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JP2014070040A - グルコピラノシド類の製造方法、或いはガラクトピラノシド類の製造方法とそれらの中間体の製造方法 - Google Patents

グルコピラノシド類の製造方法、或いはガラクトピラノシド類の製造方法とそれらの中間体の製造方法 Download PDF

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JP2014070040A
JP2014070040A JP2012216556A JP2012216556A JP2014070040A JP 2014070040 A JP2014070040 A JP 2014070040A JP 2012216556 A JP2012216556 A JP 2012216556A JP 2012216556 A JP2012216556 A JP 2012216556A JP 2014070040 A JP2014070040 A JP 2014070040A
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JP2012216556A
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Tsutomu Uesugi
力 上杉
Teruko Takada
照子 高田
Hiroshi Hara
宏史 原
Miho Katsumata
実穂 勝又
Akira Saito
彰 齋藤
Takanobu Tsuyuki
孝信 露木
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Toyotama Koryo Co Ltd
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Toyotama Koryo Co Ltd
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Abstract

【課題】2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド、又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドの製造方法、およびそれを用いたグルコピラノシド類の製造方法の提供。
【解決手段】ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又はペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの存在下に、塩化水素の水溶液(HClaq.)と無水酢酸、又は臭化水素の水溶液(HBraq.)と無水酢酸を反応させてHCl/氷酢酸、又はHBr/氷酢酸を生成し、ついでこの生成されたHCl/氷酢酸、又はHBr/氷酢酸で該ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は該ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースを塩素化処理、又は臭素化処理することを特徴とする、2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド(「TAGC」)、又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド(「TAGB」)、或いは2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルクロリド(「TAGC´」)又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド(「TAGB´」)の製造方法、並びに該製造方法を用いての上記グルコピラノシド類、或いはガラクトピラノシド類の製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品、香粧品等の分野で香り成分として用いられるグルコピラノシド類(例えば、エチルバニリル−β−D−グルコピラノシド)、或いはガラクトピラノシド類の製造においてその中間体として使用される、2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド、或いは2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルクロリド又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミドの製造方法、並びに該製造方法を用いての上記グルコピラノシド類、或いはガラクトピラノシド類の製造方法に関する。
これまで、2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド(以下、「TAGC」と略称することがある。)、又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド(以下、「TAGB」と略称することがある。)は、例えば、エチルバニリンとエ−テル化反応させ、ついで脱アセチル化反応させて、エチルバニリル−β−D−グルコピラノシドを生成し、これを食品、香粧品等の香り成分として用いている。
ところで、この「TAGC」、又は「TAGB」を含むグリコシルハライドの合成法は従来から良く知られており、例えば、下記非特許文献1〜2にも次のように報告されている。
即ち、下記非特許文献1には、「a.グリコシルハライド 従来は糖供与体としてもっぱらクロリドやブロミドが用いられてきた。これらは対応する1−O−アシル化糖にハロゲン化水素を作用させて合成することができる(式(3・2))。」と記載され、そして、
下記非特許文献2(即ち、上記非特許文献1の280頁で示された参照文献である)には、「ペンタ−O−benzoyl−D−グルコピラノ−スを室温下で30〜32%(W/W)HBr/氷酢酸で処理し、テトラ−O−benzoyl−α−D−グルコピラノシルブロミドを得た」ことが記載されている。
以上の記載からわかるように、上記「TAGC」、又は「TAGB」の従来の合成法も上記テトラ−O−benzoyl−α−D−グルコピラノシルブロミドの場合と同様に、ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノースに、室温下でHCl/氷酢酸(即ち、「氷酢酸にHClガスを吸収させたもの」、以下同じ)、又はHBr/氷酢酸(即ち、「氷酢酸にHBrガスを吸収させたもの」、以下同じ)で処理する方法が広く行われていた。
また、上記2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルクロリド(以下、「TAGC´」と略称することがある。)又は2,3,4,5−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド(以下、「TAGB´」と略称することがある。)の従来の合成法も同様であった。
「実験化学講座26 有機合成VIII 不斉合成・還元・糖・標識化合物」平成6年6月30日(第2刷発行)丸善株式会社、271〜272頁「3・1・2 糖供与体の調整法と特性」 「H.G.Fletcher,Jr.,Methods Carbohydr.Chem.,2,226〜227(1963)」
しかしながら、上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」の従来の合成法では、それらの収率が十分でないという課題(問題点)があった。
また、高濃度のHBr/氷酢酸、例えば、30〜32%(W/W)HBr/氷酢酸は、入手困難であり、一般に市販されている20%(W/W)HBr/氷酢酸は、高価であり、工業的な製造においては、有利な方法とは言い難い。
さらに、20%(W/W)HBr/氷酢酸より高濃度のHBr/氷酢酸は、HBrガスの揮発性が高く、作業環境面で工業的に製造するには好ましくない。
本発明は、従来のHCl/氷酢酸、又はHBr/氷酢酸に代えて、HClaq./無水酢酸(即ち、「HClの水溶液と無水酢酸との特定割合混合物であって、HCl/氷酢酸を生成するもの」、以下同じ)、又はHBraq./無水酢酸(即ち、HBrの水溶液と無水酢酸との特定割合混合物であって、HBr/氷酢酸を生成するもの」、以下同じ)を用いると、上記「TAGC」、又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」の収率が向上することを発見し、本発明を完成させるに至ったものである。
上記HClaq./無水酢酸、又はHBraq./無水酢酸を用いると、上記収率が向上する理由、メカニズムは未だ十分解明されていないが、上記HClaq./無水酢酸、又はHBraq./無水酢酸が、それぞれHCl/氷酢酸(「氷酢酸にHClガスを吸収させたもの」)、又はHBr/氷酢酸(「氷酢酸にHBrガスを吸収させたもの」)に変化する際に、何らかのハロゲン化反応を促進する作用、例えば触媒作用が生じ、上記「TAGC」、又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」の収率が向上するものと推認される。
本発明者は、上記課題(問題点)を解決すべく多数の実験を重ね幾多の試行錯誤を経る中で、偶然上記収率の向上の事実を発見し、本発明の完成に至ったものである。
本発明の要旨を述べれば、以下の通りである。
1.下記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は下記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの存在下に、塩化水素の水溶液(HClaq.)と無水酢酸を反応させてHCl/氷酢酸を生成し、ついでこの生成されたHCl/氷酢酸で該ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は該ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースを塩素化処理することを特徴とする、下記一般式(2)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド(「TAGC」)、又は下記一般式(2´)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルクロリド(「TAGC´」)の製造方法。
2.下記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は下記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの存在下に、臭化水素の水溶液(HBraq.)と無水酢酸を反応させてHBr/氷酢酸を生成し、ついでこの生成されたHBr/氷酢酸で該ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は該ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースを臭素化処理することを特徴とする、下記一般式(3)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド(「TAGB」)、又は下記一般式(3´)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド(「TAGB´」)の製造方法。
3.上記塩化水素の水溶液(HClaq.)中の塩化水素濃度が10〜35%(W/W)であることを特徴とする上記1.に記載の製造方法。
4.上記臭化水素の水溶液(HBraq.)中の臭化水素濃度が10〜48%(W/W)であることを特徴とする上記2.に記載の製造方法。
5.上記塩素化処理、又は臭素化処理が0〜60℃で1〜18時間行われることを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載の製造方法。
6.上記塩素化処理、又は臭素化処理が、上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は上記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの溶媒溶液に、上記生成されたHCl/氷酢酸、又は上記生成されたHBr/氷酢酸を滴下することにより行われることを特徴とする上記1.〜5.のいずれかに記載の製造方法。
7.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とシス−3−ヘキセノールとをエーテル化反応させ、続いてこのエ−テル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、シス−3−ヘキセニル−β−D−グルコピラノシド、又はシス−3−ヘキセニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
8.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とシトロネロールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、シトロネリル−β−D−グルコピラノシド、又はシトロネリル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
9.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とゲラニオールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、ゲラニル−β−D−グルコピラノシド、又はゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
10.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とアニスアルコールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、アニシル−β−D−グルコピラノシド、又はアニシル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
11.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とフェネチルアルコールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、フェネチル−β−D−グルコピラノシド、又はフェネチル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
12.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とシンナミックアルコールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、シンナミル−β−D−グルコピラノシド、又はシンナミル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
13.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とメントールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、メンチル−β−D−グルコピラノシド、又はメンチル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
14.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」と3−ツヤノールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、3−ツヤニル−β−D−グルコピラノシド、又は3−ツヤニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
15.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とオイゲノールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、オイゲニル−β−D−グルコピラノシド、又はオイゲニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
16.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とバニリンとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、バニリル−β−D−グルコピラノシド、又はバニリル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
17.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とエチルバニリンとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、エチルバニリル−β−D−グルコピラノシド、又はエチルバニリル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
18.上記1.〜6.のいずれかに記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とラズベリーケトン(別名 p−ヒドロキシフェニルブタン)とをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、2−ブタノン,4−(4−ヒドロキシフェニル)−β−D−グルコピラノシド、又は2−ブタノン,4−(4−ヒドロキシフェニル)−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
尚、上記シス−3−ヘキセノール、シトロネロール、ゲラニオール、アニスアルコール、フェネチルアルコール、シンナミックアルコールは第一級アルコールに、上記メントール、3−ツヤノールは第二級アルコールに、そして上記オイゲノール、バニリン、エチルバニリン、ラズベリーケトン(別名 p−ヒドロキシフェニルブタン)はフェノールに属する化合物である。
本発明は、上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」の合成法において、従来では実現できない高い収率を与えることができる。
また、従来のHCl/氷酢酸、又はHBr/氷酢酸に代えて、HClaq./無水酢酸、又はHBraq./無水酢酸を用いるので、低コストであり、また、HClやHBrのガスが揮発し難く、作業環境面でより好ましいと言う利点を有する。
上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は上記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースは、D−グルコース、又はD−ガラクトースを完全アセチル化して得ることができる。
上記1.の「TAGC」又は「TAGC´」、或いは上記2.の「TAGB」又は「TAGB´」の製造方法において、無水酢酸に対する塩化水素の水溶液(HClaq.)、又は臭化水素の水溶液(HBraq.)の配合割合は、それらのHCl、又はHBrの濃度に左右されるが、無水酢酸が100%氷酢酸に変化する量が理想的であり好ましいが、それより少なくても良い(この場合には、過剰分の無水酢酸が残留する)。しかしながら、その配合割合が多すぎると遊離水が残留し、これに氷酢酸が溶けて酢酸水溶液が生じるので望ましくない場合がある。
上記塩化水素の水溶液(HClaq.)の濃度は、ハロゲン化の収率、取り扱い等の観点から、10〜35%(W/W)、好ましくは25〜35%(W/W)、更に好ましくは35%(W/W)である。
上記臭化水素の水溶液(HBraq.)の濃度は、ハロゲン化の収率、取り扱い等の観点から、10〜48%(W/W)、好ましくは35〜48%(W/W)、更に好ましくは48%(W/W)である。
上記塩素化処理、又は臭素化処理反応の温度と時間は、ハロゲン化反応速度、操作上等の観点から、0〜60℃で1〜18時間、好ましくは10〜30℃で4〜18時間、更に好ましくは20℃で18時間である。
実施例1(上記「TAGC」の製造方法)
容量300mlのナス型フラスコ中で、上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース27gをクロロホルム150mlに溶解し、この溶解溶液に35%(W/W)塩化水素の水溶液(HClaq.)18g/無水酢酸66.5gの混合物を滴下し、フラスコ内を窒素ガスで置換して、20℃で18時間攪拌し、反応させた。
その後、反応混合物を飽和食塩水の入った500ml三角フラスコに流し込み、水層と有機層とがよく混ざるように、マグネチックスターラーで攪拌し、その後攪拌を止め、水層を除いた。残りの反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液100mlを加えて攪拌してから水層を除いた。さらに、飽和食塩水100mlを加えて撹拌した後、分液ロートで有機層だけを取り出した。
有機層を300mlナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレータで溶媒を蒸発させて除去した。濃縮物にn−ヘキサン50mlを加えて溶媒を除去して、上記一般式(2)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド(「TAGC」)の12.7gを回収した。
上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノースに対する上記一般式(2)で示される「TAGC」の収率は50.0%(モル数換算比、以下同じ)であった。
実施例2(上記「TAGB」の製造方法)
実施例1において用いられた35%(W/W)塩化水素の水溶液(HClaq.)18g/無水酢酸66.5gに替えて、48%(W/W)臭化水素の水溶液(HBraq.)29.2g/無水酢酸86.2gを用いる以外は実施例1と同様に操作し、上記一般式(3)で示される「TAGB」の27.2gを回収した。
上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノースに対する上記一般式(3)で示される「TAGB」の収率は95.6%であった。
比較例1(上記「TAGB」の製造方法)
実施例2において用いられた48%(W/W)臭化水素の水溶液(HBraq.)29.2g/無水酢酸86.2gに替えて、20%(W/W)HBr/氷酢酸(即ち、「氷酢酸に20%(W/W)HBrガスを吸収させたもの」)69.0gを用いる以外は実施例2と同様に操作し、上記一般式(3)で示される「TAGB」の26.6gを回収した。
上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノースに対する上記一般式(3)で示される「TAGB」の収率は93.5%であった。
実施例3(実施例2で得られたTAGBを用いてのエチルバニリル−β−D−グルコピラノシドの合成)(請求項17.の実施例)
実施例2において得られたTAGB27.2gを容量500mlのナス型フラスコに入れ、80mlのクロロホルムに溶解し、10%(W/W)NaOH水溶液124.2g、エチルバニリン18.9g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド3.0gを加えて、40℃で1時間激しく撹拌し、反応させた。
その後、分液ロートに移し、水層を除いた後、有機層を10%(W/W)NaOH水溶液で3回洗浄し、エチルバニリンを除いた。さらに、3回水洗し中性とした。
有機層を容量300mlのナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレータで溶媒を除去した。濃縮物に30mlのクロロホルムを加え、再結晶を行うことで、エチルバニリルテトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを20.4g得た。収率は62.1%であった。
続いで得られたエチルバニリルテトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド20.4gを容量300mlのナス型フラスコに入れ、230mlのメタノールに溶解し、5%(W/W)炭酸ナトリウム水溶液16gを加えて、室温で1時間激しく撹拌し、反応させた。
その後、5%(W/W)酢酸メタノール溶液で中和し、ロータリーエバポレータで溶媒を除去した。濃縮液に200mlのメタノールを加え、再結晶を行うことで、エチルバニリル−β−D−グルコピラノシドを11.8g得た。収率は87.4%であった。

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は下記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの存在下に、塩化水素の水溶液(HClaq.)と無水酢酸を反応させてHCl/氷酢酸を生成し、ついでこの生成されたHCl/氷酢酸で該ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は該ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースを塩素化処理することを特徴とする、下記一般式(2)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルクロリド(「TAGC」)、又は下記一般式(2´)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルクロリド(「TAGC´」)の製造方法。
  2. 下記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は下記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの存在下に、臭化水素の水溶液(HBraq.)と無水酢酸を反応させてHBr/氷酢酸を生成し、ついでこの生成されたHBr/氷酢酸で該ペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は該ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースを臭素化処理することを特徴とする、下記一般式(3)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド(「TAGB」)、又は下記一般式(3´)で示されるテトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド(「TAGB´」)の製造方法。
  3. 上記塩化水素の水溶液(HClaq.)中の塩化水素濃度が10〜35%(W/W)であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 上記臭化水素の水溶液(HBraq.)中の臭化水素濃度が10〜48%(W/W)であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  5. 上記塩素化処理、又は臭素化処理が0〜60℃で1〜18時間行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 上記塩素化処理、又は臭素化処理が、上記一般式(1)で示されるペンタ−O−アセチル−D−グルコピラノース、又は上記一般式(1´)で示されるペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラノースの溶媒溶液に、上記生成されたHCl/氷酢酸、又は上記生成されたHBr/氷酢酸を滴下することにより行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とシス−3−ヘキセノールとをエーテル化反応させ、続いてこのエ−テル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、シス−3−ヘキセニル−β−D−グルコピラノシド、又はシス−3−ヘキセニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とシトロネロールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、シトロネリル−β−D−グルコピラノシド、又はシトロネリル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とゲラニオールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、ゲラニル−β−D−グルコピラノシド、又はゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とアニスアルコールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、アニシル−β−D−グルコピラノシド、又はアニシル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とフェネチルアルコールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、フェネチル−β−D−グルコピラノシド、又はフェネチル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とシンナミックアルコールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、シンナミル−β−D−グルコピラノシド、又はシンナミル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とメントールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、メンチル−β−D−グルコピラノシド、又はメンチル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  14. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」と3−ツヤノールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、3−ツヤニル−β−D−グルコピラノシド、又は3−ツヤニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  15. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とオイゲノールとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、オイゲニル−β−D−グルコピラノシド、又はオイゲニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  16. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とバニリンとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、バニリル−β−D−グルコピラノシド、又はバニリル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  17. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とエチルバニリンとをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、エチルバニリル−β−D−グルコピラノシド、又はエチルバニリル−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
  18. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」を製造し、次いで上記「TAGC」又は「TAGB」、或いは上記「TAGC´」又は「TAGB´」とラズベリーケトン(別名 p−ヒドロキシフェニルブタン)とをエーテル化反応させ、続いてこのエーテル化反応生成物を脱アセチル化反応させてなることを特徴とする、2−ブタノン,4−(4−ヒドロキシフェニル)−β−D−グルコピラノシド、又は2−ブタノン,4−(4−ヒドロキシフェニル)−β−D−ガラクトピラノシドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108276396A (zh) * 2018-02-11 2018-07-13 安庆奇创药业有限公司 一种合成伊格列净的方法
CN108276461A (zh) * 2017-12-18 2018-07-13 厦门医学院 一种乙基香兰素-β-D-吡喃葡萄糖苷的廉价合成方法

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