JP2013201094A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻回体の挿入を容易にするとともに、特定方向の圧力に対して短絡しにくい非水電解液二次電池を提供し、安全性を向上させる。
【解決手段】 巻回体の高さよりも高い高さを有するとともに巻回体と電池缶との間に配置される絶縁性フィルムとを備え、正極タブは、正極集電体の一方の面に巻回方向外端付近に接続されており、負極タブは、負極集電体の一方の面に巻回方向外端付近に接続されており、絶縁層は、少なくとも正極集電体上の、セパレータを介して負極タブと対向する部分と、正極集電体上の、負極集電体とセパレータとを介して負極タブと対向する部分とに設けられる非水電解液二次電池。
【選択図】図3
【解決手段】 巻回体の高さよりも高い高さを有するとともに巻回体と電池缶との間に配置される絶縁性フィルムとを備え、正極タブは、正極集電体の一方の面に巻回方向外端付近に接続されており、負極タブは、負極集電体の一方の面に巻回方向外端付近に接続されており、絶縁層は、少なくとも正極集電体上の、セパレータを介して負極タブと対向する部分と、正極集電体上の、負極集電体とセパレータとを介して負極タブと対向する部分とに設けられる非水電解液二次電池。
【選択図】図3
Description
この発明は、非水電解液二次電池に関するものである。
高エネルギー密度の電池として知られるリチウムイオン二次電池を代表とする非水電解液二次電池は、モバイル機器から電気自動車に至るまで、これら機器の電源として、その用途を拡充している。電池の形状は、用途毎で様々であるが、例えば、携帯電話などのモバイル機器用途においては、セパレータを介して、帯状の正極と負極とにそれぞれ集電タブを設けて巻回し、扁平状に押圧した巻回体電極を、概略角形の金属製電池缶に挿入して作製される、いわゆる角形の密閉電池形状が主流である。
前記角形の非水電解液二次電池は、負極タブを巻回体最内周側に、正極タブを最外周側に配置する構成が主流である(例えば特許文献1)。または、負極および正極タブともに巻回体最内周側に配置するものもある(例えば特許文献2)。すなわち、負極タブは通常巻回体最内周側に配置する場合が多い。その理由は、通常の角形の非水電解液二次電池は、電池缶を正極と電気的に導通させることが多く、負極タブを電池缶からなるべく離して配置することで、負極タブと電池缶との接触による内部短絡を防止するためである。
非水電解液二次電池(以下、二次電池と表記する)においては、二次電池の貯蔵・運搬等の取扱いにおいて起こりうる事故や、電池の誤作動などに対する安全性を確認する必要がある。これら事故を想定した多種にわたる試験項目および方法が規格化されており、二次電池メーカは各試験を実施して試験基準をクリアすることで、製品の安全性を確認している。
各種試験の中に、2枚の平板間に満充電状態の二次電池を配置し、所定の圧力に達するまで加圧する平板圧壊試験がある。角形の二次電池の場合は、幅広面と幅狭面が存在するので、おのおのの方向で圧壊試験(以下、幅広面圧壊試験、幅狭面圧壊試験と表記する)をする必要がある。従来の角形二次電池は、特に幅狭面圧壊試験において、試験基準をクリアすること(電池の破裂や発火がないことを意味する)が困難であった。
前述したように、従来の角形二次電池は、電極集電タブ、特に負極タブを巻回体電極の内側に配置することが一般的である。このような負極タブ配置をした二次電池において幅狭面方向で圧壊すると、負極タブが巻回体の中央で正極および負極を突き刺すように変形する(概略、「く」の字型に変形する)。その結果正負極間で内部短絡することが原因と考えられる。
そこで、前記問題を改善するため、電池の蓄電容量を制限する、または耐内部短絡性の高い部材(特殊素材のため、基本的にコストも高い)を採用するなどをして、対策が講じられてきた。しかし、このような従来の対策法では、電池の高容量化や低コスト化の妨げとなる問題があった。
これら背景から、本発明者は両極タブを巻回体最外周側に配置する構造を提案するに至った。電極タブを巻回体最外周側に配置すれば、巻回体とタブを挟んだ反対面には剛性の高い電池缶が存在するので、幅狭方向からの圧壊においても電極タブが、「く」の字型の変形をおこしにくくなりその結果タブが巻回体を突き刺す危険性が少なくなることを見出したからである。
一方、前記構造では、負極タブと正極との短絡や、負極タブと電池缶との短絡が危惧されるとともに、両極のタブが巻回体最外周側に配置されているため、巻回体を電池缶へ挿入する際、タブの厚み分が余分な摩擦抵抗となって、巻回体の挿入不良を誘因する問題もあった。
本発明は、以上の問題を解決するためになされたものであり、幅狭面圧壊における耐久性と、電池内部の短絡や、挿入不良による生産性低下を改善した非水電解液二次電池の提供を目的とするものである。
この発明の実施の形態によれば、非水電解液二次電池は、電池缶と、巻回体と、正極タブと、負極タブと、絶縁性フィルムとを備える。電池缶は、金属からなる。巻回体は、電池缶に収納され、正極、負極およびセパレータを含む。正極は正極集電体と正極合剤層とを有し、負極は負極集電体と負極合剤層とを有する。正極タブは、一方端が電池缶の蓋体に接続され、他方端が正極に接続される。負極タブは、一方端が電池缶の蓋体に設けられた負極端子に接続され、他方端が負極に接続される。また、負極タブは、必要に応じてリード体を介して負極端子に接続されてもよい。絶縁性フィルムは、巻回体の高さよりも高い高さを有するとともに巻回体と電池缶との間に配置される。そして、正極タブ・負極タブ共に巻回体の巻回方向最外周端付近に接続されている。絶縁層は、負極タブと対向する部分の正極集電体上に設けられる。
正極タブ負極タブが巻回方向外端付近に配置されているため、特定方向の圧力に強く安全性の高い非水電解液二次電池とすることが出来る。さらに、集電タブの厚みが巻回体の外形へ転写されたとしても、絶縁フィルムがあることで挿入性良く巻回体を電池缶内へ挿入することが出来る。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、この発明の実施の形態による非水電解液二次電池の斜視図である。なお、図1においては、正極缶5は、その内部が見えるように図示されている。
図1は、この発明の実施の形態による非水電解液二次電池の斜視図である。なお、図1においては、正極缶5は、その内部が見えるように図示されている。
図1を参照して、この発明の実施の形態による非水電解液二次電池10は、巻回体1と、絶縁性フィルム2と、正極タブ3と、負極タブ4と、正極缶5と、蓋体6と、ベント7と、負極端子8と、注入口9とを備える。なお、非水電解液二次電池10は、例えば、リチウムイオン電池である。
巻回体1は、正極と負極とをセパレータを介して巻回した構造からなる。また、巻回体1は、概略、平板形状を有し、正極缶5の底面と平行な平面において、運動場のトラックの形状からなる平面形状を有する。そして、巻回体1は、電解液を含み、正極缶5内に収納される。
絶縁性フィルム2は、巻回体1と電池缶5との間に配置される。絶縁性フィルム2は、例えば、180℃以上の耐熱性を有することが好ましい。これにより、セパレータが収縮したとしても、非水電解液二次電池の内部温度が絶縁性フィルムの縮む温度まで到達する前に電池内の温度上昇が停止し、安全性の向上効果を得ることができる。
絶縁性フィルム2は、絶縁性を兼ね備えていれば特に制限はなく、材質も無機フィラー、樹脂、またはこれらの混合体などがあげられる。例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、またはこれらの共重合体よりなるポリオレフィン製フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、前記ポリオレフィン製またはポリエステル製の不織布に、アルミナ、シリカ、ベーマイトなどの無機フィラーを塗布した複合フィルムなどがあげられる。これらフィルムは、無孔質であってもよいし、多孔質であってもよい。絶縁性フィルム2が多孔質である場合、後述するセパレータなども好適に採用できる。
絶縁性フィルム2は、巻回体を正極缶に容易に挿入できるものがよく、例えば動摩擦係数が0.5以下のフィルム(例えばPEなど)、または動摩擦係数が0.5以下のフィルムの少なくとも1層を積層した多層フィルム(例えば、PE−PPなど)があげられる。多層フィルムを用いる場合は、動摩擦係数が0.5以下であるフィルム面を正極缶側に対面させて巻回体を挿入するとよい。
また、前記絶縁性フィルム2は、巻回体を正極缶に挿入する際や、何らかの外部衝撃により、負極タブ4が、巻回体外周部のセパレータを突き刺して、負極タブ4と正極缶5との導通による内部短絡を防止する等の目的で、例えば突き刺し強度が3N以上であるフィルムであることがより望ましい。
さらに、前記絶縁性フィルム2は、電池が異常加熱をした場合でも、その機能を損なわないためにも、高温度下でも収縮することとなくその形状を維持する、すなわち耐熱性のフィルムであることがより望ましい。耐熱性のフィルムの例としては、例えば、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォンおよびポリイミドやまた、特許文献WO2007/066768に開示されている、第1セパレータ層と第2セパレータ層からなり、耐熱温度が150℃以上のフィラーを含むような、耐熱収縮性に優れるセパレータがあげられる。
絶縁性フィルム2は、耐熱温度が130度以上であることが好ましい。「耐熱温度が130度以上」とは、130℃で30分放置した時の収縮率が5%以下の物を指す。
収縮率の測定は、次のようにして行う。4cm×4cmに切り出したフィルム片を、クリップで固定した2枚のステンレス板で挟みこみ、130℃の恒温槽内に30分放置した後に取り出し、各セパレータ片の長さを測定し、試験前の長さと比較して長さの減少割合を収縮率とする。
絶縁性フィルム2は、3μm以上50μm以下の厚みを有していると好ましい。この厚みであると、以下に記載の厚みを持つ正極タブ、負極タブ両方が巻回方向外端付近に設けられていても、挿入時に巻回体1の挿入を阻害することはなく、且つ巻回体1の保護の効果を十分に発揮できる。
正極タブ3は、例えば、0.08mmの厚みを有するアルミニウム(Al)からなり、短冊形状を有する。正極タブ3は、一方端が巻回体1の正極に溶接され、他方端が蓋体6に溶接される。なお、正極タブ3のうち、巻回体1と蓋体6との間に配置された部分は、実際には、折り曲げて収納されている。
負極タブ4は、例えば、0.08mmの厚みを有するニッケル(Ni)−銅(Cu)クラッド鋼板からなり、短冊形状を有する。負極タブ4は、その一方端が巻回体1の負極に溶接され、他方端が負極端子8に溶接される。なお、負極タブ4は、必要に応じて、リード体(図示せず)を介して負極端子8に接続されてもよい。また、負極タブ4のうち、巻回体1と負極端子8との間に配置された部分は、実際には、湾曲されている。
正極缶5は、例えば、Alからなる。また、正極缶5は、概略、中空の平板形状を有し、底面に平行な平面において、運動場のトラックの形状からなる平面形状を有する。他にも、底面に平行な平面において、長方形状、長方形の角を丸めたような形状を有していても良い。そして、正極缶5は、巻回体1、絶縁性フィルム2、正極タブ3、および負極タブ4を収納する。
蓋体6は、例えば、Alからなり、運動場のトラックの形状からなる外形を有する。そして、蓋体6は、正極缶5の開口端に嵌合する。
なお、巻回体1と蓋体6との間には、必要に応じて、負極タブ4と正極缶5とが接触しないように、絶縁板が設けられていてもよい(図示せず)。
ベント7は、蓋体6に設けられる。そして、ベント7は、正極缶5内のガスを抜くために用いられる。負極端子8は、絶縁体(図示せず)を介して蓋体6に設けられ、負極タブ4の他方端に接続される。注入口9は、蓋体6に設けられる。そして、注入口9は、巻回体1に電解液を注入するための口である。
図2は、図1に示す線II−II間における非水電解液二次電池10の縦断面図である。図2を参照して、絶縁性フィルム2は、巻回体1の高さH1よりも高い高さH2を有する。
絶縁性フィルム2は、巻回体1の厚み方向DR1における巻回体1の両側の側面101,102と、巻回体1の底面103とを覆う。即ち、絶縁性フィルム2は、巻回体1の蓋体6側の端面104を除いて、巻回体1と正極缶5との間に配置される。
図3は、図1に示す巻回体1の横断面図であり、図4は図3のエリアAの拡大図で、巻回体1の巻回方向外端付近を示す。巻回体1は、正極11と、負極12と、セパレータ13とを含む。正極11は正極集電体111上に、正極合剤層112を設けており、負極12は負極集電体121上に負極合剤層122を設けている。正極11および負極12は、セパレータ13(図3中の破線)を介して巻回されている。
巻回方向の外端付近の正極集電体111上に正極タブ3を配置し、巻回方向の外端付近の負極集電体121上に負極タブ4を配置する。更に、負極タブの裏表に対応する正極集電体上、すなわち、正極集電体上の、セパレータを介して負極タブと対向する部分と、正極集電体上の、負極集電体とセパレータとを介して負極タブと対向する部分とに、絶縁層14が設けられている。
絶縁層14は、後述する正極または負極のバインダーとして用いられる各種樹脂のほか、光硬化型樹脂(例えば、ポリオールアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマー、メタクリル酸−2−ヒドロキシルエチルなどの単官能モノマー;1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの二官能モノマー;トリメチロールプロパントリアクリレートなどの三官能モノマー)などが好適に用いられる。また、前記樹脂の他、機械的強度を向上させる等の目的で、Al2O3(アルミナ)やSiO2(シリカ)などの無機フィラーを混合して用いてもかまわない。
絶縁層14は別途絶縁テープを張り付けてもいいし、正極合剤層を塗布後に上述の樹脂を塗布・乾燥することで設けても良い。負極タブ4を設置すると、その厚みの分だけ正極側へ突出ことになる。すると、膨らんだ分がセパレータを突き破って正極と接触して大電流が流れてしまい、最悪の場合は二次電池が発火してしまう恐れがある。本発明のように、絶縁層14を負極タブと対向する正極集電体上に設けることで、負極タブ4と正極11との短絡を防ぎ、安全性の高い非水電解液二次電池を得ることが出来る。
正極11は、正極集電体111と、正極合剤層112とからなる。正極集電体は、例えば、Al箔からなり、帯形状を有する。
正極合剤層は、例えば、正極活物質とバインダーとを混合して塗料化したスラリーを正極集電体の表面に塗布し、その塗布したスラリーを乾燥し、次いで、厚み方向にプレスすることによって形成される。スラリーの塗布は、例えば、スロットダイ、ブレードコーターおよびナイフコータ等によって行なわれる。また、スラリーは、必要に応じて、導電性材料を更に含んでいてもよい。
正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O、およびLiFePo4等のLi含有複合酸化物が挙げられる。
バインダーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびエチレンプロピレンジエンマルチブロックポリマー等のゴム系樹脂、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系樹脂等からなる。
導電性材料は、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、黒鉛、および非晶質炭素等の炭素材料からなる。これらの導電性材料は、単独または混合して用いられても良い。
負極12は、負極集電体121と、負極活物質層122とからなる。負極集電体は、例えば、Cu箔からなり、帯形状を有する。
負極活物質層は、例えば、負極活物質とバインダーとを混合して塗料化したスラリーを負極集電体の表面に塗布し、その塗布したスラリーを乾燥し、次いで、厚み方向にプレスすることによって形成される。スラリーの塗布は、上述したスロットダイ、ブレードコーターおよびナイフコータ等によって行なわれる。また、スラリーは、必要に応じて、導電性材料を更に含んでいてもよい。
負極活物質は、例えば、SnおよびSi等のLiと合金化可能な金属、金属リチウム、LiAl合金、非晶質炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、フラーレン、およびナノチューブ等のリチウム(Li)を吸蔵放出可能な炭素系材料、Li4Ti5O12、およびLi2Ti3O7等のLiを吸蔵放出可能なチタン酸リチウム等からなる。
バインダーは、PTFE、PVdF、SBR、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)等のいずれかからなる。これらのバインダーは、単独または混合して用いられても良い。
導電性材料は、AB、KB、および非晶質炭素等の炭素材料からなる。これらの導電性材料は、単独または混合して用いられても良い。
セパレータ13については、特に制限は無く、従来、公知のものがセパレータ13として適用される。例えば、厚みが5〜30μmで、空孔率が30〜70%で、2軸延伸による成膜される微多孔性ポリエチレンフィルムまたは微多孔性ポリプロピレンフィルム、およびポリエチレンポリプロピレン複合フィルム、ポリエチレンポリプロピレンのラミネート、共押し出し等の2層、3層等の積層タイプがセパレータ13として好適に用いられる。これらのセパレータは、一般に、100℃〜170℃の高温下にさらされると、収縮・溶融破膜を起こす可能性があることが知られている。
電解液は、例えば、Li塩が有機溶媒に溶解されたものからなる。Li塩としては、有機溶媒中で解離してLi+イオンを生成可能であり、電解液を構成要素とする電池の電圧範囲で分解等の副反応を起こさないものが用いられる。
そして、Li塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、およびLiClCO4等の無機化合物、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiC(SO2CF2)3、LiC(SO2C2F5)3、LiPF6−n(C2F5)n(nは1〜6の整数)、LiSO3CF3、LiSO3C2F5、およびLiSO3C4F8等の有機化合物等からなる。
有機溶媒は、Li塩を溶解でき、電池の電圧範囲で分解等の副反応を起こさないものであれば制限されない。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、およびビニレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、およびテトラグライム等の鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、および2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、およびエトキシプロピオニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独又は混合して用いることができる。
これらのうち、有機溶媒は、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒が好ましい。この混合溶媒を用いれば、高い導電率が得られ、良好な電池特性を実現できる。
電解液には、安全性、サイクル性、高温貯蔵性等の特性を向上する目的で、適宜、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、およびt−ブチルベンゼン等の添加剤が含まれていてもよい。
また、電解液は、有機溶媒に代えて、エチル−メチルイミダゾリウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、へプチル−トリメチルアンモニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、ピリジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、およびグアジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド等の常温溶融塩を含んでいてもよい。
更に、電解液は、下記のホストポリマーによりゲル化されていてもよい。ホストポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、主鎖または側鎖にエチレンオキシド鎖を含む架橋ポリマー、光及び熱により架橋可能であり側鎖にオキセタン化合物や脂環式エポキシ化合物を有する(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
上述した通り、絶縁性フィルム2は、耐熱温度が130度以上であることが好ましいが、更に、セパレータ13が収縮する温度では、収縮せず、収縮したとしても、セパレータ13が収縮する温度よりも高い温度で収縮すると好ましい。
図5は、加熱試験時における巻回体1、絶縁性フィルム2および正極缶5の断面図である。図5を参照して、何らかの異常な状況で、非水電解液二次電池10が高温にさらされると、正極11および負極12からガスが発生し、巻回体1は、厚み方向DR1において、外側へ向かって膨張する。その結果、正極缶5も、巻回体1と同じように膨張する。そして、セパレータ13がたとえ収縮したとしても、絶縁性フィルム2は、縮まない。
そうすると、正極11および負極12は、セパレータ13から露出する。そして、巻回体1および正極缶5が膨張すればするほど、負極12の両端は、正極缶5に近づく。
しかし、非水電解液二次電池10において、セパレータ13が収縮する温度では縮まない絶縁性フィルム2が巻回体1と正極缶5との間に配置されていると、巻回体1の温度がセパレータ13が収縮する温度まで昇温されても、負極12は、正極缶5に接触しない。
この時、例え正極11と負極12とが接触して内部短絡が発生したとしても、正極缶5と負極12との接触による短絡ほどは急激に温度上昇しない。これは、正極缶5と負極12(特に、合剤層の設けていない金属箔露出部分)との間の電気抵抗が非常に低いために一気に大電流が流れてしまうことがあるが、一方、正極11と負極12との間の電気抵抗は比較的高いために、大電流が流れてしまうことは無いためである。従って、負極12と正極缶5との接触を防止することにより、安全性の向上効果を得ることが出来る。
更に、上述したように、巻回体1は、絶縁性フィルム2によって挟み込まれた状態で正極缶5に収納されるので、従来の非水電解液二次電池において、巻回体の底面に貼付されていたテープを削除できる。
<第2の実施の形態>
図6は本願の別の実施形態である。図6も部分拡大図ではあるが、拡大部分以外は図3と同様なので、説明は省略する。本実施の形態では、負極タブ4と対向する部分の正極集電体上に絶縁層14を設け、更に負極タブ4自身を覆うように負極タブ絶縁層15を備える。詳しくは、負極タブ絶縁層15は、負極タブ上および、負極タブを設けた面とは反対の面の負極タブ4に対応する部分とに設ける。負極タブ絶縁層15も、絶縁層14と同様に絶縁性の樹脂で設けるか、別途絶縁テープを張り付けても良い。負極タブ絶縁層15は、負極タブ上または、負極タブ4を設けた面とは反対の面の負極タブ4に対応する部分どちらか一方の設けても、負極タブ4と正極11との絶縁性は向上するが、両方に設けた方がより絶縁性が向上し、好ましい。
図6は本願の別の実施形態である。図6も部分拡大図ではあるが、拡大部分以外は図3と同様なので、説明は省略する。本実施の形態では、負極タブ4と対向する部分の正極集電体上に絶縁層14を設け、更に負極タブ4自身を覆うように負極タブ絶縁層15を備える。詳しくは、負極タブ絶縁層15は、負極タブ上および、負極タブを設けた面とは反対の面の負極タブ4に対応する部分とに設ける。負極タブ絶縁層15も、絶縁層14と同様に絶縁性の樹脂で設けるか、別途絶縁テープを張り付けても良い。負極タブ絶縁層15は、負極タブ上または、負極タブ4を設けた面とは反対の面の負極タブ4に対応する部分どちらか一方の設けても、負極タブ4と正極11との絶縁性は向上するが、両方に設けた方がより絶縁性が向上し、好ましい。
<第3の実施の形態>
図7は更に別の実施形態である。本実施の形態は、負極タブ絶縁層15の形態以外は、第2の実施の形態と同様である。本実施の形態でも負極タブ絶縁層15を設けているが、図7のように電極から上部へ突出している負極タブ部分をも覆うように設けられる。この実施の形態をとると、負極タブと電池缶との接触を防止することが出来るので、更に安全性を高めることが出来る。
図7は更に別の実施形態である。本実施の形態は、負極タブ絶縁層15の形態以外は、第2の実施の形態と同様である。本実施の形態でも負極タブ絶縁層15を設けているが、図7のように電極から上部へ突出している負極タブ部分をも覆うように設けられる。この実施の形態をとると、負極タブと電池缶との接触を防止することが出来るので、更に安全性を高めることが出来る。
<正極の作製>
LiCoO2を正極活物質として100質量部と、バインダであるPVdFをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、更にNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
LiCoO2を正極活物質として100質量部と、バインダであるPVdFをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、更にNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
前記の正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に厚みを調節して間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が130μmになるように正極合剤層の厚みを調節し、幅が54.5mmになるように切断して正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部に正極タブを溶接してリード部を形成した。
<絶縁層の形成>
PVdFのNMP溶液(固形分濃度:12質量%):100質量部と、塊状のアルミナ粉末(平均粒径1μm):88質量部と、NMP:200質量部とを混合し、絶縁層形成スラリーを作製した。このスラリーを、巻回した時に負極タブとセパレータを介して対向する部分と、正極集電体上の負極タブと負極集電体とセパレータとを介して対向する部分とに塗布し、乾燥して正極を得た。
<負極の作製>
天然黒鉛:97.5質量%、SBR:1.5質量%、およびカルボキシメチルセルロース(増粘剤):1質量%を、水を用いて混合して負極合剤層形成用スラリーを調製した。この負極合剤層形成用スラリーを、集電体である銅箔(厚み:8μm)の両面に塗布し、120℃で12時間真空乾燥を施し、更にプレス処理を施して、集電体の両面に、全厚が110μm、幅が55.5mmになるように切断して負極を作製した。更にこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<電極体の作製>
前記の正極と負極とをセパレータ(厚みが14μmで、透気度が300秒/100cm3のポリエチレン製多孔膜)を介して重ね合わせ、渦巻状に巻回して図3に示す第1の実施の形態と同様の巻回構造の巻回体を作製した。
<非水電解液の調製>
メチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(体積比 2:1:3)に、1.2mol/lの濃度でLiPF6を溶解し、これにビニレンカーボネート(VC)2質量%、ビニルエチレンカーボネート(V−EC)1質量%を加えて非水電解液を調製した。
<非水電解液二次電池の作成>
得られた巻回電極体を押しつぶして扁平状にし、PE−PP製の絶縁性フィルムと共に、厚み5mm、幅42mm、高さ61mmのアルミニウム合金製外装缶に入れ、前述の非水電解液を注入した。
<絶縁層の形成>
PVdFのNMP溶液(固形分濃度:12質量%):100質量部と、塊状のアルミナ粉末(平均粒径1μm):88質量部と、NMP:200質量部とを混合し、絶縁層形成スラリーを作製した。このスラリーを、巻回した時に負極タブとセパレータを介して対向する部分と、正極集電体上の負極タブと負極集電体とセパレータとを介して対向する部分とに塗布し、乾燥して正極を得た。
<負極の作製>
天然黒鉛:97.5質量%、SBR:1.5質量%、およびカルボキシメチルセルロース(増粘剤):1質量%を、水を用いて混合して負極合剤層形成用スラリーを調製した。この負極合剤層形成用スラリーを、集電体である銅箔(厚み:8μm)の両面に塗布し、120℃で12時間真空乾燥を施し、更にプレス処理を施して、集電体の両面に、全厚が110μm、幅が55.5mmになるように切断して負極を作製した。更にこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<電極体の作製>
前記の正極と負極とをセパレータ(厚みが14μmで、透気度が300秒/100cm3のポリエチレン製多孔膜)を介して重ね合わせ、渦巻状に巻回して図3に示す第1の実施の形態と同様の巻回構造の巻回体を作製した。
<非水電解液の調製>
メチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(体積比 2:1:3)に、1.2mol/lの濃度でLiPF6を溶解し、これにビニレンカーボネート(VC)2質量%、ビニルエチレンカーボネート(V−EC)1質量%を加えて非水電解液を調製した。
<非水電解液二次電池の作成>
得られた巻回電極体を押しつぶして扁平状にし、PE−PP製の絶縁性フィルムと共に、厚み5mm、幅42mm、高さ61mmのアルミニウム合金製外装缶に入れ、前述の非水電解液を注入した。
非水電解液の注入後に外装缶の封止を行って、図1に示す構造の非水電解液二次電池を作製した。
<挿入不良評価>
上述の手順で1000個の非水電解液二次電池を作成し、電池缶に巻回電極体と絶縁性フィルムを挿入する時に、引っ掛かりの有無や挿入しやすさを評価した。1000個中、全ての二次電池で引っ掛かりは無く、挿入不良は起こらなかった。
<平板圧壊試験(狭面方向)>
上述の手順で作成した10個の二次電池において、初回充放電後、常温(25℃)で、1Cの定電流で4.25Vに達するまで充電し、その後4.25Vの定電圧で充電する定電流−定電圧充電(総充電時間:2.5時間)を行って満充電状態とした。その後、狭面方向からの平板圧壊試験を行い、各電池の挙動を調べた。
<挿入不良評価>
上述の手順で1000個の非水電解液二次電池を作成し、電池缶に巻回電極体と絶縁性フィルムを挿入する時に、引っ掛かりの有無や挿入しやすさを評価した。1000個中、全ての二次電池で引っ掛かりは無く、挿入不良は起こらなかった。
<平板圧壊試験(狭面方向)>
上述の手順で作成した10個の二次電池において、初回充放電後、常温(25℃)で、1Cの定電流で4.25Vに達するまで充電し、その後4.25Vの定電圧で充電する定電流−定電圧充電(総充電時間:2.5時間)を行って満充電状態とした。その後、狭面方向からの平板圧壊試験を行い、各電池の挙動を調べた。
平板圧壊試験は、二次電池を2枚の平板間に設置し、加圧力が13kNに到達するまでで、図1の矢印D方向から圧縮した。試験した10個全ての二次電池において、破裂や発火はみとめられなかった。
なお、この発明の実施の形態においては、正極缶5および蓋体6は、「電池缶」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 巻回体
2 絶縁フィルム
3 正極タブ
4 負極タブ
5 電池缶
10 非水電解液二次電池
11 正極
111 正極集電体
112 正極合剤層
12 負極
121 負極集電体
122 負極合剤層
13 セパレータ
14 絶縁層
15 負極タブ絶縁層
2 絶縁フィルム
3 正極タブ
4 負極タブ
5 電池缶
10 非水電解液二次電池
11 正極
111 正極集電体
112 正極合剤層
12 負極
121 負極集電体
122 負極合剤層
13 セパレータ
14 絶縁層
15 負極タブ絶縁層
Claims (5)
- 金属からなる電池缶と、
前記電池缶に収納され、正極集電体と正極合剤層とを有する正極、負極集電体と負極合剤層とを有する負極およびセパレータを含む巻回体と、
一方端が前記電池缶の蓋体に接続され、他方端が前記正極に接続された正極タブと、
一方端が前記電池缶の蓋体に設けられた負極端子に接続され、他方端が前記負極に接続された負極タブと、
正極上に設けられた絶縁層と、
前記巻回体の高さよりも高い高さを有するとともに前記巻回体と前記電池缶との間に配置され、
正極タブは、正極集電体の一方の面に巻回方向外端付近に接続されており、
負極タブは、負極集電体の一方の面に巻回方向外端付近に接続されており、
絶縁層は、少なくとも正極集電体上の、セパレータを介して負極タブと対向する部分と、正極集電体上の、負極集電体とセパレータとを介して負極タブと対向する部分とに設けられる非水電解液二次電池。
- 前記絶縁性フィルムは、耐熱温度が130℃以上である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
- 更に、負極タブ上および/または負極タブを設けた面とは反対の面の負極タブに対応する部分とに負極タブ絶縁層が設けられる請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
- 負極タブ絶縁層は、巻回体の蓋体側の端面よりも蓋体側へ突出している請求項3に記載の非水電解液二次電池。
- 絶縁層は、絶縁性樹脂の塗布層である請求項1〜4いずれかに記載の非水電解液二次電池。
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