JP2013016439A - 酵素燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】単セル単位で従来よりも高い出力を有する酵素燃料電池を提供すること。
【解決手段】カソード側およびアノード側の少なくとも一方に酸化還元物質が分散した分散体を保持する槽を有し、酵素電極が酸化還元物質と直接接触するように設けられており、さらに槽には非発電時に酸化還元物質を発電時の電極反応とは逆方向に酸化または還元する酵素を固定化した酵素支持体が酸化還元物質と直接接触するように設けられている酵素燃料電池。
【選択図】図1
【解決手段】カソード側およびアノード側の少なくとも一方に酸化還元物質が分散した分散体を保持する槽を有し、酵素電極が酸化還元物質と直接接触するように設けられており、さらに槽には非発電時に酸化還元物質を発電時の電極反応とは逆方向に酸化または還元する酵素を固定化した酵素支持体が酸化還元物質と直接接触するように設けられている酵素燃料電池。
【選択図】図1
Description
本発明は酵素燃料電池に関し、特に従来よりも高い出力を提供可能な酵素燃料電池に関する。
近年、環境問題や資源問題への対策の一つとして、燃料電池に対する関心が高まっている。燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に燃料と酸化剤を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。電気化学的にエネルギーを取り出す燃料電池は、火力発電などとは異なってカルノーサイクルの制約を受けないため、高いエネルギー変換効率を示す。一般的に知られている燃料電池の種類としては、固体高分子型燃料電池(PEFC)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)およびダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)などがある。これらの燃料電池は、触媒として白金(Pt)を使用することが多い。しかし、白金は非常に高価な材料であるため、そのことが燃料電池普及の障害の一つとなっている。
一方、触媒として白金を使用しない燃料電池として、酵素燃料電池が注目されている。酵素燃料電池では、アノード電極およびカソード電極の少なくとも一方で、従来の白金などの触媒に代えて酸化還元酵素を用いる。酵素燃料電池では、その実用化に向けて高出力化が課題とされている。
酵素燃料電池の改良の試みとして、特許文献1では燃料を複数の酵素によって段階的に分解するとともに、酸化反応に伴って生成する電子を電極に受け渡すよう構成された酵素燃料電池が提案されている。特許文献2では複数の燃料電池を直列または並列に接続して使用することが提案されている。しかし、特許文献1に記載の酵素燃料電池では、電流密度が低く望ましい出力が得られない。また、特許文献2に記載の技術は、単セルでの出力を高めるものではない。
酵素燃料電池の出力は利用している酵素反応の反応速度および酸化還元電位に依存するため、酵素燃料電池の出力の低さを根本から改善するのは難しいことが知られている。本発明は、単セル単位で従来よりも高い出力を有する酵素燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは上述したような問題を検討した結果、酵素反応と共に、酵素反応以外の酸化還元反応を系中で並存させることにより、従来よりも高い出力を有する酵素燃料電池が得られることを見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)カソード側およびアノード側の少なくとも一方に酸化還元物質が分散した分散体を保持する槽を有し、酵素電極が前記酸化還元物質と直接接触するように設けられており、さらに前記槽には非発電時に前記酸化還元物質を発電時の電極反応とは逆方向に酸化または還元する酵素を固定化した酵素支持体が酸化還元物質と直接接触するように設けられている酵素燃料電池。
(2)前記槽をカソード側に有し、前記酵素支持体には酸化還元物質を酸化する酵素が固定化されている、(1)に記載の酵素燃料電池。
(3)前記酵素支持体に固定化されている酵素がマルチ銅オキシダーゼである、(2)に記載の酵素燃料電池。
(4)前記マルチ銅オキシダーゼが、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、CueO、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、(3)に記載の酵素燃料電池。
(5)前記槽をアノード側電極に有し、前記槽はさらに燃料を含み、前記酵素支持体には酸化還元物質を還元する酵素が固定化されている、(1)に記載の酵素燃料電池。
(6)前記酵素支持体に固定化されている酵素が、ギ酸デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、(5)に記載の酵素燃料電池。
(7)酸化還元物質が、ヘキサシアノ鉄酸塩、オクタシアノタングステン酸塩、キノン類、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、メチレンブルー、メチレングリーン、ABTS、EDTA(III)、NAD(H)、NADP(H)、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、(1)〜(6)のいずれかに記載の酵素燃料電池。
(2)前記槽をカソード側に有し、前記酵素支持体には酸化還元物質を酸化する酵素が固定化されている、(1)に記載の酵素燃料電池。
(3)前記酵素支持体に固定化されている酵素がマルチ銅オキシダーゼである、(2)に記載の酵素燃料電池。
(4)前記マルチ銅オキシダーゼが、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、CueO、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、(3)に記載の酵素燃料電池。
(5)前記槽をアノード側電極に有し、前記槽はさらに燃料を含み、前記酵素支持体には酸化還元物質を還元する酵素が固定化されている、(1)に記載の酵素燃料電池。
(6)前記酵素支持体に固定化されている酵素が、ギ酸デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、(5)に記載の酵素燃料電池。
(7)酸化還元物質が、ヘキサシアノ鉄酸塩、オクタシアノタングステン酸塩、キノン類、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、メチレンブルー、メチレングリーン、ABTS、EDTA(III)、NAD(H)、NADP(H)、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、(1)〜(6)のいずれかに記載の酵素燃料電池。
本発明によれば、従来の酵素燃料電池では実現できなかったような、単セルあたりの出力が高い酵素燃料電池を提供することができる。それにより、酵素燃料電池が高い電流密度が求められる用途にも利用可能となり、その用途をより広めることができる。
図1は、本発明の酵素燃料電池の一実施形態の概略図である。以下、図1を用いて本発明の酵素燃料電池の構造について説明するが、本発明の酵素燃料電池はこの構造に限定されるものではない。
本発明の酵素燃料電池1は、従来の酵素燃料電池と同様に、固体高分子電解質膜11を挟むようにアノード側電極12とカソード側電極13が設けられている。以下、アノード側電極12とカソード側電極13のいずれもが酸化還元酵素が固定化された酵素電極である場合について説明するが、本発明の酵素燃料電池においては、アノード側電極12とカソード側電極13の少なくとも一方が酵素電極であればよい。いずれかの電極を酵素電極としない場合は、白金などの従来の電極触媒を酵素の代わりに用いることができる。
アノード側電極12とカソード側電極13には、電極反応により授受される電子の流れをスムーズにするために集電体14がそれぞれの電極と接するように設けられている。集電体14としては、例えばチタンなどの金属からなるメッシュ状の材料を用いることができる。
以降に説明するものは、本発明における特徴的な構成要素である。本発明の酵素燃料電池1は、アノード側およびカソード側のそれぞれに、酸化還元物質槽15および16を有する。酸化還元物質槽15および16には、それぞれ酸化還元物質が分散した分散体が保持されている。なお、アノード側の酸化還元物質槽15は、通常、燃料槽を兼ねており、酸化還元物質と共に燃料も分散した分散体がその中に保持されている。アノード側電極12とカソード側電極13は、それぞれ酸化還元物質槽15または16に保持された分散体と直接接触するよう設けられている。つまり、アノード側電極12とカソード側電極13は、該分散体に含まれる酸化還元物質と直接接触している。酸化還元物質槽15および16には、それぞれ酵素支持体17および18が、分散体に含まれる酸化還元物質と直接接触するように設けられている。酵素支持体17および18には、酸化還元物質を発電時の電極反応とは逆方向に酸化または還元することができる酵素が固定化されている。
酵素燃料電池1の発電時、アノード側電極12では、従来の酵素燃料電池と同様に、燃料を酸化分解して電子とプロトンを取り出す反応が、電極に固定化された酵素に触媒されて進行する。本発明の酵素燃料電池1では、これと同時に、酸化還元物質槽15に含まれる酸化還元物質が酸化される反応が進行する。このように、燃料の酸化反応と酸化還元物質の酸化反応が同時に進行することにより、両者の酸化還元電位の相加効果が得られ、高い出力が得られるものと考えられる。
同様に、酵素燃料電池1の発電時、カソード側電極13では、酸素が還元されて水を生成する反応が、電極に固定化された酵素に触媒されて進行する。本発明の酵素燃料電池1では、これと同時に、酸化還元物質槽16に含まれる酸化還元物質が還元される反応が進行する。例えば、酸化還元物質槽16にヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(フェリシアン化カリウム)が酸化還元物質として含まれる場合、これはヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(フェロシアン化カリウム)へと還元される。このように、酸素の還元反応と酸化還元物質の還元反応が同時に進行することにより、両者の酸化還元電位の相加効果が得られ、高い出力が得られるものと考えられる。
酸化還元物質槽15および16に含まれる酸化還元物質は、発電と共に消費され、仮に酸化または還元され尽くされたとすると、酵素燃料電池1の出力は低下してしまうと考えられる。しかしながら、本発明の酵素燃料電池1では、非発電時、つまり発電を停止させている間に、消費された酸化還元物質を酵素支持体17または18に固定化された酵素により再生させることができる。例えば、カソード側の酸化還元物質槽16に酸化還元物質としてヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムが含まれる場合、これは上述のとおり発電に伴ってヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムへと還元される。しかし、酸化還元物質槽16に設けられた酵素支持体18には、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを酸化する能力を有する酵素(例えばビリルビンオキシダーゼ)が固定化されており、非発電時に、発電に伴って生じたヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムはヘキサシアノ鉄(III)酸化リウムへと再生される。
この、非発電時において発電時に消耗した酸化還元物質を再生させる仕組みは、二次電池を非発電時に外部から電圧をかけて充電する仕組みと似たものとして捉えることができる。ただし、本発明の酵素燃料電池では、酸化還元物質の再生は非発電時に酵素反応により自動的に進行するものであって、外部から電圧をかける必要はない。
なお、図1に示した実施形態ではアノード側およびカソード側の両方に酸化還元物質槽が設けられているが、酸化還元物質槽はアノード側またはカソード側の少なくとも一方に設けられていればよい。酸化還元物質槽がアノード側にしか設けられていない場合、図1における酸化還元物質槽16および酵素支持体18は存在せず、カソード極の構成は従来の燃料電池のカソード極と同様に、例えば電極が大気から直接酸素を取り込むことができるような構造にすることができる。
酸化還元物質槽は少なくともカソード側に設けられていることが好ましい。酸化還元物質槽がカソード側にしか設けられていない場合、アノード側の槽(図1の15に相当)には酸化還元物質は含まれず、燃料のみが含まれることとなる。その場合、酵素支持体17は存在していなくてもよい。
アノード側電極12が酵素電極である場合、電極には基質である燃料を酸化する酵素、例えばギ酸デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、もしくはアルデヒドデヒドロゲナーゼ、またはこれらの2種以上の組み合わせが固定化されている。その場合、酸化還元物質槽15に含まれ、アノード側電極12に供給される燃料は、例えばギ酸またはその塩、グルコース、フルクトース、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトアルデヒドなどである。
カソード側電極13が酵素電極である場合、電極には基質である酸素を還元する酵素、特にマルチ銅オキシダーゼ(例えばビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、もしくはCueO(Copper efflux Oxidase)、またはこれらの2種以上の組み合わせ)が固定化されている。基質となる酸素は、空気中から取り込まれるか、あるいは酸化還元物質槽16に保持された分散体に含まれるものが利用される。
アノード側の酸化還元物質槽15に設けられた酵素支持体17には、発電時の電極反応により酸化された酸化還元物質を還元することができる酵素が固定化されている。そのような酵素としては、例えばギ酸デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、もしくはアルデヒドデヒドロゲナーゼ、またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。アノード側電極12が酵素電極である場合、アノード側電極12と酵素支持体17に固定化されている酵素は、同じものであっても異なるものであってもよい。同じものとする場合は、製造コストを下げることができるなどの利点がある。一方、異なるものとする場合は、それぞれで求められる機能に最も適した酵素を選択可能になるという利点がある。
カソード側の酸化還元物質槽16に設けられた酵素支持体18には、発電時の電極反応により還元された酸化還元物質を酸化することができる酵素が固定化されている。そのような酵素としては、マルチ銅オキシダーゼ(例えばビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、もしくはCueO、またはこれらの2種以上の組み合わせ)が挙げられる。カソード側電極13が酵素電極である場合、カソード側電極13と酵素支持体18に固定化されている酵素は、同じものであっても異なるものであってもよい。
酸化還元物質槽15および16には、分散質である酸化還元物質(および燃料)が分散媒中に分散した分散体が保持されている。分散体の形態は、溶液、ゾル、ゲル、エアロゾルなどのいずれでもよく、中でも溶液、ゾルおよびゲルの形態が好ましい。分散媒としては、例えば水、またはリン酸緩衝液、MOPS緩衝液、トリス緩衝液、イミダゾール緩衝液などの各種緩衝液を用いることができる。
本発明の酵素燃料電池において酸化還元物質として用いることができる化合物としては、ヘキサシアノ鉄酸塩(ヘキサシアノ鉄(II)酸およびヘキサシアノ鉄(III)酸の塩、特にカリウム塩など)、オクタシアノタングステン酸塩、キノン類、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート(1−mPMS)、メチレンブルー、メチレングリーン、ABTS(2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸))、NAD(H)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、NADP(H)(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、EDTA(III)(エチレンジアミン四酢酸と3価の金属イオン(例えばFe3+やCo3+)の錯体)、およびこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
アノード側の酸化還元物質槽15に用いる酸化還元物質としては、酸化還元電位が0V未満、特に−100mV未満、とりわけ−200mV未満のものが好ましい。そのような酸化還元物質としては、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート(1−mPMS)、メチレンブルー、メチレングリーン、NAD(H)、NADP(H)が挙げられる。
カソード側の酸化還元物質槽16に用いる酸化還元物質としては、酸化還元電位が100mV以上、特に200mV以上、とりわけ300mV以上のものが好ましい。そのような酸化還元物質としては、ヘキサシアノ鉄酸(III)塩、ABTS、EDTA(III)が挙げられる。
酸化還元物質槽15および16における酸化還元物質の濃度は、0.2M以上、特に0.5M以上、とりわけ1.0M以上とすることが好ましい。
酵素支持体17および18は、酸化還元物質と直接接触するようになっていれば、酸化還元物質槽15および16のそれぞれの中の任意の場所に設けることができる。アノード側電極12が酵素電極である場合、該電極に固定化された酵素が非発電時に酸化還元物質を還元するのに十分な能力を有するのであれば、該電極を酵素支持体17として兼用してもよい。同様に、カソード側電極13が酵素電極である場合、該電極に固定化された酵素が非発電時に酸化還元物質を酸化するのに十分な能力を有するのであれば、該電極を酵素支持体18として兼用してもよい。しかしながら、酵素支持体17および18は、酸化還元物質槽15および16のそれぞれの内壁の少なくとも一部、例えば図1に示したように電極に対して対向する内壁面に設けられていることが好ましい。
なお、本発明の酵素燃料電池において、酸化還元物質は、必ずしも電極に固定化された酵素の反応場の近傍に存在する必要はなく、また酸化還元物質は酵素電極に固定化されている必要はない。むしろ、酸化還元物質の反応が進行しやすくなるよう、例えば、酵素電極に酵素が固定されていない部位を設けてもよい。
酵素支持体17および18、ならびに酸化還元物質槽15および16に保持された分散体は、酵素燃料電池1の使用と共に徐々に劣化する恐れがある。そのような劣化時の対処のため、本発明の酵素燃料電池1は、例えば酵素支持体17および18、あるいはそれら酵素支持体を備えた酸化還元物質槽15および16をカートリッジ式とし、必要に応じて簡単に交換できる構成としてもよい。
本発明の酵素燃料電池は、従来の酵素燃料電池よりも高出力であるため、例えば携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車電源、家庭用電源、ペースメーカー等の生体埋め込み式チップ用マイクロ電源などへの応用に有利である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.従来の酵素燃料電池の出力測定
(1)アノード用酵素電極の作製
50mgのケッチェンブラック(ライオン社製)、222μLの10%ポリビニルリジン(シグマアルドリッチ社製)、および3mLのN−メチルピロリドン(和光純薬社製)を混合して十分に分散させてスラリーを得た。炭素繊維製マット(トレカマット、東レ社製)を1cm2の円状に加工し、その表面に上記のスラリーを塗布し、乾燥させてベース電極を作製した。
(1)アノード用酵素電極の作製
50mgのケッチェンブラック(ライオン社製)、222μLの10%ポリビニルリジン(シグマアルドリッチ社製)、および3mLのN−メチルピロリドン(和光純薬社製)を混合して十分に分散させてスラリーを得た。炭素繊維製マット(トレカマット、東レ社製)を1cm2の円状に加工し、その表面に上記のスラリーを塗布し、乾燥させてベース電極を作製した。
表1に記載した各成分を混合して、Candida boidinii由来ギ酸デヒドロゲナーゼ(cbFDH)溶液を調製した。このcbFDH溶液をベース電極に塗布し、乾燥させてアノード用酵素電極を得た。
(2)カソード用酵素電極の作製
ビリルビンオキシダーゼ(BOD、天野エンザイム社製)を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)に溶解させ、50mg/mLのBOD溶液を調製した。0.5mLのBOD溶液に(1)と同様に作製したベース電極を一晩浸漬させてカソード用電極を得た。カソード用電極は、評価用燃料電池セルに組み込む前に、紙ウエスで過剰な水分を吸収した。
ビリルビンオキシダーゼ(BOD、天野エンザイム社製)を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)に溶解させ、50mg/mLのBOD溶液を調製した。0.5mLのBOD溶液に(1)と同様に作製したベース電極を一晩浸漬させてカソード用電極を得た。カソード用電極は、評価用燃料電池セルに組み込む前に、紙ウエスで過剰な水分を吸収した。
(3)燃料電池の出力測定
(1)で得たアノード用酵素電極と(2)で得たカソード用電極を評価用燃料電池セルに組み込み、出力を測定した。
(1)で得たアノード用酵素電極と(2)で得たカソード用電極を評価用燃料電池セルに組み込み、出力を測定した。
図2に評価用燃料電池セルの構造の概略図を示す。固体高分子電解質膜21を挟むようにアノード用酵素電極22とカソード用酵素電極23が設けられ、それら電極はそれぞれ集電体24に接触している。アノード側には、シリコン25とアクリル板26により燃料槽27が設けられている。燃料槽27には以下の組成を有する燃料を供給した。
[燃料組成]
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0) 0.83M
ギ酸ナトリウム 0.68M
NADH 0.25M
NAD 0.50M
[燃料組成]
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0) 0.83M
ギ酸ナトリウム 0.68M
NADH 0.25M
NAD 0.50M
外部負荷装置として菊水電子工業社製の電子負荷装置(PLZ164WA)を電池両極間に直列に接続し、シーケンス作製・制御ソフトウェア(Wavy for PLZ4W、菊水電子工業社製)を用いて出力の測定を行った。測定は室温条件下(約25℃)で行った。測定の結果、0.76mW/cm2の出力が得られた。
2.カソード側に酸化還元物質槽を有する酵素燃料電池の出力測定
上記1の(1)および(2)と同様に、アノード用酵素電極とカソード用酵素電極を作製し、カソード側に酸化還元物質槽を有する評価用燃料電池セルに組み込み、出力を測定した。
上記1の(1)および(2)と同様に、アノード用酵素電極とカソード用酵素電極を作製し、カソード側に酸化還元物質槽を有する評価用燃料電池セルに組み込み、出力を測定した。
図3にカソード側に酸化還元物質槽を有する評価用燃料電池セルの構造の概略図を示す。この評価用燃料電池セルは、カソード側にシリコン35とアクリル板36により設けられた酸化還元物質槽38を有する以外は、図2に示したものと同様である。酸化還元物質槽38には1Mのヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液を満たした。上記1と同じ条件で出力の測定を行ったところ、2.2mW/cm2の出力が得られた。
3.酵素によるヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの酸化試験
(1)BOD吸着基材の作製
ビリルビンオキシダーゼ(BOD、天野エンザイム社製)を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)に溶解させ、50mg/mLのBOD溶液を調製した。上記1(1)のベース電極と同じものを作製し、それを0.5mLのBOD溶液に一晩浸漬させてBODを吸着させた。紙ウエスで過剰な水分を吸収し、BOD吸着基材とした。
(1)BOD吸着基材の作製
ビリルビンオキシダーゼ(BOD、天野エンザイム社製)を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)に溶解させ、50mg/mLのBOD溶液を調製した。上記1(1)のベース電極と同じものを作製し、それを0.5mLのBOD溶液に一晩浸漬させてBODを吸着させた。紙ウエスで過剰な水分を吸収し、BOD吸着基材とした。
(2)ラッカーゼ吸着基材の作製
ラッカーゼ(ラッカーゼダイワY120、大和化成社製)を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)に溶解させ、50mg/mLのラッカーゼ溶液を調製した。上記1(1)のベース電極と同じものを作製し、それを0.5mLのラッカーゼ溶液に一晩浸漬させてラッカーゼを吸着させた。紙ウエスで過剰な水分を吸収し、ラッカーゼ吸着基材とした。
ラッカーゼ(ラッカーゼダイワY120、大和化成社製)を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)に溶解させ、50mg/mLのラッカーゼ溶液を調製した。上記1(1)のベース電極と同じものを作製し、それを0.5mLのラッカーゼ溶液に一晩浸漬させてラッカーゼを吸着させた。紙ウエスで過剰な水分を吸収し、ラッカーゼ吸着基材とした。
(3)酵素によるヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの酸化
200mMのヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを15μLと、100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)を285μLとを満たした槽を用意した。上記(1)と(2)で作製した酵素吸着基材、および酵素を含まないリン酸ナトリウム緩衝液に浸漬させたコントロール基材をそれぞれ槽の上に載せ、槽の中のヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム溶液と酵素吸着基材とが接するようにした。酵素反応によりヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムがヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムに酸化され、溶液が黄色に変色した。変色の程度を分光光度計(Infinite M200、Tecan社製)を用いて評価した。
200mMのヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを15μLと、100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、ナカライテスク社製)を285μLとを満たした槽を用意した。上記(1)と(2)で作製した酵素吸着基材、および酵素を含まないリン酸ナトリウム緩衝液に浸漬させたコントロール基材をそれぞれ槽の上に載せ、槽の中のヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム溶液と酵素吸着基材とが接するようにした。酵素反応によりヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムがヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムに酸化され、溶液が黄色に変色した。変色の程度を分光光度計(Infinite M200、Tecan社製)を用いて評価した。
図4は、コントロール基材、BOD基材およびラッカーゼ基材のそれぞれの場合における420nmで測定した溶液の吸光度を示したグラフである。酵素を含まないコントロール基材では溶液の吸光度は増加しなかったのに対し、BOD基材およびラッカーゼ基材を用いた場合では吸光度が大幅に増加し、酵素によってヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムがヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムに酸化されたことがわかった。
1 酵素燃料電池
11 固体高分子電解質膜
12 アノード側電極
13 カソード側電極
14 集電体
15、16 酸化還元物質槽
17、18 酵素支持体
21 固体高分子電解質膜
22 アノード用酵素電極
23 カソード用酵素電極
24 集電体
25 シリコン
26 アクリル板
27 燃料槽
31 固体高分子電解質膜
32 アノード用酵素電極
33 カソード用酵素電極
34 集電体
35 シリコン
36 アクリル板
37 燃料槽
38 酸化還元物質槽
11 固体高分子電解質膜
12 アノード側電極
13 カソード側電極
14 集電体
15、16 酸化還元物質槽
17、18 酵素支持体
21 固体高分子電解質膜
22 アノード用酵素電極
23 カソード用酵素電極
24 集電体
25 シリコン
26 アクリル板
27 燃料槽
31 固体高分子電解質膜
32 アノード用酵素電極
33 カソード用酵素電極
34 集電体
35 シリコン
36 アクリル板
37 燃料槽
38 酸化還元物質槽
Claims (7)
- カソード側およびアノード側の少なくとも一方に酸化還元物質が分散した分散体を保持する槽を有し、酵素電極が前記酸化還元物質と直接接触するように設けられており、さらに前記槽には非発電時に前記酸化還元物質を発電時の電極反応とは逆方向に酸化または還元する酵素を固定化した酵素支持体が酸化還元物質と直接接触するように設けられている酵素燃料電池。
- 前記槽をカソード側に有し、前記酵素支持体には酸化還元物質を酸化する酵素が固定化されている、請求項1に記載の酵素燃料電池。
- 前記酵素支持体に固定化されている酵素がマルチ銅オキシダーゼである、請求項2に記載の酵素燃料電池。
- 前記マルチ銅オキシダーゼが、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ、CueOおよびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、請求項3に記載の酵素燃料電池。
- 前記槽をアノード側電極に有し、前記槽はさらに燃料を含み、前記酵素支持体には酸化還元物質を還元する酵素が固定化されている、請求項1に記載の酵素燃料電池。
- 前記酵素支持体に固定化されている酵素が、ギ酸デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、請求項5に記載の酵素燃料電池。
- 酸化還元物質が、ヘキサシアノ鉄酸塩、オクタシアノタングステン酸塩、キノン類、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、メチレンブルー、メチレングリーン、ABTS、EDTA(III)、NAD(H)、NADP(H)、およびこれらの2種以上の組み合わせから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の酵素燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011150289A JP2013016439A (ja) | 2011-07-06 | 2011-07-06 | 酵素燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011150289A JP2013016439A (ja) | 2011-07-06 | 2011-07-06 | 酵素燃料電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2013016439A true JP2013016439A (ja) | 2013-01-24 |
Family
ID=47688919
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2011150289A Withdrawn JP2013016439A (ja) | 2011-07-06 | 2011-07-06 | 酵素燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2013016439A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016162665A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 前澤化成工業株式会社 | 微生物燃料電池 |
| KR101740099B1 (ko) | 2014-10-24 | 2017-05-26 | 동의대학교 산학협력단 | 라카아제를 포함하는 바이오연료전지 |
-
2011
- 2011-07-06 JP JP2011150289A patent/JP2013016439A/ja not_active Withdrawn
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| JP2016162665A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 前澤化成工業株式会社 | 微生物燃料電池 |
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