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JP2013145024A - 円筒ころ軸受用保持器 - Google Patents

円筒ころ軸受用保持器 Download PDF

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喜重 武田
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Abstract

【課題】脱落防止爪を有するもみ抜き型の円筒ころ軸受用保持器において、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる円筒ころ軸受用保持器を提供する。
【解決手段】中心線方向に対向させた一対の環状体51と、この両環状体51を連結する複数の柱体52と、両環状体51及び柱体52により形成されて周方向に複数箇所設けられるポケット53と、ポケット53に転動可能に保持される円筒ころ4と、柱体52が円筒ころ4に周方向の両側にて摺接する摺接面52a,52bから、径方向内側に突出して円筒ころ4が抜け落ちるのを規制する爪54と、を備える保持器5において、円筒ころ4と爪54との間には隙間Sが形成され、柱体52には周方向の両端面52a,52b間を貫通する貫通孔55が形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、円筒ころ軸受用保持器に関する。
風力発電設備等の回転支持部を支持する大型の円筒ころ軸受は、内輪と外輪との間の環状の軸受内部空間に配置される複数の円筒ころと、これらの円筒ころを所定間隔で転動可能に保持するポケットが形成された保持器と、を備えている。この保持器としては、大型で強度を必要とすることから、機械加工して製作されるもみ抜き型の保持器が多く使用されている。このもみ抜き型の保持器には、軸受の組立時に円筒ころがポケットから径方向の内側又は外側への脱落を防止するための脱落防止構造が設けられている。例えば、この脱落防止構造は、隣接するポケット間に形成される柱体の周方向両端面から径方向内側且つ円筒ころの周面へ向かってそれぞれ突出する爪が、円筒ころを包み込むように曲げて形成されている。これにより、円筒ころがポケットから径方向内側への脱落を規制して脱落防止している。(特許文献1)
実開平5−12753号公報
上記の円筒ころ軸受は、軸受内部の潤滑油が回転輪の回転や保持器の回転にともなって、軸受内部空間を飛散する。円筒ころと爪との間の隙間が保持器の回転方向に開口している箇所においては、爪によって飛散する潤滑油がこの隙間へ掻き入れられて保持器と円筒ころとの間に送り込まれる。一方、円筒ころと爪との間の隙間が保持器の回転方向とは逆の方向に開口している箇所においては、爪によって飛散する潤滑油がこの隙間へ掻き入れられないので保持器と円筒ころとの間に送り込まれない。そのため、軸受の回転方向により保持器と円筒ころとの間の潤滑状態に違いがあった。そこで、脱落防止爪を有するもみ抜き型の円筒ころ軸受用保持器は、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることが課題となっていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、脱落防止爪を有するもみ抜き型の円筒ころ軸受用保持器において、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる円筒ころ軸受用保持器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る円筒ころ軸受用保持器の構成上の特徴は、中心線方向に対向させた一対の環状体と、この両環状体を連結する複数の柱体と、前記両環状体及び前記柱体により形成されて周方向に複数箇所設けられるポケットと、前記ポケットに転動可能に保持される円筒ころと、前記柱体が前記円筒ころに周方向の両側にて摺接する両摺接面から、径方向の内側又は外側のいずれか一方にそれぞれ突出して前記円筒ころが抜け落ちるのを規制する爪と、を備える円筒ころ軸受用保持器において、
前記円筒ころと前記爪との間には隙間が形成され、前記柱体には前記両摺接面間を貫通する貫通孔が形成されることである。
請求項1の円筒ころ軸受用保持器によれば、円筒ころと爪との間の隙間が保持器の回転方向に開口している箇所においては、保持器の回転などにより軸受内部空間を飛散する潤滑油が、爪によってこの隙間へ掻き入れられて保持器と円筒ころとの間に送り込まれる。その潤滑油が貫通孔を介して隣接するポケットに導かれるため、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる。
請求項2に係る円筒ころ軸受用保持器の構成上の特徴は、前記柱体には前記貫通孔が複数形成され、前記貫通孔は、前記爪の根元から、前記柱体に対して前記根元側の前記摺接面とは周方向に反対側の前記摺接面であって前記摺接面と前記円筒ころとが摺接する位置近傍に向かって形成されていることである。
請求項2の円筒ころ軸受用保持器によれば、柱体に対して周方向両側に形成されるポケットのうち一方のポケットの爪と円筒ころとの間の隙間が保持器の回転方向に開口している箇所においては、保持器の回転などにより軸受内部空間を飛散する潤滑油が、爪によってこの隙間へ掻き入れられて保持器と円筒ころとの間に送り込まれる。また、爪によって掻き入れられた潤滑油が、油量が多い爪の根元から貫通孔を介して他方のポケットの円筒ころが潤滑油を必要とする摺接位置近傍に導かれるため、他方のポケットにおいても潤滑性が良好である。一方、軸受の回転方向が逆転した場合には、他方のポケット側の爪によって掻き入れられた潤滑油が他方のポケットに送り込まれる。また、その潤滑油が貫通孔を介して一方のポケットの円筒ころが摺接する位置近傍に導かれるため、一方のポケットにおいても潤滑性が良好である。これにより、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる。
請求項3に係る円筒ころ軸受用保持器の構成上の特徴は、前記貫通孔の両開口端のうち前記爪の前記根元側に位置する開口端が、前記貫通孔の直径よりも拡径されていることである。
請求項3の円筒ころ軸受用保持器によれば、保持器の空洞が増大することによる強度低下を抑制しつつ、爪によって掻き入れられた潤滑油が貫通孔に導入され易くなる。これにより、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる。
請求項4に係る円筒ころ軸受用保持器の構成上の特徴は、前記貫通孔の軸方向の位置は、前記爪の軸方向の位置と略同一であることである。
請求項4の円筒ころ軸受用保持器によれば、爪によって掻き入れられた潤滑油が短い距離で貫通孔に到達することにより、貫通孔を介して隣接するポケットに効率よく導かれる。これにより、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる。
本発明によれば、脱落防止爪を有するもみ抜き型の円筒ころ軸受用保持器において、軸受の回転方向にかかわらず保持器と円筒ころとの間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる円筒ころ軸受用保持器を提供できる。
本発明の一実施形態である円筒ころ軸受用保持器を備える円筒ころ軸受の軸方向断面図である。 上記円筒ころ軸受における保持器の斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図3の要部拡大図である。 図2のB−B断面図である。
以下、本発明の円筒ころ軸受用保持器を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態、例えば、風力発電設備等の回転支持部を支持する大型の軸受である円筒ころ軸受用保持器5を備える円筒ころ軸受1の軸方向断面図である。図1を参照しつつ説明する。
円筒ころ軸受1は、内周面に軌道面21を有する外輪2と、外周面に軌道面31を有して回転輪となる内輪3と、外輪2と内輪3とのそれぞれの軌道面21,31の相互間に周方向に配置された複数の円筒ころ4と、外輪2の内周面に摺接して案内され円筒ころ4を周方向に所定間隔をおいて転動可能に保持する保持器5(円筒ころ軸受用保持器)と、から構成される。
図2は、円筒ころ軸受1における保持器5の斜視図である。図3は、図1のA−A断面図である。図2及び図3を参照しつつ説明する。保持器5は、円筒ころ軸受1の軸方向に対向させた一対の環状体51と、この両環状体51を連結する複数の柱体52と、両環状体51及び柱体52により形成されて円筒ころ4を転動可能に保持して周方向に複数箇所設けられるポケット53と、柱体52の周方向の両側から径方向内側にそれぞれ突出してポケット53に入れられた円筒ころ4が径方向内側へ抜け落ちるのを規制する爪54と、から構成される。
爪54は、柱体52の周方向の両端面(摺接面)から径方向内側且つ円筒ころの周面へ向かってそれぞれ突出して、円筒ころ4を包み込むように曲げて円筒ころ4と爪54との間に隙間Sを形成する。この爪54は軸方向には2列形成されている。
柱体52には、周方向の両端面間を貫通して隣接するポケット53間を連通する貫通孔55が形成されている。一つの柱体52には、軸方向の一方の爪54の列に周方向に対して傾斜する方向が異なる2個の貫通孔55が形成され、爪54は2列形成されるので、合計4個の貫通孔55が形成されている。また、貫通孔55の直径は全長に亘って同一に形成されている。
図4は、図3の要部拡大図である。図4を参照しつつ説明する。実線で示す貫通孔55(貫通孔55aとも呼ぶ)の構成について、柱体52の周方向一方の端面52a側の開口位置(開口端)と、周方向他方の端面52b側の開口位置に分けて説明する。
貫通孔55aのうち端面52a側の開口位置P1(開口位置P1aとも呼ぶ)は、端面52a側の爪54(爪54aとも呼ぶ)の根元54a1に形成されている。
一方、端面52b側の開口位置P2(開口位置P2bとも呼ぶ)は、端面52b側の柱体52と円筒ころ4(円筒ころ4bとも呼ぶ)とが周方向に摺接する位置52b1に形成されている。
また、破線で示す貫通孔55(貫通孔55bとも呼ぶ)の構成についても、端面52b側の開口位置と、端面52a側の開口位置に分けて説明する。
貫通孔55bのうち端面52b側の開口位置P1(開口位置P1bとも呼ぶ)は、端面52b側の爪54(爪54bとも呼ぶ)の根元54b1に形成されている。
一方、端面52a側の開口位置P2(開口位置P2aとも呼ぶ)は、端面52a側の柱体52と円筒ころ4(円筒ころ4aとも呼ぶ)とが周方向に摺接する位置52a1に形成されている。
次に、内輪3が矢印Cの方向に回転したときの、潤滑油の動きについて説明する。内輪3が矢印Cの方向に回転すると、円筒ころ4は矢印Dの方向に回転しながら矢印Eの方向に動き、保持器5は円筒ころ4に押し付けられて矢印Eの方向に回転する。内輪3の回転や保持器5の回転にともなって、外輪2と内輪3との間の環状空間である軸受内部空間6を潤滑油が飛散する。この潤滑油は、爪54aによって矢印Fで示すように爪54aと円筒ころ4aとの間に形成される隙間S(隙間Saとも呼ぶ)へ掻き入れられて、保持器5と円筒ころ4aとの間に送り込まれる。この潤滑油が、保持器5と円筒ころ4aとの摺接部を潤滑するとともに、矢印Fで示すように開口位置P1aから貫通孔55aを介して開口位置P2bに到達して、保持器5と円筒ころ4bとの摺接部を潤滑する。
一方、内輪3が矢印Cの方向とは逆の方向に回転すると、軸受内部空間6を飛散する潤滑油は、爪54bによって爪54bと円筒ころ4bとの間に形成される隙間S(隙間Sbとも呼ぶ)へ掻き入れられて保持器5と円筒ころ4bとの間に送り込まれる。この潤滑油が、保持器5と円筒ころ4bとの摺接部を潤滑するとともに、開口位置P1bから貫通孔55bを介して開口位置P2aに到達して、保持器5と円筒ころ4aとの摺接部を潤滑する。
これにより、軸受の回転方向にかかわらず保持器5と円筒ころ4との間の潤滑状態の違いを低減できる。
図5は、図2のB−B断面図である。図5を参照しつつ説明する。軸方向における貫通孔55は、一つの爪54に対応して周方向に対して傾斜方向が異なる貫通孔55a,55bが、軸方向の位置を爪54と略同一にて形成されている。
これにより、爪54によって掻き入れられた潤滑油が短い距離で貫通孔55に到達する。このように、潤滑油は貫通孔55を介して隣接し図2に示すポケット53に効率よく導かれる。このため、軸受の回転方向にかかわらず保持器5と円筒ころ4との間の潤滑状態の違いを低減できる。
以上のように、本実施の形態に係る保持器5によれば、脱落防止爪を有するもみ抜き型の円筒ころ軸受用保持器において、軸受の回転方向にかかわらず保持器5と円筒ころ4との間の潤滑状態の違いを低減して潤滑性を向上させることができる円筒ころ軸受用保持器を提供できる。
なお、上記実施形態では、貫通孔55が柱体5に複数形成される構成としたが、それに限るものではなく、例えば、回転輪の回転方向が1方向である場合などにおいては、回転方向に合わせて貫通孔を傾斜させ、柱体の1箇所に貫通孔が形成される構成に適用しても良い。
また、上記実施形態では、貫通孔55の直径は全長に亘って同一に形成される構成としたが、それに限るものではなく、例えば、貫通孔55の両開口位置P1,P2のうち爪54の根元側に位置する開口位置P1側の直径が、貫通孔55の直径よりも拡径される構成に適用しても良い。この場合には、保持器の空洞が増大することによる強度低下を抑制しつつ、爪によって掻き入れられた潤滑油が貫通孔に導入され易くなる。このため、保持器と円筒ころとの間の潤滑性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、爪54が軸方向には2列設けられる構成としたが、それに限るものではなく、例えば、円筒ころの軸方向の長さが長い場合には爪が3列以上であっても良い。また、円筒ころの軸方向の長さが短い場合には爪が単列であっても良い。
また、上記実施形態では、円筒ころ軸受1が、単列の円筒ころ4からなる構成としたが、それに限るものではなく、例えば、複列の円筒ころからなる構成に適用しても良い。
また、上記実施形態では、円筒ころ軸受1が、密封装置を装着しない構成としたが、それに限るものではなく、例えば、密封装置を装着する構成に適用しても良い。
また、上記実施形態では、保持器5が外輪2により案内される構成としたが、それに限るものではなく、例えば、保持器が内輪により案内される構成に適用してもよい。保持器が内輪案内されるとした場合には、脱落防止爪が柱体から径方向外側に突出する構成となる。
1:円筒ころ軸受、 2:外輪、 3:内輪、 4,4a,4b:円筒ころ、 5:保持器(円筒ころ軸受用保持器)、 6:軸受内部空間、 21:軌道面、 31:軌道面、 51:環状体、 52:柱体、 52a,52b:端面(摺接面)、 52a1,52b1:位置、 53:ポケット、 54,54a,54b:爪、 55,55a,55b:貫通孔、 54a1,54b1:根元、 P1,P1a,P1b,P2,P2a,P2b:開口位置(開口端)、 S,Sa,Sb:隙間

Claims (4)

  1. 中心線方向に対向させた一対の環状体と、この両環状体を連結する複数の柱体と、前記両環状体及び前記柱体により形成されて周方向に複数箇所設けられるポケットと、前記ポケットに転動可能に保持される円筒ころと、前記柱体が前記円筒ころに周方向の両側にて摺接する両摺接面から、径方向の内側又は外側のいずれか一方にそれぞれ突出して前記円筒ころが抜け落ちるのを規制する爪と、を備える円筒ころ軸受用保持器において、
    前記円筒ころと前記爪との間には隙間が形成され、前記柱体には前記両摺接面間を貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする円筒ころ軸受用保持器。
  2. 前記柱体には前記貫通孔が複数形成され、前記貫通孔は、前記爪の根元から、前記柱体に対して前記根元側の前記摺接面とは周方向に反対側の前記摺接面であって前記摺接面と前記円筒ころとが摺接する位置近傍に向かって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  3. 前記貫通孔の両開口端のうち前記爪の前記根元側に位置する開口端が、前記貫通孔の直径よりも拡径されていることを特徴とする請求項2に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  4. 前記貫通孔の軸方向の位置は、前記爪の軸方向の位置と略同一であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の円筒ころ軸受用保持器。
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