以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る回生制御装置について、図1から図7を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る回生制御装置が適用された車両の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る回生制御装置が適用された車両の構成を概念的に示すブロック図である。
図1において、車両1は、エンジン200と、オルタネータ300と、バッテリ400と、トランスミッション500と、プロペラシャフト9と、デファレンシャルギヤ10と、ドライブシャフト11と、車輪12と、SOCセンサ91と、ブレーキペダルセンサ92と、ECU100とを備えている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例としての直列4気筒ガソリンエンジンであり、車両1の動力源として機能する。エンジン200は、気筒内において点火プラグによる点火動作を介して混合気を燃焼せしめるとともに、かかる燃焼による爆発力に応じて生じるピストンの往復運動を、コネクティングロッドを介して出力軸であるクランクシャフトの回転運動に変換可能に構成されている。エンジン200のクランクシャフトは、トランスミッション500の入力軸に直接的或いは間接的に連結されている。トランスミッション500の出力軸はプロペラシャフト9を介してデファレンシャルギヤ10に連結されている。デファレンシャルギヤ10には、2本のドライブシャフト11が接続され、ドライブシャフト11は左右の車輪12にそれぞれ接続されている。
なお、図2を参照して後述するように、エンジン200には、電動アシストターボチャージャ(あるいは「モータアシストターボチャージャ」とも呼ばれる。以下「MAT」と適宜称する)280やEHC(電気加熱式触媒)235が設けられている。また、エンジン200は、ディーゼルエンジンであってもよい。
オルタネータ300は、エンジン200の出力軸であるクランクシャフトの回転運動の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する回生発電を行うことが可能に構成された発電機である。オルタネータ300は、例えばベルトやチェーンなどの伝達部材60を介して、エンジン200のクランクシャフト(又は、このクランクシャフトに連動して回転する部材)と連結されており、エンジン200のクランクシャフトの運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。詳細には、オルタネータ300は、三相の巻線を有するステータコイルと、ステータコイルの内側に位置するフィールドコイルと、ステータコイルに発生した交流電流を直流電流に変換する整流器と、フィールドコイルに対する界磁電流(フィールド電流)の通電(オン)と非通電(オフ)とを切り換えるレギュレータとを備えた三相交流発電機である。オルタネータ300は、フィールドコイルに界磁電流が通電されたときに、ステータコイルに誘起電流(三相交流電流)を発生させ、発生した三相交流電流を直流電流に変換して出力する。後述するECU100によって、レギュレータのオン/オフのデューティ比が制御されることで(即ち、フィールドに対する界磁電流の通電がECU100によって制御されることで)、オルタネータ300の発電電圧が制御される。オルタネータ300の回生発電によりバッテリ400が充電される。なお、オルタネータ300は、本発明に係る「発電機」の一例である。
バッテリ400は、車両1が備える各種の電気デバイス(例えばEHCやMATなど)に電力を供給する電力供給源として機能する充電可能な蓄電池である。バッテリ400は、オルタネータ300の回生発電により充電される。バッテリ400の充放電は、ECU100によって制御される。バッテリ400にはSOCセンサ91が接続されている。なお、バッテリ400は、本発明に係る「バッテリ」の一例である。
SOCセンサ91は、バッテリ400の充電状態(SOC)を検出するセンサであり、バッテリ400の充電状態を示すSOC値をECU100に出力する。
ブレーキペダルセンサ92は、ドライバーによるブレーキペダル70の操作量を検出するセンサであり、検出したブレーキペダル70の操作量をECU100に出力する。
次に、エンジン200の構成について、図2を参照して説明を加える。
図2は、エンジン200の構成を概略的に示す図である。
図2において、エンジン200は、4つの気筒211を有するエンジン本体210と、各気筒211の燃焼室に空気を吸入させる吸気系220と、各気筒211からの排気ガスを排気させる排気系230と、各気筒11からの排気ガスの一部を吸気側に還流させ再循環させるEGR系240(排気再循環機構)と、排気系230内の排気エネルギーを利用して吸気系220内の空気を圧縮し、各気筒211の燃焼室に空気を過給する電動アシストターボチャージャ(MAT)280とを備えている。
吸気系220は、気筒211の燃焼室に連通する吸気マニホールド221と、この吸気マニホールド221の上流側に連通する吸気管22と、吸気管222における上流側で、吸入される空気(即ち、吸入空気)を清浄化するエアクリーナ223と、吸気管222におけるMAT280よりも下流側で吸入空気を冷却するインタークーラ224と、エンジン本体210の気筒211への吸入空気量を調整可能なスロットル225とを含んで構成されている。スロットル255の開度は、後述するECU100によって制御される。
排気系230は、気筒211の燃焼室に連通する排気マニホールド231と、この排気マニホールド231の下流側に連通する排気管232と、排気管232におけるMAT280の上流側と下流側とを連通させ、排気ガスをMAT280を迂回して排出するためのバイパス管233と、バイパス管233に設けられたウエストゲートバルブ234と、排気管232におけるMAT280よりも下流側で、各気筒211からの排気ガスを清浄化するEHC(電気加熱式触媒)235とを含んで構成されている。ウエストゲートバルブ234は、ECU100による制御下で、MAT280による過給が行われる場合に閉じられ、MAT280による過給が行われない場合に開かれる。
EGR系240は、気筒211の燃焼室をバイパスして排気マニホールド231と吸気マニホールド221とを連通させ、各気筒211からの排気を再循環させるEGR通路241と、このEGR通路241を通って還流する排気を冷却するEGRクーラ242と、吸気マニホールド221への排気還流量(即ち、還流する排気の量)を調整可能なEGRバルブ243とを含んで構成されている。EGRバルブ243の開度(或いは開閉状態)は、後述するECU100によって制御される。
MAT280は、タービンを回転させることが可能な電動モータを備えた排気タービン式の過給機(ターボチャージャ)であり、排気管232内を流れる排気ガスのエネルギー或いは電動モータによってタービンを回転させることにより、吸気管222内の空気を加圧することが可能に構成されている。詳細には、MAT280は、排気管232内に設けられたタービンホイールと、吸気管222内に設けられたコンプレッサホイールと、タービンホイールとコンプレッサホイールとを連結するタービンシャフトと、タービンシャフトの回転をアシストするための電動モータとを含んで構成されている。エンジン200から排出される排気ガスが、排気管232を通過する際にタービンホイールを回転させることにより、タービンシャフトを介してコンプレッサホイールが回転し、吸気管222内の空気が加圧される。MAT280は、気筒211から排出された排気ガスのエネルギーが十分でない場合に、電動モータによりタービンシャフトを強制的に超高速で回転させることができる。MAT280(詳細には、MAT280が有する電動モータ)は、バッテリ400から電力が供給されるとともに、ECU100により制御される。なお、MAT280は、本発明に係る「電動アシストターボチャージャ」の一例である。また、MAT280は、開度が可変な可変ノズルベーンを有する可変ノズルターボチャージャである。
EHC235は、排気管232におけるMAT280の下流側に設けられ、気筒211から排出される排気ガスを浄化する触媒と、この触媒を電気加熱する加熱手段とを備えた電気加熱式触媒である。EHC235は、バッテリ400から電力が供給される。
ECU100は、本発明に係る「回生制御装置」の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、車両1の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、エンジン200、オルタネータ300、SOCセンサ91、ブレーキペダルセンサ92などの各部に電気的、或いは何らかの信号の入出力可能な態様で接続され、各部の駆動の制御及び情報の入出力を行う。なお、ECU100は、本発明に係る「増減制御手段」、「充放電制御手段」、「目標回生電力設定手段」、「摩擦抵抗制御手段」及び「排気ガス量制御手段」の一例として機能する。
図3は、本実施形態に係る車両1の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
図3において、オルタネータ300とバッテリ400とは互いに電気的に接続されており、オルタネータ300の回生発電によりバッテリ400が充電される。即ち、バッテリ400は、オルタネータ300の回生発電により生成された回生電力を蓄える。
車両1が備える例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスは、オルタネータ300及びバッテリ400に電気的に接続されている。これら各種電気デバイスにはバッテリ400から電力が供給される。
次に、本実施形態に係るECU100による回生制御について、図4から図7を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係るオルタネータ300及びバッテリ400を含む電気システムの構成を示す等価回路図である。
図4において、オルタネータ(ALT)300は、バッテリ400と電気的に接続されている。抵抗R1は、オルタネータ300とバッテリ400との間の配線の抵抗である(以下、抵抗R1を「配線抵抗R1」と適宜称する)。抵抗R2は、バッテリ400の内部抵抗である(以下、抵抗R2を「内部抵抗R2」と適宜称する)。内部抵抗R2は、バッテリ400の充電状態(SOC)に応じて変動する。即ち、バッテリ400の充電量が多いほど(即ち、SOC値が高いほど)、内部抵抗R2は大きく、バッテリ400の充電量が少ないほど(即ち、SOC値が低いほど)、内部抵抗R2は小さい。抵抗R3は、バッテリ400にかかる電気負荷である(以下、抵抗R3を「電気負荷R3」と適宜称する)。電気負荷R3は、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスに起因する電気負荷である。電気負荷R3は、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスに放電すべき電力(即ち、バッテリ400の放電量)が大きいほど大きく、放電すべき電力が小さいほど小さい。
オルタネータ300の回生発電により生成される回生電力Waltは、下記式(1)に示すように、オルタネータ300の発電電圧Valtと、内部抵抗R2(言い換えれば、バッテリの充電状態(SOC))と、電気負荷R3とに応じて変動する。なお、式(1)において、Vbatは、バッテリ400のバッテリ電圧である。
よって、例えば、仮に何らの対策も施さなければ、バッテリ400の充電状態、回生発電の発電電圧Valt及びバッテリ400にかかる電気負荷R3の組み合わせによっては、回生発電により目標回生電力を生成することができず、エンジン200の出力軸であるクランクシャフトに発生させるべき制動力を発生させることが困難になるおそれがある。この結果、車両1の減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうおそれがある。
しかるに本実施形態では特に、ECU100は、回生発電の発電電圧Valt、及びバッテリ400にかかる電気負荷R3の少なくとも一方を、回生電力Waltが目標回生電力に一致するように増減制御する。
図5は、発電電圧Valtが一定である場合におけるECU100による電気負荷R3の増減制御を説明するためのグラフである。
図5において、実線La0はバッテリ400の放電量が値Pa0(例えば0(ゼロ))であるときの回生電力Waltを示し、実線La1はバッテリ400の放電量が値Pa0よりも大きい値Pa1であるときの回生電力Waltを示し、実線La2はバッテリ400の放電量が値Pa1よりも大きい値Pa2であるときの回生電力Waltを示し、実線La3はバッテリ400の放電量が値Pa2よりも大きい値Pa3であるときの回生電力Waltを示し、実線La4はバッテリ400の放電量が値Pa3よりも大きい値Pa4(例えば放電量の最大値)であるときの回生電力Waltを示している。
図5に示すように、発電電圧Valtが一定である場合(即ち、発電電圧Valtを一定値で維持する場合)には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、電気負荷R3を増減制御する。即ち、この場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスに放電すべき電力(即ち、バッテリ400の放電量)を増減制御する。
図5において、例えば、現在のSOC値が「SOCa2」であるとともに現在のバッテリ400の放電量が値Pa1(実線La1参照)であり、このままの状態では、回生電力Waltが目標回生電力Wtarよりも小さくなる場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、バッテリ400の放電量を増大させる。(つまり、電気負荷R3が大きくなるように、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスを制御する)。言い換えれば、この場合には、ECU100は、バッテリ400の放電量が値Pa2(実線La2参照)になるように、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスを制御することで、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させる。
あるいは、例えば、現在のSOC値が「SOCa2」であるとともに現在のバッテリ400の放電量が値Pa3(実線La1参照)であり、このままの状態では、回生電力Waltが目標回生電力Wtarよりも大きくなる場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、バッテリ400の放電量を減少させる(つまり、電気負荷R3が小さくなるように、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスを制御する)。言い換えれば、この場合には、ECU100は、バッテリ400の放電量が値Pa2(実線La2参照)になるように、例えばEHC235、MAT238などの各種電気デバイスを制御することで、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させる。
このように、発電電圧Valtが一定である場合には、バッテリ400にかかる電気負荷R3(即ち、バッテリ400の放電量)を、現在のSOC値に応じて、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように増減制御することで、オルタネータ300の回生発電により目標回生電力Wtarをより確実に生成することができる。即ち、回生電力Waltを高精度に制御することができる。
図6は、バッテリ400の放電量(言い換えれば、バッテリ400にかかる電気負荷R3)が一定である場合におけるECU100による発電電圧Valtの増減制御を説明するためのグラフである。
図6において、実線Lb0はオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb0であるときの回生電力Waltを示し、実線Lb1はオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb0よりも大きい値Vb1であるときの回生電力Waltを示し、実線Lb2はオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb1よりも大きい値Vb2であるときの回生電力Waltを示し、実線Lb3はオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb2よりも大きい値Vb3であるときの回生電力Waltを示し、実線La4はオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb3よりも大きい値Vb4(例えば発電電圧Valtの最大値)であるときの回生電力Waltを示している。
図6に示すように、放電量(言い換えれば、電気負荷R3)が一定である場合(即ち、バッテリ400の放電量を一定値で維持する場合)には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、発電電圧Valtを増減制御する。即ち、この場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、オルタネータ300の発電電圧Valtを増減制御する。なお、ECU100は、前述したように、オルタネータ300のレギュレータのオン/オフのデューティ比を制御することで、発電電圧Valtを増減制御する。
図6において、例えば、現在のSOC値が「SOCb2」であるとともに現在のオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb1(実線Lb1参照)であり、このままの状態では、回生電力Waltが目標回生電力Wtarよりも小さくなる場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、オルタネータ300の発電電圧Valtを増大させる。言い換えれば、この場合には、ECU100は、オルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb2(実線Lb2参照)になるように、オルタネータ300を制御することで、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させる。
あるいは、例えば、現在のSOC値が「SOCb2」であるとともにオルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb3(実線Lb1参照)であり、このままの状態では、回生電力Waltが目標回生電力Wtarよりも大きくなる場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、オルタネータ300の発電電圧Valtを減少させる。言い換えれば、この場合には、ECU100は、オルタネータ300の発電電圧Valtが値Vb2(実線Lb3参照)になるように、オルタネータ300を制御することで、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させる。
このように、放電量(言い換えれば、電気負荷R3)が一定である場合には、オルタネータ300の発電電圧Valtを、現在のSOC値に応じて、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように増減制御することで、オルタネータ300の回生発電により目標回生電力Wtarをより確実に生成することができる。即ち、回生電力Waltを高精度に制御することができる。
図7は、本実施形態における、発電電圧Valtを、バッテリ400の充電状態(SOC)及びバッテリ400の放電量(即ち、バッテリ400にかかる電気負荷R3)に応じて増減する増減制御を説明するための概念図である。
図6を参照して前述したように、放電量(言い換えれば、電気負荷R3)が一定である場合には、ECU100は、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致するように、発電電圧Valtを増減制御する。即ち、ECU100は、SOCセンサ91から出力されるSOC値と現在のバッテリ400の放電量とに応じて、発電電圧Valtを増減制御することにより、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させる。
即ち、例えば、図7に示すように、ECU100は、SOC値が大きいほど或いは放電量が小さいほど、発電電圧Valtをより低い値とすることで、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させ、SOC値が小さいほど或いは放電量が大きいほど、発電電圧Valtをより高い値とすることで、回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させる。
このように、本実施形態によれば、ECU100は、回生発電の発電電圧Valt、及びバッテリ400にかかる電気負荷R3の少なくとも一方を、回生電力Waltが目標回生電力に一致するように増減制御するので、回生電力Waltを高精度に制御できる。よって、エンジン200の出力軸に発生させるべき制動力を高精度に発生させることができる。これにより、車両1の減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうことを低減或いは防止できる。更に、このように回生電力Waltを高精度に制御することができるので、車両1のエネルギー効率を高めることができ、燃費を向上させることも可能となる。
更に、図5及び図6において、本実施形態では特に、ECU100は、車両1の非減速時に、バッテリ400の充電状態を示すSOC値が所定の範囲(図5及び図6中、「SOCmin」から「SOCmax」までの間の範囲)内となるように、バッテリ400の充放電を制御する。ここで、この所定の範囲の上限値は、オルタネータ300の発電電圧Valtの最大値及びバッテリ400の放電量(即ち、バッテリ400にかかる電気負荷R3)の最大値に基づいて設定されている。よって、車両1の減速時に、例えば、SOC値が上限値「SOCmax」よりも多いために、発電電圧Val及びバッテリ400の放電量の少なくとも一方を増減制御しても回生電力Waltを目標回生電力Waltに一致されることできないという事態を回避することができる。よって、回生発電により目標回生電力Waltをより確実に生成することができる。よって、車両1の減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうことをより確実に低減或いは防止できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ECU100は、回生発電の発電電圧Valt、及びバッテリ400にかかる電気負荷R3の少なくとも一方を、回生電力Waltが目標回生電力に一致するように増減制御するので、回生電力Waltを高精度に制御できる。よって、エンジン200の出力軸に発生させるべき制動力を高精度に発生させることができる。これにより、車両1の減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうことを低減或いは防止できる。更に、このように回生電力Waltを高精度に制御することができるので、車両1のエネルギー効率を高めることができ、燃費を向上させることも可能となる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る回生制御装置について、図8を参照して説明する。
図8は、第2実施形態における発電電圧Valtの増減制御を説明するためのグラフである。
第2実施形態に係る回生制御装置は、ブレーキペダル70の操作の有無に応じて、発電電圧Valtを増減制御する点で、前述した第1実施形態に係る回生制御装置と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る回生制御装置と概ね同様に構成されている。
図8において、ECU100は、ブレーキペダル70(図1参照)の操作の有無に応じて、オルタネータ300の発電電圧Valtを増減制御する。なお、前述したように、ECU100は本発明に係る「回生制御装置」の一例である。
即ち、ECU100は、ブレーキペダル70の操作が有る場合(即ち、車両1のドライバーがブレーキペダルを操作することにより車両1を減速させようとしている場合、図8中、ブレーキONの場合)には、ブレーキペダル70の操作が無く、車両1のドライバーがアクセルペダルの操作量を少なくする或いは無くすことにより車両1を減速させようとしている場合、図8中、アクセルOFFの場合)よりも高くなるように発電電圧Waltを増減制御する。つまり、ECU100は、ドライバーがブレーキべダル70を踏み込むことにより、車両1を減速させようとしている場合(ブレーキONの場合)の発電電圧Waltが、ドライバーがブレーキペダル70を踏み込まず、アクセルをオフにすることにより車両1を減速させようとしている場合(アクセルOFFの場合)の発電電圧Waltよりも高くなるように、オルタネータ300を制御する。よって、ブレーキONの場合には、アクセルOFFの場合よりも大きな回生電力を生成することができる。
ここで、ドライバーは、ブレーキONの場合には、アクセルOFFの場合よりも車両1が減速することを予測しているので、比較的大きな回生電力が生成されることにより制動力が発生して車両1が減速しても、ドライバーには減速についての違和感が生じにくい。よって、本実施形態によれば、ドライバーに減速についての違和感を殆ど或いは全く与えることなく、回生電力量を増大させることができ、燃費をより一層向上させることができる。
図9は、変形例における発電電圧Valtの増減制御を説明するためのグラフである。
図9に変形例として示すように、ECU100は、ブレーキペダル70(図1参照)の操作量(ストローク)に応じて、オルタネータ300の発電電圧Valtを増減制御してもよい。即ち、ECU100は、ブレーキペダル70の操作量(ストローク)が大きいほど、発電電圧Valtが高くなるように(即ち、ブレーキペダル70の操作量が小さいほど、発電電圧Valtが低くなるように)、オルタネータ300を制御してもよい。
このような変形例によれば、前述した第2実施形態と同様に、ドライバーに減速についての違和感を殆ど或いは全く与えることなく、回生電力量を増大させることができ、燃費をより一層向上させることができる。
なお、ECU100は、ブレーキべダル70の操作量に加えて或いは代えて、ブレーキ油圧の大きさに応じて、オルタネータ300の発電電圧Valtを増減制御してもよい。即ち、ECU100は、ブレーキ油圧の大きさが大きいほど、発電電圧Valtが高くなるように、オルタネータ300を制御してもよい。この場合にも、前述した第2実施形態と同様に、ドライバーに減速についての違和感を殆ど或いは全く与えることなく、回生電力量を増大させることができ、燃費をより一層向上させることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る回生制御装置について、図10を参照して説明する。
図10は、第3実施形態における、発電電圧Valtが一定である場合における電気負荷R3の増減制御を説明するためのグラフである。
第3実施形態に係る回生制御装置は、SOC値が「SOCmax」よりも大きい場合には、エンジン200における摩擦抵抗であるエンジンフリクションを増大させる点で、前述した第1実施形態に係る回生制御装置と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る回生制御装置と概ね同様に構成されている。
図10において、実線Lc0はバッテリ400の放電量が値Pc0(=0)であるとき(即ち、放電がないとき)の回生電力Waltを示し、実線Lc1はバッテリ400の放電量が値Pc0よりも大きい値Pc1であるときの回生電力Waltを示し、実線Lc2はバッテリ400の放電量が値Pc1よりも大きい値Pc2(放電量の最大値)であるときの回生電力Waltを示している。SOC値が「SOCmin」である場合には、バッテリ400の放電がないときに、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致し、SOC値が「SOCmax」である場合には、バッテリ400の放電量がその最大値である値Pc2であるときに、回生電力Waltが目標回生電力Wtarに一致する。
ここで、本実施形態では、前述した第1実施形態と同様に、ECU100は、車両1の非減速時に、バッテリ400の充電状態を示すSOC値が「SOCmin」から「SOCmax」までの間の範囲内となるように、バッテリ400の充放電を制御する。しかしながら、何らかの影響により、SOC値がその上限値である「SOCmax」よりも大きい「SOCc3」になってしまった場合、放電量を増大させることで回生電力Waltを目標回生電力Wtarに一致させることができなくなってしまう。即ち、SOC値がその上限値である「SOCmax」よりも大きい「SOCc3」である場合には、放電量を最大値にしたとしても回生電力Waltは目標回生電力Wtarよりも例えば値ΔWc3だけ小さくなってしまう。このため、制動力を十分に発生させることができず、減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では特に、SOC値が「SOCmax」よりも大きい場合には、スロットル225、EGRバルブ243、MAT280の可変ノズルベーンを制御することにより、エンジン200のエンジンフリクションを増大させる。具体的には、ECU100は、SOC値と、発生させるべきエンジンフリクションである必要エンジンフリクションとを対応づけるマップを有しており、発生するエンジンフリクションが必要エンジンフリクションに一致するように、スロットル225、EGRバルブ243、MAT280の可変ノズルベーンを制御する。
図11は、本実施形態における、SOC値と必要エンジンフリクションとを対応づけるマップを概念的に示す概念図である。
図11に示すように、本実施形態では、SOC値が大きいほど、より大きな必要エンジンフリクションが対応づけられている。即ち、SOC値が「SOCmax」(図10参照)よりも大きい場合において、SOC値が大きいほど、目標回生電力Wtarと放電量が最大値であるときの回生電力(実線Lc2参照)との差が大きいので、本実施形態では、SOC値が大きいほど、より大きなエンジンフリクションを発生させる。
図12は、スロットル255(Dスロットル)、EGRバルブ243(EGR)及びMAT280の可変ノズルベーン(VN)の各々の開閉状態とエンジンフリクションとの関係を示す概念図である。
図12において、スロットル255が閉状態側に、EGRバルブ243が開状態側に、MAT280の可変ノズルベーンが開状態側に、ECU100によってそれぞれ制御されることにより、エンジン200のエンジンフリクションはより小さくなり、スロットル255が開状態側に、EGRバルブ243が閉状態側に、MAT280の可変ノズルベーンが閉状態側に、ECU100によってそれぞれ制御されることにより、エンジン200のエンジンフリクションはより大きくなる。
ECU100は、SOCセンサ91(図1参照)によって検出されるSOC値及び図11を参照して前述したマップに基づいて、エンジン200のエンジンフリクションが必要エンジンフリクションに一致するように、スロットル255、EGRバルブ243及びMAT280の可変ノズルベーンの各々の開閉状態を制御する。
よって、バッテリ400の放電量を最大値にしたとしても回生電力Waltが目標回生電力Wtarよりも小さくなる場合においても、発生させるべき制動力をより確実に発生させることができる。したがって、減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうことをより確実に低減或いは防止できる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る回生制御装置について、図13を参照して説明する。
図13は、本実施形態における、SOC値の制御範囲を説明するための概念図である。
第4実施形態に係る回生制御装置は、EHC235(図2参照)の触媒床温が所定の基準温度以上である場合には、MAT280を作動させることにより、EHC235に流入する排気ガスの量を増大させる点で、前述した第3実施形態に係る回生制御装置と異なり、その他の点については、前述した第3実施形態に係る回生制御装置と概ね同様に構成されている。
図13において、本実施形態では、ECU100は、車両1の非減速時に、EHC235(図2参照)の触媒床温が基準温度Tsよりも高い場合には、SOC値が「SOCmin」から「SOCc1」までの間の範囲内となるように、バッテリ400の充放電を制御し、EHC235(図2参照)の触媒床温が基準温度Vsよりも低い場合には、SOC値が「SOCmin」から「SOCmax」までの間の範囲内となるように、バッテリ400の充放電を制御する。
よって、車両1の減速時に、例えば、SOC値が上限値「SOCmax」よりも多いために、発電電圧Valt及びバッテリ400の放電量の少なくとも一方を増減制御しても回生電力Waltを目標回生電力Waltに一致させることできないという事態を回避することができる。よって、回生発電により目標回生電力Waltをより確実に生成することができる。したがって、車両1の減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうことをより確実に低減或いは防止できる。
本実施形態では特に、ECU100は、EHC235の触媒床温が所定の基準温度Ts以上である場合には、MAT280を作動させることにより、EHC235に流入する排気ガスの量を増大させる。これにより、EHC235の触媒床温を低下させることができ、EHC235への放電量を増大させることが可能となる。よって、EHC235への放電量を増大させることにより、回生電力Waltを目標回生電力Waltにより確実に一致させることができる。即ち、例えば、EHC235の触媒床温が高いために、EHC235への放電量を増大させることができない(即ち、EHC235への放電量を制限せざるをえない)という事態を回避でき、EHC235への放電量を増大させることにより、回生電力Waltを目標回生電力Waltにより確実に一致させることができる。よって、車両1の減速度についてドライバーに違和感を与えてしまうことをより確実に低減或いは防止できる。
本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う回生制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。