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JP2013016680A - 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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JP2013016680A JP2011148954A JP2011148954A JP2013016680A JP 2013016680 A JP2013016680 A JP 2013016680A JP 2011148954 A JP2011148954 A JP 2011148954A JP 2011148954 A JP2011148954 A JP 2011148954A JP 2013016680 A JP2013016680 A JP 2013016680A
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Yuho Kanatani
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Abstract

【課題】位置計測系の周期誤差が発生する場合にでも露光精度を維持する。
【解決手段】エンコーダシステムによってウエハステージの位置情報を計測するとともに、その計測結果に基づいて、走査方向(Y軸方向)に対して所定角φを成す方向(斜め走査方向)にウエハステージをスキャン駆動しつつ、ウエハステージ上のウエハWを走査露光する。これにより、ウエハステージがスキャン露光中に非走査方向(X軸方向)にも駆動されるので、非走査方向に関するウエハステージの位置計測において周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
【選択図】図11

Description

本発明は、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、特に、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程で用いられる露光方法及び露光装置、並びに前記露光方法を含むデバイス製造方法に関する。
半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、フォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンを、投影光学系を介して、フォトレジスト等の感光剤が塗布されたウエハ、ガラスプレート等の被露光物体(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する、例えば、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャナ)等が、主として用いられている。
半導体素子等は、デバイスパターンを十数層以上重ね合わせて形成されるため、投影露光装置では、レチクルに形成されたパターンとウエハ上に既に形成されたパターンとを正確に位置合わせすることが要求される。また、半導体素子は次第に高集積化し、これに伴ってウエハ上に形成すべき回路パターンが微細化してきており、半導体素子の大量生産装置である露光装置には、ウエハ等の位置検出精度の更なる向上が要請される。
従来、ウエハを保持するウエハステージ等の位置計測には、レーザ干渉計が用いられていたが、近年では、レーザ干渉計に比べて空気揺らぎの影響を受けにくい、レーザ干渉計と同程度以上の計測分解能を有するエンコーダが採用されている(例えば、特許文献1)。
しかるに、デバイスルール(実用最小線幅)の微細化に伴い、エンコーダの計測誤差、特に周期的な計測誤差(周期誤差)が、ウエハの位置合わせ(露光精度)において無視できないことがあることが、最近、判明した。
米国特許出願公開第2008/0088843号明細書
本発明の第1の態様によれば、エネルギビームを照射して物体を露光する露光方法であって、物体を保持して移動する移動体の第1方向に関する位置情報を計測し、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドにより、前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向を少なくともその周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第2方向に関する位置情報を計測するとともに、前記移動体の前記第1及び第2方向に関する位置情報の計測結果に基づいて、前記第1方向に対して所定角を成す第3方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体に前記エネルギビームを照射することを含む第1の露光方法が、提供される。
これによれば、移動体は、第1方向に対して所定角を成す第3方向(所定角度で交差する第3方向)にスキャン駆動され、物体のスキャン露光が行われる。これにより、スキャン露光中に、移動体が、第1方向のみならず第2方向にも駆動されるので、第2方向に関する位置計測において周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、エネルギビームを照射して物体を露光する露光方法であって、物体を保持して移動する移動体の第1方向に関する位置情報を計測し、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドにより、前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向に対して所定角を成す第3方向を少なくともその周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第3方向に関する位置情報を計測するとともに、前記移動体の前記第1及び第3方向に関する位置情報の計測結果に基づいて、前記第1方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体に前記エネルギビームを照射することを含む第2の露光方法が、提供される。
これによれば、移動体をスキャン露光中に第1方向にスキャン駆動すると、第1方向に直交する第2方向に対して所定角を成す第3方向にも駆動されるので、この第3方向の位置計測において周期誤差が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
本発明の第3の態様によれば、上記第1及び第2の露光方法のいずれかにより物体上にパターンを形成することと、パターンが形成された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第4の態様によれば、物体を保持して移動する移動体と、前記移動体の第1方向に関する位置情報を計測する第1計測器と、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドを有し、該ヘッドから前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向を少なくとも周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第2方向に関する位置情報を計測する第2計測器と、を有する位置計測系と、を備え、前記位置計測系により前記移動体の前記第1及び第2方向に関する位置情報を計測しつつ、該計測結果に基づいて、前記走査方向に対して所定角を成す第3方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体にエネルギビームを照射する第1の露光装置が、提供される。
これによれば、移動体は、第1方向に対して所定角を成す方向にスキャン駆動され、物体のスキャン露光が行われる。これにより、スキャン露光中に、移動体が、第1方向のみならず第2方向にも駆動されるので、第2位置の計測において周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
本発明の第5の態様によれば、物体を保持して移動する移動体と、前記移動体の第1方向に関する第1位置を計測する第1計測器と、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドを有し、該ヘッドから前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向に対して所定角を成す第3方向を少なくとも周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第3方向に関する位置情報を計測する第2計測器と、を有する位置計測系と、を備え、前記位置計測系により前記移動体の前記第1及び第3方向に関する位置情報を計測しつつ、該計測結果に基づいて、前記第1方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体にエネルギビームを照射する第2の露光装置が、提供される。
これによれば、移動体をスキャン露光中に第1方向にスキャン駆動すると、第1方向に直交する第2方向に対して所定角を成す第3方向にも駆動されるので、この第3方向の位置計測において周期誤差が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 ウエハステージを示す平面図である。 図1の露光装置が備えるステージ装置及び干渉計の配置を示す平面図である。 図1の露光装置が備える干渉計システム以外の計測装置をウエハステージとともに示す平面図である。 エンコーダヘッド(Xヘッド、Yヘッド)とアライメント系の配置を示す平面図である。 第1の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 エンコーダの構成の一例を示す図である。 図8(A)及び図8(B)は、エンコーダの計測結果の解析方法を説明するための図である。 図9(A)〜図9(C)は、エンコーダの出力の例を示す図である。 図10(A)及び図10(B)は、それぞれ、レチクル上のパターンとウエハ上に形成済みのパターンを模式的に示す図、図10(C)は走査露光によりレチクル上のパターンがウエハ上のパターンに重ね合わせて転写される例を示す図である。 ステップ・アンド・スキャン方式の露光におけるウエハ上での露光領域の軌道を示す図である。 第2の実施形態におけるハイブリッドシステムの構成の一例を示すブロック図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLが設けられている。以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルRとウエハWとが相対走査される走査方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明系10、レチクルステージRST、投影ユニットPU、ウエハステージWSTを有するステージ装置50、及びこれらの制御系等を備えている。図1では、ウエハステージWST上にウエハWが載置されている。
照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステムとも呼ばれる)で設定(制限)されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明系10の構成は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されている。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図6参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)116によって、移動鏡15(又はレチクルステージRSTの端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図6参照)に送られる。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、不図示のメインフレームに支持されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系10によってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、その第2面(像面)側に配置される表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10及び投影光学系PLによってウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
ステージ装置50は、図1に示されるように、ベース盤12上に配置されたウエハステージWST、ウエハステージWSTの位置情報を計測する計測システム200(図6参照)、及びウエハステージWSTを駆動するステージ駆動系124(図6参照)等を備えている。計測システム200は、図6に示されるように、干渉計システム118及びエンコーダシステム150などを含む。
ウエハステージWSTは、不図示の非接触軸受、例えばエアベアリングなどにより、数μm程度の隙間(ギャップ/クリアランス)を介して、ベース盤12の上方に支持されている。また、ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系124(図6参照)によって、X軸方向及びY軸方向に所定ストロークで駆動可能である。
ウエハステージWSTは、ステージ本体91と、該ステージ本体91上に搭載されたウエハテーブルWTBとを含む。ウエハテーブルWTB及びステージ本体91は、リニアモータ及びZ・レベリング機構(ボイスコイルモータなどを含む)を含む駆動系によって、ベース盤12に対し、6自由度方向(X軸,Y軸,Z軸,θx,θy及びθzの各方向)に駆動可能に構成されている。
ウエハテーブルWTBの上面の中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。図2に示されるように、ウエハテーブルWTB上面のウエハホルダ(ウエハW)の+Y側には、計測プレート30が設けられている。この計測プレート30には、中央に基準マークFMが設けられ、基準マークFMのX軸方向の両側に一対の空間像計測用スリット板SLが、設けられている。各空間像計測用スリット板SLには、一例としてY軸方向を長手方向とする所定幅(例えば、0.2μm)のライン状の開口パターン(Xスリット)と、X軸方向を長手方向とする所定幅(例えば、0.2μm)のライン状の開口パターン(Yスリット)と、が形成されている。
そして、各空間像計測用スリット板SLに対応して、ウエハテーブルWTBの内部には、レンズ等を含む光学系及び光電子増倍管(フォト・マルチプライヤ・チューブ(PMT))等の受光素子が配置され、米国特許出願公開第2002/0041377号明細書などに開示されるものと同様の一対の空間像計測装置45A,45B(図6参照)が設けられている。空間像計測装置45A,45Bの計測結果(受光素子の出力信号)は、信号処理装置(不図示)により所定の信号処理が施されて、主制御装置20に送られる(図6参照)。
また、ウエハテーブルWTB上面には、後述するエンコーダシステム150で用いられるスケールが配置されている。詳述すると、ウエハテーブルWTB上面のX軸方向(図2における紙面内左右方向)の一側と他側の領域には、それぞれYスケール39Y1,39Y2が固定されている。Yスケール39Y1,39Y2は、例えば、X軸方向を長手方向とする格子線38が所定ピッチでY軸方向に配列された、Y軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
同様に、ウエハテーブルWTB上面のY軸方向(図2における紙面内上下方向)の一側と他側の領域には、Yスケール39Y1及び39Y2に挟まれた状態で、Xスケール39X1,39X2がそれぞれ固定されている。Xスケール39X1,39X2は、例えば、Y軸方向を長手方向とする格子線37が所定ピッチでX軸方向に配列された、X軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
なお、格子線37,38のピッチは、例えば1μmと設定される。図2及びその他の図においては、図示の便宜上から、格子のピッチは実際のピッチよりも大きく図示されている。
また、回折格子を保護するために、低熱膨張率のガラス板でカバーすることも有効である。ここで、ガラス板としては、厚さがウエハと同程度、例えば厚さ1mmのものを用いることができ、そのガラス板の表面がウエハの表面と同じ高さ(同一面)になるよう、ウエハテーブルWTB上面に設置される。
また、ウエハテーブルWTBの−Y端面,−X端面には、図2に示されるように、後述する干渉計システムで用いられる反射面17a,反射面17bが形成されている。
また、ウエハテーブルWTBの+Y側の面には、図2に示されるように、米国特許出願公開第2008/0088843号明細書に開示されるCDバーと同様の、X軸方向に延びるフィデューシャルバー(以下、「FDバー」と略述する)46が取り付けられている。FDバー46の長手方向の一側と他側の端部近傍には、センターラインLLに関して対称な配置で、Y軸方向を周期方向とする基準格子(例えば回折格子)52がそれぞれ形成されている。また、FDバー46の上面には、複数の基準マークMが形成されている。各基準マークMとしては、後述するアライメント系によって検出可能な寸法の2次元マークが用いられている。
本実施形態の露光装置100では、図4及び図5に示されるように、投影光学系PLの光軸AXを通るY軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LV上で、光軸AXから−Y側に所定距離隔てた位置に検出中心を有するプライマリアライメント系AL1が配置されている。プライマリアライメント系AL1は、不図示のメインフレームの下面に固定されている。図5に示されるように、プライマリアライメント系AL1を挟んで、X軸方向の一側と他側には、基準軸LVに関してほぼ対称に検出中心が配置されるセカンダリアライメント系AL21,AL22と、AL23,AL24とがそれぞれ設けられている。セカンダリアライメント系AL21〜AL24は、可動式の支持部材を介してメインフレーム(不図示)の下面に固定されており、駆動機構601〜604(図6参照)により、X軸方向に関してそれらの検出領域の相対位置が調整可能となっている。
本実施形態では、アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれとして、例えば画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれからの撮像信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20に供給される。
干渉計システム118は、図3に示されるように、反射面17a又は17bにそれぞれ干渉計ビーム(測長ビーム)を照射し、その反射光を受光して、ウエハステージWSTのXY平面内の位置を計測するY干渉計16と、3つのX干渉計126〜128と、一対のZ干渉計43A,43Bとを備えている。詳述すると、Y干渉計16は、基準軸LVに関して対称な一対の測長ビームB41,B42を含む少なくとも3つのY軸に平行な測長ビームを反射面17a、及び後述する移動鏡41に照射する。また、X干渉計126は、図3に示されるように、光軸AXと基準軸LVとに直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LHに関して対称な一対の測長ビームB51,B52を含む少なくとも3つのX軸に平行な測長ビームを反射面17bに照射する。また、X干渉計127は、プライマリアライメント系AL1の検出中心にて基準軸LVと直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LAを測長軸とする測長ビームB6を含む少なくとも2つのX軸に平行な測長ビームを反射面17bに照射する。また、X干渉計128は、X軸に平行な測長ビームB7を反射面17bに照射する。
干渉計システム118の各干渉計からの位置情報は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、Y干渉計16及びX干渉計126又は127の計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)のX,Y位置に加え、θx方向の回転(すなわちピッチング)、θy方向の回転(すなわちローリング)、及びθz方向の回転(すなわちヨーイング)も算出することができる。
また、図1に示されるように、ステージ本体91の−Y側の側面に、凹形状の反射面を有する移動鏡41が取り付けられている。移動鏡41は、図2からわかるように、X軸方向の長さがウエハテーブルWTBの反射面17aよりも、長く設計されている。
移動鏡41に対向して、干渉計システム118(図6参照)の一部を構成する一対のZ干渉計43A,43Bが設けられている(図1及び図3参照)。Z干渉計43A,43Bは、それぞれ2つのY軸に平行な測長ビームB1,B2を移動鏡41に照射し、該移動鏡41を介して測長ビームB1,B2のそれぞれを、例えばメインフレーム(不図示)に固定された固定鏡47A,47Bに照射する。そして、それぞれの反射光を受光して、測長ビームB1,B2の光路長を計測する。その結果より、主制御装置20は、ウエハステージWSTの4自由度(Y,Z,θy,θz)方向の位置を算出する。
本実施形態では、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、主として、後述するエンコーダシステム150を用いて計測される。干渉計システム118は、ウエハステージWSTがエンコーダシステム150の計測領域外(例えば、アンローディングポジションとローディングポジション付近)に位置する際に、使用される。また、エンコーダシステム150の計測結果の長期的変動(例えばスケールの経時的な変形などによる)を補正(較正)する場合などに補助的に使用される。勿論、干渉計システム118とエンコーダシステム150とを併用して、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)の全位置情報を計測することとしても良い。
本実施形態の露光装置100には、干渉計システム118とは独立に、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を計測するために、エンコーダシステム150を構成する複数のヘッドユニットが設けられている。
図4に示されるように、投影ユニットPUの+X側、+Y側、−X側、及びプライマリアライメント系AL1の−Y側に、4つのヘッドユニット62A、62B、62C、及び62Dが、それぞれ配置されている。また、アライメント系AL1、AL21〜AL24のX軸方向の両外側にヘッドユニット62E、62Fが、それぞれ設けられている。ヘッドユニット62A〜62Fは、支持部材を介して、投影ユニットPUを保持するメインフレーム(不図示)に吊り下げ状態で固定されている。なお、図4において、符号UPは、ウエハステージWST上にあるウエハのアンロードが行われるアンローディングポジションを示し、符号LPは、ウエハステージWST上への新たなウエハのロードが行われるローディングポジションを示す。
ヘッドユニット62A及び62Cは、図5に示されるように、前述の基準軸LH上に間隔WDで配置された複数(ここでは5個)のYヘッド651〜655、Yヘッド641〜645を、それぞれ備えている。以下では、必要に応じて、Yヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を、それぞれ、Yヘッド65及びYヘッド64とも表記する。
ヘッドユニット62A,62Cは、Yスケール39Y1,39Y2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY軸方向の位置(Y位置)を計測する多眼のYリニアエンコーダ70A,70C(図6参照)を構成する。なお、以下では、Yリニアエンコーダを、適宜、「Yエンコーダ」又は「エンコーダ」と略記する。
ヘッドユニット62Bは、図5に示されるように、投影ユニットPUの+Y側に配置され、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド665〜668を備えている。また、ヘッドユニット62Dは、プライマリアライメント系AL1の−Y側に配置され、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド661〜664を備えている。以下では、必要に応じて、Xヘッド665〜668及びXヘッド661〜664をXヘッド66とも表記する。
ヘッドユニット62B,62Dは、Xスケール39X1,39X2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX軸方向の位置(X位置)を計測する多眼のXリニアエンコーダ70B,70D(図6参照)を構成する。なお、以下では、Xリニアエンコーダを、適宜、「エンコーダ」と略記する。
ここで、ヘッドユニット62A,62Cがそれぞれ備える5個のYヘッド65,64(より正確には、Yヘッド65,64が発する計測ビームのスケール上の照射点)のX軸方向の間隔WDは、露光の際などに、少なくとも1つのヘッドが、常に、対応するYスケール39Y1,39Y2に対向する(計測ビームを照射する)ように定められている。同様に、ヘッドユニット62B,62Dがそれぞれ備える隣接するXヘッド66(より正確には、Xヘッド66が発する計測ビームのスケール上の照射点)のY軸方向の間隔WDは、露光の際などに、少なくとも1つのヘッドが、常に、対応するXスケール39X1又は39X2に対向する(計測ビームを照射する)ように定められている。
なお、ヘッドユニット62Bの最も−Y側のXヘッド665とヘッドユニット62Dの最も+Y側のXヘッド664との間隔は、ウエハステージWSTのY軸方向の移動により、その2つのXヘッド間で切り換え(つなぎ)が可能になるように、ウエハテーブルWTBのY軸方向の幅よりも狭く設定されている。
ヘッドユニット62Eは、図5に示されるように、複数(ここでは4個)のYヘッド671〜674を備えている。
ヘッドユニット62Fは、複数(ここでは4個)のYヘッド681〜684を備えている。Yヘッド681〜684は、基準軸LVに関して、Yヘッド674〜671と対称な位置に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド674〜671及びYヘッド681〜684を、それぞれYヘッド67及びYヘッド68とも表記する。
アライメント計測の際には、少なくとも各1つのYヘッド67,68が、それぞれYスケール39Y2,39Y1に対向する。このYヘッド67,68(すなわち、これらYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダ70E,70F(図6参照))によってウエハステージWSTのY位置(及びθz回転)が計測される。
また、本実施形態では、セカンダリアライメント系のベースライン計測時などに、セカンダリアライメント系AL21,AL24にX軸方向でそれぞれ隣接するYヘッド673,682が、FDバー46の一対の基準格子52とそれぞれ対向し、その一対の基準格子52と対向するYヘッド673,682によって、FDバー46のY位置が、それぞれの基準格子52の位置で計測される。以下では、一対の基準格子52にそれぞれ対向するYヘッド673,682によって構成されるエンコーダをYリニアエンコーダ70E2,70F2と呼ぶ。また、識別のため、Yスケール39Y2,39Y1に対向するYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダを、Yエンコーダ70E1、70F1と呼ぶ。
エンコーダシステム150(図6参照)を構成するエンコーダ70A〜70Fのヘッド(641〜645,651〜655,661〜668,671〜67,681〜684)として、例えば、米国特許第7,238,931号明細書、米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示されている回折干渉型のエンコーダヘッドが用いられている。回折干渉型のエンコーダヘッドについては、後に詳述する。
上述したエンコーダ70A〜70Fの計測値は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、エンコーダ70A〜70Dのうちの3つ、又はエンコーダ70E1,70F1,70B及び70Dのうちの3つの計測値に基づいて、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。
また、主制御装置20は、Yリニアエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(ウエハステージWST)のθz方向の回転を制御する。
この他、本実施形態の露光装置100では、投影ユニットPUの近傍に、ウエハW表面のZ位置を多数の検出点で検出するための照射系90a及び受光系90bから成る多点焦点位置検出系(以下、「多点AF系」と略述する)が設けられている(図6参照)。多点AF系としては、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点AF系が採用されている。なお、多点AF系の照射系90a及び受光系90bを、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示されるように、ヘッドユニット62A,62Bの近傍に配置し、ウエハアライメント時にウエハWをY軸方向に1回スキャンするだけで、ウエハWのほぼ全面でZ軸方向の位置情報(面位置情報)を計測する(フォーカスマッピングを行う)ようにしても良い。この場合、ウエハテーブルWTBのZ位置を、そのフォーカスマッピング中に計測する面位置計測系を設けることが望ましい。
図6には、露光装置100の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、露光装置100の構成各部を統括制御する。
上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100では、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書の実施形態中に開示されている手順と同様の手順に従って、アンローディングポジションUP(図4参照)でのウエハWのアンロード、ローディングポジションLP(図4参照)での新たなウエハWのウエハテーブルWTB上へのロード、計測プレート30の基準マークFMとプライマリアライメント系AL1とを用いたプライマリアライメント系AL1のベースラインチェック前半の処理、エンコーダシステム及び干渉計システムの原点の再設定(リセット)、アライメント系AL1,AL21〜AL24を用いたウエハWのアライメント計測、空間像計測装置45A,45Bを用いたプライマリアライメント系AL1のベースラインチェック後半の処理、並びにアライメント計測の結果求められるウエハ上の各ショット領域の位置情報と、最新のアライメント系のベースラインとに基づく、ステップ・アンド・スキャン方式でのウエハW上の複数のショット領域の露光などの、ウエハステージWSTを用いた一連の処理が、主制御装置20によって実行される。なお、詳細説明については省略する。
なお、セカンダリアライメント系AL21〜AL24のベースライン計測は、適宜なタイミングで、米国特許出願公開第2008/0088843号明細書に開示される方法と同様に、前述のエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(ウエハステージWST)のθz回転を調整した状態で、アライメント系AL1、AL21〜AL24を用いて、それぞれの視野内にあるFDバー46上の基準マークMを同時に計測することで行われる。
本実施形態では、主制御装置20は、エンコーダシステム150(図6参照)を用いることにより、ウエハステージWSTの有効ストローク領域、すなわちアライメント及び露光動作のためにウエハステージWSTが移動する領域において、その3自由度(X,Y,θz)方向の位置を計測することができる。
図7には、エンコーダ70A〜70Fを代表して、エンコーダ70Cの構成が示されている。以下では、このエンコーダ70C(ヘッドユニット62C)を取り上げて、エンコーダの構成及び計測原理等について説明する。なお、図7では、エンコーダ70Cを構成するヘッドユニット62Cの1つのYヘッド64からYスケール39Y2に対し計測ビームが照射されている。
Yヘッド64は、大別すると、照射系64a、光学系64b、及び受光系64cの3部分から構成されている。照射系64aは、レーザビームLBを射出する光源、例えば半導体レーザLDと、レーザビームLBの光路上に配置されたレンズL1と、を含む。光学系64bは、偏光ビームスプリッタPBS、一対の反射ミラーR1a,R1b、レンズL2a,L2b、四分の一波長板(以下、λ/4板と記述する)WP1a,WP1b、及び反射ミラーR2a,R2b等を備えている。受光系64cは、偏光子(検光子)及び光検出器等を含む。
半導体レーザLDから射出されたレーザビームLBはレンズL1を介して偏光ビームスプリッタPBSに入射し、2つの計測ビームLB1,LB2に偏光分離される。ここで「偏光分離」とは、入射ビームをP偏光成分とS偏光成分に分離することを意味する。偏光ビームスプリッタPBSを透過した計測ビームLB1は反射ミラーR1aを介してYスケール39Y2に形成された反射型回折格子RGに到達し、偏光ビームスプリッタPBSで反射された計測ビームLB2は反射ミラーR1bを介して反射型回折格子RGに到達する。
計測ビームLB1,LB2の照射によって回折格子RGから発生する所定次数の回折ビーム、例えば1次回折ビームは、それぞれ、レンズL2b,L2aを介してλ/4板WP1b,WP1aにより円偏光に変換された後、反射ミラーR2b,R2aにより反射されて再度λ/4板WP1b,WP1aを通り、往路と同じ光路を逆に辿って偏光ビームスプリッタPBSに向かう。
偏光ビームスプリッタPBSに向かう2つの回折ビームの偏光方向は、元の偏光方向から90度回転している。このため、先に偏光ビームスプリッタPBSを透過した計測ビームLB1に由来する回折ビームは、偏光ビームスプリッタPBSで反射される。一方、先に偏光ビームスプリッタPBSで反射された計測ビームLB2に由来する回折ビームは、偏光ビームスプリッタPBSを透過して計測ビームLB1の1次回折ビームと同軸上に集光される。そして、これら2つの回折ビームが、出力ビームLBとして受光系64cに送光される。
受光系64cに送光された出力ビームLB中の2つの回折ビーム(正確には、計測ビームLB1,LB2にそれぞれ由来する出力ビームLBのS,P偏光成分)は、受光系64c内部の検光子(不図示)によって偏光方向が揃えられて干渉光となる。さらに、例えば米国特許出願公開第2003/0202189号明細書などに開示されているように、その干渉光は4つに分岐される。分岐された4つの光は、それぞれの位相が相対的に0,π/2,π,3π/2シフトされた後、光検出器(不図示)によって受光されて、それぞれの光強度(I,I,I,Iとする)に応じた電気信号に変換され、Yエンコーダ70Cの出力として、主制御装置20に送られる。
主制御装置20は、Yエンコーダ70Cの出力から、Yヘッド64とYスケール39Y2間の相対変位ΔYを求める。ここで、本実施形態における相対変位ΔYの算出方法について、その原理を含め、詳述する。簡単のため、計測ビームLB1,LB2の強度は互いに等しい状況を考える。この状況において、出力I〜Iは、次のように表される。
=A(1+cos(φ))∝I …(1a)
=A(1+cos(φ+π/2)) …(1b)
=A(1+cos(φ+π)) …(1c)
=A(1+cos(φ+3π/2)) …(1d)
ここで、φは、計測ビームLB1,LB2(それらに由来する出力ビームLBのS,P偏光成分)の間の位相差である。
主制御装置20は、出力I〜Iから、次式(2a)、(2b)で表される差I13,I42を求める。
13=I−I=2Acos(φ) …(2a)
42=I−I=2Asin(φ) …(2b)
なお、差I13,I42は、光学回路(又は電気回路)を光検出器内に導入し、光学回路(又は電気回路)により光学的(又は電気的)に求めても良い。
ここで、Yエンコーダ70C(ヘッド64)の出力I〜Iの解析原理を説明するため、図8(A)に示されるように、直交座標系上にプロットされた点ρ(I13,I42)の動きを考える。なお、図8(A)及び図8(B)では、点ρ(I13,I42)がベクトルρを用いて表され、点ρ(I13,I42)の位相がφと表記されている。ベクトルρの長さ、すなわち点ρ(I13,I42)の原点Oからの距離は2Aである。
理想状態では、干渉光LBの強度Iの振幅は常に一定である。図9(A)に示されるように、強度Iは、点線で示される一定振幅で、ウエハステージWSTの移動に伴い(時間tに対して)振動する。従って、出力I,I,I,Iの振幅Aも常に一定である。そのため、図8(A)において、点ρ(I13,I42)は、干渉光LBの強度Iの変化(すなわち出力I〜Iの変化)とともに、原点からの距離(半径)が2Aの円周上を移動する。
また、理想状態では、干渉光LBの強度Iは、Yスケール39Y1(すなわちウエハステージWST)が計測方向(回折格子の周期方向、すなわちY軸方向)に変位することにより、正弦的に変化する。同様に、4つの分岐光の強度I,I,I,Iは、それぞれ式(1a),(1b),(1c),(1d)で表されるように、正弦的に変化する。この理想状態では、位相差φは、図8(A)における点ρ(I13,I42)の位相φと等価である。位相差φ(以下では、特に区別する必要が無い限り、位相と呼ぶ)は、相対変位ΔYに対し、次のように変化する。
φ(ΔY)=2πΔY/(p/4n)+φ …(3)
ここで、pはYスケール39Y2が有する回折格子のピッチ、nは回折次数(例えばn=1)、φは境界条件(例えば変位ΔYの基準位置の定義など)より定まる定位相である。
式(3)より、位相φは、計測ビームLB1,LB2の波長に依存しないことがわかる。また、位相φは、変位ΔYが計測単位p/4n増加(減少)する毎に2π増加(減少)することがわかる。従って、干渉光LBの強度I及び出力I,I,I,Iは、変位ΔYが計測単位増加又は減少する毎に、振動することがわかる。
式(3)によって表わされる位相φと変位ΔYとの関係及び式(1a)〜(1d)によって表される出力I〜Iと位相φとの関係(すなわち差I13,I42と変位ΔYとの関係)より、変位ΔYの増加に応じて、点ρ(I13,I42)は、半径2Aの円周上を、例えば図8(B)に示されるように点aから点bへと、左回りに回転する。反対に、変位ΔYの減少に応じて、点ρ(I13,I42)は、上記円周上を右回りに回転する。そして、点ρ(I13,I42)は、変位ΔYが計測単位増加(減少)する毎に、円周上を一周する。
そこで、主制御装置20は、予め定められた基準位相(例えば定位相φ)を基準にして、点ρ(I13,I42)の周回数を数える。この周回数は、干渉光LBの強度Iの振動回数に等しい。その計数値(カウント値)をcΔYと表記する。さらに、主制御装置20は、点ρ(I13,I42)の基準位相に対する位相の変位φ’=φ−φを求める。これらのカウント値cΔYと位相の変位φ’から、変位ΔYの計測値CΔYが、次のように求められる。
ΔY=(p/4n)×(cΔY+φ’/2π) …(4)
ここで、定位相φを位相オフセット(ただし、0≦φ<2πと定義する)とし、変位ΔYの基準位置での位相φ(ΔY=0)を保持することとする。
以上の説明より明らかなように、Yエンコーダ70Cは、計測単位λ=p/4nに等しい計測周期を有する。
なお、例えば迷光との干渉が生じる等により、位相φと変位ΔYとの比例関係が崩れることがある。図9(B)及び図9(C)に示されるように、時間t(正確にはウエハステージWSTの位置)に対して強度Iの振幅が変化し、その変化する振幅で、強度Iが時間tに対して(ウエハステージWSTの移動に伴い)振動する。その場合、見かけ上、上述のような理想的な出力I〜Iであっても、変位ΔYの計測値CΔYに対して、計測周期に等しい周期の誤差が発生し得る。また、出力I〜Iが理想的な出力からずれると、位相φの算出誤差が発生するため、計測周期に等しい周期の誤差が発生し得る。これらのような計測周期に等しい周期の誤差を、周期誤差と総称する。
ヘッドユニット62C内のその他のヘッド、ヘッドユニット62A,62B,62D,62E,62Fがそれぞれ備えるヘッド65,66,67,68も、ヘッド64(エンコーダ70C)と同様に構成されている。
また、本実施形態では、前述のようなエンコーダヘッドの配置を採用したことにより、常時、Xスケール39X1又は39X2に少なくとも1つのXヘッド66が、Yスケール39Y1に少なくとも1つのYヘッド65(又は68)が、Yスケール39Y2に少なくとも1つのYヘッド64(又は67)が、それぞれ対向する。スケールに対向しているエンコーダヘッドからは、上述の分岐光の強度I,I,I,Iの測定結果が、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、供給された測定結果I,I,I,Iから、それぞれのヘッドの計測方向についてのウエハステージWSTの変位(より正確には計測ビームが照射されるスケールの変位)を求める。求められた結果は、上述のエンコーダ70A、70C及び70B又は70D(又はエンコーダ70E1,70F1及び70B又は70D)の計測値として扱われる。
上述のエンコーダ(エンコーダシステム150)の周期誤差は、近年のデバイスルールの微細化に伴い、ウエハの位置合わせ(露光精度)において無視できない程度の計測誤差の要因になることが分かっている。
詳述すると、ウエハWを走査露光する際にウエハステージWSTが走査方向(Y軸方向)に移動する距離、すなわち各ショット領域のY軸方向の距離L(図11参照)に対して、エンコーダの計測単位(計測周期)λ(=p/4n)は十分に短い。そのため、露光中、Yヘッド64,65の出力信号は、図9(C)に示されるように、時間tに対して激しく振動することになる。その振動周期は主制御装置20による信号処理の周期(制御クロックの発生周期)に対して十分長くはないため、Yヘッド64,65の出力信号に上述の周期誤差が現れても、ウエハの位置合わせ(露光精度)への影響は無視できる程度である。
しかし、非走査方向(X軸方向)については、ウエハステージWSTが移動する距離は零である。実際には、Xスケール39X1,39X2あるいはXヘッド66の設置誤差等により、Xヘッド66の出力からは、僅かな距離、ウエハステージWSTが移動しているかのように計測される。その距離に対して、エンコーダの計測単位(計測周期)λは十分に短くはない。そのため、露光中、Xヘッド66の出力信号は、図9(B)に示されるように、時間tに対してゆっくり振動することになる。その振動周期は主制御装置20による信号処理の周期(制御クロックの発生周期)に対して十分長いため、Xヘッド66の出力信号に上述の周期誤差が現れると、ウエハの位置合わせ(露光精度)への無視できない程度の影響が生ずることとなる。
そこで、本実施形態では、走査方向(Y軸方向)に対して所定角を成す方向(以下、斜め走査方向と呼ぶ)にウエハステージWSTを駆動しつつ、ウエハステージWST上のウエハWを露光(走査露光)する。
図10(A)及び図10(B)には、それぞれ、レチクルR上のパターンPとウエハW上に形成済みのパターンPとが模式的に示されている。主制御装置20は、レチクル干渉計116及びエンコーダシステム150からの計測結果に基づいて、レチクルR及びウエハWのそれぞれの回転θzをゼロに設定(位置決め)する(あるいは、レチクルRの回転をウエハWの回転θzに一致させる。)。その上で、主制御装置20は、エンコーダシステム150からの計測結果に基づいて、ウエハW(ウエハステージWST)を走査方向(Y軸方向)に対して所定角(φ)を成す方向(図10(C)中の矢印方向と反対方向)に駆動する。図10(C)には、この駆動の際に露光領域IA内に現れる、ウエハW上のパターンPと転写されるレチクルR上のパターンPの合成が模式的に示されている。主制御装置20は、ウエハW(ウエハステージWST)の駆動に合わせて、レチクルR(レチクルステージRST)を交差する方向に対応する方向に対応する速度で追従駆動する。これにより、露光領域IA内に現れるウエハW上のパターンとレチクルRのパターンとが位置合わせされた上で、ウエハWが走査方向(Y軸方向)に駆動されつつ、僅かに非走査方向(X軸方向)にも駆動される。
所定角φは、幾つかの指針に基づいて決定される。
上述のように、ウエハステージWSTは、走査露光中、走査方向(Y軸方向)に露光領域IAの幅lだけ進む間に、非走査方向(X軸方向)に距離lφ移動する。ここで、|lφ|≫λであれば、平均化効果により、上述の周期誤差のウエハの位置合わせ(露光精度)への影響は無視できる程度に軽減されると考えられる。従って、一例として、所定角φは条件|φ・l|≫λを満たすように定めることができる。なお、エンコーダの周期誤差の周期λERRが計測単位(計測周期)λに等しくない場合には、条件においてλに代えてλERRを用いれば良い。
例えば、λ=250nm、l=4〜5mmに対し、|φ|≫50〜63μradと求められる。
また、周期誤差をウエハステージWSTの応答能力を超えるような高周波にすれば、周期誤差が存在しても事実上ウエハステージWSTは追従することができず、結果としてウエハ上に露光されるパターンの位置を安定させることができる。ただし、主制御装置20によるステージ座標のサンプリング周波数の2分の1(ナイキスト周波数)を超える周波数成分については、エイリアシングが起こるため、忠実に再現することはできない。出力信号をローパスフィルタに通した場合と同様の効果を生ずる。従って、ナイキスト周波数を目安にして、例えば、ナイキスト周波数近傍で、エイリアシング込みでfn=1kHz(ウエハステージWSTの応答能力の限界周波数)以上の高周波に見えるように所定角φの望ましい範囲を決めることができる。ここで、走査露光中、上述したウエハステージWSTの駆動により、走査露光の時間をTとして、Xヘッド66の出力はLφ/(λT)の周期で振動する(スキャン速度V=L/Tを用いるとVφ/λ)。この周期が、サンプリング周波数fsに対して、fn<|Lφ/(λT)|<fs−fnを満たすように所定角φを定めれば、上述の周期誤差のウエハの位置合わせ(露光精度)への影響は無視できる程度になる。なお、エンコーダの周期誤差の周期λERRが計測単位(計測周期)λに等しくない場合には、条件においてλに代えてλERRを用いれば良い。
例えば、露光装置100におけるfs=10kHz、λ=250nm、V=700mm/sに対し、0.36mrad<|φ|<3.2mradと求められる。
ウエハステージWST上の2つのXスケール39X1,39X2は別部材であり、それぞれの設置誤差等により、対応するXヘッド66(66〜66及び66〜66)の計測方向は僅かではあるがずれることがある。この計測方向のずれ(Xスケール39X1,39X2の回転位置)も考慮して、所定角φを決定する必要がある。例えば、Xスケール39X1,39X2の回転位置が2φ以上ずれている場合、それらの中心を基準に所定角φを成す方向を斜め走査方向とする。Xスケール39X1,39X2のうち回転の小さい方の回転位置を基準に所定角−φ(φ>0)を成す方向を斜め走査方向とする。あるいは、Xスケール39X1,39X2のうち回転の大きい方の回転位置を基準に所定角φを成す方向を斜め走査方向とする。又は、これらの候補の中から、絶対値が最も小さいものを所定角φとする。
図11には、ステップ・アンド・スキャン方式の露光におけるウエハW上での露光領域IAの中心の軌道Cが示されている。主制御装置20は、ウエハW上のショット領域を走査露光する毎に、すなわちウエハステージWSTをステップ駆動する毎に、ウエハステージWSTの走査駆動の方向を斜め走査方向の順方向と逆方向とで切り換える。これにより、一列のショット領域のステップ・アンド・スキャン露光において、ウエハステージWSTは軌道Cに対応するステージ座標上の起動に沿って蛇行して駆動される。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る露光装置100では、エンコーダシステム150によりウエハステージWSTの位置を計測するとともに、その計測結果に基づいて、走査方向に対して所定角φを成す方向(斜め走査方向)にウエハステージWSTをスキャン駆動しつつ、ウエハステージWST上のウエハWを走査露光する。これにより、ウエハステージWSTがスキャン露光中に非走査方向にも駆動されるので、非走査方向に関するウエハステージWSTの位置計測において周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
なお、上記実施形態の露光装置100において、ウエハステージWSTを走査方向に対して所定角φを成す方向(斜め走査方向)にスキャン駆動するのに代えて、ウエハステージWST上のXスケール39X1,39X2を非走査方向に対して所定角φを成す方向にそれらの周期方向を向けて設置し、その上でウエハステージWSTを走査方向にスキャン駆動することとしても良い。係る場合においても、スキャン露光中に、Xヘッド66の計測方向(Xスケール39X1,39X2の周期方向)に対して所定角φを成す方向にウエハステージWSTがスキャン駆動されるので、Xヘッド66からの計測結果に周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
また、エンコーダに限らず、干渉計等、周期誤差が発生する位置計測器を用いてウエハステージWSTの位置計測を行う場合にも、上述の露光方法を適用することができる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図12に基づいて説明する。本第2の実施形態に係る露光装置では、制御系内に、図12にブロック図にて示されるように、エンコーダシステム150と干渉計システム118とによるハイブリッドシステムが、構築されている。その他の部分の構成は、前述した第1の実施形態の露光装置100と同様になっている。
ハイブリッドシステムでは、信号処理装置160により、カットオフ周波数fcのハイパスフィルタHfcとローパスフィルタLfcとを用いて、干渉計(干渉計システム118)からのステージ座標の計測結果Fとエンコーダ(エンコーダシステム150)からのステージ座標の計測結果Fとからハイブリッド座標F(=Hfc+Lfc)が合成(作成)される。ここで、ハイパスフィルタHfcは、カットオフ周波数fcより高い周波数帯域(f>fc)で利得(絶対値)1、低い周波数帯域(f<fc)で利得(絶対値)0を与える。一方、ローパスフィルタLfcは、カットオフ周波数fcより高い周波数帯域(f>fc)で利得(絶対値)0、低い周波数帯域(f<fc)で利得(絶対値)1を与える。なお、本実施形態では、ハイパスフィルタHfcとローパスフィルタLfcとのカットオフ周波数をともにfcと等しく定めたため、任意の周波数fに対して、関係Hfc+Lfc=1が満たされる。これにより、ハイブリッド座標Fは、周波数fがカットオフ周波数fcより高い成分については、ハイパスフィルタHfcを通る干渉計システム118からのステージ座標Fとなり、周波数fがカットオフ周波数fcより低い成分については、ローパスフィルタLfcを通るエンコーダシステムからのステージ座標Fとなる。
信号処理装置160は、上述の通り求めたハイブリッド座標Fを主制御装置20に転送する。主制御装置20は、そのハイブリッド座標Fに基づいてウエハステージWSTを駆動する。
エンコーダシステム150と干渉計システム118とによるハイブリッドシステムを採用した場合にも、エンコーダ(エンコーダシステム150)の周期誤差によるウエハの位置合わせ(露光精度)に対する影響を回避するために、第1の実施形態と同様に、走査方向(Y軸方向)に対して所定角φを成す方向(斜め走査方向)にウエハステージWSTを駆動しつつ、ウエハステージWST上のウエハWを走査露光することができる。
かかる場合、所定角φは、カットオフ周波数をfcとし、エンコーダシステム150からのステージ座標Fのサンプリング周期をfsとし、ウエハステージWSTのスキャン駆動の速度をVとし、エンコーダヘッド(Xヘッド66等)の誤差周期をλERR(あるいは計測単位λ)として、fc<|V・φ/λERR|<fs―fcを満たすように定めると良い。例えばfc=100Hz、露光装置100におけるfs=10kHz、V=700mm/s、λERR=250nmに対し、0.036mrad<|φ|<3.5mradが得られる。
以上説明したように、本第2の実施形態にかかる露光装置においても、第1の実施形態に係る露光装置100と同等の効果を得ることができる。
なお、第2の実施形態に係る露光装置においても、ウエハステージWSTを走査方向に対して所定角φを成す方向(斜め走査方向)にスキャン駆動するのに代えて、ウエハステージWST上のXスケール39X1,39X2を非走査方向に対して所定角φを成す方向にそれぞれの格子の周期方向を向けて設置し、ウエハステージWSTを走査方向にスキャン駆動することとしても良い。かかる場合においても、スキャン露光中に、Xヘッド66の計測方向(Xスケール39X1,39X2の周期方向)に対して所定角φを成す方向にウエハステージWSTがスキャン駆動されるので、Xヘッド66からの計測結果に周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
また、上記各実施形態に係る露光装置において、ウエハステージWST上のXスケール39X1,39X2を非走査方向に対して所定角φを成す方向にそれぞれの格子の周期方向を向けて設置する場合、例えば定期的に行われるエンコーダのキャリブレーションにおいて、格子ピッチ、格子曲がりなどの更生情報(補正情報)を取得する際に併せて格子の周期方向に関する実測情報も得ることができる。
なお、上記各実施形態では、ウエハステージWSTの位置計測における周期的な計測誤差(周期誤差)を、ウエハステージWSTを斜め走査方向にスキャン駆動する等により、ウエハステージの追従性能を超える周波数帯域に高周波化して、露光精度に対する影響を軽減するものである。これによりウエハステージの追従誤差が生じ得るが、見かけ上のものにすぎない。さらに、エンコーダ(エンコーダヘッド)に、ウエハステージを所定の速度で移動することで周期誤差を補正する機能を持たせても良い。これにより、周期誤差を低減するとともに、補正できなかった残留周期誤差の露光精度に対する影響を軽減することもできる。
また、上記各実施形態では、ウエハステージの位置を計測する計測装置(エンコーダシステム)の非走査方向の計測結果(又は非計測方向の位置を計測するヘッドの計測結果)に周期的な計測誤差(周期誤差)が発生する場合に、この周期誤差が露光精度に与える影響を軽減する場合について説明したが、ウエハステージに限らず、レチクルステージの位置を計測する計測装置(エンコーダシステム)に上記各実施形態と同様の手法を適用することとしても良い。
なお、上記各実施形態で説明したエンコーダシステムなどの各計測装置の構成は一例に過ぎず、本発明がこれに限定されないことは勿論である。例えば、上記各実施形態では、ウエハテーブル(ウエハステージ)上に格子部(Yスケール、Xスケール)を設け、これに対向してXヘッド、Yヘッドをウエハステージの外部に配置する構成のエンコーダシステムを採用した場合について例示したが、これに限らず、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号明細書などに開示されているように、ウエハステージにエンコーダヘッドを設け、これに対向してウエハステージの外部に格子部(例えば2次元格子又は2次元に配置された1次元の格子部)を配置する構成のエンコーダシステムを採用しても良い。
また、上記各実施形態において、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示されるように、ヘッドユニット62A,62Cの内部にエンコーダヘッドとZヘッドとを、別々に設けても良いし、エンコーダヘッドとZヘッドとの機能を備えた単一のヘッドを、エンコーダヘッドとZヘッドの組に代え設けても良い。
また、上記各実施形態では、ウエハテーブル(ウエハステージ)上に一軸方向を周期方向とする格子部(Yスケール、Xスケール)を設けたが、これに代えて互いに直交する二軸方向を周期方向とする2次元格子部を設けても良い。これに対応して、その二軸方向を計測方向とする2次元ヘッドを用いることとしても良い。
また、上記各実施形態では、露光装置が、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置である場合について説明したが、これに限らず、例えば欧州特許出願公開第1420298号明細書、国際公開第2004/055803号、米国特許第6,952,253号明細書などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置にも上記各実施形態を適用することができる。また、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書に開示される、液浸露光装置などにも、上記各実施形態を適用することができる。
また、上記各実施形態では、露光装置が、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置である場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に上記実施形態を適用しても良い。かかる場合、静止露光中に、ウエハW(ウエハステージWST)をXヘッドとYヘッドのそれぞれの計測方向から所定角(例えば45度)を成す方向に駆動する。これに合わせて、レチクルR(レチクルステージRST)を対応する方向に対応する速度で駆動する。これにより、露光領域IA内に現れるウエハW上のパターンとレチクルRのパターンとが位置合わせされた上で、ウエハWが所定角を成す方向に僅かに駆動されるため、ウエハステージWSTの位置計測において周期的な計測誤差(周期誤差)が発生したとしても、露光精度に対する影響を軽減することが可能になる。
また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも上記各実施形態は適用することができる。さらに、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも本発明を適用できる。また、例えば米国特許第7,589,822号明細書などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも上記各実施形態は適用が可能である。
また、上記各実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、前述の照明領域及び露光領域はその形状が矩形であるものとしたが、これに限らず、例えば円弧、台形、あるいは平行四辺形などでも良い。
なお、上記各実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記各実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことは言うまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置にも上記各実施形態を好適に適用することができる。この他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記各実施形態は適用できる。
また、上記各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
また、例えば干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記各実施形態を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記各実施形態を適用することができる。
なお、上記各実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記各実施形態を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、上記各実施形態の露光装置(パターン形成装置)によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記各実施形態の露光装置によって前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の露光方法及び露光装置は、物体上にパターンを転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、半導体素子又は液晶表示素子などの電子デバイスを製造するのに適している。
20…主制御装置、39X1,39X2…Xスケール、66…Xヘッド、70A,70C…Yエンコーダ、70B,70D…Xリニアエンコーダ、100…露光装置、118…干渉計システム、126…X干渉計、150…エンコーダシステム、200…計測システム、IL…照明光、R…レチクル、RST…レチクルステージ、W…ウエハ、WST…ウエハステージ。

Claims (19)

  1. エネルギビームを照射して物体を露光する露光方法であって、
    物体を保持して移動する移動体の第1方向に関する位置情報を計測し、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドにより、前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向を少なくともその周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第2方向に関する位置情報を計測するとともに、前記移動体の前記第1及び第2方向に関する位置情報の計測結果に基づいて、前記第1方向に対して所定角を成す第3方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体に前記エネルギビームを照射することを含む露光方法。
  2. 前記移動体をスキャン駆動すると同時に、前記物体上に転写するパターンが形成されたマスクを保持して移動する別の移動体を前記第3方向に対応する方向に駆動しつつ、前記マスクを介して前記エネルギビームを前記物体上に照射する請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記移動体を前記第2方向にステップ駆動し、該ステップ駆動毎に前記スキャン駆動の方向を前記第3方向の順方向と逆方向とで切り換えることをさらに含む請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記移動体の応答限界に対応する周波数をfnとし、前記移動体の前記第2方向に関する位置の計測周期をfsとし、前記スキャン駆動の速度をVとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、fn<|V・φ/λ|<fs―fnを満たすように定められている請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記移動体に設けられた光学部材に光を照射し、該光学部材からの光を受光して得られる前記移動体の前記前記第2方向に関する位置に応じた第1信号をハイパスフィルタに通し、前記ヘッドを用いて得られる前記移動体の前記第2方向に関する位置に応じた第2信号を前記ハイパスフィルタと同一のカットオフ周波数を有するローパスフィルタに通し、前記第1及び第2信号を合成して得られる合成信号に基づいて前記移動体の前記第2方向に関する位置を制御する請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記カットオフ周波数をfcとし、前記第2信号のサンプリング周期をfsとし、前記移動体のスキャン駆動の速度をVとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、fc<|V・φ/λ|<fs―fcを満たすように定められている請求項5に記載の露光方法。
  7. エネルギビームを照射して物体を露光する露光方法であって、
    物体を保持して移動する移動体の第1方向に関する位置情報を計測し、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドにより、前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向に対して所定角を成す第3方向を少なくともその周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第3方向に関する位置情報を計測するとともに、前記移動体の前記第1及び第3方向に関する位置情報の計測結果に基づいて、前記第1方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体に前記エネルギビームを照射することを含む露光方法。
  8. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記移動体の応答限界に対応する周波数をfnとし、前記移動体の前記第2方向に関する位置の計測周期をfsとし、前記スキャン駆動の速度をVとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、fn<|V・φ/λ|<fs―fnを満たすように定められている請求項7に記載の露光方法。
  9. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記スキャン駆動中に前記エネルギビームが照射される前記物体上の領域の前記第1方向の幅をlとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、|φ・l|≫λを満たすように定められている請求項1〜3、7のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の露光方法により物体上にパターンを形成することと、
    パターンが形成された前記物体を現像することと、
    を含むデバイス製造方法。
  11. 物体を保持して移動する移動体と、
    前記移動体の第1方向に関する位置情報を計測する第1計測器と、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドを有し、該ヘッドから前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向を少なくとも周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第2方向に関する位置情報を計測する第2計測器と、を有する位置計測系と、を備え、
    前記位置計測系により前記移動体の前記第1及び第2方向に関する位置情報を計測しつつ、該計測結果に基づいて、前記走査方向に対して所定角を成す第3方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体にエネルギビームを照射する露光装置。
  12. 前記物体上に転写するパターンが形成されたマスクを保持して移動する別の移動体をさらに備え、
    前記移動体をスキャン駆動すると同時に、前記別の移動体を前記第3方向に対応する方向に駆動しつつ、前記マスクを介して前記エネルギビームを前記物体上に照射する請求項11に記載の露光装置。
  13. 前記移動体を前記第2方向にステップ駆動し、該ステップ駆動毎に前記スキャン駆動の方向を前記交差する方向の順方向と逆方向とで切り換える請求項11又は12に記載の露光装置。
  14. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記移動体の応答限界に対応する周波数をfnとし、前記移動体の前記第2方向に関する位置の計測周期をfsとし、前記スキャン駆動の速度をVとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、fn<|V・φ/λ|<fs―fnを満たすように定められている請求項11〜13のいずれか一項に記載の露光装置。
  15. 前記位置計測系は、前記移動体に設けられた光学部材に光を照射し、該光学部材からの光を受光して、前記移動体の前記第2方向に関する位置を計測する第3計測器をさらに有し、該第3計測器からの前記移動体の前記第2方向に関する位置に応じた第1信号をハイパスフィルタに通し、前記第2計測器からの前記移動体の前記第2方向に関する位置に応じた第2信号を前記ハイパスフィルタと同一のカットオフ周波数を有するローパスフィルタに通し、前記第1及び第2信号を合成して得られる合成信号に基づいて前記移動体の前記第2方向に関する位置を制御する請求項11〜13のいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記カットオフ周波数をfcとし、前記第2信号のサンプリング周期をfsとし、前記移動体のスキャン駆動の速度をVとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、fc<|V・φ/λ|<fs―fcを満たすように定められている請求項15に記載の露光装置。
  17. 物体を保持して移動する移動体と、
    前記移動体の第1方向に関する第1位置を計測する第1計測器と、前記移動体と該移動体の外部との一方に配置されたヘッドを有し、該ヘッドから前記移動体と該移動体の外部との他方に配置された前記第1方向に直交する第2方向に対して所定角を成す第3方向を少なくとも周期方向とする格子を有するスケールに計測ビームを照射し、前記スケールからの戻りビームを受光して、前記移動体の前記第3方向に関する位置情報を計測する第2計測器と、を有する位置計測系と、を備え、
    前記位置計測系により前記移動体の前記第1及び第3方向に関する位置情報を計測しつつ、該計測結果に基づいて、前記第1方向に前記移動体をスキャン駆動しつつ、該移動体上の前記物体にエネルギビームを照射する露光装置。
  18. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記移動体の応答限界に対応する周波数をfnとし、前記移動体の前記第2方向に関する位置の計測周期をfsとし、前記スキャン駆動の速度をVとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、fn<|V・φ/λ|<fs―fnを満たすように定められている請求項17に記載の露光装置。
  19. 前記所定角は、該所定角をφとし、前記スキャン駆動中に前記エネルギビームが照射される前記物体上の領域の前記第1方向の幅をlとし、前記ヘッドの誤差周期をλとして、|φ・l|≫λを満たすように定められている請求項11〜13、17のいずれか一項に記載の露光装置。
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