JP2014055283A - 延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリプロピレン樹脂を主体として構成されたフィルムであって、150℃でのMD方向およびTD方向の熱収縮率が9%以下であり、衝撃強度が0.6J以上であり、ヘイズが5%以下であることを特徴とする延伸ポリプロピレンフィルム。また、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率の下限が96%であること及び、フィルムの面配向係数の下限が0.0125であることを特徴とする延伸ポリプロプレンフィルム。前記ポリプロピレン樹脂は、共重合モノマー量の上限が0.1mol%であり、常温キシレン可溶分が7wt%以下であることを特徴とする延伸ポリプロピレンフィルム。
【選択図】なし
Description
また、高立体規則性を持ち、分子量分布の広いポリプロピレンを用いて延伸フィルムとすることにより電気絶縁性、機械特性等に優れたキャパシターフィルムとして好適に用いることができるという技術が知られていた(例えば、特許文献2等参照)。
つまり、これらは従来のポリプロピレンフィルムの域を超えるものではなく、その用途は限られたものであり、例えば150℃を超えるような高温での耐熱性については着目もされていなかった。
ポリプロピレン樹脂を主体として構成されたフィルムであって、150℃でのMD方向およびTD方向の熱収縮率が9%以下であり、衝撃強度が0.6J以上であり、ヘイズが6%以下であることを特徴とする延伸フィルムである。
延伸フィルムとは、工業的には、一軸、同時二軸、逐次二軸、などの方法で延伸された配向をもつフィルムであり、その配向の程度は、例えば、屈折率から得られる面配向係数などで表すことができる。
さらに、本発明のポリプロピレンフィルムは150℃以上の環境下にさらされても諸物性を維持することができ、従来のポリプロピレンフィルムでは考えられなかったような高温の環境下でも使用することができる。
例えば、ヒートシール温度を高く設定することにより、製袋加工におけるライン速度を大きくすることなどが可能となり、生産性が向上する。また、ヒートシール温度を高くすることで、ヒートシール強度も向上させることができる。さらには、レトルトなど高温処理を行う際にも、袋の変形量を抑えることができる。
本発明は、ポリプロピレン樹脂を主体として構成されたフィルムであって、150℃でのMD方向およびTD方向の熱収縮率が9%以下であり、衝撃強度が0.6J以上であり、ヘイズが6%以下であることが必要である。
本発明の延伸フィルムのMD方向およびTD方向の150℃熱収縮率の下限は好ましくは0.5%であり、より好ましくは1%であり、さらに好ましくは1.5%であり、特に好ましくは2%であり、最も好ましくは2.5%である。上記範囲であるとコスト面などで現実的な製造が容易となったり、厚みムラが小さくなったりすることがある。
MD方向およびTD方向の150℃熱収縮率の上限は好ましくは9%であり、より好ましくは8%であり、さらに好ましくは7%であり、特に好ましくは6%であり、最も好ましくは5%である。上記範囲であると150℃程度の高温に晒される可能性のある用途で使用がより容易なる。なお、150℃熱収縮率は2.5%程度までなら、例えば低分子量成分を多くする、延伸条件、固定条件を調整することで可能であるが、それ以下はオフラインでアニール処理をすることが好ましい。
従来の延伸ポリプロピレンフィルムでは、MD方向およびTD方向の150℃熱収縮率は15%以上であり、120℃熱収縮率は3%程度である。熱収縮率を上記の範囲とすることで、耐熱性の優れたフィルムを得ることができる。
耐衝撃性の上限は現実的な面から好ましくは2Jであり、より好ましくは1.5Jであり、さらに好ましくは1.2Jであり、特に好ましくは1Jである。耐衝撃性は例えば低分子量成分が多い場合全体での分子量が低い場合、高分子量成分が少ない場合や高分子量成分の分子量が低い場合に耐衝撃性が低下する傾向となるため、用途に合わせてこれら成分を調整して範囲内とすることが出来る。
ヘイズの上限は好ましくは6%であり、より好ましくは5%であり、さらに好ましくは4.5%であり、特に好ましくは4%であり、最も好ましくは3.5%である。上記範囲であると透明が要求される用途で使いやすくなることがある。ヘイズは例えば延伸温度、熱固定温度が高すぎる場合、冷却ロール(CR)温度が高く冷却速度が遅い場合、低分子量が多すぎる場合に悪くなる傾向があり、これらを調節することで範囲内とすることが出来る。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂はプロピレンモノマーのみから得られる完全ホモポリプロピレンや共重合モノマーとの共重合体であっても良い。共重合モノマー種としてはエチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等が可能である。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、無機または有機の充填剤等が挙げられる。その他の樹脂としては、本発明で用いられるポリプロピレン樹脂以外のポリプロピレン樹脂、プロピレンとエチレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィンの共重合体であるランダムコポリマーや、各種エラストマー等が挙げられる。
本発明に用いるポリプロピレン樹脂は、例えば分子量が10万程度の低分子量の成分を主とし、さらにたとえば分子量が150万程度の非常に分子量の高い高分子量成分が含まれているのが好ましい。低分子量成分を主とすることで結晶性を大きく高めることができ、従来にはない高剛性、高耐熱性の延伸ポリプロピレンフィルムが得られていると考えられる。一方、低分子量のポリプロピレン樹脂は加熱軟化した場合の溶融張力が低く、一般には延伸フィルムとすることは困難である。そこに高分子量成分を数%〜数十%存在させることで延伸を可能にさせると共に、高分子量成分が結晶核の役割を果たし、さらにフィルムの結晶性を上げ、本発明の延伸フィルムの効果を達成しているものと考えられる。
このような分子量分布を表す指標としては、高分子量成分を重視した平均分子量であるZ+1平均分子量(Mz+1)と数平均分子量(Mn)の比である(Mz+1)/Mnが好適である。
Mz+1/Mnの下限は好ましくは50であり、より好ましくは60であり、さらに好ましくは70であり、特に好ましくは80であり、最も好ましくは90である。上記未満であると高温での低い熱収縮率など本願の効果が得られにくくなることがある。
Mz+1/Mnの上限は好ましくは300であり、より好ましくは200である。上記を越えると現実的な樹脂の製造が困難になることがある。
全体のMz+1の上限は好ましくは40000000であり、より好ましくは35000000であり、さらに好ましくは30000000である。上記範囲であると現実的な樹脂の製造が容易であったり、延伸が容易となったり、フィルム中のフィッシュアイが少なくなることがある。
全体のMnの上限は好ましくは65000であり、より好ましくは60000であり、さらに好ましくは55000であり、特に好ましくは53000であり、最も好ましくは52000である。上記範囲であると低分子量物の効果である高温での低い熱収縮率など本願の効果が得られやすくなったり、延伸容易となることがある。
上記分子量分布を有するポリプロピレン樹脂を、一般的に分子量分布の広さの指標である重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表すと当然にその値はおおきなものになるが、Mw/Mnの下限は好ましくは5.5であり、より好ましくは6であり、さらに好ましくは6.5であり、特に好ましくは7であり、最も好ましくは7.2である。
Mw/Mnの上限は好ましくは30であり、より好ましくは25であり、さらに好ましくは20であり、特に好ましくは15であり、最も好ましくは13である。
全体のMwの上限は好ましくは500000であり、より好ましくは450000であり、さらに好ましくは400000であり、特に好ましくは380000であり、最も好ましくは370000である。上記範囲であると機械的負荷が小さく延伸容易となることがある。
全体のMFRの上限は好ましくは11g/10minであり、より好ましくは10g/10minであり、さらに好ましくは9g/10minであり、特に好ましくは8.5g/10minであり、最も好ましくは8g/10minである。上記範囲であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率がより低くなることがある。
GPC積算カーブでの分子量1万以下の成分の量の上限は好ましくは20質量%であり、より好ましくは17質量%であり、さらに好ましくは15質量%であり、特に好ましくは14質量%であり、最も好ましくは13質量%である。上記範囲であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率が低くなることがある。
分子量1万以下程度の分子は分子鎖同士の絡み合いには寄与せず、可塑剤的に分子同士の絡み合いをほぐす効果がある。分子量1万以下の成分の量が特定量含まれることで延伸時の分子の絡み合いがほどけやすく、低い延伸応力での延伸が可能となり、その結果として残留応力も低く高温での収縮率を低くできているものと考えられる。
GPC積算カーブでの分子量10万以下の成分の量の上限は好ましくは65質量%であり、より好ましくは60質量%であり、さらに好ましくは58質量%であり、特に好ましくは56質量%であり、最も好ましくは55質量%である。より好適な範囲であるような説明に変える
上記範囲であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率が低くなることがある。
高分子量成分のMFR(230℃、2.16kgf)の下限は好ましくは0.0001g/10minであり、より好ましくは0.0005g/10minであり、さらに好ましくは0.001g/10minであり、特に好ましくは0.005g/10minである。上記範囲であると現実的に樹脂の製造が容易であったり、フィルムのフィッシュアイを低減できることがある。
なお、高分子量成分の230℃、2.16kgfでのMFRは小さすぎて現実的測定が困難となる場合がある。10倍の加重(21.6kgf)でのハイロードMFRであらわすと、好ましい下限は0.1g/10minであり、より好ましくは0.5g/10minであり、さらに好ましくは1g/10minであり、特に好ましくは5g/10minである。
高分子量成分のMFRの上限は好ましくは0.5g/10minであり、より好ましくは0.35g/10minであり、さらに好ましくは0.3g/10minであり、特に好ましくは0.2g/10minであり、最も好ましくは0.1g/10minである。上記範囲であると全体のMFRを維持するために多くの高分子成分の量が必要でなく、低分子量物の効果である高温での低い熱収縮率など本願の効果がより得られやすくなることがある。
高分子量成分のMwの上限は好ましくは10000000であり、より好ましくは8000000であり、さらに好ましくは6000000であり、特に好ましくは5000000である。上記範囲であると現実的に樹脂の製造が容易であったり、フィルムのフィッシュアイを低減できることがある。
高分子量成分の極限粘度(η)の上限は好ましくは15dl/gであり、より好ましくは12dl/gであり、さらに好ましくは10dl/gであり、特に好ましくは9dl/gである。上記範囲であると現実的に樹脂の製造が容易であったり、フィルムのフィッシュアイを低減できることがある。
高分子量成分の量の上限は好ましくは30質量%であり、より好ましくは25質量%であり、さらに好ましくは22質量%であり、特に好ましくは20質量%である。上記範囲であると低分子量物の効果である高温での低い熱収縮率など本願の効果がより得られやすくなることがある。
ここで、高分子量成分は、直鎖状のポリプロピレン樹脂の代わりに、長鎖分岐や架橋構造を有するポリプロピレン樹脂を用いることもでき、これには高溶融張力ポリプロピレンとして知られている、Borealis社製Daploy WB130HMS、WB135HMS等がある。
低分子量成分のMFR(230℃、2.16kgf)の下限は好ましくは70g/10minであり、より好ましくは80g/10minであり、さらに好ましくは100g/10minであり、特に好ましくは150g/10minであり、最も好ましくは200g/10minである。上記範囲であると結晶性が良くなり、高温での低い熱収縮率など本願の効果がより得られやすくなることがある。
低分子量成分のMFRの上限は好ましくは2000g/10minであり、より好ましくは1800g/10minであり、さらに好ましくは1600g/10minであり、特に好ましくは1500g/10minであり、最も好ましくは1500g/10minである。上記範囲であると全体でのMFRを維持しやすくなり、製膜性に優れることがある。
低分子量成分のMwの上限は好ましくは150000であり、より好ましくは140000であり、さらに好ましくは130000であり、特に好ましくは120000であり、最も好ましくは110000である。上記範囲であると結晶性が良くなり、高温での低い熱収縮率など本願の効果がより得られやすくなることがある。
低分子量成分のηの上限は好ましくは1.1dl/gであり、より好ましくは1.05dl/gであり、さらに好ましくは1dl/gであり、特に好ましくは0.95dl/gであり、最も好ましくは0.85dl/gである。上記範囲であると結晶性が良くなり、高温での低い熱収縮率など本願の効果がより得られやすくなることがある。
低分子量成分の量の上限は好ましくは98質量%であり、より好ましくは97質量%であり、さらに好ましくは96質量%であり、特に好ましくは95質量%である。上記範囲であると全体のMFRを維持するため低分子量物の分子量を上げる必要がなく、高温での低い熱収縮率など本願の効果がより得られやすくなることがある。
低分子量成分のMFR/高分子量成分のMFR比の上限は好ましくは1000000である。
また、上記範囲の高分子量成分や低分子量成分以外に、ポリプロピレン樹脂全体としてMFRを調整するために本発明の低分子量成分や高分子量成分以外の分子量を有する成分を添加しても良く、また、分子鎖の絡み合いをほぐしやすくして延伸性などを調節するために低分子量成分の分子量以下、特に分子量3万程度以下、さらには分子量1万程度以下のポリプロピレン樹脂を添加しても良い。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率の下限は好ましくは96%であり、より好ましくは96.5%であり、さらに好ましくは97%である。上記範囲であると結晶性が向上し、高温での熱収縮率がより低くなることがある。
メソペンタッド分率の上限は好ましくは99.5%であり、より好ましくは99.3%であり、さらに好ましくは99%である。上記範囲であると現実的な製造が容易となることがある。
キシレン可溶分の上限は好ましくは7質量%であり、より好ましくは6質量%であり、さらに好ましくは5質量%である。上記範囲であると結晶性が向上し、高温での熱収縮率が小さくなることがある。
アイソタクチック連鎖長の上限は現実的な面から好ましくは5000である。
プロピレンは、チーグラー・ナッタ触媒や、メタロセン触媒等を用いて、原料となるプロピレンを重合させて得られる。中でも異種結合をなくすためにはチーグラー・ナッタ触媒のような、規則性の高い重合が可能な触媒を用いることが好ましい。
プロピレンの重合方法としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性溶剤中で重合する方法、液状のプロピレンやエチレン中で重合する方法、気体であるプロピレンやエチレン中に触媒を添加し、気相状態で重合する方法、または、これらを組み合わせて重合する方法が挙げられる。
高分子量成分、低分子量成分は別々に重合した後に混合しても良く、多段階の反応器で1連のプラントで製造しても良い。特に、多段階の反応器を持つプラントを用い、高分子量成分を最初に重合した後にその存在下で低分子量成分を重合する方法が好ましい。なお、分子量の調節は重合中に混在させる水素の量で行うことができる。
面配向係数の上限は現実的な値として好ましくは0.0155であり、より好ましくは0.015であり、さらに好ましくは0.0148であり、特に好ましくは0.0145である。面配向係数は延伸倍率の調整により範囲内とすることが出来る。この範囲だとフィルムの厚みムラも良好である。
本発明の延伸フィルムは以下の様な高結晶性の特徴を有する。
フィルム結晶化度の下限は好ましくは55%であり、より好ましくは56%であり、さらに好ましくは57%であり、特に好ましくは58%であり、最も好ましくは59%である。上記未満であると高温での熱収縮率が大きくなることがある。
フィルム結晶化度の上限は好ましくは85%であり、より好ましくは80%であり、さらに好ましくは79%であり、特に好ましくは78%であり、最も好ましくは77%である。
上記を越えると現実的な製造が困難となることがある。フィルム結晶化度は共重合モノマーを少なくするまたはなくす、延伸温度、熱固定温度を高温に設定するなどの手法により範囲内とすることが出来る。
融点の上限は好ましくは180℃であり、より好ましくは177℃であり、さらに好ましくは175℃である。上記範囲であると現実的な製造が容易となることがある。融点は共重合モノマーを少なくするまたはなくす、低分子量成分を多くする、延伸温度、熱固定温度を高温に設定するなどの手法により範囲内とすることが出来る。
本発明のポリプロピレンフィルムは150℃以上の環境下にさらされても諸物性を維持することができ、従来のポリプロピレンフィルムでは考えられなかったような高温の環境下でも使用することができる。
なお、融解開始はDSCカーブから求めることができる。
本発明の延伸フィルムの一例の上記DSCチャートを図1に示す。
150℃結晶分率の上限は現実的な面から好ましくは85%であり、より好ましくは80%であり、さらに好ましくは79%であり、特に好ましくは78%である。150℃結晶分率は共重合モノマーを少なくするまたはなくす、低分子量成分を多くする、延伸温度、熱固定温度を高温に設定するなどの手法により範囲内とすることが出来る。
MD方向のヤング率の上限は好ましくは4GPaであり、より好ましくは3.7GPaであり、さらに好ましくは3.5GPaであり、特に好ましくは3.4GPaであり、最も好ましくは3.3GPaである。上記範囲ではと現実的な製造が容易であったり、MD−TDバランスが良化することがある。
TD方向のヤング率の上限は好ましくは8GPaであり、より好ましくは7.5GPaであり、さらに好ましくは7GPaであり、特に好ましくは6.5GPaである。上記範囲だと現実的な製造が容易であったり、MD−TDバランスが良化することがある。
なお、ヤング率は延伸倍率を高くすることで高めることができ、MD−TD延伸の場合はMD延伸倍率を低めに設定し、TD延伸倍率を高くすることでTD方向のヤング率を大きくすることができる。
厚み均一性の上限は好ましくは20%であり、より好ましくは17%であり、さらに好ましくは15%であり、特に好ましくは12%であり、最も好ましくは10%である。上記範囲だとコートや印刷などの後加工時に不良が生じにくく、精密性を要求される用途に用いやすい。
フィルム密度の上限は好ましくは0.925g/cm3であり、より好ましくは0.922g/cm3であり、さらに好ましくは0.92g/cm3であり、特に好ましくは0.918g/cm3である。上記を越えると現実的製造が容易となることがある。フィルム密度は延伸倍率や温度を高くする、熱固定温度を高くする、さらにはオフラインアニールすることで高めることができる。
本発明の延伸フィルムとしては長手方向(MD方向)もしくは横方向(TD方向)の一軸延伸フィルムでも良いが、二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸の場合は逐次二軸延伸であっても同時二軸延伸であっても良い。
延伸フィルムとすることで、従来のポリプロピレンフィルムでは予想できなかった150℃でも熱収縮率が低いフィルムを得ることができる。
まず、ポリプロピレン樹脂を単軸または2軸の押し出し機で加熱溶融させ、チルロール上に押し出して未延伸フィルムを得る。
溶融押出し条件としては、樹脂温度として200〜280℃となるようにして、Tダイよりシート状に押出し、10〜100℃の温度の冷却ロールで冷却固化する。ついで、120〜165℃の延伸ロールでフィルムを長さ(MD)方向に3〜7倍に延伸し、引き続き幅(TD)方向に155℃〜175℃、好ましくは158℃〜170℃の温度で6〜12倍延伸を行う。
さらに、165〜175℃、好ましくは166〜173℃の雰囲気温度で1〜15%のリラックスを許しながら熱処理を施す。
こうして得られたポリプロピレンフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻取ることによりロールサンプルを得ることができる。
MDの延伸倍率の上限は好ましくは8倍であり、より好ましくは7倍である。上記を越えると引き続き行うTD延伸がしにくくなることがある。
MDの延伸温度の上限は好ましくは160℃であり、より好ましくは155℃であり、さらに好ましくは150℃である。温度が高い方が熱収縮率の低下には好ましいが、ロールに付着し延伸できなくなることがある。
TD延伸倍率の上限は好ましくは20倍であり、より好ましくは17倍であり、さらに好ましくは15倍である。上記を越えると熱収縮率が高くなったり、延伸時に破断することがある。
TDの延伸温度の下限は好ましくは157℃であり、より好ましくは158℃である。上記未満であると十分に軟化せずに破断したり、熱収縮率が高くなることがある。
TD延伸温度の上限は好ましくは170℃であり、より好ましくは168℃である。熱収縮率を低くするためには温度は高い方が好ましいが、上記を越えると低分子成分が融解、再結晶化して表面粗れやフィルムが白化することがある。
熱固定温度の上限は好ましくは175℃であり、より好ましくは173℃である。上記を越えると低分子成分が融解、再結晶化して表面粗れやフィルムが白化することがある。
リラックスの上限は好ましくは10%であり、より好ましくは8%である。上記を越えると厚みムラが大きくなることがある。
オフラインアニール温度の下限は好ましくは160℃であり、より好ましくは162℃であり、さらに好ましくは163℃である。上記未満であるとアニールの効果が得られないことがある。
オフラインアニール温度の上限は好ましくは175℃であり、より好ましくは174℃であり、さらに好ましくは173℃である。上記を越えると透明性が低下したり、厚みムラがおおきくなったりすることがある。
オフラインアニール時間の上限は好ましくは30分であり、より好ましくは25分であり、さらに好ましくは20分である。上記を越えると生産性が低下することがある。
包装フィルムとしても用いた場合には、高剛性であるため薄肉化が可能であり、コストダウン、軽量化ができる。
また、耐熱性が高いため、コートや印刷の乾燥時に高温乾燥か可能となり、生産の効率化や従来用いられにくかったコート剤やインキ、ラミネート接着剤などを用いることができる。
さらには、コンデンサーやモーターなどの絶縁フィルム、太陽電池のバックシート、無機酸化物のバリアフィルム、ITOなどの透明導電フィルムのベースフィルムとして用いることも可能である。
MFRは、JIS K7210に準拠し、温度230℃で測定した。
分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて単分散ポリスチレン基準により求めた。
GPC測定での使用カラム、溶媒は以下のとおりである。
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMHHR−H(20)HT×3
流量:1.0ml/min
検出器:RI
測定温度:140℃
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、Z+1平均分子量(Mz+1)はそれぞれ、分子量校正曲線を介して得られたGPC曲線の各溶出位置の分子量(Mi)の分子数(Ni)により次式で定義される。
数平均分子量:Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
質量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi2)/Σ(Ni・Mi)
Z平均分子量:Mz=Σ(Ni・Mi3)/Σ(Ni・Mi2)
Z+1平均分子量:Mz+1=Σ(Ni・Mi4)/Σ(Ni・Mi3)
分子量分布:Mw/Mn、Mz+1/Mn
また、GPC曲線のピーク位置の分子量をMpとした。
ベースラインが明確でないときは、標準物質の溶出ピークに最も近い高分子量側の溶出ピークの高分子量側のすそ野の最も低い位置までの範囲でベースラインを設定することとする。
ポリプロピレン中に含まれる低分子量成分と高分子量成分を定量するために、GPC分子量分布曲線のピーク分離を行った。ピーク分離は以下のように行った。
得られたGPC曲線から、分子量の異なる2つ以上の成分にピーク分離を行った。各成分の分子量分布はガウス関数を仮定し、通常のポリプロピレンの分子量分布と同様になるようにMw/Mn=4とした。得られた各成分のカーブから、各平均分子量を計算した。
アイソタクチックメソペンタッド分率およびメソ平均連鎖長の測定は、13C−NMRを用いて行った。アイソタクチックメソペンタッド分率は、Zambelliら、Macromolecules,第6巻,925頁(1973)に記載の方法に従い、アイソタクチックメソ平均連鎖長は、J.C.Randallによる、“Polymer Sequence Distribution”第2章(1977年)(Academic Press,New York)に記載の方法に従って算出した。
13C−NMR測定は、BRUKER社製AVANCE500を用い、試料200mgをo−ジクロロベンゼンと重ベンゼンの8:2の混合液に135℃で溶解し、110℃で行った。
フィルムの密度は、JIS K7112に従って密度勾配管法により測定した。
島津製作所製DSC−60示差走査熱量計を用いて熱測定を行った。試料にはフィルムから約5mgを切り出して測定用のアルミパンに封入した。室温から20℃/分の割合で230℃まで昇温し、試料の融解吸熱ピーク温度をTmpとした。
20℃/分の昇温速度で測定したDSC融解プロファイルの融解ピーク面積をΔHmとし、H.Bu,S.Z.D.Cheng,B.WunderlichらによるMakromolecular Chemie,Rapid Communication,第9巻,75頁(1988)に記載のポリプロピレン完全結晶の融解熱209J/gを用いて、ΔHmを209J/gで除することにより、フィルムの結晶化度を得た。
150℃結晶分率は、同様に、DSC融解プロファイルの150℃以上のピーク面積を209J/gで除することによって求めた。
ポリプロピレン試料1gを沸騰キシレン200mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させ、ろ過液に溶解している質量の、元の試料量に対する割合をCXS(質量%)とした。
JIS Z 1712に準拠して測定した。
(延伸フィルムを20mm巾で200mmの長さでMD、TD方向にそれぞれカットし、150℃の熱風オーブン中に吊るして5分間加熱した。加熱後の長さを測定し、元の長さに対する収縮した長さの割合で熱収縮率を求めた。)
東洋精機製フィルムインパクトテスターを用いて、23℃にて測定した。
JIS K 7127に準拠してMDおよびTDの引張強度を23℃で測定した。
JIS K7105に従って測定した。
アタゴ製アッベ屈折計を用いて測定した。MD、TD方向に沿った屈折率をそれぞれNx、Nyとし、厚み方向の屈折率をNzとした。
13)面配向係数
上記12)で測定したNx、Nyとし、厚み方向の屈折率をNzから[(Nx+Ny)/2]−Nzの式を用いて計算した。
巻き取ったフィルムロールから長さが1mの正方形のサンプルを切り出し、MD方向およびTD方向にそれぞれ10等分して測定用サンプルを100枚用意した。測定用サンプルのほぼ中央部を接触式のフィルム厚み計で厚みを測定した。
得られた100点のデータの平均値を求め、また最小値と最大値の差(絶対値)を求め、最小値と最大値の差の絶対値を平均値で除した値をフィルムの厚み斑とした。
作製したフィルムと東洋紡績株式会社製パイレンフィルム−CT P1128を重ねて、西部機械株式会社製テストシーラーを用いて、170℃、荷重2kgで1秒間保持することによりヒートシールを行った。ヒートシール後のフィルムの収縮による外観の変化の具合を目視により評価した。ヒートシール部の変形量が小さく、使用に影響しない範囲のものを○、ヒートシールによる収縮が大きく、変形量が大きいものを×とした。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=7.7、Mz+1/Mn=140、MFR=5.0、[mmmm]=97.3%であるポリプロピレン単独重合体PP−1(日本ポリプロ(株)製:ノバテックPP SA4L)を用いた。65mm押出機を用いて、250℃でTダイよりシート状に押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、135℃で長さ方向に4.5倍に延伸し、ついで両端をクリップで挟み、熱風オーブン中に導いて、170℃で予熱後、160℃で横方向に8.2倍に延伸し、ついでリラックスを6.7%させながら168℃で熱処理した。その後、フィルムの片面にコロナ処理を行い、ワインダーで巻き取った。こうして得られたフィルムの厚みは20μmであり、表1、表2、表3に示すとおり、熱収縮率が低く、ヤング率が高いフィルムが得られた。
上記PP―1を90重量部に対して、分子量分布が狭く、分子量10000である低分子量プロピレン単独重合体を10重量部加え、30mmの2軸押出機にて溶融混錬して、混合物PP−2のペレットを得た。このペレットを、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
PP−1を用い、横延伸における予熱温度を173℃、延伸温度と熱処理温度を167℃とした以外は、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
長さ方向に5.5倍、横方向に12倍延伸した以外は、実施例2と同様な方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
実施例1で作製したフィルムを用いて、テンター式熱風オーブン中で、170℃で5分間熱処理を行った。
得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=8.9、Mz+1/Mn=110、MFR=3.0g/10min、メソペンタッド分率[mmmm]=97.1%であるポリプロピレン単独重合体(サムスントタル社製「HU300」:共重合モノマー量は0mol%)を用い、横延伸の予熱温度を171℃、横延伸後の熱処理温度を170℃とした以外は、実施例1と同様な方法で延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは20μmであり、その物性は表1、表2および表3に示すとおりであった。
ポリプロピレン樹脂として、住友化学(株)製の住友ノーブレン FS2011DG3を用い、横延伸における予熱温度を168℃、延伸温度を155℃、熱処理温度を163℃とした以外は、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。Mw/Mn=4、Mz+1/Mn=21、MFR=2.5g/10分であった。得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
予熱温度を171℃、延伸温度を160℃、熱処理温度を165℃とした以外は、比較例1と同様にフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
ポリプロピレン樹脂として、MFR=0.5g/10min、Mw/Mn=4.5、Mz+1/Mn=10のホモポリプロピレンを用いた。比較例2と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表1、表2、表3に示した。
ポリプロピレン樹脂として、日本ポリプロ(株)製のノバテックPP SA03、MFR=30g/10分を用い、実施例と同様に二軸延伸を試みたが、横延伸で破断してフィルムを得ることができなかった。
また、耐熱性が高いため、コートや印刷の乾燥時に高温乾燥か可能となり、生産の効率化や従来用いられにくかったコート剤やインキ、ラミネート接着剤などを用いることができる。
さらには、コンデンサーやモーターなどの絶縁フィルム、太陽電池のバックシート、無機酸化物のバリアフィルム、ITOなどの透明導電フィルムのベースフィルムにも適する。
Claims (4)
- ポリプロピレン樹脂を主体として構成されたフィルムであって、150℃でのMD方向およびTD方向の熱収縮率が9%以下であり、衝撃強度が0.6J以上であり、ヘイズが6%以下であることを特徴とする延伸ポリプロピレンフィルム。
- 前記フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率の下限が96%であること及び、フィルムの面配向係数の下限が0.0125であることを特徴とする請求項1記載の延伸ポリプロプレンフィルム。
- 前記フィルムを構成するポリプロピレン樹脂の共重合モノマー量の上限が0.1mol%であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の延伸ポリプロプレンフィルム。
- 前記フィルムを構成するポリプロピレン樹脂の常温キシレン可溶分が7wt%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の延伸ポリプロプレンフィルム。
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