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JP2013128161A - 移動通信端末用モジュール、及び移動通信端末 - Google Patents

移動通信端末用モジュール、及び移動通信端末 Download PDF

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JP2013128161A JP2011276060A JP2011276060A JP2013128161A JP 2013128161 A JP2013128161 A JP 2013128161A JP 2011276060 A JP2011276060 A JP 2011276060A JP 2011276060 A JP2011276060 A JP 2011276060A JP 2013128161 A JP2013128161 A JP 2013128161A
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正純 利根
Akio Yamamoto
昭夫 山本
Takashi Shiba
芝  隆司
Osamu Hikino
治 比企野
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Abstract

【課題】チューナブルフィルタとキャンセラを組み合わせたチューナブル対応のデュプレクサにおいて、通過帯域特性や阻止帯域特性を最適化するためのキャリブレーションを高速化し、ばらつきによる性能劣化を高精度で補償する。
【解決手段】チューナブルフィルタのキャリブレーションを行ってアイソレーション特性を取得した後に、キャンセラに対して粗いキャリブレーションと詳細キャリブレーションを行う。粗いキャリブレーションでは、チューナブルフィルタを利用Band帯域が抑圧帯域になるように設定してキャンセラのアイソレーション特性を取得し、前記取得したチューナブルフィルタのアイソレーション特性と比較した結果に基づき振幅調整、位相調整、バイアス電圧調整を行い、おおよその収束点を捉える。さらに、詳細キャリブレーションを行い、収束点付近の狭い範囲で最適点を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は移動通信端末用モジュール、及び移動通信端末に関する。特に、例えばWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式やLTE(Long Term Evolution)方式等のワイヤレス通信システムに対応した移動通信端末用モジュール、及び移動通信端末に関する。
携帯電話では既に実用化されているWCDMA方式の他、LTE方式の検討が進められている。WCDMA方式やLTE方式は送受信同時動作のため、送信周波数と受信周波数はそれぞれ異なる帯域を使用している。これらの方式においては送受信帯域を分離するデュプレクサが用いられる。
非特許文献1にはデュプレクサの帯域外抑圧不足を補うため、受信帯域の熱雑音をキャンセルする方法の記載がある。送信信号はノッチフィルタを用いて除去される。また、送信回路が発生する受信帯域の熱雑音は振幅と位相が調整された後、デュプレクサとアンテナ端の間で送受信信号と合成されて除去される。これによって送信信号に与える影響を小さく抑えながら、受信帯域の熱雑音をキャンセルしている。
WCDMA方式やLTE方式は複数の周波数Bandおよび同一Band内に複数のチャンネルがあり、良好な高周波特性を得るために、携帯電話用フロントエンドモジュール内にはそれぞれの周波数Bandごとにデュプレクサを備えている。更にLTE方式は、高速化を実現するMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を採用しているため、受信回路はアンテナの数だけ必要となる。よって今後の高速化に伴う受信回路規模増大が予想されるため、特許文献1にあるように、デュプレクサをチューナブルに切り替える技術が必要とされる。
特許文献1には、デュプレクサをチューナブルに切り替えるためのチューナブルフィルタ技術とキャンセラ技術の記載がある。複数の周波数バンドを選択的に通過させる可変特性を有するチューナブルフィルタの帯域外信号抑圧量不足を補償する技術としてキャンセラ技術がある。キャンセラは、チューナブルフィルタから出力される受信信号に含まれる送信信号の漏洩成分と受信帯域の熱雑音の漏洩成分をキャンセルする。
特許文献2には、上記キャンセラはチューナブルフィルタと同等の特性を示すフィルタを備えることによって、キャンセル量を高精度で確保できるという記載がある。送信信号の漏洩成分と受信帯域の熱雑音を1系統のキャンセラで減衰させる手法と、2系統のキャンセラを備えて送信信号の漏洩成分と受信帯域の熱雑音を別々に減衰させる手法がある。
特許文献3には、上記キャンセラはチューナブルフィルタと同等の特性を示すフィルタ、振幅・位相・遅延を調整するマッチング回路、送信信号の周波数帯域から受信信号の帯域に渡って振幅変動と位相変動が緩やかな広帯域増幅器、可変インピーダンス送信側結合器および可変インピーダンス受信側結合器を備え、チューナブルフィルタの信号経路に広帯域増幅器の群遅延に相当する遅延素子を備えることによって、キャンセル量を高精度で確保できるという記載がある。送信信号の漏洩成分と受信帯域の熱雑音を1系統のキャンセラで減衰させる手法と、2系統のキャンセラを備えて送信信号の漏洩成分と受信帯域の熱雑音を別々に減衰させる手法がある。
特許文献4には、上記キャンセラとチューナブルフィルタを端末に用いる時に好適なキャリブレーション技術や制御方法についての記載がある。端末の送信系からのキャリブレーション用信号と受信系の電力検出器を用いてキャンセラやチューナブルフィルタの通過帯域特性や阻止帯域特性などの性能を最適値に合わせるキャリブレーションを行い、キャリブレーションデータを保持して実動作時にデータを読み出すことで良好な送受信特性を実現する。チューナブルフィルタは、通過帯域特性と阻止帯域特性のキャリブレーションを個別に実施することで最適化を図り、キャンセラは、阻止帯域周波数と阻止帯域の減衰量のキャリブレーションを個別に実施することで最適化を図っている。
特開2011−120120号公報 特願2010−233607号 特願2010−287756号 特願2011−123541号
Adaptive Duplexer Implemented Using Single−Path and Multipath Feedforward Techniques With BST Phase Shifters, IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL. 53, NO. 1, JANUARY 2005 3GPP TS25.101 V8.9.0 (2009−12) 3GPP TS36.211 V8.9.0 (2009−12)
チューナブルフィルタのTx(送信)−Rx(受信)間アイソレーション特性は、一般的なデュプレクサに対して劣るが、チューナブルフィルタとキャンセラを組み合わせたチューナブル対応のデュプレクサは、一般的なデュプレクサと同等以上の特性を示す。しかしながら、素子・電源電圧・温度によるばらつきが発生した場合にはキャンセラの性能が劣化するといった課題がある。またキャリブレーションにより、通過帯域特性や阻止帯域特性などの性能を最適化できるが、振幅や位相などの最適化には時間を要するといった課題がある。
そこで本発明はチューナブルフィルタにおいて、キャリブレーションを高速化し、ばらつきによる性能劣化を高精度で補償しつつ、複数の周波数Bandに対応することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、送信周波数と受信周波数はそれぞれ異なる帯域を使用して、送受信同時動作を行う移動通信端末用モジュールであって、送信信号と受信信号を分離し、複数の周波数バンドを選択的に通過させる可変特性を有するフィルタと、送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするキャンセラを備え、前記キャンセラはキャリブレーション部を有する増幅器を備え、前記キャリブレーション部は振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を備えることを特徴としている。
また本発明は、送信周波数と受信周波数はそれぞれ異なる帯域を使用して、送受信同時動作を行う移動通信端末であって、送信信号と受信信号を分離し、複数の周波数バンドを選択的に通過させる可変特性を有するフィルタと、送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするキャンセラを備え、前記キャンセラはキャリブレーション部を有する増幅器を備え、前記キャリブレーション部は振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を備え、前記キャリブレーション部は、送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするためのキャリブレーション動作を複数ステップ行い、粗いキャリブレーションを行った後、詳細キャリブレーションを行うことを特徴としている。
本発明によれば、キャリブレーションを高速化し、ばらつきによる性能劣化を高精度で補償することができ、移動通信端末用モジュール及びそれを用いた移動通信端末の基本性能を向上させることができるという効果がある。
第1の実施例における移動通信端末用モジュールの構成例を示すブロック図である。 第1の実施例におけるキャリブレーション部を備えた増幅器の回路図である。 第1の実施例におけるキャリブレーションのフローチャートである。 第1の実施例におけるBand18の特性を示す図である。 第1の実施例におけるBand5の特性を示す図である。 第1の実施例におけるBand8の特性を示す図である。 第1の実施例におけるBand18のキャリブレーション実施前の特性を示す図である。 第1の実施例におけるBand18のチューナブルフィルタのTx−Rx間アイソレーション特性と、キャンセラのTx−Rx間アイソレーション特性を示す図である。 第1の実施例におけるBand18のキャリブレーション実施後の特性を示す図である。 第1の実施例における移動通信端末の構成例を示すブロック図である。 第2の実施例における移動通信端末用モジュールの構成例を示すブロック図である。 第3の実施例における移動通信端末用モジュールの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施例における移動通信端末用モジュールの構成例を示すブロック図である。本実施例の構成は、例えばWCDMA方式やLTE方式の移動通信端末用モジュールを対象としているが、送信周波数と受信周波数にそれぞれ異なる帯域を割り当てて送受信同時動作する移動通信端末用モジュールであれば、これに限定されるものではない。
まず送信信号と受信信号の流れを説明する。チューナブルフィルタ3はTxフィルタ32、Rxフィルタ31で構成され、アンテナSW(switch)2、PA(Power Amplifier)62を含む送信系、LNA(Low Noise Amplifier)61を含む受信系に接続される。RFIC6から出力される送信信号は、PA62に入力され、所望の信号レベルまで増幅された後、キャンセラ8内の送信側結合器89、遅延素子10を通過してチューナブルフィルタ3に入力される。チューナブルフィルタ3内のTxフィルタ32では受信帯域の熱雑音は抑圧され、送信信号は低損失で通過する。チューナブルフィルタ3より出力された送信信号はアンテナSW2を経由し、アンテナ1より外部へ放射される。
一方、受信信号はアンテナ1より入力され、アンテナSW2を経由してチューナブルフィルタ3に入力される。チューナブルフィルタ3内のRxフィルタ31では、送信信号の漏れ込みは抑圧され、受信信号は低損失で通過する。チューナブルフィルタ3より出力された受信信号は、遅延素子11、キャンセラ8内の受信側結合器80、LNA(Low Noise Amplifier)61を通過してRFIC6に入力される。
一般的なデュプレクサは受信側において送信信号を約50dBほど抑圧するため、非特許文献2に記載のレベルのOut of band blockingをアンテナ1で受信しても、目的とする受信信号を劣化させる影響は少ない。一般的なデュプレクサをチューナブルデュプレクサモジュール7で置き換える場合、チューナブルデュプレクサモジュール7は、チューナブルフィルタ3、キャンセラ8、遅延素子10、遅延素子11および制御部5で構成される。
移動通信端末が送受信を開始する前に、移動通信端末用モジュール内では、所定のキャンセル量を確保するためにキャリブレーションを実施する。その際に素子の製造ばらつき、電源電圧変動、温度変化等によって、例えば、受信回路へ漏洩する送信信号の漏洩成分に対するキャンセル量が20dB以上となったとしても、送信回路が発生する受信帯域の熱雑音の漏洩成分に対するキャンセル量が20dB以下となる可能性がある。
そこでデュプレクサのチューナブル化に伴い、チューナブルフィルタ3における抑圧量が例えば約30dBとなり、一般的なデュプレクサのTx−Rx間アイソレーション約50dBに対して不足する場合、制御部5は、キャンセラ8が送信信号の漏洩成分と熱雑音の漏洩成分をそれぞれ約20dBキャンセルするように振幅、位相、バイアス電圧を調整する。この場合の調整とは、例えば送信信号をキャンセルする場合には、送信側結合器89から引き込んだPA62出力信号を用いて送信信号と同一振幅、逆位相となる信号を生成することである。そのため、キャンセラ8はPA62の出力信号を引き込む送信側結合器89、送信信号を所定のレベルまで減衰させるRxフィルタ87、キャリブレーション部を備えた増幅器8000、受信帯域の熱雑音を所定のレベルまで減衰させるTxフィルタ81、チューナブルフィルタ3の出力側に接続される受信側結合器80により構成される。
尚、制御部5はチューナブルデュプレクサモジュール7内にあり、制御に必要な情報をRFIC6とやりとりしているが、RFIC6内に備えても良い。
またチューナブルフィルタ3の信号経路に設けた遅延素子10および遅延素子11の構成は、チューナブルフィルタ3の信号経路とキャンセラ8の信号経路の時間差より決まる。キャリブレーション部を備えた増幅器8000の群遅延が主な時間差の要因となるため、その時間差を配線パターン等で発生させると良い。
また配線パターンによる損失の発生が見込まれるため、送信系に遅延素子10、受信系に遅延素子11を配置しているが、送信系のみ、あるいは受信系のみに配置しても良い。
またチューナブルフィルタ3の抑圧量(約30dB)とキャンセラ8のキャンセル量(約20dB)は一例であって、これに限定されるものではない。
以下にキャンセラ8を構成するブロックについて詳細に説明する。
送信側結合器89は送信系に対して疎結合にすることによって、例えば約10dB減衰した送信信号と受信帯域の熱雑音をキャンセラ8内に引き込んでいる。一方、受信側結合器80は受信系に対して疎結合にすることによって、振幅および位相が調整された送信信号と受信帯域の熱雑音を例えば約10dB減衰させた後に、チューナブルフィルタ3の出力の受信信号と合成する。Rxフィルタ87では送信信号が例えば約30dB減衰され、Txフィルタ81では受信帯域の熱雑音が例えば約30dB減衰される。
受信側結合器80にて送信信号と受信帯域の熱雑音をキャンセルするため、キャリブレーション部を備えた増幅器8000は、送信側結合器89と受信側結合器80において、それぞれ約10dB減衰した分を補償するために約20dBの利得を必要とする。また引き込んだ送信信号と同一振幅、逆位相となる信号を精度良く生成するため、入力端にマッチング部86、出力端にマッチング部82を備え、振幅調整部85、位相調整部84、バイアス調整部83を備える。振幅調整部85、位相調整部84、バイアス調整部83の順番については一例であって、これに限定されるものではない。また受信側結合器80の結合度による約10dBの減衰、送信側結合器89の結合度による約10dBの減衰、それらの減衰分を補償するための増幅器8000における約20dBの利得は一例であって、これに限定されるものではない。
図2は、第1の実施例におけるキャリブレーション部を備えた増幅器の回路図である。マッチング部8101とマッチング部8104は、インダクタ、キャパシタをはじめとする受動素子で構成されることが多い。振幅調整部8103は、例えばキャパシタ、抵抗をはじめとする受動素子と半導体スイッチで構成され、抵抗を変化することによって振幅を調整する。位相調整部8102と位相調整部8105は、例えばキャパシタと半導体スイッチで構成され、容量を変化することによって位相を調整する。バイアス調整部8106とバイアス調整部8107は、例えばバンドギャップリファレンス回路および電流源によって構成され、MOSトランジスタ8109、8110のドレイン電流が最適値になるようにバイアス電圧を調整する。インダクタ8108とインダクタ8111はそれぞれ、入力側の負荷用素子とマッチング用素子に相当する。
図3は、第1の実施例におけるキャリブレーションのフローチャートである。これを用いて、チューナブルデュプレクサモジュール7のキャリブレーションについて以下に説明する。ここでは、特にキャンセラ8のキャリブレーションを行う(A110)以下のステップに重点を置いて説明するが、その前に行われるチューナブルフィルタ3のキャリブレーションから説明を始めることにより、全体的なフローについても記述する。
開始(A101)にあたって、まずはチューナブルフィルタ3のキャリブレーションを実施するため、キャンセラ8の電源をOFFする(A102)。続いて制御部5はTxフィルタ32の利用周波数Band設定(A103)とRxフィルタ31の利用周波数Band設定(A104)を行うため、チューナブルフィルタ3に内蔵された周波数Band切替部を調整する。周波数Band切替部とは例えばBand切り替えのためのキャパシタを、スイッチを用いて切り替える構成要素であって、そのキャパシタやスイッチのばらつきを補償する仕組みも備える。また調整は、例えばキャンセラ8あるいはRFIC6内のレジスタに格納された周波数Band切替用ビットを読み出し、該切替用ビットに基づき周波数Bandを設定したうえで実施される。
続いて利用周波数Bandに設定されたチューナブルフィルタ3のTx−Rx間アイソレーション特性を取得し、利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションが共に規定値(a)以上であるか否かの判定を行う(A105)。規定値(a)以下である場合、チューナブルフィルタ3は例えば素子のばらつきにより所定の性能を満足しないという判定となるので、規定値(a)以上となるまでTxフィルタ32のキャリブレーション(A106)とRxフィルタ31のキャリブレーション(A107)が実施される。上記キャリブレーションとは周波数Band切替部のキャパシタやスイッチのばらつきの補償に相当する。
キャリブレーションの結果、利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションが共に規定値(a)以上である場合(A108のYES)、及び先の(A105)でTx−Rx間アイソレーションが共に規定値(a)以上である場合、チューナブルフィルタ3のTx−Rxアイソレーション特性を保存する(A109)。保存先は例えばチューナブルデュプレクサモジュール7あるいはRFIC6が備えるメモリ内とすると良い。
ここまでは、チューナブルフィルタ3の単体でのキャリブレーションである。仮にチューナブルフィルタ3の単体で、前記規定値(a)として例えば30dB程度のTx−Rx間アイソレーションが期待されたとする。この際に、ばらつきにより例えば28dBしかない場合、(A109)までのフローによりチューナブルフィルタ3は、30dB以上のアイソレーションを得るよう調整される。次の(A110)以下のフローではキャンセラ8のキャリブレーションを行い、チューナブルデュプレクサモジュール7が全体として、通信システムで必要とする例えば50dB以上のアイソレーションを得るように調整される。
続いてキャンセラ8のキャリブレーションを実施するため、キャンセラ8の電源をONにする(A110)。キャンセラ8内のTxフィルタ81及びRxフィルタ87を、それぞれTxフィルタ32及びRxフィルタ31と同じ設定になるように周波数Band切替部を調整する(A111、A112)。続いてキャリブレーション部を備えた増幅器8000の利用周波数Band設定を行う(A113)ため、振幅調整部85、位相調整部84、バイアス調整部83を利用周波数Bandに対して予め設定された特性となるように調整する。
このために制御部5は、キャンセラ8に例えば所定の制御ビットを供給する。予め標準的な特性を有するキャンセラ8を用いて、前記制御ビットを変化させながらTx−Rx間アイソレーションを取得し、目標とする値を得る制御ビットを所定の制御ビットとする。キャンセラ8に特性のばらつきが無ければ、前記所定の制御ビットに応じてキャンセラ8が動作することにより、利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションが共に目標とする値(前記の例では50dB)以上となる筈である。しかし、実際にはキャンセラ8には特性のばらつきがあるため、必ずしも目標とする値とはならない。
そこで、制御部5は、A113で利用周波数Bandに設定されたチューナブルデュプレクサモジュール7のTx−Rx間アイソレーション特性を取得し、利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションが共に第二の規定値(前記の例では50dB)以上であるか否かの判定を行う(A114)。第二の規定値以上である場合、これ以上の調整を必要としないため、このままキャリブレーションを終了する(A126)。第二の規定値以下である場合、キャンセラ8はばらつきにより期待した作用をしていないという判定となる。
そこでキャンセラ8のばらつきによる問題を解消するため、キャンセラ8のTx−Rx間アイソレーション特性を取得する。遅延素子10、チューナブルフィルタ3、遅延素子11を経由する信号を抑圧してキャンセラ8の単体の特性を測定できるようにするため、まず、チューナブルフィルタ3のTxフィルタ32の周波数Band切替部を調整し、利用周波数Bandが抑圧帯域になるように設定する(A115)。同じくRxフィルタ31の周波数Band切替部を調整し、利用周波数Bandが抑圧帯域になるように設定する(A116)。
続いて利用Band帯域において、キャンセラ8を経て受信側結合器80に供給される信号が遅延素子11の出力信号と結合される際に、互いに振幅は同等で、位相は反転することを目標に、まず、キャリブレーション部を備えた増幅器8000の粗いキャリブレーションを実施する(A117)。
粗いキャリブレーションとは、素子の製造ばらつき、電源電圧変動、温度変化等を補償するため、振幅調整部85、位相調整部84およびバイアス調整部83の特性を制御するビットの設定を、例えばチューナブルデュプレクサモジュール7あるいはRFIC6内のレジスタに予め格納された制御ビットから適宜変更しながら、互いに振幅は同等で位相は反転する点を求めるキャリブレーションを意味する。
キャンセラ8の特性を取得する際、A115とA116でTxフィルタ8132とRxフィルタ8731の利用周波数Bandが抑圧帯域になるように設定されているため、キャンセラ8の単体の振幅特性と位相特性を前記制御ビットの広い範囲で、短時間に測定することができるという特徴がある。
粗いキャリブレーションでは、キャンセラのTx−Rxアイソレーション特性を取得(A118)し、先の(A109)で保存したチューナブルフィルタ3のTx−Rx間アイソレーション特性と比較し、双方の間の振幅差と位相差を導出する(A119)。得られた振幅差および位相差が規定値(b)以下であるか否かの判定を行い(A120)、規定値(b)を下回るまで処理A117〜A120を繰り返し実施する。
規定値(b)以下となった場合には(A120のYES)、制御部5は、Txフィルタ32とRxフィルタ31の特性を、先にA103とA104で設定した利用周波数Bandでの設定に戻すよう、周波数Band切替部を調整する(A121とA122)。
続いて粗いキャリブレーションが実施されたチューナブルデュプレクサモジュール7のTx−Rx間アイソレーション特性を取得し、利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションが共に第一の規定値(前記の例では例えば45dB)以上であるか否かの判定を行う(A123)。第一の規定値以下である場合、再びキャリブレーション部を備えた増幅器8000の粗いキャリブレーションに戻り(A117)、第一の規定値以上となる他の制御ビットを求める。
第一の規定値以上となった場合には(A123のYES)、先のA117からA120に至る粗いキャリブレーションにより、Tx−Rx間アイソレーションは目標(前記例では50dB)を満足しなかったとしても、短時間で大きく目標に近づいたことになる。このため、キャリブレーション部を備えた増幅器8000の詳細キャリブレーションを実施する(A124)。
詳細キャリブレーションでは、振幅調整部85、位相調整部84およびバイアス調整部83の特性を制御するビットの設定を、前記した粗いキャリブレーションで定められた値の近傍において狭い範囲で変更する。これにより、粗いキャリブレーションにおいて短時間で改善された利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションを、さらに改善する。
詳細キャリブレーションでは、Txフィルタ8132とRxフィルタ8731の利用周波数Bandを実際に送受信を行う際の設定に戻し、アイソレーションの値(例えば50dB)を測定する。目的とする特性そのものを測定するため、アイソレーションを精度の良く設定できる。一般にはアイソレーションの値を測定するには時間を要するが、既に前記制御ビットは粗いキャリブレーションにより最適値に近い値となっているため、最適値に到るまでの時間を短くすることができる。
このようにして詳細キャリブレーションが実施されたチューナブルデュプレクサモジュール7のTx−Rx間アイソレーション特性を取得し、利用周波数Bandの送信帯域と受信帯域のTx−Rx間アイソレーションが共に第二の規定値以上であるか否かの判定を行う(A125)。第二の規定値以下である場合、再びキャリブレーション部を備えた増幅器8000の詳細キャリブレーション(A124)に戻り、第二の規定値以上となる他の制御ビットを求める。
第二の規定値以上となった場合には、目標を達成したためキャリブレーションを終了する(A126)。
尚、前記したように、第二の規定値は例えばTx−Rx間アイソレーション50dB以上といった要求性能とし、一方、第一の規定値はそれに準ずるものとし、例えばTx−Rx間アイソレーション45dBとし、A124からA125における振幅、位相およびバイアス電圧の調整で要求性能50dBに到達できる値とすると良い。
図4、図5、図6にそれぞれBand18、Band5、Band8のTxフィルタ特性(B103、B112、B121)、Rxフィルタ特性(B104、B113、B122)、チューナブルデュプレクサモジュール7のTx−Rx間アイソレーション特性(B107、B116、B125)を示す。フィルタの周波数Band切替部、キャリブレーション部を備えた増幅器8000の振幅調整部85、位相調整部84、バイアス調整部83を図3のフローチャートに従って調整することにより、図4では815MHz〜830MHzの送信帯域(B101)のチャネル帯域幅(LTE5MHz) (B105)において50dB以上のアイソレーションを得ており(B108)、860MHz〜875MHzの受信帯域(B102)のチャネル帯域幅(LTE5MHz) (B106)において50dB以上のアイソレーションを得ている(B109)。
また図5では824MHz〜849MHzの送信帯域(B110)のチャネル帯域幅(WCDMA3.84MHz) (B114)において50dB以上のアイソレーションを得ており(B117)、869MHz〜894MHzの受信帯域(B111)のチャネル帯域幅(WCDMA3.84MHz) (B115)において50dB以上のアイソレーションを得ている(B118)。
また図6では880MHz〜915MHzの送信帯域(B119)のチャネル帯域幅(WCDMA3.84MHz) (B123)において50dB以上のアイソレーションを得ており(B126)、925MHz〜960MHzの受信帯域(B120)のチャネル帯域幅(WCDMA3.84MHz) (B124)において50dB以上のアイソレーションを得ている(B127)。よって複数の周波数Bandにおいて、一般的なデュプレクサと同等以上の特性が得られている。
図7にキャリブレーション実施前のBand18のTxフィルタ特性(B130)、Rxフィルタ特性(B131)、Tx−Rx間アイソレーション特性(B134)を示す。815MHz〜830MHzの送信帯域(B128)のチャネル帯域幅(LTE5MHz) (B132)においてアイソレーションは50dB以下となり(B135)、860MHz〜875MHzの受信帯域(B129)のチャネル帯域幅(LTE5MHz) (B133)においてアイソレーションは50dB以下となる(B136)。
キャリブレーションを実施する前は、図7に示すような要求性能を満たさないアイソレーションであっても、本実施例におけるキャリブレーションを行うことにより、図4で示したように、送信帯域と受信帯域の双方で目標とする50dB以上のアイソレーションを得られることが分かる。
次に、図8、図9を用い、図3のフローチャートの過程で得られる特性に基づいて本実施例の説明をする。
図8の(a)にチューナブルフィルタ3のTxフィルタ特性(B137)、Rxフィルタ特性(B138)、Tx−Rx間アイソレーション特性(B139)および位相特性(B140)を示す。
図8の(b)にキャンセラ8のTx−Rx間アイソレーション特性(B145)および位相特性(B146)を示す。キャンセラ8のTx−Rx間アイソレーション特性(B145)および位相特性(B146)を取得する際には、図3のフローチャートの説明で述べたように、チューナブルフィルタ73の利用Band帯域を抑圧帯域に設定しているため、Txフィルタ特性(B143)は815MHz〜830MHzの送信帯域(B141)において抑圧帯域に、Rxフィルタ特性(B144)は860MHz〜875MHzの受信帯域(B142)において抑圧帯域となる。
図8の(a)のB139とB140は、図3に示すフローチャートにおけるA109で保存された特性である。また、図8の(b)のB145とB146は、図3に示すフローチャートにおけるA118で取得され、A119で振幅差と位相差を導出するために使用される。これらはネットワークアナライザ等の測定器を用いて取得できるが、移動通信端末内で取得する場合には、利用Band帯域の変調信号を用いると良い。例えば非特許文献3に示すようにLTEのアップリンク信号は、伝送路特性をモニタすることを目的とする変調された基準信号を含むため、その基準信号を用いることでチューナブルフィルタ3の伝送路特性として例えば振幅変化量と位相変化量を取得できる。またチューナブルフィルタ3を利用Band帯域が抑圧帯域となるように設定することにより、キャンセラ8の伝送路特性として例えば振幅変化量と位相変化量を取得できる。取得したチューナブルフィルタ3の振幅変化量と位相変化量、キャンセラ8の振幅変化量と位相変化量より、振幅差と位相差を求めることができる。振幅差は小さいほど、位相差は180度に近いほど、良好なキャンセル効果が望める。
尚、キャンセラ8の伝送路特性を取得するため、チューナブルフィルタ3は利用Band帯域を抑圧帯域としている。キャンセラ8の実動作時(チューナブルフィルタ3は利用Band帯域に最適になるように設定)の伝送路特性と、取得した伝送路特性は必ずしも一致しない。
しかしながら、おおよその収束点を見つけることができるため、振幅調整、位相調整、バイアス電圧調整を目標なくして実施する時に比べてキャリブレーション収束時間は短縮される効果がある。
また伝送路特性を取得する際には、外部に電波が放射されることを防ぐため、アンテナSW2をOFFにする等の措置が必要である。
図9に図3で示したフローチャートに従ってキャリブレーションを実施し、A125での判定がYESである場合の、Band18のTxフィルタ特性(B147)、Rxフィルタ特性(B148)、Tx−Rx間アイソレーション特性(B151)を示す。素子ばらつき、電源電圧変動および温度変動による性能劣化を高精度で補償することができるため、815MHz〜830MHzの送信帯域(B145)のチャネル帯域幅(LTE5MHz)(B149)においてアイソレーションは50dB以上となり(B152)、860MHz〜875MHzの受信帯域(B146)のチャネル帯域幅(LTE5MHz)(B150)においてアイソレーションは50dB以上となる(B153)。即ち、本実施例によれば、チューナブル対応のデュプレクサを使用する場合においても、複数の周波数Bandにおいて従来の一般的なデュプレクサと同等か、それ以上のTx−Rx間アイソレーション特性を得ることができるという効果がある。
なお、図9と先の図4はともにBand18の特性であるが、特性を取得した際の周辺環境が異なり、例えば温度が低温であるために細部で若干の違いがあるが、いずれも目標性能を満足する特性を得ている。
図10は、本実施例を移動通信端末に適用したブロック図を示す。マルチバンドの例としてBand1、2、4、5、8、18を受信する場合、800M〜900MHz帯のBand5、8、18をLow Band、1700M〜2100MHz帯のBand1、2、4をHigh Bandとして端末を構成する。
移動通信端末19は、アンテナ1、アンテナSW2、チューナブルデュプレクサモジュール700、チューナブルデュプレクサモジュール800、RFIC6、LNA705、PA706、LNA805、PA806、制御部707、変復調部14、CPU15、メモリ16、入力部17、出力部18より構成される。
例えばチューナブルデュプレクサモジュール700をHigh Band対応、チューナブルデュプレクサモジュール800をLow Band対応とすると良い。
チューナブルデュプレクサモジュール700は、チューナブルフィルタ701、キャンセラ704、遅延素子702、遅延素子703で構成され、一方チューナブルデュプレクサモジュール800は、チューナブルフィルタ801、キャンセラ804、遅延素子802、遅延素子803で構成され、共に制御部707より制御される。
チューナブルフィルタ3の伝送路特性およびキャンセラ8の伝送路特性を得るまでの処理(A109およびA118)について図10を用いて説明する。変復調部14で生成されるLTEのアップリンク信号の1つである基準信号は、RFIC6にて送信帯にアップコンバートおよび所定のレベルまで増幅される。続いてPA706あるいはPA806にて所定のレベルまで増幅され、チューナブルデュプレクサモジュール700あるいはチューナブルデュプレクサモジュール800に入力される。チューナブルデュプレクサモジュール700あるいはチューナブルデュプレクサモジュール800から出力された基準信号は、LNA705あるいはLNA805を経由して、RFIC6に入力される。RFIC6では送信帯からベースバンド帯へダウンコンバートされ、元の基準信号で複素除算することにより、基準信号に対する伝送路特性を得ることができる。前述の通り、チューナブルフィルタ3の伝送路特性を得る(A109)際はキャンセラ8の電源をOFFに、キャンセラ8の伝送路特性を得る(A118)際はTxフィルタ8132とRxフィルタ8731の利用周波数Bandが抑圧帯域になるように設定されている。
図11は、第2の実施例における移動通信端末用モジュールの構成例を示すブロック図である。送信信号と受信信号の流れは実施例1と同じであるため説明を省略する。ここではPA62出力の送信信号の漏洩成分をキャンセルするための信号をキャンセラ8で、受信帯域の熱雑音の漏洩成分をキャンセルするための信号をキャンセラ9で生成する。キャンセラ8は受信帯域の熱雑音を除去するNoise Canceller88、キャンセラ9は送信信号を除去するTx Canceller98を備える。
以下にキャンセラ8、キャンセラ9を構成するブロックについて詳細に説明する。
送信側結合器89は送信系に対して疎結合にすることによって、約10dB減衰した送信信号と受信帯域の熱雑音をキャンセラ8内に引き込んでいる。一方、受信側結合器80は受信系に対して疎結合にすることによって、振幅、位相の調整がされた送信信号を約10dB減衰させた後にチューナブルフィルタ3出力の受信系に合成する。Rxフィルタ87では送信信号が約30dB減衰され、Txフィルタ81では受信帯域の熱雑音が約30dB減衰される。
キャリブレーション部を備えた増幅器8001は、引き込んだ送信信号と同一振幅、逆位相となる信号を精度良く生成するため、入力端にマッチング部86、出力端にマッチング部82を備え、振幅調整部85、位相調整部84、バイアス調整部83を備える。振幅調整部85、位相調整部84、バイアス調整部83の順番については一例であって、これに限定されるものではない。
Noise Canceller88は、移相器と合成器で構成すると良い。PA62出力の受信帯域の熱雑音は移相器にて180度反転され、合成器にて受信帯域の熱雑音はキャンセルされ、位相反転のない送信信号は通過する。
一方、送信側結合器99は送信系に対して疎結合にすることによって、約10dB減衰した送信信号と受信帯域の熱雑音をキャンセラ9内に引き込んでいる。一方、受信側結合器90は受信系に対して疎結合にすることによって、振幅、位相の調整がされた受信帯域の熱雑音を約10dB減衰させた後にチューナブルフィルタ3の出力の受信系に合成する。Rxフィルタ97では送信信号が約30dB減衰され、Txフィルタ91では受信帯域の熱雑音が約30dB減衰される。
キャリブレーション部を備えた増幅器9001は、引き込んだ送信信号と同一振幅、逆位相となる信号を精度良く生成するため、入力端にマッチング部96、出力端にマッチング部92を備え、振幅調整部95、位相調整部94、バイアス調整部93を備える。振幅調整部95、位相調整部94、バイアス調整部93の順番については一例であって、これに限定されるものではない。
Tx Canceller98は、移相器と合成器で構成すると良い。PA62出力の送信信号は移相器にて180度反転され、合成器にて送信信号はキャンセルされ、位相反転のない受信帯域の熱雑音は通過する。
チューナブルデュプレクサモジュール7のキャリブレーションを実施するにあたって、実施例1と同様に、まずチューナブルフィルタ3のキャリブレーションを実施する。そのキャリブレーション後にチューナブルフィルタ3のTx−Rx間アイソレーション特性を、チューナブルデュプレクサモジュール7あるいはRFIC6が備えるメモリに保存する。続いてキャンセラ8とキャンセラ9のキャリブレーションを実施する際は、キャンセラ8のTx−Rx間アイソレーション特性、キャンセラ9のTx−Rx間アイソレーション特性をそれぞれ取得する。取得する際、チューナブルフィルタ3は利用Band帯域が抑圧帯域になるように設定し、更にキャンセラ8とキャンセラ9間の干渉が発生しないよう、どちらか一方の電源はOFFとされる。取得したチューナブルフィルタ3の振幅変化量と位相変化量、キャンセラ8の振幅変化量と位相変化量、キャンセラ9の振幅変化量と位相変化量より、振幅差と位相差を求めることができる。求めた振幅差と位相差に基づいて、振幅調整、位相調整、バイアス電圧調整を実施する。
本実施例では、PA62出力の送信信号をキャンセルするための信号をキャンセラ8で、受信帯域の熱雑音をキャンセルするための信号をキャンセラ9で生成するため、キャンセラ1つあたりがカバーする帯域が小さくて済む。そのため、キャンセル量の精度を向上できるという特徴がある。
図12は、第3の実施例における移動通信端末用モジュールの構成例を示すブロック図である。送信信号と受信信号の流れは実施例1と同じであるため説明を省略する。ここではPA62出力の送信信号の漏洩成分と受信帯域の熱雑音の漏洩成分をキャンセルするための信号をキャンセラ8で生成するが、キャンセラ8内部で信号経路を分岐させて、一方では送信信号、他方では受信帯域の熱雑音をキャンセルするための信号を生成する。送信信号をキャンセルするための信号を生成する系には受信帯域の熱雑音を除去するNoise Canceller837、受信帯域の熱雑音をキャンセルするための信号を生成する系には送信信号を除去するTx Canceller839を備える。
以下にキャンセラ8の構成するブロックについて詳細に説明する。
送信側結合器89は送信系に対して疎結合にすることによって、約10dB減衰した送信信号と受信帯域の熱雑音をキャンセラ8内に引き込んでいる。一方、受信側結合器80は受信系に対して疎結合にすることによって、振幅、位相、遅延の調整がされた送信信号と受信帯域の熱雑音を約10dB減衰させた後にチューナブルフィルタ3出力の受信系に合成する。Rxフィルタ87では送信信号が約30dB減衰され、Txフィルタ81では受信帯域の熱雑音が約30dB減衰される。Rxフィルタ87出力には分配器838が接続され、一方はNoise Canceller837、他方はTx Canceller839へ分岐される。Txフィルタ81入力には合成器831が接続され、分岐された系を合成している。キャリブレーション部を備えた増幅器8002は、引き込んだ送信信号と同一振幅、逆位相となる信号を精度良く生成するため、入力端にマッチング部836、出力端にマッチング部832を備え、振幅調整部835、位相調整部834、バイアス調整部833を備える。振幅調整部835、位相調整部834、バイアス調整部833の順番については一例であって、これに限定されるものではない。
一方、キャリブレーション部を備えた増幅器9002は、引き込んだ送信信号と同一振幅、逆位相となる信号を精度良く生成するため、入力端にマッチング部840、出力端にマッチング部844を備え、振幅調整部841、位相調整部842、バイアス調整部843を備える。振幅調整部841、位相調整部842、バイアス調整部843の順番については一例であって、これに限定されるものではない。
Noise Canceller837は、移相器と合成器で構成すると良い。分配器838出力の受信帯域の熱雑音は移相器にて180度反転され、合成器にて受信帯域の熱雑音はキャンセルされ、位相反転のない送信信号は通過する。
Tx Canceller839は、移相器と合成器で構成すると良い。分配器838出力の送信信号は移相器にて180度反転され、合成器にて送信信号はキャンセルされ、位相反転のない受信帯域の熱雑音は通過する。
チューナブルデュプレクサモジュール7のキャリブレーションを実施するにあたって、実施例1と同様に、まずチューナブルフィルタ3のキャリブレーションを実施する。そのキャリブレーション後にチューナブルフィルタ3のTx−Rx間アイソレーション特性をチューナブルデュプレクサモジュール7あるいはRFIC6が備えるメモリに保存する。続いてキャンセラ8のキャリブレーションを実施する際は、キャンセラ8のTx−Rx間アイソレーション特性を取得する。取得する際、チューナブルフィルタ3は利用Band帯域が抑圧帯域になるように設定し、更にキャリブレーション部を備えた増幅器8002と増幅器9002間の干渉が発生しないよう、どちらか一方の電源はOFFとされる。取得したチューナブルフィルタ3の振幅変化量と位相変化量、キャンセラ8の振幅変化量と位相変化量より、振幅差と位相差を求めることができる。求めた振幅差と位相差に基づいて、振幅調整、位相調整、バイアス電圧調整を実施する。
本実施例ではPA62出力の送信信号と受信帯域の熱雑音をキャンセラ8内で別々に処理するため、広帯域増幅器1つあたりがカバーする帯域が小さくて済む。そのため、キャンセル量の精度を向上できる。また送信側結合器と受信側結合器が一つずつで済むため、送信系と受信系の通過損失を低減できるという特徴がある。
1:アンテナ、2:アンテナSW、3,701,801:チューナブルフィルタ、31,87,97:Rxフィルタ、32,81,91:Txフィルタ、8,9,704,804:キャンセラ、80,90:受信側結合器、89,99:送信側結合器、8000,8001,8002,9001,9002:キャリブレーション部を備えた増幅器、82,86,92,96,832,836,840,844,8101,8104:マッチング部、5,707:制御部、6:RFIC、7,700,800:チューナブルデュプレクサモジュール、10,11,702,703,802,803:遅延素子、14:変復調部、15:CPU、16:メモリ、17:入力部、18:出力部、19:移動通信端末、61,705,805:LNA、62,706,806:PA、88,837:Noise Canceller、98,839:Tx Canceller、8102,8105:位相調整部、8103:振幅調整部、8106,8107:バイアス調整部、8108,8111:インダクタ、8109,8110:NMOSトランジスタ、831:合成器、838:分配器。

Claims (6)

  1. 送信周波数と受信周波数はそれぞれ異なる帯域を使用して、送受信同時動作を行う移動通信端末用モジュールであって、
    送信信号と受信信号を分離し、複数の周波数バンドを選択的に通過させる可変特性を有するフィルタと、
    送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするキャンセラを備え、
    前記キャンセラはキャリブレーション部を有する増幅器を備え、
    前記キャリブレーション部は振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を備えることを特徴とする移動通信端末用モジュール。
  2. 請求項1に記載の移動通信端末用モジュールであって、
    前記キャリブレーション部は、送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするためのキャリブレーション動作を複数ステップ行い、粗いキャリブレーションを行った後、詳細キャリブレーションを行うことを特徴とする移動通信端末用モジュール。
  3. 請求項2に記載の移動通信端末用モジュールであって、
    前記粗いキャリブレーション時には、前記フィルタと前記キャンセラの各々の振幅特性と位相特性を取得して求めた振幅差と位相差に基づき、前記キャリブレーション部は、振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を調整することを特徴とする移動通信端末用モジュール。
  4. 請求項3に記載の移動通信端末用モジュールであって、
    前記詳細キャリブレーション時には、前記キャリブレーション部は、前記振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を前記粗いキャリブレーションで求めた収束点の近傍で調整することを特徴とする移動通信端末用モジュール。
  5. 送信周波数と受信周波数はそれぞれ異なる帯域を使用して、送受信同時動作を行う移動通信端末であって、
    送信信号と受信信号を分離し、複数の周波数バンドを選択的に通過させる可変特性を有するフィルタと、
    送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするキャンセラを備え、
    前記キャンセラはキャリブレーション部を有する増幅器を備え、
    前記キャリブレーション部は振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を備え、
    前記キャリブレーション部は、送信側から受信側に漏れこむ送信信号および受信帯域の熱雑音を所定量キャンセルするためのキャリブレーション動作を複数ステップ行い、粗いキャリブレーションを行った後、詳細キャリブレーションを行うことを特徴とする移動通信端末。
  6. 請求項5に記載の移動通信端末であって、
    前記粗いキャリブレーション時には、前記フィルタと前記キャンセラの各々の振幅特性と位相特性を取得して求めた振幅差と位相差に基づき、前記キャリブレーション部は、振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を調整し、
    前記詳細キャリブレーション時には、前記振幅調整部、位相調整部、バイアス調整部を前記粗いキャリブレーションで求めた収束点の近傍で調整することを特徴とする移動通信端末。
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