JP6221481B2 - ポリプロピレンフィルム - Google Patents
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Description
また、高立体規則性を持ち、分子量分布の広いポリプロピレンを用いて延伸フィルムとすることにより電気絶縁性、機械特性等に優れたキャパシターフィルムとして好適に用いることができるという技術が知られていた(例えば特許文献2等参照)。
これらの問題があるため、ポリプロピレンフィルムでは、印刷やラミネート時の張力は低めに設定することが一般的であるが、低く設定してしまうと、加工時のシワの発生を誘発したり、フィルムが蛇行したりすることが知られている。
また、例えば、印刷ピッチが特に重要な加工製品の場合には、表基材としては、ポリプロピレンフィルムではなく、耐熱性に優れた樹脂素材からなるポリエチレンテレフタレートフィルムなどが使用されるというように、ポリプロピレンフィルムの使用の範囲は限られたものとなっていた。
log(E)≦0.0275T−2.4839 ・・・式(1)
(ただし、Tは温度(℃)である)
さらに、本発明のポリプロピレンフィルムは150℃以上の環境下にさらされても諸物性を維持することができるため、従来のポリプロピレンフィルムでは考えられなかったような高温の環境下でも使用することができる。
本発明は高温での寸法安定性、機械特性に優れたポリプロピレンフィルムに関するもので、ポリプロピレンフィルムは、昇温速度5℃/分、荷重0.5kg/mm2の条件でTMA(機械熱分析)測定を行ったときのMD方向の加熱伸びE(%)が120℃から150℃において式(1)を満足し、好ましくは式(2)を満足するものであり、より好ましくは、式(3)を満足するものである。
log(E)≦0.0275T−2.4839・・・式(1)
log(E)≦0.0263T−2.3572・・・式(2)
log(E)≦0.0239T−2.0776・・・式(3)
(式(1)〜式(3)において、Tは温度(℃)である)
加熱伸びE(%)が式(1)を満たさない場合、印刷工程におけるフィルムの変形が大きくなり、印刷の精度、効率が著しく低下する。
加熱伸びE(%)の下限は、120℃で1%、130℃で2%、140℃で5%、150℃で8%である。各温度における加熱伸びE(%)が上記下限値より小さいと、印刷加工時の安定性が低下することがある。
MD方向およびTD方向の150℃における熱収縮率の上限は15%であり、好ましくは13%であり、より好ましくは12%であり、さらに好ましくは11%であり、最も好ましくは10%である。上記熱収縮率が15%以下であると、耐熱性の優れたフィルムを得ることができ、150℃程度の高温に晒される可能性のある用途での使用がより容易になる。なお、150℃における熱収縮率は2.5%程度以上の場合は、例えば分子量が10万程度の低分子量ポリプロピレン(以下、低分子量成分という)を多くする、延伸条件、熱固定条件を調整することで可能であるが、2.5%程度よりも低い場合はオフラインでアニール処理をすることが好ましい。なお、従来のポリプロピレンフィルムでは、MD方向およびTD方向の150℃における熱収縮率は15%以上であり、120℃における熱収縮率は3%程度である。
高分子の分子量を表すパラメータとしては、数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、Z+1平均分子量(Mz+1)、ピーク分子量(Mp)などが挙げられ、これらは、分子量(Mi)の分子数(Ni)により以下のように定義される。
数平均分子量:Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
質量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi 2)/Σ(Ni・Mi)
Z平均分子量:Mz=Σ(Ni・Mi 3)/Σ(Ni・Mi 2)
Z+1平均分子量:Mz+1=Σ(Ni・Mi 4)/Σ(Ni・Mi 3)
ピーク分子量:Mp(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)曲線のピーク位置の分子量)
そして、分子量分布を表すパラメータとしては、これらの平均分子量の比が一般的に用いられ、例えば、Mw/Mn、Mz+1/Mnなどが挙げられるが、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂の特徴的な分子量分布を表すにはMz+1/Mnが好適である。このような分子量や分子量分布の測定方法としては、GPCが一般的に用いられる。
GPC積算カーブでのポリプロピレン樹脂全体における分子量1万以下の成分の比率の上限は好ましくは20質量%であり、より好ましくは17質量%であり、さらに好ましくは15質量%であり、特に好ましくは14質量%であり、最も好ましくは13質量%である。分子量1万以下の成分の比率が20質量%以下であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率が低くなることがある。
分子量1万以下の分子は分子鎖同士の絡み合いには寄与せず、可塑剤的に分子同士の絡み合いをほぐす効果がある。分子量1万以下の成分の量が特定量含まれることで延伸時の分子の絡み合いがほどけやすく、低い延伸応力での延伸が可能となり、その結果として残留応力も低く高温での収縮率を低くできているものと考えられる。
GPC積算カーブでのポリプロピレン樹脂全体における分子量10万以下の成分の比率の上限は好ましくは65質量%であり、より好ましくは60質量%であり、さらに好ましくは58質量%であり、特に好ましくは56質量%であり、最も好ましくは55質量%である。分子量10万以下の成分の比率が65質量%以下であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率を低くすることが容易となることがある。
高分子量成分のMFR(230℃、2.16kgf)の下限は好ましくは0.0001g/10分であり、より好ましくは0.0005g/10分であり、さらに好ましくは0.001g/10分であり、特に好ましくは0.005g/10分である。高分子量成分のMFRが0.0001g/10分以上であると現実的に樹脂の製造が容易であったり、フィルムのフィッシュアイを低減できることがある。
なお、高分子量成分の230℃、2.16kgfでのMFRは小さすぎて現実的には測定が困難となる場合がある。2.16kgfの10倍の荷重(21.6kgf)でのMFRであらわすと、好ましい下限は0.1g/10分であり、より好ましくは0.5g/10分であり、さらに好ましくは1g/10分であり、特に好ましくは5g/10分である。
高分子量成分のMFRの上限は好ましくは0.5g/10分であり、より好ましくは0.35g/10分であり、さらに好ましくは0.3g/10分であり、特に好ましくは0.2g/10分であり、最も好ましくは0.1g/10分である。高分子量成分のMFRが0.5g/10分以下であるとポリプロピレン樹脂全体のMFRを維持するために多くの高分子量成分が必要でなく、低分子量成分の効果が発現しやすく、高温での低い熱収縮率がより得られやすくなることがある。
高分子量成分のMwの上限は好ましくは10000000であり、より好ましくは8000000であり、さらに好ましくは6000000であり、特に好ましくは5000000である。高分子量成分のMwが10000000以下であると現実的に樹脂の製造が容易であったり、フィルムのフィッシュアイを低減できることがある。
高分子量成分の量の上限は好ましくは30質量%であり、より好ましくは25質量%であり、さらに好ましくは22質量%であり、特に好ましくは20質量%である。高分子量成分の量が30質量%以下であると低分子量成分の効果が発現しやすく、高温での低い熱収縮率がより得られやすくなることがある。なお、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体に対する高分子量成分の比率は、GPCを用いて測定した分子量分布曲線からピーク分離を行って求めるものとし、後述の低分子量成分など他の成分でも同様である。
(低分子量成分)
低分子量成分のMFRの上限は好ましくは2000g/10分であり、より好ましくは1800g/10分であり、さらに好ましくは1600g/10分であり、特に好ましくは1500g/10分であり、最も好ましくは1500g/10分である。低分子量成分のMFRが2000g/10分以下であるとポリプロピレン樹脂全体でのMFRを維持しやすくなり、製膜性に優れることがある。
低分子量成分のMwの上限は好ましくは170000であり、より好ましくは165000であり、さらに好ましくは160000であり、特に好ましくは155000であり、最も好ましくは150000である。低分子量成分のMwが170000以下であると結晶性が良くなり、高温での低い熱収縮率がより得られやすくなることがある。
低分子量成分の量の上限は好ましくは98質量%であり、より好ましくは97質量%であり、さらに好ましくは96質量%であり、特に好ましくは95質量%である。低分子量成分の量が98質量%以下であるとポリプロピレン樹脂全体でのMFRを維持するために低分子量成分の分子量を上げる必要がなく、高温での低い熱収縮率がより得られやすくなることがある。
また、上記の高分子量成分や低分子量成分以外に、ポリプロピレン樹脂全体でのMFRを調整するために本発明の低分子量成分や高分子量成分以外の分子量を有する成分を添加しても良い。例えば、低分子量成分よりも大きく高分子量成分よりも小さいMwであるポリプロピレン(以下、中分子量成分という)を含んでいてもよい。さらに、分子鎖の絡み合いをほぐしやすくして延伸性などを調節するために好ましくはMw5万未満のポリプロピレン、さらに好ましくはMw3万以下のポリプロピレン樹脂、特に好ましくはMw1万以下のポリプロピレン樹脂を添加しても良い。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体に対する中分子量成分の比率の下限は、用いる中分子量成分のMwにもよるが、好ましくは5質量%であり、より好ましくは10質量%であり、さらに好ましくは13質量%であり、特に好ましくは15質量%であり、最も好ましくは16質量%である。中分子量成分の比率が5質量%以上であるとフィッシュアイが低減できたり、延伸が容易となることがある。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体に対する中分子量成分の比率の上限は好ましくは58質量%であり、より好ましくは56質量%であり、さらに好ましくは54質量%であり、特に好ましくは52質量%であり、最も好ましくは50質量%である。中分子量成分の比率が58質量%以下であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなったり、延伸温度や熱固定温度が上げられやすく熱収縮率が低くなることがある。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体に対するMw5万未満のポリプロピレンの比率の下限は好ましくは0質量%であり、より好ましくは1質量%であり、さらに好ましくは2質量%であり、特に好ましくは3質量%であり、最も好ましくは4質量%である。Mw5万未満のポリプロピレンを添加することにより高温での低い熱収縮率など本発明の効果がより得られやすくなることがある。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体に対するMw5万未満のポリプロピレンの比率の上限は好ましくは20質量%であり、より好ましくは18質量%であり、さらに好ましくは17質量%であり、特に好ましくは16質量%であり、最も好ましくは15質量%である。Mw5万未満のポリプロピレンの比率が20質量%以下であると延伸が容易となったり、厚み斑が小さくなることがある。
Mw5万未満のポリプロピレン分子は分子鎖同士の絡み合いが形成しにくく、可塑剤的に分子同士の絡み合いをほぐす効果がある。Mw5万未満のポリプロピレンの成分の量が特定量含まれることで延伸時に分子の絡み合いがほどけやすく、低い延伸応力での延伸が可能となり、その結果として残留応力も低く高温での収縮率を低くできているものと考えられる。
フィルムを構成するポリプロピレン樹脂の立体規則性の指標であるアイソタックメソペンタッド分率(以下、mmmmということがある)の下限は好ましくは96%であり、より好ましくは96.5%であり、さらに好ましくは97%である。mmmmが96%以上であると結晶性が向上し、高温での熱収縮率がより低くなることがある。
mmmmの上限は好ましくは99.5%であり、より好ましくは99.3%であり、さらに好ましくは99%である。mmmmが99.5%以下であると現実的に製造が容易となることがある。
ポリプロピレン樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等の公知の触媒を用いて、原料となるプロピレンを重合させて得られる。中でも、チーグラー・ナッタ触媒のような、異種結合を含みにくく、かつ、立体規則性の高い重合が可能な触媒を用いることが好ましい。
プロピレンの重合方法としては、公知の重合方法を用いることができるが、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性溶剤中で重合する方法、液状のプロピレンやエチレン中で重合する方法、気体であるプロピレンやエチレン中に触媒を添加し、気相状態で重合する方法、または、これらを組み合わせて重合する方法等が挙げられる。
本発明の分子量分布を有するポリプロピレンを実現する方法は特に限定されるものではないが、実質的に高分子量成分、低分子量成分を含む必要がある。例えば、高分子量成分、低分子量成分を別々に重合した後に混合しても良く、多段階の反応器で一連のプラントで製造しても良い。特に、多段階の反応器を持つプラントを用い、高分子量成分を最初に重合した後にその存在下で低分子量成分を重合する方法が好ましい。
本発明のポリプロピレンフィルムの面配向係数の下限は好ましくは0.0125であり、より好ましくは0.0126であり、さらに好ましくは0.0127であり、特に好ましくは0.0128である。本発明のポリプロピレンフィルムの面配向係数の上限は現実的な値として好ましくは0.0155であり、より好ましくは0.0150であり、さらに好ましくは0.0148であり、特に好ましくは0.0145である。MD方向及びTD方向の延伸倍率の調整により面配向係数を調整することができる。フィルムの面配向係数が0.0125以上0.0155以下であるとフィルムの厚み斑も良好である。
本発明のポリプロピレンフィルムは以下の様な高結晶性の特徴を有する。
本発明のポリプロピレンフィルムの結晶化度の下限は好ましくは55%であり、より好ましくは56%であり、さらに好ましくは57%であり、特に好ましくは58%であり、最も好ましくは59%である。フィルムの結晶化度が55%未満であると高温での熱収縮率が大きくなることがある。本発明のポリプロピレンフィルムの結晶化度の上限は好ましくは85%であり、より好ましくは80%であり、さらに好ましくは79%であり、特に好ましくは78%であり、最も好ましくは77%である。フィルムの結晶化度が85%を超えると現実的な製造が困難となることがある。フィルムの結晶化度の調整は、共重合モノマーを少なくする、またはなくす、低分子量成分を多くする、延伸温度、熱固定温度を高温に設定するなどの手法により行うことが出来る。
本発明のポリプロピレンフィルムは150℃以上の環境下にさらされても諸物性を維持することができ、従来のポリプロピレンフィルムでは考えられなかったような高温の環境下でも使用することができる。なお、融解開始はDSCチャートから求めることができる。
室温から20℃/分の割合で230℃まで昇温した際に得られる融解吸熱ピーク温度をTmpとした。そして、吸熱ピーク面積から融解熱を求め、その融解熱をポリプロピレン完全結晶の融解熱である209J/gで除することにより、結晶化度を求めることができる。また、上記吸熱ピーク面積のうち、150℃以上の吸熱ピーク面積から融解熱を求め、その融解熱をポリプロピレン完全結晶の融解熱である209J/gで除することにより、150℃での全試料中の結晶化度を求めることができる。なお、ポリプロピレン完全結晶の融解熱については、H.Bu,S.Z.D.Cheng,B.WunderlichらによるMakromoleculare Chemie, Rapid Communication,第9巻,75頁(1988)に記載されている値を用いており、後述の実施例においても同様の値を用いた。
なお、延伸倍率を高くすることでヤング率を大きくすることができ、MD−TD延伸の場合はMD方向の延伸倍率を低めに設定し、TD方向の延伸倍率を高くすることでTD方向のヤング率を大きくすることができる。
本発明のポリプロピレンフィルムの密度の上限は好ましくは0.925g/cm3であり、より好ましくは0.922g/cm3であり、さらに好ましくは0.920g/cm3であり、特に好ましくは0.918g/cm3である。フィルムの密度が0.925g/cm3以下であると現実的に製造が容易となることがある。フィルムの密度は延伸倍率や温度を高くする、熱固定温度を高くする、さらにはオフラインアニールすることで高めることができる。
本発明のポリプロピレンフィルムとしては長手方向(MD方向)もしくは横方向(TD方向)の一軸延伸フィルムでも良いが、二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸の場合は逐次二軸延伸であっても同時二軸延伸であっても良い。
延伸してポリプロピレンフィルムを製造することで、従来のポリプロピレンフィルムでは予想できなかった150℃でも熱収縮率が低いフィルムを得ることができる。
まず、ポリプロピレン樹脂を単軸または二軸の押出機で加熱溶融させ、チルロール上に押し出して未延伸シートを得る。溶融押出条件としては、樹脂温度として200〜280℃となるようにして、Tダイよりシート状に押出し、10〜100℃の温度の冷却ロールで冷却固化する。ついで、120〜160℃の延伸ロールでフィルムを長さ方向(MD方向)に3〜8倍に延伸し、引き続き幅方向(TD方向)に155℃〜175℃、好ましくは157℃〜170℃の温度で4〜15倍に延伸する。
さらに、165〜175℃、好ましくは166〜173℃の雰囲気温度で1〜15%の緩和(リラックス)させながら熱処理(熱固定)を施す。
こうして得られたポリプロピレンフィルムに、必要に応じて少なくとも片面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻取ることによりロールフィルムを得ることができる。
オフラインでアニールさせる温度(以下、オフラインアニール温度という)の下限は好ましくは160℃であり、より好ましくは162℃であり、さらに好ましくは163℃である。オフラインアニール温度が160℃未満であるとアニールの効果が得られないことがある。オフラインアニール温度度の上限は好ましくは175℃であり、より好ましくは174℃であり、さらに好ましくは173℃である。オフラインアニール温度が175℃を超えると透明性が低下したり、厚み斑が大きくなったりすることがある。
本発明のポリプロピレンフィルムを包装フィルムとして用いた場合には、高剛性であるため薄肉化が可能であり、コストダウン、軽量化を図ることができる。
また、本発明のポリプロピレンフィルムは耐熱性が高いため、コートや印刷時に高温処理が可能となり、生産の効率化や従来用いられにくかったコート剤やインキ、ラミネート接着剤などを用いることができる。
さらには、本発明のポリプロピレンフィルムは、コンデンサーやモーターなどの絶縁フィルム、太陽電池のバックシート、無機酸化物のバリアフィルム、ITOなどの透明導電フィルムのベースフィルムとして用いることも可能である。
JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。
分子量および分子量分布は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて単分散ポリスチレン基準により求めた。
GPC測定での使用カラム、溶媒は以下のとおりである。
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMHHR−H(20)HT×3
流量:1.0ml/min
検出器:RI
測定温度:140℃
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、Z+1平均分子量(Mz+1)はそれぞれ、分子量校正曲線を介して得られたGPC曲線の各溶出位置の分子量(Mi)の分子数(Ni)により次式で定義される。
数平均分子量:Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
質量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi 2)/Σ(Ni・Mi)
Z平均分子量:Mz=Σ(Ni・Mi 3)/Σ(Ni・Mi 2)
Z+1平均分子量:Mz+1=Σ(Ni・Mi 4)/Σ(Ni・Mi 3)
分子量分布:Mw/Mn、Mz+1/Mn
また、GPC曲線のピーク位置の分子量をMpとした。
ベースラインが明確でないときは、標準物質の溶出ピークに最も近い高分子量側の溶出ピークの高分子量側のすそ野の最も低い位置までの範囲でベースラインを設定することとする。
得られたGPC曲線から、分子量の異なる2つ以上の成分にピーク分離を行った。各成分の分子量分布はガウス関数を仮定し、それぞれのピーク幅がMw/Mn=4となるように設定した。得られた各成分のカーブから平均分子量をそれぞれ計算した。
また、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体のGPC曲線から、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂全体における分子量1万以下となる成分の比率及び分子量10万以下となる成分の比率を求めた。
mmmmおよびメソ平均連鎖長の測定は、13C−NMRを用いて行った。mmmmは、Zambelliら、Macromolecules,第6巻,925頁(1973)に記載の方法に従い、メソ平均連鎖長は、J.C.Randallによる、“Polymer Sequence Distribution”第2章(1977年)(Academic Press,New York)に記載の方法に従って算出した。
NMR測定は、BRUKER社製AVANCE500を用い、試料200mgをo−ジクロロベンゼンと重ベンゼンの8:2の混合液に135℃で溶解し、110℃で実施した。
加熱伸びはTMA測定によって行い、TMA測定は(株)島津製作所製TMA−60を用いて行った。フィルムからMD方向に長さ20mm、TD方向に幅4mmとなるように短冊を切り出してサンプルとした。チャック間距離を10mmとし、室温から5℃/分の昇温速度で、一定荷重0.5kg/mm2でのMD方向の寸法変化を測定し、室温(23℃)でのサンプルに対する昇温した温度でのサンプルのMD方向における寸法変化率を加熱伸びE(%)とした。
フィルムの密度は、JIS K7112に従って密度勾配管法により測定した。
(株)島津製作所製DSC−60示差走査熱量計を用いて熱測定を行った。フィルムから約5mgを切り出してサンプルとし、そのサンプルを測定用のアルミパンに封入した。20℃/分の割合で室温から230℃まで昇温し、サンプルの融解ピーク温度をTmpとした。
DSC融解プロファイルにおける吸熱ピーク面積から融解熱(ΔHm、J/g)を求め、そのΔHmの値をポリプロピレン完全結晶の融解熱である209J/gで除することにより、結晶化度を求めた。
また、DSC融解プロファイルにおける150℃以上の吸熱ピーク面積から融解熱(ΔHm’、J/g)を求め、そのΔHm’の値をポリプロピレン完全結晶の融解熱である209J/gで除することにより、150℃での全試料中の結晶化度を求めた。
ポリプロピレン試料1gを沸騰キシレン200mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させ、ろ過液に溶解している質量の、元の試料量に対する割合をCXS(質量%)とした。
JIS Z 1712に準拠して測定した。すなわち、ポリプロピレンフィルムを20mm巾で200mmの長さでMD、TD方向にそれぞれカットし、熱風オーブン中に吊るして5分間加熱した。加熱後の長さを測定し、元の長さに対する収縮した長さの割合で熱収縮率を求めた。
(株)東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターを用いて、23℃にて測定した。
JIS K 7127に準拠してMDおよびTD方向のヤング率を23℃で測定した。
JIS K 7105に従って測定した。
(株)アタゴ製アッベ屈折計を用いて測定した。MD、TD方向に沿った屈折率をそれぞれNx、Nyとし、厚み方向の屈折率をNzとした。
上記13)で測定したNx、Ny、Nzから、面配向係数(P)を以下の式を用いて計算した。
P=[(Nx+Ny)/2]−Nz
巻き取ったフィルムロールから長さが1mの正方形のサンプルを切り出し、MD方向およびTD方向にそれぞれ10等分して測定用サンプルを100枚用意した。測定用サンプルのほぼ中央部を接触式のフィルム厚み計で厚みを測定した。
得られた100点のデータの平均値を求め、また最小値と最大値の差(絶対値)を求め、最小値と最大値の差の絶対値を平均値で除した値をフィルムの厚み斑とした。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=7.7、Mz+1/Mn=140、MFR=5.0/10分、mmmm=97.3%であるプロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製:ノバテック(登録商標)PP 「SA4L」)(以下、「PP−1」という)を用いた。60mm押出機を用いて、250℃でTダイよりシート状に押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、135℃で長さ方向(MD方向)に4.5倍に延伸し、ついで両端をクリップで挟み、熱風オーブン中に導いて、170℃で予熱後、160℃で横方向(TD方向)に8.2倍に延伸し、ついで6.7%の緩和率で緩和させながら168℃で熱処理した。その後、フィルムの片面にコロナ処理を行い、ワインダーで巻き取った。こうして得られたフィルムの厚みは20μmであり、ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に示す。表5に示すとおり、熱収縮率が低く、ヤング率が高いフィルムが得られた。実施例1の延伸プロピレンフィルムのDSCチャートを図1に示した。
(実施例2)
厚みを13μmにした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に得られたフィルムの物性を表5に示した。
(実施例3)
厚みを4μmとし、予熱温度を169℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、得られたフィルムの物性を表5に示した。
上記「PP−1」90重量部に対して、分子量10000である低分子量ポリプロピレン(三井化学(株)製ハイワックス「NP105」)を10重量部加えて合計100重量部とし、30mm二軸押出機にて溶融混錬して、混合物「PP−2」のペレットを得た。このペレットを、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、得られたフィルムの物性を表5に示した。
上記「PP−1」70重量部に対して、Mw/Mn=4.6、Mz+1/Mn=22、MFR=120g/10分、mmmm=98.1%であるプロピレン単独重合体を30重量部添加し、ドライブレンドして混合物「PP−3」を得た。「PP−3」を用いて、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、得られたフィルムの物性を表5に示した。
上記「PP−1」を用い、予熱温度を173℃、TD方向の延伸温度及び熱固定温度を167℃とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、得られたフィルムの物性を表5に示した。
長さ方向に5.5倍、横方向に12倍延伸した以外は、実施例4と同様の方法でフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、得られたフィルムの物性を表5に示した。
実施例1で作製したフィルムを用いて、テンター式熱風オーブン中で、170℃で5分間熱処理(オフラインアニール)を行った。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、得られたフィルムの物性を表5に示した。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=8.9、Mz+1/Mn=110、MFR=3.0g/10分、mmmm=97.1%であるプロピレン単独重合体(サムスントタル(株)製「HU300」)(以下「PP−4」という)を用い、予熱温度を171℃、TD方向の延伸温度を161℃、熱固定温度を170℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリプロピレンフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表3に、その物性は表5に示すとおりであった。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=4、Mz+1/Mn=21、MFR=2.5g/10分、エチレン量=0.6mol%である住友化学(株)製の住友ノーブレン(登録商標)「FS2011DG3」(以下「PP−5」という)を用い、MD延伸温度を125℃、予熱温度を168℃、TD方向の延伸温度を155℃、熱固定温度を163℃とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表4に、得られたフィルムの物性を表6に示した。比較例1の延伸プロピレンフィルムのDSCチャートを図1に示す。
厚みを12μmとし、また、予熱温度を167℃にした以外は、比較例1と同様にしてフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表4に、得られたフィルムの物性を表6に示した。
厚みを4μmとし、また、予熱温度を165℃にした以外は、比較例1と同様にしてフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表4に、得られたフィルムの物性を表6に示した。
予熱温度を171℃、TD方向の延伸温度を160℃、熱固定温度を165℃とした以外は、比較例1と同様にフィルムを作製した。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表4に、得られたフィルムの物性を表6に示した。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=4.3、Mz+1/Mn=28、MFR=0.5g/10分、mmmm=97.0%であるプロピレン単独重合体(以下「PP−6」という)を用い、実施例9と同様の条件でフィルムを得た。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表4に、得られたフィルムの物性を表6に示した。
ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=2.8、Mz+1/Mn=9.2、MFR=30g/10分、mmmm=97.9%のプロピレン単独重合体である日本ポリプロ(株)製のノバテックPP「SA03」(以下「PP−7」という)を用い、実施例1と同様に二軸延伸を試みたが、横方向への延伸時に破断してフィルムを得ることができなかった。ポリプロピレン樹脂の特性等を表1、2に、製膜条件を表4に示した。
また、本発明のポリプロピレンフィルムは、耐熱性が高いため、コートや印刷時に高温での処理が可能となり、生産の効率化や従来用いられにくかったコート剤やインキ、ラミネート接着剤などを本発明のポリプロピレンフィルムに用いることができる。
さらには、コンデンサーやモーターなどの絶縁フィルム、太陽電池のバックシート、無機酸化物のバリアフィルム、ITOなどの透明導電フィルムのベースフィルムにも適する。
Claims (4)
- ヘイズが6%以下であり、150℃での熱収縮率が15%以下であり、かつ昇温速度5℃/分、荷重0.5kg/mm2の条件でTMA(機械熱分析)測定を行ったときのMD方向の加熱伸びE(%)が120℃から150℃において式(1)を満足することを特徴とするポリプロピレンフィルム。
log(E)≦0.0275T−2.4839・・・式(1)
(ただし、Tは温度(℃)である) - フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のアイソタクチックメソペンタッド分率の下限が96%であり、フィルムの面配向係数の下限が0.0125である請求項1に記載のポリプロピレンフィルム。
- フィルムを構成するポリプロピレン樹脂の共重合モノマー量の上限が0.1mol%である請求項1または2に記載のポリプロピレンフィルム。
- フィルムを構成するポリプロピレン樹脂の常温キシレン可溶分が、7質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
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