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JP2013037747A - 波長選択回折素子及びこれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents

波長選択回折素子及びこれを用いた光ヘッド装置 Download PDF

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JP2013037747A JP2011174016A JP2011174016A JP2013037747A JP 2013037747 A JP2013037747 A JP 2013037747A JP 2011174016 A JP2011174016 A JP 2011174016A JP 2011174016 A JP2011174016 A JP 2011174016A JP 2013037747 A JP2013037747 A JP 2013037747A
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Hiroyuki Arishima
裕之 有嶋
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幸宏 垰
Takuji Nomura
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Abstract

【課題】従来のものよりも優れた回折効率を有する波長選択回折素子及びこれを用いた光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】透明基板11と、凹凸部材12と、充填部材13とを備え、少なくとも405nm波長帯、660nm波長帯及び785nm波長帯の波長λ、λ及びλを有する入射光が入射される波長選択回折素子10であって、凹凸部材12または充填部材13を構成する第2の光学材料Bは、重合性基を有する表面修飾剤で表面被覆された平均粒子径3nm以上15nm以下の酸化ジルコニウム粒子と、1個の重合性基と炭素数10以上14以下の脂環式構造を有する一官能性化合物と、を含有する光重合性成組成物を硬化させてなる波長選択回折素子10。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに異なる波長の光を選択的に透過または回折させる波長選択回折素子及びこれを用いた光ヘッド装置に係り、より詳細には、光ストレージを扱う光学系として、CD、DVD、光磁気ディスクなどの光記録媒体および、「Blu−ray」(登録商標:以下BD)などの高密度光記録媒体(以下、「光ディスク」という)に情報の記録および/または再生(以下、「記録・再生」という。)を行う光ヘッド装置に用いる波長選択回折素子、及びこれを用いた光ヘッド装置に関する。
光記録媒体としてDVDやCDなどの光ディスクが普及し、高密度情報記録光ディスクBDが製品化され、光ディスクへの情報の記録及び光ディスクに記録されている情報の再生に光ヘッド装置が用いられる。
光ヘッド装置では、半導体レーザ等の光源から、各光ディスクの規格に対応した波長の光を出射し、各波長に対応した開口数NAを有する対物レンズにより、光源からの出射光を光ディスクの情報記録面に集光し、その反射光をビームスプリッタにより分岐して光検出器で受光し、これを電気信号に変換することで情報の記録・再生を行っている。
BD、DVD、CDでは、記録・再生に用いられるレーザ光の波長が異なり、BDでは395nm〜425nmの波長帯のレーザ光、DVDでは640nm〜680nmの波長範囲のレーザ光、CDでは765nm〜805nmの波長範囲のレーザ光がそれぞれ用いられている。
このため、BD、DVD、CD等の複数の光ディスクに対応した光ヘッド装置では、各使用波長域に対応した波長帯の光を出射する光源、及びこれに対応した開口数NAを有する対物レンズが用いられる。具体的には、BDでは405nm波長帯、DVDでは660nm波長帯、CDでは785nm波長帯の光を出射する半導体レーザが用いられる。
また、光ヘッド装置の記録・再生では、トラッキングサーボ信号の検出機能により、光源から発射されたレーザ光の動作を制御したうえで、光ディスクの情報記録面上にトレースする。
トラッキングサーボ信号としては、例えば、光ディスクに至る往路の光路中に配置した回折素子により、半導体レーザからの出射光を直進透過光(0次回折光)と±1次回折光に分岐させる3ビーム方式が用いられる。
また、複数に分割された領域に、入射光束毎に異なる格子パターンが形成された回折素子(以下、ホログラム回折素子と示す。)を、光ディスクから光検出器に至る復路の光路中に配設し、信号光を複数の回折光に分岐してトラッキングサーボ信号を生成するホログラム方式等も用いられる。
近年、ノートパソコン等の機器の小型化、薄型化に伴い、これに搭載されるBD、DVD、CD用の光ヘッド装置に関しても、より小型化、軽量化が求められている。
しかし、上記のような複数の光ディスクに対応した光ヘッド装置では、各光ディスクの使用波長毎に別個に各部材を配設すると、装置全体が大型化し、また構成部材の数が多くなり、装置の質量が増加するという問題がある。
このため、光ヘッド装置の小型化、軽量化の観点から、BD用、DVD用、CD用の各波長帯の光の光路を共通化し、これら複数の波長帯の光に対して所望の光学特性を示す光学部品の使用が試みられている。
近年、光源としては、既にDVD用の波長帯の光を出射する半導体レーザとCD用の光を発射する半導体レーザとを集積化した、2波長用半導体レーザが用いられており、またDVD用、CD用を含む2波長用半導体レーザに、BD用半導体レーザを一体化した3波長用半導体レーザも開発されている。
また、光検出器としては、DVDで反射される信号光とCDで反射される信号光とを共通の単一パッケージで受光可能なものも用いられている。
例えば特許文献1には、複数の波長の出射光を合波し、共通化した光路中に配設してなる波長選択回折素子が開示されている。
特許文献1の波長選択回折素子は、BD等の使用波長域で透明性を有する、ポリエステル系、ポリエーテル系、アクリル系、エポキシ系等の高分子材料からなる凹凸部及び充填部で構成されており、当該回折素子の格子ピッチや格子形状を調整することで、特定波長の光のみを選択的に回折するように構成されている。
また、ホログラム方式においても同様に、3波長の光を共通化した光路の復路中にホログラム回折素子を配設することが試みられている。
この場合、例えばホログラム回折格子のパターンを調整することで、単一パッケージとした光検出器の受光面に対して複数波長の回折光を共通に入射可能とし、光検出器の受光面数や受光面の面積の低減を図ることができる。
しかし、特許文献1に開示の波長選択回折素子では、凹凸部及び充填部で得られる屈折率が必ずしも高くなく、両者の屈折率差を十分に確保できない問題があった。
このため、例えば660nmの波長域で凹凸部の屈折率と充填部の屈折率が一致するときに、405nmの波長域での両者の屈折率差は0.008程度であった。このため、例えばバイナリー形の格子形状を採用した場合には、所望の1次回折効率を得ることは困難であった。
WO2007/069660号公報
本発明は、上記課題の解決のためになされ、従来のものよりも優れた回折効率を有する波長選択回折素子及びこれを用いた光ヘッド装置の提供を目的とする。
すなわち、本発明の波長選択回折素子は、透光性を有する透明基板と、前記透明基板上に形成され、一方向に延在するように周期的に形成された凹凸形状を有する凹凸部材と、少なくとも前記凹凸部材を埋めるように充填された充填部材とを備え、少なくとも405nm波長帯の波長(λ)、660nm波長帯の波長(λ)及び785nm波長帯の波長(λ)を有する入射光が入射される波長選択回折素子であって、前記凹凸部材及び充填部材はそれぞれ、高波長分散性を有する第1の光学材料A又は低波長分散性を有する第2の光学材料Bのいずれか一方で形成されており、前記第1の光学材料Aの屈折率nA及び前記第2の光学材料Bの屈折率nBは、前記波長λの光に対して|nA−nB|≦0.006でありかつ前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA−nB|>0.006であるか、または前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA−nB|≦0.006であり、かつ前記波長λの光に対して|n(A)−n(B)|>0.006の関係を満たしており、前記低波長分散性を有する第2の光学材料Bは、重合性基を有する表面修飾剤で表面被覆された平均粒子径3nm以上15nm以下の酸化ジルコニウム粒子と、1個の重合性基と炭素数10以上14以下の脂環式構造を有する一官能性化合物と、を含有する光重合性成組成物を硬化させてなることを特徴とする。
前記第1の光学材料Aの屈折率nA及び前記第2の光学材料Bの屈折率nBが、前記波長λ、λ、λのうち波長λの光に関して|nA−nB|≦0.006、かつ波長λ、波長λの光に関して|nA−nB|≧0.013の関係にあり、波長λの光に対する0次回折効率が90%以上であるか、または、前記波長λ、λ、λのうち波長λ、波長λの光に関して|nA−nB|≦0.006、かつ波長λの光に関して|nA−nB|≧0.015の関係にあり、波長λ及びλの光に対する0次回折効率が90%以上であることが好ましい。
また、前記一官能性化合物の脂環式骨格がアダマンタン、ジアマンタン、またはトリシクロデカンのいずれかであり、前記重合性基がアクリル基またはメタクリル基が好ましい。また、前記表面修飾剤は、下記一般式(1)で示される化合物が好ましい。
Figure 2013037747
(式(1)中、Aは水素原子又はメチル基を表し、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
また、光重合性組成物における前記酸化ジルコニウム粒子の含有量は45質量%以上70質量%以下が好ましい。また、前記高波長分散性を有する第1の光学材料Aは、芳香族化合物を含有することが好ましい。また、前記高波長分散性を有する第1の光学材料Aの屈折率nとアッベ数νが10<ν<35、1.55<n<1.70の範囲内にあり、かつ、前記低波長分散性を有する第2の光学材料Bの屈折率nとアッベ数νが38<ν<58、1.53<n<1.78、かつ、n>1.804−0.005νの範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の光ヘッド装置は、少なくとも405nm波長帯の波長(λ)、660nm波長帯の波長(λ)及び785nm波長帯の波長(λ)を有する入射光を出射する光源と、前記光を光ディスクの記録層に集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記光源と前記対物レンズとの間の光路上、又は前記対物レンズと前記光検出器との間の光路上に、上記した本発明の波長選択回折素子を設置してなることを特徴とする。
本発明によれば、低波長分散性を有する光学材料として、脂環式構造を有する重合性モノマー成分(一官能性化合物)とともに、酸化ジルコニウム粒子を含有してなる重合性組成物の硬化体を用いることで、当該低波長分散性を有する光学材料の屈折率を向上でき、従来のものよりも回折効率に優れた波長選択回折素子とできる。
本発明の第1の実施形態に係る波長選択性回折素子の態様を示す模式的な横断面図。 本発明の第1の実施形態に係る波長選択性回折素子において、凹凸部材及び充填部材に入射する入射光の波長と透過率との関係を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る波長選択性回折素子の態様を示す模式的な横断面図。 本発明の第2の実施形態に係る波長選択性回折素子において、凹凸部材及び充填部材に入射する入射光の波長と透過率との関係を示す図。 本発明の波長選択回折素子の製造工程を示す断面図。 本発明の第3の実施形態に係る波長選択性回折素子の態様を示す模式的な横断面図。 本発明の一実施形態である光ヘッド装置の構成を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いられる「平均粒子径」は、透過型走査顕微鏡(TEM)により評価した値である。
また、「光重合性組成物」とは、紫外線の照射によって重合反応を起こすラジカル重合性の化合物を含む組成物をいう。
また、「(メタ)アクリル基」は、「アクリル基」または「メタクリル基」をいう。
また、本明細書において、凹凸部材及び充填部材を構成する光学材料のうち、高波長分散性を有する光学材料を第1の光学材料Aとし、低波長分散性を有する光学材料を第2の光学材料Bとする。
本発明の波長選択回折素子は、透光性を有する透明基板と、前記透明基板上に形成され、一方向に延在するように周期的に形成された凹凸形状を有する凹凸部材と、少なくとも前記凹凸部材を埋めるように充填された充填部材とを備え、少なくとも405nm波長帯の波長(λ)、660nm波長帯の波長(λ)及び785nm波長帯の波長(λ)を有する入射光が入射される波長選択回折素子であって、前記凹凸部材及び充填部材はそれぞれ、高波長分散性を有する第1の光学材料A又は低波長分散性を有する第2の光学材料Bのいずれか一方で形成されており、前記第1の光学材料Aの屈折率nA及び前記第2の光学材料Bの屈折率nBは、前記波長λの光に対して|nA−nB|≦0.006でありかつ前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA−nB|>0.006であるか、または前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA−nB|≦0.006であり、かつ前記波長λの光に対して|n(A)−n(B)|>0.006の関係を満たしており、前記低波長分散性を有する第2の光学材料Bは、重合性基を有する表面修飾剤で表面被覆された平均粒子径3nm以上15nm以下の酸化ジルコニウム粒子と、1個の重合性基と炭素数10以上14以下の脂環式構造を有する一官能性化合物と、を含有する光重合性成組成物を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の波長選択回折素子は、凹凸部材または充填部材を構成する第2の光学材料Bとして、脂環式構造を有する重合性モノマー成分(一官能性化合物)とともに、酸化ジルコニウム粒子を含有する光重合性組成物の硬化体を用いることで、当該第2の光学材料Bの屈折率を向上でき、波長λ、λ、λのうちの少なくとも一の波長域において、第1の光学材料Aと第2の光学材料Bとの間で高い屈折率差を確保できる。このため、回折効率の高められた波長選択回折素子とできる。
また、本発明の波長選択回折素子は、高波長分散性を有する光学材料Aの屈折率nAと低波長分散性を有する第2の光学材料Bの屈折率nBとが上述の関係を有することにより、λ、λ、λのうち少なくとも一つの光を回折し、その他の光を透過するため、これら3つの波長域の波長光を合波し共通化した光路に配設したとき、所望の波長光のみを選択的に回折でき、それ以外の波長を有する入射光の光量損失や迷光の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る波長選択回折素子10の構成について図1を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る波長選択回折素子をBDと、DVD及びCDとの規格に対応させる例を挙げて説明する。また、BD、DVD及びCDの記録再生に用いられる光の波長をそれぞれλ、λ及びλで表す。ここで、波長λ、λ及びλの光は、それぞれ、波長405nm帯、660nm帯及び785nm帯の光である。なお、波長405nm帯、660nm帯及び785nm帯とは、それぞれ、405±20nm、660±20nm及び785±20nmの波長範囲をいう。
ここで、図1(a)は、波長選択性回折素子10に波長λの光が入射したときの作用を示す模式的な横断面図であり、図1(b)は、波長選択性回折素子10に波長λの光が入射したときの作用を示す模式的な横断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る波長選択回折素子10は、透明基板11と、透明基板11上に形成され、一方向に延在するように周期的に形成された凹凸形状を有する凹凸部材12と、凹凸部材12の少なくとも凹部を埋めるように充填された充填部材13と、充填部材13の上面に設けられ、充填部材13を保護する透明基板14と、を備えている。
基板面内における凹凸部材12が延在する方向は、互いに平行としてもよく、あるいは同心円状としてもよい。凹凸部材12すなわち格子の断面形状は、矩形、鋸歯形状あるいは所望の鋸歯形状を階段状に近似した形状を使用できる。また基板面に対して入射光が入射する有効領域の全面に同様の格子を形成してもよく、基板面内を分割し、分割した部位により格子の伸張方向や断面形状を変化させたり、有効領域の一部のみに格子を形成することもできる。
透明基板11及び14は、透光性を有するものであれば特に限定されず、例えばアクリル等のプラスチック基板や、ガラス等の無機材料製の基板を使用できる。信頼性確保の観点からガラス基板で構成されるのが好ましい。量産性を考慮すると透明基板11及び14は図示のような平面が好ましいが、これに限定されず、例えばプラスチックレンズのような基板面が曲面形状である基板を用いてもよい。
また、透明基板11及び14上には、反射ロスを低減するため、405nm波長帯(λ)、660nm波長帯(λ)及び785nm波長帯(λ)の光の反射防止膜を付与することが好ましい。反射防止膜としては、さらに波長330nm以下の紫外光を遮断する性質を有するものも使用できる。
波長選択回折素子10の格子形状としては、例えばバイナリ形状、ブレーズ形状、疑似ブレーズ形状(マルチレベル構造の階段状格子形状)、フレネル形状等が挙げられる。
これらの格子形状は、例えばフォトリソグラフィーとエッチングとを繰り返すことにより形成できる。また、これに限らず、ブレーズ形状や他の任意の凹凸形状も含め、上記の格子形状は、切削加工や研削加工、金型を用いたプレス加工、モールドを用いたインプリント法などでも形成できる。
本実施形態において、凹凸部材12及び充填部材13は、図2に示すように、波長405nm帯(λ)の入射光に対して異なる屈折率を有し、波長660nm帯(λ)及び785nm帯(λ)の入射光に対しては略同じ屈折率を有する光学材料で構成される。なお、前述の「略同じ屈折率」とは、完全に一致する屈折率のみに限定するものではなく、使用上ほぼ同一と見なせる値であればよい。
本実施形態では、凹凸部材12は、高波長分散性を有する第1の光学材料Aで構成され、充填部材13は、低波長分散性を有する第2の光学材料Bで構成される。
高波長分散性を有する第1の光学材料A及び低波長分散性を有する第2の光学材料Bに関しては、後に詳述する。
すなわち、本実施形態では、凹凸部材12を構成する第1の光学材料Aの屈折率nA12、及び充填部材13を構成する第2の光学材料Bの屈折率nB13は、波長λの光に対して|nA12−nB13|>0.006であり、かつ波長λ及び波長λの光に対して|nA12−nB13|≦0.006の関係を満たしている。
波長λ、λ、λの各波長での、光学材料Aの屈折率nA、及び光学材料Bの屈折率nB、及びこれらの屈折率差は、光学材料Aを形成する光重合性組成物(α)や光学材料Bを形成する光重合性組成物(β)の構成材料及びその配合比率等を適宜調整して、制御できる。
なお、本実施形態では、凹凸部材12を構成する光学材料Aの波長λの光に対する屈折率をnA12(λ)、充填部材13を構成する光学材料Bの波長λの光に対する屈折率をnB13(λ)とし、凹凸部材12を構成する光学材料Aの波長λの光に対する屈折率をnA12(λ)、充填部材13を構成する光学材料Bの波長λの光に対する屈折率をnB13(λ)としたとき、nA12(λ)>nB13(λ)>0、|nA12(λ)−nB13(λ)|≦0.006であり、かつ、nA12(λ)>nA12(λ)、nB13(λ)>nB13(λ)の関係を満たす場合、すなわち正常分散を示す場合について示している。
この場合、nA12(λ)>nB13(λ)>nA12(λ)、nA12(λ)>nB13(λ)>nB13(λ)、|nA12(λ)−nB13(λ)|≦0.006の関係を満たしている。
したがって、本実施形態に係る波長選択回折素子10に照射された波長λの光は、凹凸部材12に進入すると、図1(a)に示すように、波長選択回折素子10によって回折され、回折光を得られる。一方、凹凸部材12に進入した波長λの光は、波長選択回折素子10によって回折されることなく、直進透過する。
波長λの光に対する、第1の光学材料Aの屈折率nA12と第2の光学材料Bの屈折率nB13との差|nA12−nB13|が0.006超だと、波長選択回折素子10により、十分な回折効率が得られる。
波長λの光に対する第1の光学材料Aの屈折率nA12と、第2の光学材料Bの屈折率nB13との差|nA12−nB13|は、0.015以上であることがより好ましい。
また、本実施形態において、波長λ及び波長λの光に対する、第1の光学材料Aの屈折率nA12と第2の光学材料Bの屈折率nB13との差|nA12−nB13|が0.006以下だと、波長λ及び波長λの光の回折が生じ難く、光量損失や迷光の発生が抑制される。波長λ及び波長λの光に対する、第1の光学材料Aの屈折率nA12と第2の光学材料Bの屈折率nB13との差|nA12−nB13|は、より好ましくは0.005以下である。
このとき、例えば凹凸部材12の格子ピッチを調整することにより、回折角度を制御できる。また、格子高さdや凹凸部材12の格子形状を変化させることにより、直進光の透過効率や回折光の回折効率を調整できる。
このようにして、波長λの光に対して回折機能を発現し、波長λ、λの光に対しては機能しない波長選択性回折素子10が得られる。
波長選択回折素子10の格子高さdは、5μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上45μm以下がより好ましく、5μm以上30μm以下がさらに好ましい。格子高さdが5μm以上であると、所望の回折効率が得られる。一方、格子高さdが100μm以下だと、外圧等による、波長選択回折素子10の各構成部材の破損が生じ難い。
波長選択回折素子10の格子ピッチは、1μm以上1mm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましく、1μm以上50μm以下がさらに好ましい。
格子ピッチが1μm以上であると、波長選択回折素子10を効率的に製造できる。一方、格子ピッチが1mm以下だと、所望の回折効率が得られる。
波長選択回折素子10において、回折素子10全体の厚み1μm以上30μm以下における、波長λ及びλの光に対する0次回折効率(透過率)は、90%以上であることが好ましい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る波長選択回折素子20について図面を用いて説明する。なお、本発明の第1実施形態に係る波長選択回折素子10と同様に、本実施形態に係る波長選択回折素子20をBD、DVD、CDの規格に対応させる例を挙げて説明し、重複する説明は省略する。
ここで、図3(a)は、波長選択性回折素子20に波長λの光が入射したときの作用を示す模式的な横断面図であり、図3(b)は、波長選択性回折素子20に波長λの光が入射したときの作用を示す模式的な横断面図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る波長選択回折素子20は、透明基板21と、透明基板21上に形成され、一方向に延在するように周期的に形成された凹凸形状を有する凹凸部材22と、凹凸部材22の少なくとも凹部を埋めるように充填された充填部材23と、充填部材23の上面に設けられ、充填部材23を保護する透明基板24と、を備えている。
本実施形態において、凹凸部材22及び充填部材23は、図4に示すように、波長405nm帯(λ)の入射光に対して略同じ屈折率を有し、波長660nm帯(λ)及び785nm帯(λ)の入射光に対しては異なる屈折率を有する光学材料で構成されている。
本実施形態では、凹凸部材22は、低波長分散性を有する第2の光学材料Bで構成され、充填部材23は、高波長分散性を有する第1の光学材料Aで構成される。高波長分散性を有する第1の光学材料A及び低波長分散性を有する第2の光学材料Bに関しては、後に詳述する。
すなわち、本実施形態では、凹凸部材22を構成する第2の光学材料Bの屈折率nB22、及び充填部材23を構成する第1の光学材料Aの屈折率nA23は、波長λの光に対して|nA23−nB22|≦0.006であり、かつ前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA23−nB22|>0.006の関係を満たしている。
波長λ、λ、λの各波長での、光学材料Aの屈折率nA、及び光学材料Bの屈折率nB、及びこれらの屈折率差は、光学材料Aを形成する光重合性組成物(α)や光学材料Bを形成する光重合性組成物(β)の構成材料及びその配合比率等を適宜調整して、制御できる。
なお、本実施形態では、充填部材23を構成する光学材料Aの波長λの光に対する屈折率をnA23(λ)、凹凸部材22を構成する光学材料Bの波長λの光に対する屈折率をnB22(λ)とし、充填部材23を構成する光学材料Aの波長λの光に対する屈折率をnA23(λ)、凹凸部材22を構成する光学材料Bの波長λの光に対する屈折率をnB22(λ)としたとき、|nA23(λ)−nB22(λ)|≦0.006、nB22(λ)>nA23(λ)>0であり、かつ、nA23(λ)>nA23(λ)、nB22(λ)>nB22(λ)の関係を満たす場合、すなわち正常分散を示すについて示している。
この場合、nB22(λ)>nB22(λ)>nA23(λ)、nA23(λ)>nB22(λ)>nA23(λ)、|nA23(λ)−nB22(λ)|≦0.006の関係を満たしている。
したがって、本実施形態に係る波長選択性回折素子20に照射された波長λの光は、凹凸部材22、充填部材23での屈折率がそれぞれ略等しいため、図3(a)に示すように、波長選択性回折素子20による回折作用を受けることなく凹凸部材22を直進透過する。
一方、波長λの光は、凹凸部材22の屈折率と充填部材23の屈折率が異なるため、凹凸部材22に進入すると、図3(b)に示すように、その屈折率差によって回折され、回折光が得られる。
本実施形態において、波長λ及び波長λの光に対する、第1の光学材料Aの屈折率nA23と第2の光学材料Bの屈折率nB22との差|nA23−nB22|が0.006超だと、波長選択回折素子20により、十分な回折効率が得られる。
波長λ及び波長λの光に対する、第1の光学材料Aの屈折率nA23と第2の光学材料Bの屈折率nB22との差|nA23−nB22|は、0.013以上がより好ましい。
また、本実施形態において、波長λの光に対する、第1の光学材料Aの屈折率nA23と第2の光学材料Bの屈折率nB22との差|nA23−nB22|が0.006以下だと、波長λの光の回折が生じ難く、光量損失や迷光の発生が抑制される。
波長λの光に対する第1の光学材料Aの屈折率nA23と、第2の光学材料Bの屈折率nB22との差|nA23−nB22|は、より好ましくは0.005以下である。
このとき、例えば格子高さd、凹凸部材22の格子形状などを調整することにより、回折効率を調整できる。また、凹凸部材22の格子ピッチを調整することにより、回折角度を制御できる。このようにして、波長λの光に対しては機能せず、波長λ、λの光に対して回折機能を発現する波長選択性回折素子20が得られる。
なお、波長選択回折素子20の格子高さd、格子ピッチの好ましい範囲は、上記第1実施形態で説明した、波長選択回折素子10の格子高さd、格子ピッチの好適な範囲と同様である。
波長選択回折素子20において、回折素子20全体の厚み1μm以上30μm以下における、波長λ及びλの光に対する1次回折効率は、20%以上が好ましい。
但し、回折素子20全体の厚みが1μm以上5μmの場合、波長λ及びλの光に対する1次回折効率が20%以下であっても、波長λの光に対し、90%以上の0次回折効率(透過率)を得られる場合には、波長選択回折素子として用いるメリットを有する場合がある。したがって、この場合には、必ずしも1次回折効率は、20%以上でなくてもよい。
また、波長選択回折素子20において、回折素子20全体の厚み1μm以上30μm以下における波長λの光に対する0次回折効率(透過率)は、90%以上が好ましい。
[光重合性組成物(β)]
低波長分散性を有する第2の光学材料Bは、重合性結合基を有する表面修飾剤で表面被覆された平均粒子径3nm以上15nm以下の酸化ジルコニウム粒子と、1個の重合性基と炭素数10以上14以下の脂環式構造を有する一官能性化合物と、を含有する光重合性組成物(β)を光重合してなる硬化体で構成されている。
(酸化ジルコニウム)
酸化ジルコニウム粒子は、光重合性組成物の屈折率や波長分散性等の光学特性を制御するため重合性モノマー中に添加、分散させる。
酸化ジルコニウムは、酸化アルミニウム等の他の無機微粒子と比較して、屈折率が高く、かつ屈折率の波長分散性が小さいため、これを重合性モノマー中に分散させることで、高屈折率、かつ低波長分散性を有する光重合性組成物(β)が得られる。
また、酸化ジルコニウムは400〜800nmの可視域に吸収帯を有しないため、光照射による樹脂材料の変性が抑制された組成物(β)である。
酸化ジルコニウムは、単斜晶系、正方晶、立方晶などの結晶形態をとり得るが、本発明の目的(高屈折率、低波長分散)に沿うものであれば、いずれの結晶形態でもよい。
また、酸化ジルコニウムは、結晶体でもよく、アモルファスでもよく、高屈折率を得る観点からは、結晶体が好ましい。
酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は、3nm以上15nm以下である。
酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が3nm以上であると、その粒子表面積の増大が抑制され、組成物中における、酸化ジルコニウム粒子の体積当たりの表面修飾剤量の増大が抑制される。このため、表面修飾剤量の増大による、組成物中の酸化ジルコニウムの含有率の相対的な低下が抑制され、屈折率を高める効果を十分に得られる。
また、酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が3nm以上であると、適度の添加量で十分な屈折率を得ることができ、組成物の粘度上昇が抑制される。したがって、これを基板上に塗布する場合、塗布量や面内分布を制御し易く、優れた成形性を得られる。
一方、酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が15nm以下だと、凝集粒子による二次粒子の平均粒径が30nm以下となり、光硬化後の光学材料Bにおいて、散乱による透過損失が生じず、優れた透過率を得られる。
粘度上昇による成形性の低下を抑制するとともに、高屈折率かつ高透過率を得る観点から、酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は、6nm以上14nm以下であることがより好ましい。
また、酸化ジルコニウム粒子の、平均粒子径分布における30nm以上の粒子の割合は1%未満が好ましい。
(表面修飾剤)
表面被覆剤は、酸化ジルコニウム粒子と重合性モノマー成分との相溶性を高めるため、当該粒子表面を被覆して設けるものであり、重合性基を有するものであれば、特に限定なく使用できる。
表面修飾剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)または有機酸基を持つ分散剤などが用いられる。これらの中でも、シランカップリング剤は、酸化ジルコニウムとの反応により、粒子表面にメタロキサン結合(Si−OM)を形成して高い安定性を得られるとともに、吸湿性が少ないため好ましい。
なお、シランカップリング剤と酸化ジルコニウムとの反応は、従来知られている条件を適用可能であり、例えば、酸やアルカリなどの触媒を用いてもよく、また加熱してもよい。
表面修飾剤の重合性基としては、特に限定されないが、二重結合を含む基は、後述する光重合性化合物の(メタ)アクリル基等との反応により緻密な硬化物(光学材料)を形成できるため好適に用いられる。具体的には、例えばアクリル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基が好ましく挙げられる。
これらの中でも、アクリル基、メタクリル基は、光重合性組成物において、温度変化に伴う屈折率の変動が抑えられるため重合性基として好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば下記一般式(1)〜(5)の化合物を使用できる。
Figure 2013037747
(式(1)中、Aは水素原子又はメチル基を表し、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
式(1)で表される化合物(化合物(1))としては、例えば3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
化合物(1)としては、より好ましくは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
Figure 2013037747
(式(2)中、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
式(2)で表される化合物(化合物(2))としては、例えば3−アリルオキシエチルトリメトキシシラン、3−アリルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アリルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、好ましくは3−アリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
Figure 2013037747
(式(3)中、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは0〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
式(3)で表される化合物(化合物(3))としては、具体的には、例えばビニルオキシトリメトキシシラン、ビニルオキシトリエトキシシラン、が挙げられ、好ましくはビニルオキシトリメトキシシランである。
Figure 2013037747
(式(4)中、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは0〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
式(4)で表される化合物(化合物(4))としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、が挙げられ、好ましくはビニルトリメトキシシランである。
Figure 2013037747
(式(5)中、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは0〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
式(5)で表される化合物(化合物(5))としては、例えば5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、(ビシクロヘプテニル)エチルトリメトキシシランが挙げられ、好ましくは(ビシクロヘプテニル)エチルトリメトキシシランである。
上記化合物(1)〜(5)の中でも、一般式(1)で示される化合物(1)は、(メタ)アクリル基により、温度変化に伴う屈折率の変動が抑えられており、また重合性モノマー成分と反応して緻密な成形体を得られるため、好適に用いられる。
表面修飾剤の添加量は、酸化ジルコニウム粒子に対して15〜40質量%が好ましい。
表面修飾剤の添加量が、酸化ジルコニウム粒子に対して15質量%以上であると、酸化ジルコニウムと樹脂との相溶性が十分に高められる。
一方、表面修飾剤の添加量が、酸化ジルコニウム粒子に対して40質量%以下だと、光重合性組成物(β)における酸化ジルコニウムの含有量の相対的な低下が抑制され、十分な屈折率が得られる。
光重合性組成物(β)における酸化ジルコニウムの含有量は、45〜70質量%が好ましく、45〜60質量%が好ましい。
酸化ジルコニウムの含有量が45質量%以上であると、光重合性組成物(β)において、十分な屈折率が得られ、例えば波長589nmにおいて1.6以上の屈折率が得られる。
一方、酸化ジルコニウムの含有量が70質量%以下だと、光重合性組成物(β)の粘度の上昇が抑制され、これを基板上に塗布する場合、塗布量や面内分布を制御し易く、成形性に優れ、基板上への塗布、成形がし易い。
(一官能性化合物(I))
一官能性化合物(I)は、紫外線等の照射によって光重合反応を起こすモノマーであり、炭素数10以上14以下の脂環式構造を主骨格とし、かつ1つの分子内に1個の重合性基を有するものである。特に、脂環式構造が三次元的な架橋構造を有するものは、分子が高密度となり、高屈折率を得られるため好ましい。
脂環式構造の炭素数が10以上の場合には、屈折率を高める効果を十分に得られる。また、炭素−炭素間において安定した結合角が十分に確保され、一官能性化合物(I)全体の分子骨格が、歪みの小さい安定なものとなる。
一方、脂環式構造の炭素数が14以下の場合には、室温で液体状態であり、取り扱い易い。脂環式構造の炭素数は、より好ましくは10〜12である。
一官能性化合物(I)の脂環式構造としては、例えば、下記式(6)〜(9)で示されるアダマンタン(式(6)、炭素数10)、トリシクロデカン(式(7)、炭素数10)、テトラシクロドデカン(式(8)、炭素数12)またはジアマンタン(式(9)、炭素数14)等が、高屈折率を得られるため、好適に用いられる。
Figure 2013037747
一官能性化合物(I)の重合性基としては、特に限定されないが、アクリル基、メタクリル基は、光反応性が高いため好適に用いられる。
一官能性化合物(I)としては、例えば1−アダマンチルアクリレート、1−アダマンチルメタノールアクリレート、1−アダマンチルエタノールアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、2−ブチル−2−アダマンチルアクリレート、トリシクロデカンアクリレート、トリシクロデカンメタノールアクリレート、トリシクロデカン−エタノールアクレート、テトラシクロドデカニルアクリレート、ジアマンチルアクリレート、2−メチル−2―ジアマンチルアクリレート、2−エチル−2−ジアマンチルアクリレート、及びそのメタクリレート体が挙げられる。好ましくは、アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、トリシクロデカンアクリレート、ジアマンチルアクリレートが好ましく挙げられる。
(多官能性化合物(II))
また、光学材料Bを構成する光重合性組成物(β)は、上述した一官能性化合物(I)とともに、多官能性化合物(II)を含有することが好ましい。
多官能性化合物(II)は、紫外線等の照射によって光重合反応を起こすモノマーであり、炭素数10以上14以下の脂環式構造を主骨格とし、かつ1つの分子内に2個以上の重合性基を有するものである。
光重合性組成物(β)は、重合性モノマー成分としての一官能性化合物(I)が、柔軟性の小さい脂環式構造を有するうえ、さらに、柔軟性に劣る酸化ジルコニウム粒子を含むため、光硬化後の成型体は脆くなりやすく、重合性モノマー成分を一官能性化合物(I)のみとした場合、光インプリントのモールドの離型時に破壊等を生じ易くなる。このような傾向は、酸化ジルコニウム粒子の粒子径の増加や、その含有量の増大により、より顕著となる。
光重合性組成物(β)では、一官能性化合物(I)とともに、さらに多官能性化合物(II)を含有させることで、光重合性組成物(β)を硬化した成型体において、脆性が改善され、離型性に優れた光学材料Bが得られる。
多官能性化合物(II)の脂環式構造は、上述した一官能性化合物(I)と同様、三次元的な架橋構造を有するものが、分子構造が高密度となり、高屈折率を得られるため好ましい。
脂環式骨格の炭素数が10以上の場合には、屈折率を高める効果が十分に得られる。また、炭素−炭素間において安定した結合角が十分に確保され、多官能性化合物(II)全体の分子骨格が、歪みの小さい安定なものとなる。
一方、脂環式骨格の炭素数が14以下の場合には、室温で液体状態であり、取り扱い易い。脂環式構造の炭素数は、より好ましくは10〜12である。
多官能性化合物(II)の脂環式構造としては、高屈折率を得る観点から、上述した一官能性化合物(I)のものと同様、上記式(6)〜(9)で示されるアダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、またはジアマンタン等が好適なものとして挙げられる。
多官能性化合物(II)の重合性基としては、特に限定されないが、アクリル基、メタクリル基は、光反応性が高いため好適に用いられる。
多官能性化合物(II)に含まれる重合性基の数は、2以上がよく、より好ましくは2〜4である。
多官能性化合物(II)としては、例えば、トリシクロデカンジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、アダマンタンジアクリレート、アダマンタンジメタノールジアクリレート、ジアマンタンジアクリレート、ジアマンタンジメタノールジアクリレート、アダマンタントリアクリレート等が挙げられ、好ましくは、二官能性のトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、アダマンタンジアクリレートが好適なものとして挙げられる。
光重合性組成物(β)における一官能性化合物(I)の含有量は、15質量%以上45質量%以下が好ましく、20質量%以上45質量%以下がより好ましい。
一官能性化合物(I)の含有量が15質量%以上であると、光重合性組成物(β)において適度な粘度を得られ易く、製膜性に優れる。
一方、一官能性化合物(I)の含有量が45質量%以下だと、光重合組成物(β)において、酸化ジルコニウム粒子の含有量を相対的に高めることができ、高い屈折率を得られやすい。
光重合性組成物(β)における多官能性化合物(II)の含有量は、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
多官能性化合物(II)の含有量が1質量%以上であると、光重合組成物(β)の硬化体である光学材料Bの外圧による損傷が抑制され、離型時に剥離等が生じ難く、製品の歩留まりが向上する。
一方、多官能性化合物(II)の含有量が30質量%以下だと、光重合性組成物(β)の硬化体である光学材料Bの強度の過度の上昇が抑制され、石英ガラスに対し優れた密着性を得られる。このため、光学材料Bの基板表面からの剥離が生じ難く、製品の歩留まりが向上する。
光重合性組成物(β)における一官能性化合物(I)と多官能性化合物(II)との含有比率(質量比率)は、一官能性化合物(I)/多官能性化合物(II)で1〜40が好ましい。
一官能性化合物(I)/多官能性化合物(II)が1以上であると、光重合組成物(β)の硬化体である光学材料Bの強度の過度の上昇が抑制され、石英ガラス等の基板に対し優れた密着性を得られる。
一方、一官能性化合物(I)/多官能性化合物(II)が40以下だと、光重合組成物(β)の硬化体である光学材料Bにおいて十分な強度を得られ、離型時に破壊等を生じ難い。
[光重合性組成物(α)]
高波長分散性を有する第1の光学材料Aは、芳香族化合物を含有する光重合性組成物(α)を光重合したものが、高波長分散性に優れるため好ましい。
光重合性組成物(α)における芳香族化合物としては、フェニル骨格、ビフェニル骨格、又はフルオレン骨格を有するものが、より高い高波長分散性を得られるため好ましい。芳香族化合物は、さらに一以上の重合性基を有するものが、光反応性に優れるため好ましい。
光重合性組成物(α)に含有させる芳香族化合物としては、例えば下記式(10)〜(12)で示されるものが好ましい。
Figure 2013037747
Figure 2013037747
Figure 2013037747
但し、上記式(10)〜(12)中の記号は以下の意味を示す。
A:水素原子又は下記式(13)〜(16)から選択される基。
(3−W)C− ・・・ (13)
Ph(3−x)Si− ・・・ (14)
J−(CHm1−CH(CH(2−l)− ・・・(15)
J−(CHn1−SiPhp1(CH(2−p1)− ・・・(16)
B:下記式(17)〜(18)から選択される基。
J−(CHm2−CH(CH(2−k)− ・・・(17)
J−(CHn2−SiPhp2(CH(2−p2)− ・・・(18)
w:0〜3の整数。
V:メチル基またはエチル基。但し、wが2〜3のときにはVはそれぞれ異なる基であってもよい。
x:0〜3の整数。
Y:メチル基、シクロヘキシル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基およびiso−プロピル基から選択される基。但しxが0又は1のとき、Yは異なる基であってもよい。
J:CH=CR−COO−、エポキシ基、ビニル基及びビニルエーテル基から選択される基。
R:水素原子又はメチル基。
l:0〜1の整数。
k:0〜2の整数。ただし、Aが水素原子の場合、kは2を除く。
、m:それぞれ独立して0〜12。
、n:それぞれ独立して1〜12。p、p:それぞれ独立して0〜2。
但し、式(13)の置換基V、式(14)のフェニル基及び置換基Y並びに式(15)〜(18)のアルキレン基の水素原子の一部または全部が、メチル基、メトキシ基、フッ素原子に置換されていてもよく、ビフェニル基又はビフェニレン基の水素原子の一部または全部がメチル基、メトキシ基、フッ素原子に置換されていてもよい。
芳香族化合物の重合性基としては、アクリル基、メタクリル基が、光反応性が高いため好適に用いられる。
高波長分散性を有する第1の光学材料Aを構成する光重合性組成物(α)は、一の芳香族化合物を含むものであってもよく、二以上の芳香族化合物を混合したものであってもよい。上記式(10)〜(12)で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(10)〜(12)と示す。)を、少なくとも一つ含有することが好ましい。
なお、光重合性組成物(α)は、一の化合物のみで構成されてもよく、例えば芳香族化合物(10)〜(12)のいずれか一の化合物のみで構成されてもよい。
光重合性組成物(α)における、芳香族化合物(10)〜(12)の含有量は、50質量%以上が好ましい。
芳香族化合物(10)〜(12)の含有量が50質量%以上であると、光重合性組成物(α)の光重合後に得られる光学材料Aにおいて、十分に高い波長分散性が得られる。
光重合性組成物(α)及び光重合性組成物(β)には、光重合開始剤、及び紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤等の安定剤等の、他の成分を添加できる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類等を挙げることができ、上記から1種または2種以上を適宜選択して使用できる。
アセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−12−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド類としては2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、光重合性組成物(α)及び光重合性組成物(β)それぞれにおいて、各光重合性組成物の総量に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
光重合開始剤の添加量が5質量%以下だと、光重合性組成物に着色が生じ難い。
一方、光重合開始剤の添加量が0.01質量%以上だと、光重合反応が十分に進行する。
紫外線吸収剤としては、例えばTINUBIN P(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN234(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN326(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN328(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN329(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN213(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN571(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN1577FF(チバスペシャリディケミカル製)が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば2−ノルマルドデシルフェノール、パラ−メトキシフェノール、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX1010、チバスペシャリディケミカル製)、2,2−チオ−ジエチレンビス[2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX1035、チバスペシャリディケミカル製)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(IRGANOX1076、チバスペシャリディケミカル製)、N,N‘−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGANOX1098、チバスペシャリディケミカル製)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(IRGANOX1135、チバスペシャリディケミカル製)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(IRGANOX1330、チバスペシャリディケミカル製)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール(IRGANOX1520L、チバスペシャリディケミカル製)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX245、チバスペシャリディケミカル製)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX259、チバスペシャリディケミカル製)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(IRGANOX565、チバスペシャリディケミカル製)、3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル(AO−50、ADEKA製)、テトラ3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロポキシブタン(AO−60、ADEKA製)、3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル(AO−50Me、ADEKA製)、3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオン酸イソオクチル(AO−50iso−Octyl、ADEKA製)、ヒドロキノン等が挙げられる。
光安定化剤としては、例えばTINUBIN144(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBINTINUBIN765(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN770DF(チバスペシャリディケミカル製)、CHIMASSORB2020FDL(チバスペシャリディケミカル製)、CHIMASSORB944DL(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN622LD(チバスペシャリディケミカル製)、TINUBIN123(チバスペシャリディケミカル製)、LA62(ADEKA製)、LA67(ADEKA製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤等の安定化剤の含有量は、その合計量が、光重合性組成物(α)及び光重合性組成物(β)それぞれにおいて、各光重合性組成物の全体量(100質量%)に対して5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
安定化剤が5質量%以下だと、青色レーザーに対する耐久性に優れ、また耐候性に優れる。
[光重合性組成物(β)の製造方法]
光重合性組成物(β)は、表面被覆された酸化ジルコニウム粒子、一官能性化合物(I)、多官能性化合物(II)を、上述した重合開始剤、安定化剤等の他の成分と混合して製造できる。
光重合性組成物(β)の製造には、製造工程の便宜のため、溶媒を用いてもよい。
溶媒は、一官能性化合物(I)、多官能性化合物(II)、光重合開始剤、安定化剤のうちの少なくとも一つを溶解させる化合物であり、常圧における沸点が200℃以下の化合物が好ましく、150℃以下の化合物がより好ましい。沸点が200℃以下の化合物では、該化合物を除去するのに高温での加熱を要しないため、該化合物を除去する際に、一官能性化合物(I)、多官能性化合物(II)、光重合開始剤、安定化剤の変質や揮散等が生じ難い。
溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、酢酸イソペンチル、酪酸エチル、PGMEA、ブタノール、tert−ブタノール、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。
光重合性組成物(β)の製造方法は、具体的には、例えば(i)酸化ジルコニウム粒子を溶媒に分散させた分散液(以下、単に酸化ジルコニウム粒子の分散液ともいう)から溶媒を除去した後、一官能性化合物(I)、多官能性化合物(II)、重合開始剤、安定剤を添加して混合する方法、(ii)酸化ジルコニウム粒子の分散液に、一官能性化合物(I)、多官能性化合物(II)、重合開始剤、安定剤を添加した後、溶媒を除去して混合する方法、(iii)酸化ジルコニウム粒子の分散液に一官能性化合物(I)を添加し、溶媒を除去した後、多官能性化合物(II)と重合開始剤、安定剤を添加し、混合する方法などが挙げられる。
光重合性組成物(β)の残留溶媒量は、光重合性組成物(β)全体(100質量%)に対して1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。光重合性組成物(β)の残留溶媒量が1質量%以下だと、光重合性組成物(β)の成形体内部での気泡の発生が生じ難く、均一な光学材料Bが得られる。また、光重合性組成物(β)中の溶媒による、基板表面の損傷も生じ難い。
さらに、上述した一官能性化合物(I)等の脂環式化合物は昇華し易いため、光重合性組成物(β)の残留溶媒量が多いと、加熱処理により溶媒を除去する際に、組成比率の変動が生じ易く、各成分組成の精密な調整が困難となり、光硬化後に得られる光学材料Bにおいて、屈折率にバラツキが生じ易い。
光重合性組成物(β)の残留溶媒量が光重合性組成物(β)全体に対して1質量%以下だと、溶媒除去に伴う上述した現象が生じ難く、屈折率のバラツキが抑制される。
光重合性組成物(α)は、上記式(10)〜(12)等で示される芳香族化合物を、上述した重合開始剤、安定化剤等の他の成分と混合して製造できる。
光重合性組成物(α)及び光重合性組成物(β)の各成分の混合は、スターラーチップによる撹拌や、自転公転回転型ミキサー、三本ロールミル、ビーズミル分散機、超音波分散機等を用いた撹拌による方法が挙げられる。
光重合性組成物(α)及び光重合性組成物(β)の粘度は、25℃で100mPa・s以上10000mPa・s以下が好ましく、500mPa・s以上8500mPa・s以下がより好ましい。
光重合性組成物の25℃における粘度が10000mPa・s以下であると、外気の巻き込み量が少なく、成形体に気泡が混入しにくく、均一な光学材料が得られる。またこの場合、光重合性組成物において良好な流動性が得られ、基板上に、均一な厚みを有する膜が成膜できる。
一方、光重合性組成物の25℃における粘度が100mPa・s以上であると、例えばスピンコート等による成膜時に、十分な膜厚が確保できる。
[波長選択回折素子の製造方法]
本発明の波長選択回折素子は、上述した光重合性組成物(α)、光重合性組成物(β)を基材上に塗布した後、これを光硬化させて形成できる。
波長選択回折素子の製造には、公知の方法を用いることができ、格子形状の光学材料を形成する場合には、光インプリントによる加工方法が好ましい。
以下、第1の実施形態の波長選択回折素子10を例に図5を用いて説明する。
光インプリント法は、例えば以下の(a)〜(g)の工程により行うことができる。
(a)透明基材上に光重合性組成物(α)を塗布し、光重合性組成物(α)の塗布層を形成する工程。
(b)基板上に形成された光重合性組成物(α)の塗布層の上に、形成すべき格子パターンの反転パターンを有するモールドを押し付ける工程。
(c)モールドを介して加圧した状態で、塗布層に紫外線等の光線を照射し、光重合性組成物(α)を硬化させて硬化層を形成する工程。
(d)光重合性組成物(α)の硬化層からモールドを分離し、表面に格子パターンが形成された成型体を得る工程。
(e)光重合性組成物(α)の硬化層上に光重合性組成物(β)を塗布し、光重合性組成物(β)の塗布層を形成する工程。
(f)光重合性組成物(β)の塗布層の上に、透明基板を押し付ける工程。
(g)透明基板を介して加圧した状態で、光重合性組成物(β)の塗布層に紫外線等の光線を照射し、光重合性組成物(β)を硬化させて硬化層を形成する工程。
<工程(a)>
図5(a)に示すように、平板状の基板11の表面に形成された接着層15上に、未硬化の光重合性組成物(α)をスピンコート法等により塗布し、光重合性組成物(α)の塗布層12aを形成する。
光重合性組成物(α)の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法等が挙げられ、光重合性組成物(α)の塗布層12aの厚さの均一性と塗布の簡便性の点から、スピンコート法が好ましい。光重合性組成物(α)の塗布は、常圧下で行っても、3000Pa以上の減圧下で行ってもよい。光重合性組成物(α)が感光しない環境(イエロールーム等)で行うことが好ましい。また、空気中で行うことが好ましく、窒素雰囲気、二酸化炭素雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
塗布処理は、ホットプレート等の加熱装置により加熱しながら行ってもよい。この場合、組成物の粘度が低下して作業効率が向上することがある。コーティング処理時の加熱温度は100℃以下とすることが好ましい。
加熱温度が100℃以下だと、意図しない熱重合反応の進行や、重合性モノマー成分の揮発が生じ難く、得られる成型体において、屈折率の再現性が良好である。
<工程(b)>
図5(b)に示すように、工程(a)において形成された光重合性組成物(α)の塗布層12aの上に、減圧雰囲気で、形成すべき格子パターンの反転パターンを表面に有するモールド16を押し当てる。このとき、真空環境のような減圧雰囲気であると、空気の介在がなく、成型体に格子パターンを転写した際の泡の巻き込みによる欠陥を低減できる。ここで、真空環境とは、3000Pa以上の減圧雰囲気を指す。3000Pa以上の減圧雰囲気であれば、光重合性組成物(α)の揮発による組成の大幅な変化が生じ難い。
<工程(c)>
図5(c)に示すように、モールド16または基板11を介して光重合性組成物(α)の塗布層12aを加圧しながら、基板11またはモールド16のいずれか紫外線を透過する側から、紫外線を照射し、塗布層12aの光重合性組成物(α)を完全に硬化させる。
加圧は、モールド16側または基板11側、もしくは両方の側から行うことが好ましい。加圧する方法としては、機械的にプレスする方法、気体または液体を媒介としてプレスする方法等が挙げられる。プレスの圧力(ゲージ圧)は、0超〜10MPa以下が好ましく、0.1〜5MPaがより好ましい。加圧する際の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
光重合性組成物(α)の光硬化反応は、紫外線または可視光線等の光線を用いて行う。光硬化反応に用いる光線は目的に応じて選定し、その波長は特に制限されず、高い反応性を得られるため、紫外線が好ましい。
紫外線の光源としては、紫外LED、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等が挙げられ、硬化の制御の簡便性の点から高圧水銀灯が好ましい。また、紫外線の光源は、450〜200nmの波長領域の紫外線を発生する光源が好ましく、単一波長の紫外線を発する光源でも、複数の波長を含む紫外線を発する光源でもよい。紫外線における波長365nmの光の照度は、1mW/cm以上であり、5mW/cm以上が好ましい。波長365nmの照度が1mW/cm以上であれば、光重合性組成物(α)が硬化するまでの時間が適度に短く、生産性がよい。
モールド16としては、非透光性材料または透光性材料からなるモールドが好ましい。非透光性材料としては、シリコン、ニッケル、銅、ステンレス、チタン、SiC、マイカ等が挙げられる。透光性材料としては、石英、ガラス、ポリジメチルシロキサン、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、透明フッ素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、石英ガラスは、紫外線透過率が高く、照射方向の制限が少ないため、モールド材の材料として好ましい。
また、モールド16は、表面に反転パターンを有する。反転パターンは、成型体の表面に形成すべき格子パターンを反転させたパターンである。反転パターンは、微細な凸部および/または凹部を有する。凸部としては、モールドの表面に延在する長尺の凸条等が挙げられる。凹部としては、モールドの表面に延在する長尺の溝等が挙げられる。
前記凸条または溝の長手方向に沿った中心線の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり直線等の形状が挙げられる。凸条または溝は、複数が平行に存在して縞状をなしていてもよい。凸条または溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。
凸条または溝の幅は、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜500μmがより好ましく、10nm〜100μmがさらに好ましい。凸条の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味する。溝の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味する。
凸部の高さは、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜500μmがより好ましく、10nm〜50μmがさらに好ましい。凹部の深さは、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜500μmがより好ましく、10nm〜50μmがさらに好ましい。
モールド16の表面は、光重合性組成物(α)とモールド表面との剥離性を向上させるため、離型剤により表面処理を行うことが好ましい。
モールド16の表面処理に用いる離型剤としては特に制限されないが、光重合組成物を硬化させてなる光学材料に対する離型性、およびモールドへの接着性の点から、ケイ素原子に加水分解可能な基が結合した含フッ素有機シラン化合物が好ましい。特にアルコキシシリル基、シラノール基を有する含フッ素系有機シラン化合物は、石英ガラスと反応して高い密着性を得られるため好ましい。
具体的には、例えばオプツールDSX(商品名、ダイキン工業株式会社製)、Novec EGC−1720(商品名、住友スリーエム株式会社製)、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル)シラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シラン等の市販の離型剤が好ましい。
モールド16の表面処理に用いるフッ素系有機材料は、1種類のみを用いても良く、2種類以上を用いてもよい。
<工程(d)>
図5(d)に示すように、工程(c)で形成された光重合性組成物(α)の硬化層12からモールド16を分離し、表面に格子パターンを有する成型体17を得る。成型体17とモールド16とを分離する方法としては、真空吸着によって双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法、機械的に双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法等が挙げられる。
<工程(e)>
図5(e)に示すように、工程(c)で形成された硬化層12の上に、未硬化の光重合性組成物(β)をスピンコート法等により塗布し、光重合性組成物(β)の塗布層13aを形成する。
光重合性組成物(β)の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法等が挙げられ、光重合性組成物(β)の塗布層2の厚さの均一性と塗布の簡便性の点から、スピンコート法が好ましい。
光重合性組成物(β)の塗布時の圧力、周辺雰囲気、温度等に関する好適な条件は、光重合性組成物(α)の塗布時の条件(工程(a))と同様である。
<工程(f)>
図5(f)に示すように、工程(e)において形成された光重合性組成物(β)の塗布層13aの上に、減圧雰囲気で、透明基板14を押し当てる。このとき、真空環境のような減圧雰囲気であると、空気の介在がなく、押圧時における泡の巻き込みによる欠陥の発生を低減できる。ここで、真空環境とは、3000Pa以上の減圧雰囲気を指す。
3000Pa以上の減圧雰囲気であれば、光重合性組成物(β)の揮発による組成の大幅な変化が生じ難い。
<工程(g)>
図5(g)に示すように、透明基板11または透明基板14を介して光重合性組成物(β)の塗布層13aを加圧しながら、透明基板11または透明基板14のいずれか紫外線を透過する側から、紫外線を照射し、塗布層13aの光重合性組成物(β)を完全に硬化させる。これにより、透明基板11及び透明基板14間に、光重合性組成物(α)の硬化層12とともに、光重合性組成物(β)の硬化層13が形成された波長選択回折素子10を得る(図5(h)参照)。
加圧は、透明基板11側または透明基板14側、もしくは両方の側から行うことが好ましい。加圧する方法としては、上述した光重合性組成物(α)の塗布層12aの場合と同様、機械的にプレスする方法、気体または液体を媒介としてプレスする方法等が挙げられる。プレスの圧力(ゲージ圧)は、0超〜10MPa以下が好ましく、0.1〜5MPaがより好ましい。加圧する際の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
光重合性組成物(β)の光硬化反応に使用する光線及び光源や、その波長領域及び照度は、上述した光重合性組成物(α)の塗布層12aの場合と同様の態様が好適に用いられる。
(基板)
透明基板11、14としては、透光性を有する無機材料製または有機材料製の基板が用いられる。無機材料としては、シリコン、ガラス、石英ガラス、金属酸化物(アルミナ(サファイア含む)等)、窒化珪素、窒化アルミニウム、ニオブ酸リチウム、化合物半導体(窒化ガリウム、ヒ化ガリウムなど)等が挙げられる。有機材料としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン樹脂、ポリフェニレンサルファイド、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
光重合性組成物との密着性に優れる点から、基板として、表面処理された基板を用いてもよい。表面処理としては、プライマー塗布処理、オゾン処理、プラズマエッチング処理等が挙げられる。プライマーとしては、ポリメチルメタクリレート、シランカップリング剤、シラザン等が挙げられる。
透明基板11、14の表面処理剤としては、ガラス基板、光重合性組成物の双方に対して高い密着性を得られるため、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネ―トプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
透明基板11、14の表面処理に用いるシランカップリング剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
光重合組成物(β)を硬化させてなる第2の光学材料Bの屈折率nとアッベ数νは、38<ν<58、1.53<n<1.78、かつ、n>1.804−0.005νの範囲内にあることが好ましい。
例えば、一官能性化合物(I)である2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの屈折率nはn=1.53、アッベ数νはν=58であり、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理した粒径9nmのZrO粒子の屈折率nはn=1.78、ν=38であり、これらの含有量等を、本発明の範囲内で適宜調整して光重合性組成物(β)としたものを、光硬化することで、屈折率n及びアッべ数νが上記範囲内にある光学材料が得られる。
なお、従来より光学材料として用いられてきた硫黄化合物としては、例えば1,2−ビス(アクリロイルオキシエチルチオ)エタン(特開平1−128966)、ビス(アクリロイルオキシエチルチオエチル)スルフィド(特開2000−95731)、2,2’−チオジエタンチオールジアクリレート(特開昭63−188660)を代表的なものとして挙げられる。
これら化合物の硬化物の屈折率nとアッベ数νを測定したところ、それぞれ1,2−ビス(アクリロイルオキシエチルチオ)エタンはνd=45、n=1.58であり、ビス(アクリロイルオキシエチルチオエチル)スルフィドは、ν=42、n=1.59であり、2,2’−チオジエタンチオールジアクリレートはν=34、n=1.63であり、これら化合物のnとνは、それぞれ関係式n=1.804−0.005νを満たしていた。
これに対し、光重合組成物(β)を硬化させてなる第2の光学材料Bは、屈折率nが、(1.804−0.005ν)を超える範囲にあり、上記の硫黄化合物と比較して、アッベ数νに対してより高い屈折率が得られる。
光重合組成物(α)を硬化させてなる第1の光学材料Aの屈折率nとアッベ数νは、10<ν<35、1.55<n<1.70の範囲内が好ましく、より好ましくは、15<νd<35、1.55<nd<1.70である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る波長選択性回折素子について図6を用いて説明する。図6(a)は、波長選択性回折素子30に波長λの光が入射したときの作用を示す模式的な横断面図であり、図6(b)は、波長選択性回折素子30に波長λの光が入射したときの作用を示す模式的な横断面図である。
図6において、波長選択性回折素子30は、上述した第1の実施態様である波長選択性回折素子10と第2の実施態様である波長選択性回折素子20とを組み合わせて構成されており、透明基板31と、透明基板31の表面に形成された、凹凸部材32と、凹凸部材32の凹凸部の間に充填された充填部材33とを備えた第1部材320を有する。また、第1部材320の上方には、透明基板36と、透明基板36の表面に形成された、凹凸部材35と、凹凸部材35の凹凸部間に充填された充填部材34とを備えた第2部材310が設けられ、充填部材33と充填部材34とで透明基板37が挟持された状態で、第1部材320と第2部材310とが積層されている。
なお、波長選択性回折素子30において、第1部材320を構成する透明基板31、凹凸部材32及び充填部材33、並びに透明基板37は、それぞれ、上述した波長選択性回折素子20(図3参照。)における透明基板21、回折格子22、充填部材23及び透明基板24に該当する。
また、波長選択性回折素子30において、第2部材310を構成する透明基板36、凹凸部材35及び充填部材34、並びに透明基板37は、それぞれ、上述した波長選択性回折素子10(図1参照。)における透明基板11、凹凸部材12、充填部材13及び透明基板14に該当する。
波長選択性回折素子30は、波長λの光に対する凹凸部材32の屈折率と充填部材33の屈折率が等しく、波長λの光に対する凹凸部材32の屈折率と充填部材33の屈折率が異なるように形成されている。また、波長選択性回折素子30は、波長λの光に対する凹凸部材35の屈折率と充填部材34の屈折率が異なり、波長λの光に対する凹凸部材35の屈折率と充填部材34の屈折率が等しくなるように形成されている。
このため、図6(a)において、波長λの光は、波長選択性回折素子30の第2部材310に進入すると、凹凸部材35で回折され、次いで第1部材320に進入すると、凹凸部材32では回折されず、透過する。すなわち、波長λの光に対しては、凹凸部材35のみが回折格子として機能する。一方、図3(b)において、波長λの光は、波長選択性回折素子30の第2部材310に進入すると、凹凸部材35を透過し、次いで第1部材320に進入すると、凹凸部材32で回折される。すなわち、波長λの光に対しては、凹凸部32のみが回折格子として機能する。
したがって、波長選択性回折素子30は、異なる素子を複合して形成された一つの素子により、2種の波長に対して、それぞれ独立に回折素子として機能できる。
例えば、上述した波長λ、及び波長λを、それぞれBDで使用される405nm波長帯、及びDVDで使用される660nm波長帯とする。
このとき、図1に示す波長選択性回折素子10の凹凸部材12及び充填部材13が、第1の実施形態の関係を有する場合には、405nm波長帯の光を回折し、660nm波長帯の光を透過する波長選択性回折素子を作製できる。なお、785nm波長帯は660nm波長帯と屈折率が近いため、785nm波長帯の光も透過する波長選択性回折素子を作製できる。
また、図3に示す波長選択性回折素子20の凹凸部材22及び充填部材23が、第2実施形態の関係を有する場合には、405nm波長帯の光を透過し、660nm波長帯の光を回折できる。なお、CDで使用される785nm波長帯は、660nm波長帯と屈折率が近いため、785nm波長帯の光も回折可能な波長選択性回折素子を作製することもできる。
以上説明した波長選択性回折素子10、20、30においては、凹凸部材12、22、32、35の格子高さd、dを調整したり、その格子形状を変化させることで、回折効率を調整できる。したがって、3ビーム発生用素子またはホログラムビームスプリッタとして、好適な効率を得られる格子高さを用いればよい。また、波長選択性回折素子の凹凸部材をブレーズド格子形状またはマルチレベル構造の階段状格子形状とすることにより、特定の次数における回折効率を高めて用いてもよい。またさらに、回折格子のピッチを調整することで、回折角度が調整でき、所望の回折角度が得られる。これらの素子は、従来の3ビーム発生用素子やホログラムビームスプリッタに用いられている手法を、そのまま波長選択性回折素子に適用できる。
上述した光学材料A、Bを本発明の波長選択回折素子に適用する場合、その手法は上述した態様には限定されず、従来から知られた公知の方法を適用できる。なお、光重合性組成物(α)、光重合性組成物(β)は、光学素子同士を積層したり、光学部品を固定したりする際の接着剤として用いることもできる。
また、上述した光学材料A及びBを用いた本発明の波長選択回折素子は、青色レーザに対する耐光性に優れている。このため、光ピックアップ装置の用途において好ましく用いることができ、大容量化に適した光ヘッド装置の製造に用いることができる。すなわち、上述した光学材料A及びBを用いた本発明の波長選択回折素子は、光記録媒体情報を記録する、および/または、光記録媒体に記録された情報を再生する光ヘッド装置に適しており、特にBDのような青色レーザを用いた光情報記録再生装置用の光ヘッド装置に好適である。具体的には、光ヘッド装置のレーザ光の光路中に好ましく配置される。また、従来から高屈折率樹脂が必要とされている、その他の用途においても、好適に用いることができる。
[光ヘッド装置]
図7は、本発明の一実施形態である光ヘッド装置の構成を模式的に示す図である。
図7に示すように、光ヘッド装置111は、レーザ光を出射する光源112と、波長選択性回折格子113と、レーザ光を透過するビームスプリッタ114と、レーザ光を平行化するコリメータレンズ115と、光ディスク116の記録層117に集光する対物レンズ118と、光ディスク116からの反射光を検出する光検出器119とを有している。波長選択性回折格子113は、3ビーム発生用回折格子であり、本実施形態では、上述した波長選択性回折格子10(図1参照。)を適用する。波長選択性回折格子113で得られた3ビームは、光ヘッド装置111において、BDなどに記録された情報を読み取る際のトラッキング制御において用いられる。
なお、図7では、光源112とビームスプリッタ114との間に波長選択性回折格子113が設けられているが、波長選択性回折格子113は、光源112と対物レンズ118の間の光路中に設けられていればよく、例えば、ビームスプリッタ114と対物レンズ118との間に波長選択性回折格子113を設けてもよい。ただし、図7に示すように、光源112とビームスプリッタ114の間に波長選択性回折格子113を配置することが、光ディスクからの反射光が、波長選択性回折格子113で回折されず、その大半が光検出器119に到達するため、光の利用効率が高められるため好ましい。
光源112は、例えば半導体レーザダイオードで構成されており、光ディスク116の種類に適した波長のレーザ光を生成し、波長選択性回折格子113に出射する。光源112には、通常の光ヘッド装置に使用される、一般的なレーザ光源が使用される。具体的には、半導体レーザが好適に用いられ、半導体レーザ以外のレーザ光源であってもよい。本発明に適用される光学材料は、青色レーザに対して優れた耐光性を有するため、青色レーザを光源とした光ヘッド装置に好適に使用される。本実施形態では、レーザ光として、波長405nm(波長λ)、及び660nm(波長λ)のものを使用する。なお、互いに異なる波長のレーザ光を出射する光源を複数備え、各光源から波長選択性回折格子113にレーザ光を出射する構成としてもよい。
波長選択性回折格子113は、波長λのレーザ光を回折せずに透過した光(0次回折光)と、波長λのレーザ光を回折した光(±1次回折光)とを含む3つのビーム(図1(a)参照。)をビームスプリッタ114に出力する。さらに、波長選択性回折格子113は、波長λのレーザ光を透過してビームスプリッタ114に出力する。ビームスプリッタ114は、透過性の材料、例えば、ガラス、プラスチック等で構成されており、光ディスク116からの反射光を反射する反射面を備えている。コリメータレンズ115も、透過性の材料、例えば、ガラス、プラスチック等で構成されており、入射したレーザ光を平行化するように構成されている。
対物レンズ118は、所定の開口数NAを有しており、コリメータレンズ115からの入射光を光ディスク116の記録層117に集光し、さらに、記録層117からの反射光を捕捉するように構成されている。光検出器119は、レンズやフォトダイオードなどを含んでおり、ビームスプリッタ114の反射面によって反射された光ディスク116からの反射光を電気信号に変換する。また、光検出器119は、波長λの3ビームの反射光を受光し、0次回折光により生成された主ビームと、±1次回折光により生成された2つの副ビームとを受光し、2つの副ビーム間の光量差に基づいてトラッキングエラーを検出し、トラッキング制御部(図示せず)に出力する。
光ディスク116がBDである場合、光ヘッド装置111は次のように動作する。まず、図7に示すように、光源112から出射された波長λの光は、波長選択性回折格子113によって出射光の一部が回折される。これにより、波長選択性回折格子113からは、0次回折光と±1次回折光を含む光が出射され、ビームスプリッタ114を透過して、コリメータレンズ115によって平行光とされる。コリメータレンズ115から出射された平行光は、対物レンズ118によって、0次回折光と±1次回折光とが3ビームとなって光ディスク116の情報記録トラック上に集光される。次に、光ディスク116によって反射された光は、再び対物レンズ118よりコリメータレンズ115を透過し、ビームスプリッタ114で反射されて、0次回折光により生成された主ビームと、±1次回折光により生成された2つの副ビームとが光検出器119の受光面に集光される。そして、光検出器119によって、2つの副ビーム間の光量差に基づいてトラッキングエラー信号が検出され、トラッキング制御部(図示せず)に出力される。
光ディスク116がDVDである場合には、光ヘッド装置111は次のように動作する。 まず、図7に示すように、光源112から出射された波長λの光は、波長選択性回折格子113で回折されることなく透過した後、さらにビームスプリッタ114を透過して、コリメータレンズ115で平行光とされる。その後、この平行光は、対物レンズ118によって光ディスク116の情報記録トラック上に集光される。そして、光ディスク116で反射された光は、再び対物レンズ118とコリメータレンズ115を透過し、ビームスプリッタ114で反射されて光検出器119の受光面に集光される。
以上述べたように本発明の波長選択回折素子を用いることにより、大容量化に適し、信頼性の高い光ヘッド装置を構成できる。
本実施形態では、波長選択性回折格子113を、光源112と対物レンズ118との間の光路上に設けることとしたが、本発明の光ヘッド装置111はこのような態様に限定されず、例えば対物レンズ118と光検出器119との間の光路上に、本発明の波長選択性回折格子をホログラム回折素子として設ける構成としてもよい。これにより、光検出器119の受光面数や受光面の面積を低減でき、装置全体の小型化が図れる。
また、本発明の光ヘッド装置は、記録・再生する光ディスクの種類に応じて、3ビーム方式とホログラム方式とを使い分け可能としたものでもよく、また、トラッキングサーボ信号の検出を3ビーム方式で行い、フォーカスサーボ信号の検出をホログラム方式で行うようにしたものでもよい。例えば、DVDとCDを記録・再生する場合は3ビーム方式を用い、BDを記録・再生する場合はホログラム方式を用いるものでもよい。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜変形して実施できる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(酸化ジルコニウム粒子の平均1次粒子径の測定)
ジルコニア粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて約200個の粒子径を測定し平均値を使用した。
(光重合性成組成物の粘度測定)
光重合性成組成物の粘度測定は、粘度計(Brookfield社製、商品名「HBDV-III Ultra CP」)により、25℃においてせん断速度10s−1にて測定した。
(光重合性成組成物を硬化した硬化物の屈折率測定)
光重合性成組成物を硬化した硬化物の屈折率はプリズムカプラ(Metricon社製、商品名「Model2010」)により、室温で測定した。404、633、791nmにて測定された3波長の屈折率を、コーシーの式(n(λ)=A+B/λ+C/λ)のパラメーターA、B、Cを最小2乗法にてフィッティングを行い、波長589nmにおける屈折率nとアッベ数νを求めた。
<酸化ジルコニウム粒子の表面修飾>
(調製例1)
撹拌機を備えた100mLガラス製容器に、平均1次粒子径7nmの酸化ジルコニウム粒子2g、トルエン20gを入れ激しく撹拌し、さらに表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6gを投入した。その後、24時間撹拌を続けた後、エバポレータにて液体を除去し、白粉を得た。
得られた白粉の一部を採取し、CDClを加えてH−NMRで分析したところ、メトキシ基に特有のスペクトルが消失していた。また、採取した残りの白粉にトルエンを加えたところ、透明な液体が得られた。
これにより、酸化ジルコニウム粒子表面が、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと反応した表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)の生成が確認された。
(調製例2)
平均1次粒子径7nmの酸化ジルコニウム粒子2gに代えて、平均1次粒子径9nmの酸化ジルコニウム粒子2gを使用し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を0.6gから0.4gに変更した以外は、(調製例1)と同様にして白粉の作製、及び酸化ジルコニウム粒子の表面状態の確認を行い、表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−2)を得た。
<光重合性組成物βの作製>
[例1]
100mLガラス製容器に、調製例1で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)1.30g、トルエン10gを入れ、トルエン分散液を調製した。
これに2−エチル−2−アダマンチルアクリレート(出光興産株式会社製)0.70gを加えて1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した。留去後に得られた組成物の一部を採取し、CDClを加えてH−NMRで分析した。
NMR分析で得られたスペクトル強度から、組成物中のトルエン濃度は1%未満であることを確認した。
この組成物1.00gとトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)0.03g、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.005gとを混合し、超音波分散機にて分散処理を行って、光重合性組成物(A)を得た。
光重合性組成物(A)に占める、酸化ジルコニウム粒子の含有量は48.9質量%であり、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートの含有量は2.7質量%であった。
また、光重合性組成物(A)中のトルエンの残留濃度(残留溶媒量)は光重合性組成物(100質量%)に対して0.1質量%であり、粘度は2900mPa・sであった。
[例2]
調製例1で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)1.30gに代えて、調製例2で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−2)1.37gを用い、2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの添加量を0.70gから0.63gに変更し、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)の添加量を0.03gから0.20gに変更した以外は、[例1]と同様にして光重合性組成物(B)を得た。
光重合性組成物(B)に占める、酸化ジルコニウム粒子の含有量は47.2質量%、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートの含有量は16.9質量%であった。また、光重合性組成物(B)中のトルエンの残留濃度(残留溶媒量)は光重合性組成物(100質量%)に対して0.1質量%であり、粘度は2600mPa・sであった。
[例3]
調製例1で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)1.30gに代えて、調製例2で得られた酸化ジルコニウム粒子(Z−2)1.37gを用い、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート0.70gに代えてジアダマンチルアクリレート0.63gを用い、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)の添加量を0.03gから0.20gに変更した以外は、[例1]と同様にして光重合性組成物(C)を得た。
光重合性組成物(C)に占める、酸化ジルコニウム粒子の濃度は47.2質量%であり、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートの濃度は16.9質量%であった。
また、光重合性組成物(C)中のトルエンの残留濃度(残留溶媒量)は、光重合性組成物(100質量%)に対して 0.1質量%であり、粘度は7000mPa・sであった。
[例4]
調製例1で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)の添加量を、1.30gから1.39gに変更し、2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの添加量を0.70gから0.61gに変更し、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート0.03gをアダマンチルジアクリレート(三菱ガス化学株式会社製)0.05gに変更した以外は、[例1]と同様にして光重合性組成物(D)を得た。
光重合性組成物(D)に占める、酸化ジルコニウム粒子の濃度は51.7質量%、アダマンチルジアクリレートの濃度は5.0質量%であった。
また、光重合性組成物(D)中のトルエンの残留濃度(残留溶媒量)は光重合性組成物(100質量%)に対して0.1質量%であり、粘度は8400mPa・sであった。
[例5]
調製例1で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)の添加量を、1.30gから1.55gに変更し、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート(出光興産株式会社製)の添加量を0.70gから0.45gに変更し、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートを添加しなかったこと以外は、[例1]と同様にして光重合性組成物(E)を得た。
光重合性組成物(E)に占める、酸化ジルコニウム粒子の濃度は60.5質量%であった。
また、光重合性組成物(E)中のトルエンの残留濃度(残留溶媒量)は光重合性組成物(100質量%)に対して0.4質量%であり、粘度は10000mPa・sを超える値を示した。
[例6]
調製例1で得られた表面処理酸化ジルコニウム粒子(Z−1)1.30gに代えて、調製例2で得られた酸化ジルコニウム粒子(Z−2)1.59gを用い、2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの添加量を0.70gから0.41gに変更し、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートを添加しなかった以外は、[例1]と同様にして光重合性組成物(F)を得た。
光重合性組成物(F)に占める、酸化ジルコニウム粒子の濃度は65.7質量%であった。また、光重合性組成物(F)中のトルエンの残留濃度は光重合性組成物(100質量%)に対して0.5質量%であり、粘度は10000mPa・sを超える値を示した。
例1〜6の各光重合組成物(A)〜(F)における、酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径及びその含有量とともに、一官能性化合物(I)、多官能性化合物(II)の含有量を表1に示す。
Figure 2013037747
<光重合性組成物(α)の作製>
[例7]
ビスアリールフルオレン骨格を有するオグソールEA−F5003(大阪ガスケミカル株式会社製)1.00gと光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.005gとを100mLガラス製容器に入れ、十分に撹拌し、光重合性組成物(G)を得た。
光重合性組成物(G)に占める、オグソールEA−F5003(大阪ガスケミカル株式会社製)の割合は99.5質量%であった。
[例8]
下式(19)で示される芳香族化合物(19)1.00gと、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.005gとを100mLガラス製容器に入れ、十分に撹拌し、光重合性組成物(H)を得た。
光重合性組成物(H)に占める、芳香族化合物(19)の割合は99.5質量%であった。
Figure 2013037747
[例9]
100mLガラス製容器に、オグソールEA−F5003(大阪ガスケミカル株式会社製)と、下式(20)で示される芳香族化合物(20)との混合物1.0gと、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.005gとを100mLガラス製容器に入れ十分に攪拌し、光重合性組成物(I)を得た。
光重合性組成物(I)に占める、オグソールEA−F5003(大阪ガスケミカル株式会社製)の割合は58.9質量%であり、芳香族化合物(20)の割合は40.6質量%であった。
Figure 2013037747
<光学材料の屈折率>
[例10]
2枚のガラス板の角4箇所を、直径10μmのガラスビーズを配合した接着剤を用いて貼り合わせて、ガラス間に10μmの間隔を設けたガラスセルを作製した。このガラスセルの内部に、上記の光重合性組成物(A)を液体状態で注入した後、ガラス板に対して垂直方向から紫外線を2分間照射し、光重合性組成物(A)を硬化させ硬化物Aを得た。
光硬化に用いた高圧水銀灯の照度は、波長365nmで100mW/cmであった。硬化物Aの屈折率を測定したところ、屈折率nは1.603、アッベ数νは47であり、高屈折率かつ屈折率の波長依存性が小さいことが確認された。
[例11]〜[例18]
光重合性組成物(A)に代えて光重合性組成物(B)〜(I)を用いた以外は、[例10]と同様にして、光重合性組成物(B)〜(I)を硬化させ硬化物B〜Iを得た。
例10〜18で得られた硬化物(A)〜(I)の屈折率n、アッベ数νを表2に示す。
Figure 2013037747
<波長選択回折素子>
[例19]
石英ガラス基板(以下、支持ガラス基板ともいう)上に光重合性組成物(A)を滴下し、次いでオプツールDSX(ダイキン工業株式会社製)で表面が処理された凹凸形状を有する石英ガラス基板(以下、離型性凹凸ガラス基板ともいう)を用いて気泡の巻き込みに注意しながらゆっくりと加圧した。
なお、凹凸形状はduty0.55のバイナリー形状であり、格子高さは9.4μm、格子ピッチは10μmであった。
石英ガラス基板及び離型性凹凸ガラス基板に対して、垂直方向から紫外線を2分間照射し、両ガラス基板内部に光重合性組成物(A)の硬化体が形成された積層体を得た。
光硬化に用いた高圧水銀灯の照度は、波長365nmで100mW/cmであった。
その後、離型性凹凸ガラス基板を注意しながら硬化体から剥離したところ、支持ガラス基板上に、凹凸形状が転写された光学材料が得られた。次に、光重合性組成物(A)の硬化体からなる光学材料上に光重合性組成物(G)を滴下した後、組成物(G)上に石英ガラス基板(以下、保護ガラス基板ともいう)を載置し、気泡の巻き込みに注意しながら、保護ガラス基板をゆっくりと加圧した。
支持ガラス基板及び保護ガラス基板に対して、垂直方向から紫外線を2分間照射し、ガラス基板内部に、光重合性組成物(A)の硬化体及び光重合性組成物(G)の硬化体からなる光学材料が形成された波長選択回折素子を得た。
[例20]
光重合性組成物(A)に代えて光重合性組成物(E)、光重合性組成物(G)に代えて光重合性組成物(H)を用い、凹凸形状の格子高さを6.3μmとしたこと以外は、実施例16と同様にして波長選択回折素子を得た。
[例21]
光重合性組成物(G)に代えて光重合性組成物(I)を用い、凹凸形状を、duty0.45のバイナリー形状とし、格子高さを21.5μmとしたこと以外は、実施例16と同様にして波長選択回折素子を得た。
[例22]
光重合性組成物(A)に代えて光重合性組成物(F)、光重合性組成物(G)に代えて光重合性組成物(H)を用い、凹凸形状を、duty0.45のバイナリー形状とし、格子高さを11.0μmとしたこと以外は、実施例16と同様にして波長選択回折素子を得た。
[例23]
凹凸形状を8ステップブレーズ形状とし、格子高さを16.5μmとしたこと以外は、実施例16と同様にして波長選択回折素子を得た。
[例24]
凹凸形状を8ステップブレーズ形状とし、格子高さを10.9μmとしたこと以外は、実施例17と同様にして波長選択回折素子を得た。
[例25]
凹凸形状を8ステップブレーズ形状とし、格子高さを42.0μmとしたこと以外は、実施例18と同様にして波長選択回折素子を得た。
[例26]
凹凸形状を8ステップブレーズ形状とし、格子高さを21.0μmとしたこと以外は、実施例19と同様にして波長選択回折素子を得た。
バイナリー形または8ステップブレーズ形の格子形状を有する、例19〜26で得られた各波長選択回折素子に、405、660、785nmの3波長のレーザー光をそれぞれ垂直に入射させて、0次回折効率及び+1次回折効率を測定した。評価結果を、各凹凸部の格子高さ、格子ピッチ及び格子形状並びに各硬化物(光学材料)の屈折率n、アッべ数v及び屈折率差Δnと併せて、表3及び表4に示す。
Figure 2013037747
Figure 2013037747
表3から明らかなように、低波長分散性を有する光学材料として、酸化ジルコニウム粒子を含む光重合性組成物(A)、(E)、(F)の硬化物を用いた例19〜22の波長選択回折素子では、波長405nm帯域または波長785nm帯域で、0.019以上の屈折率差を得られており、バイナリー形状の回折格子でも、40.3〜42.2%と30%以上の高い一次回折効率が得られた。
また、表4から明らかなように、8ステップブレーズ形の格子形状を有する例23〜26の波長選択回折素子でも同様に、低波長分散性を有する光学材料として、酸化ジルコニウム粒子を含む光重合性組成物(A)、(E)、(F)の硬化物を用いており、波長405nm帯域または波長785nm帯域で、0.019以上の屈折率差が得られ、67.3〜85.1%と50%以上高い一次回折効率が得られた。
また、例19〜26の波長選択回折素子では、迷光や光量損失が抑制されており、波長405nm帯域または波長785nm帯域で、97.5%以上と高い0次回折効率が得られた。
本発明の波長選択回折素子を用いることにより、BD、DVD、CD各波長帯域に対応した、信頼性の高い光ヘッド装置を構成できる。
10,20,30…波長選択回折素子、11,14,21,24,31,36,37…透明基板、12,22,32,35…凹凸部材、13,23,33,34…充填部材、15…接着層、16…モールド、17…成型体、310…第2部材、320…第1部材、
111…光ヘッド装置、112…光源、113…波長選択性回折格子、114…ビームスプリッタ、115…コリメータレンズ、116…光ディスク、117…記録層、118…対物レンズ、119…光検出器

Claims (8)

  1. 透光性を有する透明基板と、前記透明基板上に形成され、一方向に延在するように周期的に形成された凹凸形状を有する凹凸部材と、少なくとも前記凹凸部材を埋めるように充填された充填部材とを備え、少なくとも405nm波長帯の波長(λ)、660nm波長帯の波長(λ)及び785nm波長帯の波長(λ)を有する入射光が入射される波長選択回折素子であって、前記凹凸部材及び充填部材はそれぞれ、高波長分散性を有する第1の光学材料A又は低波長分散性を有する第2の光学材料Bのいずれか一方で形成されており、前記第1の光学材料Aの屈折率nA及び前記第2の光学材料Bの屈折率nBは、前記波長λの光に対して|nA−nB|≦0.006でありかつ前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA−nB|>0.006であるか、または前記波長λ及び前記波長λの光に対して|nA−nB|≦0.006であり、かつ前記波長λの光に対して|n(A)−n(B)|>0.006の関係を満たしており、前記低波長分散性を有する第2の光学材料Bは、重合性基を有する表面修飾剤で表面被覆された平均粒子径3nm以上 15nm以下の酸化ジルコニウム粒子と、1個の重合性基と炭素数10以上14以下の脂環式構造を有する一官能性化合物と、を含有する光重合性成組成物を硬化させてなることを特徴とする波長選択回折素子。
  2. 前記第1の光学材料Aの屈折率nA及び前記第2の光学材料Bの屈折率nBが、前記波長λ、λ、λのうち波長λの光に関して|nA−nB|≦0.006、かつ波長λ、波長λの光に関して|nA−nB|≧0.013の関係にあり、波長λの光に対する0次回折効率が90%以上であるか、または、前記波長λ、λ、λのうち波長λ、波長λの光に関して|nA−nB|≦0.006、かつ波長λの光に関して|nA−nB|≧0.015の関係にあり、波長λ及びλの光に対する0次回折効率が90%以上である請求項1に記載の波長選択回折素子。
  3. 前記一官能性化合物の脂環式骨格がアダマンタン、ジアマンタン、またはトリシクロデカンのいずれかであり、前記重合性基がアクリル基またはメタクリル基である請求項1又は2に記載の波長選択回折素子。
  4. 前記表面修飾剤が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波長選択回折素子。
    Figure 2013037747
    (式(1)中、Aは水素原子又はメチル基を表し、Xはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1〜6の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。)
  5. 前記酸化ジルコニウム粒子の含有量が45質量%以上70質量%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の波長選択回折素子。
  6. 前記高波長分散性を有する第1の光学材料Aは、芳香族化合物を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の波長選択回折素子。
  7. 前記高波長分散性を有する第1の光学材料Aの屈折率nとアッベ数νが10<ν<35、1.55<n<1.70の範囲内にあり、かつ、前記低波長分散性を有する第2の光学材料Bの屈折率nとアッベ数νが38<ν<58、1.53<n<1.78、かつ、n>1.804−0.005νの範囲内にある請求項1乃至6のいずれか1項に記載の波長選択回折素子。
  8. 少なくとも405nm波長帯の波長(λ)、660nm波長帯の波長(λ)及び785nm波長帯の波長(λ)を有する入射光を出射する光源と、前記光を光ディスクの記録層に集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記光源と前記対物レンズとの間の光路上、又は前記対物レンズと前記光検出器との間の光路上に、請求項1から7のいずれか1項に記載の波長選択回折素子を設置してなることを特徴とする光ヘッド装置。
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