)}]≧[{W(LiMPO/C)×(1−x)}/M(LiMPO/C)]・・・・(式1)

を満たすように、有機化合物の濃度α(%)を調整することで、有機化合物におけるフッ素の含有量がリチウム金属フッ化リン酸塩化合物におけるフッ素の欠損量以上となる状態が実現される。
(セパレータ)
本実施形態で使用するセパレータは、特に制限はなく、公知のセパレータを使用できる。例えば、電解液、正極活物質、負極活物質に対して耐久性があり、連通気孔を有する電子伝導性の無い多孔質体等を好ましく使用できる。このような多孔質体として例えば、織布、不織布、合成樹脂性微多孔膜、ガラス繊維などが挙げられる。合成樹脂性の微多孔膜が好ましく用いられ、特にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン製微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[正極の作製]
1.原料物質
(i)V:90.94g(0.5mol)
(ii)(NHHPO:132.06g(1mol)
(iii)カーボンブラック(CB):16.015g(炭素1.5mol)
2.混合溶媒
水:18.02g(1.0mol)及び2−プロパノール316.48gの混合溶媒
工程(a):上記原料V、(NHHPO、及びKBを上記混合溶媒中において3時間湿式混合した。
工程(b):得られた混合物をアルゴン雰囲気下において約300℃で2時間の間熱処理を行った(一次焼成)。
工程(c):その後、更に、混合物を同様にアルゴン雰囲気下において約800℃で16時間の間熱処理して固相反応させた(二次焼成)。前駆体(VPO/C)が合成された。
工程(d):ボールミルを用いて、得られた前駆体(VPO/C)160.19gに対してLiF25.94g(すなわち、前駆体とLiFのモル比が1:1)として2−プロパノール溶媒中で1時間混合した。
工程(e):得られた混合物を、アルゴン雰囲気下において約670℃で3時間の間熱処理して、正極活物質の粉末を178.53g得た。
工程(f):得られた正極活物質の粉末に対して、JIS−K−0102 34.1に従い、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法を用いてフッ素含有量を測定した。当該測定は、ランタンとアリザリンコンプレキソンとの錯体がフッ化物イオンと反応して生じる青色の複合錯体の吸光度を測定して、フッ化物イオンを定量する方法である。この測定によりLiVPOFに対してフッ素量が欠損していることがわかった。
従って、原料がV、(NHHPO、及びカーボンブラックであることを考慮すれば、正極活物質は、LiVPO0.9/Cと、LiVPO0.6/Cとの混合物であるか、或いはLiVPOFとLiVOPOの混合物である可能性が考えられる。しかし、これらは、XRD測定において同じ回折パターンを示すことが知られているため、当該XRD測定ではそれらを明確に判別することができない。
従って、より詳細に正極活物質中のLi周辺の局所構造を特定するために、Li−NMRによってLi周辺の局所構造の特定を行った。結果を図2に示す。測定の条件は以下の通りである。
分光器: AVANCE300(Bruker社製)、観測核:Li(117MHz)、測定法:MAS法、MAS条件:40kHz、測定温度:室温(実測値23℃)、積算回数:1024回、基準物質:LiCl(−1.19ppm,1M LiCl水溶液の0.00ppmに相当)
一方、図3には、LiVOPOのNMRスペクトルを示している。当該スペクトルの測定条件は以下の通りである。
分光器: AVANCE300(Bruker社製)、観測核:Li(117MHz)、測定法:MAS法、MAS条件:12,10,8kHzの3条件、測定温度:室温(実測値27℃)、積算回数:128回、基準物質:LiCl(−1.19ppm,1M LiCl水溶液の0.00ppmに相当)
本発明に係る正極活物質に対する上記測定により、123ppmに大きなピークが観測された(図2参照)。ここでLiVOPOのNMRスペクトルは、81ppmにピークを示すことが知られているが(図3参照)、本発明で作成した正極活物質には123ppmにピークが観測されて81ppmの部分にはピークが観測されていないため、正極活物質がLiVPOFとLiVOPOの混合物である可能性は無くなり、結晶構造中のフッ素が欠損したLiVPO0.6/Cであると判断できた。
工程(g):工程(f)において得られた正極活物質LiVPO0.6/Cの粉末を、質量比が90:5:5となるように、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含むバインダー、及び導電助剤としてのケッチェンブラックと混合し、溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を用いてスラリーとした。その後、スラリーを、多孔密度が、2g/cmとなるように均一に塗布して成型し、24×36mm四方に裁断して、上記正極活物質LiVPO0.6/Cからなる正極活物質層を含む正極を得た。
[負極の作製]
グラファイトと、バインダーとしてのPVDF(質量比94:6)と、を混合し、NMPで希釈したスラリーを調製した。このスラリーを、片面当たりの合材密度1.5mg/cmとなるように、貫通孔を有する銅製集電体両面または片面に均一に塗布したものを成型し、26×38mm四方に裁断して負極とした。
[電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)を31.8質量%、ジメチルカーボネート(DMC)を25.6質量%、エチルメチルカーボネート(EMC)を24.2質量%、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)を2.0質量%、及び電解質塩であるLiPFを16.4質量%混合し、電解液を調整した。
[電池の作製]
上述の工程により正極Aを12枚作成と負極12枚(内片面塗布2枚)とを、セパレータとしてのポリオレフィン系微多孔膜を介して積層した。なお、片面塗布の負極2枚は最外層に塗布した。そして、さらにセパレータを介して、ステンレス多孔箔に金属リチウムを貼り付けたリチウム極を最外層に配置して、正極A、負極、リチウム極およびセパレータからなる電極積層ユニットを作製した。この電極積層ユニットをアルミニウムのラミネートフィルムでパッケージングし、上記電解液を注入した。これにより、リチウムイオン二次電池を組み立てた。
[放電特性の調査]
リチウムイオン二次電池を用いて放電特性調査を行った。放電特性は容量(時間)の経過に伴う電圧の変化を測定することで得た。特に、本実施例では、1サイクル目における放電特性、及び2サイクル目における放電特性を調査した。図4(A)、(B)において、それぞれリチウムイオン二次電池の1サイクル目、2サイクル目の放電曲線を示す。
[サイクル試験]
リチウムイオン二次電池に対して、3V〜4.5Vで20サイクル充放電を行った。20サイクル後における容量維持率は、92.7%であった。
[交流インピーダンス測定]
上記サイクル試験の前後において、リチウムイオン二次電池を用いて交流インピーダンス測定を行った。サイクル試験前後の交流インピーダンスの測定結果を図5(A)、(B)にそれぞれ示す。
(実施例2)
実施例1の工程(e)における焼成条件を、アルゴン雰囲気下において約670℃で1時間とした以外は、実施例1と同様の条件で各工程を行った。上記工程(f)の測定の結果、得られた正極活物質の結晶構造は、LiVPO0.9/Cであることがわかった。このとき、NMRスペクトルは123ppmにピークが観測された。
更に、上記工程(g)の後、得られたリチウムイオン電池の放電特性調査の1サイクル目、2サイクル目の結果を、それぞれ図6(A)、(B)に示し、サイクル前後の交流インピーダンス測定の結果を図7(A)、(B)に示す。更に、20サイクル後における容量維持率は、94.0%であった。
以下では、比較例について説明する。
(比較例1)
電解液の成分において、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC):2.0質量%の代わりに、ビニレンカーボネート(VC):2.0質量%を混合した以外は実施例1と同様の条件で各工程を行った。
上記工程(f)の測定の結果、得られた正極活物質の結晶構造は、LiVPO0.6/Cであることがわかった。
更に、上記工程(g)の後、得られたリチウムイオン電池の放電特性調査の結果を図4(A)、(B)において破線で示し、サイクル前後の交流インピーダンス測定の結果を図5(A)、(B)に示す。更に、20サイクル後における容量維持率は、90.3%であった。
(比較例2)
比較例1の工程(e)における焼成条件を、アルゴン雰囲気下において約670℃で1時間
とした以外は、比較例1と同様の条件で各工程を行った。
得られた正極活物質の結晶構造は、LiVPO0.9/Cであることがわかった。
更に、上記工程(g)の後、得られたリチウムイオン電池の放電特性調査の結果を図6(A)、(B)に示し、交流インピーダンス測定の結果を図7に示す。更に、20サイクル後における容量維持率は、93.0%であった。
以上各実施例及び比較例の条件及び結果を、表1にまとめる。
Figure 2014072012
上記結果から理解されるように、フッ素欠損量の少ないLiVPO0.9/Cの放電曲線、すなわち、図6(A)、(B)にそれぞれ示した実施例2及び比較例2における放電曲線を参照すれば理解されるように、1サイクル目/2サイクル目共に電解液の種類によらず,同様の形状の曲線を描いている。これは、フッ素の欠損量が少ないため電解液の種類にかかわらず、一定の放電特性が維持されていることを意味する。容量維持率に関しては、比較例2の場合においても比較的高い水準を維持しているが、電解液にFECが添加されている実施例2の方がより好適な値を示すことがわかった。
一方で、フッ素欠損量の多いLiVPO0.6/Cの放電曲線、すなわち、図4(A)、(B)にそれぞれ示した実施例1及び比較例1における放電曲線を参照すれば理解されるように、FECの添加されていない電解液の比較例1は,2サイクル目の放電曲線において約3.9Vの部分に新たなプラトーが現れるのに対し,FECを添加した実施例1の電解液は、欠損の少ないLiVPO0.9/Cの放電曲線に近似した形状となっている。これは、すなわち、電解液にFECが添加されると、フッ素の欠損による放電特性の低下が防止されることを意味している。
また、比較例2及び実施例2について図7における交流インピーダンス測定結果を参照すると、サイクル試験を行う前においては、電解液にFECを添加するかどうかに関わらず、電池の電極抵抗がほぼ変わらないことが理解される。しかし,サイクル試験の後の測定結果を参照すると、FECを添加していない電解液を用いたセル(比較例2のセル)の電極は,抵抗が増加しているのに対して、FECを添加した電解液を用いたセル(実施例2のセル)の電極は抵抗が低い状態を維持している(図7(B)参照)。
更に、比較例1及び実施例1について図5における交流インピーダンス測定結果を参照すると、サイクル試験の前であっても、電解液にFECが添加されていないセル(比較例1のセル)はセルの電極抵抗が高いことが理解される。これは、正極活物質中にフッ素の欠損が大きいことが影響しているものと考えられる。これに対して、電解液にFECが添加されているセル(実施例1のセル)の場合には、セルの電極抵抗が明らかに低下している。特に、この効果は、サイクル試験後の測定結果においてより顕著に現れている(図5(B)参照)。
上記本実施の形態にかかる蓄電デバイスによれば、結晶構造中のフッ素欠損量が多い正極活物質をリチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスへ適用すると、サイクル特性等が悪化する傾向にあるが、本発明では電解液中に分子内にフッ素を含有する有機化合物を添加することにより、結晶構造中のフッ素欠損量が多い正極活物質を用いても、当該フッ素の欠損が補われ、フッ素の欠損量が少ない正極材料と同等の高いサイクル特性及び低減された内部抵抗を発揮することができる。
また、一般にリチウム金属フッ化リン酸塩化合物の正極活物質においては、結晶構造中のフッ素含有量がばらつくことで,サイクル特性のバラツキが生じセルに悪影響を及ぼすことが知られている。しかし、本発明ではフッ素を含む有機化合物を添加した電解液を用いることにより,サイクル特性がフッ素欠損の大小に関わらず安定し、フッ素の欠損量が少ない正極材料と同等以上の充放電特性を発揮することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、有機化合物におけるフッ素の含有量がリチウム金属フッ化リン酸塩化合物におけるフッ素の欠損量以上となるように、電解液に有機化合物を添加する添加量は、上記実施の形態に記載した方法で決定されるものに限られず、正極活物質、負極活物質、及び電解液等の種々のセルの構成要素を考慮して決定するようにしても良い。
また、正極活物質の組成も、上記実施の形態に挙げたものに限られず、例えば、オリビン型構造を有する化合物にフッ素が結合したLiMPO等、種々の組成をとることができる。更に、正極活物質の組成におけるFのxの値、すなわち、フッ素量も上述の0.6及び0.9に限られるものではなく、正極活物資の組成に応じて定まる一般式に対してフッ素が欠損した状態となる任意の値において、本発明の技術的範囲に含まれる。
10 リチウムイオン蓄電デバイス
12 負極
14 負極集電体
16 負極活物質層
18 正極
20 正極集電体
22 正極活物質層
24 リード
25 セパレータ
26 リード

Claims (7)

  1. フッ素が化学量論組成から一部欠損したリチウム金属フッ化リン酸塩化合物を正極活物質として含む正極と、
    分子内にフッ素を含有する有機化合物が添加された電解液と、
    を有することを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 前記リチウム金属フッ化リン酸塩化合物中のフッ素の含有量が、化学量論組成に対して60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記リチウム金属フッ化リン酸塩化合物中のフッ素の含有量が、一般式をLiMPO(MはV,Fe,Mn,Cr,Tiから選択される遷移金属)と表した場合に、0.6≦x<1.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記有機化合物が、フルオロエチレンカーボネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記フルオロエチレンカーボネートが、分子中にフッ素原子を1つ有するCFであることを特徴とする請求項4に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記有機化合物におけるフッ素の含有量が、前記リチウム金属フッ化リン酸塩化合物におけるフッ素の欠損量以上となるように、前記電解液に前記有機化合物が添加されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  7. 前記有機化合物に含まれるフッ素原子の数が、前記リチウム金属フッ化リン酸塩化合物において前記欠損したフッ素の原子数以上となるように、前記電解液に前記有機化合物が添加されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016113359A (ja) * 2014-12-10 2016-06-23 国立大学法人 筑波大学 組成物、リチウムイオン二次電池用電極、リチウムイオン二次電池及び組成物の製造方法

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