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JP2013010118A - 環状薄板材の周長調整方法、及び薄板材周長調整装置 - Google Patents

環状薄板材の周長調整方法、及び薄板材周長調整装置 Download PDF

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JP2013010118A
JP2013010118A JP2011144231A JP2011144231A JP2013010118A JP 2013010118 A JP2013010118 A JP 2013010118A JP 2011144231 A JP2011144231 A JP 2011144231A JP 2011144231 A JP2011144231 A JP 2011144231A JP 2013010118 A JP2013010118 A JP 2013010118A
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Abstract

【課題】周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、薄板材積層体に構成する全種の環状薄板材を、それぞれ異なる目標の周長に、低コストで調整することができる環状薄板材の周長調整方法、及び薄板材周長調整装置を提供する。
【解決手段】金属リング10の周長調整方法は、係回部22に金属リング10をそれぞれ掛け回して周回させる一対のローラ21を用い、一対のローラ21には、9つの係回部22が、ローラ21の回転軸AX方向に沿って配置されていると共に、ローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3で積層方向THに隣り合って配置される金属リング10同士の周長差ΔRに対応した径差で形成されていること、回転軸AXを中心に一対のローラ21が回転し、9つの金属リング10が周回している状態で、回転軸間距離Xを拡げて、9つの金属リング10を、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長Rにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、自動車等に搭載される無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に構成される金属製の環状薄板材を複数、それぞれ異なる周長に調整する環状薄板材の周長調整方法、及び環状薄板材の周長を調整する薄板材周長調整装置に関する。
CVTに構成されるCVTベルトは、周長をそれぞれ僅かに変化させた金属製の環状薄板材を複数、その厚み方向に重ね合わせて積層した薄板材積層体に、複数の金属製エレメントを、薄板材積層体の周方向に沿って移動可能に積層配列し、2つの薄板材積層体により複数の金属製エレメントを保持して結束したものである。薄板材積層体を製造するにあたり、金属製薄板材の周長を調整する一例として、特許文献1に開示された金属リング周長補正方法がある。図23は、特許文献1に開示された金属リング周長補正装置を示す模式図である。
特許文献1は、図23に示すように、金属リング積層体において、周長が少しずつ異なる複数の金属リングW(W、W、W、…、W)を、金属リング周長補正装置501で周長調整している。金属リング周長補正装置501は、駆動ローラ502と従動ローラ503とに掛け回した金属リングWを、駆動ローラ502と従動ローラ503との軸間距離を変えて1本ずつテンションを掛けた状態で周回させ、周長調整するときに、水平状態の金属リングWに矯正ローラ504をP側に変位させている。特許文献1は、金属リングW,W,W,…,Wそれぞれに対し、水平状態における金属リングWの周長と、目標とする周長との周長差mを個々に求め、この周長差mに基づいて矯正ローラ504の移動量を決めて、1本ずつ金属リングWの周長調整を行っている。
特開2009−66630号公報
しかしながら、特許文献1には、以下の問題があった。特許文献1は、金属リング周長補正装置501により金属リングWを1本ずつ周長調整しているため、金属リング積層体Rを構成する全種の金属リングWを周長調整するのに、金属リングWの積層数に応じた設備数の金属リング周長補正装置501を設備しなければならない。そのため、金属リング周長補正装置501の設置スペースが広く必要となり、CVT製造工程のうち、とりわけ金属リングWの周長調整工程だけに、広大な設置スペースを確保することが困難な場合があり得る。また、金属リング周長補正装置501の設備数が多くなると、多額な設備コストが掛かる上、金属リングWの周長工程が、調整する金属リングWの周長毎に別々に必要となることから、金属リング積層体Rを構成する全種の金属リングWを全て周長調整するのに必要な総加工時間は長くかかり、製造コストが高価となる問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、薄板材積層体に構成する全種の環状薄板材を、それぞれ異なる目標の周長に、低コストで調整することができる環状薄板材の周長調整方法、及び薄板材周長調整装置を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するために、本発明の環状薄板材の周長調整方法、及び薄板材周長調整装置は、次の構成を有している。
(1)環状に形成された金属製の薄板材を複数有し、複数の薄板材の各周長をそれぞれ段階的に変化させて、複数の薄板材を、その厚み方向に沿う積層方向に重ね合わせて積層した環状の薄板材積層体を形成するための環状薄板材の周長調整方法において、薄板材積層体で積層する薄板材の積層数に相当する所定数の係回部に、積層させる所定数の薄板材それぞれを掛け回して周回させる一対のローラを用い、一対のローラには、所定数の係回部が、当該ローラの回転軸方向に沿って配置されていると共に、回転軸方向と直交するローラ径方向に対し、薄板材積層体で積層方向に隣り合って配置される薄板材同士の周長差に対応した径差でそれぞれ形成されていること、回転軸を中心に一対のローラが回転し、所定数の薄板材が周回している状態で、一対のローラの回転軸間距離を拡げる向きに一対のローラを互いに離間させて、所定数の薄板材それぞれを、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長にすることを特徴とする。
(2)(1)に記載する環状薄板材の周長調整方法において、係回部の形状に倣って薄板材にクラウニングを付することを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する環状薄板材の周長調整方法において、所定数の係回部が何れも、回転軸方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、引き伸ばす前の状態では、薄板材の周長が、積層方向の配置位置に因らず同じであること、積層方向に対する薄板材の配置位置と、回転軸方向に対する係回部の配置位置とを1対1の関係に対応させて、所定数の薄板材を所定数の係回部に保持させること、及び係回部で薄板材に作用する張力を、所定数の薄板材全てに均等にかけることを特徴とする。
なお、1対1の関係とは、所定数の薄板材のうち、薄板材積層体の最外周位置に配置される薄板材については、所定数の係回部のうち、径が最も大きい係回部に対応させる。その一方で、所定数の薄板材のうち、薄板材積層体の最内周位置に配置される薄板材については、所定数の係回部のうち、径が最も小さい係回部に対応させる。すなわち、薄板材積層体で配置する薄板材が、内周側から外周側へ順に位置が変わるに連れて、径が小さい係回部から大きい係回部に順に対応させる関係をいう。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、回転軸間距離を制御して、所定数の薄板材を各目標の周長まで引き伸ばすこと特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、回転軸間距離を、引き伸ばす前の所定数の薄板材に対し、全ての周内に一対のローラが挿通可能な距離に設定する第1工程と、第1工程後、所定数の薄板材を一つにまとめた状態で、一対のローラを所定数の薄板材の周内に相対的に挿通し、所定数の薄板材を、弾性変形域内でテンションをかけた状態で、所定数の係回部にそれぞれ保持させる第2工程と、第2工程後、一対のローラを回転させながら、回転軸間距離を、所定数の薄板材に対し各目標の周長になるまで拡げる第3工程と、を有することを特徴とする。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、薄板材は鋼製のリングであり、薄板材積層体は、無段変速機に構成される金属ベルトの一部として、鋼製のリングが積層された金属リング積層体であることを特徴とする。
(8)環状に形成された金属製の薄板材で、その周長を段階的に変化させた複数の薄板材を、その厚み方向に沿う積層方向に重ね合わせて積層させた環状の薄板材積層体を形成するための薄板材周長調整装置において、薄板材積層体で積層させる薄板材の積層数に相当する所定数の係回部に、所定数の薄板材を掛け回して、回転軸を中心に回転させると共に、回転軸間距離が制御可能に構成された一対のローラを備え、所定数の係回部が、回転軸方向に沿って配置されていると共に、回転軸方向と直交するローラ径方向に対し、薄板材積層体で隣り合って配置される薄板材同士の周長差に対応した径差で形成されていることを特徴とする。
(9)(8)に記載する薄板材周長調整装置において、所定数の係回部は、ローラ径方向に対し、薄板材に付するクラウニングに対応したR形状、または薄板材に付する凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
(10)(8)または(9)に記載する薄板材周長調整装置において、所定数の係回部が何れも、回転軸方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とする。
(11)(8)乃至(10)のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置において、回転軸間距離を、サーボモータで制御することを特徴とする。
(12)(8)乃至(11)のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置において、一対のローラは、回転軸方向に対し、片持ち支持、または両端支持で設けられ、隣り合う係回部同士の間の位置で、一対のローラをそれぞれローラ径方向から支持するローラ支持手段を備えていることを特徴とする。
上記構成を有する本発明の環状薄板材の周長調整方法、及び薄板材周長調整装置の作用・効果について説明する。
本発明の環状薄板材の周長調整方法では、
(1)環状に形成された金属製の薄板材を複数有し、複数の薄板材の各周長をそれぞれ段階的に変化させて、複数の薄板材を、その厚み方向に沿う積層方向に重ね合わせて積層した環状の薄板材積層体を形成するための環状薄板材の周長調整方法において、薄板材積層体で積層する薄板材の積層数に相当する所定数の係回部に、積層させる所定数の薄板材それぞれを掛け回して周回させる一対のローラを用い、一対のローラには、所定数の係回部が、当該ローラの回転軸方向に沿って配置されていると共に、回転軸方向と直交するローラ径方向に対し、薄板材積層体で積層方向に隣り合って配置される薄板材同士の周長差に対応した径差でそれぞれ形成されていること、回転軸を中心に一対のローラが回転し、所定数の薄板材が周回している状態で、一対のローラの回転軸間距離を拡げる向きに一対のローラを互いに離間させて、所定数の薄板材それぞれを、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長にすることを特徴とするので、薄板材にスプリングバックが生じず、周長が安定した状態で、薄板材を目標の周長まで引き伸ばす周長調整の工程が、薄板材積層体における薄板材の積層数に拘わらずまとめて1工程に集約でき、周長調整の工程数が、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整方法に比べて、大幅に削減できる。そのため、薄板材積層体で積層させる全ての薄板材を周長調整するのに必要な総加工時間が、1層分の薄板材を周長調整する時間でできるようになり、薄板材を周長調整するのに掛かる製造コストが大幅に低減できる。
また、本発明の環状薄板材の周長調整方法は、薄板材の周長調整を行う設備(周長調整装置)について、従来の周長調整方法とは異なり、積層数分に相当する設備数を設置する必要がない上、設備を工場に設置するスペースを、省スペースに抑えることができる。また、従来の周長調整方法では、積層方向の配置位置がそれぞれ異なる複数種の薄板材の周長を、同じ設備で調整しようとすると、積層方向の配置位置の違いにより、薄板材同士間で周長差を設けるための段取り替え作業が必要となるが、本発明の環状薄板材の周長調整方法では、このような段取り替え作業がない。そのため、製造コストを低減することができる。さらに、積層数分に相当する数の設備を必要としないため、設備に掛かる設備コストが大幅に低減できる。
従って、本発明の環状薄板材の周長調整方法によれば、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、薄板材積層体に構成する全種の環状薄板材を、それぞれ異なる目標の周長に、低コストで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する環状薄板材の周長調整方法において、係回部の形状に倣って薄板材にクラウニングを付することを特徴とするので、薄板材にクラウニングを付すことにより、薄板材積層体において隣り合って配置される積層状態の薄板材同士が、互いに保持され易くすることができる。また、クラウニングを付した薄板材により、薄板材積層体を形成する場合に、薄板材にクラウニングを付する工程が別途必要とせず、薄板材積層体の製造工程の工程数を削減することができる。
(3)(1)または(2)に記載する環状薄板材の周長調整方法において、所定数の係回部が何れも、回転軸方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とするので、引き伸ばす前の状態において、厚み方向と周方向とに直交する薄板材幅方向に対し、その一方側の周長と、他方側の周長との間で周長差があるテーパ状薄板材についても、所定数のテーパ状薄板材それぞれを、各目標の周長になるまで同時に引き伸ばすことができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、引き伸ばす前の状態では、薄板材の周長が、積層方向の配置位置に因らず同じであること、積層方向に対する薄板材の配置位置と、回転軸方向に対する係回部の配置位置とを1対1の関係に対応させて、所定数の薄板材を所定数の係回部に保持させること、及び係回部で薄板材に作用する張力を、所定数の薄板材全てに均等にかけることを特徴とするので、掛け回す前の薄板材の製造コストが、一対のローラの係合部に対し、掛け回す位置によって予め周長が異なる薄板材を用いる場合に比して、安価にできる。また、薄板材積層体において隣り合って配置される薄板材同士の間で、積層方向の配置位置によって必然的に生じる周長差を、薄板材の配置位置毎に同じように付けることができ、所定数の薄板材の各周長がそれぞれ、均一な状態で段階的に変化させることができる。その結果、所定数の薄板材を積層方向に、より密着した状態で重ね合わせて積層した環状の薄板材積層体を形成することができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、回転軸間距離を制御して、所定数の薄板材を各目標の周長まで引き伸ばすことを特徴とするので、所定数の薄板材に対し、引き伸ばし前の状態の薄板材を目標の周長まで引き伸ばす引き伸ばし量と、各目標の周長になるまで回転軸間距離を変位させる変位量とは、等価であるため、回転軸間距離の変位量を精度良く制御すれば、所定数の薄板材全てに対し、積層方向の配置位置毎に応じた目標の周長まで、薄板材を高精度に引き伸ばすことができる。また、量産体制の下で周長調整を行う場合、薄板材が各目標の周長まで引き伸ばされているかの品質管理が容易にできる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、回転軸間距離を、引き伸ばす前の所定数の薄板材に対し、全ての周内に一対のローラが挿通可能な距離に設定する第1工程と、第1工程後、所定数の薄板材を一つにまとめた状態で、一対のローラを所定数の薄板材の周内に相対的に挿通し、所定数の薄板材を、弾性変形域内でテンションをかけた状態で、所定数の係回部にそれぞれ保持させる第2工程と、第2工程後、一対のローラを回転させながら、回転軸間距離を、所定数の薄板材に対し各目標の周長になるまで拡げる第3工程と、を有することを特徴とするので、所定数の薄板材全てを一つにまとめたロットとして、連続する複数のロットを量産体制の下で周長調整する場合、例えば、先のロットが第2工程または第3工程を実施している間に、次のロット分の所定数の薄板材全てを一つにまとめる作業が実施できるほか、次のロット分が第2工程を実施できる位置に移動する間、第1工程を実施できる等、生産性の高い周長調整を行うことができる。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、薄板材は鋼製のリングであり、薄板材積層体は、無段変速機に構成される金属ベルトの一部として、鋼製のリングが積層された金属リング積層体であることを特徴とするので、金属リング積層体の積層数に応じて重ね合わせる鋼製のリングを、金属リング積層体を形成するのに必要な周長に調整するときに掛かる製造コストが、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整方法に比べて、大幅に削減できることから、無段変速機を安価なコストで製造することができるようになる。
また、本発明の薄板材周長調整装置では、
(8)環状に形成された金属製の薄板材で、その周長を段階的に変化させた複数の薄板材を、その厚み方向に沿う積層方向に重ね合わせて積層させた環状の薄板材積層体を形成するための薄板材周長調整装置において、薄板材積層体で積層させる薄板材の積層数に相当する所定数の係回部に、所定数の薄板材を掛け回して、回転軸を中心に回転させると共に、回転軸間距離が制御可能に構成された一対のローラを備え、所定数の係回部が、回転軸方向に沿って配置されていると共に、回転軸方向と直交するローラ径方向に対し、薄板材積層体で隣り合って配置される薄板材同士の周長差に対応した径差で形成されていることを特徴とするので、薄板材を目標の周長まで引き伸ばす周長調整の工程が、薄板材積層体における薄板材の積層数に拘わらずまとめて1工程に集約でき、周長調整の工程数が、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整装置に比べて、大幅に削減できる。そのため、薄板材積層体で積層させる全ての薄板材を周長調整するのに必要な総加工時間が、1層分の薄板材を周長調整する時間でできるようになり、薄板材を周長調整するのに掛かる製造コストが大幅に低減できる。
また、本発明の薄板材周長調整装置は、従来の周長調整装置とは異なり、積層数分に相当する設備数を設置する必要がなく、1台分のスペースだけを確保すれば良く、工場に設置するスペースを、省スペースに抑えることができる。また、従来の周長調整装置では、積層方向の配置位置がそれぞれ異なる複数種の薄板材の周長を、同じ装置で調整しようとすると、積層方向の配置位置の違いにより、薄板材同士間で周長差を設けるための段取り替え作業が必要となるが、本発明の環状薄板材の周長調整装置では、このような段取り替え作業がない。そのため、薄板材を周長調整する製造コストを低減することができる。さらに、本発明の環状薄板材の周長調整装置は、積層数分に相当する設備数を設置する必要がないため、設備するのに掛かる設備コストが大幅に低減できる。
従って、本発明の薄板材周長調整装置によれば、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、薄板材積層体に構成する全種の環状薄板材を、それぞれ異なる目標の周長に、低コストで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(9)(8)に記載する薄板材周長調整装置において、所定数の係回部は、ローラ径方向に対し、薄板材に付するクラウニングに対応したR形状、または薄板材に付する凹凸形状に形成されていることを特徴とするので、薄板材にクラウニングを付すことにより、薄板材積層体において隣り合って配置される積層状態の薄板材同士が、互いに保持され易くすることができる。また、例えば、クラウニングを付した薄板材により、薄板材積層体を形成する場合に、薄板材にクラウニングを付する工程が別途必要とせず、薄板材積層体の製造工程の工程数を削減することができる。
(10)(8)または(9)に記載する薄板材周長調整装置において、所定数の係回部が何れも、回転軸方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とするので、引き伸ばす前の状態において、厚み方向と周方向とに直交する薄板材幅方向に対し、その一方側の周長と、他方側の周長との間で周長差があるテーパ状薄板材についても、所定数のテーパ状薄板材それぞれを、同時に引き伸ばし各目標の周長にすることができる。
(11)(8)乃至(10)のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置において、回転軸間距離を、サーボモータで制御することを特徴とするので、回転軸間距離を変化させるとき、その距離の変位量や、一対のローラの停止位置を高精度に検出することができる。そのため、回転軸間距離の変位量が精度良く得られることで、所定数の薄板材全てに対し、積層方向の配置位置毎に応じた目標の周長まで、薄板材を高精度に引き伸ばすことができる。
(12)(8)乃至(11)のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置において、一対のローラは、回転軸方向に対し、片持ち支持、または両端支持で設けられ、隣り合う係回部同士の間の位置で、一対のローラをそれぞれローラ径方向から支持するローラ支持手段を備えていることを特徴とするので、回転軸を中心に一対のローラが回転し、所定数の薄板材が周回している状態で、一対のローラの回転軸間距離を拡げる向きに一対のローラが互いに離間するときに、ローラ支持手段により、ローラの回転軸に掛かる曲げモーメントを小さくして、回転軸の振れ(ローラ径方向に向けたローラの撓み)を小さく抑制することができる。これにより、所定数の薄板材に対し、係回部で薄板材に作用する張力を、より均一にかけることができ、所定数の薄板材全てに、同じように薄板材を引き伸ばして、各目標の周長にすることができる。
実施形態1に係る周長調整装置を正面から見た説明図である。 図1中、A−A矢視から見た周長調整装置の平面図である。 実施形態1に係るローラを示す正面図である。 図3中、Y部の拡大図である。 変形例1に係るローラを示す正面図である。 変形例2に係るローラを示す正面図である。 実施形態1に係る金属リングを示す斜視図である。 金属リングの製造工程のフローを示す工程図である。 一対のローラに掛け回した9つの金属リングの周長調整前の様子を示す模式図である。 9つの金属リングを周長調整後の様子を示す模式図である。 周長調整された9層の金属リングを示す斜視図である。 CVTベルトの一部を示す斜視図である。 周長調整前の金属リングを保持した周長調整搬送治具を示す正面図である。 図13の平面図である。 図13の側面図である。 周長調整後の金属リングを保持した熱処理固定治具を示す正面図である。 図16の平面図である。 図16の側面図である。 実施形態2に係るローラを示す正面図である。 実施形態2に係る金属リングを示す斜視図である。 図19に示す金属リングを周長調整している様子を説明する図である。 周長調整された9層の金属リングを示す斜視図である。 特許文献1に開示された金属リング周長補正装置を示す模式図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明を具体化した形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図12は、CVTベルトの一部を示す斜視図である。本実施形態では、本発明の薄板材は鋼製のリングであり、本発明の薄板材積層体が、自動車等に搭載される無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)のうち、CVTベルト1を構成する金属リング積層体3である場合について、説明する。
はじめに、CVTベルト1の概略について、簡単に説明する。CVTベルト1は、図12に示すように、2つの金属リング積層体3と、複数(例えば、430ヶ)の金属製エレメント2とからなる。金属リング積層体3は、環状に形成されたマルエージング鋼製の金属リング10(薄板材)を、本実施形態では、9つ有し、9つの金属リング10の各周長をそれぞれ段階的に変化させて引き伸ばし、9つの金属リング10を、その厚み方向THに沿う積層方向THに重ね合わせて9層に積層した環状の積層体である。CVTベルト1は、2つの金属リング積層体3の間に挟み込まれた430枚の金属製エレメント2を、金属リング積層体3の周方向に沿って移動可能に積層配列し、2つの金属リング積層体3により430枚の金属製エレメント2を保持して結束したものである。
図7に、本実施形態に係る金属リングを示す。1つの金属リング10は、図7に示すように、本実施形態では、幅D(図7中、上下方向)が10mm、厚みが0.185mm、幅方向の両端側とも引き伸ばす前の状態の周長が670mmの薄板状のリングである。金属リング積層体3を形成するにあたり、その積層方向THの配置位置に因らず9層とも同じ周長の金属リング10が用いられる。金属リング10は、周知技術により溶体化処理を既に2回実施した状態にあり、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法による周長調整工程で9層とも周長を変化させた後、その後工程で時効処理と窒化処理を行う状態にある。
次に、金属リング積層体3において、9つの金属リング10の各周長をそれぞれ段階的に変化させるのに、本発明の薄板材周長調整装置が用いられる。図1に、本実施形態に係る周長調整装置を正面から見た説明図を示す。図2は、図1中、A−A矢視から見た周長調整装置の平面図である。図3は、本実施形態に係るローラを示す正面図であり、図3中、Y部の拡大図を図4に示す。
薄板材周長調整装置20について、図1乃至図4を用いて説明する。薄板材周長調整装置20は、前述したように、環状に形成されたマルエージング鋼製の金属リング10で、その周長を段階的に変化させて引き伸ばした9つの金属リング10を、その厚み方向THに沿う積層方向THに重ね合わせて積層させた環状の薄板材積層体を形成するため、9つの金属リング10に周長差を付する装置である。
薄板材周長調整装置20は、図1及び図2に示すように、金属リング積層体3で積層させる金属リング10の積層数(本実施形態では9層)に相当する9つの係回部22に、9つの金属リング10を掛け回して、回転軸AXを中心に回転させると共に、回転軸間距離Xが制御可能に構成された一対のローラ21を備えている。薄板材周長調整装置20は、一対のローラ21のうち、幅方向WD(図1及び図2中、左右方向)に移動可能に構成された第1ローラ21Aを含む移動側ローラ部20Aと、幅方向WDには移動できず固定で構成された第2ローラ21Bを含む固定部ローラ部20Bとからなる。
第1ローラ21Aと第2ローラ21Bとは、その仕様が実質的に同じローラである。一対のローラ21は、回転軸AXを軸心とする軸部23と、この軸部23と一体で形成された9つの係回部22とを有している。一対のローラ21は、後に詳述するように、金属リング10を引き伸ばして周長調整するときに掛かる張力に対し、当該一対のローラ21の撓みをより小さく抑制できるよう、軸部23の形状、材質、硬度等を考慮した十分な剛性で作製されている。具体的には、一対のローラ21は、本実施形態では、軸部23を直径Φ30mmで形成し、浸炭焼き入れ処理を施して硬度を高めた炭素鋼からなる。一対のローラ21にはそれぞれ、9つの係回部22が、回転軸AX方向に沿って配置されている。この9つの係回部22には、掛け回した金属リング10の当接面である9つの係回面22aが、回転軸AX方向と直交するローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3で隣り合って配置される金属リング10,10同士の周長差に対応した径差で、それぞれ形成されている。
一対のローラ21のそれぞれに、9つの係回部22に9つの金属リング10を掛け回し、第9層目の金属リング10iが第9係回部22Iに上降伏点にはほど遠い小さな張力でちょうどぴったりと掛け回した状態にあるとき、第1係回部22A乃至第8係回部22Hが、第9層目の金属リング10iより緩んだ状態で掛け回された第1層目乃至第8層目の金属リング10を、係留し保持できるように形成されている。すなわち、各係回部22は、ローラ径方向RD径内側に凹設して形状に形成され、掛け回した金属リング10を側部で保持可能になっている。第9層目の金属リング10iが第9係回部22Iに上降伏点にはほど遠い小さな張力でちょうどぴったりと掛け回した状態にあるとき、最も緩んで状態で掛け回された第1層目の金属リング10aが、第1係回部22Aで係留し保持できるようになっている。同様に、第2層目の金属リング10bが第2係回部22Bで、第3層目の金属リング10cが第3係回部22Cで、第4層目の金属リング10dが第4係回部22Dで、第5層目の金属リング10eが第5係回部22Eで、第6層目の金属リング10fが第6係回部22Fで、第7層目の金属リング10gが第7係回部22Gで、第8層目の金属リング10hが第8係回部22Hで、それぞれ係留保持できるようになっている。
第1係回部22A乃至第9係回部22Iにおいて、各係回面22aが、図4に示すように、ローラ径方向RDに対し、金属リング10に付するクラウニングに対応したR形状に形成されている。係回面22aは、曲率半径の中心をローラ径方向RD径内側に置いた半径Rの曲率面である。また、一対のローラ21では、第4係回部22Dと第5係回部22Eとが離れ、第4係回部22Dと第5係回部22Eとの間に、軸部23の一部である中間軸部24が設けられている。
本実施形態では、薄板材周長調整装置20は、隣り合う第4係回部22Dと第5係回部22Eとの間の位置で、一対のローラ20をそれぞれローラ径方向RDから補助的に支持するローラ支持ユニット30(ローラ支持手段)を備えている。ローラ支持ユニット30は、第1ローラ21Aと第2ローラ21Bにそれぞれ設けられ、一対のローラ21の9つの係回部22に9つの金属リング10を掛け回し、各係回部22で9つの金属リング10にその上降伏点の応力に相当する張力が掛かった状態にあるとき、この張力により一対のローラ21が撓むのを抑制できる位置に配置されている。ローラ支持ユニット30は、図1及び図2に示すように、一対のローラ20の回転軸AXと平行な軸心を中心に回転可能な転動部31と、上記軸心上で転動部31を保持する保持部32とを有する。転動部31は、第1ローラ21A(第2ローラ21B)の中間軸部24の外周と接触する位置に配置され、第1ローラ21A(第2ローラ21B)と回転自在に従動できるようになっている。
次ぎ、移動側ローラ部20Aについて、図1及び図2を用いて説明する。第1ローラ21Aの回転軸AX方向一端側(図1中、下側)には、サーボモータ41Aが、第1ローラ21Aと接続されており、図示しないベアリングに保持された第1ローラ21Aを、ダイレクトドライブで高速回転できるようになっている。サーボモータ41Aは、図示しないCNC(Computerized Numerically Controlled)制御部に電気的に接続され、CNC制御部による数値制御によって回転駆動する。CNC制御部は、サーボモータ41Aのほか、後述するサーボモータ41B、サーボモータ41Cと共に、回転速度、回転量等をまとめて数値制御する。
サーボモータ41Aはローラ載置ベース45に固定されている。ローラ載置ベース45は、ベッド46上に載置され、リニアガイド44に沿ってベッド46と相対移動可能に配設されている。ローラ載置ベース45を挿通するボールネジ47がサーボモータ41Cと接続され、サーボモータ41Cは、図示しないCNC制御部と電気的に接続され、数値制御によって回転駆動する。サーボモータ41Cの回転によりボールネジ47が回転すると、ローラ載置ベース45は、幅方向WD(図1及び図2中、左右方向)に自在に移動する。なお、ローラ載置ベース45の移動量・停止位置を精度良く検知するため、サーボモータ41Cと共に、ロータリーエンコーダ、リニアスケールを併用しても良い。
第1ローラ21Aは、回転軸AX方向に対し、両端支持で設けられている。具体的には、第1ローラ21Aの回転軸AX方向他端側(図1中、上側)には、リニアガイド44に支持されたテールストック42Aが設けられている。第1ローラ21Aの軸部23の他端部は、テールストック42Aの内部にあるベアリング43により、支持されている。
移動側ローラ部20Aでは、サーボモータ41Cが回転駆動すると、その動力がボールネジ47を介してローラ載置ベース45に伝達され、ローラ載置ベース45と共に、サーボモータ41A、第1ローラ21A、ローラ支持ユニット30、及びテールストック42Aが一体となって、上下2つのリニアガイド44に支えられながら、幅方向WDに移動できるようになっている。
次に、固定部ローラ部20Bについて、図1及び図2を用いて説明する。第1ローラ21Bの回転軸AX方向一端側には、サーボモータ41Bが、第1ローラ21Bと接続されており、図示しないベアリングに保持された第1ローラ21Bを、ダイレクトドライブで高速回転できるようになっている。サーボモータ41Bは、図示しないCNC制御部に電気的に接続され、CNC制御部による数値制御によって、サーボモータ41Aと同期して回転駆動する。
第1ローラ21Bは、回転軸AX方向に対し、両端支持で設けられている。具体的には、第1ローラ21Bの回転軸AX方向他端側に、テールストック42Bが設けられ、第1ローラ21Bの軸部23の他端部は、テールストック42Bの内部にあるベアリング43により、支持されている。
薄板材周長調整装置20では、第1ローラ21Aの回転軸AXと第1ローラ21Bの回転軸AXとの回転軸間距離Xを変更するときは、幅方向WDに対し、第2ローラ21Bの回転軸AXが固定されたまま、第1ローラ21Aが、サーボモータ41Cの回転駆動により、幅方向WDに移動する。すなわち、第1ローラ21Aを第2ローラ21Bから離間させて回転軸間距離Xを拡げるときには、サーボモータ41Cを正回転方向に回転駆動させ、第1ローラ21Aを第2ローラ21Bに近接させて回転軸間距離Xを縮めるときには、サーボモータ41Cを逆回転方向に回転駆動させる。
次に、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法による回転軸間近接工程(第1工程)、金属リング保持工程(第2工程)、及び金属リング周長調整工程(第3工程)のほか、これらの工程の前後の工程を含む一連の金属リングの製造工程について、図8乃至図18を用いて説明する。図8は、金属リングの製造工程のフローを示す工程図である。
図8に示すように、上記金属リングの製造工程のうち、金属リング搬入工程P1を経て、回転軸間近接工程P2、金属リング保持工程P3、及び金属リング周長調整工程P4が実施される。金属リング搬入工程P1は、9つの金属リング10を一まとめにし、この状態で、9つの金属リング10を、薄板材周長調整装置20の一対のローラ21まで運ぶまでの工程である。
図13は、周長調整前の金属リングを保持した周長調整搬送治具を示す正面図であり、その平面図を図14に、側面図を図15に示す。9つの金属リング10を一まとめにするのに、図13乃至図15に示すような周長調整搬送治具60が用いられる。周長調整搬送治具60は、第1搬送治具60Aと第2搬送治具60Bとが一対で、互いの形状が実質的に同じ治具である。周長調整搬送治具60は、第1搬送治具60Aと第2搬送治具60Bとも、金属リング積層体3において積層する金属リング10の積層数(9層)に相当する9つのガイド部材61からなる。ガイド部材61はそれぞれ、1つの金属リング10に対し、その幅方向(図7中、上下方向)両端を当接させ、周長方向に沿って金属リング10の一部を嵌め込んで保持するリング保持部62A、リング保持部62Bを有している。
金属リング搬入工程P1ではまず、図13乃至図15に示すように、金属リング10をトラック形状に弾性変形させ、金属リング10の直線部分を、第1搬送治具60Aのリング保持部62Aに嵌め込む。また、この第1搬送治具60Aと互いに対向する向きに第2搬送治具60Bを配置し、この金属リング10のもう一方の直線部分を、第2搬送治具60Bのリング保持部62Bに嵌め込む。これを、9つの金属リング10について行い、周長調整搬送治具60で9つの金属リング10を一まとめにする。その作業現場から、周長調整搬送治具60により、一まとめにした9つの金属リング10を、例えば、多関節ロボットを用いて自動化した搬送手段等により、薄板材周長調整装置20の一対のローラ21の位置まで搬送する。
次に、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法について説明する。本実施形態に係る金属リングの周長調整方法は、前述したように、回転軸間近接工程P2、金属リング保持工程P3、及び金属リング周長調整工程P4を有し、全工程P2,P3,P4とも薄板材周長調整装置20で行う。
回転軸間近接工程P2では、第1ローラ21Aの回転軸AXと第2ローラ21Bの回転軸AXとの回転軸間距離X(図2参照)を、引き伸ばす前の9つの金属リング10に対し、全ての周内に一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)が挿通可能な距離に設定する。具体的には、引き伸ばす前の状態の金属リング10は、9つとも全て周長が670mmであることから、金属リング積層体3の最外周層(図12では最上層)に位置する第9層目の金属リング10iとなる金属リング10を、一対のローラ21のうち、最大径の第9係回部22Iに掛け回すことが可能な回転軸間距離X(X<0)に設定する。
次いで、積層方向THに対する金属リング10の配置位置と、回転軸AX方向に対する係回部22の配置位置とを1対1の関係に対応させて、9つの金属リング10を9つの係回部22にそれぞれ保持させる。すなわち、金属リング保持工程P3では、回転軸間近接工程P2後、9つの金属リング10を一つにまとめた状態で、一対のローラ21を9つの金属リング10の周内に相対的に挿通し、9つの金属リング10を、弾性変形域内でテンションをかけた状態で、9つの係回部22にそれぞれ保持させる。
具体的には、図12に示すように、9つの金属リング10のうち、金属リング積層体3の最内周層(図12では最下層)に位置する第1層目の金属リング10aは、9つの係回部22のうち、径が最も小さい第1係回部22Aに対応させる。そして、配置する金属リング10が、第2層目の位置から第9層目の位置にかけて順に外周側の位置になるに連れて、第2係回部22Bから第9係回部22Iにかけて径が大きくなる順に金属リング10と係回部22とを対応させる。すなわち、第2層目の金属リング10bは、径が第1係回部22Aに次いで大きい第2係回部22Bに対応させる。同様に、第3層目の金属リング10cは、径が第2係回部22Bに次いで大きい第3係回部22Cに対応させる。同様に、第4層目の金属リング10dは、径が第3係回部22Cに次いで大きい第4係回部22Dに対応させる。同様に、第5層目の金属リング10eは、径が第4係回部22Dに次いで大きい第5係回部22Eに対応させる。同様に、第6層目の金属リング10fは、径が第5係回部22Eに次いで大きい第6係回部22Fに対応させる。同様に、第7層目の金属リング10gは、径が第6係回部22Fに次いで大きい第7係回部22Gに対応させる。同様に、第8層目の金属リング10hは、径が第7係回部22Gに次いで大きい第8係回部22Hに対応させる。そして、9つの金属リング10のうち、金属リング積層体3の最外周層(図12では最上層)に位置する第9層目の金属リング10iは、9つの係回部22のうち、径が最も大きい第9係回部22Iに対応させる。
回転軸間近接工程P2の後、一つにまとめた9つの金属リング10の各コーナー部分が一対のローラ21の各係回部22に位置するよう、前述した多関節ロボット等の搬送手段により、周長調整搬送治具60で一つにまとめた9つの金属リング10を、一対のローラ21に相対的に挿入する。このとき、一つにまとめた9つの金属リング10と、一対のローラ21との位置関係として、上述したように、積層方向THに対する金属リング10の配置位置と、回転軸AX方向に対する係回部22の配置位置とを1対1の関係に対応させて、一つにまとめた9つの金属リング10を、薄板材周長調整装置20に配置する。
引き伸ばす前の状態の金属リング10の周長は、第1層目乃至第9層目の全層とも全て670mmであるが、金属リング積層体3で隣り合って配置される金属リング10,10同士の周長差はΔR(R<0)である。一対のローラ21を回転させながら、この一対のローラ21に掛け回した9層分の金属リング10を周長調整するにあたり、9つの金属リング10を、それぞれ弛みがなくなるところ状態まで、予め弾性変形域で引き伸ばす必要がある。このときの金属リング10の弾性変形量として、最小径の第1係回部22Aに掛け回される第1層目の金属リング10aが最も弛んだ状態にあるため、この金属リング10aに弛みがなくなるところまで引き伸ばす。図9に、一対のローラに掛け回した金属リングの周長調整前の様子を模式図で示す。
すなわち、サーボモータ41Cを正回転方向に回転駆動させ、第1ローラ21A(移動側ローラ部20A)を第2ローラ21B(固定部ローラ部20B)とさらに離間させる。これにより、回転軸間近接工程P2で設定した回転軸間距離Xから、図9に示すように、第1層目の金属リング10aに弛みがなくなる回転軸間距離X(X<X)まで、回転軸間距離Xを拡げる。回転軸間距離Xは、回転軸間距離Xに、第1層目の金属リング10と第9層目の金属リング10との周長差である8×ΔRを加えた(X+8×ΔR)である。かくして、金属リング保持工程P3で、9つの金属リング10を9つの係回部22に掛け回した後、掛け回した金属リング10にテンションを掛けた状態で、金属リング10が一対のローラ21に保持される。この後、薄板材周長調整装置20は、9つの金属リング10から周長調整搬送治具60から取り外れて退避させる。周長調整搬送治具60は、金属リング搬入工程P1において、9つの金属リング10を周長調整搬送治具60で一まとめにする作業現場に戻される、または薄板材周長調整装置20近傍にそのまま置かれる。
次いで、金属リング周長調整工程P4を行う。本実施形態に係る金属リングの周長調整方法は、回転軸AXを中心に一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)が回転し、9つの金属リング10が周回している状態で、一対のローラ21の回転軸間距離Xを拡げる向きに、第1ローラ21Aと第2ローラ21Bとを互いに離間させて、9つの金属リング10それぞれを、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長Rにする。すなわち、金属リング周長調整工程P4では、金属リング保持工程P3の後、一対のローラ21を回転させながら、回転軸間距離Xを、9つの金属リング10に対し、それぞれ目標の周長R(第1層目標周長R、第2層目標周長R、第3層目標周長R、第4層目標周長R、第5層目標周長R、第6層目標周長R、第7層目標周長R、第8層目標周長R、第9層目標周長R)になるまで拡げる。
具体的には、薄板材周長調整装置20において、サーボモータ41Aとサーボモータ41Bとを回転駆動し、第1ローラ21Aと第2ローラ21Bとを、本実施形態では、1800rpmの回転数で回転させて、9つの金属リング10を一対のローラ21の各係回部22で周回させる。このとき、作業者は、図示しないCNC制御部により、サーボモータ41A及びサーボモータ41Bの回転加速度がほぼ0の状態であることを確認することにより、第1ローラ21A及び第2ローラ21Bが回転数1800rpmで安定しているかを判断し、この判断時を基準時とする。図10は、これら9つの金属リング10を周長調整後の様子を示す模式図である。
上記判断時を起算時に6sec.の間、第1ローラ21A及び第2ローラ21Bを回転数1800rpmのまま等速度で回転させながら、サーボモータ41Cの回転駆動により、移動側ローラ部20Aを移動させ、図9に示すように、回転軸間距離Xを、塑性変形前の回転軸間距離Xから塑性変形後の回転軸間距離X(X<X)に拡げる制御をして、9つの金属リング10を各目標の周長Rまで引き伸ばす。このとき、移動側ローラ部20Aの移動により、9つの金属リング10に対し、9つの係回部22(第1係回部22A、第2係回部22B、第3係回部22C、第4係回部22D、第5係回部22E、第6係回部22F、第7係回部22G、第8係回部22H、第9係回部22I)で作用する張力Tを、9つの金属リング10全てに均等にかける。その状態で、回転軸間距離Xを回転軸間距離Xまで拡張させて、張力Tが、本実施形態では1500Nになるまで、9つの金属リング10を塑性変形域までまとめて一度に引き伸ばして各目標の周長Rにする。
9つの金属リング10に掛かる張力Tが1500Nとする理由として、幅10mm、厚み0.185mmの金属リング10において、その歪みが弾性変形域から塑性変形域となる上降伏点の応力が1800MPaであるため、この応力1800MPaを9つの金属リング10それぞれに掛けるのに、1500Nの張力Tを必要とするからである。
また、直径Φ30mmの軸部23と、この軸部23より径大な9つの係回部22(第1係回部22A、第2係回部22B、第3係回部22C、第4係回部22D、第5係回部22E、第6係回部22F、第7係回部22G、第8係回部22H、第9係回部22I)で形成された一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)を、回転数1800rpmという非常に高速回転で回転させるのは、次の理由による。すなわち、第1ローラ21A及び第2ローラ21Bを高速回転することにより、その一対のローラ21の各係回部22に掛け回された9つの金属リング10に、上述した張力Tが局所的に掛かるのを抑止するためで、金属リング10を、周方向により均一に引き伸ばすためである。
すなわち、1500Nの張力Tは、9つの金属リング10のうち、第1ローラ21Aの係回部22と第2ローラ21Bの係回部22との間の直線部に掛かって引き伸ばされる。その一方、9つの金属リング10のうち、係回部22に掛け回された部分では、係回部22との間で掛かる摩擦力が作用し、この掛け回された部分で、1500Nの張力Tにより、金属リング10の幅D方向にクラウニングが施される。そのため、9つの金属リング10を高速で周回させることで、金属リング10に対し、その引き伸ばしとクラウニングの付与が均一に施される。
引き伸ばし開始後6sec.で、9つの金属リング10は、スプリングバックがほとんどない(例えば、引き伸ばし量の0.2%程度)、あるいは全くない塑性変形域に変形され、図4に示すような係回部22の係回面22aの形状に倣って、曲率半径Rのクラウニングが付される。また、周長調整で引き伸ばされた9つの金属リング10の周長として、第1層目金属リング10aの周長は、薄板材周長調整装置20への搬入時の周長670mmより大きい第1層目標周長Rである。第2層目金属リング10bの周長は、第1層目標周長RよりΔRだけ大きい第2層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第3層目金属リング10cの周長は、第2層目標周長RよりΔRだけ大きい第3層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第4層目金属リング10dの周長は、第3層目標周長RよりΔRだけ大きい第4層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第5層目金属リング10eの周長は、第4層目標周長RよりΔRだけ大きい第5層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第6層目金属リング10fの周長は、第5層目標周長RよりΔRだけ大きい第6層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第7層目金属リング10gの周長は、第6層目標周長RよりΔRだけ大きい第7層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第8層目金属リング10hの周長は、第7層目標周長RよりΔRだけ大きい第8層目標周長R(R+ΔR)である。同様に、第9層目金属リング10iの周長は、第8層目標周長RよりΔRだけ大きい第9層目標周長R(R+ΔR)である。図11に、周長調整された9層の金属リングの斜視図を示す。
かくして、金属リング周長調整工程P4を行うと、9つの金属リング10が一対のローラ21に保持から開放された状態では、9つの金属リング10はそれぞれ、図11に示すように、各目標の周長R(第1層目標周長R、第2層目標周長R、第3層目標周長R、第4層目標周長R、第5層目標周長R、第6層目標周長R、第7層目標周長R、第8層目標周長R、第9層目標周長R)に周長調整されたリングとなる。
次に、金属リング周長調整工程P4の終了後、金属リング搬出工程P5を実施する。金属リング搬出工程P5は、周長調整搬送治具60を用いて、金属リング搬入工程P1と同じ要領で9つの金属リング10を一まとめにし、次工程の治具付け替え工程P6の作業現場まで運ぶ工程である。次いで、治具付け替え工程P6を実施する。治具付け替え工程P6は、次工程の時効処理工程を行う熱処理炉内まで、9つの金属リング10を一まとめにして運ぶため、周長調整搬送治具60に代えて熱処理固定治具80を用いて、9つの金属リング10を一まとめにする工程である。図16は、周長調整後の金属リングを保持した熱処理固定治具を示す正面図であり、その平面図を図17に、側面図を図18に示す。
9つの金属リング10を一まとめにして熱処理炉内に搬送するのに、図16乃至図18に示すような熱処理固定治具80が用いられる。熱処理固定治具80は、周長調整搬送治具60と同様、第1固定治具80Aと第2固定治具80Bとが一対で、互いの形状が実質的に同じ治具である。熱処理固定治具80は、第1固定治具80Aと第2固定治具80Bとも、金属リング積層体3において積層する金属リング10の積層数(9層)に相当する9つのガイド部材81からなる。ガイド部材81はそれぞれ、1つの金属リング10に対し、その幅方向(図7中、上下方向)両端を当接させ、周長方向に沿って金属リング10の一部を嵌め込んで保持するリング保持部82A、リング保持部82Bを有している。
治具付け替え工程P6では、周長調整搬送治具60で保持状態にある9つの金属リング10から第1搬送治具60Aと第2搬送治具60Bとを取り外し、図16乃至図18に示すように、改めて金属リング10をトラック形状に弾性変形させて、金属リング10の直線部分を、第1固定治具80Aのリング保持部82Aに嵌め込む。また、この第1固定治具80Aと互いに対向する向きに第2固定治具80Bを配置し、この金属リング10のもう一方の直線部分を、第2固定治具80Bのリング保持部82Bに嵌め込む。これを、9つの金属リング10について行い、熱処理固定治具80で9つの金属リング10を一まとめにする。
治具付け替え工程P6の作業現場から、熱処理固定治具80により一まとめにした9つの金属リング10を、例えば、多関節ロボットを用いて自動化した搬送手段等により、熱処理炉の位置まで搬送する。時効処理工程を行い、その後に、窒化処理工程を行う。そして、窒化処理された9つの金属リング10(第1層目金属リング10a、第2層目金属リング10b、第3層目金属リング10c、第4層目金属リング10d、第5層目金属リング10e、第6層目金属リング10f、第7層目金属リング10g、第8層目金属リング10h、第9層目金属リング10i)を、その厚み方向THに重ね合わせて積層させる。かくして、環状の薄板材積層体3が形成される。
前述した構成を有する本実施形態に係る金属リングの周長調整方法、及び薄板材周長調整装置の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る金属リングの周長調整方法では、
(1)環状に形成されたマルエージング鋼製の金属リング10を9つ有し、9つの金属リング10の各周長をそれぞれ段階的に変化させて、9つの金属リング10を、その厚み方向に沿う積層方向THに重ね合わせて積層した環状の金属リング積層体3を形成するための金属リング10の周長調整方法において、金属リング積層体3で積層する金属リング10の積層数9に相当する9つの係回部22に、積層させる9つの金属リング10それぞれを掛け回して周回させる一対のローラ21を用い、一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)には、9つの係回部22が、当該ローラ21の回転軸AX方向に沿って配置されていると共に、回転軸AX方向と直交するローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3で積層方向THに隣り合って配置される金属リング10,10同士の周長差ΔRに対応した径差でそれぞれ形成されていること、回転軸AXを中心に一対のローラ21が回転し、9つの金属リング10が周回している状態で、一対のローラ21の回転軸間距離Xを拡げる向きに、第1ローラ21Aと第2ローラ21Bとを互いに離間させて、9つの金属リング10それぞれを、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長Rにすることを特徴とするので、金属リング10にスプリングバックが生じず、またはほとんど生じず周長が安定した状態で、金属リング10を目標の周長Rまで引き伸ばす周長調整の工程が、金属リング積層体3における金属リング10の積層数に拘わらずまとめて1工程に集約でき、周長調整の工程数が、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整方法に比べて、大幅に削減できる。そのため、金属リング積層体3で積層させる全ての金属リング10を周長調整するのに必要な総加工時間が、1層分の金属リング10を周長調整する時間でできるようになり、金属リング10を周長調整するのに掛かる製造コストが大幅に低減できる。
また、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法は、金属リング10の周長調整を行う設備(周長調整装置20)について、従来の周長調整方法とは異なり、積層数(9層)分に相当する設備数を設置する必要がない上、設備を工場に設置するスペースを、省スペースに抑えることができる。また、従来の周長調整方法では、積層方向の配置位置がそれぞれ異なる複数種の薄板材の周長を、同じ設備で調整しようとすると、積層方向の配置位置の違いにより、薄板材同士間で周長差を設けるための段取り替え作業が必要となるが、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法では、このような段取り替え作業がない。そのため、金属リング10を周長調整する製造コストを低減することができる。さらに、積層数分に相当する数の設備を必要としないため、設備に掛かる設備コストが大幅に低減できる。
従って、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法によれば、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、金属リング積層体3に構成する全種の金属リング10を、それぞれ異なる目標の周長R(第1層目標周長R、第2層目標周長R、第3層目標周長R、第4層目標周長R、第5層目標周長R、第6層目標周長R、第7層目標周長R、第8層目標周長R、第9層目標周長R)に、低コストで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する金属リングの周長調整方法において、係回部22の係回面22aの形状に倣って金属リング10にクラウニングを付することを特徴とするので、金属リング10にクラウニングを付すことにより、金属リング積層体3において隣り合って配置される積層状態の金属リング10,10同士が、互いに保持され易くすることができる。また、クラウニングを付した金属リング10により、金属リング積層体3を形成する場合に、金属リング10にクラウニングを付する工程が別途必要とせず、金属リング積層体3の製造工程の工程数を削減することができる。
(4)(1)または(2)に記載する環状薄板材の金属リングの周長調整方法において、引き伸ばす前の状態では、金属リング10の周長が、積層方向THの配置位置に因らず同じ(本実施形態では、670mm)であること、積層方向THに対する金属リング10の配置位置と、回転軸AX方向に対する係回部22の配置位置とを1対1の関係に対応させて、9つの金属リング10を9つの係回部22に保持させること、及び係回部22で金属リング10に作用する張力Tを、9つの金属リング10全てに均等にかけることを特徴とするので、掛け回す前の金属リング10の製造コストが、一対のローラ21の係合部22に対し、掛け回す位置によって予め周長が異なる金属リングを用いる場合に比して、安価にできる。また、金属リング積層体3において隣り合って配置される金属リング10,10同士の間で、積層方向THの配置位置によって必然的に生じる周長差ΔRを、金属リング10の配置位置毎に同じように付けることができ、9つの金属リング10の各周長がそれぞれ、均一な状態で段階的に変化させることができる。その結果、9つの金属リング10を積層方向THに、より密着した状態で重ね合わせて積層した環状の金属リング積層体3を形成することができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する金属リングの周長調整方法において、回転軸間距離Xを制御して、9つの金属リング10を各目標の周長Rまで引き伸ばすこと特徴とするので、9つの金属リング10に対し、引き伸ばし前の状態の金属リング10を目標の周長Rまで引き伸ばす引き伸ばし量と、各目標の周長Rになるまで回転軸間距離Xを変位させる変位量とは、等価であるため、回転軸間距離Xの変位量を精度良く制御すれば、9つの金属リング10全てに対し、積層方向THの配置位置毎に応じた目標の周長Rまで、金属リング10を高精度に引き伸ばすことができる。また、量産体制の下で周長調整を行う場合、金属リング10が各目標の周長Rまで引き伸ばされているかの品質管理が容易にできる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する金属リングの周長調整方法において、回転軸間距離Xを、引き伸ばす前の9つの金属リング10に対し、全ての周内に一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)が挿通可能な距離に設定する回転軸間近接工程P2と、回転軸間近接工程P2後、9つの金属リング10を一つにまとめた状態で、第1ローラ21A、第2ローラ21Bを9つの金属リング10の周内に相対的に挿通し、9つの金属リング10を、弾性変形域内でテンションをかけた状態で、9つの係回部22にそれぞれ保持させる金属リング保持工程P3と、金属リング保持工程P3後、一対のローラ21を回転させながら、回転軸間距離Xを、9つの金属リング10に対し各目標の周長Rになるまで拡げる金属リング周長調整工程P4と、を有することを特徴とするので、9つの金属リング10全てを一つにまとめたロットとして、連続する複数のロットを量産体制の下で周長調整する場合、例えば、先のロットが金属リング保持工程P3または金属リング周長調整工程P4を実施している間に、次のロット分の9つの金属リング10全てを一つにまとめる作業が回転軸間近接工程P2で実施できる。あるいは、次のロット分が金属リング保持工程P3を実施できる薄板材周長調整装置20の位置に移動する間、回転軸間近接工程P2を実施できる等、生産性の高い周長調整を行うことができる。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する金属リングの周長調整方法において、金属リング10はマルエージング鋼製のリングであり、金属リング積層体3は、無段変速機に構成されるCVTベルト1の一部として、金属リング10が積層された金属リング積層体3であることを特徴とするので、金属リング積層体3の積層数(9層)に応じて重ね合わせる金属リング10を、金属リング積層体3を形成するのに必要な周長Rに調整するときに掛かる製造コストが、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整方法に比べて、大幅に削減できることから、無段変速機を安価なコストで製造することができるようになる。
また、本実施形態に係る薄板材周長調整装置20では、
(8)環状に形成された金属リング10で、その周長を段階的に変化させた9つの金属リング10を、その厚み方向に沿う積層方向THに重ね合わせて積層させた環状の金属リング積層体3を形成するための薄板材周長調整装置20において、金属リング積層体3で積層させる金属リング10の積層数(9層)に相当する9つの係回部22に、9つの金属リング10を掛け回して、回転軸AXを中心に回転させると共に、回転軸間距離Xが制御可能に構成された一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)を備え、9つの係回部22が、回転軸AX方向に沿って配置されていると共に、回転軸AX方向と直交するローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3で隣り合って配置される金属リング10,10士の周長差ΔRに対応した径差で形成されていることを特徴とするので、金属リング10を目標の周長Rまで引き伸ばす周長調整の工程が、金属リング積層体3における金属リング10の積層数(9層)に拘わらずまとめて1工程に集約でき、周長調整の工程数が、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整装置に比べて、大幅に削減できる。そのため、金属リング積層体3で積層させる全ての金属リング10を周長調整するのに必要な総加工時間が、1層分の金属リング10を周長調整する時間でできるようになり、金属リング10を周長調整するのに掛かる製造コストが大幅に低減できる。
また、本実施形態に係る薄板材周長調整装置20は、従来の周長調整装置とは異なり、積層数(9層)分に相当する設備数を設置する必要がなく、1台分のスペースだけを確保すれば良く、工場に設置するスペースを、省スペースに抑えることができる。また、従来の周長調整装置では、積層方向の配置位置がそれぞれ異なる複数種の薄板材の周長を、同じ装置で調整しようとすると、積層方向の配置位置の違いにより、薄板材同士間で周長差を設けるための段取り替え作業が必要となるが、本実施形態に係る薄板材周長調整装置20では、このような段取り替え作業がない。そのため、金属リング10を周長調整する製造コストを低減することができる。さらに、本実施形態に係る薄板材周長調整装置20は、積層数分に相当する設備数を設置する必要がないため、設備するのに掛かる設備コストが大幅に低減できる。
従って、本実施形態の薄板材周長調整装置20によれば、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、金属リング積層体3に構成する全種の金属リング10を、それぞれ異なる目標の周長Rに、低コストで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(9)(8)に記載する薄板材周長調整装置20において、9つの係回部22は、ローラ径方向RDに対し、金属リング10に付するクラウニングに対応したR形状に形成されていることを特徴とするので、金属リング10にクラウニングを付すことにより、金属リング積層体3において隣り合って配置される積層状態の金属リング10,10同士が、互いに保持され易くすることができる。また、例えば、曲率半径Rでクラウニングを付した金属リング10により、金属リング積層体3を形成する場合に、金属リング10にクラウニングを付する工程が別途必要とせず、金属リング積層体3の製造工程の工程数を削減することができる。
(11)(8)乃至(10)のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置20において、回転軸間距離Xを、サーボモータ41Cで制御することを特徴とするので、回転軸間距離Xを変化させるとき、その距離の変位量や、一対のローラ21のうちの第1ローラ21A(移動側ローラ部20A)の停止位置を高精度に検出することができる。そのため、回転軸間距離Xの変位量が精度良く得られることで、9つの金属リング10全てに対し、積層方向THの配置位置毎に応じた目標の周長Rまで、金属リング10を高精度に引き伸ばすことができる。
(12)(8)乃至(11)のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置20において、一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)は、回転軸AX方向に対し、両端支持で設けられ、隣り合う第4係回部22Dと第5係回部22Eとの間の中間軸部24で、第1ローラ21A及び第2ローラ21Bをそれぞれローラ径方向RDから支持するローラ支持ユニット30を備えていることを特徴とするので、回転軸AXを中心に一対のローラ21が回転し、9つの金属リング10が周回している状態で、第1ローラ21Aと第2ローラ21Bとの回転軸間距離Xを拡げる向きに第1ローラ21Aと第2ローラ21Bとが互いに離間するときに、ローラ支持ユニット30により、第1ローラ21A、第2ローラ21Bの軸部23の回転軸AXに掛かる曲げモーメントを小さくして、回転軸AXの振れ(ローラ径方向RDに向けた第1ローラ21A、第2ローラ21Bの軸部23の撓み)を小さく抑制することができる。これにより、9つの金属リング10に対し、係回部22で金属リング10に作用する張力Tを、より均一にかけることができ、9つの金属リング10全てに、同じように金属リング10を引き伸ばして、各目標の周長Rにすることができる。
〔実施形態2〕
以下、実施形態2に係る金属リングの周長調整方法、及び薄板材周長調整装置について、図19乃至図22を用いて説明する。
実施形態1は、D=幅10mm、厚み0.185mm、幅方向の両端側とも引き伸ばす前の状態の周長が670mmの金属リング10を、周長調整の対象とした。
これに対し、実施形態2は、幅(図19中、上下方向)と厚みが一定寸法で、引き伸ばす前の状態の周長として、幅方向D一端の外周側の直径がL1(0<L1)、及び幅方向D他端の外周側の直径がL2(L1<L2)、板面が角度θで傾斜して形成された金属リング110を、周長調整の対象としている。
すなわち、実施形態2は、金属リング110の形状、一対のローラ121の形状の点で、実施形態1と異なるが、周長調整方法や、薄板材周長調整装置の構造等、それ以外の部分は、実施形態1と同様である。
従って、実施形態1とは異なる部分を中心に説明し、その他について説明を簡略または省略する。
はじめに、金属リング110について、図19を用いて説明する。図19に、本実施形態に係る金属リングの斜視図を示す。前述したように、金属リング110は、幅D(図19中、上下方向)と厚みが一定寸法で、引き伸ばす前の状態の周長として、幅D方向一端の外周側の直径がL1、及び幅D方向他端の外周側の直径がL2、板面がテーパ角θで傾斜して形成されている。本実施形態では、L2−L1=0.3mm程度となっている。
次に、一対のローラ121について、図20を用いて説明する。図20に、本実施形態に係るローラの正面図を示す。実施形態1と同様、図19に示すように、9つの係回部122が、回転軸AX方向に沿って配置されていると共に、回転軸AX方向と直交するローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3(図12参照)で隣り合って配置される金属リング110,110同士の周長差ΔRに対応した径差で形成されている。本実施形態では、9つの係回部122(第1係回部122A、第2係回部122B、第3係回部122C、第4係回部122D、第5係回部122E、第6係回部122F、第7係回部122G、第8係回部122H、第9係回部122I)の各係回面122aが何れも、回転軸AX方向に対し、金属リング110のテーパ角θに対応したテーパ状に形成されている。
図21に、図19に示す金属リングを周長調整している様子の説明図を示す。実施形態1と同様、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法は、回転軸AXを中心に一対のローラ121(第1ローラ121A、第2ローラ121B)が回転し、9つの金属リング110が周回している状態で、一対のローラ121の回転軸間距離Xを拡げる向きに、第1ローラ121Aと第2ローラ121Bとを互いに離間させて、9つの金属リング110それぞれを、各目標の周長Rになるまで同時に引き伸ばす。すなわち、実施形態1の金属リング周長調整工程P4を行う。金属リング周長調整工程P4では、金属リング保持工程P3の後、一対のローラ121を回転させながら、回転軸間距離Xを、9つの金属リング110に対し、それぞれ目標の周長R(第1層目標周長R、第2層目標周長R、第3層目標周長R、第4層目標周長R、第5層目標周長R、第6層目標周長R、第7層目標周長R、第8層目標周長R、第9層目標周長R)になるまで拡げる。
なお、図20及び図21には図示されていないが、実施形態1と同様、本実施形態でも、一対のローラ121の9つの係回部122において、テーパ角θでテーパ状に形成された係回面122aに、ローラ径方向RDに対し、金属リング110に付するクラウニングに対応したR形状を付加させた形状に形成することもできる。すなわち、係回面122aを、クラウニングに対応した曲率半径Rで、かつテーパ角θのテーパ形状に形成することもできる(図4参照)。図22に、周長調整された9層の金属リングの斜視図を示す。
かくして、金属リング周長調整工程P4を行うと、9つの金属リング110が一対のローラ121に保持から開放された状態では、9つの金属リング110(第1層目金属リング110a、第2層目金属リング110b、第3層目金属リング110c、第4層目金属リング110d、第5層目金属リング110e、第6層目金属リング110f、第7層目金属リング110g、第8層目金属リング110h、第9層目金属リング110i)はそれぞれ、図22に示すように、各目標の周長R(第1層目標周長R、第2層目標周長R、第3層目標周長R、第4層目標周長R、第5層目標周長R、第6層目標周長R、第7層目標周長R、第8層目標周長R、第9層目標周長R)に周長調整されたリングとなる。
前述した構成を有する本実施形態に係る金属リングの周長調整方法、及び薄板材周長調整装置の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る金属リングの周長調整方法では、
(1)環状に形成されたマルエージング鋼製の金属リング110を9つ有し、9つの金属リング110の各周長をそれぞれ段階的に変化させて、9つの金属リング110を、その厚み方向に沿う積層方向THに重ね合わせて積層した環状の金属リング積層体3を形成するための金属リング110の周長調整方法において、金属リング積層体3で積層する金属リング110の積層数9に相当する9つの係回部122に、積層させる9つの金属リング110それぞれを掛け回して周回させる一対のローラ121を用い、一対の1ローラ21(第1ローラ121A、第2ローラ121B)には、9つの係回部122が、当該ローラ121の回転軸AX方向に沿って配置されていると共に、回転軸AX方向と直交するローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3で積層方向THに隣り合って配置される金属リング110,110同士の周長差ΔRに対応した径差でそれぞれ形成されていること、回転軸AXを中心に一対のローラ121が回転し、9つの金属リング110が周回している状態で、一対のローラ121の回転軸間距離Xを拡げる向きに、第1ローラ121Aと第2ローラ121Bとを互いに離間させて、9つの金属リング110それぞれを、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長Rにすることを特徴とするので、金属リング110にスプリングバックが生じず、またはほとんど生じず周長が安定した状態で、金属リング110を目標の周長Rまで引き伸ばす周長調整の工程が、金属リング積層体3における金属リング110の積層数に拘わらずまとめて1工程に集約でき、周長調整の工程数が、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整方法に比べて、大幅に削減できる。そのため、金属リング積層体3で積層させる全ての金属リング110を周長調整するのに必要な総加工時間が、1層分の金属リング110を周長調整する時間でできるようになり、金属リング110を周長調整するのに掛かる製造コストが大幅に低減できる。
また、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法は、金属リング110の周長調整を行う設備(薄板材周長調整装置120)について、従来の周長調整方法とは異なり、積層数(9層)分に相当する設備数を設置する必要がない上、設備を工場に設置するスペースを、省スペースに抑えることができる。また、従来の周長調整方法では、積層方向の配置位置がそれぞれ異なる複数種の薄板材の周長を、同じ設備で調整しようとすると、積層方向の配置位置の違いにより、薄板材同士間で周長差を設けるための段取り替え作業が必要となるが、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法では、このような段取り替え作業がない。そのため、金属リング110を周長調整する製造コストを低減することができる。さらに、積層数分に相当する数の設備を必要としないため、設備に掛かる設備コストが大幅に低減できる。
従って、本実施形態に係る金属リングの周長調整方法によれば、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、金属リング積層体3に構成する全種の金属リング10を、それぞれ異なる目標の周長R(第1層目標周長R、第2層目標周長R、第3層目標周長R、第4層目標周長R、第5層目標周長R、第6層目標周長R、第7層目標周長R、第8層目標周長R、第9層目標周長R)に、低コストで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(3)(1)または(2)に記載する金属リングの周長調整方法において、9つの係回部122の係回面122aが何れも、回転軸AX方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とするので、引き伸ばす前の状態において、厚み方向THと周方向とに直交する金属リング110の幅D方向(図19中、上下方向)に対し、その一方側の周長と、他方側の周長との間で周長差、すなわち、ΔL=L2−L1=0.3mm程度あるテーパ状の金属リング110についても、9つの金属リング110それぞれを、各目標の周長Rになるまで同時に引き伸ばすことができる。
また、本実施形態に係る薄板材周長調整装置120では、
(8)環状に形成された金属リング110で、その周長を段階的に変化させた9つの金属リング110を、その厚み方向に沿う積層方向THに重ね合わせて積層させた環状の金属リング積層体3を形成するための薄板材周長調整装置120において、金属リング積層体3で積層させる金属リング110の積層数(9層)に相当する9つの係回部122に、9つの金属リング110を掛け回して、回転軸AXを中心に回転させると共に、回転軸間距離Xが制御可能に構成された一対のローラ121(第1ローラ121A、第2ローラ121B)を備え、9つの係回部122が、回転軸AX方向に沿って配置されていると共に、回転軸AX方向と直交するローラ径方向RDに対し、金属リング積層体3で隣り合って配置される金属リング110,110士の周長差ΔRに対応した径差で形成されていることを特徴とするので、金属リング110を目標の周長Rまで引き伸ばす周長調整の工程が、金属リング積層体3における金属リング110の積層数(9層)に拘わらずまとめて1工程に集約でき、周長調整の工程数が、積層分の工程数に分け、各工程で薄板材を1本ずつ周長調整していた従来の周長調整装置に比べて、大幅に削減できる。そのため、金属リング積層体3で積層させる全ての金属リング110を周長調整するのに必要な総加工時間が、1層分の金属リング110を周長調整する時間でできるようになり、金属リング110を周長調整するのに掛かる製造コストが大幅に低減できる。
また、本実施形態に係る薄板材周長調整装置120は、従来の周長調整装置とは異なり、積層数(9層)分に相当する設備数を設置する必要がなく、1台分のスペースだけを確保すれば良く、工場に設置するスペースを、省スペースに抑えることができる。また、従来の周長調整装置では、積層方向の配置位置がそれぞれ異なる複数種の薄板材の周長を、同じ装置で調整しようとすると、積層方向の配置位置の違いにより、薄板材同士間で周長差を設けるための段取り替え作業が必要となるが、本実施形態に係る薄板材周長調整装置120では、このような段取り替え作業がない。そのため、金属リング110を周長調整する製造コストを低減することができる。さらに、本実施形態に係る薄板材周長調整装置120は、積層数分に相当する設備数を設置する必要がないため、設備するのに掛かる設備コストが大幅に低減できる。
従って、本実施形態の薄板材周長調整装置120によれば、周長調整装置の設備数を増やさず同じ周長調整工程において、金属リング積層体3に構成する全種の金属リング110を、それぞれ異なる目標の周長Rに、低コストで調整することができる、という優れた効果を奏する。
(10)(8)または(9)に記載する薄板材周長調整装置120において、9つの係回部122の係回面122aが何れも、回転軸AX方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とするので、引き伸ばす前の状態において、厚み方向THと周方向とに直交する金属リング110の幅方向(図19中、上下方向)に対し、その一方側の周長と、他方側の周長との間で周長差、すなわち、ΔL=L2−L1=0.3mm程度があるテーパ状の金属リング110についても、9つの金属リング110それぞれを、各目標の周長Rになるまで同時に引き伸ばすことができる。
以上において、本発明を実施形態1,2に即して説明したが、本発明は上記実施形態1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態1,2では、回転軸AX方向両端で支持した一対のローラ21を、ローラ支持ユニット30で補助的に支持したが、ローラ支持ユニット30を設けず、一対のローラを両端支持で配設しても良い。図5は、変形例1に係るローラを示す正面図である。具体的には、一対のローラ221(第1ローラ221A、第2ローラ221B)では、図5に示すように、第1係回部222A、第2係回部222B、第3係回部222C、第4係回部222D、第5係回部222E、第6係回部222F、第7係回部222G、第8係回部222H、及び第9係回部222Iが、9つ一続きで形成されている。第1ローラ221Aの軸部223の回転軸AX方向一端側(図5中、下側)には、サーボモータ41Aが接続されている一方で、軸部223の他端側(図5中、上側)は、テールストック42Aの内部にあるベアリング43により、支持されている。また、第1ローラ221Aと同様、第1ローラ221Bの軸部223の回転軸AX方向一端側には、サーボモータ41Bが接続されている一方で、軸部223の他端側は、テールストック42Bの内部にあるベアリング43により、支持されている。
(2)また、上記変形例1とは別に変形例2も考えられる。図6は、変形例2に係るローラを示す正面図である。変形例2に係る一対のローラ321(第1ローラ321A、第2ローラ321B)では、図6に示すように、第1係回部322A、第2係回部322B、第3係回部322C、第4係回部322D、第5係回部322E、第6係回部322F、第7係回部322G、第8係回部322H、及び第9係回部322Iが、9つ一続きで形成されている。第1ローラ321Aの軸部323の回転軸AX方向一端側(図6中、下側)は、片持ち支持でサーボモータ41Aと接続しているが、軸部323の他端側(図6中、上側)は、フリーになっている。また、第1ローラ321Aと同様、第1ローラ321Bの軸部323の回転軸AX方向一端側は、片持ち支持でサーボモータ41Bと接続しているが、軸部323の他端側は、フリーになっている。変形例1及び変形例2では、一対のローラが薄板材の周長調整時に掛かる張力で撓まないよう、剛性の高いものにすることが前提となる。
(3)また、実施形態1,2では、金属リング10を9層積層させた金属リング積層体3を例示して説明したが、薄板材積層体における薄板材の積層数は、9層以外にも、例えば、6層、12層等のように、製品(CVT)の仕様よって適宜変更可能である。同様に、一対のローラの係合部の数も、薄板材積層体で積層させる薄板材の積層数に応じて適宜変更可能である。
(4)また、実施形態1では、隣り合う第4係回部22Dと第5係回部22Eとの間にある中間軸部24をローラ支持ユニット30で補助的に支持したが、ローラ支持手段により、隣り合う係回部同士の間を支持する位置、及び支持箇所の数は、実施形態に限定されず、種々変更可能である。
(5)また、実施形態1,2では、一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)を、サーボモータ41A、サーボモータ41Bで回転させたが、掛け回した薄板材を、回転ムラがなく高精度に高速回転で回転させるモータであれば、例えば、スピンドルモータでも良く、サーボモータに限らず、一対のローラの回転駆動源は、適宜変更可能である。
(6)また、実施形態1,2では、一対のローラ21(第1ローラ21A、第2ローラ21B)を、それぞれサーボモータ41A、サーボモータ41Bで回転させた。しかしながら、掛け回した薄板材を、回転ムラがなく高精度に高速回転で回転させることができれば、これを前提に、一対のローラの片側を、モータで回転駆動させる駆動側で、その反対側を、モータで回転駆動させず、駆動側の回転に依存する従動側にしても良い。
1 CVTベルト(金属ベルト)
3 金属リング積層体(薄板材積層体)
10 金属リング(薄板材)
20,120 薄板材周長調整装置
21,121 一対のローラ
21A,121A 第1ローラ(一対のローラ)
21B,121B 第2ローラ(一対のローラ)
22,122 係回部
22A,122A 第1係回部
22B,122B 第2係回部
22C,122C 第3係回部
22D,122D 第4係回部
22E,122E 第5係回部
22F,122F 第6係回部
22G,122G 第7係回部
22H,122H 第8係回部
22I,122I 第9係回部
22D,22E 隣り合う係回部同士
30 ローラ支持ユニット(ローラ支持手段)
41C サーボモータ(サーボモータ)
TH 積層方向
D 幅方向
AX 回転軸
RD ローラ径方向
X 回転軸間距離
目標の周長
T 張力

Claims (12)

  1. 環状に形成された金属製の薄板材を複数有し、前記複数の薄板材の各周長をそれぞれ段階的に変化させて、前記複数の薄板材を、その厚み方向に沿う積層方向に重ね合わせて積層した環状の薄板材積層体を形成するための環状薄板材の周長調整方法において、
    前記薄板材積層体で積層する前記薄板材の積層数に相当する所定数の係回部に、積層させる前記所定数の前記薄板材それぞれを掛け回して周回させる一対のローラを用い、
    前記一対のローラには、前記所定数の前記係回部が、当該ローラの回転軸方向に沿って配置されていると共に、前記回転軸方向と直交する前記ローラ径方向に対し、前記薄板材積層体で前記積層方向に隣り合って配置される前記薄板材同士の周長差に対応した径差でそれぞれ形成されていること、
    前記回転軸を中心に前記一対のローラが回転し、前記所定数の前記薄板材が周回している状態で、前記一対のローラの回転軸間距離を拡げる向きに前記一対のローラを互いに離間させて、前記所定数の前記薄板材それぞれを、塑性変形域まで同時に引き伸ばして各目標の周長にすることを特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  2. 請求項1に記載する環状薄板材の周長調整方法において、
    前記係回部の形状に倣って前記薄板材にクラウニングを付することを特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する環状薄板材の周長調整方法において、
    前記所定数の前記係回部が何れも、前記回転軸方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、
    引き伸ばす前の状態では、前記薄板材の周長が、前記積層方向の配置位置に因らず同じであること、
    前記積層方向に対する前記薄板材の配置位置と、前記回転軸方向に対する前記係回部の配置位置とを1対1の関係に対応させて、前記所定数の前記薄板材を前記所定数の前記係回部に保持させること、及び
    前記係回部で前記薄板材に作用する張力を、前記所定数の前記薄板材全てに均等にかけることを特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、
    前記回転軸間距離を制御して、前記所定数の前記薄板材を前記各目標の周長まで引き伸ばすこと特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、
    前記回転軸間距離を、引き伸ばす前の前記所定数の前記薄板材に対し、全ての周内に前記一対のローラが挿通可能な距離に設定する第1工程と、
    前記第1工程後、前記所定数の前記薄板材を一つにまとめた状態で、前記一対のローラを前記所定数の前記薄板材の周内に相対的に挿通し、前記所定数の前記薄板材を、弾性変形域内でテンションをかけた状態で、前記所定数の前記係回部にそれぞれ保持させる第2工程と、
    前記第2工程後、前記一対のローラを回転させながら、前記回転軸間距離を、前記所定数の前記薄板材に対し前記各目標の周長になるまで拡げる第3工程と、
    を有することを特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載する環状薄板材の周長調整方法において、
    前記薄板材は鋼製のリングであり、前記薄板材積層体は、無段変速機に構成される金属ベルトの一部として、前記鋼製のリングが積層された金属リング積層体であることを特徴とする環状薄板材の周長調整方法。
  8. 環状に形成された金属製の薄板材で、その周長を段階的に変化させた複数の前記薄板材を、その厚み方向に沿う積層方向に重ね合わせて積層させた環状の薄板材積層体を形成するための薄板材周長調整装置において、
    前記薄板材積層体で積層させる前記薄板材の積層数に相当する所定数の係回部に、前記所定数の前記薄板材を掛け回して、回転軸を中心に回転させると共に、回転軸間距離が制御可能に構成された一対のローラを備え、
    前記所定数の前記係回部が、前記回転軸方向に沿って配置されていると共に、前記回転軸方向と直交するローラ径方向に対し、前記薄板材積層体で隣り合って配置される前記薄板材同士の周長差に対応した径差で形成されていることを特徴とする薄板材周長調整装置。
  9. 請求項8に記載する薄板材周長調整装置において、
    前記所定数の前記係回部は、前記ローラ径方向に対し、前記薄板材に付するクラウニングに対応したR形状、または前記薄板材に付する凹凸形状に形成されていることを特徴とする薄板材周長調整装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載する薄板材周長調整装置において、
    前記所定数の前記係回部が何れも、前記回転軸方向に対し、テーパ状に形成されていることを特徴とする薄板材周長調整装置。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置において、
    前記回転軸間距離を、サーボモータで制御することを特徴とする薄板材周長調整装置。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれか1つに記載する薄板材周長調整装置において、
    前記一対のローラは、前記回転軸方向に対し、片持ち支持、または両端支持で設けられ、
    隣り合う前記係回部同士の間の位置で、前記一対のローラをそれぞれ前記ローラ径方向から支持するローラ支持手段を備えていることを特徴とする薄板材周長調整装置。

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