本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
[LED用リードフレーム]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るLED用リードフレームを示す部分切断端面図であり、図2(A)は、本発明の第1の実施形態における基材の表面(LED素子搭載面)側を示す部分平面図であり、図2(B)は、本発明の第1の実施形態における基材の裏面側を示す部分平面図である。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aは、LED素子を搭載するための搭載領域MA(図2(A)において、一点鎖線にて囲まれる各領域)を有する平板状の基材2と、当該基材2の全面(表面及び裏面)に設けられてなる銀めっき層3とを備える。
基材2としては、従来公知のリードフレーム用基材を用いることができ、例えば、銅、銅合金、42合金(ニッケル41%の鉄合金)等の金属基材(導電性基材);セラミックス、ガラス等の電気絶縁性基材表面に導電性材料層を設けてなる複合基材等を用いることができる。これらのうち、基材2の放熱性の観点から、金属基材(導電性基材)を用いるのが好ましい。
LED素子を搭載するための搭載領域MAは、基材2上に少なくとも1つ設けられていればよいが、複数の搭載領域MAがマトリックス状(複数行×複数列)に所定のピッチで設けられていてもよい。なお、第1の実施形態においては、複数の搭載領域MAがマトリックス状に配列されてなる基材2を例に挙げて説明する。
搭載領域MAは、基材2上のリフレクタ領域RA(図2において二点鎖線にて囲まれる領域であって搭載領域MAを除く領域)にリフレクタを設けた際に基材2の表面(銀めっき層3)が露出する略長円形状又は略方形状の領域である。
基材2上における搭載領域MAの数は、特に限定されるものではなく、基材2の大きさ、LED素子の大きさ、各搭載領域MAのピッチ等に応じて適宜設定することができる。また、各搭載領域MAのピッチは、LED素子の大きさ等に応じて適宜設定することができ、例えば、2〜10mm程度である。ここで、搭載領域MAのピッチとは、縦方向又は横方向に隣接する2つの搭載領域MAの各中心点間の距離を意味する。
基材2の大きさは、搭載領域MAに実装されるLED素子の大きさや、搭載領域MAのピッチ等に応じて適宜設計され得る。また、基材2の厚みは、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定され得る。
基材2には、各搭載領域MAを縦断(又は横断)する貫通スリット7が形成されており、各搭載領域MAは、貫通スリット7を介して第1搭載領域MA1と第1搭載領域MA1よりも小面積の第2搭載領域MA2とに分割されている。これにより、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aを用いて得られるLEDパッケージ10Aにおいて、搭載領域MAが大面積の第1リード部21及び小面積の第2リード部22に分割され、第1リード部21及び第2リード部22を電気的に独立したものとすることができる(図4参照)。なお、貫通スリット7の短手方向の幅(開口幅)W1は、特に限定されるものではないが、例えば、50〜600μmの範囲で適宜設定され得る。
第1搭載領域MA1及び第2搭載領域MA2に相当する基材2における部分(搭載部)は、厚肉部2aと、厚肉部2aの周縁に連続し、裏面側から切り欠かれてなる薄肉部2bとを有する。厚肉部2aの下面は、LED用リードフレーム1Aを用いて得られるLEDパッケージにおいて外部に露出するため、当該LEDパッケージにおける基板等と接続するための外部端子としての役割を果たすこととなる。
当該搭載部の周縁部が薄肉部2bにより構成されていることで、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aを用いて得られるLEDパッケージ10Aにおいて、第1リード部21及び第2リード部22と樹脂リフレクタ11を形成するための樹脂とが係合し、第1リード部21及び第2リード部22がLEDパッケージ10Aから抜け落ちるのを防止することができる。
薄肉部2bの幅W2は、10〜600μmであるのが好ましく、特に50〜300μmであるのが好ましい。薄肉部2bの幅W2が10μm未満であると、樹脂との係合作用を十分に得ることができなくなるおそれがあり、600μmを超えると、厚肉部2aの下面(LEDパッケージにおいて外部に露出する面)の面積が小さくなってしまい、LEDパッケージと基板等との接続不良が生じやすくなるおそれがある。
薄肉部2bの厚さは、厚肉部2aよりも薄い厚さであり、好ましくは厚肉部2aの厚さの略半分の厚さであり、LED用リードフレーム1Aの基材2の厚さにもよるが、通常0.025〜0.25mm程度である。
第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aは、マトリックス状に配列された複数の搭載領域MAを支持する枠部2cと、枠部2cと搭載領域MAとを連結する第1連結部2dと、各搭載領域MAを相互に連結する第2連結部2eとを有する。
第1連結部2d及び第2連結部2eの幅W3は、50〜300μmであるのが好ましく、80〜150μmであるのがより好ましい。第1連結部2d及び第2連結部2eが、マトリックス状に配列された複数の搭載領域MAを枠部2cにより支持するためのものであるにもかかわらず、当該幅W3が50μm未満であると複数の搭載領域MAを枠部2cにより支持し得る程度の強度が得られなくなるおそれがある。また、第1連結部2d及び第2連結部2eは、LED用リードフレーム1Aを用いてLEDパッケージを製造する過程においてダイシングされるものであるため、当該幅W3が300μmを超えると、ダイシングブレードにかかる負荷が増大するおそれがあるとともに、製造されるLEDパッケージにおいて側面から銀めっき層3とは反射率の異なる異種材料(基材2の構成材料、例えば、銅等)が露出する面積が増大し、LEDパッケージにおける反射性能に影響を与えるおそれがある。
さらに、ダイシングされる金属量を減少させてダイシングブレードにかかる負荷をより低減させることを目的として、第1連結部2d及び第2連結部2eの厚さは、薄肉部2bと略同一に構成されている。
さらにまた、第1連結部2d及び第2連結部2eの長さは、100〜600μmであるのが好ましく、200〜400μmであるのがより好ましい。当該長さが100μm未満であると、ダイシング時における制御(ダイシングラインへのダイシングブレードの位置合わせ等)が困難となるおそれがあり、600μmを超えると複数の搭載領域MAを枠部2cにより支持し得る程度の強度が得られなくなるおそれがある。
銀めっき層3は、少なくとも搭載領域MA上においては、基材2の搭載領域MAに実装されたLED素子からの発光を反射する役割を果たす層である。かかる銀めっき層3は、所定の組成を有する銀めっき液を用いて基材2上に電気めっき法等により所定のめっき条件下で銀めっきされた後、所定の温度で加熱されてなるものであって、当該銀めっき層3の分光反射率曲線において、波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないものである。分光反射率曲線における波長350nm付近の反射率がピーク状に低下する場合の例を図3に示すが、銀めっき層3の分光反射率曲線の波長330〜380nmにおいて、短波長側から長波長側に進むに従い増加する反射率が低下し始める極大点X1における反射率Y1と、当該極大点X1よりも長波長側において反射率が再び増加し始める極小点X2における反射率Y2との差分(Y1−Y2)が1%以上である場合、波長350nm付近の反射率がピーク状に低下するものとする。したがって、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aにおいては、銀めっき層3の分光反射率曲線の波長330〜380nmの範囲において極大点X1及び極小点X2が存在していたとしても、反射率の差分(Y1−Y2)が1%未満であり、好ましくは極大点X1及び極小点X2が存在しない。
このようにして基材2上に形成されてなる銀めっき層3は、その厚さ方向における所定の断面の全面積のうちの70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上100%未満が、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子で占められる。銀めっき層3の厚さ方向における所定の断面の全面積における、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の占める割合が上記範囲であれば、銀めっき層3における銀の結晶粒界が効果的に低減されているため、波長460nm以下の光の反射率を向上させることができるとともに、分光反射率曲線における波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないものとすることができる。また、銀により構成される銀めっき層を有するLED用リードフレームに発光波長460nm以下のLED素子を搭載して得られるLEDパッケージにおいては、当該LED素子(の発光層)のバンドギャップが大きいことで、駆動電圧が高くなり、それにより銀めっき層3を構成する銀がイオン化されやすく、銀イオンによるイオンマイグレーションが生じるおそれがある。その結果として、LEDパッケージ10Aにおける反射率が低下したり、第1及び第2リード21,22間が電気的に接続されてしまったりするおそれがある。この銀のイオン化は、銀の結晶粒界において生じると考えられる。そのため、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aにおいては、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒子のサイズが大きいことで、発光波長460nm以下のLED素子を搭載したとしても、銀イオンによるイオンマイグレーションが生じるのを抑制することができる。
また、銀めっき層3の厚さ方向における所定の断面において、銀めっき層3の厚さの二乗以上の断面積を有する銀の結晶粒子が少なくとも1個存在するのが好ましい。このような銀めっき層3であれば、波長460nm以下の光の反射率を向上させることができるとともに、分光反射率曲線における波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないものとすることができる。
なお、銀めっき層3の厚さ方向における所定の断面とは、基材2の搭載領域MA中から任意に選択された一の搭載領域MA上の銀めっき層3の厚さ方向における切断面のうち、SEMを用いて観察可能な領域であって、例えば、銀めっき層3の厚さ方向及び面方向における長さが10μm×20μmの断面である。
また、銀めっき層3の所定の断面の全面積における断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の占める面積割合は、一の搭載領域MA上の銀めっき層3の任意の複数箇所(例えば3箇所)を切断し、当該切断面における当該面積割合の算術平均値として算出され得る。
さらに、銀の結晶粒子の断面積とは、銀めっき層3の厚さ方向における所定の断面(SEMにより観察可能な領域)に現れる銀の結晶粒子切断面の面積を意味し、当該断面積は、例えばSEMを用いて当該切断面を観察し、EBSP検出器を用いて結晶方位を判別し、結晶粒像を撮影し、粒径分布を算出する方法により測定することができる。
このような構成を有する銀めっき層3の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1〜5μm、特に好ましくは2〜4μmに設定され得る。
銀めっき層3は、貫通スリット7により二分される各搭載領域MAにおける第1搭載領域MA1上に設けられてなる第1銀めっき層31と、第2搭載領域MA2上に設けられてなる第2銀めっき層32とを含む。
第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aは、基材2と銀めっき層3との間に、基材2と銀めっき層3との密着性を向上させる下地めっき層(図示せず)を備えていてもよい。このような下地めっき層としては、例えば、無電解めっき、電気めっきにより形成した銅めっき層、ニッケルめっき層等が挙げられる。かかる下地めっき層の厚さは、例えば、10〜1000nmに適宜設定され得る。
なお、図1に示すように、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aは、各搭載領域MAを囲むリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタ11を備えていないものであるが、図5(B)に示すような樹脂リフレクタ11を備えるものであってもよい。また、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aにおいては、図1に示すように、各搭載領域MAの周辺部を取り囲む溝部5がリフレクタ領域RA内に設けられており、これにより、基材2と樹脂リフレクタ11との密着性を向上させることができる。
第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aにおいて、リフレクタ領域RAに樹脂リフレクタ11が形成されている場合、当該樹脂リフレクタ11は、波長460nm以下の光の透過率が高い(透過率85%以上、好ましくは90%以上)樹脂により構成されているのが好ましく、特に光(紫外光等)により劣化しやすい芳香族を有しない樹脂により構成されているのが好ましい。
上記のような樹脂としては、例えば、ポリメチルペンテン(PMP)等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリノルボルネン、ゼオネックス(日本ゼオン社製)、ゼオノア(日本ゼオン社製)等のシクロオレフィン系熱可塑性樹脂:シリコーン樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられ、これらのうち、PMPを用いるのが特に好ましい。樹脂リフレクタ11を構成する樹脂が吸湿性官能基(例えば、アミノ基、カルボキシル基等)を有すると、当該樹脂が吸湿し、それにより銀めっき層3を構成する銀がイオン化されやすくなり、当該銀イオンによるイオンマイグレーションが生じるおそれがあるが、樹脂リフレクタ11を構成する樹脂として吸湿性官能基を有しないPMPを用いることで、上記のような問題が生じるのを防止することができる。
また、上記樹脂中には、波長460nm以下の光の反射率の高い(反射率85%以上、好ましくは90%以上)顔料が分散されているのが好ましい。このような顔料としては、例えば、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等からなるものが挙げられる。
[LED用リードフレームの製造方法]
上述したような構成を有する第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aは、以下のようにして製造することができる。
(基材形成工程)
まず、銅基板等の基板に所望のエッチングレジスト膜を形成し、基板両面をエッチングして、複数の搭載領域MA(第1搭載領域MA1,第2搭載領域MA2)、枠部2c、枠部2cと搭載領域MAとを連結する第1連結部2d、各搭載領域MAを相互に連結する第2連結部2e、並びに各搭載領域MAを第1搭載領域MA1及び第2搭載領域MA2に分割する貫通スリット7が設けられてなる基材2を形成する。なお、基板の裏面側における薄肉部2b、第1連結部2d並びに第2連結部2eに相当する部位にエッチングレジスト膜を設けることなく上記のようにエッチングすることで、これらの部位は基板の裏面側からハーフエッチングされ、他の部分の略半分の厚さに構成される。
基板をエッチングするためのエッチング液は、基板の材質により適宜選択され得るものであり、例えば、銅基板を用いる場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができる。また、エッチング方法としては、スプレー方式、浸漬方式等、従来公知のエッチング方法を適宜選択すればよい。
(銀薄膜形成工程)
次に、上述のようにして形成された基材2を銀めっき用のシアン浴に浸漬させて、基材2を給電層として、電気めっき法により基材2の全面に銀めっきし、銀薄膜を形成する。このようにして形成される銀薄膜の厚さは、例えば、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。
上記シアン浴は、セレノシアン酸カリウム、酸化セレン等のセレン系光沢剤を含む浴であればよく、シアン塩を好ましくは50g/L以上、特に好ましくは80g/L以上含有する高シアン浴である。このような組成を有するシアン浴を用いて電気めっき法により形成された銀薄膜を、後述の加熱工程により加熱することで、短波長(波長460nm以下)の光の反射率が高く、かつ分光反射率曲線において波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しない銀めっき層3を形成することができる。
なお、銀薄膜下に下地めっき層を設ける場合、銀薄膜形成工程を行う前に、基材2の表面に下地めっき層(銅めっき層やニッケルめっき層等)を形成する下地めっき層形成工程を行うことができる。
(加熱工程)
続いて、銀薄膜を有する基材2を加熱する。上記めっき条件下で形成された銀薄膜を有する基材2を加熱することにより、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aを得ることができる。
基材2を加熱する際の加熱温度は、基材2上の銀薄膜を構成する銀の結晶粒子を再結晶化させることによって当該結晶粒子のサイズを増大させ得る温度、すなわち加熱後の銀薄膜の厚さ方向における所定の断面の全面積のうちの、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上100%未満が断面積1μm2以上の銀の結晶粒子で占められるような加熱温度であり、加熱後の銀薄膜において、当該銀薄膜の厚さの二乗以上の断面積を有する銀の結晶粒子が少なくとも1個存在するような加熱温度であるのが特に好ましい。かかる温度で加熱することにより、銀の結晶粒界の少ない銀めっき層3を形成することができる。具体的には、200〜500℃で加熱するのが好ましく、300〜450℃で加熱するのがより好ましい。
また、基材2の加熱時間は、1〜10分間であるのが好ましく、2〜5分間であるのがより好ましい。基材2の加熱時間が1分未満であると、銀薄膜を構成する銀の結晶粒子のサイズを効果的に増大させることができないおそれがあり、10分を超えても、それ以上銀の結晶粒子のサイズを増大させ、結晶粒界を少なくすることが困難である。
上記基材2の加熱は、窒素等の不活性ガス雰囲気下にて行うのが好ましい。不活性ガス雰囲気下にて基材2を加熱することで、加熱中における銀の腐食(酸化)をより抑制することができる。
(樹脂リフレクタ形成工程)
なお、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aの製造方法においては、上述の加熱工程後、搭載領域MAを囲むリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタ11を形成する樹脂リフレクタ形成工程をさらに有していてもよいし(図5(B)参照)、当該樹脂リフレクタ形成工程を有していなくてもよい。かかる樹脂リフレクタ形成工程を有する場合、後述するLEDパッケージの製造方法(図5参照)において、LED用リードフレーム1Aのリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタを形成する工程(図5(B)参照)を省略することができる。
[半導体装置(LEDパッケージ)]
続いて、上述したような構成を有するLED用リードフレーム1Aを用いた半導体装置(LEDパッケージ)について説明する。図4は、第1の実施形態におけるLEDパッケージを示す切断端面図である。
図4に示すように、第1の実施形態におけるLEDパッケージ10Aは、上述した第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aの基材2と、LED用リードフレーム1Aの基材2のリフレクタ領域RAに、搭載領域MAを取り囲むように、かつ搭載領域MAを露出させるようにして設けられてなる樹脂リフレクタ11と、LED用リードフレーム1Aの基材2の搭載領域MAに実装されてなるLED素子12と、LED素子12を封止するために、樹脂リフレクタ11により囲まれた空間内に封止樹脂が充填されてなる封止部13とを備える。なお、基材2の貫通スリット7には、樹脂リフレクタ11と同一の樹脂材料が充填されている。
第1の実施形態において、基材2の搭載領域MAは、貫通スリット7を介して第1リード部21と第2リード部22とに分割され、かつ貫通スリット7には樹脂リフレクタ11を構成する樹脂材料と同一の樹脂材料が充填されている。これにより、第1リード部21と第2リード部22とは、それぞれ電気的に独立したものとなっている。
LED素子12は、その一の端子(図示せず)が基材2における大面積の第1リード部21に接続され、他の端子が小面積の第2リード部22にボンディングワイヤ14により接続されることで、搭載領域MAに実装されている。
LED素子12の発光波長は、460nm以下であり、好ましくは、330〜460nmであり、特に好ましくは340〜380nmである。第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aにおける銀めっき層3は、波長460nm以下の光の反射率が向上されてなるものであり、特に分光反射率曲線において波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないものであるため、第1の実施形態におけるLEDパッケージ10Aによれば、LED素子12から発せられた光を効率的に取り出すことができるとともに、特に発光波長340〜380nmのLED素子12を用いたときには、取り出される光の波長分布が2つに分かれることなく、より効率的に光を取り出すことができる。
基材2の搭載領域MA上の銀めっき層3は、貫通スリット7により二分されてなる第1リード部21及び第2リード部22のそれぞれの表面に形成されてなる第1銀めっき層31と第2銀めっき層32とからなる。
封止部13を構成する封止樹脂としては、一般にLEDパッケージにおけるLED素子の封止に用いられる透光性樹脂を用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性樹脂や、それらの透光性樹脂に、シリカ、アルミナ等の拡散材料の1種又は2種以上が含有されてなるもの等が挙げられるが、かかる透光性樹脂として、シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。LEDパッケージ10Aの封止部13を構成する封止樹脂は、LEDパッケージ10Aのリフローはんだ付けの際の加熱により熱に暴露されたり、LED素子12から発せられる強い光に暴露されたりする。この点において、シリコーン樹脂は、他の透光性樹脂(エポキシ樹脂等)に比して熱や光による変色等の透光性の劣化等を生じ難い樹脂材料であるため好ましい。
第1の実施形態におけるLEDパッケージ10Aは、封止部13を構成する封止樹脂中に、LED素子12からの発光により励起され得る蛍光体を含み、それにより波長400〜700nmの光を発することのできる装置であってもよい。第1の実施形態における銀めっき層3は、可視光領域(400〜700nm)における反射率も高いため、発光波長の短い(460nm以下)LED素子12を用い、蛍光体により波長が変換された光を発するLEDパッケージ10Aにおいて、効率的に光を取り出すことができる。特に、可視光よりも短い波長(330nm〜400nm)にピークを有するLED素子12と、LED素子12からの発光により励起され可視光(400〜700nm)に変換可能な蛍光体とを用いることで、LEDパッケージ10Aから取り出される白色光の演色性を高めた場合の効率を良くすることができる。
第1の実施形態におけるLEDパッケージ10Aは、下記のようにして製造することができる。図5は、第1の実施形態におけるLEDパッケージ10Aの製造方法を示す工程フロー図である。
まず、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aを準備し(図5(A))、LED用リードフレーム1Aのリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタ11を形成する(図5(B))。なお、当該LED用リードフレーム1Aが、樹脂リフレクタ11を備えるものである場合、樹脂リフレクタ11を形成する工程(図5(B)に示す工程)を省略することができる。
次いで、当該LED用リードフレーム1Aにおける、LEDパッケージ10Aの第1リード部21に相当する位置(厚肉部2a)にLED素子12の一の端子(図示せず)を接続し(図5(C))、第2リード部22に相当する位置(厚肉部2a)にLED素子12の他の端子をボンディングワイヤ14により接続する(図5(D))。
そして、LED素子12を搭載した搭載領域MA上の樹脂リフレクタ11により囲まれる空間内に封止樹脂を充填し、LED素子12及びボンディングワイヤ14を封止する封止部13を形成する(図5(E))。その後、ダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化されたLEDパッケージ10Aを得ることができる(図5(F))。
上述したLEDパッケージ10Aによれば、当該LEDパッケージ10Aの製造に用いられるLED用リードフレーム1Aの銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少ないことで、波長460nm以下の光の反射率が高く、かつ当該銀めっき層3の分光反射率曲線において波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないため、発光波長460nm以下のLED素子12から発せられる光を効率的に取り出すことができる。
しかも、上述したLEDパッケージ10Aによれば、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少ないことで、当該銀がイオン化し難く、駆動電圧の高い、発光波長460nm以下のLED素子12を用いても、イオンマイグレーションが生じ難いとの効果も奏し得る。特に、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aのように、基材2の全面に銀めっき層3が形成されているとイオンマイグレーションが生じやすくなるが、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少ないことで、当該銀がイオン化し難いため、LEDパッケージ10Aにおいて発光波長460nm以下の高駆動電圧のLED素子12を用いても、イオンマイグレーションが生じ難いとの効果も奏し得る。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bは、図6に示すように、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aの銀めっき層3上に、当該銀めっき層3の一部を露出させるようにして設けられてなる被覆層4を備える以外は、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aと同様の構成を有するものである。そのため、第1の実施形態に係るLED用リードフレーム1Aと同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bにおいて、銀めっき層3の一部を露出させるようにして当該銀めっき層3上に設けられてなる被覆層4は、銀めっき層3を構成する銀とは異なる金属材料からなる層である。当該金属材料は、銀よりも腐食性ガス(硫化水素等)に対する耐性の高いものであり、好ましくは硫化よりも酸化されやすいものである。また、当該金属材料は、可能な限り反射率の高いものであるのが好ましく、その酸化物が反射率の高いものであるか、又は少なくとも紫外光領域(波長400nm以下、好ましくは340〜380nm)若しくは可視光領域(波長400〜780nm)において透明(好ましくは透過率85%以上、より好ましくは透過率90%以上)のものであるのが好ましい。このような金属材料としては、例えば、ニッケル、金、パラジウム、インジウム、ロジウム及びスズ、並びにそれらのうちの少なくとも1種を含む合金からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。なお、第2の実施形態における被覆層4は、微細な隙間から銀めっき層3を露出させるように銀めっき層3上に設けられてなるが、図6の断面図上において当該微細な隙間を表すことが極めて困難であるため、銀めっき層3の全面が被覆層4で被覆されているかのように表している(図7及び図8においても同様である)。
被覆層4は、銀めっき層3の一部を露出させるように、かつ銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界の少なくとも一部を被覆するようにして設けられているのが好ましい。被覆層4を構成する金属材料は、銀めっき層3を構成する銀よりも波長460nm以下の光の反射率が低いものであるため、銀めっき層3の全面を被覆層4により被覆してしまうと、波長460nm以下の光の反射率を向上させることが困難となるが、銀めっき層3の一部を露出させ、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界の少なくとも一部を被覆していることで、波長460nm以下の光の反射率を実用困難な程度にまで低下させることがない。
しかも、銀めっき層3の分光反射率曲線において、波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないため(図3参照)、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bを用いて製造されるLEDパッケージ10Bにおいて、発光波長340〜380nmのLED素子12を用いたときに、当該LEDパッケージ10Bから取り出される光の波長分布が2つに分かれることがなく、より効率的に光を取り出すことができる。
なお、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bを用いて製造されるLEDパッケージ10Bにおいて、後述するように封止部を構成する封止樹脂としてシリコーン樹脂等のガスバリア性の低い樹脂を用いた場合、当該封止樹脂を通じて腐食性ガス(例えば、酸素、硫化水素等)が銀めっき層3に接触すると、当該腐食性ガスにより銀めっき層3が腐食するおそれがある。
ここで、腐食性ガスによる銀の腐食は、主に、銀の結晶粒界において生じると考えられる。そのため、当該結晶粒界を選択的に被覆するようにして被覆層4を設けることにより、腐食性ガスによる銀の腐食を効果的に抑制することができるものと考えられる。しかしながら、断面積1μm2未満の銀の結晶粒子が、銀めっき層3の所定の断面の全面積のうちの30%を超えて占めている場合、所望とする反射率を得るために銀めっき層3の一部を露出させるようにして被覆層4を形成しても、当該結晶粒界を被覆層4により十分に被覆することができず、腐食性ガスによる腐食の抑制が困難となってしまうし、腐食性ガスによる腐食を抑制し得る程度に当該結晶粒界を被覆層4により十分に被覆すると、所望とする反射率を得ることが困難となってしまう。一方、断面積1μm2未満の銀の結晶粒子が、銀めっき層3の所定の断面の全面積のうちの30%以下であることで、銀めっき層3上に所望とする反射率が得られる程度の被覆層4が設けられているだけであっても、銀めっき層3を構成する銀の腐食性ガス(例えば、硫化水素等)による腐食を抑制することができ、結果として所望とする反射率をも得ることができる。
さらには、銀めっき層3の厚さ方向における所定の断面において、銀めっき層3の厚さの二乗以上の断面積を有する銀の結晶粒子が少なくとも1個存在するのが好ましい。銀めっき層3の厚さ方向における所定の断面において、そのような断面積を有する銀の結晶粒子が少なくとも1個存在していれば、銀めっき層3の結晶粒界が効果的に低減され、結晶粒界が被覆層4により十分に被覆されているため、腐食性ガスによる銀の腐食を効果的に抑制することができる。
また、第2の実施形態における基材2として銅を含む基材(銅基板、銅合金基板等)を用いた場合、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bを用いて製造されるLEDパッケージ10Bにおいて、経時的に基材2に含まれる銅が銀めっき層3上面に向かって移動する、いわゆるパイルアップ現象が生じることがある。このときに、基材2に含まれる銅が銀めっき層3における銀の結晶粒界を通じて移動し、酸素と結合して生成された酸化銅が銀めっき層3の表面に露出すると、LEDパッケージにおける反射率が低下してしまう。しかしながら、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1によれば、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界の少なくとも一部を被覆するようにして被覆層4が設けられていることで、基材2側から移動する銅が銀めっき層3の表面まで到達するのを抑制することができ、また、銀めっき層3の表面側から銀の結晶粒界に沿って酸素が入り込み難いため、銅と酸素との結合により酸化銅が生成されるのを抑制することができ、結果としてLEDパッケージにおける反射率の低下を抑制することができる。
被覆層4の厚さは、5〜50nmであるのが好ましく、10〜30nmであるのがより好ましい。被覆層4の厚さが上記範囲内であれば、腐食性ガス(硫化水素等)による銀めっき層3の腐食を抑制することができる。なお、第2の実施形態において被覆層4の厚さとは、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bの銀めっき層3の露出面を含む平面と被覆層4の最上面を含む平面との基材2に対する垂直方向における間隔を意味するものとする。また、かかる被覆層4の厚さは、集束イオンビーム(FIB)装置や蛍光X線測定装置等を用いて測定することができる。
なお、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bは、基材2と銀めっき層3との間に、基材2と銀めっき層3との密着性を向上させる下地めっき層(図示せず)を備えていてもよい。このような下地めっき層としては、例えば、無電解めっき、電気めっきにより形成した銅めっき層、ニッケルめっき層等が挙げられる。かかる下地めっき層の厚さは、例えば、10〜1000nmに適宜設定され得る。
下地めっき層としてニッケルめっき層を形成し、そのニッケルめっき層の直上に銀めっき層3を形成しようとすると、当該銀めっき層3が剥離しやすくなるおそれがある。その一方で、銀めっき層3との密着性を考慮して、ニッケルめっき層上に銅ストライクめっき層を形成したり、さらに銅ストライクめっき層上に銀ストライクめっき層を形成したりすると、かかるLED用リードフレームから得られるLEDパッケージにおいて、経時的に当該銅ストライクめっき層から銀めっき層3の表面に向かっての銅のパイルアップ現象が生じてしまい、反射率が低下してしまうおそれがある。また、ニッケルめっき層は、基材2からの銅のパイルアップを抑止する効果があるものの、当該ニッケルめっき層の厚さが薄い(10〜200nm程度)と、パイルアップの抑止効果が不十分であり、基材2から銅が銀めっき層3表面に向かって移動してしまう。しかしながら、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bによれば、被覆層4が銀めっき層3における銀の結晶粒界を被覆するようにして設けられていることで、当該LED用リードフレーム1Bから得られたLEDパッケージにおいて、ニッケルめっき層上に銅ストライクめっき層が形成されている場合や、ニッケルめっき層の厚さが薄い場合であっても、銀めっき層3の下方(基材2、銅ストライクめっき層)から移動してきた銅が銀めっき層3の表面にまで移動するのを、すなわち銅のパイルアップを防止することができるとともに、銀めっき層3上の酸素が銀めっき層3内に入り込むのを防止することができる。その結果として銅と酸素とが結合するのを抑制することができ、LEDパッケージにおける反射率の低下を抑制することができる。
[LED用リードフレームの製造方法]
上述したような構成を有する第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bは、以下のようにして製造することができる。
(基材形成工程)
まず、銅基板等の基板に所望のエッチングレジスト膜を形成し、基板両面をエッチングして、複数の搭載領域MA(第1搭載領域MA1,第2搭載領域MA2)、枠部2c、枠部2cと搭載領域MAとを連結する第1連結部2d、各搭載領域MAを相互に連結する第2連結部2e、並びに各搭載領域MAを第1搭載領域MA1及び第2搭載領域MA2に分割する貫通スリット7が設けられてなる基材2を形成する。なお、基板の裏面側における薄肉部2b、第1連結部2d並びに第2連結部2eに相当する部位にエッチングレジスト膜を設けることなく上記のようにエッチングすることで、これらの部位は基板の裏面側からハーフエッチングされ、他の部分の略半分の厚さに構成される。
基板をエッチングするためのエッチング液は、基板の材質により適宜選択され得るものであり、例えば、銅基板を用いる場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができる。また、エッチング方法としては、スプレー方式、浸漬方式等、従来公知のエッチング方法を適宜選択すればよい。
(銀薄膜形成工程)
次に、上述のようにして形成された基材2を銀めっき用のシアン浴に浸漬させて、基材2を給電層として、電気めっき法により基材2の全面に銀めっきし、銀薄膜を形成する。このようにして形成される銀薄膜の厚さは、例えば、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。
上記シアン浴は、セレノシアン酸カリウム、酸化セレン等のセレン系光沢剤を含む浴であればよく、シアン塩を好ましくは50g/L以上、特に好ましくは80g/L以上含有する高シアン浴である。このような組成を有するシアン浴を用いて電気めっき法により形成された銀薄膜を、後述の加熱工程により加熱することで、短波長(波長460nm以下)の光の反射率が高く、かつ分光反射率曲線における波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しない銀めっき層3を形成することができる。
なお、銀薄膜下に下地めっき層を設ける場合、銀薄膜形成工程を行う前に、基材2の表面に下地めっき層(銅めっき層やニッケルめっき層等)を形成する下地めっき層形成工程を行うことができる。
(加熱工程)
続いて、銀薄膜を有する基材2を加熱する。基材2を加熱する際の加熱温度は、基材2上の銀薄膜を構成する銀の結晶粒子を再結晶化させることによって当該結晶粒子のサイズを増大させ得る温度、すなわち加熱後の銀薄膜の厚さ方向における所定の断面の全面積のうちの、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上100%未満が断面積1μm2以上の銀の結晶粒子で占められるような加熱温度であり、加熱後の銀薄膜において、当該銀薄膜の厚さの二乗以上の断面積を有する銀の結晶粒子が少なくとも1個存在するような加熱温度であるのが特に好ましい。かかる温度で加熱することにより、銀の結晶粒界の少ない銀めっき層3を形成することができる。具体的には、200〜500℃で加熱するのが好ましく、300〜450℃で加熱するのがより好ましい。
また、基材2の加熱時間は、1〜10分間であるのが好ましく、2〜5分間であるのがより好ましい。基材2の加熱時間が1分未満であると、銀薄膜を構成する銀の結晶粒子のサイズを効果的に増大させることができないおそれがあり、10分を超えても、それ以上銀の結晶粒子のサイズを増大させ、結晶粒界を少なくすることが困難である。
上記基材2の加熱は、窒素等の不活性ガス雰囲気下にて行うのが好ましい。不活性ガス雰囲気下にて基材2を加熱することで、加熱中における銀の腐食(酸化)をより抑制することができる。
(被覆層形成工程)
上述の加熱工程により基材2の全面に銀めっき層3が形成された後、所定の膜厚で銀めっき層3上に所定の金属材料(銀よりも腐食性ガス(例えば、酸素、硫化水素等)に対する耐性に優れた金属(例えば、ニッケル、金、パラジウム、インジウム、ロジウム、スズのうちのいずれか、又はそれらを含む合金等))を電気めっき法等によりめっきすることで、被覆層4を形成する。このように所定の膜厚での所定の金属材料の電気めっき法等により被覆層4を形成することで、銀めっき層3の一部が露出するようにして被覆層4を形成することができ、これにより、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bを得ることができる。
このとき、好ましくは膜厚5〜50nm、特に好ましくは膜厚10〜30nmの被覆層4を形成するようにして、所定の金属材料をめっきする。被覆層4の膜厚が5nm未満であると、銀めっき層3を構成する銀の腐食を効果的に抑制し得る程度の被覆層4を形成するのが困難となるおそれがあり、50nmを超えると、銀めっき層3を構成する銀の腐食を効果的に抑制し得る程度の被覆層4を形成することができるものの、銀めっき層3における銀の結晶粒界以外の部分にも被覆層4が形成されてしまい、かかるLED用リードフレームを用いて得られるLEDパッケージの製造初期における反射率が低下してしまうおそれがある。
上記範囲内の膜厚を有する被覆層4を形成することで、銀の結晶粒界に選択的に被覆層4が形成されることになる。特に、電気めっき法により被覆層4を形成することで、銀の結晶粒界の部分が、それ以外の部分に比べて電流密度が高くなり、当該結晶粒界に選択的に被覆層4が形成されやすくなる。そして、前述したように、加熱された銀めっき層3においては、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少なくなっているため、銀めっき層3の一部が露出するようにして被覆層4が形成されたとしても、銀の結晶粒界はほとんど露出しないことになる。その結果、腐食性ガス等による銀めっき層3の腐食を効果的に抑制することができるとともに、当該LED用リードフレーム1Bを用いて、銀めっき層3を構成する銀の反射率に応じた良好な反射率を有するLEDパッケージを得ることができる。
また、上記加熱工程により銀めっき層3における銀の結晶粒子のサイズを増大させて結晶粒界を少なくし、上記被覆層形成工程により当該銀めっき層3における結晶粒界に選択的に被覆層4が形成されることで、得られるLED用リードフレーム1を用いて製造されるLEDパッケージにおいて、銀めっき層3の下方(基材2、下地めっき層としての銅ストライクめっき層)側から表面に向かって移動してきた銅が、当該銀めっき層3の表面にまで移動してくるのを防止することができるとともに、銀めっき層3上の酸素が結晶粒界を通じて銀めっき層3内に入り込むのを防止することができる。その結果として銅と酸素とが結合するのを抑制することができ、LEDパッケージにおける反射率の低下を抑制することができる。
(樹脂リフレクタ形成工程)
なお、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bの製造方法においては、上述の被覆層形成工程後、搭載領域MAを囲むリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタ11を形成する樹脂リフレクタ形成工程をさらに有していてもよいし(図8(B)参照)、当該樹脂リフレクタ形成工程を有していなくてもよい。かかる樹脂リフレクタ形成工程を有する場合、後述するLEDパッケージの製造方法(図8参照)において、LED用リードフレーム1のリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタを形成する工程(図8(B)参照)を省略することができる。
[半導体装置(LEDパッケージ)]
続いて、上述したような構成を有する第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bを用いたLEDパッケージについて説明する。図7は、第2の実施形態におけるLEDパッケージを示す断面図である。
図7に示すように、第2の実施形態におけるLEDパッケージ10Bは、上述した第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bの基材2と、LED用リードフレーム1Bの基材2のリフレクタ領域RAに、搭載領域MAを取り囲むように、かつ搭載領域MAを露出させるようにして設けられてなる樹脂リフレクタ11と、LED用リードフレーム1Bの基材2の搭載領域MAに実装されてなるLED素子12と、LED素子12を封止するために、樹脂リフレクタ11により囲まれた空間内に封止樹脂が充填されてなる封止部13とを備える。なお、基材2の貫通スリット7には、樹脂リフレクタ11と同一の樹脂材料が充填されている。
第2の実施形態において、基材2の搭載領域MAは、貫通スリット7を介して第1リード部21と第2リード部22とに分割され、かつ貫通スリット7には樹脂リフレクタ11を構成する樹脂材料と同一の樹脂材料が充填されている。これにより、第1リード部21と第2リード部22とは、それぞれ電気的に独立したものとなっている。
LED素子12は、その一の端子(図示せず)が基材2における大面積の第1リード部21に接続され、他の端子が小面積の第2リード部22にボンディングワイヤ14により接続されることで、搭載領域MAに実装されている。
LED素子12の発光波長は、460nm以下であり、好ましくは、330〜460nmであり、特に好ましくは340〜380nmである。第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bにおける銀めっき層3は、波長460nm以下の光の反射率が向上されてなるものであり、特に分光反射率曲線において波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないものであるため、第2の実施形態におけるLEDパッケージ10Bによれば、LED素子12から発せられた光を効率的に取り出すことができるとともに、特に発光波長340〜380nmのLED素子12を用いたときには、取り出される光の波長分布が2つに分かれることなく、より効率的に光を取り出すことができる。
基材2の搭載領域MA上の銀めっき層3は、貫通スリット7により二分されてなる第1リード部21及び第2リード部22のそれぞれの表面に形成されてなる第1銀めっき層31と第2銀めっき層32とからなる。
封止部13を構成する封止樹脂としては、一般にLEDパッケージにおけるLED素子の封止に用いられる透光性樹脂を用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性樹脂や、それらの透光性樹脂に、シリカ、アルミナ等の拡散材料の1種又は2種以上が含有されてなるもの等が挙げられるが、かかる透光性樹脂として、シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。LEDパッケージ10Bの封止部13を構成する封止樹脂は、LEDパッケージ10Bのリフローはんだ付けの際の加熱により熱に暴露されたり、LED素子12から発せられる強い光に暴露されたりする。この点において、シリコーン樹脂は、他の透光性樹脂(エポキシ樹脂等)に比して熱や光による変色等の透光性の劣化等を生じ難い樹脂材料であるため好ましい。
第2の実施形態におけるLEDパッケージ10Bは、封止部13を構成する封止樹脂中に、LED素子12からの発光により励起され得る蛍光体を含み、それにより波長400〜700nmの光を発することのできる装置であってもよい。第2の実施形態における銀めっき層3は、可視光領域(400〜700nm)における反射率も高いため、発光波長の短い(460nm以下)LED素子12を用い、蛍光体により波長が変換された光を発するLEDパッケージ10Aにおいて、効率的に光を取り出すことができる。特に、可視光よりも短い波長(330nm〜400nm)にピークを有するLED素子12と、LED素子12からの発光により励起され可視光(400〜700nm)に変換可能な蛍光体とを用いることで、LEDパッケージ10Bから取り出される白色光の演色性を高めた場合の効率を良くすることができる。
上述のような構成を有する第2の実施形態におけるLEDパッケージ10Bは、下記のようにして製造することができる。図8は、第2の実施形態におけるLEDパッケージの製造方法を示す工程フロー図である。
まず、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bを準備し(図8(A))、LED用リードフレーム1Bのリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタ11を形成する(図8(B))。なお、当該LED用リードフレーム1Bが、樹脂リフレクタ11を備えるものである場合、樹脂リフレクタ11を形成する工程(図8(B)に示す工程)を省略することができる。
次いで、当該LED用リードフレーム1Bにおける、LEDパッケージ10Bの第1リード部21に相当する位置(肉厚部2a)にLED素子12の一の端子(図示せず)を接続し(図8(C))、第2リード部22に相当する位置(肉厚部2a)にLED素子12の他の端子をボンディングワイヤ14により接続する(図8(D))。
そして、LED素子12を搭載した搭載領域MA上の樹脂リフレクタ11により囲まれる空間内に封止樹脂を充填し、LED素子12及びボンディングワイヤ14を封止する封止部13を形成する(図8(E))。その後、ダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化されたLEDパッケージ10Bを得ることができる(図8(F))。
上述したLEDパッケージ10Bの製造方法によれば、本実施形態に係るLED用リードフレーム1Bにおいて銅のパイルアップが抑止されていることで、上記LEDパッケージ10Bの製造過程におけるLED素子12を銀めっき層3上に搭載するにあたりペーストボンディングする際には、ペースト材のはじきやブリードアウトが防止され、はんだ接合する際には、はんだ濡れ性が悪化することなく、良好な状態に維持されるという効果が奏される。また、LED素子12を銀めっき層3上に搭載するに当たりワイヤーボンディング又はフリップチップ接合する際には、銀めっき層3表面に接合反応を阻害する銅や酸化銅が存在しないため、確実に接合することができるという効果が奏される。
上述した構成を有するLEDパッケージ10Bによれば、当該LEDパッケージ10Bの製造に用いられるLED用リードフレーム1Bの銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少ないことで、波長460nm以下の光の反射率が高く、かつ当該銀めっき層3の分光反射率曲線において波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないため、発光波長460nm以下のLED素子12から発せられる光を効率的に取り出すことができる。
しかも、上述したLEDパッケージ10Bによれば、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少ないことで、当該銀がイオン化し難く、駆動電圧の高い、発光波長460nm以下のLED素子12を用いても、イオンマイグレーションが生じ難いとの効果も奏し得る。特に、第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1Bのように、基材2の全面に銀めっき層3が形成されているとイオンマイグレーションが生じやすくなるが、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が少ないことで、当該銀がイオン化し難いため、LEDパッケージ10Bにおいて発光波長460nm以下の高駆動電圧のLED素子12を用いても、イオンマイグレーションが生じ難いとの効果も奏し得る。
さらには、銀めっき層3を構成する銀の結晶粒界が、被覆層4により選択的に被覆されていることで、腐食性ガス等による銀めっき層3の腐食が効果的に抑制されるとともに、銀めっき層3の下方(基材2、下地めっき層等)からの銅のパイルアップ現象による反射率の低下も抑制されるとの効果も奏し得る。
さらにまた、銀めっき層3の反射率向上を目的として銀の結晶サイズを増大させて結晶粒界を少なくすると、封止部13を構成する封止樹脂とLED用リードフレーム1B(銀めっき層3)との密着性が低下するが、当該結晶粒界を被覆する被覆層4がインジウムからなるものである場合、封止樹脂中の水酸基、カルボキシル基等とインジウム(酸化インジウム)とが化学的に結合するため、封止樹脂とLED用リードフレーム1B(銀めっき層3)との密着性を向上させることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
第1及び第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1A,1Bにおいて、基材2の全面に銀めっき層3が設けられているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、基材2の搭載領域MA上に少なくとも銀めっき層3が設けられている限り、基材2の全面に銀めっき層3が設けられていなくてもよい。この場合において、LED用リードフレーム1A,1Bを製造するにあたっては、例えば、銀薄膜を形成する前に、基材2の表面に各搭載領域MAに相当する所定形状の開口部を有する絶縁性レジスト層を設けるとともに、貫通スリット7内部及び基材2の裏面に絶縁性レジスト層を設け、絶縁性レジスト層の開口部に露出している基材2の表面に銀をめっきし、銀薄膜を形成すればよい。
第1及び第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1A,1Bにおいて、ダイシングラインが個片化される1つのLEDパッケージ10A,10Bに一のLED素子12(搭載領域MA)が含まれるように設定されているが、これに限定されるものではなく、1つのLEDパッケージ10に複数個(例えば、4個)のLED素子12(搭載領域MA)が含まれるように設定されていてもよい。
第1及び第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1A,1Bにおいて、搭載領域MAは、基材2の縦方向(又は横方向)に並列する搭載領域MAを縦断(又は横断)する貫通スリット7により、大面積の第1リード部21及び小面積の第2リード部22に分割されているが、これに限定されるものではなく、例えば、基材2の縦方向(又は横方向)に並列する搭載領域MAの略中央を縦断(又は横断)する貫通スリット7により、略同一面積の第1リード部21及び第2リード部22に分割されていてもよい。この場合において、当該LED用リードフレーム1A,1Bを用いて得られるLEDパッケージ10A,10Bは、図9に示すように、第1リード部21及び第2リード部22を跨ぐようにして、LED素子12の一方の端子部12aが第1リード部21に接続され、他方の端子部12bが第2リード部22に接続された構成とすることができる。なお、図9に示すLEDパッケージ10A,10Bにおいては、所望により被覆層4を備えていてもよいが、図9において、被覆層4の図示を省略している。
また、図10に示すように、搭載領域MAは、基材2の縦方向(又は横方向)に並列する搭載領域MAを縦断(又は横断)する、2つの平行する貫通スリット7,7により、第1〜第3リード部21〜23に分割されていてもよい。この場合において、当該LED用リードフレーム1A,1Bを用いて得られるLEDパッケージ10A,10Bは、搭載領域MAの中央(2つの貫通スリット7,7の間)に位置する第3リード部23にLED素子12が実装され、LED素子12の一方の端子部12aが第1リード部21に接続され、他方の端子部12bが第2リード部22に接続された構成とすることができる。なお、図10に示すLEDパッケージ10A,10Bにおいても、所望により被覆層4を備えていてもよいが、図10において、被覆層4の図示を省略している。
さらに、第1及び第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1A,1Bにおいては、ダイシングラインに沿って複数の貫通孔が第1連結部2d及び第2連結部2e上に形成されていてもよい。このような構成を有するLED用リードフレーム1A,1Bであれば、当該LED用リードフレーム1A,1Bを用いてLEDパッケージ10A,10Bを製造する過程において、LED用リードフレーム1A,1Bをダイシングして個片化する際におけるダイシングすべき金属量をさらに低減することができ、ダイシングブレードにかかる負荷をさらに低減することができる。また、上金型及び下金型を用いて基材2をクランプし、金型のキャビティ内に樹脂を流し込んで硬化させることでリフレクタ領域RAに樹脂リフレクタを形成するときに、当該貫通孔を介してリフレクタ領域RAに位置するキャビティのすべてに樹脂を行き渡らせることがより容易になる。
さらにまた、第1及び第2の実施形態において、LEDパッケージ10A,10Bは、搭載領域MAを取り囲み、かつ搭載領域MAを露出させる樹脂リフレクタ11を有するが、図11に示すように、上記LED用リードフレーム1A,1Bの基材2と、一の端子(図示せず)がLED用リードフレーム1A,1Bの基材2における大面積の第1リード部21に接続され、他の端子が小面積の第2リード部22にボンディングワイヤ14により接続されることで、搭載領域MAに実装されてなるLED素子12と、基材2及びLED素子12を被覆する封止樹脂により構成される封止部13とを備え、樹脂リフレクタ11を有しないものであってもよい。当該LEDパッケージ10A,10Bの製造に用いられるLED用リードフレーム1A,1Bの基材2は、搭載領域MAと枠部2cとを又は隣接する搭載領域MA,MA同士を連結し、裏面側から切り欠けられてなる第1連結部2d及び第2連結部2e、並びに縦方向(又は横方向)に並列する複数の搭載領域MAを縦断(又は横断)する貫通スリット7を備えるものであるが、このLEDパッケージ10A,10Bにおける第1連結部2d及び第2連結部2eの裏面側、並びに貫通スリット7には、第1及び第2の実施形態において樹脂リフレクタ11を構成する樹脂材料として用いたものが充填されていればよい。なお、図11に示すLEDパッケージ10A,10Bにおいても、所望により被覆層4を備えていてもよいが、図11において、被覆層4の図示を省略している。
上述した第1及び第2の実施形態に係るLED用リードフレーム1A,1Bは、基材2と、基材2の搭載領域MA上に設けられた銀めっき層3とを備えるとともに、銀めっき層3の一部を露出させるようにして当該銀めっき層3上に設けられた被覆層4を所望により備えるものであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、図12に示すように、基板20と、基板20上に設けられた一対のリード部とを備えるLED用リードフレーム1Cであってもよい。かかるLED用リードフレーム1Cにおいて、各リード部は、Au、Pd等からなる下地貴金属層41a,41bと、Cu、Ni等からなる基部42a,42bと、銀からなる銀めっき層3とがこの順で基板20上に積層されており、一対のリード部は、基板20上に所定の間隙をもって設けられている。これにより、当該LED用リードフレーム1Cを用いて得られるLEDパッケージ(図13参照)において、一対のリード部を相互に電気的に独立されたものとなる。各リード部における下地貴金属層41a,41bは、LEDパッケージにおける外部端子面としての役割を果たすことになる。上記LED用リードフレーム1Cにおける基板20は、LEDパッケージの製造過程において封止樹脂による封止後に除去されるものである。そのため、基板20は、所定の溶媒に溶解させることで除去可能な金属材料(銅、銅合金等)からなる導電性基板であってもよいし、一対のリード部を形成する部位に、所定の溶媒に溶解させることで除去可能な金属層(銅、銅合金等)を少なくとも有する絶縁性基板であってもよい。なお、図12に示すLED用リードフレーム1Cは、所望により被覆層4を備えていてもよいが、図12においては被覆層4の図示を省略している。
図12に示すLED用リードフレーム1Cを用いてLEDパッケージを製造するには、まず、LED用リードフレーム1Cの一対のリード部のうち、大面積のリード部にLED素子12を搭載し、LED素子12の端子と小面積のリード部の銀めっき層3とをボンディングワイヤ14により接続する。次に、封止樹脂からなる封止部13により一対のリード部、LED素子12及びボンディングワイヤ14を封止し、LED素子12ごとに個片化する。最後に、所定の溶媒を用いて基板21を溶解除去する。これにより、図13に示すような構成を有するLEDパッケージ10Cを製造することができる。
また、本発明に係るLED用リードフレームとしては、例えば、図14に示すように、搭載領域MAに相当する部位が下方(LED素子の搭載面と反対側)に折曲されてなる凹部(リフレクタ部)を有する、金属材料(銅、銅合金等)からなる導電性基材2と、当該導電性基材2の少なくとも搭載領域MA上に設けられた銀めっき層3とを備えるLED用リードフレーム1Dであってもよい。かかるLED用リードフレーム1Dにおいては、導電性基材2の搭載領域MA内に形成された貫通スリット7により、搭載領域MAが2つのリード部に分割され、各リード部が電気的に独立されたものとなっている。なお、図14に示すLED用リードフレーム1Dは、所望により被覆層4を備えていてもよいが、図14においては被覆層4の図示を省略している。
図14に示すLED用リードフレーム1Dを用いてLEDパッケージを製造するには、まず、LED用リードフレーム1Dの2つのリード部のうち、大面積のリード部にLED素子12を搭載し、LED素子12の端子と小面積のリード部の銀めっき層3とをボンディングワイヤ14により接続する。次に、導電性基材2の樹脂封止領域SAにシリコーン樹脂等の封止樹脂からなる封止部13を形成して、銀めっき層3、LED素子12及びボンディングワイヤ14を封止し、封止部13の両側面から所定の長さの導電性基材2を突出させるように、LED素子12ごとに個片化する。最後に、封止部13の両側面から突出している導電性基材2を、当該封止部13の側面及び底面に沿って折り曲げ、当該導電性基材2の端部を封止部13の底面側から当該封止部13内に埋設させる。このようにして、図15に示すような構成を有するLEDパッケージ10Dを製造することができる。
さらに、本発明に係るLED用リードフレームとしては、例えば、図16に示すように、樹脂製基板、セラミックス製基板等の絶縁性基材2と、少なくとも一対のリード部とを備えるLED用リードフレーム1Eであってもよい。かかるLED用リードフレーム1Eにおいて、一対のリード部は、当該絶縁性基材2の一面(表面;LED素子が搭載される面)側及び他面(裏面)側のそれぞれに設けられたリード基部51a,51b,52a,52bと、絶縁性基材2を貫通するようにして設けられ、表面側及び裏面側のリード基部51a,51b,52a,52b間の電気的導通を図る導通部53a,53bと、他面(裏面)側のリード基部52a,52b上に設けられた、Au、Pd等からなる貴金属層54a,54bと、一面(表面)側のリード基部51a,51b上に設けられた銀めっき層3とを有する。貴金属層54a,54bは、当該LED用リードフレーム1Eを用いて製造されるLEDパッケージにおける外部端子面としての機能を果たすことになる。なお、リード基部51a,51b,52a,52b及び導通部53a,53bは、Cu、Ni等の金属材料により構成されるものである。
図16に示すLED用リードフレーム1Eを用いてLEDパッケージを製造するには、まず、一対のリード部の間隙を跨ぐようにして、LED素子12の一方の端子12aを一方のリード部の銀めっき層3に、他方の端子12bを他方のリード部の銀めっき層3に接続する。次に、LED素子12、銀めっき層3、一面側のリード基部51a,51b及び絶縁性基材2の一面を封止するように封止樹脂からなる封止部13を形成する。これにより、図17に示すような構成を有する、複数のLEDパッケージが一体化されたLEDパッケージモジュールを得ることができる。最後に、かかるLEDパッケージモジュールをLED素子12ごとに個片化する。このようにして、図18に示すような構成を有するLEDパッケージ10Eを製造することができる。
第1及び第2の実施形態において、銀めっき層3は銀により構成されているものであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、銀めっき層3が、銀と、スズ、パラジウム、銅、金、インジウム、ロジウム、亜鉛等の他の金属とを含有する銀合金からなるものであってもよい。第2の実施形態において、銀めっき層3が銀合金からなるものである場合、被覆層4を構成する金属材料は、銀めっき層3を構成する銀合金よりも腐食性ガスに対する耐性の高いものである限り、当該銀めっき層3を構成する銀合金と同一金属種を含む合金であってもよい。例えば、銀めっき層3を構成する金属材料が銀インジウム合金である場合に、当該合金よりもインジウムの組成比が大きく、腐食性ガスに対する耐性の高い銀インジウム合金を、被覆層4を構成する金属材料として用いてもよい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
厚み0.2mmの銅板を準備し、厚肉部2a、薄肉部2b、枠部2c、第1及び第2連結部2d,2e、並びに貫通スリット7を有する、図2に示す形状の基材2をエッチングにより形成した。なお、当該基材2を形成するに際しては、縦方向に隣接する搭載領域MAのピッチを3mmとし、横方向に隣接する搭載領域MAのピッチを4mmとし、基材2上に13行×13列のマトリックス状に配列された搭載領域MAを設けるようにした。
このようにして得られた基材2上に、電気めっき法により銀薄膜(厚み:3μm)を形成した。なお、銀薄膜を形成するための銀めっき浴としては、シアン化銀42g/L、シアン化カリウム92g/L及びセレン系光沢剤(セレノシアン酸カリウム)0.0001g/Lを含むものを用いた。次に、銀薄膜が形成された基材2を400℃で2分間、リフロー炉(製品名:RN−CS,パナソニック社製)を用いて加熱し、各搭載領域MA上に銀めっき層を有するLED用リードフレーム1Aを作製した。
このようにして形成されたLED用リードフレーム1A中の複数の搭載領域MAの中から、任意の一の搭載領域MAを選択し、当該搭載領域MA上の銀めっき層を、任意に選択した3箇所において切断した。そして、当該3箇所の切断面を、SEM(日本電子社製,製品名:JSM−7001F)を用いて観察し、EBSP検出器(TSL社製,条件:傾斜70度,加速電圧15kV,印加電流10nA,範囲20μm×3μm)を用いて結晶方位を判別し、結晶粒像を撮影し、粒径分布を算出する方法により、当該銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1のLED用リードフレーム1Aにおける銀めっき層上に、膜厚10nmのインジウムめっき層を形成し、LED用リードフレーム1Bを作製した。実施例2のLED用リードフレーム1Bにおいては、銀薄膜が形成され、加熱された基材2を、塩化インジウムを含有するめっき浴(インジウム濃度:3g/L)に1分間浸漬させて電気めっき処理(電流密度:15mA/dm2)を施し、水洗浄し、乾燥することによりインジウムめっき層を形成した。
かかるLED用リードフレーム1Bについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
インジウムめっき層を形成する代わりにパラジウムめっき層を形成した以外は、実施例2と同様にしてLED用リードフレーム1Bを作製した。なお、実施例3のLED用リードフレーム1Bにおいては、銀薄膜が形成され、加熱された基材2を、ジクロロジアミンパラジウムを含有するめっき浴(パラジウム濃度:3g/L)に1分間浸漬させて電気めっき処理(電流密度:15mA/dm2)を施し、水洗浄し、乾燥することによりパラジウムめっき層を形成した。
かかるLED用リードフレーム1Bについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
インジウムめっき層を形成する代わりにロジウムめっき層を形成した以外は、実施例2と同様にしてLED用リードフレーム1Bを作製した。なお、実施例4のLED用リードフレーム1Bにおいては、銀薄膜が形成され、加熱された基材2を、硫酸ロジウムを含有するめっき浴(ロジウム濃度:3g/L)に1分間浸漬させて電気めっき処理(電流密度:15mA/dm2)を施し、水洗浄し、乾燥することによりロジウムめっき層を形成した。
かかるLED用リードフレーム1Bについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
セレン系光沢剤として、セレノシアン酸カリウムの代わりに酸化セレンを含有する銀めっき浴を用いて銀薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレーム1Aを作製した。
かかるLED用リードフレーム1Aについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
実施例5のLED用リードフレーム1Aにおける銀めっき層上に、実施例2と同様にしてインジウムめっき層を形成し、LED用リードフレーム1Bを作製した。
かかるLED用リードフレーム1Bについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
セレン系光沢剤としてのセレノシアン酸カリウムの含有量を0.001g/Lに変更し、さらにリン酸カリウム5g/Lを含有する銀めっき浴を用いて銀薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレーム1Aを作製した。
かかるLED用リードフレーム1Aについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例8〕
セレン系光沢剤としての酸化セレンの含有量を0.001g/Lに変更した銀めっき浴を用いて銀薄膜を形成した以外は、実施例5と同様にしてLED用リードフレーム1Aを作製した。
かかるLED用リードフレーム1Aについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
セレン系光沢剤を含有しない銀めっき浴を用いて銀薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレームを作製した。
かかるLED用リードフレームについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
セレン系光沢剤としてのセレノシアン酸カリウムに代えて硫酸タリウム0.0001g/Lを含有する銀めっき浴を用いて銀薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレームを作製した。
かかるLED用リードフレームについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
セレン系光沢剤としてのセレノシアン酸カリウムに代えて硫酸タリウム0.0001g/L及びリン酸カリウム5g/Lを含有する銀めっき浴を用いて銀薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレームを作製した。
かかるLED用リードフレームについて、実施例1と同様にして銀めっき層の断面における銀の結晶粒子の断面積を測定し、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合及び当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積を算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、セレン系光沢剤(セレノシアン酸カリウム、酸化セレン)を含有する銀めっき浴を用いて形成された銀めっき層(実施例1〜8の銀めっき層)は、所定の断面の断面積における70%以上が断面積1μm2以上の銀の結晶粒子により占められていることが判明した。このことから、セレン系光沢剤を含有する銀めっき浴を用いて形成した銀薄膜を加熱することにより、得られる銀めっき層における銀の結晶粒子サイズを効果的に増大させ、銀めっき層における銀の結晶粒界を効果的に低減させることができるものと考えられる。
なお、表1からも明らかなように、実施例1〜4の銀めっき層は、いずれも銀めっき浴の組成及び銀めっき条件(電気めっき条件)等を同一として形成された銀薄膜を、同一条件で加熱して得られたものであるものの、銀めっき層の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合に20%程度の誤差が生じている。しかしながら、本実施例(実施例1〜8)の、セレン系光沢剤を含有する銀めっき浴を用いて形成された銀めっき層においては、切断箇所を他の箇所に変更しても上記面積割合が70%以上となっていた。すなわち、上記誤差は、銀めっき層の切断箇所の選択により生じ得るものであると考えられる。
一方、セレン系光沢剤を含有しない銀めっき浴を用いて形成された銀めっき層(比較例1〜3)においても同様に、上記面積割合に誤差が生じ得るものの、当該銀めっき層の切断箇所を変更しても上記面積割合が70%以上となることはなかった。
そして、後述する試験例から明らかではあるが、セレン系光沢剤を含有する銀めっき浴を用いて形成された銀めっき層(実施例1〜8)においては、上記面積割合が70%以上であることで、分光反射率曲線における波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しないとの特異な効果を奏されるものと考えられる。
〔試験例1〕反射率評価試験
上述のようにして作製したLED用リードフレーム(実施例1〜8,比較例1〜3)について、分光光度計(島津製作所社製,UV−2550,MPC−2200)を用いて、波長300〜780nmの範囲における反射率(%)を測定した。そして、各LED用リードフレーム(銀めっき層)の分光反射率曲線の波長330〜380nmの範囲において、短波長側から増大する反射率が低下し始める極大点X1における反射率Y1と、当該極大点X1よりも長波長側において反射率が再び増加し始める極小点X2における反射率Y2との差分(Y1−Y2)を算出し、当該反射率の差分(Y1−Y2)に基づいて各銀めっき層の反射率を評価した(極大点X1及び極小点X2、並びにそれらにおける反射率Y1,Y2については、図3を参照)。結果を表2に示す。
なお、反射率評価の指標は、下記の通りとした。
○:反射率(%)の差分(Y1−Y2)が1%未満又は極大点X1及び極小点X2が存在しない
△:反射率(%)の差分(Y1−Y2)が1〜5%
×:反射率(%)の差分(Y1−Y2)が5%超
〔試験例2〕耐食性評価試験
上記LED用リードフレーム(実施例1〜8,比較例1〜3)を、0.25質量%硫化アンモニウム水溶液(液温:25℃)に5分間浸漬させた後、分光光度計(島津製作所社製,UV−2550,MPC−2200)を用いて、波長350nm及び450nmのそれぞれの光を照射したときにおける反射率(%)を測定した(U−5)。
また、上記LED用リードフレーム(実施例1〜8,比較例1〜3)を、硫化水素濃度3ppm、温度40℃、湿度80%の雰囲気中に1時間暴露した後、同様にして波長350nm及び450nmのそれぞれの光を照射したときにおける反射率(%)を測定した(ガス1H)。
上記反射率の測定結果に基づいて耐食性(耐硫化性)を評価した。結果を表2に示す。なお、耐食性評価の指標は下記の通りとした。
○:耐食性評価試験前後における反射率(%)の差分(低下量)が15%未満
△:上記反射率(%)の差分(低下量)が15〜20%(U−5(波長350nm))
上記反射率(%)の差分(低下量)が15〜50%(U−5(波長450nm))
上記反射率(%)の差分(低下量)が15〜40%(ガス1H(波長450nm))
×:上記反射率(%)の差分(低下量)が20%超(U−5(波長350nm))
上記反射率(%)の差分(低下量)が50%超(U−5(波長450nm))
上記反射率(%)の差分(低下量)が15%以上(ガス1H(波長350nm))
上記反射率(%)の差分(低下量)が40%超(ガス1H(波長450nm))
表2に示すように、実施例1〜8のLED用リードフレームにおいては、銀めっき層の分光反射率曲線において、波長350nm付近の反射率がピーク状に低下していないことが確認された。一方、比較例1〜3のLED用リードフレームにおいては、銀めっき層の分光反射率曲線において、波長350nm付近の反射率がピーク状に低下していることが確認された。
したがって、表1及び表2に示す結果から、実施例1〜8のようにセレン系光沢剤を含有する銀めっき浴を用いて形成した銀薄膜を加熱することで、分光反射率曲線における波長350nm付近の反射率がピーク状に低下しない銀めっき層を形成し得ると考えられる。
また、表2に示すように、実施例2〜4及び実施例6のLED用リードフレームにおいては、耐食性試験後の反射率の低下が顕著に抑制されていることが確認された。このことから、実施例2〜4及び実施例6のLED用リードフレームのように、銀めっき層を形成した後に加熱し、銀めっき層の一部が露出するようにして被覆層(インジウムめっき層、パラジウムめっき層又はロジウムめっき層等)を形成することで、製造初期における反射率を向上させるとともに、硫化水素等の腐食性ガスに対する耐性をも向上させることができると考えられる。